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  • 工程能力指数の区間推定が導出できる

    工程能力指数の区間推定が導出できる

    「工程能力指数の区間推定がわからない、どうやって導出するの?」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    工程能力指数の区間推定が導出できる

    おさえておきたいポイント

    • ①工程能力指数の区間推定
    • ➁両側規格の場合は自力で導出できる
    • ➂片側規格の場合を導出(激難)
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    工程能力指数の区間推定の式を導出します!
    めっちゃ難しいけど

    ①工程能力指数の区間推定

    工程能力指数の区間推定ですが、こんな式どうやって作られたの?って疑問に思いませんか?

    ●両側規格の場合
    ・\(C_p(U)\)=\(\hat{C_p}\)\(\sqrt{\frac{χ^2(n-1,\frac{α}{2})}{n-1}}\)
    ・\(C_p(L)\)=\(\hat{C_p}\)\(\sqrt{\frac{χ^2(n-1,1-\frac{α}{2})}{n-1}}\)
    ●片側規格の場合
    \(\hat{C_p}\)±\(u(α)\)\(\sqrt{\frac{\hat{C_{pk}^2}}{2(n-1)}+\frac{1}{9n}}\)
    どうやって、この式求めたの?
    って不思議に思いますよね!
    じゃー、導出してみますね。

    ➁両側規格の場合は自力で導出できる

    この式は、自力で簡単に導出できるし、できないといけません!

    1. 工程能力指数の式は平方和とσの比
    2. 平方和とσの比はχ2乗分布の定義
    3. χ2乗分布を使えば、導出できる!

    の3点セットで導出しますね。

    工程能力指数の式は平方和とσの比

    まず、工程能力指数の定義ですが、

    \(C_p\)=\(\frac{S_U – S_L}{6σ}\)

    ですね。

    ちょっと変形していくと、
    \(C_p\)
    =\(\frac{S_U – S_L}{6σ}\)
    =\(\frac{S_U – S_L}{6s}\)\(\frac{s}{σ}\)
    =\(\hat{C_p}\)\(\frac{s}{σ}\)
    (\(\hat{C_p}\)=\(\frac{S_U – S_L}{6s}\))

    ここで、
    \(\frac{s}{σ}\)からχ2乗分布をおびきよせます。

    平方和とσの比はχ2乗分布の定義

    ところで、\(s\)と\(σ\)は、

    ●\(s\):標準偏差
    (生データの平方和から計算できる)
    ●\(σ\):母標準偏差
    (母集団がわからないから、計算できない)

    次に、平方和\(S^*\)と標準偏差\(s\)の関係式と
    χ2分布の定義式を書きます。

    ●\(\frac{S^*}{n-1}\)=\(s^2\) (分散は標準偏差の2乗)
    ●\(χ^2\)=\(\frac{S^*}{σ^2}\)

    整理すると、
    \(χ^2\)=\(\frac{S^*}{σ^2}\)
    =\(\frac{s^2 (n-1)}{σ^2}\)
    より

    \(\frac{s}{σ}\)=\(\frac{χ^2}{n-1}\)

    よって、工程能力指数の区間推定の式は
    \(C_p\)=\(\hat{C_p}\)\(\frac{s}{σ}\)
    =\(\hat{C_p}\)\(\frac{χ^2}{n-1}\)

    χ2乗分布から信頼区間を入れればよいので、

    ●両側規格の場合
    ・\(C_p(U)\)=\(\hat{C_p}\)\(\sqrt{\frac{χ^2(n-1,\frac{α}{2})}{n-1}}\)
    ・\(C_p(L)\)=\(\hat{C_p}\)\(\sqrt{\frac{χ^2(n-1,1-\frac{α}{2})}{n-1}}\)

    両側規格の場合は、χ2乗分布の式をいじれば導出できます。

    ➂片側規格の場合を導出(激難)

    導出が書いている本を紹介

    1冊だけ導出過程が書いている本があります。紹介します。

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    この本を読んでわかったことは、

    1. 難しいから結局わからない
    2. 定理で導出されるよりは、数学者や日本規格協会が設計した式という印象が強い
    3. だったら、自分の経験式でもいいんじゃないの?と思った

    ですね。
    片側規格の式は
    \(\hat{C_p}\)±\(u(α)\)\(\sqrt{\frac{\hat{C_{pk}^2}}{2(n-1)}+\frac{1}{9n}}\)
    という変な式で、

    √の中にある +\(\frac{1}{9n}\)
    がどういう意味かもよくわからない

    なので、わかり補足した資料を作りました。

    本が難しいので、わかりやすく補足

    すいません、補足資料は販売とさせていただきます。

    1000円でメルカリで販売します。ご購入よろしくお願いいたします。

    資料のポイントは、

    1. 両側規格はχ2乗分布だが、片側規格はt分布から攻めており、異なる確率分布で計算していいのか?疑問
    2. 厳密な計算の途中に、値だけ近い関数に無理矢理近似している
    3. 最終形の式を両側規格にできるだけ近づけるように設計した印象がある
    4. JISにも書いているから正しいと信じこみやすいが、導出過程見ると強引さがある
    5. 式の精度が高そうで高くないから、自分の経験式でやってもいいんじゃないの?
    6. なのに、教科書や試験はこの式を代入させたい意思がある

    QCプラネッツなら、

    ●片側規格の推定区間の式は使わない
    ●両側規格の区間×α倍とざっくり区間を広げておく感じで済ませる

    大学の先生や日本規格協会が作ったから正しいわけじゃないし、
    JISにあるから絶対正しいと信じ込まず、
    式の導出過程をみて、その式の強み・弱みを理解することが大事!

    まとめ

    「工程能力指数の区間推定が導出できる」を解説しました。

    • ①工程能力指数の区間推定
    • ➁両側規格の場合は自力で導出できる
    • ➂片側規格の場合を導出(激難)

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