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02-04_整数の性質がわかる

2_数と式

「整数の証明問題がよくわからない」、などと困っていませんか?

こういう疑問に答えます。

本記事のテーマ

02-04_整数の性質がわかる
  • ①おさえるべき重要定理
  • ➁おさえるべき重要問題
  • ➂解法
  • ➃全問題の解説は問題集にあります

数と式は、基礎は簡単
でも、発展は最難な領域

高校数学で一番難しい単元は何?と聞かれて
「数Ⅲの微積」という人は単に力がないだけ
数学ができる人は、「数Aの数と式」と答える
「数Ⅲの微積」は基礎は難しいが、その分応用・発展問題はないから、基礎ができたらすぐに入試問題が解ける!
逆に「数Aの数と式」は基礎は簡単な分、いくらでも難しくできる!難関大学の論証問題はすべて「数Aの数と式」!
2章の「数と式」は
基礎をしっかりおさえつつ
難関問題の入り口まで解説します。

①おさえるべき重要定理

整数の証明問題では、よく剰余の計算が出て来ます。全部覚える必要はなく、以下の公式くらいで十分です。

整数\(a\)を整数\(n\)で割った余りを整数\(b\)とするとき、
\(a\)≡\(b\) (mod n)と定義する。
その場合次の性質が成り立つ。
(i) \(a\)≡\(b\)ならば、任意の整数\(k\)に対して、\(ka\)≡\(kb\)
(ii) \(a\)≡\(b\)かつ\(c\)≡\(d\)ならば\(a+c\)≡\(b+d\)
(iii) \(a\)≡\(b\)かつ\(c\)≡\(d\)ならば\(ac\)≡\(bd\)
(iv) \(a\)≡\(b\)ならば、任意の整数\(n\)に対して、\(a^n\)≡\(b^n\)

剰余になると等号ではなく、合同(≡)を使いますが、等号と同じ感覚で使える点で便利です。
ただし、公式暗記して機械的に計算せずに、余りがどう変化していうかを良く意識して使うことが大事です。

整数問題は、個人的には、公式を知らずに丁寧に論証した方が高得点は取れる印象が経験上あります。

➁重要問題

問1

【問1】
10進法で表現された5桁の自然数\(N\)=\(abcde\) (\(a,b,c,d,e\)は各位の数字とする)について以下を示せ。
(1) \(N\)を9で割ったときの余りと、\(a+b+c+d+e\)を9で割ったときの余りは等しい
(2) \(N\)を11で割ったときの余りと、\(a-b+c+d-e\)を11で割ったときの余りは等しい

問2

【問2】
\(n\)が整数のとき、\(f(n)\)=\(\frac{1}{7}n^7+\frac{2}{3}n^3+\frac{1}{2}n^2-\frac{13}{42}n\)は常に整数であることを示せ。

問3

【問3】
\(a,b,c\)は自然数で、三平方の定理\(a^2+b^2\)=\(c^2\)が成り立つとき、以下を示せ。
(1) \(a\)か\(b\)は3の倍数である。
(2) \(a,b,c\)の少なくとも1つは5の倍数である。

②重要問題を解説

本ブログでは、【問1】,【問3】を解説!
それ以外の問いは、「③全問題の解説は問題集にあります」をご覧ください。

整数の性質を使った証明のポイント

ポイントは2つあります。

  1. 素因数分解して1つずつ丁寧に場合分けする
  2. どうしても解けない場合は、対偶や背理法もアリ

素因数分解して場合分けする練習をまずしましょう。これだけでも十分です。
予備校とかでは、かっこよく対偶・背理法を使いますが、不慣れな場合は逆効果です。
背理法を使いこなせるレベルは正直、京大レベル以上です。

問1の解法

では、解いてみましょう。

問(1)

\(N\)=\(10^4 a\)+\(10^3 b\)+\(10^2 c\)+\(10 d\)+\(e\)と表現できます。

\(N\)-\(a+b+c+d+e\)
=\(10^4 a\)+\(10^3 b\)+\(10^2 c\)+\(10 d\)+\(e\)-\(a+b+c+d+e\)
=9999\(a\)+999\(b\)+99\(c\)+9\(d\)
=9(1111\(a\)+111\(b\)+11\(c\)+\(d\))
=(式1)

\(a,b,c,d,e\)は整数より、
(式1)は9で割り切れる。

つまり、
\(N\)-\(a+b+c+d+e\)≡0 (mod.9)
よって、
\(N\)≡\(a+b+c+d+e\) (mod.9)
から、9で割った余りは同じ

問(2)

\(N\)=\(10^4 a\)+\(10^3 b\)+\(10^2 c\)+\(10 d\)+\(e\)と表現できます。

\(N\)-\(a-b+c+d-e\)
=\(10^4 a\)+\(10^3 b\)+\(10^2 c\)+\(10 d\)+\(e\)-\(a-b+c+d-e\)
=9999\(a\)+1001\(b\)+99\(c\)+11\(d\)
=11(909\(a\)+91\(b\)+9\(c\)+\(d\))
=(式2)

\(a,b,c,d,e\)は整数より、
(式2)は11で割り切れる。

つまり、
\(N\)-\(a+b+c+d+e\)≡0 (mod.11)
よって、
\(N\)≡\(a+b+c+d+e\) (mod.11)
から、11で割った余りは同じ

面白いですね。

問2の解法

三平方の定理といえば、
●3,4,5
●5,12,13
●8,15,17

とたくさんありますが、

確かに、
3の倍数と5の倍数なものがありますね。
その理由を証明してみましょう。

背理法で証明しますね。個人的には、背理法は苦手ですが、その方が速くわかりやすいので(笑)

問(1)

\(a\)も\(b\)も3の倍数でないと仮定する
つまり\(a\)≡±1 (mod.3) かつ\(b\)≡±1 (mod.3) とする。

(左辺)=\(a^2+b^2\)≡\((±1)^2\)+\((±1)^2\)=2

一方、(右辺)の\(c\)は3で割ると余りが、0,1,2の3通りあり、まとめて書くと
\(c\)≡0,または±1
と書ける。

(右辺)=\(c^2\)≡0^2または \((±1)^2\)=0,1となり
2にはならない

つまり、
\(a\)も\(b\)も3の倍数でないと仮定すると
(左辺)≠(右辺)となるため矛盾する。

よって、\(a\)か\(b\)は3の倍数

問(2)

\(a,b,c\)すべて5で割り切れないと仮定する。各パターンにおいて、
(左辺)=(右辺)が成り立つかどうかを確認する。

\(a\) \(b\) (左辺)=\(a^2+b^2\) \(c\) (右辺)=\(c^2\)
±2 ±1 5≡0 ±2,±1 4≡4,1,≡1
±2 ±2 8≡3 ±2,±2 4≡4,1,≡1
±1 ±1 2≡2 ±2,±3 4≡4,1,≡1
±1 ±2 5≡0 ±2,±4 4≡4,1,≡1
(左辺)≡ 0,2,3 (右辺)≡ 1,4

上表より、(左辺)≡0,2,3と(右辺)≡1,4で不一致なため、
(左辺)≠(右辺)となり矛盾。

よって、\(a,b,c\)の少なくとも1つは5の倍数である。

③全問題の解説は問題集にあります

「第2章 数と式」で、大学受験も大学以降でも習得すべき、
数と式の重要問題を解説しています。
目次を紹介します。

「第2章 数と式」の目次
第2章 数と式

02-01 恒等式
02-02 因数分解
02-03 整式の剰余
02-04 整数の性質
02-05 方程式の整数解
02-06 背理法
02-07 根号を含む計算
02-08 指数と対数
02-09 常用対数
02-10 式の値
02-11 不等式の証明・相加相乗平均

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是非、ブログを参考にいただき、ご購入よろしくお願いいたします。

まとめ

「02-04_整数の性質がわかる」を解説しました。

  • ①おさえるべき重要定理
  • ➁おさえるべき重要問題
  • ➂解法
  • ➃全問題の解説は問題集にあります


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