02-05_方程式の整数解がわかる

「方程式の整数解がよくわからない」、などと困っていませんか?
こういう疑問に答えます。
本記事のテーマ
- ①おさえるべき重要問題
- ②解法
- ③全問題の解説は問題集にあります
数と式は、基礎は簡単
でも、発展は最難な領域
「数Ⅲの微積」という人は単に力がないだけ
数学ができる人は、「数Aの数と式」と答える
逆に「数Aの数と式」は基礎は簡単な分、いくらでも難しくできる!難関大学の論証問題はすべて「数Aの数と式」!
基礎をしっかりおさえつつ
難関問題の入り口まで解説します。
①おさえるべき重要問題
問1
次の方程式を満たす自然数組(\(x,y\))をすべて求めよ。
(1) \(3x+5y\)=62
(2) \(13x+11y\)=150
問2
次の方程式を満たす整数組(\(x,y\))をすべて求めよ。
(1) \(xy-2x+5y\)=5
(2) \(\frac{4}{x}+\frac{5}{y}\)=3
問3
\(x^2-xy-2y^2-2x+7y-5\)=0整数組(\(x,y\))をすべて求めよ。
問4
2次方程式\(x^2+(2a+1)x+4a-1\)=0の解が2つとも整数となるように\(a\)の値を定めよ。
②重要問題を解説
それ以外の問いは、「③全問題の解説は問題集にあります」をご覧ください。
方程式の整数解ポイント
ポイントは4つあります。
- 未知数に対して方程式が少ないから計算だけでは解けない
- 解は何組もあるし、それ以外の解は存在しないことを証明する
- 整数(自然数)の制約をうまく活用する
- 整数自体の制約(倍数、正負)を使って解の範囲を絞る
上の4つを意識して解いてみましょう。
問1の解法
では、解いてみましょう。
問(1)
\(3x+5y\)=62
(\(x\) >0,\(y\) > 0)
5\(y\)=62-3\(x\)
と変形します。
●(両辺)とも正であること
●(両辺)とも5の倍数であること
の制約条件が式から読み取れますね!
●62-\(3x\) >0 ⇒1 ≤\(x\) ≤ 20
0 > \(5y\)=62-\(3x\) ≤62 ⇒0 > \(5y\)=62から 1 ≤ \(y\)≤ 12
と範囲が絞れますね。
1 ≤\(x\) ≤ 20、1 ≤ \(y\)≤ 12から
\(3x+5y\)=62を満たす整数組を探しましょう。
\(x\)に1~20を1つずつ入れて\(y\)が整数になれば解となります。
x | 4 | 9 | 14 | 19 |
y | 10 | 7 | 4 | 1 |
1 ≤\(x\) ≤ 20、1 ≤ \(y\)≤ 12から
上表以外、解は存在しませんね。
\(5y\)=62-\(3x\) と自然数\(x,y\)だけで、
●範囲1 ≤\(x\) ≤ 20、1 ≤ \(y\)≤ 12と
●整数解組が
わかります。
式から情報を読み取る力をここで養いましょう。
問(2)
\(13x+11y\)=150
(\(x\) >0,\(y\) > 0)
11\(y\)=150-13\(x\)
と変形します。
1 ≤\(x\) ≤ 11、1 ≤ \(y\)≤ 13
\(x\)に1~11を1つずつ入れて\(y\)が整数になれば解となります。
実は、\(x,y\)=(9,3)の1組しかありません。これは結果論です。なお、整数組が無い場合もありますよね。
問3の解法
ポイント
(定数項はすべて整数)になるようにうまく因数分解する。
➁整数×整数=整数から約数を調べていく
方程式を機械的に計算しても解は出ません。これも式からわかる情報を見抜いて論証で解を求めます。
解法
\(x^2-xy-2y^2-2x+7y-5\)=0
\(x^2-x(y+2)-(2y^2-7y+5\)=0
\( x^2-x(y+2)-(2y-1)(y-3)-2\)=0
\((x-(2y-1))(x+(y-3))\)=2
=(式1)
(右辺)の2
で、(左辺)は整数の積ですから、
●2×1
●1×2
●(-2)×(-1)
●(-1)×(-2)
の4パターンを調べれば、整数組が求まる!
ちょっと面倒ですが、ここはしっかり計算しましょう。下表のように計算処理します。
\(x-2y+1\) | \(x+y-3\) | \(x\) | \(y\) |
2 | 1 | 3 | 1 |
1 | 2 | \(\frac{10}{3}\) | \(\frac{5}{3}\) |
-2 | -1 | \(\frac{1}{3}\) | \(\frac{5}{3}\) |
-1 | -2 | 0 | 1 |
上表の4組が解となります。
解を絞り込み
あとは個別にコツコツ計算します。
③全問題の解説は問題集にあります
「第2章 数と式」で、大学受験も大学以降でも習得すべき、
数と式の重要問題を解説しています。
目次を紹介します。
第2章 数と式
02-01 恒等式
02-02 因数分解
02-03 整式の剰余
02-04 整数の性質
02-05 方程式の整数解
02-06 背理法
02-07 根号を含む計算
02-08 指数と対数
02-09 常用対数
02-10 式の値
02-11 不等式の証明・相加相乗平均
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問題集イメージ図(予定)
是非、ブログを参考にいただき、ご購入よろしくお願いいたします。
まとめ
「02-05_方程式の整数解がわかる」を解説しました。
- ①おさえるべき重要問題
- ②解法
- ③全問題の解説は問題集にあります