02-07 根号を含む計算ができる

「根号を含む計算がよくわからない」、などと困っていませんか?
こういう疑問に答えます。
本記事のテーマ
- ①おさえるべき重要問題
- ➁解法
- ➂全問題の解説は問題集にあります
数と式は、基礎は簡単
でも、発展は最難な領域
「数Ⅲの微積」という人は単に力がないだけ
数学ができる人は、「数Aの数と式」と答える
逆に「数Aの数と式」は基礎は簡単な分、いくらでも難しくできる!難関大学の論証問題はすべて「数Aの数と式」!
基礎をしっかりおさえつつ
難関問題の入り口まで解説します。
①おさえるべき重要問題
問1
\(α\)を2次方程式\(x^2-3x+1\)=0の解とするとき、次の各式の値を求めよ。
(1) \(α^4-3α\)
(2) \(α^2+\frac{1}{α^2}\)
問2
\(α\)=\(\frac{\sqrt{5}+1}{2}\)のとき、次の各式の値を求めよ。
(1) \(α^3-2α^2+4α-2\)
(2) \(\frac{α^3+α+1}{α^5}\)
問3
\(x\)=\(a+\frac{1}{a}\) (\(a\) > 0)のとき、\(\frac{x+\sqrt{x^2-4}}{ x-\sqrt{x^2-4}}\)を\(a\)のできるだけ簡単な式で表せ。
➂解法
解くポイント
ポイントは3つあります。
- √を(左辺)に、それ以外を(右辺)にして両辺を2乗にした関係式で攻める!
- 関係式を使って次数を下げて1次式に持って行く
- \(\sqrt{x^2}\)=|\(x\)|と絶対値がつく点に注意!
上を意識して解いてみましょう。
問2の解法
関係式を作る
●\(α\)=\(\frac{\sqrt{5}+1}{2}\)
\(2α\)=\(\sqrt{5}+1\)
\(\sqrt{5}\)=\(2α-1\)
(両辺)を2乗して、平方根を削除すると、
5=\((2α-1)^2\)
\(4α^2-4α-4\)=0
\(α^2\)=\(α+1\)
とても大事なのは、
は2乗した結果と、自分に1足した結果は同じ
2乗するより、自分に1足した方が計算は楽ってこと
では、解いてみましょう。
問(1)
\(α^3-2α^2+4α-2\)
●\(α^2\)=\(α+1\)
●\(α^3\)=\(αα^2\)=\(α(α+1)\)
=\(α^2+α\)=\((α+1)+α\)=\(2α+1\)
よって、求める式は、
\(α^3-2α^2+4α-2\)
=\(2α+1\)-2(\(α+1\))+4\(α\)-2
=4\(α\)-3
ここまで簡単にしてから、\(α\)=\(\frac{\sqrt{5}+1}{2}\)を代入します。
4\(α\)-3=2(\(\sqrt{5}+1\))-3
=2\(\sqrt{5}\)-1
問(2)
解き方は問(1)と同じです。
●\(α^3\)=\(2α+1\)
●\(α^4\)=\(αα^3\)=\(α(2α+1)\)
=\(2α^2+α\)=\(2(α+1)+α\)=\(3α+2\)
●\(α^5\)=\(αα^4\)=\(α(3α+2)\)
=\(3α^2+2α\)=\(3(α+1)+2α\)=\(5α+3\)
よって、求める式は
\(\frac{α^3+α+1}{α^5}\)
=\(\frac{2α+1+α+1}{5α+3}\)
=\(\frac{3α+2}{5α+3}\)
ここまで簡単にしてから、\(α\)=\(\frac{\sqrt{5}+1}{2}\)を代入します。
=\(\frac{3α+2}{5α+3}\)
=\(\frac{3\sqrt{5}+7}{5\sqrt{5}+11}\)
=\(\frac{\sqrt{5}-1}{2}\)
問3の解法
解法
\(x\)=\(a+\frac{1}{a}\)を
\(\frac{x+\sqrt{x^2-4}}{ x-\sqrt{x^2-4}}\)へ
代入しますが、(分母)、(分子)それぞれ見ていきます。
(分子)= \(x+\sqrt{x^2-4}\)
= \(( a+\frac{1}{a})+\sqrt{( a+\frac{1}{a})^2-4}\)
= \(( a+\frac{1}{a})+\sqrt{( a-\frac{1}{a})^2}\)
=\(( a+\frac{1}{a})\)+|\( a-\frac{1}{a}\)|
(分母)= \( x-\sqrt{x^2-4}\)
= \(( a+\frac{1}{a})-\sqrt{( a+\frac{1}{a})^2-4}\)
= \(( a+\frac{1}{a})-\sqrt{( a-\frac{1}{a})^2}\)
=\(( a+\frac{1}{a})\)-|\( a-\frac{1}{a}\)|
まとめると、
折角なので、絶対値を外しましょう。
|\( a-\frac{1}{a}\)|の中身の正負条件は
●\( a-\frac{1}{a}\) ≥0 (\(a\) ≥1)
●\( a-\frac{1}{a}\) ≤0 (1 ≥ \(a\) ≥0)
より
●1 ≥ \(a\) ≥0のとき、
\(\frac{(a+\frac{1}{a})+|a-\frac{1}{a}|}{(a+\frac{1}{a})-|a-\frac{1}{a}|}\)
=\(\frac{(a+\frac{1}{a})-(a-\frac{1}{a})}{(a+\frac{1}{a})+(a-\frac{1}{a})}\)
=\(\frac{\frac{2}{a}}{2a}\)
=\(\frac{1}{a^2}\)
●(\(a\) ≥1)のとき、
\(\frac{(a+\frac{1}{a})+|a-\frac{1}{a}|}{(a+\frac{1}{a})-|a-\frac{1}{a}|}\)
=\(\frac{(a+\frac{1}{a})+(a-\frac{1}{a})}{(a+\frac{1}{a})-(a-\frac{1}{a})}\)
=\(\frac{2a}{\frac{2}{a}}\)
=\(a^2\)
できましたね。
③全問題の解説は問題集にあります
「第2章 数と式」で、大学受験も大学以降でも習得すべき、
数と式の重要問題を解説しています。
目次を紹介します。
第2章 数と式
02-01 恒等式
02-02 因数分解
02-03 整式の剰余
02-04 整数の性質
02-05 方程式の整数解
02-06 背理法
02-07 根号を含む計算
02-08 指数と対数
02-09 常用対数
02-10 式の値
02-11 不等式の証明・相加相乗平均
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問題集イメージ図(予定)
是非、ブログを参考にいただき、ご購入よろしくお願いいたします。
まとめ
「02-06_背理法がわかる」を解説しました。
- ①背理法は高校数学で最高級の証明方法
- ➁おさえるべき重要問題
- ➂解法
- ➃全問題の解説は問題集にあります