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【MBA】キャッシュフローとDCF法がわかる

ファイナンス

「キャッシュフローって何?、DCF法って何?」と疑問に思いませんか。

こういう疑問に答えます。

本記事のテーマ

【MBA】キャッシュフローとDCF法がわかる
  • ①キャッシュフローとは
  • ②等比数列の復習
  • ③DCFと永年年金法を使って価値を計算しよう!
高校数学の等比数列がここで活躍します。将来のお金の価値を現在価値に直すために必要です。

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①キャッシュフローとは

キャッシュフローとは

キャッシュとキャッシュフローは何が違うの?

厳密な定義では、いろいろ違いがありますが、最も簡単に書くと、
●キャッシュは現金そのもの(時間の概念は無い)
●キャッシュフローはファイナンスで扱う現金(時間の概念が有る)

くらいでOKです。

知人から10,000円もらえると聞きました。どちらを選択しますか?
(1) 明日もらえるので、明日まで待って10,000円もらおうとする
(2) 9,600円でいいから今すぐもらう

●つまり、
・いつまでも待っていても10,000円がもらえると考える⇒キャッシュの考え方
・明日以降の不確定要素を考慮して、現在価値に直した価値に直す⇒キャッシュフローの考え方
の違いがあります。

上の例(2)は、明日もらえない確率を5%以上と判断したため、 10,000/(1+0.05)=9524円の現在の価値を評価して、9,600円今すぐもらおうとしました。

キャッシュフロー来たら、未来の不確定要素を考慮したと思ってOK

ファイナンスの価値は現在価値で評価する

ファイナンスでは、未来の不確定要素を考慮して、
未来に起こり得る価値を現在の価値に直します。

この値を、現在価値とか正味現在価値(Net Present Value:NPV)といいます。

●例えば、未来に10,000円を手にするとします。その価値を現在の価値に直しましょう。

未来が遠いほど、現在価値を低く見積もる

●よく使うのが、不確定要素を確率で評価して、年単位で割引く方法です。

●未来に10,000円を手にする場合、不確定要素の確率と年後を変数と振った場合の現在価値を下表にまとめます。

年/% 0.05 0.1 0.15 0.2
10000 10000 10000 10000
1年後 9524 9091 8696 8333
2年後 9070 8264 7561 6944
3年後 8638 7513 6575 5787
4年後 8227 6830 5718 4823
5年後 7835 6209 4972 4019
6年後 7462 5645 4323 3349
7年後 7107 5132 3759 2791
8年後 6768 4665 3269 2326
9年後 6446 4241 2843 1938
10年後 6139 3855 2472 1615

●5%で毎年割引くと、10年後に10,000円をもらえる価値は現在でいうと6139円程度とわかります。当然、不確定要素の確率が高まると、それだけ現在価値は低下します。

②等比数列の復習

●先の10,000円の現在価値の計算は等比数列を使っています。等比数列は複利、現在価値などファイナンスで重要な計算を担う式です。復習しましょう。

一般項

等比数列の一般項を復習します。初項\(a_1\)、公比\(r\)を使った一般項は

\(a_n\)=\(a_1 r^{n-1}\)

ですね。高1か高2で学ぶ内容です。文系、理系関係なく理解できるはず。

等比数列の和

この辺から、高校数学がついていけなくなる人が増えてきますが、落ち着いて書くと、

\(S= a_1+a_2+a_3…+a_n\)
\(S= a_1+a_1 r+a_1 r^2…+a_1 r^{n-1}\)

\(S=\frac{a_1(1-r^n)}{1-r}\)

よく、このあとやるDCF法とかNPVの計算では、
\(S= a_1+a_1 r+a_1 r^2…+a_1 r^{n-1}\)
をよく書きます。

③DCFと永年年金法を使って価値を計算しよう!

DCF法とは

●DCF(Discounted Cash Flow)法といいますが、すでにキャッシュフローで解説したように、
未来の不確定要素を考慮して現在価値に換算する方法です。

●例えば、割引率5%を仮定して、毎年1,000万円入る場合の現在価値を計算します。

将来の不確定要素を一切考えない場合は、単純に
5×1,000万円=5,000万円
と考えます。

実際、将来のことは保証できないので、ある程度の価値を割引ます。
・1年後: 1,000÷1.05=952万円
・2年後: 1,000÷1.052=907万円
・3年後: 1,000÷1.053=863万円
・4年後: 1,000÷1.054=822万円
・5年後: 1,000÷1.055=783万円
952+907+863+822+783=4,327万円と 673万円分はリスクによって価値が割り引かれています。

●このように、債券、株式、不動産などの資産・収入はDCF法を使って現在価値で評価します。

永年年金法とは

●先ほどの例は5年間と有限でしたが、一生もらい続ける場合は、どのように評価すればよいでしょうか?

毎年1万円を未来永劫もらい続けるとしたら、資産∞になってしまうと考えてしまいますが、将来の不確定要素を含めるようどうなるのでしょうか?

この場合、「永年年金法」で次のように計算します。

「永年年金法」
キャッシュフローの現在価値PV = \(\frac{毎年のキャッシュフロー}{割引率}\)

毎年1万円を未来永劫もらい続ける場合は、割引率5%として
1/0.05=20万円
意外と価値がないようですね。この式がわかると、ずっと支払わなくてもいいから、今30万円ちょうだいと言った方がよいとわかります。

●毎年確実に入る資産の現在価値は割引率で割った値程度ということです。
例えば、家賃収入化したい場合、その家の資産の割引率に相当する額を家賃とすればよいですね。

4,800万円の家の場合、5%は240万円 月20万円くらい家賃で取れると、家賃収入の現在価値と購入価格が合うってことです。実際は、家賃相場はもう少し安く、月15万くらいでしょうか?

永年年金法の導出

「永年年金法」の計算方法の導出を解説します。

「永年年金法」
キャッシュフローの現在価値PV = \(\frac{毎年のキャッシュフロー}{割引率}\)

随分、シンプルな式なのです。よく使う式なので、導出してみましょう。

現在価値PV、毎年受け取るキャッシュフローC、割引率rとします。長年もらい続けるキャッシュフロー総和の現在価値は、
PV=\(\frac{C}{1+r}\)+\(\frac{C}{(1+r)^2}\)+…+\(\frac{C}{(1+r)^n}\)+… (i)

ここで、(i)式の両辺に\(\frac{1}{1+r}\)をかけます。
\(\frac{1}{1+r}\)PV= \(\frac{C}{(1+r)^2}\)+…+\(\frac{C}{(1+r)^n}\)+… (ii)

(i)-(ii)をすると、(右辺)の
\(\frac{C}{(1+r)^2}\)+…+\(\frac{C}{(1+r)^n}\)+…
がなくなります。

\(1-\frac{1}{1+r}\)PV=\(\frac{C}{1+r}\)

まとめると、
\(\frac{r}{1+r}\)PV=\(\frac{C}{1+r}\)
\(rPV\)=\(C\)

よって、
PV=\(\frac{C}{r}\)
となります。

是非、活用しましょう。

DCF法でキャッシュフローの現在価値を理解し、
DCF法と永年年金法であらゆる資産の現在価値が計算できると
買収や売買価格の数値の決め方がわかるようになります。

まとめ

【MBA】キャッシュフローとDCF法を解説しました。

  • ①キャッシュフローとは
  • ②等比数列の復習
  • ③DCFと永年年金法を使って価値を計算しよう!


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