内部監査の質疑ができる

「内部監査の質疑がうまくできない!」と困っていませんか?
こういう疑問に答えます。
本記事のテーマ
- ①監査全体の流れを理解する
- ②管理文書のチェック方法
- ③口頭質疑のポイント
ISO9001 2015 内部監査員育成問題集をを販売します!
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ISO9001 2015 内部監査員育成する問題集【問題編】を紹介します。ISO9001 取得に向けてISO9001 の構築、内部監査・外部審査の実施、監査のフィードバックや、今後のリスクに対する対処方法を考え抜く問題集です。 |
監査全体の流れを理解する
組織の成功へ導くために監査をやる
相手の荒さがしではありません。組織の成功へ導くための監査であり、質疑が肝です。関連記事に組織の成功に導くための監査をやれば、ISO9001の要求事項につながることを解説しています。
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【簡単】品質監査ができるようになる 品質管理の内部監査にて、簡単に監査質疑ができる方法を解説します。ISO9001に頼らず、自分で考えた質疑をした方が組織のためであると実務経験からわかっています。ISO関係者、品質監査している人や品質管理担当は必見です。 |
組織の成功を収益とすると、
●業務停止リスク回避⇒安全、環境、法令遵守、コンプライアンス
●コストカット⇒資源の効率化、人的リソース、品質コスト低減
売上向上し、業務停止リスクを回避しつつ、コスト低減する組織になるように、監査して継続的に改善していけば、組織の成功(収益向上)につながります!
具体的な流れ
組織成功につながるための監査の具体的な流れを解説します。
- 組織の成功の定義と成功への戦略を確認する
- 組織の成功につながる品質目標の計画・実績・評価を監査する
- 品質目標を達成するために必要な組織のリソース(人・モノ)を監査する
- 組織活動に必要な、ルールや文書管理を監査する
- トラブル発生時も適切な対処ができるかを監査する
つまり、第1に品質目標で活動を評価し、
品質目標達成に必要なリソースに課題はないかどうかを確認し、
組織内が円滑に有効に機能しているかを監査すればよいのです。
文書の荒さがしより、被監査側の考えや意見を引き出そう!
実際は、提示された文書や、口頭による回答によって、監査の流れを作っていきます。事例を挙げて解説します。
②管理文書のチェック方法
チェックポイント
実務経験上、3つポイントがあります。
- 活動施策が組織の戦略と整合しているか?(勝手な活動していないか?)
- 計画と実績のギャップ(無理な計画か?背伸びしない計画か?)
- 前年度の結果との比較(目標・活動の変更の有無の意図は?)
●計画と実績のギャップでは、差分の大小を評価するのではなく、なぜそうなったのか?を聞きます。外部・内部環境の大きな変化があったなどの理由があるはずです。その環境の変化に対して、適切な活動だったかを確認します。
●前年度の結果との比較も大事です。目標を上げた理由、変えない理由、下げた理由それぞれあります。その意図を確認し、妥当かどうか判断しましょう。目標を上げるだけが高評価ではありません。
その組織の課題が見えて来る。
課題に対して、組織の戦略につながる活動かどうかを見ましょう。
次、品質目標と会議録を使って、監査のつっこみ方を解説します。
品質目標を監査する
関連記事にもありますが、ここでも解説します。
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ISO9001 2015 6.2 品質目標及びそれを達成するための計画策定 がわかる ISO9001 2015 6.2 品質目標及びそれを達成するための計画策定 が説明できますか? 本記事では「品質目標の書き方」、「品質目標で監査質疑されるポイント」を実務経験をもとにわかりやすく解説します。ISO9001 に関わる方は必読です。 |
品質目標の監査が最も重要
下図のような品質目標が提示されたとします。どう評価しますか? 完璧な目標でしょうか?それともつっこみ満載な目標でしょうか?
品質目標の監査ポイント
再掲しますが、
- 活動施策が組織の戦略と整合しているか?(勝手な活動していないか?)
- 計画と実績のギャップ(無理な計画か?背伸びしない計画か?)
- 前年度の結果との比較(目標・活動の変更の有無の意図は?)
下図の、赤枠のように監査で確認したいポイントがあります。いっぱいありますね。
会議録を監査する
監査では、品質目標が重点的に監査されます。そこが終わったら個別に監査が進んでいきますが、提示された文書を見ながら、組織活動を監査します。
下図のような会議録を提示されたとします。どう評価しますか? 完璧な会議録でしょうか?それともつっこみ満載な会議録でしょうか?
文書の監査ポイント
実務経験上、5つポイントがあります。
- 適切な人が出席しているのか?
- 会議のインプットとアウトプットは明確か?
- 懸案事項の有無、有るならいつまでにどう解決させるのか?
- 迅速に回付して展開しているか?
- 使っている文書は組織内で決まったものか?
この5つが機能していないと、仕様の引継ぎにヌケモレがあったり、品質不正が見抜けない状態に陥ります。
だからといって、資料を丁寧過ぎて時間かけて何度も修正してはいけません。会議など、活動に目的をもって行動することが重要です。
会議録を見ると
●適切な人が出席しているのか?⇒出席者は大丈夫そうです。設計リーダのような責任者やキーパーソンがいるからです。
●会議のインプットとアウトプットは明確か?⇒不明確です。インプット資料、アウトプット資料名称があれば、どんな会議をしたかがわかるはず。
●懸案事項の有無、有るならいつまでにどう解決させるのか?⇒懸案事項は有りますが、5W1Hが不明確。
●迅速に回付して展開しているか?⇒会議後1週間経って調査承認。遅い。宛先もない。誰に伝えるの?
●使っている文書は組織内で決まったものか?⇒文書番号が無いので、勝手に作った文書とされ、有効ではない
見た目良さそうな会議録ですが、監査するとダメダメです。
●目的(誰に何をさせるのか?)
●手段(何をインプットして何を討議して、何がわかったのか?)
が一瞬でわかるものがベスト
監査後、改善した会議録が下図のようになりました。改善箇所は朱書きで書いています。これからOK
監査指摘で改善しなかったら、どんなリスクが組織に襲ってくるかを想定する。
事前にリスク回避できたら万々歳!
会議録を例にあげましたが、すべての文書を同様に監査して、どんなリスクが発生しうるかを想定して改善指摘しましょう。逆に、良い点は、高評価しましょう。
さらなる飛躍のための高評価!
③口頭質疑のポイント
監査は半分が文書、半分が口頭質疑になります。口頭質疑のポイントを解説します。
ポイントは3つです。
- 質疑の目的を理解しているか?
- 回答が戦略と整合しているか?
- 部門内を理解しているか?
よく、質問の具体例とか、オープン。クローズドクエスチョンを織り交ぜるとか、書いていますが、それは手段です。口頭質疑の目的は、相手が自分の言葉で部門を説明できるかどうか?です。
部課長なら当然できるはずですが、そうでない場合はその部門内に品質低下するリスクが潜んでいます。例えば、
●情報共有ができていない⇒ヌケモレ
●報連相がない⇒品質不正の温床
●管理できていない⇒部課長が管理できない、他の業務(経営陣からの過度な要求対応など)で逼迫している
などがあります。
質疑の目的を理解しているか?
部門長なら当然理解しているはずですが、たまにズレた回答する部門長がいます。その部門はダメダメです。
監査評価を気にするのか?普段から考えていないのか? 監査質疑の論点がズレることがあります。
目的は、その部門にリスクが潜在していないか?を見ること
部門の業務の目的や意義を普段から考えていれば、質疑は的確に回答できるはずですが、そうでない場合は、部門長の怠慢さが見え、その部門内の管理が甘いリスクがあります。
こういう場合は、
●組織体制図を提示させて、誰がどの業務をさせているか?業務範囲を確認する。
●力量管理表を提示させて、誰が何を何の目的でさせているかを確認する。
と見ていくと、ボロが見えてきます。改善の指摘をしましょう。
回答が戦略と整合しているか?
品質目標を部下に管理させていると、回答がちぐはぐになります。そのときは、部門長が部下と確認するシーンが見ます。「自分、管理してないの?」と部門長に突っ込みましょう。戦略の舵を握る人が握っていないわけですから。
品質目標に入る前に、組織全体の戦略、品質方針を確認してから各部門の目標に入るとよいでしょう。
部門内を理解しているか?
部課長を相手に監査しますが、部門内の人やモノを管理できていないと、誰が何をやっているのかが答えられません。力量管理やコミュニケーション、文書化された情報あたりで質疑するときに、部門内を理解していないと答えられない点が出て来ます。
品質監査だからではなく、普段からの部門の風土醸成が重要です。
まとめ
品質の監査員の階級を作る方法をわかりやすく解説しました。
- ①監査全体の流れを理解する
- ②管理文書のチェック方法
- ③口頭質疑のポイント
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