月: 2022年3月

  • 【必読】品質の外部審査で品質不正は見抜けない

    【必読】品質の外部審査で品質不正は見抜けない

    「品質監査したのに、なんで品質不正が見抜けないの?」、「何を審査しているの?」と疑問に思いませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【必読】品質の外部審査で品質不正は見抜けない
    はっきり言いますが、品質不正は外部審査では見抜けません。
    なぜなら監査の趣旨が違うから。
    監査中に、自ら「不正しています」と言っちゃう人いませんよね。
    ISO認証が欲しいなら、不正なんかするなと審査員は思いますよね。
    残念ながら、それが現実です。
    そうなる理由を解説します。
    • ①外部審査は相手を疑う審査ではない
    • ②品質不正の本質は別な所にある
    • ③品質不正発覚後、ISO認証剥奪と後手後手

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    ①外部審査は相手を疑う審査ではない

    適合性、有効性、妥当性をチェック

    ISOの認証に値する組織かどうかをチェックします。

    判断基準は、関連記事 で解説したとおり、適合性、有効性、妥当性です。

    まとめると、
    ●適合性:規格、法令顧客要求事項 どおり業務しているかどうかを見る。
    ●有効性:マネジメントシステムに沿って組織が動いているかどうかを見る。
    ●妥当性:要求事項を満たしているかどうかを客観的証拠から見る。
    の3つです。

    品質不正に該当するのは、「妥当性」でしょうけど、提示されたエビデンスが要求に満たせば、嘘でも構わないわけです。(もちろん、嘘はいけませんよ!)

    品質を作りこむ流れを審査するか

    有限時間の中で組織を審査しますから、一連の質疑の流れで全体から細部まで審査します。

    個々の文書や回答を疑ってかかると何日あっても時間が足りません。

    審査員は被審査側のプロフェッショナルではない

    品質不正はそこ分野のプロであれば見抜けるかもしれません。しかし、次の理由で審査員は業種が近い程度の人がアサインされることがほとんどです。

    1. 全分野のプロから審査員にするのは無理
    2. 仮にプロでも、他社の不正データを一発では気がつかない
    3. 同業者の審査員は、審査を受ける側から嫌がられる
    4. 審査員になれる基準は技術専門性とは別

    同業他社出身なら、被審査側の状況を理解しやすく、情報漏洩につながります。だから普通は嫌がります。

    そうなると、提示された文書から、品質を作りこむプロセスとして適切かどうかしか審査されません。

    ②品質不正の本質は別な所にある

    品質不正は技術・品質部門の問題だけではない

    近年、優良な大企業が続々と品質不正を発表し、批判を浴びています。

    同業他社なら、対岸の火事では済まされず、自社の品質点検するようトップから指示が下りたりします。

    で、よく経営陣側から、

    「技術・品質部門のチェックを強化せよ!」

    と指示がきます。

    でも、技術・品質部門側の本音は

    「何を言ってんの?」

    と白けムード一色です。

    なぜかわかりますか?

    品質不正の真因は、経営陣にあります。
    ●無理な目標達成のプレッシャー
    ●無理な収益要求、納期要求
    が品質不正の温床となっています。

    QCDのC(コスト),D(納期)の要求がきついと、QCDのバランスが崩れ、最悪、Q(品質)不正に染めていくのです。

    最近20年の品質不正を発表した企業の分析結果から言える事です。
    (品質不正については、QCプラネッツもしっかり解説していきます!)

    なので、

    顕在化した所を品質監査しても
    その組織の根深いところまでツッコめないし、
    ツッコんではいけないアンタッチャブルなのです。

    品質不正は簡単に見抜けない

     

    不正の仕方も、手を込んでいます。その分野のプロが仕込むからわかりません。

    真のデータを、顧客に悪影響が出ない範囲で改ざんします。

    だから、

    提示された文書記録を見ても不正はわからないし、
    顧客からの苦情がなければわからないし、
    苦情があっても別理由で納得すれば、不正はわからない

    さらに、

    組織全体で嘘をついているから、ばれにくい

    審査員2名 VS 組織側数名で 外部審査します。人数の圧力もあります。

    ③品質不正発覚後、ISO認証剥奪と後手後手

    いつも言われる「監査したのになぜわからないの?」

    品質監査は、あくまで、

    ISOの要求事項に組織が合っているかどうかを見ているだけ。
    別にISOの要求事項に合ってなくても組織が良いなら、それでもOK

    品質不正を見ていません。でも格好悪いよね。

    素人から見えれば、「監査・審査」=「不正を正し、改善させる」ですよね。

    実態はそうではありません。

    せめて、罰として、ISO認証を剥奪させ、組織に再取得審査へと振り出しに戻すしか手はありません。

    審査側も反省会をする

    認証機関の審査員の方に聞いた話ですが、
    自分が審査した組織が品質不正をした場合、
    認証機関の方でも反省会をやるそうです。

    実際に、提示されたデータがおかしいと気づいても、深く掘り下げるのは難しいです。

    データを作った製造部門、製造部門にいる品質部門など、審査に出席していないメンバーも呼び出す必要があったり、他の項目を審査したいが時間が無くなっていくからです。

    審査員の本音は、

    ISO認証が欲しいなら、品質不正なんかするな!

    ですよね。

    品質不正の温床とならない組織経営が重要です。

    技術者は高い倫理観と、正しく行動するプライドがあります。
    なぜなら、毎日技術を磨いているから。
    それを捻じ曲げる行為をさせる風土が問題であり、
    品質監査では対応できません。

    まとめ

    品質の外部審査で品質不正は見抜けない理由をわかりやすく解説しました。

    • ①外部審査は相手を疑う審査ではない
    • ②品質不正の本質は別な所にある
    • ③品質不正発覚後、ISO認証剥奪と後手後手

  • 【QC検定®3級】勉強方法がわかる

    【QC検定®3級】勉強方法がわかる

    「QC検定®3級を初受験するけど、勉強方法がわからない」、「品質管理の初心者だけど、勉強方法がわからない」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

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    ●商標使用について、
    ①QC検定®と品質管理検定®は、一般財団法人日本規格協会の登録商標です。
    ➁このコンテンツは、一般財団法人日本規格協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。
    ➂QCプラネッツは、QC検定®と品質管理検定®の商標使用許可を受けています。
    最初に読んで欲しい記事で、
    単なる試験合格対策で終わらずに
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    QCプラネッツは、社会全体の品質を高めるために、品質のプロフェッショナルを増やしたいためにコンテンツを発信しております。

    • ①QC勉強で大事な3つの要素
    • ②QC勉強の3つのお願い事項
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    ★【QC検定®3級】勉強に必須な27項目をまとめました。

    以前、ブログ解説していましたが、1つのPDFにまとめました。勉強に役立ててください

    No 勉強項目
    1 【QC検定®3級】品質がわかる
    2 【QC検定®3級】PDCA,SDCA,OODAがわかる
    3 【QC検定®3級】三現主義、5ゲン主義がわかる
    4 【QC検定®3級】QCDやQCDPSMEがすぐわかる
    5 【QC検定®3級】QC7つ道具がわかる
    6 【QC検定®3級】新QC7つ道具がわかる
    7 【QC検定®3級】5Sがすぐわかる
    8 【QC検定®3級】重点指向がわかる
    9 【QC検定®3級】デザインレビュー(DR)がわかる
    10 【QC検定®3級】QCサークルがわかる
    11 【QC検定®3級】再発防止と未然防止がすぐわかる
    12 【QC検定®3級】狩野モデルがわかる
    13 【QC検定®3級】苦情とクレームの違いがわかる
    14 【QC検定®3級】フェールセーフとフールプルーフがわかる
    15 【QC検定®3級】ISO9001 2015の難解な用語がすぐわかる
    16 【QC検定®3級】「製品及びサービス」がわかる
    17 【QC検定®3級】作業標準、作業標準書がわかる
    18 【QC検定®3級】校正がわかる(管理がいい加減だとまずい)
    19 【QC検定®3級】誤差と残差の違いがすぐわかる
    20 【QC検定®3級】源流管理がわかる(上流工程で品質が決まる!)
    21 【QC検定®3級】官能検査がわかる
    22 【QC検定®3級】PL法がすぐわかる
    23 【QC検定®3級】変化点管理がわかる
    24 【QC検定®3級】トップ診断がわかる
    25 【QC検定®3級】環境側面がわかる
    26 【QC検定®3級】標準化、ISOの歴史がすぐわかる
    27 【QC検定®3級】範囲Rは標準偏差sより大きくなる

    ①QC勉強で大事な3つの要素

    3つあります。

    1. 暗記より考え抜くこと
    2. 自分の言葉で説明できること
    3. 応用発展が効くこと

    暗記より考え抜くこと

    品質管理では、
    ●品質
    ●プロセスアプローチ
    ●関係性管理

    など、難解な用語が出て来ます。

    丸暗記して試験合格しても、数日経てば忘れてしまいます。

    もったいないですよね。資格があっても力量がないわけですから
    (力量って何か、理解できていますか?)。
    関連記事をご覧ください。

    急がば回れ!丸暗記よりどういう意味かを考えましょう。

    品質管理用語
    ●品質⇒どういう意味?
    ●プロセスアプローチ⇒どういう意味?
    ●関係性管理⇒どういう意味?

    と疑問に思って、考え始めましょう。

    しんどいけど、意味を考えることが品質管理マスターの近道です。

    自分の言葉で説明できること

    品質管理の用語がどういう意味かを考えるようになると、自分なりの解釈で説明しようと意識しましょう。

    QCプラネッツでは、品質の定義はISOとは変えています。なぜか?わかりますか?考えてみましょう。

    ●本来備わっている特性の集まりが,要求事項を満たす程度。(ISO9000 2015 3.6.2)
    ●相手が満足する基準(QCプラネッツ)

    ISOとQCプラネッツでは、どちらの定義がわかりやすいですか?

    自分の言葉でわかりやすく説明できることが大切です。
    正解は1つではありませんから、常に考えましょう。

    応用発展が効くこと

    方針管理や品質機能展開などの用語になると、丸暗記だけでは頭に入りません。

    用語の意味を自分の言葉で説明できるようになると、応用の概念も、自分の言葉や頭で理解することができます。

    QCプラネッツでは、用語や概念をわかりやすく解説しますが、
    自分の言葉で理解できるように考えてくださいね。

    ②QC勉強の3つのお願い事項

    品質が好きになって欲しい

    QC検定®合格より、合格の先の目標を決めましょう。
    ⇒品質が好きになって欲しい!

    好きになるには、自分の頭で考えて理解を深めることです

    難しい用語をわかりやすく解釈できるまで考え抜くと、
    すっきりするし、自信がつくし、誰かに説明したくなるはずです。

    QCプラネッツでは、「品質とは何か?」を考える際に、
    ●どういう状況が「品質が悪いか」、
    ●どういう状況が「品質が良いか」、
    をイメージしました。

    物は必ず壊れます。でも
    「同じ壊れた事実が同じでも相手が怒ったり、褒めたりするのはなぜか?」
    と考えると、
    相手の期待値を超えたかどうかで品質を判断するから
    と考えたからです。

    いろいろ考えて、自分なりに解釈しやすい説明になるまで考えてみましょう。

    品質から幅広い専門性を学んで欲しい

    丸暗記はNG
    「どういう意味か?」
    「なぜそうなのか?」
    を考えましょう。

    品質管理を考え抜くと、次の分野へ開拓することができます。

    1. 技術(エンジニアリング)
    2. 経営学,組織学
    3. 世界史

    品質管理は、主に技術者が担当しますが、経営学や世界史などの分野も理解を深めることができます。

    品質問題は、技術・品質管理部門の問題にしがちですが、
    その組織の体質やその社会の慣習が影響することも多々あります。

    歴史、経営の観点から品質問題を解けると、
    品質のプロフェッショナルとして
    活躍いただけます。

    品質のプロフェッショナルをたくさん増やしたい!

    品質管理の勉強のモチベーションを高めるのが、QC検定®ですね。

    当面は、QC検定®の級を上げていけばよいですが、1級合格で終わっているともったいないです。

    QC検定®を超えて、
    品質問題を解決できる品質のプロフェッショナルをたくさん増やしたい!

    試験勉強で得られる知識は多々ありますが、
    実務や、経営・歴史などの専門も深めて
    品質問題をリードできる専門家をたくさん増やしたいです。

    試験合格でモチベーションを上げつつ
    品質のプロも目指してください。

    品質のプロになるために、QCプラネッツでは、役立つ情報を挙げていきます。

    まとめ

    【QC検定®3級】勉強方法をわかりやすく解説しました。

    • ①QC勉強で大事な3つの要素
    • ②QC勉強の3つのお願い事項

  • 品質のリモート監査のコツがわかる

    品質のリモート監査のコツがわかる

    「品質監査をリモートでやらないといけないけど、うまくできるかわからない?」、と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    品質のリモート監査のコツがわかる

    第一者監査(内部監査)、第二者監査(取引先監査)、第三者監査(外部審査)共通のテーマです。

    慣れないリモート監査でも、すぐ上手にできますよ。
    • ①コロナ禍前までは対面監査前提
    • ②コロナ禍によるリモート監査導入
    • ③リモート監査でも十分監査できる
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    コロナ禍前までは対面監査前提

    技術的に可能だったけど

    コロナ禍前から、技術的にリモートによる品質監査はできています。でも、ほとんど対面監査だったはずです。

    ここで、
    ●対面監査:実際に監査先に出向いて、直接会って、対面で監査する方式
    ●リモート監査:オンラインで直接出向かずに監査する方式
    と区別します。

    リモートワーク自体も、コロナ禍前からも技術的に可能でしたが、ほとんどの企業が実施していませんでしたね。

    リモート審査に変えようとならなかった理由

    リモートに切り替えなかった理由はいくつかあります。

    1. 相手先の空気感がわからないと適正な評価ができない
    2. 相手を見て監査評価したい
    3. デジタルに疎いシニアが多い
    4. リモートで監査中に途切れたらどうしようかと困る
    5. 実績のないことは消極的

    リモートワークに切り替えなかった理由とほぼ同じですね。

    慣れないものには、なかなか移行しないのが世の常。

    コロナ禍によるリモート監査導入

    コロナ禍による強制的なリモート導入は逆にチャンスだった

    コロナウイルスは憎い。
    けど、ウイルスに対して、しなやかに対応できる人間はすごい!
    コロナ禍の制約を逆に活かしてデジタル化が一気に加速しました。

    コロナ禍によって、10年かかるデジタル化が1年で一気に進んだ気がします。制約を逆にチャンスに活かすのも知恵の見せ所ですね。

    ガイドラインを作る

    リモート監査しかできなくなった中で、どうやって経験のないリモート監査を実施しようか? と悩むはずです。

    焦らずに、アクションアイテムを書き出して、課題を見つけましょう。実務経験で、リモート監査に切り替えた場合に考えたことを列挙します。

    1. リモート会議の設営に慣れる
    2. リモート会議で音声・画像が中断した場合の対応策を作る
    3. 監査記録用紙は紙記入から電子記入に移行
    4. 電子承認ができるようにする
    5. 対面監査より、慣れないリモート監査では、質疑のスピードが落ちると理解する
    6. 被監査側から事前に資料を受領して、監査員は印刷する。お互いどこを見ているかがわかるようにする。
    7. リモート監査初年度は、通常の監査より70%程度の質であっても仕方がないとする

    事務局が対応しますが、1人でやらず、複数人でリモート設営をしましょう。慣れた人を増やしていくのが目的です。

    内部監査の場合は、監査事前にオンライン会議設営テストする

    内部監査と言っても、身内同士の監査です。リモート設営は監査側、被監査側、事務局の3者を巻き込んで設営しましょう。

    やったことがないので、わからないと皆言うけど、リモート監査せざるを得ない状況に追い込んで設営してもらいましょう。案外、みなさんすぐできます。

    実務経験で実際やっていることは、
    ●オンライン会議ツールの立ち上げ
    ●音声・画像の確認
    ●音声中断回避のためのスピーカ用意
    ●PCを複数台使って、中断したPCがあれば、冗長なPCに切り替えて接続を継続し、その間に中断したPCを再起動させる
    ●監査員側は、質疑する人、記録する人、設営対応する人の3名用意

    対応者に設営対応する人が増えて、監査計画が難しくなりますが、備えあれば憂いなしです。

    外部審査に向けて内部監査で十分慣れておく

    内部監査は外部審査の前に実施することが多いでしょうから、内部監査でリモート監査に慣れておきましょう。

    内部監査実施後
    ●リモート監査やってみた感想を、監査側、被監査側から聞く。
    ●リモート監査中に起きたトラブルを事務局内で共有する。
    ●設営方法をマニュアル化する。
    はしておきましょう。

    コロナ禍に入った2020年当時は、組織内のネット回線が弱く中断することが多かったですが、リモートワークの加速につれて、ネット回線が強化されていき、中断はほぼなくなった感触があります。

    リモート監査でも十分監査できる

    不慣れなことも、追い込まれてやらざるを得ない状況になると、意外とスムーズにできます。

    リモート監査で、
    ●リモート監査直前にやること
    ●リモート監査当日にやること
    を解説します。

    リモート監査直前にやること

    準備がすべてなので、しっかり対応しましょう。

    1. 事前に監査資料を受け取り、予習する
    2. 普段からリモートワークツール(Teams,Skype)などに慣れておく
    3. 情報セキュリティ対策済

    ここで1点注意すべきなのが、外部審査など、社外の人とリモート監査する場合です。

    社外から監査すると、社外に社内情報が漏れる危険があります。社内に来館してもらって、社内の各拠点間はリモート監査として、社内のイントラネット内で閉じる方がよいでしょう。

    リモート監査当日にやること

    重要なのは、

    1. 時間に余裕をもって設営、監査対応する
    2. 音声・画像の途中の中断はあると心得ておく
    3. 質問、回答は短く端的にはっきり伝える

    特に、Q&Aの内容で、日本人は枕詞が多すぎます。対面なら伝わるでしょうが、リモートなら途中でつっかえて聞こえなかったりして、せっかく流暢に長くしゃべったことを再度伝える必要があります。これ、結構、ダルイです。

    少々、冷たい感じかもしれませんが、短く端的にはっきり、ゆっくり伝え、2回伝える覚悟をしておくとよいです。

    リモート監査を実際にやってわかったこと

    監査側、被監査側にアンケートをとってわかったことは、

    1. リモート監査に不満は特にない
    2. ちゃんとリモート監査できる
    3. 最初は音声の中断が目立っていたが、使い方が慣れると減っていった
    4. 対面前提だったのが、現地行くのが面倒という意見が出てきた

    環境が変わっても対応できる力がとても重要ですね。リモート監査のヒントになれば幸いです。

    まとめ

    品質のリモート監査のコツをわかる方法りやすく解説しました。

    • ①コロナ禍前までは対面監査前提
    • ②コロナ禍によるリモート監査導入
    • ③リモート監査でも十分監査できる

  • 内部監査の報告書の作り方と書き方がわかる

    内部監査の報告書の作り方と書き方がわかる

    「内部監査したけど、結果のまとめ方がわからない?」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    内部監査の報告書の作り方と書き方がわかる
    • ①報告書の作り方
    • ②報告書の書き方
    • ③監査中の書き方(実際)
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    ①報告書の作り方

    報告書の目的

    単に実施したから記録するのではなく、継続して品質改善を取り組んで、組織が良くなっていっているかを確かめるために記録しましょう。

    ●何を監査したか?
    ●どんな回答があったか?
    ●どんな評価をしたのか?
    ●次回の監査までに何を改善するのか?

    をまとめることで、組織の各部門の課題や全体に共通する課題を見つけることが重要です。

    組織全体に影響する課題であれば、経営陣に迅速にインプットする必要があります。

    組織の健康チェック記録ですね。

    報告書に必要な内容

    組織内の正式な文書類になるでしょうから、報告書に必要な項目を決めて、文書や様式を設計する必要があります。

    まずは、5W1Hですね。
    ●監査員名(⇒組織が許可した監査員か?監査員教育や力量は適切か?)
    ●被監査側の出席者(⇒監査を受けてよい人か? 役職・責任・権限は適切か?)
    ●日時(⇒前回の監査からどの程度期間があり、品質の定着度を見るのに妥当かどうか?)
    ●場所(⇒場所はそれほど問題ではありませんが、最近はコロナ禍対策としてオンラインも適用されます。)

    そして、監査項目、監査評価ですね。
    ●監査項目の設定方法
    ●監査評価の定義(何が良くて、悪いか?)
    ●その他記録すべき特記事項(何を書くべきか?)

    報告書はよく考えてつくるべきですね。

    報告書の事例

    必要な項目を入れると下図の感じになるでしょう。いかがでしょうか。あなたの組織の内部監査報告書と似ていますか?違いますか?

    1枚目報告書

    内部監査

    2枚目記録書

    内部監査

    2枚用意しました。
    ●1枚目は、監査リーダが質疑しながら、最後にまとめる報告書。
    ●2枚目は、2人目の監査員が、監査質疑を詳細に記録する記録書。
    です。

    1枚目の報告書だけでは、なぜその結果になったのかが、後でわからなくなります。そこで、2枚目の記録書にQ&Aのやり取りを記録しておくことを薦めます。

    監査項目

    監査項目に何を入れるかは自由ですが、内部監査と外部審査がリンクするので、ISO9001の要求事項をいれておくのも1つの手です。

    監査項目の例として、
    ●前回の結果からの改善
    ●外部・内部課題の変化
    ●品質目標
    ●組織体制
    ●資源
    ●力量
    ●コミュニケーション
    ●文書化した情報
    ●運用の計画および管理
    ●不適合、是正処置
    ●継続的改善
    から選ぶ感じでしょうか?実際は決まった時間で監査完了しなければなりませんので、組織にとって監査したい項目を選びましょう。

    ②報告書の書き方

    必須項目

    以下を確実に書きましょう。あとで、見直す時に有効です。
    ●5W1H
    ●主語述語を明確に
    ●確認した文書名
    ●文書内容(文書名、顧客名、納期、などの重要な内容)
    ●監査のQ&A

    記録する監査員は、監査記録中、記録だけに徹しましょう。

    書き方のコツ

    1. 文章より箇条書き
    2. 主語、期限、を明確に

    音声データを記録して、文字を起こすよりは端的な箇条書きでまとめましょう。何枚も記録書を見るよりは、伝えたるべきポイントをまとめておくことが重要です。そのため、ある程度力量をもった監査員が記録すべきです。

    主語、期限など、相手が嫌がるけど、明確にしておくべきことははっきり記録しましょう。あいまいな回答が来たら、聞き返してください。相手がためらったら、「明確に書いたからといって、絶対にやらないといけないという宣言ではない」とか「監査結果に影響しません」と返しましょう。

    第3者にわかりやすくつたえるのが記録の目的です。

    報告書は電子入力すべき

    意外と内部監査って、手書きで記録していませんか? 電子化の時代とはいえ、システムを組むほどの規模でもなく、それをつくる人がいないので、紙とハンコを使っている組織が未だに多いでしょう。

    報告書は電子入力

    組織内のサーバーや、Share Point Onlineなどのツールなど何か入っているでしょうから、電子化対応しましょう。

    1. 直筆は基本汚い字
    2. リモート勤務で監査が必要

    みんな字が汚いです。汚い字で、くせのある字だと、第3者が読み取れません。でも、これが、監査終了後、被監査側が記録書をチェックしようとしない理由でもあります。

    今まで被監査側は何もチェックしなかったのに、記録書が出来たらチェックするようになりましたね。

    あと、コロナ禍によるリモート対応が直筆、紙、ハンコから電子化せざるを得ない状況になったでしょう。監査員・被監査側の一部の人がリモートログインして内部監査する時代になりました。

    電子化が必須になってきました。

    ③監査中の書き方(実際)

    実務経験から3つコツを解説します。

    1. 監査員は2名以上必要
    2. 質疑と記録を同時に2名で進行
    3. 監査後の記録データの注意点

    監査員は2名以上必要

    ●質疑する人
    ●記録する人
    の2名は必須です。

    あとは、アドバイザー監査員や育成中の監査員が必要に応じて同席します。

    監査員は2名以上必要な理由は

    1. 質疑中は記録とれない(時間も気持ちも余裕がない)
    2. 質疑しながら記録すると、記録中、会話が無くなり質疑の良い流れが寸断される

    質疑する監査リーダは、結果をまとめる時だけ、記録し、それ以外は質疑だけに集中しましょう。記録係は、記録に徹しましょう。

    監査後の記録データの注意点

    記録した文書において、改ざんされる状態のまま、文書を保管する場合が多いです。

    ●紙と鉛筆で書いた場合は、後でいくらでも改ざんできる
    ●電子化しても、その記録ファイルが編集できる状態で保存されていると、改ざんできる。

    電子化しても、監査後は文書にロックをかけて保管する必要があります。意外とexcelやwordで作った文書をそのまま電子印で承認した後、普通に編集できるファイルで保管することが多いにあります。

    まとめ

    内部監査の報告書の作り方と書き方をわかりやすく解説しました。

    • ①報告書の作り方
    • ②報告書の書き方
    • ③監査中の書き方(実際)

  • 品質監査で不適合を受けるとどうなるか?がわかる

    品質監査で不適合を受けるとどうなるか?がわかる

    「品質監査で不適合になってしまったらどうしたらいいの?」、「どんな条件で不適合を受けるのかがわからない」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    品質監査で不適合を受けるとどうなるか?がわかる

    第一者監査(内部監査)、第二者監査(取引先監査)、第三者監査(外部審査)共通のテーマです。

    不適合ってやばそう!
    どうなっちゃうの?
    • ①何をすれば不適合になるのか?
    • ②監査で不適合になるのか?
    • ③不適合を受けた後の処置方法/li>

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    何をすれば不適合になるのか?

    不適合とは?

    ●まず、品質監査における不適合とは何か?の定義を確認しましょう。相手を知らずして恐れても仕方がありません。

    不適合とは

    ISO9000 2015 3.6.9 不適合
    要求事項を満たしていないこと。

    ここでいう要求事項は具体的には、
    (i)製品の要求事項、顧客要求事項
    (ii)組織の品質マネジメントシステム要求事項
    (iii)法令、標準規格

    つまり、
    (i)は相手からの要求
    (ii)は自分で決めた品質マネジメントシステム通り業務すること
    (iii)法令や標準などの第3者からの要求
    をそれぞれ満たしていないと、「不適合」になります。

    「満たしていない」とは?

    監査で、ヌケモレなどの不備を指摘された場合、

    「改善の機会」として指摘される
    か、それとも
    「不適合」で一発アウト
    となるか?

    の基準がわかりません。監査員によって基準が変わると、監査をうける側はいやですね。

    実務経験上、次の基準で分かれていると考えています。

    「改善の機会」と「不適合」の違いは
    ●要求事項に対して活動していれば、「不適合」にはならず、「改善の機会」になる。
    ●「不適合」はそもそも、要求事項に対して全く何もやっていない場合になる。

    不適合の具体事例を紹介します。

    不適合事例

    例えば、
    ●「顧客の要求事項に対して何をしていますか?」と審査員に質問された場合

    「顧客要求事項一覧表があって、その内容を説明した」が、一部ヌケモレがあった場合は、「不適合」にはならず、「改善の機会」になる。

    「顧客要求事項って何だ?何かやっているか?」、「担当者が個別にやっています」だと、顧客要求を満たす組織になっていないと判断され、「不適合」になる。

    ISO9001やQMS(品質マネジメントシステム)を組織が導入した場合、一定のルールで化業務遂行するはずです。しかし、そのルールを無視したり、やっていないとなると「不適合」になります。

    一定のルールで組織が業務遂行していれば、「不適合」にはなりません。安心してください。

    長期間、ISO9001やQMS(品質マネジメントシステム) を組織が導入していると、ルール前提で業務遂行できる組織になるので、「不適合」になる場合はほぼありません。

    ただし、成熟した組織でも「不適合」になりうる注意すべき点があります。

    1. ISO9001 2015認証なのに、2015年版にはない2008年版の業務フローが継続
    2. 自組織のQMSを変更したのに、一部業務が過去のQMSのまま継続

    これらのケースも、「そもそも最新版の要求事項をやっていない」とみなされ、「不適合」を受ける場合があります。

    不適合に罰則はあるのか?

    ●ありません。不適合を適合にすればOKです。
    (不適合を適合に挽回する方法を後で解説します。)

    でも、後味悪いですよね。

    「不適合! 何やってんの?」と上から叱られるくらいはあるでしょうけど。

    監査で不適合になるのか?

    実務経験上、

    外部審査ではありうるが、
    内部監査はほぼない、
    取引先監査はよっぽど相手に圧力をかけたいときだけ
    (取引先を変えた方がよいでしょう)

    外部審査ではありうる

    外部審査は、ISO9001認証にふさわしいか?の審査です。ISO9001の要求事項に沿って業務しているかを確認しましょう。

    ISOも7,8年で更新されるので、更新時に古い要求事項のままだと、「不適合」になりやすいので要注意です。

    内部監査はほぼない

    身内で監査するので、不適合はありません。不適合にする監査側も、監査される側も、事務局ももめるし、後処理が面倒です

    ただし、内部監査は自主的とはいえ、ISO9001の要求事項の1つなので、不適合の選択肢も用意しておく必要があります。

    組織内規定で、内部監査を規定する場合、不適合の報告書と是正処置の報告書の様式を作りますが、実際は、形だけです。

    実務経験上、内部監査員への説明の際も、「不適合」の話はしません。話しなければ、ほとんどの組織内の内部監査員は「不適合」を知らずに監査します。

    ISO認証後すぐの組織は不適合がよくある

    不適合になりやすい組織とは、

    1. ISO認証後すぐの組織
    2. ISOが更新された直後

    前者は、ISO取り立ての場合、まだ、ISOに沿った業務をしていない部門がいくつかある可能性があります。そこを次年度、受審すると、「不適合」を受けやすくなります。ただ、審査側も、ISO取ったばかりという配慮もあります。審査員が助言する場合が多いです。

    後者は、ISOが更新された直後は、「更新審査」として外部審査を受けます。実務経験上、ISO9001 2008から2015への更新審査では、審査のほとんどの時間が、審査員から説明時間となってしまいました。

    「不適合」になりやすい状態の場合、審査する側もそれなりに配慮してくれます。「そろそろちゃんとできるよね!」という時期に、やるべきことをやっていないと「不適合」になります。

    不適合を受けた後の処置方法

    慌てることはありません。

    1. 応急処置と恒久処置をしっかりやる
    2. 処置は仕組化する
    3. しばらく経過してから再審査する

    の流れです。

    応急処置と恒久処置をしっかりやる

    まずは、応急処置として、「不適合」箇所を修正しましょう。

    仕組や文書が無いことによる「不適合」が多いので、作りましょう。

    次に、恒久処置として
    ●応急処置で作った仕組や文書をルール化する
    ●ルール化したものを組織内に情報共有する
    ●他にも「不適合」になりうる業務がないかを確認する
    などしましょう。

    処置は仕組化する

    再発防止や未然防止のため、気合・根性ではなく、仕組化しましょう。

    仕組化とは、
    ●そのチェックがないと、文書ファイルが保存できなくする
    ●チェックリストを作って、承認の際に必ず確認する
    ●ルール化して、全員に周知させる
    など、実務経験上は、デジタルを使って、ヌケモレがない仕組にした方がベターです。

    しばらく経過してから再審査する

    すぐ処置しても、再審査して「適合」にはなりません。数カ月くらい経過して処置が定着したと確認できてから再審査となります。

    「不適合」はあまり、なりませんが、なると面倒です。けど、それをチャンスととらえましょう。

    まとめ

    品質監査で不適合を受けるとどうなるか?をわかりやすく解説しました。

    • ①何をすれば不適合になるのか?
    • ②監査で不適合になるのか?
    • ③不適合を受けた後の処置方法/li>

  • 内部監査の質疑ができる

    内部監査の質疑ができる

    「内部監査の質疑がうまくできない!」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    内部監査の質疑ができる
    • ①監査全体の流れを理解する
    • ②管理文書のチェック方法
    • ③口頭質疑のポイント
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    監査全体の流れを理解する

    組織の成功へ導くために監査をやる

    相手の荒さがしではありません。組織の成功へ導くための監査であり、質疑が肝です。関連記事に組織の成功に導くための監査をやれば、ISO9001の要求事項につながることを解説しています。

    【簡単】品質監査ができるようになる
    品質管理の内部監査にて、簡単に監査質疑ができる方法を解説します。ISO9001に頼らず、自分で考えた質疑をした方が組織のためであると実務経験からわかっています。ISO関係者、品質監査している人や品質管理担当は必見です。

    組織の成功を収益とすると、

    ●売上向上⇒顧客満足向上
    ●業務停止リスク回避⇒安全、環境、法令遵守、コンプライアンス
    ●コストカット⇒資源の効率化、人的リソース、品質コスト低減

    売上向上し、業務停止リスクを回避しつつ、コスト低減する組織になるように、監査して継続的に改善していけば、組織の成功(収益向上)につながります!

    具体的な流れ

    組織成功につながるための監査の具体的な流れを解説します。

    1. 組織の成功の定義と成功への戦略を確認する
    2. 組織の成功につながる品質目標の計画・実績・評価を監査する
    3. 品質目標を達成するために必要な組織のリソース(人・モノ)を監査する
    4. 組織活動に必要な、ルールや文書管理を監査する
    5. トラブル発生時も適切な対処ができるかを監査する

    つまり、第1に品質目標で活動を評価し、
    品質目標達成に必要なリソースに課題はないかどうかを確認し、
    組織内が円滑に有効に機能しているかを監査すればよいのです。

    監査は流れが大事。
    文書の荒さがしより、被監査側の考えや意見を引き出そう!

    実際は、提示された文書や、口頭による回答によって、監査の流れを作っていきます。事例を挙げて解説します。

    ②管理文書のチェック方法

    チェックポイント

    実務経験上、3つポイントがあります。

    1. 活動施策が組織の戦略と整合しているか?(勝手な活動していないか?)
    2. 計画と実績のギャップ(無理な計画か?背伸びしない計画か?)
    3. 前年度の結果との比較(目標・活動の変更の有無の意図は?)

    ●計画と実績のギャップでは、差分の大小を評価するのではなく、なぜそうなったのか?を聞きます。外部・内部環境の大きな変化があったなどの理由があるはずです。その環境の変化に対して、適切な活動だったかを確認します。

    ●前年度の結果との比較も大事です。目標を上げた理由、変えない理由、下げた理由それぞれあります。その意図を確認し、妥当かどうか判断しましょう。目標を上げるだけが高評価ではありません。

    質疑から、なぜ?を問うことで
    その組織の課題が見えて来る。
    課題に対して、組織の戦略につながる活動かどうかを見ましょう。

    次、品質目標と会議録を使って、監査のつっこみ方を解説します。

    品質目標を監査する

    関連記事にもありますが、ここでも解説します。

    ISO9001 2015 6.2 品質目標及びそれを達成するための計画策定 がわかる
    ISO9001 2015 6.2 品質目標及びそれを達成するための計画策定 が説明できますか? 本記事では「品質目標の書き方」、「品質目標で監査質疑されるポイント」を実務経験をもとにわかりやすく解説します。ISO9001 に関わる方は必読です。

    品質監査では、組織全体がわかる
    品質目標の監査が最も重要

    下図のような品質目標が提示されたとします。どう評価しますか? 完璧な目標でしょうか?それともつっこみ満載な目標でしょうか?

    品質目標

    品質目標の監査ポイント

    再掲しますが、

    1. 活動施策が組織の戦略と整合しているか?(勝手な活動していないか?)
    2. 計画と実績のギャップ(無理な計画か?背伸びしない計画か?)
    3. 前年度の結果との比較(目標・活動の変更の有無の意図は?)

    下図の、赤枠のように監査で確認したいポイントがあります。いっぱいありますね。

    品質目標

    品質目標が弱いと、組織の活動の脆さが見えてきます。目標達成に必要な要素も弱点が見えるからです。

    会議録を監査する

    監査では、品質目標が重点的に監査されます。そこが終わったら個別に監査が進んでいきますが、提示された文書を見ながら、組織活動を監査します。

    下図のような会議録を提示されたとします。どう評価しますか? 完璧な会議録でしょうか?それともつっこみ満載な会議録でしょうか?

    内部監査

    文書の監査ポイント

    実務経験上、5つポイントがあります。

    1. 適切な人が出席しているのか?
    2. 会議のインプットとアウトプットは明確か?
    3. 懸案事項の有無、有るならいつまでにどう解決させるのか?
    4. 迅速に回付して展開しているか?
    5. 使っている文書は組織内で決まったものか?

    この5つが機能していないと、仕様の引継ぎにヌケモレがあったり、品質不正が見抜けない状態に陥ります

    だからといって、資料を丁寧過ぎて時間かけて何度も修正してはいけません。会議など、活動に目的をもって行動することが重要です。

    会議録を見ると
    ●適切な人が出席しているのか?⇒出席者は大丈夫そうです。設計リーダのような責任者やキーパーソンがいるからです。
    ●会議のインプットとアウトプットは明確か?⇒不明確です。インプット資料、アウトプット資料名称があれば、どんな会議をしたかがわかるはず。
    ●懸案事項の有無、有るならいつまでにどう解決させるのか?⇒懸案事項は有りますが、5W1Hが不明確。
    ●迅速に回付して展開しているか?⇒会議後1週間経って調査承認。遅い。宛先もない。誰に伝えるの?
    ●使っている文書は組織内で決まったものか?⇒文書番号が無いので、勝手に作った文書とされ、有効ではない

    見た目良さそうな会議録ですが、監査するとダメダメです。

    文書はシンプルでいい。だけど
    ●目的(誰に何をさせるのか?)
    ●手段(何をインプットして何を討議して、何がわかったのか?)
    が一瞬でわかるものがベスト

    監査後、改善した会議録が下図のようになりました。改善箇所は朱書きで書いています。これからOK

    内部監査

    監査は荒さがしではない
    監査指摘で改善しなかったら、どんなリスクが組織に襲ってくるかを想定する。
    事前にリスク回避できたら万々歳!

    会議録を例にあげましたが、すべての文書を同様に監査して、どんなリスクが発生しうるかを想定して改善指摘しましょう。逆に、良い点は、高評価しましょう。

    リスク回避のための改善と
    さらなる飛躍のための高評価!

    ③口頭質疑のポイント

    監査は半分が文書、半分が口頭質疑になります。口頭質疑のポイントを解説します。

    ポイントは3つです。

    1. 質疑の目的を理解しているか?
    2. 回答が戦略と整合しているか?
    3. 部門内を理解しているか?

    よく、質問の具体例とか、オープン。クローズドクエスチョンを織り交ぜるとか、書いていますが、それは手段です。口頭質疑の目的は、相手が自分の言葉で部門を説明できるかどうか?です。

    部課長なら当然できるはずですが、そうでない場合はその部門内に品質低下するリスクが潜んでいます。例えば、
    ●情報共有ができていない⇒ヌケモレ
    ●報連相がない⇒品質不正の温床
    ●管理できていない⇒部課長が管理できない、他の業務(経営陣からの過度な要求対応など)で逼迫している

    などがあります。

    質疑の目的を理解しているか?

    部門長なら当然理解しているはずですが、たまにズレた回答する部門長がいます。その部門はダメダメです。

    監査評価を気にするのか?普段から考えていないのか? 監査質疑の論点がズレることがあります。

    監査の評価は目的ではなく、手段。
    目的は、その部門にリスクが潜在していないか?を見ること

    部門の業務の目的や意義を普段から考えていれば、質疑は的確に回答できるはずですが、そうでない場合は、部門長の怠慢さが見え、その部門内の管理が甘いリスクがあります。

    こういう場合は、
    ●組織体制図を提示させて、誰がどの業務をさせているか?業務範囲を確認する。
    ●力量管理表を提示させて、誰が何を何の目的でさせているかを確認する。
    と見ていくと、ボロが見えてきます。改善の指摘をしましょう。

    回答が戦略と整合しているか?

    品質目標を部下に管理させていると、回答がちぐはぐになります。そのときは、部門長が部下と確認するシーンが見ます。「自分、管理してないの?」と部門長に突っ込みましょう。戦略の舵を握る人が握っていないわけですから。

    品質目標に入る前に、組織全体の戦略、品質方針を確認してから各部門の目標に入るとよいでしょう。

    部門内を理解しているか?

    部課長を相手に監査しますが、部門内の人やモノを管理できていないと、誰が何をやっているのかが答えられません。力量管理やコミュニケーション、文書化された情報あたりで質疑するときに、部門内を理解していないと答えられない点が出て来ます。

    品質監査だからではなく、普段からの部門の風土醸成が重要です。

    口頭質疑で「ん?」と疑問に感じたところにその部門のリスクが潜んでいる可能性があります。変な答えや空気が流れたら監査側は素直に伝えましょう。

    まとめ

    品質の監査員の階級を作る方法をわかりやすく解説しました。

    • ①監査全体の流れを理解する
    • ②管理文書のチェック方法
    • ③口頭質疑のポイント

  • 取引先監査の監査する側・される側の関係がわかる

    取引先監査の監査する側・される側の関係がわかる

    「取引先監査やれって頼まれちゃったけど、不安だよ」、「顧客から監査するって言われたけど」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    取引先監査の監査する側・される側の関係がわかる
    • ①最もやりたくない監査
    • ②取引先監査当日の注意点
    • ③取引先監査を成功させるポイント
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    ①最もやりたくない監査

    第一者監査(内部監査)、第二者監査(取引先監査)、第三者監査(外部審査)と3種類ありますが、第二者監査(取引先監査)が最もやりたくないですね。

    顧客(購買先)が販売元に出向いて、品質監査をやる監査ですから。

    • 販売元はできれば避けたい
    • 顧客(購買先)も監査担当者は面倒くさいのでやりたくない
    • 両者の品質管理担当は責任が無いので、モチベーションも低い

    顧客が販売元をチェックするのは、品質管理としては重要ですが、実際やれってなると嫌ですね。その理由や現状を解説していきます。

    個人的には、他社を見る良い機会ですけど。

    ISOに書いているが、強制力はない

    ISO19011には、監査の種類と実施が書いていますが、書いているだけで、取引先監査の義務や強制力はありません。「両者の合意のもとで」なのでしょう

    監査される側は嫌がる

    そりゃ、嫌ですよね。

    ただでさえ、QCDに無茶いう顧客なのに、彼らが自社に乗り込んで監査するっていうわけですからね。監査した結果、何かアメでもないと、やってられませんよね。

    よっぽど、へまをやった(品質不正やった、顧客に相当の被害や迷惑をかけてしまった)があれば、受け入れる理由がありますが、

    監査する方も面倒くさい

    実は、顧客側も、「面倒くさい」んですよ。

    なぜなら、経営陣や管理職が取引先監査やって来い!と指示されたからとか
    監査する本人は直接、販売元から損を受けた関係ではないので、ただの事務業務として扱うからです。

    品質管理担当が取引先監査やればいいじゃん! 確かに監査する力量はあるのですが、品質管理側は組織の中でも独立した立ち位置なので、購入側・販売側のどちらの利害関係はありません。だから、モチベーションが低いのです

    「品管として、監査をやりました!」くらいな感じです。

    普段、購買側、販売側両者が集まって監査することは少ないため、
    取引先監査は貴重です。
    監査するには、互いに大きなメリットがあるといいのですが、
    どうすればよいかを考えましょう。

    ②取引先監査当日の注意点

    第一者監査(内部監査)、第二者監査(取引先監査)、第三者監査(外部審査)とありますが、大きく違う点があります。

    1. 第一者監査(内部監査)は「性善説」を優先
    2. 第二者監査(取引先監査)は「性悪説」を優先
    3. 第三者監査(外部審査)は「性善説」を優先

    第二者監査(取引先監査)は、相手との関係性を良くしたい点がメインですが、
    基本は相手を疑うことが重要です。なぜなら、不都合なことは隠すから

    ここが、自社を診る、内部監査と外部審査の違いです。

    1. 被監査側は都合のよい所しか見せない、言わない
    2. でもそれが正しいなら、品質トラブルにならないはずだが
    3. 監査側は要求をはっきり言う
    4. 両者が決裂したら、販売先を変えればいいだけ

    取引先監査自体はお金の流れが無いため、監査側も被監査側も対等です。言いたいこと言いましょう。

    被監査側は不都合なことは隠す

    監査は本来、相手の良いところを探すものですが、
    取引先監査は不備やトラブルが原因で実施するため、
    性悪説でのぞみます。

    よって、普段相手を疑うことはしませんが、取引先監査は別人格でのぞみます。でも、喧嘩や挑発はNGです。顧客側として、こうして欲しいと率直に伝えるのが目的です。

    監査でのぞむべきポイントは

    1. 一番できの良いロットしか見せない
    2. 都合のよい文書やプロジェクト記録しか見せない
    3. 工場現場見学は基本NG。OKな場合でも良い所しか見せない
    4. 都合のよい回答しかしてこない

    ●逆に、監査される側に立てば、不都合な事実は無くても、うまく伝わらないことが原因で改善をあれこれ指示されたくはありません。また、自社では問題が起きていないことでも、NGと監査されて無理矢理な改善要求はされたくはありません。

    ●さらに、監査する・される両側をはさむ独立な立場の人はいませんので、揉め事に発展する危険性があります。

    互いに相手を配慮しつつ、変な指摘がされないよう守る事も大事です。

    監査側が見たいところをはっきり要求する

    相手が100%対応してくれるかはわかりませんが、監査に来た以上、監査したい目的や、気になる所ははっきり伝えましょう。監査される側からは、「こういうのが気になる相手だ」と伝わるからです。

    この取引先監査は、
    減点方式なので、高評価されない監査です。よって、モチベーションは上がりません。
    ●ちゃんとできていれば、減点0
    ●不備があれば減点
    ○良い事例があっても加点されない。

    テンションが上がらない監査なので、相手への要求は明確に伝えるべきですが、言い方は注意しましょう。高圧的な言い方ではなく、お願いする体がよいでしょう。

    被監査側が説明しない所をよく見る

    相手先に行ったら、説明されないところをよく見ておきましょう。説明されない所や、非言語的な情報から相手先の品質レベルがわかるからです。

    1. 事務所や工場にゴミが落ちたまま
    2. なんか埃っぽい
    3. なんか暗い(雰囲気、照明)
    4. そこで働いている人の表情
    5. 整理整頓できていない所がある
    6. 管理要な薬品・劇薬の管理状況

    説明されない所や、非言語的な情報から、相手の不備や改善要求点が見えます。直接伝えてもいいし、これらと監査チェックリストを絡めて指摘するのもよいでしょう。

    三現主義(現実、現物、現場)を見ると、ほぼ相手がわかる

    ③取引先監査を成功させるポイント

    相手との関係性、取引額、監査のモチベーションなどが交錯する監査なので、実施するだけでも大きな成果です。成功させるポイントを解説します。

    1. 監査員の育成
    2. スムーズな監査
    3. 良好な関係を構築

    監査員の育成

    社内から監査員を数名選抜して、育成する必要があります。品質管理担当が主にやりますが、品質管理部門は組織内で独立した位置にあるので、販売側・購入側間の利害の程度が小さいです。他人事のように監査する可能性があります。

    購買品を直接扱う、営業や技術が監査して、直接ダメージを受けた相手を監査した方が、高いモチベーションで臨めるはずです。

    取引先監査は運営や質疑が難しいので、
    組織内の内部監査で十分経験を積んでから取引先監査員
    として育成するとよいです。
    組織内の多くの人に監査できる力をつけると、内部監査や取引先監査できる人が増えて、強い組織ができます。

    内部監査員を組織内でたくさん作る理由の1つに、取引先監査の実施があります。

    スムーズな監査

    互いの言い分や、攻防がありますが、心を開かないと、相手も心を開きません。

    監査の前の、よい空気を作ることが大切です。
    「いつもありがとうございます。」
    「今回は、こういう理由で、もっとよくしたいから、監査させていただきます。」
    「今後もっと良い関係にしたいので今日1日よろしくお願いいたします。」
    「自社は最近○○で、○○なんですよ」とか
    「共通の世間話でもいい」

    監査の質疑の合間にも、相手を配慮するような言い方とか、相手が得するような提案をすると、相手も自分ことをよく考えてくれているなとして、本音がポロっと言ってくれるかもしれません。

    相手の本音は、ツッコむのではなく
    互いの良好な関係維持につながる連結器ととらえておく

    記録に書かず、口頭で、こんなこと言っていましたよ。くらいの報告でよいでしょう。

    良好な関係を構築

    取引先監査の目的は、

    両者のWIN-WINな関係を強固にすること

    ●改善した方がベターなものははっきり伝えましょう。
    ●せっかく相手と話せる機会なので、相手の価値観や考え方を共有しましょう。
    ●相手の良い点は自組織に取り込んでもよいでしょう。

    良い印象がある相手なら、「がんばろう!」となるはずですし、その逆もあります。

    人 対 人 の監査なので、心が通う良い関係になった方が、得です。

    海外の場合は、性悪説がベースなので、契約や罰金で縛りますが、本来は心通う人同士のつながりなので、良い関係で悪い事はありません。

    以上、取引先監査の両者の関係を解説し、他の内部監査や外部審査よりレベルが高い監査であることがわかりました。

    まとめ

    取引先監査の監査する側・される側の関係をわかりやすく解説しました。

    • ①最もやりたくない監査
    • ②取引先監査当日の注意点
    • ③取引先監査を成功させるポイント

  • 内部監査の監査する側・される側の関係がわかる

    内部監査の監査する側・される側の関係がわかる

    「内部監査やれって頼まれちゃったけど、不安だよ」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    内部監査の監査する側・される側の関係がわかる
    • ①役職は監査員の方が下
    • ②監査員へのサポートのコツ
    • ③非言語コミュニケーションスキルが必要
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    ①役職は監査員の方が下

    将来期待できる人に監査員をやってほしい

    ●内部監査で質疑を多くの人に経験してほしいです。品質を身に着けるには、自分の言葉で質疑するのが一番だからです。

    ●しかし、内部監査はそんなに回数がありません。年1回で多くても2,3回質疑するくらいです。監査員育成には数年かかってしまいます。

    ●なので、これからの将来が期待できる3,40代の中堅に監査質疑経験を与えることが組織にとって重要です。

    現状、50代が監査員になることが多いです。数年育成しても定年退職へのカウントダウンが始まるだけで、中長期的に品質を見てほしいプロを組織内に育成したいですよね。

    被監査側の方が役職は上

    将来が期待できる3,40代の中堅に監査質疑経験を与えようとなると、1つ問題があります。

    ●監査する方:課長以下、平もいる
    ●監査される方:部長、課長

    役職が上の目上に質疑しないといけません。これが結構しんどいですよね。普段は逆で、上長から業務指示がくる日々で、内部監査だけは上をチェックするわけです。

    普段言えない上司への不満を、厳しい質疑と厳しい監査結果にしてやろう!
    という悪意は禁物です。
    品質向上につながりません。

    部課長へ質疑するのが嫌だという理由で、監査員を断る人も多いです。品質管理担当としても監査員候補を見つけてOKもらうのが大変です。振られまくりです。

    監査員を部長級以上にするとやらされ感が出る

    「じゃー、監査員に部長級以上をもってきたらいいんじゃないの?」と思いますよね。

    これは絶対いやです。

    1. 経営会議に見たいに、「あれやれこれやれ」といっぱい指示がくる
    2. 監査側、事務局、被監査側に不条理な指示がくる
    3. やらされ感が出てしまう
    4. 自ら品質向上しようとならないため、監査の効果が出ない
    品質は
    「やれ!」と命令しても
    品質向上しません。
    「自ら良くしよう!」と応援しないといけません。

    監査員の選び方は結構考える必要があります。

    監査員へのサポートのコツ

    3つあります。

    1. 品管のシニアをサポートに入れる
    2. ISOのせいにして相手を納得させる
    3. 相手の良さを引き出すよう質疑する

    それぞれ解説します。

    品管のシニアをサポートに入れる

    内部監査に限らず、品質管理の仕事は、

    役職だけでなく年齢も重要

    内部監査、外部審査などの品質管理業務は、相手が各部門の役職者が多いです。平社員だとなかなか伝えづらいし、交渉も難しいです。

    そういうこときは、50代後半の品質管理の人を頼りましょう。

    各部門の役職者が、その50代後半の後輩だったりする

    先輩に頼むと、ことが進みます。先輩の力やサポートを使いましょう。

    ISOのせいにして相手を納得させる

    「 ISOなので、すいません」と言いながら、
    冷静に客観的に質疑する
    タンタンと事実に基づいて機械的に質疑するのもOK

    相手の良さを引き出すよう質疑する

    監査は、若くて平の監査員 VS 年上の管理職の被監査側
    監査は、シニアの平の監査員 VS 管理職の被監査側

    で、基本、管理職の被監査側が強くし、偉いので、高圧になりやすいです

    もちろん、評価する方は監査側なので、被監査側も緊張しています。

    相手の良さを引き出すよう質疑して
    相手を盛り上げましょう。

    毎年、厳しい仕事を勝ち抜いている各部門を監査します。それぞれの良さや強みがたくさんあるはずです。また、もっと改善するとベターな提案できる点もあるでしょう。

    相手を叩く質疑ではなく、相手の良さを見抜く質疑が重要

    相手にとって、当たり前なことを高く評価すると、相手も自信をもってさらに向上しようと自ら行動取ってくれます。

    ③非言語コミュニケーションスキルが必要

    どこにも書いていないスキルが求められる

    内部監査のやり方を教えてくれるのはいいけど、
    実際にやるとなると、いろいろ緊張するなあ

    と、初めて監査する時は特に、緊張や心配事がつのります。その理由は、

    内部監査は、非言語コミュニケーションスキルが必要なのに
    誰も教えてくれないし、誰も気づいていないから

    非言語コミュニケーションの重要さを解説します。この記事を構成しているときに、非言語コミュニケーションの大事さを気づいて良かった!

    監査当日は緊張する

    「準備はしっかりしたけど、なんか心配」なのが、監査リーダの本音です。

    1. 相手の表情が暗い
    2. ダルそうで、嫌そうで、声のトーンも低い
    3. 部門長は手を組んで座っているし
    4. なんか文句あるの?という態度だし
    5. 被監査側は10人も来たけど、監査側はリーダと記録係の2人しかいないし
    6. みんな咳きこんでいるし
    7. 笑顔がないし
    8. 会議室の部屋が暗いし
    9. 相手が時間になってもやってこないし
    10. リモート監査で相手の表情が見えない、怒っている?

    などなど、質疑は淡々と進めていても、相手の表情や言語以外の出て来る負のオーラで、監査する方も結構ビビってしまいます。

    心配事が多く、緊張するのはむしろ自然

    なので、監査の前に、監査する・される両者の緊張をほぐしましょう。互いに緊張していますから。
     ●「今日はありがとうございます」と感謝から入る
     ●「最近寒いですねとか」世間話でもいい
     ●相手が特に監査評価で心配していることがあれば先に聞いて、心配事を無くす
     ●「いいところをたくさん見つける監査です」とか「少々不備や論理に矛盾があっても評価下げませんので、どんどんおっしゃってください」とか先に伝えておくとか
    監査実施前に両者のキャッチボールしておくとスムーズに進みますし、相手の良い点をたくさん見つけられるはずです。

     

    数回監査やれば身につく

    2、3回監査質疑やれば、ベテランの域に入ります。意外ですけど。

    ポイントは、

    1. >最初は緊張する
    2. 非言語コミュニケーションの難しさに慣れよう!
    3. 完璧な質疑は最初からできなくてもいい
    4. うまく行かないときもあるが、気にせず自分なりにやってみる
    5. 数回監査質疑やれば、力もついてくる
    6. 基本は組織内(社内)の監査なので、皆が守ってくれていると思えばOK

    ●監査質疑を依頼する事務局側は、あえて難しい質疑を依頼することで、品質管理の力を身に着けてほしいという思いがあります。

    ●監査側、被監査側は基本同じ組織に所属するメンバーなので、監査の良し悪しがあっても、組織内でカバーすればよいです。

    ●通常業務で忙しい合間に、監査を実施しているだけでも、品質管理側としては十分感謝の思いがあります。

    緊張しますけど、内部監査を楽しんでください!

    まとめ

    内部監査の監査する側・される側の関係をわかりやすく解説しました。

    • ①役職は監査員の方が下
    • ②監査員へのサポートのコツ
    • ③非言語コミュニケーションスキルが必要

  • 外部審査の計画がわかる

    外部審査の計画がわかる

    「外部審査の計画ってどうやってやるの?」、と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    外部審査の計画がわかる
    • ①大きな更新審査時に認証機関から数年計画表を受け取る
    • ②監査実施数カ月前から計画・工程を何度も作成
    • ③監査実施日の予約や設定対応
    • ④「あとは、みんな頑張ってくれ」と監査当日応援

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    ①大きな更新審査時に認証機関から数年計画表を受け取る

    更新審査の間に組織内の全部門を一通り監査

    外部審査は2つに分けられ

    1. 更新審査(数年に1回更新のための大規模な審査)
    2. 定期審査(更新審査の間に実施する小規模な審査)

    外部審査は、抜取検査なので、一部の部門の一部の業務しか監査しません。

    そのため、大規模な更新審査と小規模な定期審査を用いて、数年かけてISO対象を監査します。

    私が所属する事業部では、更新審査は3年おきです。

    品質部門のISO審査係が引き継ぐ年に限って、更新審査になりがち

    途中、部門の新設、変更、統合があれば、審査対象

    被監査部門は、基本的には審査は嫌がります。一回やったらしばらく来ないと思っているでしょうけど、組織変更があれば、変更部分は審査対象になりますので注意ください。

    ●事業部の統廃合
    ●部門の統廃合
    ●部門、組織の新設
    などは、審査対象です。

    前年度、A部門が審査を受けて、次年度A部門がA1部門、A2部門に分けたり、A部門とB部門が統合したりすると、次年度も審査対象になります。

    被監査部門への配慮

    被監査部門は、基本的には審査は嫌がります

    審査対象になると、「当たり年」
    審査対象でないと、「外れ年」
    です。厄年みたいですけど。。。

    ISO認証で受注の恩恵があるので、審査必須はみんな分かっている。
    けど、審査はいやだ。さっさと終わって欲しいが本音。

    なので、審査部門への通知は、相手の配慮をもって伝えることが重要です。

    「すいません、今年はちょっと、審査対象になっちゃいました。」
    「来年は無いのでちょっと我慢ください」

    みないな体で、よく伝えに行っています。

    「ISOのおかげで、受注できて、品質が維持・向上できているだから、審査は当然だろ! ちゃんと準備しろよ!」と高圧な態度は絶対NGです。

    ②監査実施数カ月前から計画・工程を何度も作成

    実は、計画工程案は何度も作って調整している

    認証機関の審査員と事務局と、自組織の品質担当(事務局)で数カ月前から計画と工程を練ります。外部審査の運営を仕切ると、計画・工程業務が8割です。計画が終わったら、あとは、みんなよろしく~って気分になります。

    審査したい部門(全国点在している)と日数と審査員の数を決めます。審査費用にからんできるからです。

    審査費用は、
    ●主に自組織の人数と規模ですが、
    ●日数
    ●審査員人数
    ●移動・宿泊費
    です。

    審査員のリソースも有限なので、最少人数となります。

    日数、工程、審査員数をminになるように計画します。

    審査対象組織が、全国に点在しており、移動が必要な場合は時間と移動方法も検討が必要です。これが結構手間です。

     

    定期審査において、最初は、近場や移動しやすい事業所を選んでいきますが、だんだん移動がメインの審査年になっていきます。

    計画・工程案を実際に検討してみよう

    はっきり言って、弾丸旅行計画です。

    下図のように、審査対象が点在していますが、審査員2名、4日で計画してみましょう。

    第三者審査

    ●審査場所
    ●東京本社(品川)
    ●東北支社(仙台)
    ●北海道工場(室蘭)
    ●北陸支社(富山)
    ●奈良研究所(京田辺)
    ●鳥取工場(鳥取)
    ●熊本工場(水俣)
    としましょう。結構リアルな設定です。毎年こんな感じです。

    ●審査員
    ・監査リーダ(70歳) (建設業出身)
    ・監査員(66歳) (製造業出身)

    では、計画表を埋めてみましょう。あなたも、考えてみてください。ただし、初日は1監査員は東京本社で経営陣へのトップインタビューと最終日の午後は、両方の監査員が同席してまとめと終了会議を東京本社で実施するとします。

    1日目 審査員1 審査員2
    午前(9-12) 開始とトップ面談
    (東京本社)
    ??
    午後(13-17) ?? ??
    夕方移動 ?? ??
    2日目 審査員1 審査員2
    午前(9-12) ?? ??
    午後(13-17) ?? ??
    夕方移動 ?? ??
    3日目 審査員1 審査員2
    午前(9-12) ?? ??
    午後(13-17) ?? ??
    夕方移動 ?? ??
    4日目 審査員1 審査員2
    午前(9-12) ?? ??
    午後(13-17) まとめと終了会議
    (東京本社)
    まとめと終了会議
    (東京本社)

    計画を作るポイントは、

    1. 全審査部門へ期間内に行けるのか?旅行計画を組む
    2. 移動の際の交通手段を2つくらいおさえておく
    3. 各事業所滞在時間内に審査できる部門or審査員が希望する部門をアサインする

    旅行計画を立てましょう。また、交通手段を2つあるとベストです。当日に限って飛行機や列車が遅延や運行中止があります。どうしても交通手段が1つしかない場合は、行先の事業所の担当に事前連絡して連携を取っておきましょう。

    また、移動中の事故・怪我リスクもあります。安全第一、無理のない移動工程を組む必要があります。

    第三者審査

    全国地図を見ると、東日本、西日本に分けて審査員の工程を考えてみましょう。
    ●審査員1:東京⇒東北⇒北海道⇒東京
    ●審査員2:熊本⇒鳥取⇒奈良⇒北陸⇒東京
    としました。他のルートでもOKです。あなたなりの計画設計案でOKです。

    計画案を提示すると、

    第三者審査

    1日目 審査員1 審査員2
    午前(9-12) 開始とトップ面談
    (東京本社)
    熊本工場
    午後(13-17) 東京本社 熊本工場
    (15時終了)
    夕方移動 仙台へ移動
    (新幹線)
    鳥取へ移動
    (新幹線、JR)
    2日目 審査員1 審査員2
    午前(9-12) 東北支社 鳥取工場
    午後(13-17) 東北支社
    (15時終了)
    鳥取工場
    夕方移動 北海道へ移動
    (飛行機)
    奈良へ移動
    (JR,新幹線)
    3日目 審査員1 審査員2
    午前(9-12) 北海道工場 奈良研究所
    午後(13-17) 北海道工場 北陸へ移動
    夕方移動 東京へ移動
    (飛行機)
    4日目 審査員1 審査員2
    午前(9-12) 東京本社 北陸支社
    11時終了
    東京に移動
    午後(13-17) まとめと終了会議
    (東京本社)
    終了会議(途中から)
    東京本社

    ポイントは、

    1. 必ず現地は前日入りして移動を確実にする
    2. 移動のために15時終了とし、審査部門数を調整する
    3. 最終日午後は、審査員全員そろって評価してもらう
    4. 審査官は評価まとめする時間がないので、移動中・宿泊中にまとめる

    数日と短期間の中で、弾丸旅行して、審査して、まとめる業務なので審査官はアクティブな人でないと務まりませんね。

    コロナ禍の恩恵

    リモート審査はまじ感謝です!

    リモート化によって、旅行計画が不要になった。
    北海道から九州に切り替わるは一瞬で済む!

    コロナは大変だけど、デジタルの加速が進みました。

    もちろん、リモート化には課題があります。
    ●現場が本当に実在するか?
    ●現場の空気感が感じられない
    ●リモートQ&Aがスムーズにできない
    ●音声画像が途中で途切れる

    結論から言うと、

    リモート審査はどなたでも2回経験すれば、慣れます!
    わざわざ現地行くのが面倒という声が出て来ました。

    もちろん、コロナ禍がある程度落ち着けば、現場の対面審査と、リモート審査の混合でもOKです。

    ③監査実施日の予約や設定対応

    キーパーソンへの早めのアポイント

    審査の最初は、経営陣への審査です。経営陣(社長、事業部長)の予定をつけておきましょう。3カ月前くらいがベストです。秘書さんに依頼しましょう。

    審査直前(2週間前)くらいに経営陣への説明会を実施します。審査の概要、質問される箇所、組織の説明をしてほしい内容などをインプットします。

    被審査部門への通知の仕方

    審査は基本嫌がるので、やんわり伝えてください。
    「今年、あたってしまったんですけど、来年は無いのでよろしくお願いいたします。」とかですね。

    内部監査を外部審査の前に実施しているなら、内部監査の時に通知して、内部監査実施後に外部審査のポイントを伝えてあげてください。

    支社店など本社から遠距離にある部門ほど情報が疎になります。丁寧にインプットしましょう。遠距離にある部門長は意外と心細く、事務局からの情報を求めています。

    審査当日の対応

    ●会議室の予約、リモート環境(音声・画像の途切れがない状態にする)
    事務局のガイド役、窓口などのアサイン
    審査員の連絡先、審査員へのトイレ、喫煙所の場所
    くらいおさえておきましょう。

    審査員の飲み物や食べ物の配慮は不要で、持参する審査員がほとんどです。

    ④「あとは、みんな頑張ってくれ」と監査当日応援

    審査運営の事務局は、審査当日は意外と暇です。これだけ準備したので、あとは、みんなよろしく~状態です。

    備えあれば、憂いなしです。

    審査結果も気になるが、まずは審査完遂が目標!

    以上、外部審査の運営の裏側を解説しました。

    まとめ

    外部審査の計画をわかりやすく解説しました。

    • ①大きな更新審査時に認証機関から数年計画表を受け取る
    • ②監査実施数カ月前から計画・工程を何度も作成
    • ③監査実施日の予約や設定対応
    • ④「あとは、みんな頑張ってくれ」と監査当日応援

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