ISO9001 2015 4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定 がわかる
「ISO9001 4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定って何?」、「何をやればいいのかわからない」、と困っていませんか?
こういう疑問に答えます。
本記事のテーマ
- ①ISO9001要求事項、JISハンドブックISO9001の解説
- ②業務全範囲に品質マネジメントシステムを適用
- ③4.3「品質マネジメントシステムの適用範囲」は品質監査の流れで理解する
①ISO9001要求事項、JISハンドブックの解説
最初に、自分の言葉でわかりやすく解釈するまえに、本家の解説を紹介します。何となくわかりけど、実際に何をすればいいの?と思う程度でOKです。
ISO9001要求事項
組織は,品質マネジメントシステムの適用範囲を定めるために,その境界及び適用可能性を決定しなければならない。 この適用範囲を決定するとき,組織は,次の事項を考慮しなければならない。
a) 4.1に規定する外部及び内部の課題
b) 4.2に規定する,密接に関連する利害関係者の要求事項
c) 組織の製品及びサービス 決定した品質マネジメントシステムの適用範囲内でこの規格の要求事項が適用可能ならば,組織は,これらを全て適用しなければならない。
組織の品質マネジメントシステムの適用範囲は,文書化した情報として利用可能な状態にし,維持しなければならない。適用範囲では,対象となる製品及びサービスの種類を明確に記載し,組織が自らの品質マネジメントシステムの適用範囲への適用が不可能であることを決定したこの規格の要求事項全てについて,その正当性を示さなければならない。 適用不可能なことを決定した要求事項が,組織の製品及びサービスの適合並びに顧客満足の向上を確実にする組織の能力又は責任に影響を及ぼさない場合に限り,この規格への適合を表明してよい。
4.1 組織及びその状況の理解
4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解
4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定
4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス
の4つの中で最も、4.3が分かりにくい
4.3は4 組織の状況のまとめとして理解した方がよいです。
●4.1 組織及びその状況の理解
⇒外部の課題、内部の課題
●4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解
⇒利害関係者、ニーズと期待
●4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定
⇒4 組織の状況の章まとめ
●4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス
⇒品質マネジメントシステム(QMS)
(4.1,4.2,4.4は個々で理解しやすいテーマ)
なので、
●4.1 組織及びその状況の理解
⇒●4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解
⇒●4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス
⇒●4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定
の順番で理解したらよいでしょう。
4.1で外部の課題と内部の課題を抽出し
4.2で利害関係者との関係を確認し、
4.4で自社の品質マネジメントシステム(QMS)を構築して
4.3で自他社の良い連携を図り品質を作りこむ
という流れで読むと理解が進みます。
JISハンドブックの解説
次のように規定されています。
- JIS Q9001品質マネジメントシステム-要求事項
- JIS Q9002 品質マネジメントシステム-JIS Q 9001の適用に関する指針
それぞれを読んだ印象をまとめます。
JIS | 名称 | 単元 | 感想 |
JIS Q9001 | 品質マネジメントシステム -要求事項 |
4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定 | ISO9001 2015 4.3 と同じ内容 |
JIS Q9002 | 品質マネジメントシステム -JIS Q 9001の適用に関する指針 |
4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定 | JIS Q9001 4.3の補足 よくわからない |
ISO,JISのとおり仕事するのではなく、自分で考えて仕事すべきです。その考え方を本記事で解説します。
②業務全範囲に品質マネジメントシステムを適用
「4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定」 のポイントは、
組織は,品質マネジメントシステムの適用範囲を定めるとき、
a) 外部及び内部の課題
b) 利害関係者の要求事項(相手)
c) 組織の製品及びサービス(自分)
について、品質マネジメントシステムを適用しなければならない
と簡略すれば、こう読めます。相手と自分について品質マネジメントシステムを適用なので、結局
●適用できない場合はちゃんと説明してね!
となります。適用できない場合はあまりないとすると、全範囲に品質マネジメントシステムを適用しないといけません。逃げられません!
では、4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定した後、どのように業務を進めていけばよいか?普段何に意識すればよいか?を解説します。
組織は,品質マネジメントシステムの適用範囲を定めるとき、
a) 外部及び内部の課題
b) 利害関係者の要求事項(相手)
c) 組織の製品及びサービス(自分)
について、全領域に品質マネジメントシステムを適用しなければならない
⇒何をすればいいの?どうやって理解したらいいの? を解説します。
③4.3「品質マネジメントシステムの適用範囲」は品質監査の流れで理解する
ISO9001 2015の理解を助けてくれるのは、意外にも対応したくない監査質疑です。2時間くらいねちねち監査員が、チェックする監査ですから、嫌ですよね。しかも、監査を受けるのは、対象部門の部課長とそれと同等のクラスの管理職が多いでしょう。そうなると、ほとんどの一般職の人は、理解できないとなります。
品質監査の流れ
品質監査の目的
監査の目的は、単に部門の荒さがしをするのではなく、良い仕事、良い結果につながるには、何を改善したらよいかを見つけるためです。 良い仕事をしてもらい、良い結果・収益につながり、皆が喜んでもらうために監査します。
監査の目的は次の3つです。
- 経営・品質課題を抽出し、抽出した各課題を深堀して質疑する。
- 掘り下げた質疑と経営・品質課題とのつながりを大事にする
- 品質マネジメントシステムのどこをどう改善すれば、品質・経営が良くなるか
品質監査の流れ
最初の、
「経営・品質課題を抽出し、抽出した各課題を深堀」
をするために、4.3「品質マネジメントシステムの適用範囲」を監査の最初に確認していきます。
監査の質疑の流れを見ると、4.3「品質マネジメントシステムの適用範囲」が分かりやすく理解できます。
- 経営・品質課題を見るために、自社を取り巻く環境を確認したい
- 自社を取り巻く環境(外部・内部環境)から影響を受けた課題を見つけたい
- 外部・内部環境を明確にするために、自社と関わる相手(利害関係者)を知りたい
- 自社の品質・経営状況を見たいため、自社の品質を作りこむ仕組みを確認したい
- 品質マネジメントシステムの中の個々を調べて、品質・経営に影響を与える要因を見つけたい
この流れで監査していきます。監査の最初の流れを見ると
4.1で外部の課題と内部の課題を抽出し
4.2で利害関係者との関係を確認し、
4.4で自社の品質マネジメントシステム(QMS)を構築して
4.3で自他社の良い連携を図り品質を作りこむ
と同じ流れですね。
を単独で読んでも理解しにくいため、
4 組織の状況
と監査の流れをつけて、まとめて理解するとよいですね。
③4.3「品質マネジメントシステムの適用範囲」で何をすればよいか?
特別することはありませんが、「4 組織の状況」全体と合わせて
自分の環境における課題が何かを説明できるように普段から考えておいてください。
品質マネジメントシステムの適用範囲の決定について十分、理解できましたね!
まとめ
ISO9001 2015 4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定をわかりやすく解説しました。
- ①ISO9001要求事項、JISハンドブックISO9001の解説
- ②業務全範囲に品質マネジメントシステムを適用
- ③4.3「品質マネジメントシステムの適用範囲」は品質監査の流れで理解する
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