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  • 品質監査で高評価がもらえるコツがわかる

    品質監査で高評価がもらえるコツがわかる

    「品質監査で良い評価を獲得する方法がわからない」、「品質監査で評価の加減方法がわからない」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    品質監査で高評価がもらえるコツがわかる

    第一者監査(内部監査)、第二者監査(取引先監査)、第三者監査(外部審査)共通のテーマです。

    まず、評価基準を理解する。
    次に、良い評価につながるコツを理解する。
    • ①監査の評価基準
    • ②監査の評価加減基準
    • ③良い評価につながるコツ

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    ①監査の評価基準

    良い活動を継続して、良い監査評価をもらうためには、監査の評価基準を知る必要があります。ただし、監査の評価基準のために業務するわけではない点に注意しましょう。

    監査の評価基準は主に2つありますが、ほとんどISO9001の要求事項内におさまるでしょう。

    1. ISO9001の評価基準
    2. 自組織の評価基準

    ISO9001の評価基準

    ISOの要求事項は3つあります。

    1. 適合性(ISO9000 3.6.11)
    2. 有効性(ISO9000 3.7.11)
    3. 妥当性(ISO9000 3.8.13)
    適合性、有効性、妥当性、
    難しいなあ、どうやって評価すればいいのんだろうか?

    わかりやすく解説すると、

    ●適合性:(i)規格や法令などの要求事項や(ii)顧客要求事項 どおり業務しているかどうか。
    ●有効性:マネジメントシステムが組織の役に立っているかどうか。各自勝手な進め方をしていないかどうか。
    ●妥当性:要求事項を満たしているかどうかを客観的証拠から見て確認する。

    なので、監査では
    ●業務の一連の流れを診る(適合性をチェック)
    ●被監査側のメンバーのやり取りを見て、有効に組織が機能しているかを見る(有効性)
    ●ちゃんと結果が出ているかを確認(妥当性)
    を診ていきます。

    自組織の評価基準

    ISOの「適合性、有効性、妥当性」以外にチェックする基準が、もしあればそれも自主的に監査しましょう。

    ②監査の評価加減基準

    ●良い活動なら加点、
    ●改善が必要なら減点、
    ●特に問題なければ現状どおり0点
    と評価しますが、どうやって加減したらよいのでしょうか?

    加減基準は自分で決めてよい

    加減基準は自分で決めてよい

    ISOでは監査基準の加減の方針は書いていません。ISOに書いていないことは、自分たちで決めてよいのです。だから、難しいですね。

    監査評価基準は、減点基準から考えるとわかりやすいので、解説します。

    減点基準から考える

    最初に、減点基準から考えるとわかりやすいです。減点基準の逆が加点基準になりますね。

    ●減点基準とする場合は、以下の場合です。

    1. 監査質疑や、提示文書にヌケモレがある
    2. 要求事項をやっていない
    3. 監査回答に矛盾がある
    4. 被監査側の活動と組織の戦略が整合していない

    ヌケモレ、矛盾、不整合があれば減点しましょう。これらは、客観的なので、他人が監査しても同じように減点するでしょう。

    なぜなら、組織のマネジメントシステムが相手の要求レベルに届いていないからです。

    組織の成功の必要最低条件とは、相手の要求レベルを満たすこと

    これができていないなら、減点対象としてよいです。

    ヌケモレ、矛盾、不整合があると、今後、どんなリスクが発生しうるか想像できますよね。

    加点基準を考える

    ●組織の成功の必要最低条件とは、相手の要求レベルを満たすこと としました。これが不足すると減点とします。では、加点はその逆をしましょう。

    ●加点に明確な基準はありません。難しいですが、各自決めればよいです。次のように基準を定義したらよいでしょう。

    ●「相手の要求レベル」=「マネジメントシステム」 0点(問題なし)
    ●「相手の要求レベル」 &gt「マネジメントシステム」 減点
    ●「相手の要求レベル」 &lt 「マネジメントシステム」 加点

    つまり、「マネジメントシステム」での活動が「相手の要求レベル」以上のものであれば、「Good!」として加点すればよいです。各部門、汗水かいてがんばっているので、絶対加点できる活動結果があります。監査員は加点対象を見つける努力をしましょう。

    加点評価の事例

    加点対象をどうやって見つけたらいいの?

    解説します。例えば、QCDの観点から加点対象を探しましょう。
    ●Q(品質)⇒顧客要求品質よりさらに低不良率化する工夫とか
    ●C(コスト)⇒相手の要求以上の提案力で売上アップの工夫とか
    ●D(納期)⇒生産効率向上による業務スピードアップの工夫とか

    QCDPESMの観点でそれぞれ工夫している活動があるはずなので、顧客要求以上のものを実現した例を見つけると加点しやすいです。
    ●Q(品質)
    ●C(コスト)
    ●D(納期)
    ●P(生産性)
    ●E(環境)
    ●S(安全)
    ●M(士気)
    それぞれの観点で良い活動結果を探そう!

    ③良い評価につながるコツ

    監査側の話をしてきましたが、今度は、監査される側が加点につながるコツを解説します。

    一発逆転で簡単に加点されるわけではなく、日々の積み重ねしか加点につながりません。以下の3点が加点につながるコツです。

    1. 業務の基本をマスター
    2. 相手の要求レベルを超える施策を考える習慣
    3. 周囲の環境変化をチャンスに変える力

    業務の基本をマスター

    何事も、基本をマスターすることです。
    ●迅速かつ、ヌケモレのない報連相
    ●顧客の要求事項、規格・法令の確認
    ●受注案件独自に注意すべきこと
    ●組織内に業務引継ぎする際の注意事項
    ●スケジュール管理
    ●リスク管理
    ●文書記録の維持・保持

    これを常に網羅しておけば、監査減点対象になりません。でも、これが一番難しいですね。

    ●基本をマスターできる本人の能力
    ●正しい仕事を教える先輩や教育制度
    ●正しい仕事をさせる組織風土

    が、無いと業務の基本がマスターできず、半人前のまま年を取っていくことになり、いつまでも監査で減点されることになります。最初が最も大事!

    相手の要求レベルを超える施策を考える習慣

    業務の基本をマスターできれば、次は、「相手は何を求めているのか?」だけ見ておけばOKとなります。

    業務経験が積み重ねていくと、全体を俯瞰できるようになります。

    1. 「相手は何を求めているのか?」
    2. 「相手の要求事項より、もっと提案すべきことがないか?」
    3. 「相手は要求そのものがどうあるべきか?」

    このあたりまで、できるようになると、提案力が増し、顧客満足向上につながります。もちろん監査の加点対象につながります。

    高評価をいつももらう先輩がたくさんいると、後輩もそれを真似するので良い循環が組織に流れることになります。一方、その逆もあるので注意です。

    周囲の環境変化をチャンスに変える力

    業務に慣れると、あまり新しいことをしたくないのが人間です。

    ●苦労して手に入れた自分の勝ち方はいつまでも保持したい
    ●業務の最適化、新技術の適用は自分によって脅威
    ●若くないから、新しいことをしたくない

    よくわかりますが、日ごろから業務の最適化、新技術の適用は挑戦しましょう。

    ●業務のデジタル化によって、コロナ禍でもスムーズに業務対応できた
    ●業務効率化によって、顧客満足を考える時間や施策が増えた

    などのメリットがたくさんありますし、監査の加点にもつながります。

    成長、挑戦が人を成長させ、
    コロナ禍などのリスクに対して、しなやかに対応でき、
    監査加点につながる

    成長なくして、加点なしです!

    まとめ

    品質監査で高評価がもらえるコツをわかりやすく解説しました。

    • ①監査の評価基準
    • ②監査の評価加減基準
    • ③良い評価につながるコツ

  • 品質監査の評価を活かす方法がわかる

    品質監査の評価を活かす方法がわかる

    「品質監査の評価の書き方のポイントがわからない」、「被監査側に評価結果をどうやってフィードバックさせたらよいかがわからない」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    品質監査の評価を活かす方法がわかる

    第一者監査(内部監査)、第二者監査(取引先監査)、第三者監査(外部審査)共通のテーマです。

    • ①監査員が書く評価のコツ
    • ②被監査側に改善を促すコツ
    • ③事務局が評価を活かすコツ

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    ①監査員が書く評価のコツ

    監査側は「結果のwhat」だけ書く

    意外と教えてくれないコツです。

    監査側は「結果のwhat」だけ書く

    良い評価なら、結果だけ書くのは理解しやすいです。例えば、「○○の活動が良く、高く評価できる」とか書きましょう。

    一方、改善が必要な評価の場合は、親心なのか、結果と対策まで丁寧に書こうとしがちです。結果だけ書きましょう。

    ●報告書を見ると、淡々書いているので、冷たい感じがしますが、これが監査員が書く評価のコツなのです。

    評価の書き方の良い例、悪い例

    評価の書き方の悪い例

    紙で保管する文書の管理に不備があります。なので、文書を電子化してサーバ管理してアクセスしやすくするよう改善してください。

    丁寧でわかりやすいですが、「なので、文書を電子化してサーバ管理してアクセスしやすくするよう改善してください。」は対策例なので、書かないでください。

    評価の書き方の良い例

    紙で保管する文書の管理に不備があります。

    これで十分です。

    なぜ、この淡々とした報告内容の方が、良いのかをこれから解説します。

    ②被監査側に改善を促すコツ

    評価に書いていない「対策のhow」は被監査部門が考える

    自ら考えた方が良い理由を挙げます。

    1. 自分で考えて改善施策を講じるから
    2. 監査員が考える改善方法以外の方法も考えるから
    3. 改善すること以上に、改善のプロセスが重要だから

    自分で考えて改善施策を講じるから

    先ほどの例を見ましょう。

    紙で保管する文書の管理に不備があります。なので、文書を電子化してサーバ管理してアクセスしやすくするよう改善してください。

    だと、電子化して、サーバにファイルを置けばOKとなります。確かに、紙の文書保管が煩雑な課題は解決しますが、監査を受けた部門にとって、何が改善されたのかがわかりません。単に、監査員の指示に従っただけです。

    自分で考えて行動しないと、その意味を理解しないままになり、結局、改善前の元の悪い状態に戻ります。

    紙で保管する文書の管理に不備があります。

    となると、どんな不備があるのか?なぜ不備なのか?不備をどう改善すればよいか?を考え始めます。

    相手に考えさせるきっかけを作るのが、改善の第一歩なのです。

    頭を使って改善する・しないの差で組織の改善効果は全く違います。

    監査員が考える改善方法以外の方法も考えるから

    ●対策まで書かれると、その通りやって終わりです。

    ●しかし、対策は自分で考えさせると、
    ★どんな不備があるのか?⇒紙の枚数が多い問題? ファイリングが問題? 文書種類が多い?
    ★なぜ不備なのか?⇒ファイル保管方法が甘い? 上司のチェックが甘い?
    ★不備をどう改善すればよいか?⇒電子化の前に文書種類の整理、文書の中身の整理、文書チェック方法の整理、誰と改善すればよいか?

    などと、単に監査員が指摘した電子化以外の施策も考えようとしていますね。

    また、改善策を見て、評価したくなるポイントは、

    1. 自部門と自分たちと関わるメンバーでできる改善策を考えてくれる
    2. 主要メンバーで集まって一定時間協議して共有できている
    3. 自分たちで考えた施策結果をしっかりまとめてくる

    改善する方は、面倒くさいですが、1人でやらずにメンバーと一緒にやるのが効果的ですね。

    改善すること以上に、改善のプロセスが重要だから

    ISO9001を含め、品質管理は、結果以上にプロセスが重要です。
    改善を挑戦して、
    ●うまく効果が出ても
    ●うまく効果が出なくても
    どちらでもかまいません。

    挑戦したプロセスの結果に「なぜそうなったのか?」を考えるのが品質管理だから
    結果の良し悪しは重要ではない

    改善は仕組で改善する

    改善の取組を解説しましたが、改善は仕組で改善することも大事です

    例えば、チェック漏れがあり、改善するよう指示を受けたとしましょう。改善例の良い例と悪い例を挙げます。なぜ良いのか?、悪いのか?説明できますか?

    ●悪い改善例: チェックをしっかりやる。チェックを2人体制とする。
    ●良い改善例:チェック漏れがあるとその文書ファイルは保存できなくする

    上の悪い例では、チェックが漏れる確率が下がるが、0にはならない。つまり、チェック漏れが再発します。再発は改善したとは言えませんよね。

    一方、良い例は、チェック漏れがあるとその文書ファイルは保存できない仕組みなので、チェックが無いとファイルが完成しません。

    仕組を入れることで確実に作業させるか、
    別の仕組みにして、作業自体不要とするか、
    どちらかです。

    実務経験上、よく先輩がやるイケてない改善例を紹介します。それは、

    組織内のルール・規定に追加する

    ルール・規定に書くのは大事ですが、普段誰も見ないものなので、気が付きません。やはり実務で使うものに直接改善の仕組みや仕掛けを入れた方が良いです。

    ③事務局が評価を活かすコツ

    事務局は「結果のwhat」を「対策のhow」に考える手助けをする

    これをやる理由を挙げます。意外と事務局の補佐が必要です。

    1. 監査員の文章が理解できない
    2. 改善指摘内容がいろいろ解釈できて、方向性を示さないと動けない
    3. 改善の指摘内容が正しく相手に伝わらない場合がある
    監査員の文章が理解できない

    特に外部審査で起こります。認証機関の審査員の報告書がこれに該当します。難しく・抽象的に・あいまいに書くし、審査員は自組織を知らないので、言葉の使い方や意味が自組織には理解しにくい文章が多々あります。

    同じ日本語でも、被監査側や理解できる内容に表現を書き換えてあげる必要があります。

    改善指摘内容がいろいろ解釈できて、方向性を示さないと動けない

    抽象的に・あいまいに書くと、いろいろ解釈ができてしまいます。その被監査側にとって、ふさわしい改善策となるように解説してあげてください。

    例えば、「力量が不十分」と書かれたとします。確かに、「結果のwhat」としては悪くありませんが、これをもらった側は「どうすればよいか?」と困ります。事務局は、被監査側を観察して、力量の何が不十分かくらいは提示してあげた方がよいでしょう。

    対策がとりやすいよう、手を差し伸べてあげる必要があります。

    改善の指摘内容が正しく相手に伝わらない場合がある

    内部監査も外部審査も、監査員はみんな文章が下手です。技術屋は文章が苦手な人が多いです。
    品質が堅苦しいイメージがあるからでしょうけど、難しく書こうとしがちです。シンプルに伝わる文書でOKです。

    監査して、ヌケモレがある箇所、不十分な箇所を直接書くのがよいでしょう。
    例:受領印の日付と責任者が妥当ではない文書がありました。
    例:目的、インプット、アウトプットが不十分な会議をしている議事録がいくつかありました。

    受領印の日付と責任者が妥当ではない⇒責任と権限、組織体制の見直しや、日々の業務のコミュニケーションが疎になる可能性があるので、改善してもらいましょう。

    目的、インプット、アウトプットが不十分な会議⇒会議議事録のフォーマットの見直しや、開催者の力量向上が必要となるので、改善してもらいましょう。

    監査して、気づいた点を直接書くとよいですね。

    被監査側とのつながりを強化

    改善期間では、被監査側の品質担当の人(課長職が多い)からの問い合わせがあります。品質担当とライン部門との連携を強めるチャンスです。

    解説するポイントは、

    1. 難解なISO用語ではなく、わかりやすい用語で解説
    2. その部門がよく使う用語を使って解説
    3. 傾聴に徹し、自論を押し付けない

    ISO用語はNGです。「力量」とか、「継続的改善」とか使わないでください。相手が思考停止になります。
    ・「力量」⇒「担当者ができる仕事」
    ・「継続的改善」⇒「ちょっとずつ改善」
    などに言い換えましょう。

    相手がよく使う言葉を使うポイントは、その職場に行くか、多くから耳で会話のやりとりを聞いておくのがよいですね。人間関係やコミュニケーション、性格とかが分かっていると、連携やすいです。

    傾聴に徹しましょう。相手が改善するためなので、改善を促せばよいです。自論や正解がわかっていても、その部門が出す解を優先します。

    よい活動なら横展開

    全部門から改善施策とその結果が集まってきます。良い事例は横展開しましょう。また、悪い事例でも他部門に起こり得るものも情報共有しましょう。

    わかりやすい言葉で伝えることが重要です。

    品質監査の評価を活かす方法は、
    相手に考えさせること
    相手が作った解を実現するようサポートすること

    まとめ

    品質監査の評価を活かす方法をわかりやすく解説しました。

    • ①監査員が書く評価のコツ
    • ②被監査側に改善を促すコツ
    • ③事務局が評価を活かすコツ

  • 内部監査に必要なマインドがわかる

    内部監査に必要なマインドがわかる

    「内部監査では、よくケンカになったり、悪い空気になってしまう」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    内部監査に必要なマインドがわかる
    • ①監査は相手の荒さがしではない
    • ②監査員の意見をおしつけるものではない
    • ③監査評価は自発的に改善するよう配慮する
    感謝から入りましょう!
    監査する側、される側の心が開いていないと
    よい監査につながりません。
    監査の評価までは、感情は不要
    評価の伝え方は、相手を配慮した感情が必要

    監査リーダーの質疑スキルアップ対策として参考ください。

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    監査は相手の荒さがしではない

    監査とは何をISO19011で確認すると、

    「要求事項」と「実際の結果」を「比較するだけ」

    なんです。でも、身内の内部監査なので、

    「要求事項」と「実際の結果」を「比較して」
    ズレの要因を深く分析する

    まで、やりましょう。

    実務経験上、以下の3点に注意しましょう。結果より大事なことがあります。

    1. 結果の良し悪しで評価しないこと
    2. 良い結果も悪い結果も区別せず深掘る
    3. 結果より要因が大事

    結果の良し悪しで評価しないこと

    ●要求事項より高い結果なら、「高評価」
    ●要求事項より高い結果なら、「低評価」
    ではありません。ここが、感情移入するところでもあるので、結果だけで判断してはいけません。

    「要求事項」と「実際の結果」を「比較して」
    ズレの要因を深く分析する

    良い結果も悪い結果も区別せず深掘る

    結果は目標と比べて
    ●未達
    ●100%達成
    ●100%以上達成
    の3通りがあります。それぞれ「なぜそうなったか?」を監査質疑しながら、その要因に迫っていきましょう。

    未達の場合

    ●目標が厳しいものだったか?
    ●結果が例年どおり出せなかった原因は何か?
    ●次年度の目標と施策はどうするのか?
    を質疑しましょう。

    厳しい目標だったのか、結果が出せなかったのかを確認して、それがなぜなのかを質疑して真因に近づきましょう。監査評価はまだしてはいけません。

    100%達成の場合

    ●100%達成であるが、本当にそれでよいのか?
    ●100%達成でも、何か工夫や苦労した点はないのか?
    ●次年度の目標と施策はどうするのか?
    を質疑しましょう。

    「特に問題ないですね」で片づけずに、100%達成したポイントを聞き出しましょう。例えば、同じ目標でも担当者が1人減ってしまったが、ITスキルアップとIT導入でカバーしたとなれば、力量と資産で高評価につながりますね。

    100%以上達成の場合

    ●目標が易しいものだったか?
    ●結果が例年どおり出せた原因は何か?
    ●次年度の目標と施策はどうするのか?
    を質疑しましょう。

    高評価したくなる気持ちはわかりますが、その前に前年度の活動から何を工夫したか?変更したか?その結果、高評価につながったポイントは何か?を質疑しましょう。

    結果より要因が大事

    顕在している結果より
    潜在する要因を見つけましょう。

    要因を見つけて、それが苦労・工夫して実績につながれば高評価で、いまいちから改善の機会として低評価にしましょう。

    ●結果の分析
    ●分析から、環境条件の変化や内部リソースの変化を見つけ、
    ●被監査側が苦労・工夫した点を見つけ、
    ●それが組織で実行できた・できなかった理由まで掘り下げる

    いくつか結果から要因を深堀すると、被監査側の課題が見えてきます。
    ●人的リソースの過不足
    ●技術継承
    ●力量度合い
    ●資源(施設、設備、IT環境、労働環境)
    などですね。この挙げた4つの要因まで深堀りして、被監査側の課題を抽出しましょう。

    監査員の意見をおしつけるものではない

    はっきり言って、

    監査に感情は不要です。
    評価、指摘するので感情的になりやすいですが、
    顕在した結果より、潜在する要因をみるのが監査です。
    冷静になって、深堀り分析しましょう。

    普段の不平不満を質疑・評価に入れないこと

    監査される側の人間関係や、その部門の業績が普段からわかるので、監査する側はその組織に何十年もいると、何となく不平不満を持ちます。

    監査に感情は不要です。
    その部門の課題を冷静に客観的な分析で見ましょう。

    なので、目に見える結果で判断せず、良い結果も悪い結果も、同じ「なぜ?」を聞きましょう。どちらの結果にしても、分析すれば、
    ●苦労・工夫して見つけた良い活動や
    ●もうちょっと改善しれば、もっと良くなる活動も
    見つかります。

    なので、
    ●結果が目標未達でも、よい活動なら高評価を上げてもOK
    ●結果が目標以上達成しても、改善が必要な活動なら評価を下げてOK
    被監査側が抱える潜在的な課題を見つけてから評価しましょう。

    監査に感情は不要です。

    べき論で改善策を押し付けない

    ある程度、監査質疑に慣れて、ISOが自分の言葉で説明できると、

    組織の品質活動やこうあるべきだ!

    と、勝手な自分のべき論ができてしまいます(自己フォローをこめて)。

    でも、

    理想と現実は違う
    厄介な現実の条件で監査評価しましょう。

    相手に合わない改善策は改善につながるどころか、逆効果にもなります。相手をよく観察して課題を見つけた上で、相手に合う改善策を提示しましょう。

    理想どおりできない現状で最善策を考える

    例えば、
    ●人的リソースが減っているのが課題とわかった
    ●作業効率化のためにITスキル向上が必須とすべき!
    ●だから、力量を低評価にしてITスキル向上せよ!と改善の機会を与えたい!
    は、NGです。

    その部門の人がITスキルは低く、興味もない場合、ITスキル教育させても効果は出ませんよね。ITを使わなくても、現行のフローで作業効率化できる案を提示した方が、相手は動きやすいです。

    人的リソースが減っており、作業効率化が必須。
    ITに興味がないため、ITツール導入ではなく
    ・会議録は数行のシンプルなものにする
    ・資料はフォーマット化してチェック・修正回数を減らす
    などの作業効率化するように指摘する

    昭和な匂いがする改善策ですが、ITツール導入より、その部門の人が簡単に改善できる策を提示した方が、改善効果は確実ですよね。

    改善策が監査員のべき論に固執すると、相手にとってよい提案ではないことが多いです。

    相手にあった、改善策を見つける上でも
    潜在する課題を監査中に見つける事は重要

    例えば、質疑の中で、
    「50代後半が多く、パソコンが苦手な人が多い」などの組織内の課題や愚痴がポロっと監査質疑内に出て来ます。その言葉が、相手の現状を表現しています。ここから、改善策を判断するとよいでしょう。

    被監査側の現状は、理想からかけ離れたものが多いが、
    その現状に合わせた改善策を監査質疑から見つける

    ③監査評価は自発的に改善するよう配慮する

    「ダメだから改善せよ!」
    より
    「こうやったらもっと良くなりますよ!」
    の方が、受けても改善しようとなりますよね!

    「改善しないといけない」より「改善したい!」につながる指摘の仕方が重要です。ここは、相手を思いやる感情が必要です。

    やらされ感では改善につながらない

    相手が納得したかを確認しましょう。納得しないと、やらされ感が出るし、言ったことしか改善してきません。それでは、指摘した効果がでませんね。

    評価の伝え方、そう評価した理由を監査リーダはしっかり説明しましょう。
    受けての感情によって、改善の質が大きく変わってきます。

    過度な要求は逆効果

    改善してほしいことが、何個もある場合があります。伝えるのはOKですが、ちょっとずつ改善した方が長続きし、元の状態に戻りません。これを「継続的改善(ISO9001)」といいます。

    たくさん改善点があっても、相手ができる、取り掛かりやすいものから改善の指摘をしましょう。

    できない要求を与えるより、
    できるところからちょっとずつ改善していけば
    被監査側も納得できるし、自発的な改善活動につながります。
    本来、改善は、「させる」ではなく
    「自ら」進むものです。

    他部門の良い点・改善点を伝える

    監査リーダが評価して伝える際に、自分の意見が相手に伝えにくい、伝わりにくいと感じたら、
    他部門の良い点・改善点を持ってくると、相手は納得してくれます。

    「他部門はここをこう工夫していたので高評価だったんです」
    「他部門はここをこう改善したら、結果がよくなったんです」
    などです。何回も内部監査経験があれば、その蓄積が有効になります。

    相手も、監査員の押し付けではなく、他部門の事例なら、受け入れやすいですね。

    監査の評価までは、感情は不要
    評価の伝え方は、相手を配慮した感情が必要

    監査って難しいですね。

    まとめ

    内部監査に必要なマインドがわかる方法をわかりやすく解説しました。

    • ①監査は相手の荒さがしではない
    • ②監査員の意見をおしつけるものではない
    • ③監査評価は自発的に改善するよう配慮する

  • 内部監査の緊張をほぐす方法がわかる

    内部監査の緊張をほぐす方法がわかる

    「内部監査は緊張して嫌なんだよなあ」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    内部監査の緊張をほぐす方法がわかる
    • ①内部監査は緊張する
    • ②緊張をほぐす方法
    • ③事務局の補佐で緊張はほぐれる

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    ①内部監査は緊張する

    監査される側は当然緊張する

    当然ですよね。評価されるし、何を指摘されるかわからないし、変なことは言いたくないですから

    平静を装っていたり、鈍感で緊張していない雰囲気があったとしても、内心は不安や緊張があります。

    部課長クラスの人と百戦錬磨の経験があっても、監査は緊張するのが当然です。

    監査する方はもっと緊張する

    意外とケアされないのですが、監査質疑する方はもっと緊張します。いろいろ緊張する理由があります。

    1. 平の自分が役職者を監査するのはしんどい
    2. 役職が低い監査リーダでも、監査をリードしていくのはしんどい
    3. 失礼があったらどうしよう。でもある程度はつっこんだ質疑しないといけないし
    4. 悪い評価つけて、相手が怒ったらどうしようとか
    5. 変な質疑して、相手が困ったらどうしようかとか
    6. 監査中、変な空気が流れて雰囲気が悪くなったらどうしようとか
    7. 監査質疑の正解がないし
    8. 監査のベテランや先生がいるわけではないし
    9. 監査なんてできて当たり前と思われているし

    こんな緊張する思いで、監査質疑しないといけないので、監査質疑をやりたい人はほとんどいません

    緊張する嫌な仕事であると、言わない方が、知らぬが仏で監査質疑を引き受けてくれるかもしれません。

    監査される方より監査する方がもっと緊張していますよ。

    見習い監査員だけは緊張しない

    記録係の見習い監査員だけは、雑用係として、緊張なく、淡々とできるでしょうね。

    いずれ、監査リーダとして質疑する側になってもらうので、緊張感だけは感じてほしいです。

    内部監査はみんな緊張します。

    ②緊張をほぐす方法

    実務経験上、緊張をほぐす方法を3点挙げます。

    1. 監査側は開始直前に監査場所に入る
    2. 監査中は監査される側に主導権を渡す
    3. 監査のベテランを入れる

    監査側は開始直前に監査場所に入る

    開始直前30分前から、入って監査の準備や文書を並べて、監査する気まんまんな監査員がたまにいます。監査される側にとって、威圧でしかありません。

    監査は監査される側の考えや答えを聞くのがメインなので、監査される側が答えやすい環境を先に作ってもらう方がよいでしょう。

    「会議室を監査側が予約したので、先に準備しておきました!」とか、
    「相手が目上なので、先に準備しました!」
    の配慮は逆効果です。

    開始5分前で十分です。
    「○○です。今日はよろしくお願いします。」
    の挨拶で十分です。

    監査される側が、相当気合をいれて監査室を準備するときがあります。
    ・15人くらい同席して、
    ・関連文書ファイルが50くらい机上に並べるとか、
    ・逆に、監査側は2名しかいないとか

    監査される側から威圧されてしまいますが、監査質疑の主導権は監査側にあるので、落ち着いて質問しましょう。

    監査中は監査される側に主導権を渡す

    監査質疑の内容は、監査側に主導権がありますが、監査の回答にじっくり時間をかけてあげてください。監査される側の考えや思いをたくさん引き出すことが重要です。

    回答に時間がかかって焦るようだったら、
    「ゆっくりでOKです。時間の速い遅いは監査評価に関係ありません」
    と笑顔で伝えましょう。

    端的に回答できることも大事ですが。そうでなく、回答に時間を要したり、監査される側どうしで討議して答えを出すこともあります。

    回答に時間がかかるときに、その部門がどのように意思決定するかの様子を観察しましょう。メンバーが調整して協議する点は、有効性があるかどうかを評価するチャンスになります

    時間がかかってもいいから、慌てずに待つ
    監査時間は限られているが、時間がかかる場合は全部監査しなくてもいい。
    その部門の意思決定フローをじっくり観察して評価しましょう。

    監査のベテランを入れる

    監査のベテランとは、
    ・10回以上経験
    ・品質管理5年以上経験
    ・品質管理の顔として知られている
    ・各部門長の年齢と同等かそれ以上
    の人を言います。

    監査経験が少ない場合や、クセのある人がいる部門の場合などは、ベテランを補佐員として監査に同席してもらいましょう。

    監査が緊迫したり、中断しそうになったら、ベテランに頼んで立て直してもらいましょう。

    ●質問の意図をベテランが分かりやすく解説したり、
    ●回答が十分に監査側に伝わらないときは補足説明してもらったり、
    ●どこの何を見れば答えがあるかを伝えたり
    ベテランの存在は偉大です。

    ③事務局の補佐で緊張はほぐれる

    何事も、成功の秘訣は準備にあります。監査を取りまとめる事務局の計画や補佐がしっかりできているとみんなの緊張をほぐすことができます。

    監査はみんな緊張することを最初に伝える

    これは、本当言いたくないんです。監査員を拒否されやすくなるから。でも、本当のことははっきり伝えましょう。監査質疑するリーダは、緊張するというとかっこ悪いので、緊張するといい人は少ないです。

    でも、「緊張するよ」と事前に伝えれば、当日少しは緊張がほぐれるでしょう。

    監査経験が少ない場合はベテランに補佐依頼する

    先ほど解説したとおりです。

    でも、ベテランに頼りたい反面、ベテラン本人は、監査の理想像を追究しがちです。監査のダメ出しとするリスクもあります。

    経験豊富だからいいわけではなく、監査を見守れるベテランを補佐側に回るように依頼しましょう。

    経験豊富は頑固でもあります。

    監査前に必要に応じて指導もあり

    監査質疑方法を指導することもありますが、監査員教育でカバーできます。
    教育では伝えにくいところを監査員本人に直接伝える場合です。

    ●「担当する部門の○○さんがちょっと厄介だから気を付けて」
    ●「担当する部門長は喜怒哀楽があるからダイレクトな質問は避けて」
    ●「前回、○○部門は内部監査で揉めた」

    などの、小耳にはさむ情報ですね。これも事前に必要な人だけに伝えておくと、緊張がほぐれます。

    内部監査の結果の質は
    単に論理的な質疑回答だけではなく、
    監査しやすい雰囲気を作れることも影響します。

    適度な緊張感で良好な空気で監査の質疑応答することが大事です。見えない緊張をほぐして、良い緊張感で内部監査をのぞみましょう。

    まとめ

    内部監査の緊張をほぐす方法をわかりやすく解説しました。

    • ①内部監査は緊張する
    • ②緊張をほぐす方法
    • ③事務局の補佐で緊張はほぐれる

  • 内部監査の質疑ができる

    内部監査の質疑ができる

    「内部監査の質疑がうまくできない!」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    内部監査の質疑ができる
    • ①監査全体の流れを理解する
    • ②管理文書のチェック方法
    • ③口頭質疑のポイント
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    監査全体の流れを理解する

    組織の成功へ導くために監査をやる

    相手の荒さがしではありません。組織の成功へ導くための監査であり、質疑が肝です。関連記事に組織の成功に導くための監査をやれば、ISO9001の要求事項につながることを解説しています。

    【簡単】品質監査ができるようになる
    品質管理の内部監査にて、簡単に監査質疑ができる方法を解説します。ISO9001に頼らず、自分で考えた質疑をした方が組織のためであると実務経験からわかっています。ISO関係者、品質監査している人や品質管理担当は必見です。

    組織の成功を収益とすると、

    ●売上向上⇒顧客満足向上
    ●業務停止リスク回避⇒安全、環境、法令遵守、コンプライアンス
    ●コストカット⇒資源の効率化、人的リソース、品質コスト低減

    売上向上し、業務停止リスクを回避しつつ、コスト低減する組織になるように、監査して継続的に改善していけば、組織の成功(収益向上)につながります!

    具体的な流れ

    組織成功につながるための監査の具体的な流れを解説します。

    1. 組織の成功の定義と成功への戦略を確認する
    2. 組織の成功につながる品質目標の計画・実績・評価を監査する
    3. 品質目標を達成するために必要な組織のリソース(人・モノ)を監査する
    4. 組織活動に必要な、ルールや文書管理を監査する
    5. トラブル発生時も適切な対処ができるかを監査する

    つまり、第1に品質目標で活動を評価し、
    品質目標達成に必要なリソースに課題はないかどうかを確認し、
    組織内が円滑に有効に機能しているかを監査すればよいのです。

    監査は流れが大事。
    文書の荒さがしより、被監査側の考えや意見を引き出そう!

    実際は、提示された文書や、口頭による回答によって、監査の流れを作っていきます。事例を挙げて解説します。

    ②管理文書のチェック方法

    チェックポイント

    実務経験上、3つポイントがあります。

    1. 活動施策が組織の戦略と整合しているか?(勝手な活動していないか?)
    2. 計画と実績のギャップ(無理な計画か?背伸びしない計画か?)
    3. 前年度の結果との比較(目標・活動の変更の有無の意図は?)

    ●計画と実績のギャップでは、差分の大小を評価するのではなく、なぜそうなったのか?を聞きます。外部・内部環境の大きな変化があったなどの理由があるはずです。その環境の変化に対して、適切な活動だったかを確認します。

    ●前年度の結果との比較も大事です。目標を上げた理由、変えない理由、下げた理由それぞれあります。その意図を確認し、妥当かどうか判断しましょう。目標を上げるだけが高評価ではありません。

    質疑から、なぜ?を問うことで
    その組織の課題が見えて来る。
    課題に対して、組織の戦略につながる活動かどうかを見ましょう。

    次、品質目標と会議録を使って、監査のつっこみ方を解説します。

    品質目標を監査する

    関連記事にもありますが、ここでも解説します。

    ISO9001 2015 6.2 品質目標及びそれを達成するための計画策定 がわかる
    ISO9001 2015 6.2 品質目標及びそれを達成するための計画策定 が説明できますか? 本記事では「品質目標の書き方」、「品質目標で監査質疑されるポイント」を実務経験をもとにわかりやすく解説します。ISO9001 に関わる方は必読です。

    品質監査では、組織全体がわかる
    品質目標の監査が最も重要

    下図のような品質目標が提示されたとします。どう評価しますか? 完璧な目標でしょうか?それともつっこみ満載な目標でしょうか?

    品質目標

    品質目標の監査ポイント

    再掲しますが、

    1. 活動施策が組織の戦略と整合しているか?(勝手な活動していないか?)
    2. 計画と実績のギャップ(無理な計画か?背伸びしない計画か?)
    3. 前年度の結果との比較(目標・活動の変更の有無の意図は?)

    下図の、赤枠のように監査で確認したいポイントがあります。いっぱいありますね。

    品質目標

    品質目標が弱いと、組織の活動の脆さが見えてきます。目標達成に必要な要素も弱点が見えるからです。

    会議録を監査する

    監査では、品質目標が重点的に監査されます。そこが終わったら個別に監査が進んでいきますが、提示された文書を見ながら、組織活動を監査します。

    下図のような会議録を提示されたとします。どう評価しますか? 完璧な会議録でしょうか?それともつっこみ満載な会議録でしょうか?

    内部監査

    文書の監査ポイント

    実務経験上、5つポイントがあります。

    1. 適切な人が出席しているのか?
    2. 会議のインプットとアウトプットは明確か?
    3. 懸案事項の有無、有るならいつまでにどう解決させるのか?
    4. 迅速に回付して展開しているか?
    5. 使っている文書は組織内で決まったものか?

    この5つが機能していないと、仕様の引継ぎにヌケモレがあったり、品質不正が見抜けない状態に陥ります

    だからといって、資料を丁寧過ぎて時間かけて何度も修正してはいけません。会議など、活動に目的をもって行動することが重要です。

    会議録を見ると
    ●適切な人が出席しているのか?⇒出席者は大丈夫そうです。設計リーダのような責任者やキーパーソンがいるからです。
    ●会議のインプットとアウトプットは明確か?⇒不明確です。インプット資料、アウトプット資料名称があれば、どんな会議をしたかがわかるはず。
    ●懸案事項の有無、有るならいつまでにどう解決させるのか?⇒懸案事項は有りますが、5W1Hが不明確。
    ●迅速に回付して展開しているか?⇒会議後1週間経って調査承認。遅い。宛先もない。誰に伝えるの?
    ●使っている文書は組織内で決まったものか?⇒文書番号が無いので、勝手に作った文書とされ、有効ではない

    見た目良さそうな会議録ですが、監査するとダメダメです。

    文書はシンプルでいい。だけど
    ●目的(誰に何をさせるのか?)
    ●手段(何をインプットして何を討議して、何がわかったのか?)
    が一瞬でわかるものがベスト

    監査後、改善した会議録が下図のようになりました。改善箇所は朱書きで書いています。これからOK

    内部監査

    監査は荒さがしではない
    監査指摘で改善しなかったら、どんなリスクが組織に襲ってくるかを想定する。
    事前にリスク回避できたら万々歳!

    会議録を例にあげましたが、すべての文書を同様に監査して、どんなリスクが発生しうるかを想定して改善指摘しましょう。逆に、良い点は、高評価しましょう。

    リスク回避のための改善と
    さらなる飛躍のための高評価!

    ③口頭質疑のポイント

    監査は半分が文書、半分が口頭質疑になります。口頭質疑のポイントを解説します。

    ポイントは3つです。

    1. 質疑の目的を理解しているか?
    2. 回答が戦略と整合しているか?
    3. 部門内を理解しているか?

    よく、質問の具体例とか、オープン。クローズドクエスチョンを織り交ぜるとか、書いていますが、それは手段です。口頭質疑の目的は、相手が自分の言葉で部門を説明できるかどうか?です。

    部課長なら当然できるはずですが、そうでない場合はその部門内に品質低下するリスクが潜んでいます。例えば、
    ●情報共有ができていない⇒ヌケモレ
    ●報連相がない⇒品質不正の温床
    ●管理できていない⇒部課長が管理できない、他の業務(経営陣からの過度な要求対応など)で逼迫している

    などがあります。

    質疑の目的を理解しているか?

    部門長なら当然理解しているはずですが、たまにズレた回答する部門長がいます。その部門はダメダメです。

    監査評価を気にするのか?普段から考えていないのか? 監査質疑の論点がズレることがあります。

    監査の評価は目的ではなく、手段。
    目的は、その部門にリスクが潜在していないか?を見ること

    部門の業務の目的や意義を普段から考えていれば、質疑は的確に回答できるはずですが、そうでない場合は、部門長の怠慢さが見え、その部門内の管理が甘いリスクがあります。

    こういう場合は、
    ●組織体制図を提示させて、誰がどの業務をさせているか?業務範囲を確認する。
    ●力量管理表を提示させて、誰が何を何の目的でさせているかを確認する。
    と見ていくと、ボロが見えてきます。改善の指摘をしましょう。

    回答が戦略と整合しているか?

    品質目標を部下に管理させていると、回答がちぐはぐになります。そのときは、部門長が部下と確認するシーンが見ます。「自分、管理してないの?」と部門長に突っ込みましょう。戦略の舵を握る人が握っていないわけですから。

    品質目標に入る前に、組織全体の戦略、品質方針を確認してから各部門の目標に入るとよいでしょう。

    部門内を理解しているか?

    部課長を相手に監査しますが、部門内の人やモノを管理できていないと、誰が何をやっているのかが答えられません。力量管理やコミュニケーション、文書化された情報あたりで質疑するときに、部門内を理解していないと答えられない点が出て来ます。

    品質監査だからではなく、普段からの部門の風土醸成が重要です。

    口頭質疑で「ん?」と疑問に感じたところにその部門のリスクが潜んでいる可能性があります。変な答えや空気が流れたら監査側は素直に伝えましょう。

    まとめ

    品質の監査員の階級を作る方法をわかりやすく解説しました。

    • ①監査全体の流れを理解する
    • ②管理文書のチェック方法
    • ③口頭質疑のポイント

  • 品質の監査員の階級を作る方法がわかる

    品質の監査員の階級を作る方法がわかる

    「品質の監査リーダーになれる条件をどう決めてよいかがわからない」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    品質の監査員の階級を作る方法がわかる
    • ①監査員は3つの階級で分ける
    • ②階級を上げる基準は自分で決めてよい
    • ③監査員は毎年追加すべき
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    ISO9001 2015 内部監査員育成問題集をを販売します!

    QMS内部監査員養成したい方、是非ご購入ください。
    ISO9001 2015 内部監査員育成する問題集【問題編】を紹介します。ISO9001 取得に向けてISO9001 の構築、内部監査・外部審査の実施、監査のフィードバックや、今後のリスクに対する対処方法を考え抜く問題集です。

    ①監査員は3つの階級で分ける

    ISOや外部審査の認証機関は2つの階級に分けていますが、実務経験上、監査員は3つの階級に分けた方がよいです。

    監査員の階級

    階級 監査員 レベル 第一者
    監査
    第二者
    監査
    第三者
    監査
    1 見習い
    監査員
    監査に同席、
    記録係
    なし
    (研修)
    2 覚えたて
    監査員
    監査質疑・
    評価できる
    3 監査
    リーダー
    監査をまとめる なし
    (品管)
    なし
    (品管)

    見習い監査員

    自主的に実施する第一者監査(内部監査)、第二者監査(取引先監査)はOJTの方が効果は高いので、時間かけて研修するよりは、実践ベースで見まねしてもらった方が力量向上は早いです。

    通常業務で多忙な人に監査員を依頼するので、品質監査を勉強や研修する時間がそんなに取れません。しかも、質疑・評価は簡単ではないため、座学より実践で理解した方がよいでしょう。そのために、「見習い監査員」として同席して体験してもらいます。

    一方、第三者監査(外部審査)は認証機関側なので、しっかり研修させてから、監査にのぞみます。

    監査リーダー

    自主的に実施する第一者監査(内部監査)、第二者監査(取引先監査)のとりまとめは、品質管理部門が事務局としてリーダシップを発揮します。

    一方、第三者監査(外部審査)では、認証機関側の監査リーダ1名が各組織の審査を取りまとめます。

    監査員階級の定義の注意点

    監査員の階級は上表の「●」のように2つですが、
    第一者監査(内部監査)、第二者監査(取引先監査)と
    第三者監査(外部審査)
    では若干定義が違います。3段階に分けて解説しました。

    ●第一者監査(内部監査)、第二者監査(取引先監査)は
    ・監査員⇒見習い監査員(監査記録だけ、質疑しない)
    ・監査リーダー⇒覚えたて監査員(質疑、評価する)
    ●第三者監査(外部審査)は
    ・監査員⇒覚えたて監査員(質疑、評価する)
    ・監査リーダー⇒監査リーダー(質疑、評価する、全体をとりまとめる)

    ISO(ISO9001,ISO19011)では、「監査員」と、「監査チームリーダ」の2段階に使い分けていますが、「第一者監査(内部監査)、第二者監査(取引先監査)」と「第三者監査(外部審査)」では若干定義が異なる点に注意しましょう。

    ②階級を上げる基準は自分で決めてよい

    監査員に階級があるのがわかりますが、階級を上げる基準はどう定義したらよいか?考える必要があります。

    ISO(ISO19011)には階級の上げ方は書いていない

    実際の要求事項を列挙します。

    ●ISO19011
    (略)
    ・3.14 監査チーム

    注記1 監査チームの中の一人は,監査チームリーダー。
    (略)
    ・7.2.3 知識及び技能
    監査チームリーダーは,監査チームに対してリーダーシップを発揮するのに必要な付加的な知識及び技能を有する
    (略)
    ・7.2.3.4 監査チームリーダーの共通的な力量
    a) 監査を計画し,監査チームメンバーへ業務を割り当てる。
    b) 被監査者のトップマネジメントと意見交換する。
    (リスク及び機会による課題を評価するため)
    c) 監査チームメンバー間に協力的な業務関係を構築・維持

    d) 次の事項を含む監査プロセスをマネジメントする。

    − 監査中に資源を有効に利用する。
    − 監査目的を達成することの不確かさをマネジメントする。
    − 監査中の監査チームメンバーの安全衛生を保護する。
    − 監査チームメンバーを指揮する。
    − 訓練中の監査員を指揮及び指導する。
    − 監査中に発生し得る利害抵触及び問題を防ぎ,解決。

    e) 監査チームを代表する。
    f) 監査チームを導いて,監査結論に達する。
    g) 監査報告書を作成し,完成する。

    ISO19011の監査チームリーダーへ要求事項は、
    ●やるべき業務とその業務ができる能力
    しか書いていません。

    監査員から何を達成すれば監査リーダーに昇格してよいかは、書いていない
    誰がどのように昇格してよいかも書いていない

    「困った!」どうしましょう?

    基準は自分で決めてよい

    ISOに書いていない場合は、基本的には「自分で定義してOK」です。

    自分で監査リーダーへの昇格を、どう定義しますか?

    自分で決める場合は、
    ・決めやすい基準を見つける
    ・教育や研修を検討する
    ・有限なリソースの範囲でできることを探す

    くらいですね。

    具体的には、次の基準が考えられます。

    1. 監査出席回数
    2. 役職、本業の力量
    3. 監査関連の教育・研修受講歴
    4. 監査員昇格試験・面接(ここまでやる余裕はないけど)

    監査員の理想を考えながら、組織内でできる範囲でリーダーになれる条件を決めたらよいでしょう。運営しながら改善していけばOKです。

    監査員として昇格したい工夫も大事

    監査員って、基本的には、やりたくない業務です。 やりたくないことをさらにリーダーまでやって!となったらみんな拒否します。

    確かに、監査出席回数が多く、監査の雰囲気がつかめた人に、監査リーダーをやって欲しいですが、
    やりたい人(少数)と
    やりたくない人(多数)に
    分かれるので、その人をよく観察して、やってもいいよ!な人だけリーダーへ依頼しましょう

    監査員の昇格方法を定義するのは大事
    でも、仕組みと運用は別物
    ここが、とりまとめ側の腕の見せ所です。

    ③監査員は毎年追加すべき

    監査員、監査リーダーの基準を作ったのはよいとしても、監査員リソースが十分にないと運用できません。監査員は増やしていく前提で考えましょう。

    監査員あるある

    監査員として長年やってもらい、監査リーダーまで昇格できた人に限って
    転勤、定年退職、部門長への昇進があり、
    監査員ができなくなることが多いです。

    なので、昇格を考えつつ、新しい人へ監査員依頼することも大事です。

    監査リーダーまで数年かかる

    年1回で、監査体験も多くて3回くらいしかありません。監査質疑レベルになるには、もっと経験を積む必要があります。そうなると3年くらいは見習い監査員として参加してもらってからのリーダー昇格になります。

    一気にまとめてたくさん経験させてもよいですが、数年の監査の流れを経験する方が大事です。

    監査員スタートから監査リーダーまで5年くらいかかる感じです。なので、50代の人へ監査員依頼するとリーダー時には定年になります。

    監査員は経験が必要とはいえ、3,40代の中堅を増やした方がよいです。

    監査リーダになった時に居なくなる

    転勤、定年退職、部門長への昇進は常にあると心得ておきましょう。

    戦力になる監査リーダーほどいなくなる
    戦力になる人は、どこでも戦力になるから仕方がありません。

    複数人を同時に監査リーダーへ育成するように、監査体験させる必要があります。

    監査員を毎年増加して育成し続ける

    30部門程度ある大きな組織に必要な、品質監査員は20人(リーダー5人、監査員15人)くらいです。

    その中には、
    ・監査NGな人(やる気がない、ズレた質疑する)
    ・業務が多忙で手が回らない人
    ・転勤、退職、休職する人
    など、いろいろいます。

    1人1人に強い思いをもって監査員育成せずに、束で育成計画を見ていく方がよいです。ある程度は監査員として継続しない人がいるという気持ちでいるとよいでしょう。

    まとめ

    品質の監査員の階級を作る方法をわかりやすく解説しました。

    • ①監査員は3つの階級で分ける
    • ②階級を上げる基準は自分で決めてよい
    • ③監査員は毎年追加すべき

  • 品質の内部監査が初めての人への対応方法がわかる

    品質の内部監査が初めての人への対応方法がわかる

    「内部監査やれって言われて、いやだなあ」、と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    品質の内部監査が初めての人への対応方法がわかる
    • ①監査を初めて受ける場合
    • ②初めて監査員をする場合
    • ③初めての人の心をつかむために
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    ①監査を初めて受ける場合

    監査を初めて受ける人(部門長である部課長)は、管理職とはいえ、不安です。不安な思いを口にできないし、部下からは「監査対応できて当然」と思われています。

    品質管理部門としては、被監査側で特に次の2つの場合をウォッチしておきましょう。

    1. 支社店部門の部門長として異動する場合
    2. ISO非対象だった部門から対象部門に異動する場合

    支社店部門の部門長として異動する場合

    支社店への異動は、挑戦する気持ちと、不安な気持ちが重なります。しかも、本社より少ない人数で、戦力の弱い部門で監査対応しなければなりません。

    すでに、本社か他の支社店で部門長経験していればよいですが、初めての場合は不安が多いはず。現部門で管理職として、ある程度ISOやQMSの対応や理解はしているでしょうが、監査を自分で対応するとなると身構えます。

    また、支社店には同じ業務を長年担当し、独自の業務方法で突き進む人が必ずいます。そこそこいい歳なので、今さら外から上司が来ても上司のやり方に合わせません。そういう支社店先の独自のやり方も許容しなければなりません。

    ISO非対象だった部門から対象部門に異動する場合

    研究開発部門や、企画などの部門からライン部門への異動がある場合です。過去にISO準拠した職場にいたとしても、ISO非対象の環境で数年いると、今更ISO対応するのが、窮屈に感じます。

    管理職とはいえ、やりたくないでしょうけど、「ISOなんて嫌だ!」とも部下の前では言えませんよね。

    ISO非対象で自由な環境から、窮屈な環境に行くのもストレスでしょう。ISO環境に馴染むまでに時間とストレスがかかりますね。ISOの要求事項とそれにあった組織内のルールや過剰な文書の作成やチェックに時間がとられます。

    ISO業務に離れすぎないために内部監査だけは全部門やっておく

    初めての人への過度な不安にさせないために、品質管理部門としては、内部監査だけは全部門やっておくのがベターでしょう。

    内部監査はISO9001の要求事項とはいえ、自主的に実施するものなので、自分たちが考えて監査してよいし、ISOに馴染む環境を作っておくとよいでしょう。

    実際に、ライン部門の中でも、
    ・ISOに関係ない企画部門
    ・ISOを気にしなくていい、新規事業部門
    ・ISOを気にしななくていい、研究開発部門
    があったりします。

    そういう部門は、「軽く」内部監査は実施します。
    「ISOに関係のない部門なんですけど、事業化できたらISO対象の部門に移管したり、」
    「ISOに関係のない部門なんですけど、ISO対象部門への異動もありえます」
    として、監査実施しています。

    初めて監査受けるとなっても、不安にならない環境を作ることが大事!

    ②初めて監査員をする場合

    最初からやりたくて監査員希望する人はいません。次の2通りで監査員を引き受けている人がほとんどです。

    1. 上司からの指示
    2. 管理職だからってやらされる場合
    監査は品質管理の理解を深めるには重要ですが、
    通常業務で忙しいライン部門の人にとっては面倒な仕事です。

    上司からの指示

    部門の品質係とか、管理職候補だから上司から監査員の指示があるのでしょうけど、基本的は、嫌ですよね。

    品質管理とかISOとか読んでもわからんし、
    細かくネチネチ言ってくる品質管理の連中が嫌いだし
    ただでさえ忙しいのに、給料が上がるわけでもないのに

    と、品質管理側への愚痴や不満がある状態で、監査員を引き受けていますね。

    その一方で、

    職場の品質係になる人はそれなりに評価されているけど、
    自分の仕事のやり方に自己流な所があって、意外と頑固者だったりする

    こともあります。30代前半で、リーダを務めるような人は優秀でも、頑固なところがあります。周囲はそれを嫌がるんですが、変に自信をもっているので厄介ですけど。

    管理職だからってやらされる場合

    本当はいやだけど、
    管理職が拒否したら部下から何と言われるか…
    まあーしょうがないか

    結構、「しょーがない」と言って、業務する管理職が多いですね。このマインドでないと管理職は務まらないのでしょう。

    しかも、管理職だから内部監査対応くらいできて当然!という、見えない圧がかかったりします。

    管理職の査定は平社員より厳しいですからね。上に上がるって大変。。。

    ③初めての人の心をつかむために

    ここで、言いたいのは、

    品質管理部門はボケっとするな!

    ・不安の中、遠距離に出向いて監査を孤軍奮闘する部門長
    ・ISOが嫌いなのに対応しないといけなくなった部門長
    ・「やれって」言われて仕方がなく来た監査員
    ・管理職として仕方がなく来た監査員

    監査される方も、する方も本音はネガティブです。それを監査やろう!と動機づけるのが事務局である品質管理部門の仕事です。

    機械的に監査の説明をする品質管理部門がいたら最悪ですね。相手の気持ちを汲み取るくらいやれ!

    両者を動機づけるために、品質管理部門が頑張るべきポイントを3つ挙げます。

    1. ISOから話を始めるな!
    2. 異動の多い3,9月はウォッチせよ!
    3. 感謝から入ること!

    ISOから話を始めるな!

    品管あるあるですが、監査の説明会を実施するのはOKですが、ここぞとばかりに、ISOの説明を長時間やる人がいます。

    監査される・する側の感情を考えましょう。皆興味ありません。さっさと説明会終わって欲しいくらい!

    品管がすべきことは、

    1. 最初は、監査対応者へ感謝を伝える
    2. 監査の細かい手法より、目的をわかりやすく言葉で説明する
    3. 監査でチェックするポイント、監査してほしいところを絞って説明する

    難しい品質用語を使わずに、業務で使う言葉や普段の言葉に変えて説明しましょう。用語の意味の精度などは少々悪くても良く、相手がすぐに理解できるように工夫して伝えましょう。

    品管の対応もいいし、
    思っていたほど難しくはないし、
    ちょっとやってみてもいいかな!

    という気持ちにさせたら勝ちです。

    異動の多い3,9月はウォッチせよ!

    組織体制、部門、担当者の異動などが一気に動く時期です。

    初めて監査を受けることになる人は誰か?

    東京本社にいて、4月から3人しかいない、山陰方面の支社店の部門長に昇格した人がいたとしましょう。昇格とはいえ、遠い異動になりますし、3人の職場でISO監査受けるとなると心理的に負担がありますよね。

    本社にいる間に、2,30分でも取って、監査の対応ノウハウをインプットすると、感謝されますし、つながりが良くなります。

    感謝から入ること!

    組織がISO取得してビジネスしているんだから、監査対応は当然!

    は絶対NGです。

    監査員や監査受査をやっていただくので、組織内とはいえ、相手への配慮・感謝を忘れずに!

    相手への感謝の気持ちがあれば、
    ・相手にも伝わるし、相手も動こうとしてくれます。
    ・そういう人を増やし、品質管理への好感を増やしましょう。

    日々の品質管理、QMS、ISOへの好感度アップが
    その組織の品質向上につながるはずです。

    品質管理業務は単なる、事務方ではなく、組織の1人1人との良い関係性を作り、品質向上につなげるリーダシップの役割があります。自己フォローを込めて解説しました。

    まとめ

    品質の内部監査が初めてなのへの対応方法をわかりやすく解説しました。

    • ①監査を初めて受ける場合
    • ②初めて監査員をする場合
    • ③初めての人の心をつかむために

  • 品質の内部監査員の育成方法がわかる

    品質の内部監査員の育成方法がわかる

    「内部監査員の育成方法がわからない」、と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    品質の内部監査員の育成方法がわかる
    • ①監査員の選抜方法
    • ②監査員でやること
    • ③監査リーダ育成方法
    • ④後継の監査員育成
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    ①監査員の選抜方法

    できるだけ多くの人に監査員を経験させること

    品質管理担当が監査するのでもよいですが、品質管理、QMS、ISO9001、経営などを理解・実感できるのが内部監査であり、相手に質疑することが最も大切です。

    品質管理担当の業務とせず、ライン部門の多くの人に監査員を経験してもらってください。品質管理は、品質管理部門に聞くのではなく、各自で考えて行動してもらうことが大切です。

    こういう人に監査員を依頼

    どんな人に依頼したらよいですか?ISO19011にも書いていますが、

    監査に限らず、依頼事を頼みやすい人に頼みましょう!

    ●あなたが依頼事を頼みたい人ってどんな人ですか?
    ・仕事ができて、周囲から高い評価がある人
    ・周囲からの悪い評判がない人
    ・決めつけが無く、押しが無い人
    ・相手の話を聞く人
    ・正直な人
    ・親しみやすい人

    と、いろいろ想像つきます。

    一方、ISO19011では、「7.2.2 個人の行動」に監査員に求める特性がまとめています。

    7.2.2 個人の行動 監査員は,監査の原則に従って活動するために必要な特質を備えていることが望ましい。
    a) 倫理的である。公正、信用,誠実、正直、分別がある。
    b) 心が広い。別の考え方又は視点を考慮する。
    c) 外交的である。目的を達成するように上手に接する。
    d) 観察力がある。周囲の状況及び活動を積極的に観察する。
    e) 知覚が鋭い。状況を認知し,理解できる。
    f) 適応性がある。異なる状況に容易に合わせる。
    g) 粘り強い。根気があり,目的の達成に集中する。
    h) 決断力がある。論理的な理由や分析に基づいて,結論に到達する。
    i) 自立的である。人々とやりとりをして役割を果たす。
    j) 不屈の精神をもって活動できる。意見の相違・対立があっても,責任をもって活動できる。
    k) 改善に対して前向きである。進んで状況から学ぶ。
    l) 被監査者を観察し,尊重する。
    m) 協力的である。

    こんなに書いてなくても、頼みたい人に頼んでください。頼んだ相手にストレスを感じたら、それ以上監査員させる必要はありません。

    ②監査員でやること

    監査員では次のステップを踏んでレベルアップします。

    1. 監査記録を見よう見真似で書く
    2. 監査リーダの質疑を聞く
    3. 監査記録や質疑の意味を考える

    監査記録を見よう見真似で書く

    初めての場合、すべてがわからないので、とりあえず先輩の真似から入りましょう。監査中、何もやることが無い場合は、質疑や文書名などを自主的に記録を取ってみましょう。

    特に記録して欲しい内容

    記録の書き方にはコツがあります。記録として相手に伝えるためと、監査員のレベル(力量)を上げるためです。

    1. 5W1Hと主語を明確に書く
    2. 評価(良い点、改善点)を明確に書く
    3. 文書名を記録する
    4. 監査で出た進行中のプロジェクト名を記録する

    誰が、どの質疑で、何のエビデンスを見て、QAして、評価されたか?の一連がわかるように記録しましょう。

    監査記録見ただけでも、監査の流れ、質疑内容を理解できます。将来の監査リーダに一歩前進できます。

    監査リーダの質疑を聞く

    記録が慣れてきたら、監査リーダの質疑に耳を傾けましょう。

    質疑が一番大変です。監査リーダも事前に準備して質疑内容を考えて監査にのぞんでいるはず

    監査リーダの質疑を聞くポイントは

    1. 先輩の質疑を最初は真似する
    2. 真似した質疑の流れを自分なりにアレンジ
    3. 質疑の流れがわかるとISO,QMSの流れや意義が理解できる

    最初は、いずれ自分も監査質疑をする番が来るので、先輩の真似をすればOKです。ISO9001の要求事項や組織内のQMSを一通り質疑すれば、品質管理を理解していなくても、それなりに監査ができます!なので、まずは真似して慣れてください。

    監査記録や質疑の意味を考える

    先輩の真似をして質疑内容が理解できたら、
    ・自分が気に入る所と、
    ・自分が気に入らない所が
    出て来るはずです。

    気に入らない所は、自分ならどう質疑したら相手にとって良いのか?を考えましょう。

    ISOの要求事項にあわせず、自分なりに考えてアレンジしてください。自分なりに考えることが最も大事です。

    品質管理力を高めるポイントは、自分なりに定義、自分なりに考える、自分なりに説明できるです。他人と一致するかどうか、ISOの要求事項に合うかではありません。

    自分で考えて、相手に質疑や伝えることができると、品質管理能力が向上します。その良いチャンスが内部監査の質疑です。

    どこかに書いている答えに合わせるよりは、自分なりの考えを優先してください。当然、時間が経過すると自分の考えも更新していくので、その都度考えなおせばよいのです。

    ③監査リーダ育成方法

    監査計画は監査員育成のためにある

    内部監査の計画は品質管理部門が作成します。部門数と監査員人数をみて均等に割り振ってはいけません。それはプロとして失格。

    監査計画は監査員育成のため
    品質管理に詳しい人を何人育成できるかをよく考える

    例えば、次の戦略をもって監査員をアサインします。
    ・監査員は、全プロセス(営業、企画、技術、製造、…)の監査を一通り経験させる
    ・監査員が所属していない部門を監査させ、他部門の良いところを吸収させる
    ・監査リーダ候補は、他の監査員より多めの監査を経験させる
    ・監査員から監査リーダに昇格する人へのアプローチや育成方法を考える
    ・今年度、何人新しい監査員をアサインするか
    など

    計画が完成したら、各監査員へ「忙しい中よろしくお願いいたします。」と伝えますが、本音は、監査力、品質管理能力を向上してもらうために監査員をお願いしているというわけです。

    監査リーダ昇格条件を考える

    ある程度、監査員として監査に出席した人の中から、質疑もできる監査リーダに昇格させる必要があります。昇格と言っても、監査員やらされている側にはメリットを感じません。

    監査リーダを引継ぎお願いする体で依頼しましょう。その時にリーダやって欲しい理由を作る必要があり、それが監査リーダ昇格条件としたらよいでしょう。

    ●監査員のとしての評価が高いからリーダとして品質管理側から依頼する
    ●監査員のある程度の経験(監査回数、期間など)を超えたら自動的にリーダにする組織内ルールを作る
    ●組織の管理職候補として監査リーダ経験が必須とルール化する

    といろいろ監査リーダをやってもらう理由や仕組みを組織内で作ればよいでしょう。

    監査リーダをやりたい人はほとんどいないけど、
    昇進にからめるとリーダをしたい人が増えるでしょう。
    ただし、「やらされ感」が出ないようにモチベーションを挙げてもらう努力が必要です。

    監査リーダを育成

    監査リーダになった人は、ある程度、覚悟を決めてリーダを引きうけたはずです。

    監査を何回か経験していると、監査時に出て来る質疑や文書が何かを確認するはずです。
    ●監査の流れ
    ●監査で診るポイント(大きな変化点、目標を変えた所など)
    ●監査時間と質疑数
    ●評価方法(良い点、改善点とそれぞれ評価する判断基準)
    ●組織内の品質マネジメントシステムやそれに関する文書一式をそろえる
    これだけ自分で事前に準備してもらったら監査リーダとして十分です!

    あとは、品質管理部門から
    ●ISO9001,ISO19011,組織内のQMSの再確認
    ●経営陣から指示事項、外部・内部課題の変化
    ●外部審査の結果
    を教育実施したり、資料の提示などして監査リーダにインプットすればよいでしょう。

    あとは、実践あるのみ!
    最初は心配、でも、すぐ慣れる!

    ④後継の監査員育成

    最初は親和性高い人を監査員に集める

    ある程度、監査員が増えて来ると安心します。
    ●品質管理部門担当と仲が良い人
    ●ライン部門でも品質管理が好きな人
    など、品質管理に親和性が高い人が最初集まってきます。

    幅広い領域から監査員を集める

    同じ人に何年も監査すると、マンネリ化や、客観性が落ちるリスクがあるため、いろいろな人を監査員に招く必要があります。

    ●50代の監査員が多いなら、3,40代の中堅を入れる
    ●品質管理に親和性が高い、技術部門からの監査員が多いなら、営業部門からも監査員を入れる
    ●他の組織から監査員を招く
    など、幅広く監査員を集めると、いろいろな考えや良い点が共有できます。

    新しい監査員候補を常にウォッチする必要があるし、品質管理部門内でそこまで監査員を見つけたいかどうかを確認する必要があります。

    監査員の募集、育成といえども、品質向上のために、PDCAを回す必要があります。この裏方の活動について解説しました。

    品質管理に詳しい人をたくさん育成すれば
    品質が良くなって、組織の成功に近づくからです。

    まとめ

    品質の内部監査員の育成方法をわかりやすく解説しました。

    • ①監査員の選抜方法
    • ②監査員でやること
    • ③監査リーダ育成方法
    • ④後継の監査員育成

  • 【簡単】品質監査ができるようになる

    【簡単】品質監査ができるようになる

    「内部監査やれって頼まれちゃったけど、困った!」、「ISO,QMS,品質管理って難しいよね」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【簡単】品質監査ができるようになる
    • ①ISO9001から入る品質監査教育なんてするな!
    • ②【必読】監査する目的を理解すれば監査できる
    • ③経営者を演じれば、品質監査が理解できる
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    ①ISO9001から入る品質監査教育なんてするな!

    本記事の結論

    品質監査の目的が理解できて、説明できるようになれば、
    ISO要求事項、組織内QMS、多数ある文書は見なくても大丈夫!
    品質監査の目的を説明できるように本記事で解説します。
    品質監査の目的を説明せず、
    ISO9001要求事項や
    品質マニュアルなどのたくさんの文書の説明
    から入るから、品質監査や品質管理が難しくなってしまうんです。
    本、web、コンサルって
    必ずISO9001から勉強させますが、ISO9001認証審査以外は不要です
    ISOを教えるとそこそこの情報量があり、時間がかかるし、ボリューム感で料金が稼げるからです。
    ISO、文書などは所詮手段!
    品質監査の目的を考えれば何も要らないし、
    目的達成にあわせて手段であるISOや文書が作られているのです。

    では、解説します。

    ②【必読】監査する目的を理解すれば監査できる

    監査目的を考えるとISOから教育するのはおかしい

    監査する目的とは何でしょうか? 主に2つあります。
    ●監査される組織が、その組織の成功に向かっているかどうか
    ●ISO9001認証なら、認証に必要な要求事項をその組織が満たしているかどうか

    前者は、第一者監査(内部監査)、第二者監査(取引先監査)で、後者は第三者監査(外部審査)ですね。

    確かに、第三者監査(外部審査)はISO9001認証なので、監査教育はISO9001から入ってもよいです。しかし、これが悪の根源です。

    本来は、ISOに関係なく組織は自分の成功に向かうべきで、
    それを助走するためにISO認証をとりますよね!

    でも、監査教育の多くは
    ISO9001要求事項から入るんです。
    これって変だと思いませんか?

    品質は、組織が成功するための手段の1つ
    組織にあった品質管理があり、それを監査するべき
    さらにISOが欲しいならISO9001と合わせたらいい

    品質管理担当は、なかなか新しい人が来ないので、10年以上やっているベテランがほとんどです。ベテランの頭と、私QCプラネッツの頭の大きな違いを下図に描きます。

    内部監査

    ベテラン、コンサルの頭のてっぺんは、ISO9001
    QCプラネッツの頭のてっぺんは、組織の成功(収益)

    今でも、職場の先輩と話しをしても教育資料を作ってもらっても、必ず先輩はISO9001から話を入れてきます。

    組織はISOのためにやってんじゃないよ!
    ビジネスなら収益だよ!ISOは手段に過ぎない

    では、なぜISO9001をみんなトップに持ってくるのでしょうか? 高齢になると頑固になりますけど、理由はもっと別なところにあります。

    ISO9001 2008までの功罪

    過去のISO9001では、組織とISO9001をつなぐ、品質マニュアルがトップに来て、組織の活動とISO9001の要求事項をぴったり合うように要求していました。

    つまり、組織の経営より、ISO9001の縛りが強かったのです。おそらくその縛りが品質管理担当の頭に残ったままなのでしょう。

    ISO9001 2015年版から、品質マニュアルが不要となりました。
    つまり、品質はISOより自組織の経営(品質の本来の目的)を重視するように変わりました。

    QCプラネッツはISO9001 2015年版からスタートしています。だから、先輩の価値観と完全に違います。

    ISO9001要求事項はとっくに経営重視に変わったのに、
    品質監査や教育は古いまま継続しています。

    やはり、最新のISO90012015年版の思想にあった監査をすべきですね。ではどうすれば、ISO90012015年版の思想に合うかを解説します。

    ②【必読】監査する目的を理解すれば監査できる

    品質,ISOは所詮手段。目的は何か?

    何度も言いますが、
    品質、ISOは手段
    目的は何か?を考えることが重要です。

    組織には、営業、企画、技術、製造、保守、品質、環境、安全、会計、法務、知財、広報、といろいろ部門がありますね。でもなぜあるんですか? 各部門の目的は何か?を考えましょう。

    答えは、
    組織の成功
    成功:収益、発展、社会貢献、愛など

    組織の成功のために、部門があり、それぞれの活動や業務、ルール、文書があるわけですね。成功に関係のない要素はすべて不要なはずです。

    組織の成功に必要な品質活動を考える

    ISO、web、コンサルの解説は、一旦無視して、自分で品質管理や品質監査を考えましょう。

    ●わかりやすい説明のため、組織の成功=収益増加で考えます。収益増加以外でもOKです。あなたに合った「組織の成功」を定義してください。

    ●「収益増加のために何が必要か?」をモデル式で分解して考えましょう。
    ★「収益」=「売上」―「コスト」です。簡単ですね。

    さらにモデル式を肉付けします。肉付け方法はあなたに合った方法でもOKです。
    ★「収益」=「売上」―「コスト」
    「売上」=「受注確率」×「件数」×「単価」
    「コスト」=「経費」+「労務費」+「材料費」

    ここまでは、簡単ですね。

    実際に、製造業に特化すると、もう少し肉付けします。

    ★「収益」=「売上」―「コスト」
    ・「売上」=「リスク回避」×「受注確率」×「件数」×「単価」
    ・「コスト」=「経費」+「労務費」+「材料費」+「品質コスト」

    要素別に見ていくと、品質方針や品質目標に掲げるテーマが見えてきます。
    ●「受注確率」と「単価」は、顧客満足向上につながる
    ●「リスク回避」とは、安全、環境、法令遵守などで、守らないと業務停止処分で売上0になるリスク要因
    ●「経費」は、施設・設備・ツールなどの費用で、資源、管理、組織につながる
    ●「労務費」は、人にかかわるので、力量、コミュニケーション、責任と権限、運用(プロセス)につながる
    ●「材料費」は、購買プロセスにつながる。
    ●「品質コスト」は自組織責任で無償修理するコストなので、不適合・是正処置につながる

    収益モデルを分解すると、組織の品質方針や品質目標につながることがわかります。図と表で整理しましょう。

    内部監査

    品質方針・品質目標 組織の成功(収益)
    顧客満足 受注率↑×単価↑ 売上↑
    安全、環境、
    法令遵守、コンプライアンス
    リスク回避
    組織、責任ある行動 経費↓ コスト↓
    1人1人の技量向上 労務費↓
    ステークホルダーとの良い関係 材料費↓
    品質向上 品質コスト↓

    組織の成功に必要な品質活動を監査すればよい

    上表から、「組織の成功」に必要な活動が見えました。それを監査すればよいのです。では、個別に何を質疑すればよいかを考えましょう。

    (i)顧客満足向上

    顧客満足向上を分解しましょう。
    ・顧客への提案回数と内容
    ・顧客からの評価(アンケート結果や口こみ)
    ・組織内の顧客改善活動
    等が考えられます。これらの施策が各年度どんな成果が出ているかを監査すればよいのです。

    (ii) 安全、環境、法令遵守、コンプライアンス

    要素分解しましょう。
    ・安全なら、事故件数、件数低減施策
    ・環境なら、適正な廃棄処理、組織内関係者との活動
    ・コンプライアンスなら、働きやすさ、ハラスメント撲滅など
    等が考えられます。これらの施策が各年度どんな成果が出ているかを監査すればよいのです。

    (iii) 組織、責任ある行動

    要素分解しましょう。
    ・組織体制
    ・組織や組織内の責任と権限
    ・組織内、組織間の有効な施策
    等が考えられます。これらの施策が各年度どんな成果が出ているかを監査すればよいのです。

    (iv) 1人1人の技量向上

    要素分解しましょう。
    ・力量管理
    ・教育・資格、更新講習
    ・OJT、メンター
    等が考えられます。これらの施策が各年度どんな成果が出ているかを監査すればよいのです。

    (v) ステークホルダーとの良い関係

    要素分解しましょう。
    ・購買プロセス
    ・取引先審査の実施と結果
    等が考えられます。これらの施策が各年度どんな成果が出ているかを監査すればよいのです。

    (vi) 品質向上

    要素分解しましょう。
    ・品質トラブルの撲滅
    ・各プロセスの品質活動
    等が考えられます。これらの施策が各年度どんな成果が出ているかを監査すればよいのです。

    どうでしょう。全くISO9001など見なくても、組織の成功に必要な施策がちゃんと組織内で活動できているかをチェックすれば、監査として体をなします。

    監査対象の組織・部門が
    何をすれば成功につながるかを考えて、
    成功につながる活動が適切に実施できているかを監査すればよいのです。

    結局、ISO9001要求事項を満たす

    以上、自分で監査質疑を考えましたが、当然それに合うように作られたISO9001の要求事項に合った監査ができます。

    自分で考えた監査質疑とISO9001要求事項を比較しましょう。

    自分で考えた監査質疑 ISO9001
    (i) 顧客への提案回数と内容 9.1
    顧客からの評価
    (アンケート結果や口こみ)
    8.2
    組織内の顧客改善活動 7.4
    (ii) 安全:事故件数、件数低減施策 8.1
    環境:適正な廃棄処理、
    組織内関係者との活動
    コンプライアンス:働きやすさ、
    ハラスメント撲滅など
    (iii) 組織体制 7.1
    組織や組織内の責任と権限 5.3
    組織内、組織間の有効な施策 7.4
    (iv) 力量管理 7.2
    教育資格、更新講習
    OJT、メンター
    (v) 購買プロセス 8.4
    取引先審査の実施と結果
    (vi) 品質トラブルの撲滅 8.7,10.2
    各プロセスの品質活動 9.2,10.3

    ほとんどの要求事項を満たしていますね。

    その他、品質マニュアル、組織内規定、QC工程図、力量管理表、仕様書などのたくさんの書類が監査で出て来ますが、それらも所詮手段です。手段の出来栄えより、組織の成功の実現性を監査しましょう。

    ISO9001の要求事項から組織の活動を監査するのではなく、
    組織の成功に必要な要素を監査するのです。
    結果的にISO9001の要求事項に合うだけ。

    自分で考えれば、何でもできるのが品質管理の面白さです。

    ③経営者を演じれば、品質監査が理解できる

    自分で考えたら、監査質疑なんてわかるはずですが、意外と難しいのです。その理由は

    品質管理は経営者目線で考えるもので、
    従業員の目線では監査質疑内容が浮かんできません。
    じゃー経営者になろう!会社作って社長になろう!
    いや、MBAだ!留学だ!
    と、飛んだ考えは不要です。
    小さな会社を仮に自分が経営したら、会社にいるメンバーに何をやってもらえればよいかを想定すれば品質監査の質疑は簡単に出て来ます。

    ・どうやって、収益出すの?
    ・収益出すには、売上はどうやって出して、コストは何があってどう抑えてたらいいの?
    ・良いアウトプットを出荷するには、何をしたらいいの?
    ・誰にどんな活動や意識をさせたらいいの?
    とか、いろいろ気になってくるはずです。それを経営目標や品質目標にしたらOKです。

    難解なISOの要求事項を何度も読むより、自分で想定して考えた方が早く監査力が身に付きます。
    品質管理は、単なる事務ではなく、経営者目線でも考える必要があります。

    まとめ

    品質監査ができるようになる方法をわかりやすく解説しました。

    • ①ISO9001から入る品質監査教育なんてするな!
    • ②【必読】監査する目的を理解すれば監査できる
    • ③経営者を演じれば、品質監査が理解できる

  • 取引先監査の監査する側・される側の関係がわかる

    取引先監査の監査する側・される側の関係がわかる

    「取引先監査やれって頼まれちゃったけど、不安だよ」、「顧客から監査するって言われたけど」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    取引先監査の監査する側・される側の関係がわかる
    • ①最もやりたくない監査
    • ②取引先監査当日の注意点
    • ③取引先監査を成功させるポイント
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    ①最もやりたくない監査

    第一者監査(内部監査)、第二者監査(取引先監査)、第三者監査(外部審査)と3種類ありますが、第二者監査(取引先監査)が最もやりたくないですね。

    顧客(購買先)が販売元に出向いて、品質監査をやる監査ですから。

    • 販売元はできれば避けたい
    • 顧客(購買先)も監査担当者は面倒くさいのでやりたくない
    • 両者の品質管理担当は責任が無いので、モチベーションも低い

    顧客が販売元をチェックするのは、品質管理としては重要ですが、実際やれってなると嫌ですね。その理由や現状を解説していきます。

    個人的には、他社を見る良い機会ですけど。

    ISOに書いているが、強制力はない

    ISO19011には、監査の種類と実施が書いていますが、書いているだけで、取引先監査の義務や強制力はありません。「両者の合意のもとで」なのでしょう

    監査される側は嫌がる

    そりゃ、嫌ですよね。

    ただでさえ、QCDに無茶いう顧客なのに、彼らが自社に乗り込んで監査するっていうわけですからね。監査した結果、何かアメでもないと、やってられませんよね。

    よっぽど、へまをやった(品質不正やった、顧客に相当の被害や迷惑をかけてしまった)があれば、受け入れる理由がありますが、

    監査する方も面倒くさい

    実は、顧客側も、「面倒くさい」んですよ。

    なぜなら、経営陣や管理職が取引先監査やって来い!と指示されたからとか
    監査する本人は直接、販売元から損を受けた関係ではないので、ただの事務業務として扱うからです。

    品質管理担当が取引先監査やればいいじゃん! 確かに監査する力量はあるのですが、品質管理側は組織の中でも独立した立ち位置なので、購入側・販売側のどちらの利害関係はありません。だから、モチベーションが低いのです

    「品管として、監査をやりました!」くらいな感じです。

    普段、購買側、販売側両者が集まって監査することは少ないため、
    取引先監査は貴重です。
    監査するには、互いに大きなメリットがあるといいのですが、
    どうすればよいかを考えましょう。

    ②取引先監査当日の注意点

    第一者監査(内部監査)、第二者監査(取引先監査)、第三者監査(外部審査)とありますが、大きく違う点があります。

    1. 第一者監査(内部監査)は「性善説」を優先
    2. 第二者監査(取引先監査)は「性悪説」を優先
    3. 第三者監査(外部審査)は「性善説」を優先

    第二者監査(取引先監査)は、相手との関係性を良くしたい点がメインですが、
    基本は相手を疑うことが重要です。なぜなら、不都合なことは隠すから

    ここが、自社を診る、内部監査と外部審査の違いです。

    1. 被監査側は都合のよい所しか見せない、言わない
    2. でもそれが正しいなら、品質トラブルにならないはずだが
    3. 監査側は要求をはっきり言う
    4. 両者が決裂したら、販売先を変えればいいだけ

    取引先監査自体はお金の流れが無いため、監査側も被監査側も対等です。言いたいこと言いましょう。

    被監査側は不都合なことは隠す

    監査は本来、相手の良いところを探すものですが、
    取引先監査は不備やトラブルが原因で実施するため、
    性悪説でのぞみます。

    よって、普段相手を疑うことはしませんが、取引先監査は別人格でのぞみます。でも、喧嘩や挑発はNGです。顧客側として、こうして欲しいと率直に伝えるのが目的です。

    監査でのぞむべきポイントは

    1. 一番できの良いロットしか見せない
    2. 都合のよい文書やプロジェクト記録しか見せない
    3. 工場現場見学は基本NG。OKな場合でも良い所しか見せない
    4. 都合のよい回答しかしてこない

    ●逆に、監査される側に立てば、不都合な事実は無くても、うまく伝わらないことが原因で改善をあれこれ指示されたくはありません。また、自社では問題が起きていないことでも、NGと監査されて無理矢理な改善要求はされたくはありません。

    ●さらに、監査する・される両側をはさむ独立な立場の人はいませんので、揉め事に発展する危険性があります。

    互いに相手を配慮しつつ、変な指摘がされないよう守る事も大事です。

    監査側が見たいところをはっきり要求する

    相手が100%対応してくれるかはわかりませんが、監査に来た以上、監査したい目的や、気になる所ははっきり伝えましょう。監査される側からは、「こういうのが気になる相手だ」と伝わるからです。

    この取引先監査は、
    減点方式なので、高評価されない監査です。よって、モチベーションは上がりません。
    ●ちゃんとできていれば、減点0
    ●不備があれば減点
    ○良い事例があっても加点されない。

    テンションが上がらない監査なので、相手への要求は明確に伝えるべきですが、言い方は注意しましょう。高圧的な言い方ではなく、お願いする体がよいでしょう。

    被監査側が説明しない所をよく見る

    相手先に行ったら、説明されないところをよく見ておきましょう。説明されない所や、非言語的な情報から相手先の品質レベルがわかるからです。

    1. 事務所や工場にゴミが落ちたまま
    2. なんか埃っぽい
    3. なんか暗い(雰囲気、照明)
    4. そこで働いている人の表情
    5. 整理整頓できていない所がある
    6. 管理要な薬品・劇薬の管理状況

    説明されない所や、非言語的な情報から、相手の不備や改善要求点が見えます。直接伝えてもいいし、これらと監査チェックリストを絡めて指摘するのもよいでしょう。

    三現主義(現実、現物、現場)を見ると、ほぼ相手がわかる

    ③取引先監査を成功させるポイント

    相手との関係性、取引額、監査のモチベーションなどが交錯する監査なので、実施するだけでも大きな成果です。成功させるポイントを解説します。

    1. 監査員の育成
    2. スムーズな監査
    3. 良好な関係を構築

    監査員の育成

    社内から監査員を数名選抜して、育成する必要があります。品質管理担当が主にやりますが、品質管理部門は組織内で独立した位置にあるので、販売側・購入側間の利害の程度が小さいです。他人事のように監査する可能性があります。

    購買品を直接扱う、営業や技術が監査して、直接ダメージを受けた相手を監査した方が、高いモチベーションで臨めるはずです。

    取引先監査は運営や質疑が難しいので、
    組織内の内部監査で十分経験を積んでから取引先監査員
    として育成するとよいです。
    組織内の多くの人に監査できる力をつけると、内部監査や取引先監査できる人が増えて、強い組織ができます。

    内部監査員を組織内でたくさん作る理由の1つに、取引先監査の実施があります。

    スムーズな監査

    互いの言い分や、攻防がありますが、心を開かないと、相手も心を開きません。

    監査の前の、よい空気を作ることが大切です。
    「いつもありがとうございます。」
    「今回は、こういう理由で、もっとよくしたいから、監査させていただきます。」
    「今後もっと良い関係にしたいので今日1日よろしくお願いいたします。」
    「自社は最近○○で、○○なんですよ」とか
    「共通の世間話でもいい」

    監査の質疑の合間にも、相手を配慮するような言い方とか、相手が得するような提案をすると、相手も自分ことをよく考えてくれているなとして、本音がポロっと言ってくれるかもしれません。

    相手の本音は、ツッコむのではなく
    互いの良好な関係維持につながる連結器ととらえておく

    記録に書かず、口頭で、こんなこと言っていましたよ。くらいの報告でよいでしょう。

    良好な関係を構築

    取引先監査の目的は、

    両者のWIN-WINな関係を強固にすること

    ●改善した方がベターなものははっきり伝えましょう。
    ●せっかく相手と話せる機会なので、相手の価値観や考え方を共有しましょう。
    ●相手の良い点は自組織に取り込んでもよいでしょう。

    良い印象がある相手なら、「がんばろう!」となるはずですし、その逆もあります。

    人 対 人 の監査なので、心が通う良い関係になった方が、得です。

    海外の場合は、性悪説がベースなので、契約や罰金で縛りますが、本来は心通う人同士のつながりなので、良い関係で悪い事はありません。

    以上、取引先監査の両者の関係を解説し、他の内部監査や外部審査よりレベルが高い監査であることがわかりました。

    まとめ

    取引先監査の監査する側・される側の関係をわかりやすく解説しました。

    • ①最もやりたくない監査
    • ②取引先監査当日の注意点
    • ③取引先監査を成功させるポイント

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