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  • 背理法がわかる(背理法は高校数学で最高級の証明方法)

    背理法がわかる(背理法は高校数学で最高級の証明方法)

    「背理法がよくわからない」、などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    02-06_背理法がわかる
    • ①背理法は高校数学で最高級の証明方法
    • ➁おさえるべき重要問題
    • ➂解法
    • ➃全問題の解説は問題集にあります
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    数と式は、基礎は簡単
    でも、発展は最難な領域

    高校数学で一番難しい単元は何?と聞かれて
    「数Ⅲの微積」という人は単に力がないだけ
    数学ができる人は、「数Aの数と式」と答える
    「数Ⅲの微積」は基礎は難しいが、その分応用・発展問題はないから、基礎ができたらすぐに入試問題が解ける!
    逆に「数Aの数と式」は基礎は簡単な分、いくらでも難しくできる!難関大学の論証問題はすべて「数Aの数と式」!
    2章の「数と式」は
    基礎をしっかりおさえつつ
    難関問題の入り口まで解説します。

    ①背理法は高校数学で最高級の証明方法

    背理法は京大レベル以上

    高校数学には、数学的帰納法、背理法、などいろいろな証明方法がありますが、

    圧倒的に背理法が難しい
    京大レベル以上を狙うには、背理法を自由自在に論じる力が必須
    京大以下は、単なる
    \(\sqrt{3}\)を無理数と証明する特殊な証明方法
    という解釈でいい

    背理法が私も受験生時代も使いこなせていなかったですね。
    むしろ機械的に処理できる数学的帰納法の方が圧倒的に簡単でしたね。

    背理法は何が難しいのか?

    では、背理法は何が難しいのか?を解説すると

    手法は1つ反例を示して矛盾を言えばいいが、
    反例の導き方は決まっていない
    自分で考えて論じていくのが高校生にはキツイ

    国語で反論する内容を数式で解いて、相手を説得させる難しさが背理法にはあります。

    背理法は1つ反論を導けばOK

    とはいえ、手法はシンプルで、

    手法は1つ反例を示して矛盾を言えばいい

    反論を論述するアプローチが難しい

    1つは過去問やパターンの問題を集めて、そこ範囲から出題される問いはしっかり回答できるようにしておく必要がありますが、

    単に解き方を覚えるより、矛盾する反例をどう論じるかを考え抜くことが大事です。でも、これが難しいし、予備校でも解き方は教わるけど、習得方法までは身につかない

    このような高級な論証方法が入っているから、
    「高1の数と式が、高校数学の中で一番難しいんですよ」

    そんな難しい背理法の大事な問題を解説します。

    ➁おさえるべき重要問題

    問1

    【問1】
    (1)\(\sqrt{5}\)が無理数であることを示せ。
    (2)\(\frac{1}{\sqrt{2}}-\frac{1}{\sqrt{3}}\)が無理数であることを示せ。
    ただし、\(\sqrt{3}\)が無理数であることは証明せず使ってよい。

    問2

    【問2】
    方程式\(2x^3-x-3\)=0は有理数の解がないことを示せ。

    ➂解法

    本ブログでは、【問1】,【問2】を解説!

    背理法を解くポイント

    ポイントは4つあります。

    1. 無理数を証明するパターンで背理法の流れを理解する
    2. 逆を仮定した場合に1つ矛盾する例を導き出す
    3. 矛盾を導き方は問題によるので、ここは経験しかない
    4. 京大以上の大学を目指さないなら、背理法は捨ててもいい

    上の4つを意識して解いてみましょう。

    問1の解法

    では、解いてみましょう。

    問(1)

    教科書に絶対ある問いですね。流れを理解しましょう。

    ①逆を仮定する

    \(\sqrt{5}\)が有理数と仮定し、
    \(\sqrt{5}\)=\(\frac{m}{n}\)
    (\(m,n\)は整数で互いに素)と置く。

    ➁①の仮定が矛盾する例を見つける
    (両辺)を2乗すると、
    5=\(\frac{m^2}{n^2}\)
    5\(n^2\)=\(m^2\)
    となる。

    \(n\)は整数なので、(左辺)は5の倍数になる。
    (右辺)も5の倍数が必要だから、\(m\)は5の倍数になる必要がある。

    \(m\)=5\(c\) ((\(c\)は整数)と置くと
    5\(n^2\)=\((5c)^2\)
    \(n^2\)=5\((c)^2\)
    となる。これを満たすには、
    \(n\)は5の倍数になる必要がある。

    となると、\(m,n\)が共に5の倍数になる必要があり、互いに素の条件に反する。

    よって、\(\sqrt{5}\)は無理数になる。

    とにかく、成り立たない理由を1つ
    無理矢理もっていっているのがわかりますね。
    これを高1の学生に教えるから、皆ピント来ないよね。
    推理小説にように、
    「こいつが犯人」と決めても、どうも矛盾する条件があるから
    「こいつは犯人じゃない」という流れと同じです。

    問(2)

    解き方は問(1)と同じです。どう反例を導くか? ここが難しい!

    ①逆を仮定する

    \(\frac{1}{\sqrt{2}}-\frac{1}{\sqrt{3}}\)が有理数と仮定し、
    \(\frac{1}{\sqrt{2}}-\frac{1}{\sqrt{3}}\)=\(r\)
    (\(r\)は有理数)と置く。

    ➁①の仮定が矛盾する例を見つける
    \(\frac{1}{\sqrt{2}}\)=\(r\)+\(\frac{1}{\sqrt{3}}\)と変形して

    (両辺)を2乗すると、
    \(\frac{1}{2}\)=\(r^2\)+\(\frac{2}{\sqrt{3}}r\)+\(\frac{1}{3}\)
    \(\frac{2}{\sqrt{3}}r\)=\(\frac{1}{6}\)-\(r^2\)
    \(\sqrt{3}\)=\(\frac{1-6r^2}{4r}\)

    ここで、 (右辺)は有理数であるが、(左辺)は無理数であるため、矛盾する。

    よって、\(\frac{1}{\sqrt{2}}-\frac{1}{\sqrt{3}}\)は無理数である。

    問2の解法

    同様に応用例を解きましょう。

    問(1)

    ①逆を仮定する

    方程式\(2x^3-x-3\)=0は有理数の解\(x\)=\(\frac{m}{n}\)
    (\(m,n\)は互いに素な整数)とおく。

    ここで、

    \(m,n\)互いに素な整数
    と3つ仮定を入れています。力技で矛盾する反例を見つけるためです。

    方程式\(2x^3-x-3\)=0は
    \(2(\frac{m}{n})^3-(\frac{m}{n})-3\)=0
    より、式を整理すると、
    2\(n^3\)=\(m^2(3m+n)\)

    ここで、\(m\)が偶数、\(n\)が奇数として
    ●\(m\)=\(2a+1\)
    ●\(n\)=\(2b\)
    (\(a,b\)とおく)
    とおくと

    (両辺)は
    16\((b)^3\)=\((2a+1)^2(2(3a+b)+1)\)
    となり、(左辺)は16の倍数であるが、(右辺)は奇数になり、
    (両辺)一致に矛盾する。

    よって、方程式\(2x^3-x-3\)=0は有理数の解がない

    いかがだったでしょうか。
    最初は背理法のパターン演習で慣れてから
    応用はとにかく矛盾する例を探す!
    矛盾するような仮定、条件、条件式を作って
    矛盾する反例を1つ見つけましょう。
    この論証が難しいですが、ビジネスにも活かせます!

    ➃全問題の解説は問題集にあります

    「第2章 数と式」で、大学受験も大学以降でも習得すべき、
    数と式の重要問題を解説しています。
    目次を紹介します。

    「第2章 数と式」の目次
    第2章 数と式

    02-01 恒等式
    02-02 因数分解
    02-03 整式の剰余
    02-04 整数の性質
    02-05 方程式の整数解
    02-06 背理法
    02-07 根号を含む計算
    02-08 指数と対数
    02-09 常用対数
    02-10 式の値
    02-11 不等式の証明・相加相乗平均

    問題集はメルカリでご購入いただけます。
    (現在問題集作成中。)

    問題集イメージ図(予定)

    是非、ブログを参考にいただき、ご購入よろしくお願いいたします。

    まとめ

    「02-06_背理法がわかる」を解説しました。

    • ①背理法は高校数学で最高級の証明方法
    • ➁おさえるべき重要問題
    • ➂解法
    • ➃全問題の解説は問題集にあります

  • p01-01_なぜ力F=maなのかがわかる

    p01-01_なぜ力F=maなのかがわかる

    「力F=maと最初に学ぶけど、なぜかがよくわからず、力学全体がよくわからない」、などと困っていませんか?

    こういう期待に答えます。

    本記事のテーマ

    p01-01_なぜ力F=maなのかがわかる
    • ①小中学では「力F」と「重さMは同じ」
    • ②高校から「力F」に馴染みのない「加速度a」が入るから難しくなる
    • ③力「F」は重さも加速度も影響するのは理解できる
    • ➃なぜ小中学では「力F」と「重さMは同じ」と習うのか?
    • ➄力F=mか、力F=maの混乱をはっきりさせる!

    高校物理はめっちゃ難しい!
    むしろ大学物理の方が簡単!
    と経験で感じています!

    最初に習う
    「F=ma」
    なんでmaなのか?
    自分で納得して説明できますか?
    最初に習う
    「F=ma」
    が消化不良だと力学はできません。
    意外とわかっていない人が多いはず。
    自分の言葉でわかりやすく解説します!
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    ①小中学では「力F」と「重さMは同じ」

    おもりの例題で確認

    さて、小学生でもわかる例題を用意しました。解いてみましょう。

    60kgの重りをひもで天井から吊り下げている。天井が引っ張っている力はいくらか?

    01-01p

    即答できますよね!

    60kg
    まさか
    60×9.8N
    と答える小中学生はめったにいないし、
    いたら変な奴と思われるはず

    つまり、

    「力F」と「重さMは同じ」
    と条件反射的に刷り込まれている!
    でも高校に入ると、
    「60kgじゃないよ!」
    「60×9.8N 」
    とF=maから来るが、
    馴染みがないからピンとこない
    最初に習う
    「F=ma」
    がピンとこないと
    物理の第一歩でつまづいているってこと

    「力F」と「重さMは同じ」は理解しやすい!

    力F」と「重さMは同じ」は理解しやすい!
    だれもおかしい!と思わない!
    天井に引っ張る力が60kgと違和感を感じながら回答し、
    F=maと習って、「やっぱりな!」と思えたら、
    皆F=maをすぐ理解できる!
    でも、そうじゃない!

    「力F」と「重さMは同じ」の方が理解しやすいですよね!

    ②高校から「力F」に馴染みのない「加速度a」が入るから難しくなる

    まず加速度に馴染みがない

    加速度って何?
    加速度系って何?
    加速度=速度/時間がピンとこない

    そりゃそうですよ! 中学まで出てこないんだから!

    自動車や電車の加速、ブレーキくらいだし、確かに速度が変化すると力を感じるよね!

    速度が上がると後ろ向きに力を感じるし、
    急ブレーキかけられると、前にぶつかるし
    それを「慣性の法則」とかいうよね! くらいですよ!

    法則だからと言って「F=ma」を鵜呑みさせる

    高校物理の教科書も先生も予備校講師も、当たり前のように、
    「F=ma」 ニュートンの第1法則
    と真顔で説明しますよね。物理の先生たちって、宇宙人なのか?と別世界の話をしているように思えてしまい、ほとんどの高校生がここで脱落して「生物」とろうと選択しますよね!

    公式を覚えた後、「何でか?」と考え直すと混乱する

    若いと、暗記もすぐできるんですが、数カ月経過して、改めて
    「F=ma」はなぜ?
    と問いかけると、自分で納得できる説明ができないので、パニックになるんですよね。

    問題集が解けないから、暗記に走ってしまい、それで大学受験合格しても、高校物理が消化不良となります。

    私QCプラネッツは工学物理系に入学したけど、高校物理はほとんどできなかったから、大学入学時不安でしたね。でも大学物理の方が簡単なんですよ。改めて高校物理って何だろうと今振り返り、皆が苦労するところを自分の言葉でわかりやすく解説して行きます!

    ③力「F」は重さも加速度も影響するのは理解できる

    力「F」は重さも加速度も影響するのは理解できる

    イメージはしやすいですよね!

    重いと大きな力が必要だし、
    すぐ速く移動させるには大きな力で引っ張る必要がある。
    だから、力は重さと加速度の積で表現できるはず

    なるほど!

    でも、まだ違和感が残っているんですよ!

    「F=ma」を知った上で、例題をもっかい解くと違和感がある

    例題を再掲しますね。

    60kgの重りをひもで天井から吊り下げている。天井が引っ張っている力はいくらか?

    01-01p

    即答できますよね!

    60kg?
    60×9.8N
    あれ?どっちだろう?

    こういう違和感が、忘れた頃にふとやってきて、悩み始めます。

    答えのページを見ると
    60×9.8N
    でも、何で60kgとした小中学の方が正解じゃないんだろう。。。

    この違和感は何? と深みにはまっていきます。
     すいません、この記事を書く2日前まで、私もやもやしてました。40代になってもわかっていないんですよ! 

    高校物理の最初に習う
    F=mじゃなくて、F=ma
    の違和感をばっちり解消させます!

    では、種明かしをします!

    ➃なぜ小中学では「力F」と「重さMは同じ」と習うのか?

    「力F」と「重さMは同じ」と習う理由

    この理由は、

    「静止系」で「加速度g共通」だから、加速度は省けるから

    上の例題をわかりやすい図に書き換えます。

    01-01p2

    天井に引張るをおもりMでおもりmを引っ張ると考えます。

    おもりmとMが釣り合う、つまり「静止」するには、
    F=maを使うと
    Mg=mg
    よく見ると、(両辺)同じ加速度gがあるから、
    M=m
    と最初から重さだけでつり合い式を作っても良いとなる!
    「力F」と「重さMは同じ」の方が子供には理解しやすく、馴染み深い

    世の中は「静止系」も「運動系」の両方がある。

    一方、高校物理は、いきなり、
    F=ma
    から入るのは、ちゃんと理由があります。

    高校物理は「静止系」もその反対の「運動系」も扱うから、両方の世界で使える式F=maを習う。

    つまり、さっきの例題で表現すると

    静止しない場合は、力の差分が加速する力の原動力となっている!

    01-01p3

    たしかに、上の図のように静止していない場合、
    おもりmの方が重いから、mの方が落下していきますよね。

    静止しない場合は、どうやって式で表現する?重さだけでは表現できない。なぜなら、加速する度合いも考える必要があるから

    こうなると、確かに、F=maが必要で、
    F=ma=mg-Mg=(m-M)g
    という式が正しいですよね。

    F=m-Mとおもりの重さの差が力としていいけど、
    加速度はmとMの差とおもりmの大きさによって変わる!これも式に入れたい!
    となれば、F=maの方が使いたい式になる!
    なるほど、

    じゃ、もっかい例題を再再掲しますね。それでも60kgかな?

    60kgの重りをひもで天井から吊り下げている。天井が引っ張っている力はいくらか?

    01-01p

    ➄力F=mか、力F=maの混乱をはっきりさせる!

    ここまで読めば、頭の中で整理できますね。皆が混乱するポイントをわかりやすく解決させます!

    静止系
    釣り合っている
    動作系
    釣り合っていない
    ケース 特殊なケースと考える 一般的なケースと考える
    力Fの式は F=ma
    F=mg-Mg=0
    F=maから考える!
    F=ma
    =mg-Mg ≠ 0
    F=maから考える!
    式の整理をすると mg=Mg
    両辺をgで割って
    m=M
    (重さだけの式)
    ma=mg-Mg
    (重さも加速度も必要)
    加速度の省略できる? できる
    「力」=「重さ」
    と端折ってよい
    できない
    力F=ma
    で考える必要あり
    いつ学校で学ぶ? 小中学から
    馴染みあり
    高校で初めて習うから
    馴染みがない
    理解しやすい? 理解しやすい 理解しにくい

    ポイントは、

    1. 力Fは重さmと加速度aの積である
    2. 特殊な静止系の場合は加速度gで割れるので重さだけ考えてもよい
    3. 静止しない一般的な場合はF=maで考えるべき

    確かに、小中学の場合は、力が釣り合うのが前提でその場合の力と呼んでる重さを計算しているに過ぎないんですよね。これを力と重さを混同させた原因でもあり、混同した方が理解しやすいものF=maがわかりにくくしている原因でもあります。

    たかがF=ma
    でもちゃんと解説すると記事になるくらいだから
    ちゃんとF=maの理由を考えるって大事だし、
    皆意外と理解していないのよね。

    F=maの理由とF=mと混同する理由がばっちり理解できました!

    どうしても大学入試で点数取るのが目的化しがち。
    でもそうじゃない!
    物理は「物の理屈」
    自分や相手が「なるほど!」と理解・感動するまで、簡単な式でも考え抜くこと!

    まとめ

    「p01-01_なぜ力F=maなのかがわかる」を解説しました。

    • ①小中学では「力F」と「重さMは同じ」
    • ②高校から「力F」に馴染みのない「加速度a」が入るから難しくなる
    • ③力「F」は重さも加速度も影響するのは理解できる
    • ➃なぜ小中学では「力F」と「重さMは同じ」と習うのか?
    • ➄力F=mか、力F=maの混乱をはっきりさせる!

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