ISO9001 2015 7_4 コミュニケーションがわかる
「コミュニケーションすれば、本当に品質向上につながるの?」、と困っていませんか?
こういう疑問に答えます。
本記事のテーマ
- ①ISO9001要求事項、JISハンドブックISO9001の解説
- ②コミュニケーションって何をしたらいいの?
- ③品質トラブルの原因の多くがコミュニケーション
- ④コロナ禍でのコミュニケーションの工夫
- ⑤コミュニケーションさせる状況を作っているか?
でも、そんなんでいいの? コミュニケーションは何をすれば品質向上につながるの?
半分正解で、半分不足しているので解説します。
①ISO9001要求事項、JISハンドブックISO9001の解説
ISO9001要求事項
組織は,次の事項を含む,品質マネジメントシステムに関連する内部及び外部のコミュニケーションを決定しなければならない。
a) コミュニケーションの内容
b) コミュニケーションの実施時期
c) コミュニケーションの対象者
d) コミュニケーションの方法
e) コミュニケーションを行う人
シンプルだからわかりやすい?
JISハンドブックの解説
次のように規定されています。
- JIS Q9001品質マネジメントシステム-要求事項
- JIS Q9002 品質マネジメントシステム-JIS Q 9001の適用に関する指針
それぞれを読んだ印象をまとめます。
JIS | 名称 | 単元 | 感想 |
JIS Q9001 | 品質マネジメントシステム -要求事項 |
7_4_コミュニケーション | ISO9001 2015 7.4 と同じ内容 |
JIS Q9002 | 品質マネジメントシステム -JIS Q 9001の適用に関する指針 |
7_4_コミュニケーション | より詳細な説明 |
ちょっとわかりにくいので、わかりやすく解説していきます。
②コミュニケーションって何をしたらいいの?
コミュニケーションとは?
なので、
- 言葉で正しく相手に伝えること
- 相手に伝えられる文書であること
が重要で、相手に要求事項や仕様が正しく伝わらないと、品質悪化につながります。
コミュニケーションには、相手によって2種類分けます。
●内部コミュニケーション⇒社内、組織内
●外部コミュニケーション⇒社外、顧客
それぞれ見ていきましょう。
内部コミュニケーション
普段の業務においては次の3点に注意しましょう。よく連絡取りあう仲である分、関係が悪いと嫌ですよね。
- 話しかけやすい人になること
- 定期会議、朝昼例の運営と記録
- リモートワークでの、素早い反応
●話しかけやすい人になること
⇒基本ですね。けど、話が長く、自分のことばかり話す人もいるので、適度に「話しかけるオーラ」も必要です。友達の関係ではないからです。
●定期会議、朝昼例の運営と記録
⇒報連相の基本です。社内の記録をいちいち書くのは面倒ですが、外部コミュニケーションで対外への文書を作るための訓練として役立てるといいですね。
●リモートワークでの、素早い反応
⇒チャット、電話など、来たらすぐに反応しましょう。相手が見えないため、余計な不安や疑心を持ち、関係性が悪化します。
外部コミュニケーション
対取引先なので、次の3つがあります。
- 対面での対話
- 電話
- メール、仕様書、請求書、打合せ記録などの文書
●対話、電話
⇒人間の基本行動ですが、一番難しいし、あとで品質トラブルにもつながりやすいです。あいまいなやりとり、相手に対する思い込むなど、特に対外業務が慣れた人がやりがちです。
●文書
⇒面倒ですが、精度高く相手に伝える・確認するために、文書を作成し維持保持しておくとよいです。トラブったときのエビデンスになり、自分も相手も守ることにつながります。
③品質トラブルの原因の多くがコミュニケーション
なぜコミュニケーションが品質トラブルの主原因か?
それは、
●最初の工程である、仕様では、
・顧客と打合せで仕様を詰めていく
・仕様が電話・メールなどで頻繁に変わっていく
・仕様を決めるときは簡単に内容が変わっていく
しかし、下流工程になると製造が始まり
・簡単に仕様変更ができない
・仕様の完成度が悪いとできばえも悪い
・出来が悪いと、相手と「言った、言わない」でもめる
と、営業担当が電話でよく「ぎゃーぎゃー」やるシーンをよく見ますよね。
では、高品質につながるために、どんなコミュニケーションをすればよいのでしょうか?
コミュニケーションの上手な方法って、意外と教えてもらえず、先輩の背中を見て育つことが多いですよね。
コミュニケーションで品質を作りこむ
次の3点を提示します。面倒ですが、最初が肝心です。
- 電話で決めたことは内容確認書を作ってメールで送る
- 5W1Hと主語述語をはっきり書く
- 誰が書いても同じ結果になる文書のフォーマットに注意する
そうなんです!
営業の基本が高い品質を作りこむため、
ISO9001のコミュニケーションは営業の基本です。
電話で決めたことは内容確認書を作ってメールで送る
電話で、QCDに関わるやりとりをした場合は、記録を残して共有した方が、後々リスクが下がります。そして、誰が仕様面の注意に気が付くと、下流工程でのやり直しリスクも下がります。
5W1Hと主語述語をはっきり書く
相手に対して、はっきり書くのは躊躇しがちですが、あえてはっきり伝えましょう。
「誰が、何を、どこに、いつまでに、どのようにやるか?」をはっきり書くと相手も助かるはずです。
「言った、言わない」の喧嘩が無くなり、「どう解決するか」を相手と詰めることがすぐできます。
誰が書いても同じ結果になる文書のフォーマットに注意する
何でも書けそうな文書枠、記入欄にしないことです。品質監査でもよくチェックします。機械的に記入できるほど、具体的な業務・作業内容が書けるように、文書を作りこむと良いです。
④コロナ禍でのコミュニケーションの工夫
コロナ禍でコミュニケーションが難しくなりました。どんな工夫をするかがポイントです。品質監査でもここのポイントを高く評価する流行りがあります。
ちょっと考えてみましょう。
いくつか例を挙げます。
●対面打合せができなくなったが、客先への移動は不要な分、社内関係者を普段よりたくさんリモート打合せに呼び、情報共有を強化した。
●電子ツールやアプリを導入して、報連相を1対1から1対Nに変えた。現場の状況が瞬時に職場の関係者に伝わり、全員ですぐ協議できるメリットがある。
●仕様を今まで口頭で決めていたが、DXの波にのって、プラットフォームを使って仕様を詰める方法に切り替えた。営業の経験によらず、プラットフォームからヌケモレを自動チェックするので、仕様品質が一気に向上した。
監査でもらった回答事例の一部です。
意外とPCやプログラミングが苦手そうな人からこういう回答をもらうので、いざとなったら、何でも対応できるじゃん!と対応力の高さを改めて理解できました。
知恵を出しあい、変革するのもコミュニケーションです。
⑤コミュニケーションさせる状況を作っているか?
コミュニケーションしないとできない状況にうまく追い込んでいけているか?
が大事!
わかりきった業務なら、会話は不要で、むしろ黙って淡々と仕上げたらいいです。
- 初めての業務をさせて、成長させる状況を作っているか?
- しゃべったことがない人・部門・パートナーのところに行って、コミュニケーションをとれる状況になっているか?
- 初めての状況で不安や緊張させる状況が作れているか?
コミュニケーションは、相手との相互作用や価値創造を促すものであるため、
廊下でペチャクチャ同僚と話ししたり、
惰性の会議をやり続けることではありません。
報連相や日頃の会話も大事ですが、
コミュニケーションせざるを得ない状況を組織が各担当に上手に追い込むことも必要です。
新たな業務や配置転換、標準化など定期的に半強制的に実施すると、汗をかいてしゃべったことがない相手とコミュニケーションが進みます。
その回数が多いほど、人脈もでき、多くの人からの知恵がもらえる恩恵があり、組織が強くなっていきます!
コミュニケーションの最大の敵!
コミュニケーションだけに、口だけではなく行動で実施していきましょう!
まとめ
ISO9001 2015 7_4_コミュニケーションがわかる をわかりやすく解説しました。
- ①ISO9001要求事項、JISハンドブックISO9001の解説
- ②コミュニケーションって何をしたらいいの?
- ③品質トラブルの原因の多くがコミュニケーション
- ④コロナ禍でのコミュニケーションの工夫
- ⑤コミュニケーションさせる状況を作っているか?
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