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【初心者必見!】二項分布の期待値と分散が解ける(高校数学で解ける!)

基本統計量

「二項分布の期待値と分散が解けない」などと困っていませんか?

こういう疑問に答えます。

本記事のテーマ

【初心者必見!】二項分布の期待値と分散が解ける(高校数学で解ける!)

おさえておきたいポイント

  • ①二項分布の式がマスターできる!
  • ➁二項分布の期待値・分散の導出(その1)
  • ➂二項分布の期待値・分散の導出(その2)
二項分布、二項定理は
抜取検査の主役でもあるので、
しっかりマスターしたい!
でも式が複雑で
期待値、分散の導出は難しい!
何度も見て、解けるようになりましょう!

二項分布に慣れる良問を持ってきましたので、一緒に解きながら慣れていきましょう!

①二項分布の式がマスターできる!

二項定理を理解する

まず、 \((p+q)^n\)を展開すると、
\((p+q)^n\)=\(p^n\)+…+\(q^n\)となりますね。

これをまとめると

\((p+q)^n\)=\(\sum_{r=0}^{n} {}_n C_r p^r q^{n-r}\)
となります。これが二項定理ですね。
特に、\(p+q=1\)の場合、
●\(\sum_{r=0}^{n} {}_n C_r p^r q^{n-r}\)=\((p+q)^n\)=1
となるし、\(p+q=2\)の場合、
●\(\sum_{r=0}^{n} {}_n C_r p^r q^{n-r}\)=\((p+q)^n\)=\(2^n\)
となりますね。これも高校数学でよく出題されたはずです。

今回は、

特に、\(p+q=1\)の場合、つまり、\(q=1^p\)の場合
●\(\sum_{r=0}^{n} {}_n C_r p^r q^{n-r}\)=\((p+q)^n\)=1
を使うのが二項分布です!

二項分布の式の構造を理解する

\(\sum_{r=0}^{n} {}_n C_r p^r q^{n-r}\)
の形が複雑すぎる!

大丈夫です。構造体として式を理解すればOK。式の構造をいじらずに式変形するのが二項分布の式を扱うポイントです。

二項定理
固定と有るところは変えず、それ以外の値を計算する

二項分布の式の基本形を維持して式変形する

例を挙げます。

【例題】
●\(\sum_{r=0}^{n} {}_n C_r p^r q^{n-r}\)=\((p+q)^n\)=1
とする場合、
●\(\sum_{r=0}^{n} r {}_{n-1} C_{r-1} p^r q^{n-r}\)
はいくらか?

解いてみましょう。基本を変えないので、
\(\sum_{r=0}^{n} {}_n C_r p^r q^{n-r}\)
の式に持って行きます。

ところで、
\( {}_n C_r\)=\(\frac{n!}{r!(n-r)!}\)です。この式も重要です!
なので、
●\({}_{n-1} C_{r-1}\)=\(\frac{(n-1)!}{(r-1)!(n-r)!}\)と機械的に公式代入すると、
\(\frac{(n-1)!}{(r-1)!(n-r)!}\)= \(\frac{r}{n}\)× \(\frac{n!}{r!(n-r)!}\)
= \(\frac{r}{n}\)× \( {}_n C_r\)
となるので、

問いの式は
●\(\sum_{r=0}^{n} r {}_{n-1} C_{r-1} p^r q^{n-r}\)
=\(\sum_{r=0}^{n} r \frac{1}{n} {}_n C_r p^r q^{n-r}\)
=\(\frac{1}{n} \)×\(\sum_{r=0}^{n} {}_n C_r p^r q^{n-r}\)
=\(\frac{1}{n} \)×1
=\(\frac{1}{n} \)
と計算できます。

二項分布の式の基本形を維持して式変形することが大事です。

では、この式変形を活用して、二項分布の期待値npと分散np(1-p)を2通りの解法で解いてみましょう。

➁二項分布の期待値・分散の導出(その1)

問題

【問1】
確率変数Xが二項分布に従い、P(X=\(i\))=\( {}_n C_r p^r q^{n-r}\) (ただし、\(p+q=1\))に従うとき、期待値E(X)=\(np\)、分散V(X)=\(np(1-p)\)を以下のやり方で導出したい。
(1) \(i {}_n C_i \)=\(n {}_{n-1} C_{i-1} \) (\(i\) ≥1)を示し、E(X)=\(np\)を導出せよ。
(2) \(i (i-1) {}_n C_i \)=\(n(n-1) {}_{n-2} C_{i-2} \) (\(i\) ≥2)を示し、V(X)=\(npq\)を導出せよ。

期待値

(1)を解きます。

●\(i {}_n C_i \)=\(i \frac{n!}{i!(n-i)!}\)= \(\frac{n!}{(i-1)!(n-i)!}\)
= \(n \frac{(n-1)!}{(i-1)!(n-i)!}\)= \(n {}_{n-1} C_{i-1} \)
となります。

●期待値E(X)は
E(X)= \(\sum_{i=1}^{n} \) \(i\)\({}_n C_i p^i q^{n-i}\)
(E(X)なので、\(i\)を掛け算する必要がありますね。)

=\(\sum_{i=1}^{n} \) \(i\)\({}_n C_i p^i q^{n-i}\)
=\(\sum_{i=1}^{n} n {}_{n-1} C_{i-1} p^i q^{n-i}\)
=\(np\)\(\sum_{i=1}^{n} {}_{n-1} C_{i-1} p^{n-1} q^{(n-1)-(i-1)}\)

二項定理から
\(\sum_{i=1}^{n} {}_{n-1} C_{i-1} p^{n-1} q^{(n-1)-(i-1)}\)=1
なので、
=\(np\)

よって、
E(X)= \(np\)
となります。

二項定理の式変形、少し慣れたでしょうか?

分散

(2)を解きます。

●\(i(i-1) {}_n C_i \)=\(i(i-1) \frac{n!}{i!(n-i)!}\)= \(n(n-1)\frac{(n-2)!}{(i-2)!(n-i)!}\)
= \(n(n-1) {}_{n-2} C_{i-2} \)
となります。

まず、曲者であるE(X2)を計算します。
E(X2)= \(\sum_{i=0}^{n} \) \(i^2\)\({}_n C_i p^i q^{n-i}\)
(E(X2)なので、\(i^2\)を掛け算する必要がありますね。)

=\(\sum_{i=0}^{n} \) \(i^2\)\({}_n C_i p^i q^{n-i}\)
で、ここであえて、\(i^2=i(i-1)+i\)と分解します。ここはテクニックです。

=\(\sum_{i=1}^{n} i(i-1) {}_n C_i p^i q^{n-i}\)+\(\sum_{i=0}^{n} i {}_n C_i p^i q^{n-i}\)
=\(n(n-1)p^2 \sum_{i=2}^{n} {}_{n-2} C_{i-2} p^{i-2} q^{n-i}\)+\(np \sum_{i=1}^{n} {}_{n-1} C_{i-1} p^{i-1} q^{n-i}\)
と二項定理の式の構造体を作る事ができます。

よって、
E(X2)=\(n(n-1)p^2+np\)
となります。

よって、分散V(X)は
V(X)= E(X2)-E(X) =\(n(n-1)p^2+np-(np)^2\)
=\(np(1-p)\)

➂二項分布の期待値・分散の導出(その2)

問題

【問2】
確率変数Xが二項分布に従い、P(X=\(i\))=\( {}_n C_r p^r q^{n-r}\) (ただし、\(p+q=1\))に従うとき、期待値E(X)=\(np\)、分散V(X)=\(np(1-p)\)を以下のやり方で導出したい。
\(f(x)=(px+q)^n\)を使って、\(f^{‘}(x)\),\(f^{‘‘}(x)\)を導出して、E(X),V(X)を導出せよ。

期待値

(1)を解きます。

\(f(x)\)= \(\sum_{i=0}^{n} {}_n C_i (px)^i q^{n-i}\)として微分すると、
\(f^{‘}(x)\)=\(np(px+q)^{n-1}\)=\(\sum_{i=0}^{n} i {}_n C_i p^i x^{i-1} q^{n-i}\)
となるので、
\(f^{‘}(1)\)= \(\sum_{i=0}^{n} i {}_n C_i p^i 1^{i-1} q^{n-i}\)
=\(\sum_{i=0}^{n} i {}_n C_i p^i q^{n-i}\)
がまさに、 E(X)であり、
\(f^{‘}(1)\)=\(np(p×1+q)^{n-1}\)=\(np(p+q)\)=\(np\) (\(p+q=1\)となります。
あっさり解けましたね。

分散

(2)を解きます。

さらに微分して、
\(f^{‘‘}(x) \)=\(n(n-1)p^2 (px+q)^{n-2}\)= \(\sum_{i=0}^{n} i(i-1) {}_n C_i p^i x^{i-2} q^{n-i}\)
\(f^{‘‘}(1) \)=\(n(n-1)p^2\)=\(\sum_{i=0}^{n} i(i-1) {}_n C_i p^i q^{n-i}\)は前問の計算経過からもよく見ると、

\(f^{‘‘}(1) \)+\(np\)=E(X2)となるので、
V(X)= E(X2)-E(X) =\(n(n-1)p^2+np-(np)^2\)
=\(np(1-p)\)

となります。2通りの解法で解けるので面白いですね!

以上、
①二項定理の式に慣れる
➁二項定理の式の構造体を活用して期待値、分散を計算する
をわかりやすく解説しました。

まとめ

「【初心者必見!】二項分布の期待値と分散が解ける(高校数学で解ける!)」を解説しました。

  • ①二項分布の式がマスターできる!
  • ➁二項分布の期待値・分散の導出(その1)
  • ➂二項分布の期待値・分散の導出(その2)


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