【初心者必見!】正規分布の概形、近似式、定積分が解ける!(高校数学で解ける!)
「正規分布がいまいちよくわからない」などと困っていませんか?
こういう疑問に答えます。
本記事のテーマ
おさえておきたいポイント
- ①正規分布の概形を描いてみよう!(高3レベル)
- ➁正規分布に近いグラフを描いてみよう!(高3レベル)
- ➂正規分布の積分の近似値を解いてみよう!(高2レベル)
式が難しいし、
正規分布表が何であるのかわからない
など、最初悩みますよね!
高校数学の微分積分を使って
実際にグラフを描いて、面積を求めてみましょう!
圧倒される必要はありません。
自分の解けるテリトリーに持って行きましょう。
正規分布に慣れる良問を持ってきましたので、一緒に解きながら慣れていきましょう!
①正規分布の概形を描いてみよう!(高3レベル)
例題
(1) 極値と変曲点の座標を求めよ。
(2) \(y=f(x)\)を描け
理系の高校数学の定期試験問題レベルです。ここは、しっかり解けるようにしましょう。
問(1)の回答
微分します。
●\(f’(x)\)=\(-x e^{-\frac{x^2}{2}}\)
●\(f’’(x)\)=\((-1+x^2 e^{-\frac{x^2}{2}}\)
ここで、極値と変曲点を考えます。
●\(f’(x)\)=0のときは、\(x\)=0 で、
●\(f’’(x)\)=0のときは、\(x\)=±1 なので、
増減表ができますね。
増減表をもとに、概形を描くと下図になります。
高校数学では、あまり\(e^{-\frac{x^2}{2}}\)の式が出ませんが、特に気にせず、普通に微分積分すれば解けます!
➁正規分布に近いグラフを描いてみよう!(高3レベル)
正規分布の式になぜ正規分布表があるのか?
統計学やQCを勉強すると、必ず、正規分布表の読み方などを勉強しますが、
何で、あんな表があるかわかりますか? この疑問を持つことの方が表の読み方の勉強より大事です!
\(e^{-\frac{x^2}{2}}\)
は積分できない(不定積分が作れない)
\(e^{-\frac{x^2}{2}}\)
の積分値は近似値で与えているのが現状
\( \displaystyle \int_{-∞}^{∞}e^{-\frac{x^2}{2}}dx \)は計算できる!
不定積分が計算できないのに、なぜか定積分は計算できる
変な式です。だから、理解が難しい!
次の例題に行きましょう。
例題
(1) \(f(x)\)=\(1-\frac{x^2}{2}+\frac{x^4}{8}\)と近似できることを示せ。
(2) 正規分布から\( \displaystyle \int_{0}^{1} \frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-\frac{x^2}{2}}dx \)を求め、
手計算から\( \displaystyle \int_{0}^{1}\frac{1}{\sqrt{2π}}(1-\frac{x^2}{2}+\frac{x^4}{8})dx \)の結果と比較せよ。
問(1)の回答
テイラー展開は教科書どおりで、\(x=0\)のまわりで、テイラー展開すると
\(f(x)\)=\(f(0)\)+\(\frac{f^{(1)}(0)}{1!} x^1\)+\(\frac{f^{(2)}(0)}{2!} x^2\)+\(\frac{f^{(3)}(0)}{3!} x^3\)+\(\frac{f^{(4)}(0)}{4!} x^4\)+…
どんどん微分しましょう。この微分は良い練習です。是非計算しましょう!
●\( f^{(1)}(x)\)=\(-x e^{-\frac{x^2}{2}}\)
●\( f^{(2)}(x)\)=\((-1+x^2) e^{-\frac{x^2}{2}}\)
●\( f^{(3)}(x)\)=\((-x^3+3x) e^{-\frac{x^2}{2}}\)
●\( f^{(4)}(x)\)=\((x^4-6x^2+3) e^{-\frac{x^2}{2}}\)
より、\(x=0\)を代入して、\(f(x)\)の近似式を計算すると、
●\( f^{(1)}(0)\)=0
●\( f^{(2)}(0)\)=-1
●\( f^{(3)}(0)\)=0
●\( f^{(4)}(0)\)=3
となるので、
近似式の概形と正規分布の概形を描いてみる
近似式は4次関数で高2レベルですね。Excelでグラフを描いてみましょう。
確かに、\(x=0\)付近は2つのグラフは重なっていますね。近似値からでも正規分布の定積分は精度よく求められそうですね。
➂正規分布の積分の近似値を解いてみよう!(高2レベル)
問(2)を再掲
(2) 正規分布から\( \displaystyle \int_{0}^{1}\frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-\frac{x^2}{2}}dx \)を求め、
手計算から\( \displaystyle \int_{0}^{1}\frac{1}{\sqrt{2π}}(1-\frac{x^2}{2}+\frac{x^4}{8})dx \)の結果と比較せよ。
では、2つの関数の積分を解いてみましょう。
正規分布表から確認
正規分布表から値を読みます。正規分布表の読み方は大丈夫でしょうか?一応解説します。
Kp | *=0 | *=1 | ・・・ | *=9 |
0.0* | 0.5 | 0.496 | ・・・ | ・・・ |
・・・ | ・・・ | ・・・ | ・・・ | ・・・ |
1.0* | 0.1587 | 0.1562 | ・・・ | ・・・ |
1.1* | 0.1357 | ・・・ | ・・・ | ・・・ |
・・・ | ・・・ | ・・・ | ・・・ | ・・・ |
上表のマーカ部でKp=1.00の値「0.1587」を見ますが、
これは、\( \displaystyle \int_{1}^{∞}\frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-\frac{x^2}{2}}dx \)の値なので、
0.5-0.1587=0.3413が、求めたい積分値\( \displaystyle \int_{0}^{1}\frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-\frac{x^2}{2}}dx \)です。
何を言っているかわからない場合は、正規分布の基礎を復習しましょう。関連記事を紹介します。
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近似式の定積分
\( \displaystyle \int_{0}^{1}\frac{1}{\sqrt{2π}}(1-\frac{x^2}{2}+\frac{x^4}{8})dx \)を計算します。高2レベルです。
\( \displaystyle \int_{0}^{1}\frac{1}{\sqrt{2π}}(1-\frac{x^2}{2}+\frac{x^4}{8})dx \)
=\(\frac{1}{\sqrt{2π}} \frac{103}{120}\)=0.3425
となります。この計算もやってみてください。
積分値の比較
●正規分布の場合は、0.3413
●近似式の場合は、0.3425
とほぼ一致していますね。差は0.4%!
グラフ見れば、x=0~1の区間は2つのグラフのyの値はほぼ一致していますね。
①微分を計算してわかる正規分布の概形
➁正規分布の概形近似式の作り方
➂定積分の値の比較
を解説しました! 正規分布にだいぶ慣れたはずです!
まとめ
「【初心者必見!】正規分布の概形、近似式、定積分が解ける!(高校数学で解ける!)」を解説しました。
- ①正規分布の概形を描いてみよう!(高3レベル)
- ➁正規分布に近いグラフを描いてみよう!(高3レベル)
- ➂正規分布の積分の近似値を解いてみよう!(高2レベル)
Warning: count(): Parameter must be an array or an object that implements Countable in /home/qcplanets/qcplanets.com/public_html/wp-content/themes/m_theme/sns.php on line 119