「日本らしさ」、「日本人らしさ」を正しく学ぼう!(古事記、日本書記を読もう!)

本記事のテーマ

「日本らしさ」、「日本人らしさ」を正しく学ぼう!(古事記、日本書記を読もう!)

おさえておきたいポイント

  • ①【はじめに】「日本史のなぜ?」を考えて見えたもの
  • ➁海外では絶対起こらなかった日本らしい歴史事実
  • ➂日本らしい歴史事実から見えるもの
  • ④今こそ、「古事記」、「日本書紀」を読もう
  • ⑤注意! 国史をしっかり学んだ大日本帝国は軍国主義に走ってしまった
  • ⑥「日本らしさ」、「日本人らしさ」を正しく知ろう!
  • ⑦実は、日本人は全員「遠い親戚」
学校や試験対策の社会では、
真相はわからない!
自分で調べて考え抜く
本当の社会科を勉強しよう!

①【はじめに】「日本史のなぜ?」を考えて見えたもの

歴史は暗記でなく考えるもの

社会科はまず暗記して得意・好きになることが大事ですが、大人になった今は、その事実がなぜ起きたのか?を考えることが大事と思います。それが本当の社会科の学習なのでしょう。

社会のなぜ?の根幹は自分の中にある

QCプラネッツは社会科の記事をわかりやすく解説していますが、各事件・出来事の背景や結末を分析すると、共通して1つの疑問点に行き着きます。

私たち、日本とは何か?
私たち、日本人とは何か?

私たちが住む場所で、先祖たちの行動が歴史ですが、その背景はやはり私たちと同じ価値観が考え、習慣・風習などがあります。

そのベースとは何か?
がわからないから
何となく出来事が過ぎていき、既成事実を暗記して終わっている。

何となく生きていればいいですが、何となく息苦しさや悩みを抱えていませんか?
だから、私たちが置かれている環境とは何かを考えたくなります。

その環境は、今すぐできたものではなく、長い長い年月かけて培われたものです。その根本、源流を見て、私たちについて再認識しましょう。それが歴史を考える大事なポイントです。

➁海外では絶対起こらなかった日本らしい歴史事実

主に5つの事例を挙げます。よく考えると、他地域ではありえないことが日本に起きたことがわかります。再確認しましょう。

  1. 日本は2600年間(GHQ占領7年は除く)独立国家として続いている。
    現存する世界一古い国なのが日本である。外敵による攻撃が少ない地理的環境もあるが、内乱・内戦が他地域と比べて非常に少ない平和な国家を継続できたのも事実である。
    →なぜそうできたのか?
  2. 武家社会が鎌倉幕府から江戸幕府の700年間続いたが、なぜか朝廷や天皇は京に居続けることができた。本来、国家の支配者となった征夷大将軍にとって、国家のシンボルという天皇は自分を脅かす脅威と考えるのが常である。しかし、実際は真逆で天皇が征夷大将軍を任命した。
    →武力で勝ち取った大王はなぜ天皇から任命を受ける形をとったのか?
  3. 鎌倉時代、源氏滅亡後、北条氏が100年以上執権として政治を独占した。しかし、よく考えたら北条氏こそ国家の独裁者として君臨できたはずであり、承久の乱を起こした後鳥羽上皇を処刑してもよかったはず。しかし、実際後鳥羽上皇は流刑とし、執権中も朝廷から将軍を迎え入れていた。
    →北条氏が国家支配できたはずであるが、あくまで執権を貫いたのはなぜか?
  4. 幕末、列強の圧力がかかり国家の滅亡の危機に瀕した。本来なら、列強の思惑に乗り、国内内戦・内乱が起こり、その間に植民地支配される罠に引っかかるはずであった。アジア地域はこの手で列強の支配下に入ってしまった。しかし、日本はそうならず、列強の罠と気づき、将軍徳川慶喜が政権を朝廷にあっさり返上し、王政復古の大号令により明治政府が誕生し、その後列強と肩を並ぶほど強い国家となっていった。
    →列強の罠に引っかからず、国内で一致団結し強い国家を目指そうとなったのは日本だけである。なぜ、これができたのか?
  5. 太平洋戦争終了後、敵国アメリカからして天皇は日本の支配者であり、最も厳しい処罰を与え、日本を骨抜きしようと考えていた。しかし、昭和天皇とマッカーサーの会談後、GHQは当初と真逆の施策をとる。それは、天皇制を継続、戦争責任回避、日本国憲法において、日本の象徴とした。
    →本来敵国のトップは、戦勝国に抹殺されるのが歴史の常である。しかし、そうならなかった。それはなぜか?
以上の5つを例にしても、世界の歴史を見ても、他地域では起こりえないことが日本の歴史で起きていたことがわかります。
改めて、それはなぜなのでしょうか?
こういう問いを入試問題としてほしいですが、
入試問題は検定教科書の中の範囲でしか扱えない弱さがあります。

だから、各自考えるべき良問といえます。本記事で解説します。

➂日本らしい歴史事実から見えるもの

上の問いを考えてみましょう。

  1. 地理的理由で外敵脅威が少なく、山岳による地域分断が地域ごとの自治が可能、豊かな自然による十分な食料供給など、争いが起きにくい理由がたくさんあることは確かであるが、【国内の人々をうまくまとめる相互作用が働いていたのではないか?】
  2. 武家社会とはいえ、天皇に任命されなければ征夷大将軍として武士は将軍を認めなかったのは事実である。では、天皇とはどういう存在なのか?「エンペラー」とする権力をもつ独裁者や皇帝ではない。「天皇は最高権威」とされるが、天皇の位置、最高権威とは何か?なぜ、権威があるのか?
  3. 北条氏が国家を支配できる環境に居ながら、執権にこだわったのは、逆にいえば、支配者になったとたん、北条氏を排除する動きが国内に起こることを避けるためであったと考えられる。日本以外の他地域では当たり前である、力による支配者が日本ではなぜ生まれないのか?
  4. 260年も続いた独裁徳川幕府があっさり朝廷に政権を返すことは普通ありえない。泥沼になっても利権にしがみつくのが常ではないか?国家の危機こそ、天皇を中心とする王政復古に戻ろうと日本人が一致団結できたのはなぜだろうか? 700年以上も天皇・朝廷による政治運営がない状態でもそれができたのは日本人の中にある当たり前なことが行動として動いたからではないか?
  5. 憎き日本のトップを保持するのも本来おかしい。しかし、天皇を処刑し、天皇制を外部から排除したら日本がどうなるのか?という恐怖感がGHQ,連合国側にわかったため、
    天皇制を維持したのではないか?
    日本の国家の危機や国家を見直す場面では、平時の際は一切気にしなくてよいが、「天皇の存在」と「天皇と日本国民との関係性」があるのが日本、日本人らしさではないか?

以上から、

普段、我々は何も天皇に対して考える必要はないが、有事の際は、過去からの弱いつながりが日本・日本人らしさを形成していることが歴史から学べることである。

では、

日本・日本人らしさはどこでわかるのか?
どんな書物に書いているか?
気になりませんか?

実はあります!それが、

古事記と日本書記(両方合わせて、「記紀」)です。

概要は別記事で解説しますが、
古事記は国内向けの書物で神話より、文量はそれなりにある。
日本書記は海外向け(当時は唐)の書物で、歴史的事実も多く、文量は数千頁になる。

なので、原文よりは、現代語訳やわかりやすいマンガで読むのがおススメです。

④今こそ、「古事記」、「日本書紀」を読もう

現在、平和な日本ですが、有事が万が一起きることを想定して「歴史から「日本」・「日本人らしさ」を学ぶ」必要はあります。

古事記、日本書記は編纂した年と編集者だけ覚えて終わりですが、
この内容を全く習いませんし、教えることも戦後NGです。

だから、神社、神宮がなぜ全国にあるのか? それぞれの神社の何が由緒正しいのかがわかりません。伊勢神宮って何?ではないでしょうか? 恥ずかしながら私もこの記事を書く数か月前までそうでした。

歴史を学校で学ぶことは、単なるクイズ問題化しており、とても残念です。
一方、歴史は他の科目と違って、「他国からの圧力も忖度した教科書をベースに学ぶ」面があります。
日本はそれだけ強い国であるため、強さを正しく知らなければ過去の戦禍を繰り返す悲劇にもなりかねません。

歴史教科書の戦前・戦後の違い

戦後の歴史の教科書と戦前のそれは特に、最初の部分が全く違います。

・戦前:記紀にそって神話、天皇の誕生から始まる。
・戦後:縄文時代、弥生時代、古墳時代と始まる。

戦前の教科書は記紀の内容を学びますが、戦後はNGとなりました。その結果、記紀という書物があるだけの歴史的事実しか知らないとなってしまいました。

ただし、

最近、【強い日本を取り戻す】と叫ぶ団体が増え、
SNSで動画・情報が出しやすいため、
受けての私たちも感情的にならず客観的に確認が必要です。

QCプラネッツが言いたいのは、

「強い日本を取り戻すこと」ではなく、
「本来の日本・日本人を正しく知ること」
です。当然、
●よい面も
●よくない面も
両方理解することが大事です。
左右の偏りではなくニュートラルであるべきです。

⑤注意! 国史をしっかり学んだ大日本帝国は軍国主義に走ってしまった

「本来の日本・日本人を正しく知ること」は大事ですが、「強い」のも事実です。だから、正しく「強い力」を活かさなければいけません。その失敗が大日本帝国時代の戦禍です。

大日本帝国憲法から軍国に走ってしまった

確かに、確かに大日本帝国憲法の素案で井上毅は、
古事記・日本書記を研究した上で、第1条の素案をこう書きました。

「日本帝国ハ万世一系ノ天皇ノ治ス(シラス)所ナリ」

これは、記紀を読めば、「その通り」です。
男系継承を受け継いだ万世一系の天皇が権力ではなく権威(この人が言ったから納得できる安心感という意味での権威)であり、天皇は支配・統治ではなく、国民のことを「知る(シラス→治す(シラス)」立場で、幸せを祈る存在です。これが日本らしさであり、第1条の素案にぴったりです。

しかし、実際は書き換えられ。

大日本帝国憲法第1条「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」となり、
●天皇による国家の統治権(天皇主権)、
●天皇の神格化
●国民は天皇の臣民(家来)
●国民は国家と天皇への忠誠を強制される構造
●天皇の統帥権の独立が軍部暴発につながる
●列強からの強い圧力
●日本が戦争に道へはまってしまった。
と悲劇な道を歩むことになってしまいました。

近代化、列強の圧力などの焦り、プレッシャーも理解できますが、
現代も同じ環境下になれば、同じ過ちを繰り返すことになります。

二度と起こしてはいけない失敗をおかすことを私たちは歴史から学ぶべきです。
しかし、それは、古事記、日本書記など日本古来からあるものを学んではいけないということではありません。
正しく理解することが大事なのです。

ここで、日本古来からある大事な用語にもかかわらず、戦争のスローガンと曲解してしまった事例を挙げます。

  1. 八紘為宇
  2. 天壌無窮の神勅

本来の意味と、近代化日本で曲解された意味を紹介します。

1.八紘為宇

本来の意味

奈良県の橿原神宮に記載されている内容を掲示します。

神武天皇の「八紘一宇」の御勅令の真の意味は、天地四方八方の果てにいたるまで、この地球上に生存する全ての民族が、あたかも一軒の家に住むように仲良く暮らすこと、つまり世界平和の理想を掲げたものなのです。(神武天皇を祀る橿原神宮)

記紀にあるよう、日本平定の際、神武天皇が即位し、平和な国を目指すための言葉です。

曲解された内容

大東亜新秩序を掲げた際、「皇国の国是は八紘を一宇とする肇国(ちょうこく、建国の意)の大精神に基づく」と述べ、これが「八紘一宇」の文字が公式に使われました。1940年の流行語になり、政治スローガンになりました。

「世界を一家に」=「日本の天皇の下に統合する」という意味に転化。
「大東亜共栄圏の建設、延いては世界万国を日本天皇の御稜威(みいづ)の下に統合し、おのおのの国をしてそのところを得しめようとする理想」と日本のアジア侵略を正当化する理念と曲解されてしまった。

2.天壌無窮の神勅

本来の意味

「天壌」は天と地、「無窮」は限りがないことを意味し、「天地とともに永遠に続く」ようにと「神勅」(神のおつげ)した。つまり、「日本がいつまでもお幸せになりように治めなさい(見守りなさい)」。

記紀でも、日本の平定は戦乱を乗り越え、平和な国家のために、各地域で戦争ではなく話し合いによる「国譲り」、「豪族間との婚姻関係」で平定することが書かれています。一部、反対した勢力は仕方がなく武力衝突しましたが、記紀でも古代からの遺跡発掘からみて、平穏に国ができたことは間違いありません。だから、神勅の際は、日本を力で支配しろ!というニュアンスは出ません。

曲解された内容

「皇室を永遠に守り通せ」と解釈し、「国民は皇室を守るために死ね」となり、戦争加担を良しとする考えに発展した。皇室を守るために国民を臣民(つまり家来扱い)として呼んでいたこともあり、曲解しやすいのも事実である。
(天壌(皇室に対して)無窮(ずっと永久に)の神勅(神からの絶対命令)
と部分的に解釈すると、本来の意味からずれてしまい、危険な思想に走りやすくなる)

記紀で使われた言葉「天壌無窮の神勅」の7文字だけをとり、部分解釈すると確かに、戦争加担を良しとする意味になります。だから、本来の意味やその言葉が出てきた背景を理解しなければなりません。それが難しいから誤った解釈になるのです。とはいって、知らなくてもいいとなれば、日本・日本人らしさがわからないまま生きることになります。

その他NGになった用語

あと、「皇国史観」、「教育勅語」なども、本来の意味から曲解されてしまい、戦後教育ではNGとなっています。本来の意味は正しいですが、これを正しく受け取らず誤った道に進んだのも事実です。

教育勅語はみんな仲良く、周囲のことを気遣う心得ですが、
天皇の言葉である点が日本国憲法の国民主権に反するや、
記紀で使われた言葉を一部拡大解釈や曲解となり、
実際、軍国をよしとする教育・洗脳に走ってしまいました。

当時は、本来の考え、思いを伝える手段が少ないことも原因です。
しかし、現在も本来の考え、思いが正しく伝えることは難しいです。
意味をあえて曲解し、自分の味方をつけようとする人が多いからです。
たとえ、ネット社会が進む現代も同じ失敗を繰り返すリスクがあります。
だから、1人1人が正しく考えて理解することが大事なのです。

⑥「日本らしさ」、「日本人らしさ」を正しく知ろう!

戦前の国民学校の教科書では、記紀をベースとした社会科を学んでいます。時間をかけて教えたとしても誤った道に進んでしまいました。記紀の記述やその一部を拡大解釈、曲解され、それが国家に誤って浸透したのも事実です。

それくらい、日本らしさ、日本人らしさは、強すぎると言えますが、それを正しく使わなければ諸刃の剣になってしまいます。

だからといって、NGとして学ばないのはよくありません。自分たちのことを正しくよく知っておく必要があります。

確かにGHQのWPIP政策による日本の骨抜きが行われて
今、その批判が高まる情報が増えていますが

●GHQによる骨抜きだけでなく
●日本にとっても戦争を二度と起こさないための戒め
の両面がうまく作用して平和で豊かな日本に復活したのも事実です。

日本らしさ、日本人らしさを正しく理解し、
我々の良さと強さを再認識しつつ
過去の過ちを繰り返さないためにも
今一度、記紀などの古い書物を読み返して正しく理解しましょう。

強い日本を取り戻すとかではなく
日本、日本らしさにおいて、
その強み、弱み、良し、悪しを
正しく理解することが
自分たちを知る上で大事です。

⑦実は、日本人は全員「遠い親戚」

記紀の概要を解説する記事は別に書きますが、日本の団結心に強さ(逆にいえば同調圧力の強さ)の根源がどこにあるかについて1つヒントを提示します。

実は、日本人は全員「遠い親戚」。
だから、なんとなくうまくことが進むし
なんとなくうまくいかず個性のない社会にもある
と日々悩みますよね。

1つ問を出します。

クイズ

あなたの両親は2人います。あなたの両親の両親も2人ずついます。仮にすべての日本人が別々の血統として子孫繁栄していくとしたら、何世代で日本人の人口1.2億人になるか?そして1.2億人になるには何年かかるか(平均寿命を50年とします。)

解説

世代が上がるにつれて、2人、つまり2倍になるので、n世代とおけば、
\(2^n\)=1.2億
となります。関数電卓で計算すると、
\(n\)=26.8 より27世代となります。

かかる時間は 27世代×50年=1350年ですね。

だから何なの?

日本は建国2600年です。その半分の1350年で1.2億人の人口ができるわけですが、残りの1300年間はどうなっているかを考えると、同じあるいは近い血縁の人同士で子供ができていることがわかります。しかも、その期間が長いため、

実は、日本人は全員「遠い親戚」
強い血縁関係で日本が長年比較的平穏・平和に過ごせてきたとなります。
記紀から皇室・天皇はその血縁関係の中心にいるから
国を「シラス(知ろうとする)」立場で国を見守っているのです。

八紘為宇のとおり、「日本は1つの家にいる、たくさんの親戚が暮らしている。その中心にいるのが天皇・皇室」です。

親戚で考えたらわかりますが、平時は何もないが、国難などの有事の際は親戚が集まり結束力があるのです。80年間平和だったため、それがわからないでしょうが、白村江の戦い・元寇・幕末の開国などの国難の際に発揮したのも事実です。有事にならないことがもちろんベストです。

正しく、日本らしさを再認識しましょう。

まとめ

「「日本らしさ」、「日本人らしさ」を正しく学ぼう!(古事記、日本書記を読もう!)」を解説しました。

  • ①【はじめに】「日本史のなぜ?」を考えて見えたもの
  • ➁海外では絶対起こらなかった日本らしい歴史事実
  • ➂日本らしい歴史事実から見えるもの
  • ④今こそ、「古事記」、「日本書紀」を読もう
  • ⑤注意! 国史をしっかり学んだ大日本帝国は軍国主義に走ってしまった
  • ⑥「日本らしさ」、「日本人らしさ」を正しく知ろう!
  • ⑦実は、日本人は全員「遠い親戚」

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