【まとめ】1変数の確率変数の変換がよくわかる
「確率変数の変換が、わからない、解けない?」と困っていませんか?
こういう疑問に答えます。
本記事のテーマ
1つの解法で解けます! 大丈夫です!ご安心ください。
- ①確率変数の変換は高校数学でほぼイケます!大丈夫!
- ➁公式見ても理解しにくいから無視していい!
- ➂確率変数の変換の事例紹介
- ➃実例を使って理解する!
「➃実例を使って理解する!」の例題を挙げます。さっと解けるかどうか確認ください。簡単な関数で練習しましょう。
\(f(x)=\frac{3}{4}(1-x^2)\) (-1 ≥ \(x\) ≥ 1)
で定義される場合、
以下の確率変数\(Y\)に変換するときの、
\(Y\)が従う確率密度関数\(g(y)\)を求めよ。
(1) \(Y=3X+2\)
(2) \(Y=X^2\)
(3) \(Y^2=X\) (0 ≥ \(x\) ≥ 1)
(4) \(logY=X\)
さっと解けますか?自信がなければ、この記事を読み進めてください。
①確率変数の変換は高校数学でほぼイケます!大丈夫!
理解しないと、正規分布、t分布、χ2乗分布、F分布との関係が理解できないから困っている!
それは、
慣れてきたら、公式を見ましょう。
➁公式見ても理解しにくいから無視していい!
公式(紹介だけ)
確率変数の変換は、正規分布、t分布、χ2乗分布、F分布との関係を理解する上で大事ですが、わかりにくい!
\(g(y)\)=\(\frac{d}{dy}F_y(y)\)=\(\frac{d}{dy}F_X (h^{-1}(y))\)=\(\frac{d}{dx}F_X(x)|_{h^{-1}(y)}\frac{dh^{-1}(y)}{dy}\)=\(f(h^{-1}(y))\frac{dh^{-1}(y)}{dy}\)
確かに、満点の回答なのですが、
と思う方が普通でしょうね。
なので、どうしようか? と工夫します!
公式が理解できない理由
何度も見ても理解できない理由を挙げると
- \(f(x)\)と\(g(y)\)の関係が見えない。
- 単にX⇒Yの変換だからx=をy=に変えるだけとしたいけど、よくわからない公式になっている
- \(Y=aX+b\)、\(Y=X^2\)、\(Y^2=X\)などの例題が教科書にあるが公式が理解できないから計算しても何をやっているのかがわからない
と、QCプラネッツも何度も諦めていました。
公式から勉強する方法を変えてみる!
でも、発想を変えて
として、QCプラネッツのオリジナルな解法を紹介します。
としましょう。
➂確率変数の変換の事例紹介
以下の例を関連記事で解説しています。
- 1次式(\(Y=aX+b\))
- 2次式(\(Y=X^2\))
- 0.5次式(\(Y^2=X\))
- 応用事例(3次式やlogがある場合)
1つずつ紹介します。
1次式(\(Y=aX+b\))
1変数の確率変数の変換がよくわかる(1次式編) 1変数の確率変数の変換が計算できますか?本記事では,理解が難しい公式をそのまま使わずに,高校数学で十分解ける解法を解説します。今回は1次式y=ax+b型を解説!確率変数の変換が計算したい方は必読な記事です。 |
2次式(\(Y=X^2\))
1変数の確率変数の変換がよくわかる(2次式編) 1変数の確率変数の変換が計算できますか?本記事では,理解が難しい公式をそのまま使わずに,高校数学で十分解ける解法を解説します。今回は1次式y=x^2型を解説!正規分布からχ2乗分布に変換する大事な問いを、教科書よりわかりやすく、ほぼ高校数学でイケる方法で解説!確率変数の変換が計算したい方は必読な記事です。 |
0.5次式(\(Y^2=X\))
1変数の確率変数の変換がよくわかる(0.5次式編) 1変数の確率変数の変換が計算できますか?本記事では,理解が難しい公式をそのまま使わずに,高校数学で十分解ける解法を解説します。今回は0.5次式y^2=x型を解説!正規分布からχ2乗分布に変換する大事な問いを、教科書よりわかりやすく、ほぼ高校数学でイケる方法で解説! 確率変数の変換が計算したい方は必読な記事です。 |
応用事例(3次式やlogがある場合)
1変数の確率変数の変換がよくわかる(応用編) 1変数の確率変数の変換が計算できますか?本記事では,理解が難しい公式をそのまま使わずに,高校数学で十分解ける解法を解説します。今回は3次式や指数対数型を解説!正規分布から対数正規分布に導出できる方法など教科書よりわかりやすく、ほぼ高校数学でイケる方法で解説! 確率変数の変換が計算したい方は必読な記事です。 |
4つ関連記事がありますが、解き方はすべて1つでOKです。ご安心ください。
➃実例を使って理解する!
確率変数の変換をマスターする例題
では、本当に解けるかどうかを例題で確認しましょう!
\(f(x)=\frac{3}{4}(1-x^2)\) (-1 ≥ \(x\) ≥ 1)
で定義される場合、
以下の確率変数\(Y\)に変換するときの、
\(Y\)が従う確率密度関数\(g(y)\)を求めよ。
(1) \(Y=3X+2\)
(2) \(Y=X^2\)
(3) \(Y^2=X\) (0 ≤ \(x\) ≤ 1)
(4) \(logY=X\)
確率変数の変換をマスターする解法
解法は以下の通りで実施します。これはどんな2変数の確率変換でも同様の方法でイケます!
- \(y=x\)の式を\(x=y\)の式に直す
- \(f(x)\)の\(x\)に\(y\)の式をそのまま代入する
- 積分の式から\(x\)⇒\(y\)に変形する
\(dx=\frac{dx}{dy}dy\)と変形(これは高校数学レベル) - 積分の式から\(x\)⇒\(y\)に変化するが、2次式の変換独自のやり方(難しくないのでご安心ください!)をまずは暗記!
\( \displaystyle \int_{x_1}^{x_2} f(x)dx \) =\(\displaystyle \int_{y_1}^{y_2} (f(+\sqrt{y}) \frac{dx}{d(y+)} – f(-\sqrt{y}) \frac{dx}{d(y-)})dy \) - 確率密度関数\(g(y)\)は(右辺)の積分から
\(\displaystyle \int_{y_1}^{y_2} g(y) dy \)=\(\displaystyle \int_{y_1}^{y_2} (f(yの式) \frac{dx}{dy}dy \)
完全に同じ解き方でイケます!
解法
では、実際に解いてみましょう。
1. \(y=x\)の式を\(x=y\)の式に直す
【例題1】
では、
(1) \(Y=3X+2\) では、
\(X=\frac{Y-2}{3}\)
に変形します。
(2) \(Y=X^2\)では、
\(X=±\sqrt{y}\)
に変形します。
(3) \(Y^2=X\) (0 ≤ \(x\) ≤ 1) では、
そのままの
\(X=Y^2\)
でOKです。
(4) \(logY=X\)では、
そのままの
\(X= logY \)
でOKです。
2. \(f(x)\)の\(x\)に\(y\)の式をそのまま代入する
\(f(x)\)に代入すると、
(1) \(Y=3X+2\) では、
\(f(x)=\frac{3}{4}(1-x^2)\)
=\(f(\frac{y-2}{3})=\frac{3}{4}(1-(\frac{y-2}{3})^2)\)
(2) \(Y=X^2\)では、
\(f(x)=\frac{3}{4}(1-x^2)\)
=\(f(±\sqrt{y})=\frac{3}{4}(1-(±\sqrt{y})^2)\)
(3) \(Y^2=X\) (0 ≤ \(x\) ≤ 1) では、
\(f(x)=\frac{3}{4}(1-x^2)\)
=\(f(y^2)=\frac{3}{4}(1-(y^2)^2)\)
(4) \(logY=X\)では、
\(f(x)=\frac{3}{4}(1-(logy)^2)\)
4問とも同じ1つの解法でOKです、
3. 積分の式から\(x\)⇒\(y\)に変形する
xの範囲からyの範囲に変えます。
問い | 変換 | 下端 | ⇒ | 上端 |
(1) | x | -1 | ⇒ | 1 |
y(\(=3x+2\)) | -1 | ⇒ | 5 | |
(2) | x | -1 | ⇒ | 1 |
y(\(=x^2\)) | 0 | ⇒ | 1 | |
(3) | x | 0 | ⇒ | 1 |
y(\(y^2=x\)) | 0 | ⇒ | 1 | |
(4) | x | -1 | ⇒ | 1 |
y(\(x=logY\)) | 1/e | ⇒ | e |
4.確率密度関数\(g(y)\)は(右辺)の積分から導出
(1) \(Y=3X+2\)
では、
\( \displaystyle \int_{-1}^{1} f(x)dx \) =\(\displaystyle \int_{-1}^{5} \frac{3}{4}(1-(\frac{y-2}{3})^2) \frac{dx}{dy} dy\)
=\(\displaystyle \int_{-1}^{5} \frac{3}{4}(1-(\frac{y-2}{3})^2) \frac{1}{3} dy\)
=\(\displaystyle \int_{-1}^{5} g(y) dy\)
よって
\(g(y)= \frac{1}{4}(1-(\frac{y-2}{3})^2)\)
できましたね!
(2) \(Y=X^2\)では、
\( \displaystyle \int_{-1}^{1} f(x)dx \) =\(\displaystyle \int_{0}^{1} \frac{3}{4}(1-(±\sqrt{y})^2) \frac{dx}{dy} dy\)
=\(\displaystyle \int_{0}^{1} (\frac{3}{4}(1-y)\frac{dx}{dy+}-\frac{3}{4}(1-y)\frac{dx}{dy-})dy\)
=\(\displaystyle \int_{0}^{1} (\frac{3}{4}(1-y)(\frac{1}{2\sqrt{y}})-\frac{3}{4}(1-y) (-\frac{1}{2\sqrt{y}}))dy\)
=\(\displaystyle \int_{0}^{1} (\frac{3}{4}(1-y)(\frac{1}{\sqrt{y}})dy\)
=\(\displaystyle \int_{0}^{1} g(y) dy\)
よって
\(g(y)= \frac{3}{4}(1-y)\frac{1}{\sqrt{y}}\)
できましたね!
(3) \(Y^2=X\) (0 ≤ \(x\) ≤ 1) では、
\( \displaystyle \int_{0}^{1} f(x)dx \) =\(\displaystyle \int_{0}^{5} \frac{3}{4}(1-(y^2)^2) \frac{dx}{dy} dy\)
=\(\displaystyle \int_{0}^{1} \frac{3}{4}(1-y^4) 2y dy\)
=\(\displaystyle \int_{0}^{1} g(y) dy\)
よって
\(g(y)= \frac{3}{2}(1-y^4) y \)
できましたね!
(4) \(logY=X\)では、
\( \displaystyle \int_{-1}^{1} f(x)dx \) =\(\displaystyle \int_{1e}^{e} \frac{3}{4}(1-(logy)^2) \frac{dx}{dy} dy\)
=\(\displaystyle \int_{1/e}^{e} \frac{3}{4}(1-(logy)^2) \frac{1}{y} dy\)
=\(\displaystyle \int_{1/e}^{e} g(y) dy\)
よって
\(g(y)= \frac{3}{4}(1-(logy)^2) \frac{1}{y} \)
できましたね!
一連の解法を見ていただきました。これで解けます!
いろいろな関数を使って、確率変数の変換を見て慣れていきましょう!
本記事の内容は、ほぼ高校数学で解けましたね!
まとめ
「1変数の確率変数の変換がよくわかる(応用編)」を解説しました。
- ①確率変数の変換は高校数学でほぼイケます!大丈夫!
- ➁公式見ても理解しにくいから無視していい!
- ➂実例を使って理解する!
Warning: count(): Parameter must be an array or an object that implements Countable in /home/qcplanets/qcplanets.com/public_html/wp-content/themes/m_theme/sns.php on line 119