「2段サンプリングの分散がわからない」、と困っていませんか?
★ 本記事のテーマ
- ①2段サンプリングの分散公式とは
- ➁2段サンプリング(関連記事も紹介)
- ➂2段サンプリングの分散を導出
- ➃層別、集落サンプリングの分散を導出
2段サンプリングの分散公式を
わかりやすく解説します!
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QC検定®1級、2級でサンプリングの問題で苦戦していませんか?本記事では、QC・統計に勝てるためのサンプリング問題集(20題)を紹介します。 |
期待値、分散の導出から数列・積分も慣れましょう!
①2段サンプリングの分散公式とは
「2段サンプリングの分散」の式があります。
E(\(\bar{\bar{x}}\))=μ
V(\(\bar{\bar{x}}\))=\(\frac{M-m}{M-1}・\frac{σ_b^2}{m}\)+\(\frac{N-n}{N-1}・\frac{σ_w^2}{mn}\)
・\(m\):1次サンプルの大きさ
・\(n\):2次サンプルの大きさ
・\(σ_b^2\):1次単位間の特性xの分散
・\(σ_w^2\):1次単位内の特性xの分散
・M:1次単位の総数
・N:1次単位の大きさ
・\(\frac{M-m}{M-1},\frac{N-n}{N-1}\):有限修正項
となりますよね。
でも、
そこで、
ちょっとだけ、文字を変えて、
V(\(\bar{x}\))=\(\frac{M-m}{M-1} \frac{σ_b^2}{m}\)+\(\frac{\bar{N}-\bar{n}}{\bar{N}-1}\frac{σ_w^2}{n}\)
を導出します。
➁2段サンプリング(関連記事も紹介)
2段サンプリングとは
2段サンプリングは下図のように、2回サンプリングします。
- 1回目はM個の集落からm個をサンプリング
集落内の\(\bar{N}\)個はすべて抜取 - 2回目はm個の集落すべてに対して
\(\bar{N}\)個から\(\bar{n}\)は抜取
★1回目抜取
★2回目抜取
QCプラネッツの2段サンプリング記事のご紹介
2段サンプリング関連記事(ブログとテキスト(PDF))があります。是非確認ください。
★記事のテーマ
5つあり、最終目標は2段サンプリングの分散が導出できることです。
- 有限母集団の修正項が導出できる
- 条件付き確率がわかる
- 2変数の分散・共分散がわかる
- 全分散の公式が導出できる
- 2段サンプリングの分散が導出できる(本記事で)
★(1) 有限母集団の修正項が導出できる
サンプリングでよく出て来る、有限母集団の修正項ですが、公式導出も難しいです。関連記事で丁寧に導出過程を解説しています。
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【必読】有限母集団の修正項の導出ができる 本記事では有限母集団の修正項(N-n)/(N-1)の導出を途中経過を一切端折らず丁寧に解説しました。 |
★(2) 条件付き確率がわかる
高校数学の復習をしましょう。ブログ記事でしたが、テキスト(PDF)にまとめました。
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【QCプラネッツ2回サンプリング プレミアム勉強プリント】 |
2つのテーマをまとめています。
●「条件付き確率がわかる(2段サンプリングの分散式導出)」
●「2段サンプリングの費用関数で最適配分の式が導出できる」
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【必読】条件つき期待値・条件つき分散がわかる(連続型) 本記事では2段サンプリングの分散公式に必須な 条件付き期待値、条件付き分散、全分散の公式を実例を使って,積分で計算して確認します。 |
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【必読】条件つき期待値・条件付き分散がわかる(離散型) 本記事では2段サンプリングの分散公式に必須な 条件付き期待値、条件付き分散、 全分散の公式を実例を使って、数列で計算して確認します。 |
★(3) 2変数の分散・共分散がわかる
2変数の確率分布を次に攻略します! 全分散の公式や2段サンプリングの分散は2変数の処理スキルが前提となります。
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同時確率分布の分散、共分散の導出がわかる 本記事では、2変数の確率分布関数(離散系&連続系)の期待値・分散をわかりやすく解説します。 |
★(4) 全分散の公式が導出できる
2段サンプリングの分散に使う、全分散の公式をようやく攻略できるところまで来ました。条件付き確率、2変数の解法がいっぱい出て来ますので、この関連記事は、良い演習になります。
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【必読】全分散の公式の導出がわかる 本記事では、全分散の公式の導出をわかりやすく解説しています。途中端折りたくなるが大事な計算過程をすべて載せています。全分散の公式、条件つき期待値、条件つき分散を 得意になりましょう。 |
★(5) 2段サンプリングの分散が導出できる
これから解説します!
➂2段サンプリングの分散を導出
では、
V(\(\bar{x}\))=\(\frac{M-m}{M-1} \frac{σ_b^2}{m}\)+\(\frac{\bar{N}-\bar{n}}{\bar{N}-1}\frac{σ_w^2}{n}\)
を導出します。
期待値Eの2段階表現方法
ここで、普段あまり見かけませんが、トリッキーな表現方法を使って変形していきます。こういうところが難しいですね。
2段サンプリングで得られた、標本平均\(\bar{x}\)の期待値E[\(\bar{x}\)]を考えます。
もちろん標本平均\(\bar{x}\)は単純に、
\(\bar{x}\)=\(\frac{1}{m \bar{n}} \sum_{i=1}^{m} \sum_{j=1}^{\bar{n}} x_{ij} \)
ですね。
よく見ると、\(\bar{x}\)は
●\(i\)について
●\(j\)について
2回平均値を求めていますね。つまり、平均値である期待値Eを計算しているわけなので、
という普段使わない表現で置き換えます。
2段サンプリングの分散V(\(\bar{x}\))を導出
分散の公式どおり、
V(\(\bar{x}\))= E[\(\bar{x}^2\)]- E[\(\bar{x}\)]2
=(式1)
となり、これを先ほどの2段階の期待値表記に変えます。
(式1)
=\(E_i E_j^i \)[\(\bar{x}^2\)]-{\(E_i E_j^i \)[\(\bar{x}\)]}2
=(式2)
(式2)に対して、 \(E_i\){\(E_j^i\)[\(\bar{x}\)]}2を追加します。
(式2)
=\(E_i E_j^i \)[\(\bar{x}^2\)]-\(E_i\){\(E_j^i\)[\(\bar{x}\)]}2
+\(E_i\){\(E_j^i\)[\(\bar{x}\)]}2-{\(E_i E_j^i \)[\(\bar{x}\)]}2
=\(E_i\)[\(E_j^i\)[\(\bar{x}^2\)]-{\(E_j^i\)[\(\bar{x}\)]}2]
+[\(E_i\){\(E_j^i\)[\(\bar{x}\)]}2-{\(E_i E_j^i\)[\(\bar{x}\)]}2]
=\(E_i\){\(V_j^i(\bar{x})\)}+\(V_i\){(\(E_j^i (\bar{x})\))
=(式3)
と強引ですが、まとめることができます。
ここで、\(V_j^i\)は第\(i\)集落内での分散とします。
やっぱり難しい!
2段サンプリングの分散V(\(\bar{x}\))第1項をまとめる
(式3)の第1項をまとめていきます。
\(E_i\){\(V_j^i(\bar{x}\))}
=\(E_i\){\(V_j^i (\frac{1}{m \bar{n}} \sum_{i=1}^{m} \sum_{j=1}^{\bar{n}}x_{ij} )\)}
として、\(\frac{1}{m}\sum_{i=1}^{m} \)を分散Vの外に出します。
=\(E_i\){\(\frac{1}{m^2} \)\(\sum_{i=1}^{m} V_j^i(\frac{1}{\bar{n}} \sum_{j=1}^{\bar{n}} x_{ij} )\)}
さらに、\(\frac{1}{m^2}\)を\(\frac{1}{m}\)・\(\frac{1}{m}\)に分けます。
=\(\frac{1}{m}E_i\){\(\frac{1}{m} \sum_{i=1}^{m} V_j^i(\frac{1}{\bar{n}} \sum_{j=1}^{\bar{n}} x_{ij} )\)}
=(式4)
ここで、見ずらいですが、
●\(V_j^i(\frac{1}{\bar{n}} \sum_{j=1}^{\bar{n}}x_{ij} )\)の
\(\frac{1}{\bar{n}} \sum_{j=1}^{\bar{n}}x_{ij}\)=\(\bar{x}\)なので、
\(V_j^i(\frac{1}{\bar{n}} \sum_{j=1}^{\bar{n}}x_{ij} )\)= \(V_j^i(\bar{x})\)
を代入します。
すると、
\(V_j^i(\bar{x})\)=\(\frac{\bar{N}-\bar{n}}{\bar{N}-1} \frac{σ_i^2}{\bar{n}}\)
と有限母集団の時の係数\(\frac{\bar{N}-\bar{n}}{\bar{N}-1}\)が付きますね。
有限母集団については関連記事があります。ご確認ください。丁寧に導出していますが、それでも難しい内容です!
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【必読】有限母集団の修正項の導出ができる 本記事では有限母集団の修正項(N-n)/(N-1)を丁寧にわかりやすく解説しました。 |
(式4)を計算すると、
(式4)
=\(\frac{1}{m}E_i\){\(\frac{1}{m} \sum_{i=1}^{m}\frac{\bar{N}-\bar{n}}{\bar{N}-1} \frac{σ_i^2}{\bar{n}}\)}
=(式5)
そして、
●\(E_i\)[\(\frac{1}{m} \sum_{i=1}^{m}\frac{\bar{N}-\bar{n}}{\bar{N}-1}\)]
を、期待値の性質を使って
●\(\frac{1}{m}・\frac{1}{M}\sum_{i=1}^{M}\frac{\bar{N}-\bar{n}}{\bar{N}-1}\)
変えると(式5)は、
=\(\frac{1}{m} \frac{\bar{N}-\bar{n}}{\bar{N}-1} \frac{σ_w^2}{\bar{n}}\)
となり、
\(n\)=\(m \bar{n}\)から、
=\( \frac{\bar{N}-\bar{n}}{\bar{N}-1} \frac{σ_w^2}{n}\)
となり、2段サンプリングの分散の第1項ができます。
なお、
●\(σ_i^2\)=\(\frac{1}{\bar{N}}\sum_{j=1}^{\bar{N}}(x_{ij}-μ_i)^2\)
●\(σ_w^2\)=\(\frac{1}{M} \sum_{i=1}^{M} σ_i^2\)
とします。
やっぱり難しい!
2段サンプリングの分散V(\(\bar{x}\))第2項をまとめる
(式3)の第2項をまとめていきます。
(式3)第2項
=\(V_i (E_j^i (\bar{x}))\)
=\(V_i (E_j^i (\frac{1}{m \bar{n}} \sum_{i=1}^{m} \sum_{j=1}^{\bar{n}} x_{ij}))\)
=\(V_i (\frac{1}{m} \sum_{i=1}^{m} E_j^i (\frac{1}{\bar{n}} \sum_{j=1}^{\bar{n}} x_{ij}))\)
ここで、\( E_j^i \)[\(\frac{1}{\bar{n}} \sum_{j=1}^{\bar{n}} x_{ij}\)]=\(μ_i\)から
=\(V_i (\frac{1}{m} \sum_{i=1}^{m} μ_i )\)
有限母集団の分散を意識して、
=\(\frac{M-m}{M-1} \frac{σ_b^2}{m}\)
となります。
よって、第1項と第2項を入れ換えて、まとめると
が導出できました。
➃層別、集落サンプリングの分散を導出
2段サンプリングの分散の式
再掲すると、
層別サンプリングの分散を導出
第2項の式のだけになりますので、2段サンプリングの分散の式がわかればOKですね。
集落サンプリングの分散を導出
第1項の式のだけになりますので、2段サンプリングの分散の式がわかればOKですね。
まとめ
「【やっぱり難しい】2段サンプリングの分散が導出できる【まとめ】」をわかりやすく解説しました。
- ①2段サンプリングの分散公式とは
- ➁2段サンプリング(関連記事も紹介)
- ➂2段サンプリングの分散を導出
- ➃層別、集落サンプリングの分散を導出







