★ 本記事のテーマ
大事な問いですが、品質畑で仕事している人を含めてほとんどの人が説明できないと危惧したのでブログにまとめました。
- ①ISO9001とQMSの違いが説明できますか?
- ②QMSの一部がISOであるべき
- ③【必読】QMSの世界観をつかむために
★本記事の最も伝えたいこと
QMSが目的であり、
ISOは手段であることを
特に、品質畑の人は理解すべき。
目に見えない課題を考えるのがQMS
自分で考えないとQMSと付き合うのは難しい。
①ISO9001とQMSの違いが説明できますか?
QCプラネッツの愚痴(すいません。。。)
QCプラネッツは職場で、
と聞いています。
この質問の答えを聞いて感じるのは
ごちゃごちゃになっている。
「内部監査はQMS内部監査でしょ!」
と指摘してもポカンとされる。。。
あなたはどうですか?
ISO内部監査としたら、
ISO9001 9.2内部監査 しかしないのか?
となります。
ISO認証機関からみれば、
自分で自分をチェックする監査。
一番よくわかっている自分を振り返るのが内部監査の目的である。
ISO要求事項は我々審査機関がやるよ!
そりゃ、そうですよね。
でも、経験して思うのは、
こういう指摘は指導してわかるものでは、ありません。
分かる人にはわかるし、
分からない人にはわかりません。
これ、役職、歴関係ありません。
ISOとQMSとは
では、はっきり定義を伝授します。
・ISO:国際機関で決められた仕組(既製品)
大事なのは、
②QMSの一部がISOであるべき
QMSとISOの関係を図にします。これはQCプラネッツの考えです。もっといい関係図があれば教えてください。一緒にディスカッションできるとうれしいです!
ISOはQMSに内含されるべき
QCプラネッツの考えは
QMSが目的であり、
ISOは手段であること
内部監査の位置もつけて下図にまとめます。いかがでしょうか?
③【必読】QMSの世界観をつかむために
本来のあるべき姿
上図のように、
QMSが目的であり、全体を覆う。
ISOは手段であり、QMSの一部である。
内部監査を見ると、
QMS内部監査とISO内部監査(9.2)の領域の違いが
明確である。
ISO9001=QMSと考え勝ちになる理由
QMSの世界の一部がISO9001となるべきですが、
そう簡単に理解できないでしょう。その理由は、
- ISO9001 要求事項の完成度が高いから
- ISO9001 要求事項をマスターするのは難しいから
- ISOをマスターしないとISOの限界を理解し、QMSの世界の広さに気が付かないから。
- 一方、QMSは自組織のことで目立たないから。
- QMSの世界は自分で作らないといけないが、とても難しいから
- ISOを軸に業務していれば品質担当の成果として十分だから
- 本気で品質課題を見つけたいという強い気持ちがないとQMSの世界に飛び出そうとはしなから
- 皆QMSの世界まで見ようとしないから
といろいろあります。
品質業務が合わない人もいるし、ISOで精一杯でしょう。
QMSまで広げて、組織のホントウの課題を見たい人は少数派でしょう。
でも、ISOだけでは不十分だと皆わかっているけど。
③【必読】QMSの世界観をつかむために
では、どうやってQMSの世界観をつかみ、
組織のホントウの課題を見つけることができるのを伝授します。
QMSの世界観をつかむ方法
- 日頃から自分で問いを持つこと
- 品質活動しても変わらない状況に不満をもつこと
- 周囲が妥協してもそれに流れさないこと
QMSの世界の入り口に案内します。
QMSの世界の入り口は、あなた自身の不満やくやしさにあります。
- 品質分析を何年もやっているが、組織への改善に全く響いていない。
- ISO要求事項どおり実行しても全く組織は変わっていない。
- 品質監査やっても致命的な品質課題や問題が抽出されない。でもトラブルは絶対発生する。
って、よくありますが、
絶対に品質が改善する施策はないのか?
となるかどうか。。。
と疑問に思いますよね。それを疑問のままにせず、解決するよう一歩前進しませんか?
ISOからQMSへ飛び出そう!
組織全体には種々の品質課題やトラブルがあります。
確かに、ISO9001によって、上図の青色領域の課題は解決できるでしょう。
しかし、残りの赤の領域がどうしてもISOだけでは解決しません。
具体的にどんな課題が赤の領域として残ってしまうかをいくつか挙げてみます。
QCプラネッツの考えや経験に基づき列挙します。
ISOからQMSへ飛び出す入り口は、資料の各所にもあるし、
具体的にいくつか挙げてみます。良い内容はありません(笑)。
- 責任と「権限(権力)」はISOでチェックするが、「権威」はチェックしない。この「権威」による組織内の影響(良い影響、悪い影響)はチェックしにくい。
- ISOは客観性を求めるが、「人の心」までは見ない。心は組織のアウトプットに大きな影響を与える。
- 品質管理ではないが間接的に品質に影響することがたくさんある。例:暗黙知、ローカルルール、多数派の意見による心理的安全性、少数派意見や行動を批判する保守的心理、その組織の縄張り、派閥。
- 標準化せず、ある業務は成果が向上しないのに同じ担当が継続する。裏に組織の癒着や既得権益があり、大胆な改革が起こそうとならない。
- 品質トラブルの原因を技術側ばかり見ているが、別の問題(営業による資金回収不足、顧客とのゆるい関係性)によるものが多く、品質コストがなかなか下がらない。
- 採用して育成するが、一人前になろうとか一番を目指そうとする決心がつかない社員が多く、力量向上が名かなか進まない。
- 上司側が怒るとパワハラなど言われて、課題そのものに手が出せにくい。
- QCDバランスが悪い業務があるが、ISOではコスト、納期の観点は見ないのでQCDバランス崩壊による品質不正のリスクを見抜くことが難しい
- ISOではコミュニケーションにおいて、会議や意思疎通の確認ができるが、互いの信頼・尊敬。忠誠心は見ない。
- 能力と成果と関係がない、評価制度になっており、やる気がなくなってしまい、他責に陥る。
- などなど、
簡単に言うと、
また、
+
実際のドロドロした組織内の課題
の両方を見ていく必要があり、
後者をQMS内部監査でチェックするのがよいでしょう。
をチェックするのはストレスですけどね。。。
まとめ
以上、 「ISO9001とQMSの違いがわかる」をわかりやすく解説しました。
- ①ISO9001とQMSの違いが説明できますか?
- ②QMSの一部がISOであるべき
- ③【必読】QMSの世界観をつかむために