カテゴリー: 手法

  • 【信頼性工学】確率密度関数がわかる(正規分布)

    【信頼性工学】確率密度関数がわかる(正規分布)

    本記事のテーマ

    【信頼性工学】確率密度関数がわかる(正規分布)
    • ①確率密度関数を導出するモデルを理解する
    • ➁確率密度関数が正規分布の場合
    • ➂故障率λの計算
    • ➃確率密度関数の平均と分散の計算
    • ➄故障率曲線との関係
    信頼性工学は数学を駆使する!

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    ①確率密度関数を導出するモデルを理解する

    故障率は指数分布だけではない

    特に信頼性工学の入門を解説している教科書やサイトは、

    信頼性工学=指数分布

    とインプットされがちです。

    でも、ちゃうで!(違うよ!)

    故障分布に合わせた確率密度関数を作る

    例えば、寿命試験結果が以下のヒストグラムになったとします。

    信頼性工学

    この図よく見ると、

    正規分布型ですよね!

    なのに、

    指数分布型の確率密度関数を導出する教科書がほとんど
    でも、ちゃうで!(違うよ!)
    それぞれの分布にあった確率密度関数を使って、寿命予測や故障率を計算しよう!

    分布の種類

    よく使う、確率密度関数で良いです。

    1. 一様分布
    2. 指数分布
    3. 正規分布
    4. ガンマ分布
    5. ワイブル分布

    ガンマ分布とワイブル分布は無理矢理感がありますが、信頼性工学でよく使います。

    大事なのは、

    分布関数で練習したら、あなたが使いやすい分布関数で信頼性を解析すればOK

    例えば、2次関数とかでも使ってもいいと思います。

    信頼性工学≠指数分布 をインプットしてください。

    では、個々の分布関数を見ていきます。

    ➁確率密度関数が指数関数の場合

    モデル式から確率密度関数の導出

    よく使われるので、解説します。

    正規分布型になる場合のモデル式を考えます。個々の信頼性解析はそれぞれにふさわしいモデル式を作りましょう。

    モデル図を見ましょう。

    信頼性工学

    正規分布型の場合は、故障数の増え方からモデル化するのではなく、サンプル全体の故障確率を正規分布で考えてモデル式を立てます。ここが指数分布をモデル化する場合と大きく違う点です。

    ストレスストリングスモデル

    上図は「ストレスストリングスモデル」といいます。

    機械部品などの量産品を想定し、
    正規分布に従うと仮定した上で、
    正常に動作する範囲(R)の中で、異常動作する範囲(S)に入る
    確率を、故障確率とする考え方。

    微分方程式を作らず、正規分布前提で考えていきます。

    確率密度関数\(f(x)\)は密度関数\(F(x)\)の微分ですね。

    信頼度\(R(x)\)と不信頼度\(F(x)\)の関係

    これ混同しがちなので、きちっと整理しましょう。

    信頼度はReliabilityと英語で書くので、信頼度\(R(x)\)と書きます。
    不信頼度は失敗のFailureを英語で使って、不信頼度(故障度) \(F(x)\)と書きます。

    そして大事な関係式があります。簡単です!

    \(R(x)\)+ \(F(x)\)=1
    \(\displaystyle \frac{dR(x)}{dx} \)=-\(\displaystyle \frac{dF(x)}{dx} \)
    (\(\)R(x)=1-\(F(x)\)の式を両辺\(x\)で微分)

    また、

    \(f(x)=\displaystyle \frac{dF(x)}{dx} \)=-\(\displaystyle \frac{dR(x)}{dx} \)

    も成り立ちます。よく使いますが、頭が混乱しやすいので整理して理解しましょう。

    モデル式から確率密度関数の導出

    負荷と強度の正規分布の加法したものが確率密度関数になります。

    ●負荷側: N(\(μ_S, σ_S^2\))の正規分布
    ●強度側: N(\(μ_R, σ_R^2\))の正規分布
    を加法すると、
     N(\(μ_R―μ_S, σ_R^2 + σ_S^2\))の正規分布が確率密度関数になる。

    よって、

    \(f(z)\)=\( \frac{1}{\sqrt{2π(σ_R^2 +σ_S^2)}} exp{-\frac{(z-(μ_R-μ_S))^2}{2(σ_R^2 + σ_S^2)}}\)

    大事なのは、導出過程であるモデル式の立て方です。ここで、確率密度関数の型が決まります。関数の暗記ではなく、導出過程を理解しましょう。

    ➂故障率λの計算

    故障率とは、\(f(x)\)と\(R(x)\)との比で計算します。今回\(f(x))\)が正規分布なので、\(R(x)\)を可視化して確認しましょう。

    信頼性工学

    よって、λは

    λ=\(\frac{f(x)}{\displaystyle \int_{x}^{∞} f(t) dt}\)

    分母の\(\displaystyle \int_{x}^{∞} f(t) dt \)は積分できないので、正規分布表から値を読み取ります。

    ➃確率密度関数の平均と分散の計算

    期待値E[\(x\)]の計算

    期待値E[\(x\)]は
    \(\displaystyle \int_{-∞}^{∞} x f(x) dx\)
    です。正規分布の期待値と分散は有名なので計算は割愛します。

    結果は、
    期待値E[\(x\)]=\(μ_R ― μ_S\)

    分散の計算

    分散V[\(x\)]は
    =\(σ_R^2 + σ_S^2\)

    です。

    以上、まとめると、

    ●期待値E[\(x\)]=\(μ_R ― μ_S\)
    ●分散V[\(x\)]=\(σ_R^2 + σ_S^2\)

    信頼性工学というよりは、正規分布の話なので、計算過程は教科書にも書いています。

    ➄故障率曲線との関係

    バスタブ曲線との関係を考えましょう。

    信頼性工学

    ここで、バスタブ曲線のタイプを3つに分けると

    1. 減少型 ⇒ 初期故障期(DFR)
    2. 一定型 ⇒ 偶発故障期(CFR)
    3. 増加型 ⇒ 摩耗故障期(IFR)

    と分けることができます。

    正規分布型だと、バスタブ曲線に合う型がないですね。
    暗記せず、式を理解して故障の時間的関係を学んでいきましょう。

    まとめ

    「【信頼性工学】確率密度関数がわかる(正規分布)」を解説しました。

    • ①確率密度関数を導出するモデルを理解する
    • ➁確率密度関数が正規分布の場合
    • ➂故障率λの計算
    • ➃確率密度関数の平均と分散の計算
    • ➄故障率曲線との関係
  • 【信頼性工学】確率密度関数がわかる(指数関数)

    【信頼性工学】確率密度関数がわかる(指数関数)

    本記事のテーマ

    【信頼性工学】確率密度関数がわかる(指数関数)
    • ①確率密度関数を導出するモデルを理解する
    • ➁確率密度関数が指数関数の場合
    • ➂故障率λの計算
    • ➃確率密度関数の平均と分散の計算
    • ➄故障率曲線との関係
    信頼性工学は数学を駆使する!

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    ①確率密度関数を導出するモデルを理解する

    故障率は指数分布だけではない

    特に信頼性工学の入門を解説している教科書やサイトは、

    信頼性工学=指数分布

    とインプットされがちです。

    でも、ちゃうで!(違うよ!)

    故障分布に合わせた確率密度関数を作る

    例えば、寿命試験結果が以下のヒストグラムになったとします。

    信頼性工学

    この図よく見ると、

    正規分布型ですよね!

    なのに、

    指数分布型の確率密度関数を導出する教科書がほとんど
    でも、ちゃうで!(違うよ!)
    それぞれの分布にあった確率密度関数を使って、寿命予測や故障率を計算しよう!

    分布の種類

    よく使う、確率密度関数で良いです。

    1. 一様分布
    2. 指数分布
    3. 正規分布
    4. ガンマ分布
    5. ワイブル分布

    ガンマ分布とワイブル分布は無理矢理感がありますが、信頼性工学でよく使います。

    大事なのは、

    分布関数で練習したら、あなたが使いやすい分布関数で信頼性を解析すればOK

    例えば、2次関数とかでも使ってもいいと思います。

    信頼性工学≠指数分布 をインプットしてください。

    では、個々の分布関数を見ていきます。

    ➁確率密度関数が指数関数の場合

    モデル式から確率密度関数の導出

    よく使われるので、解説します。

    指数分布型になる場合のモデル式を考えます。個々の信頼性解析はそれぞれにふさわしいモデル式を作りましょう。

    モデル図を見ましょう。

    信頼性工学

    確率密度関数\(f(x)\)は密度関数\(F(x)\)の微分ですね。

    信頼度\(R(x)\)と不信頼度\(F(x)\)の関係

    これ混同しがちなので、きちっと整理しましょう。

    信頼度はReliabilityと英語で書くので、信頼度\(R(x)\)と書きます。
    不信頼度は失敗のFailureを英語で使って、不信頼度(故障度) \(F(x)\)と書きます。

    そして大事な関係式があります。簡単です!

    \(R(x)\)+ \(F(x)\)=1
    \(\displaystyle \frac{dR(x)}{dx} \)=-\(\displaystyle \frac{dF(x)}{dx} \)
    (\(\)R(x)=1-\(F(x)\)の式を両辺\(x\)で微分)

    また、

    \(f(x)=\displaystyle \frac{dF(x)}{dx} \)=-\(\displaystyle \frac{dR(x)}{dx} \)

    も成り立ちます。よく使いますが、頭が混乱しやすいので整理して理解しましょう。

    モデル式から確率密度関数の導出

    故障率は図のように傾きを表す確率密度関数(f(x))がキーです。

    故障は、故障していないモノの一部から発生し、健在なモノの量に応じて故障度合いが変わるイメージを考えます。すると、次のモデル式(微分方程式)が作れます。

    \(f(x)\)=\( λR(x)\) (\(λ\)は正の定数)

    大事なのは、導出過程であるモデル式の立て方です。ここで、確率密度関数の型が決まります。関数の暗記ではなく、導出過程を理解しましょう。

    モデル式を解くと、
    \(f(x)\)=\( λR(x)\)
    -\(\displaystyle \frac{dR(x)}{dx} \)=\(λR(x)\)
    \(\frac{\displaystyle dR}{R} \)=\(-λ \displaystyle dx\)
    (両辺)を積分すると
    \(\displaystyle \int{}^{} \frac{\displaystyle dR}{R}\)=\( \displaystyle \int{}^{} -λ \displaystyle dx \)
    \( log R\)=-\(λx\)
    よって
    \(R(x)\)=\(e^{-λx}\)

    \(f(x)\)は
    -\(\displaystyle \frac{dR(x)}{dx} \)=\(λe^{-λx}\)
    となりますね。

    ➂故障率λの計算

    故障率とは、\(f(x)\)と\(R(x)\)との比で計算します。よって、
    \(λ(x)\)=\(\frac{f(x)}{R(x)}\)=λ と一定になります。

    ➃確率密度関数の平均と分散の計算

    期待値E[\(x\)]の計算

    期待値E[\(x\)]は
    \(\displaystyle \int{0}^{∞} x f(x) dx\)
    =\(\displaystyle \int{0}^{∞} x λe^{-λx}dx\)
    =\(\left[ λ(-\frac{1}{λ} xe^{-λx}-\frac{1}{λ^2} e^{-λx}) \right]_0^∞\)
    =\(\frac{1}{λ}\)

    分散の計算

    期待値E[\(x^2\)]の計算

    期待値E[\(x^2\)]は
    \(\displaystyle \int{0}^{∞} x^2 f(x) dx\)
    =\(\displaystyle \int{0}^{∞} x^2 λe^{-λx}dx\)
    =\(\left[ λ(-\frac{1}{λ} x^2 e^{-λx}-\frac{1}{λ^2} 2x e^{-λx}-\frac{2}{λ^3} e^{-λx}) \right]_0^∞\)
    =\(\frac{2}{λ^2}\)

    分散V[\(x\)]の計算

    分散V[\(x\)]は
    =E[\(x^2\)]- E[\(x\)])2
    =\(\frac{2}{λ^2}\)-\(\frac{1}{λ^2}\)
    =\(\frac{1}{λ^2}\)

    以上、まとめると、

    ●期待値E[\(x\)]=\(\frac{1}{λ}\)
    ●分散V[\(x\)]=\(\frac{1}{λ^2}\)

    ➄故障率曲線との関係

    バスタブ曲線との関係を考えましょう。

    信頼性工学

    ここで、λとの関係を見ると

    1. λ > 0 ⇒ 初期故障期(DFR)
    2. λ = 0 ⇒ 偶発故障期(CFR)
    3. λ < 0⇒ 摩耗故障期(IFR)

    と分けることができます。

    暗記せず、式を理解して故障の時間的関係を学んでいきましょう。

    まとめ

    以上、「【信頼性工学】確率密度関数がわかる(指数関数)」を解説しました。

    • ①確率密度関数を導出するモデルを理解する
    • ➁確率密度関数が指数関数の場合
    • ➂故障率λの計算
    • ➃確率密度関数の平均と分散の計算
    • ➄故障率曲線との関係
  • 順序統計量の同時確率密度関数の導出がよくわかる

    順序統計量の同時確率密度関数の導出がよくわかる

    本記事のテーマ

    順序統計量の同時確率密度関数の導出がよくわかる
    • ①順序統計量のイメージが理解できる
    • ➁順序統計量の教科書的な確率密度関数の導出
    • ➂順序統計量確率密度関数の導出がもっと理解できる
    • ④順序統計量の同時確率密度関数の期待値・分散がよくわかる
    高校数学で十分わかる!
    順序にそって、期待値が増加していることを図で理解しよう!

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    ①順序統計量のイメージが理解できる

    順序統計量の大事な基礎をまとめています。まず、ここで学習しましょう。

    順序統計量 【まとめ】
    「順序統計量の考え方がよくわかる」
    順序統計量をわかりやすく解説!大事な基礎をすべてまとめています。必見!

    ➁順序統計量の教科書的な確率密度関数の導出

    (1) 順序統計量の教科書的な確率密度関数の導出

    関数\(f_{(i)}(x)\)=\(\frac{n!}{(i-1)!1!(n-i)!}\)\(F(x)^{i-1}(1-F(x))^{n-1} f(x)\)の導出についてです。

    教科書の導出方法を解説します。

    \(X\)=(\(X_1,…,X_n\))を\(n\)個の独立な確率標本とし、確率密度関数、および分布関数をそれぞれ\(f(x)\),\(F(x)\)とする。また、\(F_{(i)}\),\(i=1,…,n\)を\(i\)番目の順序統計量\(X_{(i)}\)の分布案数とする。

    順序統計量

    上図のように、事象\(x\) < \(X_{(i)}\) < \(x+δx\)(\(δx\)は微小とする)の起こる確率Prは、二項定理を使って
    Pr(\(x\) < \(X_{(i)}\) < \(x+δx)\)
    =\(\frac{n!}{(i-1)!1!(n-i)!}\) \(F(x)^{i-1} (1-F(x+δx))^{n-i} (F(x+δx)-F(x))\)
    =(式1)
    と表現できる。

    二項定理から見ると、
    ●\(F(x)\)が\(i-1\)個
    ●\(F(x+δx)-F(x)\)が1個
    ●残り\(1F(x+δx)\)が\(n-i\)個
    を選ぶ、場合の数を求めるイメージです。

    (式1)の微分が関数\(f_{(i)}(x)\)になるので、
    \( \displaystyle \lim_{n \to \infty} \frac{ Pr}{δx} \)
    =\(f_{(i)}(x)\)=\(\frac{n!}{(i-1)!1!(n-i)!}\)\(F(x)^{i-1}(1-F(x))^{n-1} f(x)\)
    =(式2)

    ((式1)の中の、\((F(x+δx)-F(x))/δx\)⇒\(f(x)\)になります。)

    続いて、教科書的な同時確率密度関数の導出も見ましょう。

    (2) 順序統計量の教科書的な同時確率密度関数の導出

    関数\(f_{(i),(j)}(x_{(i)},x_{(j)})\)=\(C_{i,j}F(x_i)^{i-1}\)\((F(x_j)-F(x_i))^{j-i-1}\)\((1-F(x_j))^{n-j}f(x_i)f(x_j)\)の導出についてです。

    教科書の導出方法を解説します。

    2つの順序統計量\(X_{(i)}\)、\(X_{(ij)}\)について考えるが、
    ●1 < \(i\) < \(j\) < \(n\)
    とする。この場合、
    \(x_i\) < \(X_{(i)}\) \(X_{(i)}\) \(x_i + δx_i\)および\(x_j\) < \(X_{(j)}\) \(X_{(j)}\) \(x_j + δx_j\)が同時に起こる確率Prは、下図と二項定理を使って以下で表現できる。

    順序統計量

    Pr(\(x\) < \(X_{(i)}\) < \(x+δx\),\(x\) < \(X_{(i)}\) < \(x+δx\))
    =\(\frac{n!}{(i-1)!1!(j-i-1)!1!(n-j)!}\) \(F(x)^{i-1} (F(x_j)-F(x_i +δx_i))^{j-i-1}\)\((1-F(x_j + δx_j))^{n-j} (F(x_i +δx_i)-F(x_i)) (F(x_j +δx_j)-F(x_j))\)
    =(式3)
    で表現できる。

    二項定理から見ると、
    ●\(F(x_i)\)が\(i-1\)個
    ●\(F(x_i+δx_i)-F(x_i)\)が1個
    ●\(F(x_j)-F(x_i + δx_i)\)が\(j-i-1\)個
    ●\(F(x_j+δx_j)-F(x_j)\)が1個
    ●1-\(F(x_j+δx_j)\)が\(n-j\)個
    を選ぶ、場合の数を求めるイメージです。

    (式3)の微分が関数\(f_{(i),(j)}(x)\)になるので、
    \( \displaystyle \lim_{n \to \infty} \frac{ Pr}{δx_i δx_j} \)
    =\(C_{i,j}F(x_i)^{i-1}\)\((F(x_j)-F(x_i))^{j-i-1}\)\((1-F(x_j))^{n-j}f(x_i)f(x_j)\)
    (ここで、\(C_{i,j}=\frac{n!}{(i-1)!(j-i-1)!(n-j)!}\))
    =(式4)

    ((式3)の中の、
    \((F(x_i+δx_i)-F(x_i))/δx_i\)⇒\(f_(i)(x)\)と
    \((F(x_j+δx_j)-F(x_j))/δx_j\)⇒\(f_(j)(x)\)に
    なります。)

    ➂順序統計量確率密度関数の導出がもっと理解できる

    二項定理から導出できるのは事実ですが、順序よく並ぶイメージがまったくありません。

    むしろ、順序よく並ぶ関数が先にあって、それを整えて作られたのが順序統計量の確率密度関数の形であるとQCプラネッツでは考えています。

    なので、

    1. 順序よく並ぶ関数の形を探す
    2. 関数の値が綺麗になるように係数で整える

    の順番で順序統計量の確率密度関数を考えていきます。

    高校数学の関数で期待値が昇順に並ぶ例を学ぶ

    1. 順序よく並ぶ関数の形を探す
    2. 関数の値が綺麗になるように係数で整える

    を簡単な事例で解説します! しかも高校数学でできます! 

    高校数学でしかも、\(x^n\)の式で、期待値が昇順に並ばせることができる関数があります。面白い!ので次の例題を提示します!大学入試に出題されてもいい良問です!

    順序統計量の確率密度関数が理解できる高校数学問題

    4次関数
    \(f_1 (x)= 5(1-x)^4\)
    \(f_2 (x)= 5x(1-x)^3\)
    \(f_3 (x)= 5x^2 (1-x)^2\)
    \(f_4 (x)= 5x^3 (1-x)^1\)
    \(f_5 (x)= 5x^4 \)
    (つまり、\(f_i (x)= 5x^{i-1} (1-x)^{5-i}\) (\(i\)=1,2,3,4,5))
    ( 0 < \(x\) < 1)
    を定義する。
    (1) \(f_i (x)= 5x^{i-1} (1-x)^{5-i}\) (\(i\)=1,2,3,4,5))の概形を描け。
    (2) 期待値E[\(x_i\)]=\( \displaystyle \int_{0}^{1} x f_i(x)\)を計算せよ。
    (3) 期待値E’ [\(x_i\)]=\(\frac{5!}{i!(5-i)!}\)E[\(x_i\)]を求めよ。
    ただし、以下の式\( \displaystyle \int_{0}^{1} x^{p-1} (1-x)^{q-1} dx\)=\(\frac{(p-1)!}{(q-1)!}{(p+q-1)!}\)は証明せずに使ってよい。

    どうでしょう。見た目、大学入試か高校の実力試験に出ても違和感ないですよね!

    実際に解いてみましょう。

    実は、上の例の(3)
    期待値E’ [\(x_i\)]=\(\frac{5!}{i!(5-i)!}\)E[\(x_i\)]こそが順序統計量の確率密度関数の形になっていますし、この期待値を計算すると\(i/n\)に近い式になり、\(i\)を増やすと期待値もそれに従って順序よく増加し、下の図のイメージになります。

    順序統計量

    順序統計量の確率密度関数を理解する方法

    再掲しますが、

    1. 順序よく並ぶ関数の形を探す
    2. 関数の値が綺麗になるように係数で整える

    最初の、順序よく並ぶ関数の形を探すは、上の例題と関連記事の解説から
    \(x^{i}(1-x)^{n-i}\)が関数の項にあれば、期待値は\(i\)を増やすごとに増加し、順序どおり並びます。

    もっと一般化すると、
    ●\(x^{i}(1-x)^{n-i}\)が関数の項にあること
    ●\(f(x)^{i}(1-f(x))^{n-i}\)が関数の項にあること
    ●\(x^{i}(y-x)^{j-i} (1-y)^{n-j}\)が関数の項にあること
    となると、これらも順序よく並びます。

    まず、二項定理から導出するのではなく、順序よく並ぶ関数を用意することが先とQCプラネッツは考えます。

    次に、関数の値が綺麗になるように係数で整えるために二項定理のような係数がつきます。

    実際に、\(x^{i}(1-x)^{n-i}\)を積分するとベータ関数を適用し、計算結果が階乗!を使いまくる式になります。そのままは使いにくいので、「!」を無くすように関数の前に係数が付きます。

    つまり、下図のように順序統計量の式は構成されています。これは同時確率密度関数の場合も同じです。

    順序統計量

    難しい公式を無理に暗記せず、意味を理解しましょう。順序統計量は意味をよく理解することが大事です。

    ④順序統計量の同時確率密度関数の期待値・分散がよくわかる

    結果を記述しますが、詳しい導出はプレミアムテキストにあります。

    期待値と分散を導出する例題

    確率変数\(X\)の確率密度関数\(f(x)\)および分布関数\(F(x)\)が
    ●\(f(x)\)=1 (0 < \(x\) < 1)
    ●\(F(x)\)=x (0 < \(x\) < 1)
    の一様分布に従うとする。このとき、\(X_{(i)}\)と\(X_{(j)}\) (0 < \(X_{(i)}\) < \(X_{(j)}\) < 1)の同時分布について
    (1)期待値E[\(X_{(i)}\)]
    (2)期待値E[\(X_{(i)} X_{(j)}\)]
    (3)分散V[\(X_{(i)}\)]
    (4)共分散Cov[\(X_{(i)} X_{(j)}\)]
    をそれぞれ求めよ。

    (i)期待値の導出

    期待値をまとめると

    【期待値】
    ●期待値E[\(X_{(i)}\)]= \(\frac{i}{n+1}\)
    ●期待値E[\(X_{(i)} X_{(j)}\)]= \(\frac{i(j+1)}{(n+1)(n+2)}\)

    (ii)分散の導出

    分散、共分散をまとめると

    【分散、共分散】
    ●期待値V[\(X_{(i)}\)]= \(\frac{i(n-i+1)}{(n+1)^2 (n+2)}\)
    ●期待値V[\(X_{(i)} X_{(j)}\)] =\(\frac{i(n-j+1)}{(n+1)^2 (n+2)}\)
    順序統計量(一様分布)の同時確率密度関数の難しい式を使う良い演習ができます!。

    結果を記述しますが、詳しい導出はプレミアムテキストにあります。

    統計学_【まとめ】順序統計量 【QCプラネッツ順序統計量プレミアム勉強プリント】リンク

    まとめ

    「順序統計量の同時確率密度関数の導出がよくわかる」を解説しました。

    • ①順序統計量のイメージが理解できる
    • ➁順序統計量の教科書的な確率密度関数の導出
    • ➂順序統計量確率密度関数の導出がもっと理解できる
    • ④順序統計量の同時確率密度関数の期待値・分散がよくわかる
  • 【まとめ】順序統計量の考え方がよくわかる

    【まとめ】順序統計量の考え方がよくわかる

    本記事のテーマ

    順序統計量の考え方がよくわかる
    • ①順序統計量のイメージが理解できる
    • ➁順序統計量がよく理解できる例題
    • ③順序統計量の解説プレミアムテキストのご紹介
    高校数学で十分わかる!
    順序にそって、期待値が増加していることを図で理解しよう!

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    QC検定®1級合格したい方、QCに必要な数学をしっかり学びたい方におススメです。
    QC検定®1級、2級、統計検定2級以上の数学スキルを磨くのに苦戦していませんか? 広大すぎる統計学、微分積分からQC・統計に勝てるための60題に厳選した問題集を紹介します。勉強してスキルを高めましょう。

    ①順序統計量のイメージが理解できる

    順序統計量とは

    順序統計量は意外と使われています。範囲R、R管理図、2点間距離の分布とかです。直観的にはわかりやすけど、数式で書くとめっちゃムズイのが順序統計量!

    ●定義は、

    確率変数\(X_1\),\(X_2\),…,\(X_n\)が独立の確率分布に従うとき、
    これらを大きい順に並べたとき、\(k\)番目の確率変数を\(X_{(k)}\)と書くと、
    \(X_{(1)}\) < \(X_{(2)}\) < \(X_{(k)}\) < … < \(X_{(n)}\)
    に並ぶ統計量を基本統計量という。

    定義は、そうなんだ!と言う感じですが、確率分布関数を見ると「なんじゃこりゃ」とムズくなります。

    確率分布関数\(f_{(i)}x)\)=\(\frac{n!}{(i-1)!1!(n-i)!} F(x)^{i-1}[1-F(x)]^{n-i}f(x)\)

    順序統計量をわかりやすく図で理解できるよう解説します。

    順序統計量のイメージ

    言葉の定義どおり、\(X_{(1)}\) < \(X_{(2)}\) < \(X_{(k)}\) < … < \(X_{(n)}\)
    に並びます。

    面白いのは、

    確率分布関数\(f_{(i)}x)\)の式は1つだが、整数\(i\)を0から1ずつ増やして代入してできる確率分布関数の期待値を計算すると、期待値がちゃんと増加していく!

    図で理解しましょう! 下図をご覧ください。

    順序統計量

    もともと確率分布関数\(f_{(i)}x)\)の式は1つですが、整数\(i\)を0から1ずつ増やして代入してできる確率分布関数の期待値を計算すると、期待値がちゃんと増加しているのがわかりますよね。

    視覚的に順序統計量がイメージできたところで、実際に計算して、上図を作ってみましょう。

    ➁順序統計量がよく理解できる例題

    いろいろな関数を使ってよいですが、順序統計量を理解しやすく、簡単な関数を提示すると、
    \(f(x)=x^p (1-x)^{n-p}\)
    とQCプラネッツは考えています。

    QCでもおなじみの二項分布、二項定理、OC曲線、抜取検査でもよく出で来る式ですし、
    統計学でもベータ関数に持ち込めるし、
    xの何とか乗なので、わかりやすいでしょう。

    ベータ関数を復習する

    順序統計量の前に、よく活用するベータ関数を復習します。

    ベータ関数がよくわかる
    ベータ関数は自力で解けますか?本記事ではベータ関数の導出方法や性質、ガンマ関数との関係をわかりやすく解説します。大学の数学のような難解な説明は一切していません。、大学受験で頻出問題となるベータ関数は受験でも統計学でも重要です。受験生と統計学を学ぶ人は必読です。

    メインの公式は、以下です。よく使います!

    \(B(p,q)= \displaystyle \int_{0}^{1} x^{p-1}(1-x)^{q-1} dx\)
    =\(\frac{(p-1)!(q-1)!}{(p+q-1)!}\)
    \(B(p,q)\)=\(\frac{(p-1)!(q-1)!}{(p+q-1)!}\)

    例題

    次の場合を考えます。

    \(n-1\)個のコインを投げる。コインが表になる確率は\(x\) (0 ≤ \(x\) ≤ 1)とする。この場合、\(i-1\)個のコインが表になる確率の\(n\)倍を\(f_{(i)}(x))\)とする。\(f_{(i)}(x))\)はどんな式になるか?

    なぜか、\(n\)個ではなく\(n-1\)個のコインで、
    なぜか、\(i\)個ではなく\(i-1\)個のコインの場合の確率の
    \(n\)倍するって変ですが、

    期待値、分散の計算を簡単にするために、あえてこのように設定しました。

    確率分布関数\(f_{(i)}(x))\)=\(n _{n-1}C_{i-1} x^{i-1} (1-x)^{n-i}\)
    となりますね。

    コインの表裏の確率問題はよく確率\(\frac{1}{2}\)を使いますが、一般化して\(x\)としました。そうするとベータ関数や順序統計量への応用につながります。

    いきなり難しい数学ではなく、よく勉強した高校数学からつなげて理解を深めましょう。

    期待値E,分散Vの導出

    期待値E[\(x_i\)]、分散V[\(x_i\)]は公式通りです。確認すると、
    E[\(x_i\)]=\( \displaystyle \int_{0}^{1} x f_{(i)}(x) dx\)
    E[\(x_i^2\)]=\( \displaystyle \int_{0}^{1} x^2 f_{(i)}(x) dx\)
    V[\(x_i\)]= E[\(x_i^2\)]- E[\(x_i\)]2
    ですよね。

    素直に代入します。

    期待値E[\(x_i\)]

    E[\(x_i\)]=\( \displaystyle \int_{0}^{1} x f_{(i)}(x) dx\)
    =\( \displaystyle \int_{0}^{1} x・ n _{n-1}C_{i-1} x^{i-1} (1-x)^{n-i} dx\)
    =\( n _{n-1}C_{i-1} \displaystyle \int_{0}^{1} x^i (1-x)^{n-i} dx\)
    =(式1)

    (式1)において、
    \( \displaystyle \int_{0}^{1} x^i (1-x)^{n-i} dx\)
    はベータ関数を使うと
    \( \displaystyle \int_{0}^{1} x^i (1-x)^{n-i} dx\)
    =\(B(i+1,n-i+1)\)
    =\(\frac{i!(n-i)!}{(n+1)!}\)
    =(式2)

    (式2)を(式1)に代入すると、
    (式1)=\(\frac{n!}{(i-1)!(n-i)!}\)・\(\frac{i!(n-i)!}{(n+1)!}\)
    =\(\frac{i}{n+1}\)

    まとめると、
    期待値E[\(x_i\)]=\(\frac{i}{n+1}\)
    と随分スッキリした式で表現できます!

    期待値E[\(x_i^2\)]

    期待値E[\(x_i\)]と同様に解くと、

    E[\(x_i^2\)]=\( \displaystyle \int_{0}^{1} x^2 f_{(i)}(x) dx\)
    =\( \displaystyle \int_{0}^{1} x^2・ n _{n-1}C_{i-1} x^{i-1} (1-x)^{n-i} dx\)
    =\( n _{n-1}C_{i-1} \displaystyle \int_{0}^{1} x^{i+1} (1-x)^{n-i} dx\)
    =(式3)

    (式3)において、
    \( \displaystyle \int_{0}^{1} x^{i+1} (1-x)^{n-i} dx\)
    はベータ関数を使うと
    \( \displaystyle \int_{0}^{1} x^{i+1} (1-x)^{n-i} dx\)
    =\(B(i+2,n-i+2)\)
    =\(\frac{(i+1)!(n-i)!}{(n+2)!}\)
    =(式4)

    (式4)を(式3)に代入すると、
    (式3)=\(\frac{n!}{(i-1)!(n-i)!}\)・\(\frac{(i+1)!(n-i)!}{(n+2)!}\)
    =\(\frac{i(i+1)}{(n+1)(n+2)}\)

    まとめると、
    期待値E[\(x_i^2\)]=\(\frac{i(i+1)}{(n+1)(n+2)}\)

    分散V[\(x_i\)]

    V[\(x_i\)]= E[\(x_i^2\)]- E[\(x_i\)]2より
    =\(\frac{i(i+1)}{(n+1)(n+2)}\)- \((\frac{i}{n+1})^2\)
    =\(\frac{i(n-i+1)}{(n+1)^2(n+2)}\)

    結果を可視化してチェック

    関数、期待値と分散は、それぞれ、
    ●関数\(f_{(i)}(x)\)=\(n _{n-1}C_{i-1} x^{i-1} (1-x)^{n-i}\)
    ●期待値E[\(x_i\)]=\(\frac{i}{n+1}\)
    ●分散V[\(x_i\)]=\(\frac{i(n-i+1)}{(n+1)^2(n+2)}\)
    でしたね。

    具体的にn=5としてi=1,2,3,4,5を代入しましょう。

    関数を具体的にn=5としてi=1,2,3,4,5を代入すると、
    ●\(f_{(1)}(x)\)=\(5(1-x)^4\)
    ●\(f_{(2)}(x)\)=\(20 x(1-x)^3\)
    ●\(f_{(3)}(x)\)=\(30 x^2 (1-x)^2\)
    ●\(f_{(4)}(x)\)=\(20 x^3 (1-x)\)
    ●\(f_{(5)}(x)\)=\(5 x^4\)

    グラフにしましょう。Iの値によって形が変化しています。

    順序統計量

    期待値E[\(x_i\)]

    ●期待値E[\(x_i\)]=\(\frac{i}{n+1}\)
    を実際に代入すると
    ●期待値E[\(x_1\)]=\(\frac{1}{6}\)
    ●期待値E[\(x_2\)]=\(\frac{2}{6}\)
    ●期待値E[\(x_3\)]=\(\frac{3}{6}\)
    ●期待値E[\(x_4\)]=\(\frac{4}{6}\)
    ●期待値E[\(x_5\)]=\(\frac{5}{6}\)
    これをグラフにすると、確かに順序にそって、右に期待値が増加しているのがわかりますね。

    順序統計量

    分散V [\(x_i\)]

    ●期待値V[\(x_1\)]=\(\frac{5}{6^2 7}\)
    ●期待値V[\(x_2\)]=\(\frac{8}{6^2 7}\)
    ●期待値V[\(x_3\)]=\(\frac{9}{6^2 7}\)
    ●期待値V[\(x_4\)]=\(\frac{8}{6^2 7}\)
    ●期待値V[\(x_5\)]=\(\frac{5}{6^2 7}\)
    となり、i=3の時が分散は最大になることがわかります。

    順序統計量は、視覚的に理解することが大事!

    ③順序統計量の解説プレミアムテキストのご紹介

    以前は、ブログ記事でまとめていましたが、PDFとしてまとめました。ダウンロードして学習ください。

    順序統計量のパターンがたくさんが理解できる関連記事を紹介します。上から下に沿って、それぞれの関連記事を読んでいってください。

    統計学_【まとめ】順序統計量 【QCプラネッツ順序統計量プレミアム勉強プリント】リンク

    No ブログ記事リンク
    1 順序統計量(指数関数)がよくわかる
    2 順序統計量の同時確率密度関数の期待値・分散がよくわかる
    3 順序統計量の中央値の確率密度関数がわかる
    4 順序統計量の幅の分布がわかる
    5 順序統計量の演習問題

    一緒に勉強しましょう。

    まとめ

    「順序統計量の考え方がよくわかる」を解説しました。

    • ①順序統計量のイメージが理解できる
    • ➁順序統計量がよく理解できる例題
  • 【まとめ】正規分布、カイ二乗分布、t分布、F分布の関係性がよくわかる

    【まとめ】正規分布、カイ二乗分布、t分布、F分布の関係性がよくわかる

    本記事のテーマ

    【まとめ】正規分布、カイ二乗分布、t分布、F分布の関係性がよくわかる
    • ①分布関数を必要とする理由を理解する
    • ➁正規分布、カイ二乗分布、t分布、F分布の関係性
    • ➂分布関数を導出するために必要な数学手法
    • ➃分布関数の学ぶ順番
    高校数学で十分わかる!
    QC検定®2級、1級にも頻出なので、しっかり理解しましょう。
    平方和・分散の導出方法でχ2乗分布、F分布、t分布の関数が作られていることがわかればOK!
    正規分布、カイ二乗分布、t分布、F分布の関係性がわかる!

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    QC検定®1級、2級、統計検定2級以上の数学スキルを磨くのに苦戦していませんか? 広大すぎる統計学、微分積分からQC・統計に勝てるための60題に厳選した問題集を紹介します。勉強してスキルを高めましょう。

    ①分布関数を必要とする理由を理解する

    なんで、いろいろ分布関数があるの?

    分布関数が必要な理由を最初に理解しましょう。

    それは、

    調べたい変数(特に、変位x、変位xのばらつき)があるから

    解析したい変数に合わせて分布関数がある

    私たちが知りたい変数の情報は主に3つです。

    1. 変数Xそのもの
    2. 変数Xのばらつき(平方和)
    3. 変数Xの分散の変化(分散比)

    つまり、

    1. データxの値そのものをまず調べて
    2. その値が妥当かどうかを見たいために、分散・平方和を求める
    3. また、条件変化によるデータxの変化も分散比から求めたい

    という3つの情報があります。

    4つの分布関数がありますが、関係性は下表のとおりです。

    変数 分布
    変位x 正規分布(またはt分布)
    平方和S
    分散(V)
    χ2乗分布
    分散比 F分布

    ここまでの内容は大丈夫でしょうか?わかりやすいはずですが、結構重要なエッセンスです。

    この重要なエッセンスを主に、実際数式を解いていきます。数式が複雑なだけで考え方はここまで理解できればOKです。

    ➁正規分布、カイ二乗分布、t分布、F分布の関係性

    関係性は図で理解する

    図を見ましょう。

    正規分布,χ2乗分布,F分布,t分布1

    勉強する順番は、

    1. 変数Xそのもの
    2. 変数Xのばらつき(平方和)
    3. 変数Xの分散の変化(分散比)

    ですから、

    1. 最初に変位Xを表現する正規分布
    2. 正規分布の2乗和を表現するχ2乗分布で平方和・分散を評価します。
    3. 分散の変化があれば、分散比を使ってF分布を使います。
    4. t分布はおまけ

    ここで、t分布は (t分布)=(正規分布)×1/√(χ2乗分布/n(自由度))な変換で導出します。イメージは

    正規分布,χ2乗分布,F分布,t分布2

    t分布が何者かわかりにくいですが、これで少しイメージが付いたと思います。

    QC検定®では、
    ①正規分布
    ➁t分布
    ➂χ2乗分布
    ➃F分布
    の順番
    ですが、

    数学的には、
    ①正規分布
    ➁χ2乗分布
    ➂F分布
    ➃t分布
    の順番の方が理解しやすい
    です。

    ➂分布関数を導出するために必要な数学手法

    ここは、QC検定®1級以上のレベルなので、初めて確率密度関数を学ぶ人はスキップしてもOKです。

    でも、導出過程を知らないと、わけのわからない関数のままです。

    分布関数を導出するために必要な数学は以下です。すべて関連記事に書いていますのでご覧ください。

    1. ベータ関数、ガンマ関数
      (正規分布の積分に必要)
    2. 確率変数の変換
      (\(Y=X^2\)のχ2乗分布を作るときに必要)
    3. 畳み込み積分
      (自由度1からnのχ2乗分布を作るときに必要)
    4. 確率変数の変換
      (F分布を作るときに必要)

    難しい式を並べず、高校数学の復習をしてから解説しているので、理解しやすいです。1つずつ何度も読んで理解を深めてください。一読でわかるものではないので注意です!

    ベータ関数、ガンマ関数

    ベータ関数

    ベータ関数がよくわかる
    本記事ではベータ関数の導出方法や性質、ガンマ関数との関係をわかりやすく解説します。大学の数学のような難解な説明は一切していません。大学受験で頻出問題となるベータ関数は受験でも重要です。

    ガンマ関数

    統計学_ガンマ分布 ガンマ分布がよくわかる
    信頼性工学で必須なガンマ分布の特徴・期待値・分散などをわかりやすく解説します。

    確率変数の変換

    統計学_2確率変数変換_Z=XY積 2変数の確率変数の変換がよくわかる(1変数の積の場合)
    2変数の確率変数の変換の基礎をわかりやすく解説します。

    畳み込み積分

    【まとめ】畳み込み積分がよくわかる
    本記事では畳み込み積分を高校数学を使ってわかりやすく解説し、 さらに一様分布、指数分布、正規分布、ポアソン分布、χ2乗分布を組み合わせた畳み込み積分の計算を途中経過を一切端折らずに解説しています。

    ➃分布関数の学ぶ順番

    何度も書いていますが、

    1. 変数Xの分布は正規分布からスタートする
    2. ばらつきを調べたいので平方和を表現するχ2乗分布が欲しくなる
    3. ばらつきの変化を調べたいので分散比を表現するF分布が欲しくなる
    4. t分布はおまけ

    を理解しましょう。ここからは、実際に数学を駆使して確率密度関数を導出しています。関連記事を見てください。

    変数Xの分布は正規分布からスタートする

    正規分布の導出がよくわかる
    本記事では専門書を読んでも理解できない正規分布の導出をわかりやすく解説しています。統計学、品質管理に関わる人は必読です。

    大事なポイントは、
    なぜ、\(e^{-x^2}\)型を正規分布は使うのかを理解することです! この理由を考えながら関連記事を読んでください。

    ばらつきを調べたいので平方和を表現するχ2乗分布が欲しくなる

    ★リンク QCプラネッツプレミアムテキスト
    「F分布、χ2乗分布の導出がよくわかる」で確認ください

    大事なポイントは、

    ①確率変数変換\(Y=X^2\)で2乗の変数を作る事です。1つの解法でどんな変換もイケます!実際に使う式は
    \(g(y)\) =\(\frac{1}{2\sqrt{y}}(f(\sqrt{y})+f(-\sqrt{y}))\)
    暗記せず、導出過程も理解していきましょう。

    ➁2乗の変換ができたら、次は、2乗和して平方和・分散の確率密度関数を作ることです。
    和は「畳み込み積分」で表現します。
    \(Z=X_1^2+X_2^2\)⇒ \( g(z)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f_1(x)f_2(z-x)dx \)
    ですね。これをくりかえします。

    \(Z=(X_1^2+X_2^2)+X_3^2\)⇒ \( g(z)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f_{1,2}(x)f_3(z-x)dx \)

    \(Z=(X_1^2+…+X_{n-1}^2)+X_n^2\)⇒ \( g(z)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f_{1,…,n-1}(x)f_n(z-x)dx \)
    こうやってχ2乗分布の確率密度関数を導出します!

    ばらつきの変化を調べたいので分散比を表現するF分布が欲しくなる

    ★リンク QCプラネッツプレミアムテキスト
    「F分布、χ2乗分布の導出がよくわかる」で確認ください

    大事なポイントは、
    \(X,Y⇒Z=X/Y,W=Y\)と確率変数を変換して、
    2変数の同時確率密度関数を導出
    します。
    そして、変数を1つ減らすために、積分した周辺確率密度関数からF分布の確率密度関数が導出できます。

    t分布はおまけ

    t分布の確率密度関数の導出がよくわかる
    t分布の確率密度関数は導出できますか?本記事では、2つの確率変数の変換の解法パターンでわかりやすく丁寧にt分布の確率密度関数を導出します。統計学を学んでいる方は必読です。

    大事なポイントは、
    \(X,Y⇒Z=X/\sqrt{\frac{Y}{n}},W=Y\)と確率変数を変換して、
    2変数の同時確率密度関数を導出
    します。
    そして、変数を1つ減らすために、積分した周辺確率密度関数からt分布の確率密度関数が導出できます。

    t分布の導出を最後として、F分布の導出の後にした理由は
    F分布と導出方法が同じで、変換する変数が異なるだけだからです。

    公式暗記に頼らず、確率密度関数の理解が深まります!相当の数学力が高まります!

    まとめ

    「【まとめ】正規分布、カイ二乗分布、t分布、F分布の関係性がよくわかる」を解説しました。

    • ①分布関数を必要とする理由を理解する
    • ➁正規分布、カイ二乗分布、t分布、F分布の関係性
    • ➂分布関数を導出するために必要な数学手法
    • ➃分布関数の学ぶ順番
  • 正規分布の導出がよくわかる

    正規分布の導出がよくわかる

    本記事のテーマ

    正規分布の導出がよくわかる
    • ①正規分布の導出は難しすぎる
    • ➁正規分布は何で\(e^{-x^2}\)の式を使うの?
    • ➂わかりやすい正規分布の導出を伝授!
    「正規分布って何で\(e^{-x^2}\)なの?」、「正規分布の導出が理解できない!」と疑問に思いませんか?
    「専門書に導出過程あるけど、読んでもわからない。。。」
    を解説します!

    QCに必要な数学問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方、QCに必要な数学をしっかり学びたい方におススメです。
    QC検定®1級、2級、統計検定2級以上の数学スキルを磨くのに苦戦していませんか? 広大すぎる統計学、微分積分からQC・統計に勝てるための60題に厳選した問題集を紹介します。勉強してスキルを高めましょう。

    ①正規分布の導出は難しすぎる

    正規分布の導出方法は専門書を読んでもわからない

    実は、正規分布の導出をしっかりまとめた本があります。

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    正規分布ハンドブック [ 蓑谷千凰彦 ]
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    この本のP137~181まで、「正規分布の歴史」として、過去の偉大な数学者が式の導出を解説しています。

    でも、

    読んでもわからない。。。

    正規分布の導出方法が書いているサイトを見てもわからない。。。

    ネットにも、いろいろ解説がありますが、

    「正規分布 導出」で検索!

    でも、でも、でも

    読んでもわからない。。。

    だから、本記事を書くことにしました。

    ➁正規分布は何で\(e^{-x^2}\)の式を使うの?

    正規分布の「正規」って何なの?

    わかります? この質問?

    1. 正規分布の「正規」って、何が「正規」なの?
    2. なんで、\(e^{-x^2}\)の式を使うの?

    これを簡単に答えると、

    1. 中心が0、標準偏差が1であること
    2. 左右対称な分布関数であること
    3. [-∞,∞]で分布関数を積分しても有限な値であること

    でOKです。

    上の3条件を満たす関数なら、正規分布は\(f(x)=e^{-x^2}\)でなくてもOKです。ですが、\(f(x)=e^{-x^2}\)以外の関数を見たことがありません。

    もしあったら教えてください。

    この定義でいくと、分布関数は
    \(f(x)=x^a+・・・\)とかは、[-∞,∞]で積分すると∞に発散するのでNGです。

    なので、\(f(x)=e^{-g(x)}\)型が有効なのは理解できます。

    ここで、疑問が沸きます!

    \(f(x)=e^{-x}\)の方が、積分簡単なのに、
    なんで、\(f(x)=e^{-x^2}\)と複雑な式を使うの?

    高校数学や大学入試で、出て来る関数は圧倒的に、
    \(f(x)=e^{-x}\)の方です!

    なぜなら、

    \(f(x)=e^{-x}\)は微分も積分も簡単にできて便利!

    じゃー、正規分布も\(f(x)=e^{-x}\)にすればいいじゃん!

    これをわかりやすく解説します。

    ➂わかりやすい正規分布の導出を伝授!

    モデル式(微分方程式)を作る!

    ガウスの公理というものがあります。感覚的に理解できるものです。

    1. 大きさの大きい正と負の誤差は等しい確率で生じる
    2. 小さい誤差は大きな誤差より起こりやすい
    3. ある限界値より大きな誤差は実際上起こらない
    最初の「大きさの大きい正と負の誤差は等しい確率で生じる」は、
    y軸で対称な確率密度関数\(\f(x))を用意すればOKということ。
    先に最後の「ある限界値より大きな誤差は実際上起こらない」は、
    モデル式とは関係ないので一旦保留にしておきます。

    モデル式で大事なのは、

    モデル式で大事なのは、
    2つ目の「小さい誤差は大きな誤差より起こりやすい」。

    これを式でQCプラネッツ的に考えます。

    ヒントするのは、高校数学・物理で習う、「放射性物質の時間に対する質量の変化率は質量に変化する」です。

    確率密度関数は下図のように、ある点\(x\)での確率\(f(x)\)(<1)の確率の変化\(f’(x)\)は、その確率\(f(x)\)(<1)に関係があるはずで、誤差が増える(\(x\)が増える)ほど、確率\(f(x)\)は0に近づくように値が下がっていきます。

    正規分布1

    これを表現すると
    \(f’(x)\)=\(-af(x)\) (\(a\) >0)
    と置いてもよいでしょう。

    この微分方程式を解くと、
    \(\frac{df}{dx}=-af\)
    \(\frac{df}{f}=-adx\)
    両辺を積分すると
    \(log(f(x))=-ax\)
    \(f(x)=e^{-ax}\)
    となります。

    あれ? 正規分布の式\(f(x)=e^{-x^2}\)じゃない!

    正規分布が\(f(x)=e^{-x}\)でない理由の1つは、
    下図のように尖っているから

    正規分布2

    ヒストグラムを書くと、もう少し滑らかな確率分布関数ですよね!

    正規分布3

    なので、モデル式を改造して再検討しましょう!

    モデル式(微分方程式)を修正して再度解く!

    正規分布は滑らかさが必要!
    これをどうやってモデル式に表現したらよいか?

    ヒストグラムを見ると、滑らかさの秘訣がわかります。

    ある点まではゆっくり\(f(x)\)が下がるが
    ある点を超えると一気に\(f(x)\)が下がる!

    これを表現できるいい方法があります!
    モデル式をこう変えます!

    \(f’(x)\)=\(-af(x)\) (\(a\) >0)を
    \(f’(x)\)=\(-axf(x)\) (\(a\) >0)に
    変える!

    つまり、\(x\)の積を追加すればOK!

    \(x\)は 0 < \(x\) <1 の時、
    \(f’(x)\)= \(axf(x)\) < \(af(x)\)より、
    \(f’(x)\)は小さいから、\(f(x)\)の下がり方は小さい!

    \(x\)は 1 < \(x\) の時、
    \(f’(x)\)= \(axf(x)\) > \(af(x)\)より、
    \(f’(x)\)は大きくなるから、\(f(x)\)は一気に下がる!

    \(x\)の積を追加すれば、
    正規分布の滑らかさが表現できていますね!

    正規分布4

    この微分方程式を解くと、
    \(\frac{df}{dx}=-axf\)
    \(\frac{df}{f}=-axdx\)
    両辺を積分すると
    \(log(f(x))=-\frac{1}{2}ax^2\)
    \(f(x)=e^{-\frac{1}{2}ax^2}\)
    となります。

    正規分布の式になりましたね!

    正規分布5

    この説明の方が、正規分布の導出は理解しやすい!です。

    本記事の注意点

    正規分布の導出を簡易的に理解できる方法を本記事で解説しました。

    ただし、厳密な証明をやっぱり身に着けたい方は、本や他のサイトで勉強してください。

    QCプラネッツも厳密な証明方法をわかりやすく解説したかったのですが、
    難しくて挫折したのと、
    専門書の導出過程は強引な所が多々あるため、

    本記事の簡易的な導出方法としました。

    専門書と本記事を比較しても正規分布の導出については、
    それほど説明力は変わらないのかもしれません。

    難しい式や概念は、精度を下げてもいいから、わかりやすいものから理解する!
    慣れてきたら、専門書で厳密な定義を理解する!

    わかりやすい正規分布の導出方法を解説しました。

    まとめ

    「正規分布の導出がよくわかる」を解説しました。

    • ①正規分布の導出は難しすぎる
    • ➁正規分布は何で\(e^{-x^2}\)の式を使うの?
    • ➂わかりやすい正規分布の導出を伝授!
  • ベータ関数がよくわかる

    ベータ関数がよくわかる

    本記事のテーマ

    ベータ関数がよくわかる
    • ①ベータ関数とは
    • ➁ベータ関数を導出
    • ➂ベータ関数を使った頻出な大学入試問題
    高校数学で十分わかる!
    大学入試問題練習にも復習にもなる!
    ガンマ関数の前に、ベータ関数から理解してきましょう!

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    ①ベータ関数とは

    ベータ関数とは

    \(B(p,q)= \displaystyle \int_{0}^{1} x^{p-1}(1-x)^{q-1} dx\)
    =\(\frac{(p-1)!(q-1)!}{(p+q-1)!}\)

    なんじゃこりゃ!ですが、大丈夫です!

    高校数学でよく出て来るベータ関数

    一番大事なのは、

    曲線と直線間の面積公式が最初

    そして、よく見かける式がベータ関数の入り口です。

    \(\displaystyle \int_{α}^{β} (x-α)^m (x-β)^n dx \)

    ここで、m=n=1なら、2次関数と直線との面積で、暗記する公式
    \(\displaystyle \int_{α}^{β} (x-α) (x-β)dx \)=\(-\frac{1}{6}(β-α)^3\)
    ですよね!

    ベータ関数

    ベータ関数とガンマ関数の関係式

    大学数学以上では頻繁に使うので、先に紹介します。

    \(B(p,q)=\frac{Γ(p)Γ(q)}{Γ(p+q)} \)

    この証明は、ガンマ関数の記事で解説しますが、ここでは簡単なイメージです。

    \(B(p,q)\)=\(\frac{(p-1)!(q-1)!}{(p+q-1)!}\)
    \(Γ(p)=(p-1)!\)、\(Γ(q)=(q-1)!\)、\(Γ(p+q)=(p+q-1)!\)より
    \(B(p,q)\)=\(\frac{(p-1)!(q-1)!}{(p+q-1)!}\)= \(\frac{Γ(p)Γ(q)}{Γ(p+q)} \)と
    階乗「!」でみていけば公式が成り立つのが、わかりますね。

    高校数学で十分説明つきますね!

    ガンマ関数をベータ関数でまとめられないか?を考える

    では、ベータ関数を導出してみましょう。

    ➁ベータ関数を導出

    【大学入試頻出問題】積分から

    次の式を証明しましょう! 大学入試で絶対マスターすべき良問です!

    【問】以下の式を導出せよ。
    \(I(m,n)= \displaystyle \int_{a}^{b} (x-a)^m (x-b)^ndx \)
    =\((-1)^n \frac{m!n!}{(m+n+1)!}(b-a)^{m+n+1}\)

    解法

    まず、部分積分すると、漸化式が作れます。

    \(\left[ \frac{1}{m+1}(x-a)^{m+1} (x-b)^n \right]_{a}^{b}\)=\(I(m,n)+\frac{n}{m+1}I(m+1,n-1)\)
    なお、(左辺)は0なので、
    \(I(m,n)\)=\(-\frac{n}{m+1}I(m+1,n-1)\) (式1)

    (式1)から、
    \(I(m,n)\)=\(-\frac{n}{m+1}I(m+1,n-1)\)= \((-\frac{n}{m+1})(-\frac{n-1}{m+2})I(m+2,n-2)\)
    =…=\((-1)^n \frac{m!n1}{(m+n)!} I(m+n,0)\)
    =\((-1)^n \frac{m!n1}{(m+n+1)!} (b-a)^{m+n+1}\) (式2)

    と証明できます。今後、演習問題として取り上げたいので、計算途中を端折りましたが、一度は見ながら導出してみてください。

    ベータ関数への導出

    問:次の式を導出せよ。
    \(B(a,b)= \displaystyle \int_{0}^{1} x^{a-1}(1-x)^{b-1} dx\)
    =\(\frac{(a-1)!(b-1)!}{(a+b-1)!}\)

    これも、大学入試で出題されてもいい良問です。まさにベータ関数の導出です。

    (式2)を再掲します。
    \(I(m,n)\)=\((-1)^n \frac{m!n1}{(m+n+1)!} (b-a)^{m+n+1}\) (式2)

    ここで、上手な置き換えをします。
    \(t=\frac{x-a}{b-a}\)と置くと、

    ●\((x-a)=t(b-a)\)
    ●\((x-b)=(t-1)(b-1)\)
    ●\(dx=(b-a)dt\)

    積分区間は

    積分区間
    x a b
    t 0 1

    これを(式2)に代入すると
    \(I(m,n)= \displaystyle \int_{a}^{b} (x-a)^m (x-b)^ndx \)
    =\((-1)^n \frac{m!n1}{(m+n+1)!} (b-a)^{m+n+1}\)

    (右辺)=\(\displaystyle \int_{a}^{b} (x-a)^m (x-b)^ndx \)
    =\(\displaystyle \int_{0}^{1} t^m (b-a)^m (t-1)^n (b-a)^n (b-a) dt \)
    =\((-1)^n (b-a)^{m+n+1} \displaystyle \int_{0}^{1} t^m (1-t)^n dt \)
    =\((-1)^n \frac{m!n1}{(m+n+1)!} (b-a)^{m+n+1}\)
    より、

    \(\displaystyle \int_{0}^{1} t^m (1-t)^n dt \)=\(\frac{m!n!}{(m+n+1)!} \)
    ここで、 \(m⇒m-1,n⇒n-1\)に変えると、
    \(\displaystyle \int_{0}^{1} t^{m-1} (1-t)^{n-1} dt \)=\(\frac{(m-1)!(n-1)!}{(m+n-1)!} \)
    となり、ベータ関数が導出できます!

    ➂ベータ関数を使った頻出な大学入試問題

    三角関数の積分とベータ関数

    ベータ関数は

    \(B(a,b)= \displaystyle \int_{0}^{1} x^{a-1}(1-x)^{b-1} dx\)
    =\(\frac{(a-1)!(b-1)!}{(a+b-1)!}\)

    ここで、\(t\)は 0 ≤ \(t\) ≤ 1ですから、何か \(cos,sin\)で置きたくなります。

    \(t=sin^2 θ\)と置くと、
    \(B(a,b)= 2\displaystyle \int_{0}^{\frac{π}{2}} sin^{2a-1}θ cos^{2b-1} θ dθ\)
    =\(\frac{(a-1)!(b-1)!}{(a+b-1)!}\)
    となる。

    これは、よく \(x^{\frac{a}{b}}+y^{\frac{c}{d}}=1\)の曲線の面積を求める時によく使いますし、大学入試でも頻出問題ですね。

    ベータ関数に関する大学入試問題

    過去の入試問題を紹介しましょう。解けるかな?

    自然数\(m,n\)において、第1象限内の曲線\(x^{\frac{1}{m}}+y^{\frac{1}{n}}\)と\(x\)軸、\(y軸\)で囲まれる部分の面積\(A(m,n)\)を求めよ。(東工大)
    正の整数\(m,n\)において、\(A(m,n)\)を次の定積分で定める。(東北大)
    \(A(m,n)=\displaystyle \int_{0}^{\frac{π}{2}} cos^m x sin^n x dx\)
    (1) 等式 \(A(m,n)=A(n,m)\)および \(A(m+2,n)+A(m,n+2)=A(m,n)\)を示せ。
    (2) 等式 \(A(m,n+2)\)=\(\frac{n+1}{m+1}A(m+2,n)\)を示せ。

    ベータ関数を身に着けるための重要な演習問題です。是非解いてみてください。

    いろいろな関数を使って、確率変数の変換を見て慣れていきましょう!

    本記事の内容は、ほぼ高校数学で解けましたね!

    まとめ

    「ベータ関数がよくわかる」を解説しました。

    • ①ベータ関数とは
    • ➁ベータ関数を導出
    • ➂ベータ関数を使った頻出な大学入試問題
  • 2変数の確率変数の変換がよくわかる(Z=X/Y商の場合)

    2変数の確率変数の変換がよくわかる(Z=X/Y商の場合)

    本記事のテーマ

    2変数の確率変数の変換がよくわかる(Z=X/Y商の場合)
    • ①2変数の確率変数の変換の基本をマスターする
    • ➁ Z=X/Y商の場合(事例1)
    • ➂ Z=X/Y商の場合(事例2)

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    ①2変数の確率変数の変換の基本をマスターする

    基本は次の関連記事でまとめていますので、確認ください。

    統計学_2確率変数変換_Z=XY積 2変数の確率変数の変換がよくわかる(1変数の積の場合)
     2変数の変換の基礎と、積の場合をわかりやすく解説しています!

    では、実践編に入ります。最初は簡単な式から行きます!

    ➁ Z=X/Y積の場合(事例1)

    2変数の前に、1変数の変換については、関連記事でまとめていますが、主にZ=X+Y,Z=X-Yの加減についてですね。

    【まとめ】1変数の確率変数の変換がよくわかる
    本記事では,理解が難しい公式をそのまま使わずに,高校数学で十分解ける解法を解説します。今回は変換したいパターンをすべてを解説!

    では、解説していきます。2例解説します。

    (1) 1変数でZ=X/Y(商)の場合の変換方法

    【例題】
    2つの確率変数\(X\),\(Y\)が独立で、それぞれ一様分布U(0,1)に従うとき、確率変数\(Z\)を\(Z=X/Y\)とするときの、確率密度関数\(h(z)\)を求めよ。

    やってみましょう。

    まず、\(X,Y\)の確率密度関数を定義します。
    \(f(x)\)=1 (0 ≤ \(x\) ≤ 1)
    \(g(y)\)=1 (0 ≤ \(y\) ≤ 1)

    解き方は、

    1. \(x=x(z,w),y=(z,w)\)の式を\(z=z(x,y),w=w(x,y)\)の式に直す
    2. \(f(x,y)dxdy\)=\(f(x(z,w),y(z,w)|det J| dzdw\)に変換する
    3. 2変数\(z,w\)の同時確率密度関数\(g(z,w)\)は
      \(g(z,w)=f(x(z,w),y(z,w)|det J| \)で求まる。
    4. 実際は\(z,w\)のうち、どちらかは不要な変数なので、片方の変数で積分して、残りの変数についての周囲確率密度関数
      (例えば \(g(z)= \displaystyle \int_{w_1}^{w_2} g(z,w)dw \))
      を計算する。

    ですから、1つずつ行きましょう。

    (i)\(x=x(z,w),y=(z,w)\)の式を\(z=z(x,y),w=w(x,y)\)の式に直す

    ここで、変換する変数を定義します。

    \(Z\)=\(X/Y\)、\(W\)=\(Y\)とおく、つまり
    \(Z\)=\(X/W\)、\(W\)=\(Y\)とおきます。

    \(x=x(z,w),y=y(z,w)\)に直します。
    \(x\)=\(zw\)
    \(y\)=\(w\)

    (ii)\(f(x,y)dxdy\)=\(f(x(z,w),y(z,w)|det J| dzdw\)に変換する

    次に、ヤコビ行列から行列式ヤコビアンを求めます。

    ヤコビ行列Jは
    Jは
    J=\(\begin{pmatrix}
    \frac{\partial x}{ \partial z} & \frac{\partial x}{\partial w} \\
    \frac{\partial y}{\partial z} & \frac{\partial y}{\partial w}
    \end{pmatrix}\)

    J=\(\begin{pmatrix}
    w & z \\
    0 & 1
    \end{pmatrix}\)

    次に行列式ヤコビアンは
    \(det J\)=\(w・1-0・z\)
    =\(w \)
    で計算できます。

    ここまで大丈夫ですね!

    (iii)2変数\(z,w\)の同時確率密度関数\(g(z,w)\)を導出

    代入すると、

    \(f(x,y)dxdy\)=\(f(x(z,w),y(z,w)|det J| dzdw\)
    \(f(x(z,w)\)=1, \(g(x(z,w)\)=1に注意して、
    =\( 1・1・ w dzdw\)
    =\(p(z,w)dzdw\)
    =(式1)

    結構、スッキリしますね!

    2変数\(z,w\)に関する同時確率密度関数\(p(z,w)dzdw\)が求まりました。
    次に、zについての周囲確率密度関数を求めます。

    なぜなら、\(w=y\)であり、\(w\)は不要な変数だから\(w\)で積分します。

    ここで、注意なのが、

    変数の範囲が限定されているため、積分区間は場合分けが必要
    (0 ≤ \(x\) ≤ 1)
    (0 ≤ \(y\) ≤ 1)

    変数\(w\)については、以下の3つの場合分けが発生します。

    ①\( h(z)\)=0 (\(z\) ≤ 0) (積分区間が無い)
    ➁\( h(z)=\displaystyle \int_{0}^{1} w dw \)=\(\left[\frac{1}{2}w^2 \right]_{0}^{1}\)=\(\frac{1}{2}\)(0 < \(z\) ≤ 1)
    ➂\( h(z)=\displaystyle \int_{0}^{z} w dw \)=\(\left[\frac{1}{2}w^2 \right]_{0}^{z}\)=\(\frac{1}{2}z^2\)(1 < \(z\))

    となります。図で解説します。ただし、\(z=x/y\)であり\(w=y\)で積分するので、\(xy\)の軸が通常と逆にしています。

    5-1

    1変数の積の変換は2変数の変換から計算できますね!

    もう1つ事例を挙げます。次は、指数分布どうしです。

    ➂ Z=X/Y商の場合(事例2)

    (2) 1変数でZ=X/Y商の場合の変換方法

    【例題】
    2つの確率変数\(X\),\(Y\)が独立で、それぞれ指数分布に従うとき、
    \(f(x)=λe^{-λx} \)(0 ≤ \(x\))
    \(g(y)=μe^{-μy} \)(0 ≤ \(y\))
    確率変数\(Z\)を\(Z=X/Y\)とするときの、確率密度関数\(h(z)\)を求めよ。

    やってみましょう。

    解き方は、事例1と同じです。

    1. \(x=x(z,w),y=(z,w)\)の式を\(z=z(x,y),w=w(x,y)\)の式に直す
    2. \(f(x,y)dxdy\)=\(f(x(z,w),y(z,w)|det J| dzdw\)に変換する
    3. 2変数\(z,w\)の同時確率密度関数\(g(z,w)\)は
      \(g(z,w)=f(x(z,w),y(z,w)|det J| \)で求まる。
    4. 実際は\(z,w\)のうち、どちらかは不要な変数なので、片方の変数で積分して、残りの変数についての周囲確率密度関数
      (例えば \(g(z)= \displaystyle \int_{w_1}^{w_2} g(z,w)dw \))
      を計算する。

    ですから、1つずつ行きましょう。

    (i)\(x=x(z,w),y=(z,w)\)の式を\(z=z(x,y),w=w(x,y)\)の式に直す

    ここで、変換する変数を定義します。

    \(Z\)=\(X/Y\)、\(W\)=\(Y\)とおく、つまり
    \(Z\)=\(X/W\)、\(W\)=\(Y\)とおきます。

    \(x=x(z,w),y=y(z,w)\)に直します。
    \(x\)=\(zw\)
    \(y\)=\(w\)

    (ii)\(f(x,y)dxdy\)=\(f(x(z,w),y(z,w)|det J| dzdw\)に変換する

    次に、ヤコビ行列から行列式ヤコビアンを求めます。

    ヤコビ行列Jは
    Jは
    J=\(\begin{pmatrix}
    \frac{\partial x}{ \partial z} & \frac{\partial x}{\partial w} \\
    \frac{\partial y}{\partial z} & \frac{\partial y}{\partial w}
    \end{pmatrix}\)

    J=\(\begin{pmatrix}
    w & z \\
    0 & 1
    \end{pmatrix}\)

    次に行列式ヤコビアンは
    \(det J\)=\(w・1-0・z \)
    =\(w\)
    で計算できます。

    ここまで大丈夫ですね!

    (iii)2変数\(z,w\)の同時確率密度関数\(g(z,w)\)を導出

    代入すると、

    \(f(x,y)dxdy\)=\(λe^{-λx}・μe^{-μy}\)
    =\(f(x(z,w),y(z,w)|det J| dzdw\)
    =\(λμe^{-λ(zw)}・e^{-μw} w dw\)
    =(式1)

    よって、2変数\(z,w\)に関する同時確率密度関数\(p(z,w)dzdw\)は、
    \(p(z,w)dzdw\)=\(λμe^{-λ(zw)}・e^{-μw} w \)

    2変数\(z,w\)に関する同時確率密度関数\(p(z,w)dzdw\)が求まりました。
    次に、zについての周囲確率密度関数を求めます。

    なぜなら、\(w=y\)であり、\(w\)は不要な変数だから\(w\)で積分します。

    ここで、注意なのが、

    変数の範囲が限定されているため、積分区間は場合分けが必要
    (0 ≤ \(x\))
    (0 ≤ \(y\))

    変数\(w\)については、以下2つの場合分けが発生します。

    ●\( h(z)\)=0 (\(w\) ≤ 0) (積分区間が無い)
    ●\( h(z)=\displaystyle \int_{0}^{∞} (λμe^{-λ(zw)}・e^{-μw} w dw \)

    積分すると、
    \( h(z)=\displaystyle \int_{0}^{∞} (λμe^{-(λz+μ)w)} w dw \)
    =\(\left[-\frac{λμ}{(λz+μ)^2} e^{-(λz+μ)w} \right]_{0}^{∞}\)
    =\(\frac{λμ}{(λz+μ)^2}\)

    計算できました!

    伝えたいことは

    1変数の積の変換は2変数の変換から計算できますね!

    いろいろな関数を使って、確率変数の変換を見て慣れていきましょう!

    本記事の内容は、ほぼ高校数学で解けましたね!

    まとめ

    「2変数の確率変数の変換がよくわかる(Z=X/Y商の場合)」を解説しました。

    • ①2変数の確率変数の変換の基本をマスターする
    • ➁ Z=X/Y商の場合(事例1)
    • ➂ Z=X/Y商の場合(事例2)
  • 2変数の確率変数の変換がよくわかる(1変数の積の場合)

    2変数の確率変数の変換がよくわかる(1変数の積の場合)

    本記事のテーマ

    2変数の確率変数の変換がよくわかる(Z=XY積の場合)
    • ①2変数の確率変数の変換の基本をマスターする
    • ➁ (導入)簡単な事例
    • ③ Z=XY積の場合(事例1)
    • ④ Z=XY積の場合(事例2)

    QCに必要な数学問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方、QCに必要な数学をしっかり学びたい方におススメです。
    QC検定®1級、2級、統計検定2級以上の数学スキルを磨くのに苦戦していませんか? 広大すぎる統計学、微分積分からQC・統計に勝てるための60題に厳選した問題集を紹介します。勉強してスキルを高めましょう。

    ①2変数の確率変数の変換の基本をマスターする

    確率変数の変換は高校数学でほぼイケます!大丈夫!

    確率変数の変換は難しいけど、
    理解しないと、正規分布、t分布、χ2乗分布、F分布との関係が理解できないから困っている!
    確率変数の変換は高校数学でほぼイケます!大丈夫!
    ただし、公式暗記より、実演でマスターしよう!

    慣れてきたら、公式を見ましょう。

    2変数の確率変数の変換の求め方

    1変数の確率変数の変換方法と同様に決まった解法があります。

    変数\(x,y\)を変数\(z,w\)に変換するとします。

    1. \(x=x(z,w),y=(z,w)\)の式を\(z=z(x,y),w=w(x,y)\)の式に直す
    2. \(f(x,y)dxdy\)=\(f(x(z,w),y(z,w)|det J| dzdw\)に変換する
    3. 2変数\(z,w\)の同時確率密度関数\(g(z,w)\)は
      \(g(z,w)=f(x(z,w),y(z,w)|det J| \)で求まる。
    4. 実際は\(z,w\)のうち、どちらかは不要な変数なので、片方の変数で積分して、残りの変数についての周囲確率密度関数
      (例えば \(g(z)= \displaystyle \int_{w_1}^{w_2} g(z,w)dw \))
      を計算する。

    ここで、注意点があります。
    Jは
    J=\(\begin{pmatrix}
    \frac{\partial x}{ \partial z} & \frac{\partial x}{\partial w} \\
    \frac{\partial y}{\partial z} & \frac{\partial y}{\partial w}
    \end{pmatrix}\)

    また、\(det J\)は行列式ヤコビアンといいますね。

    A=\(\begin{pmatrix}
    a & b \\
    c & d
    \end{pmatrix}\)
    のとき、行列式ヤコビアン\(det A\)は、
    \(det A=ad-bc\)
    で計算できます。

    計算力が求められる場合がありますが、基本は高校数学でイケます!

    では、実践編に入ります。最初は簡単な式から行きます!

    ➁ (導入)簡単な事例

    (1) (導入)簡単な事例

    【例題】
    確率変数(\(X,Y\))の同時確率密度関数\(f(x,y)\)が
    \(f(x,y)\)=\(\frac{1}{2}xy^2\) (0 ≤ \(x\) ≤ 2, 0 ≤ \(y\) ≤ 1)
    に対して、確率変数\(Z,W\)を
    \(Z=2X+Y\)
    \(W=X-2Y\)
    と定義した場合の、確率変数\(Z,W\)についての同時確率密度関数\(g(z,w)\)を求めよ。

    解いていきましょう。解法は、

    1. \(x=x(z,w),y=(z,w)\)の式を\(z=z(x,y),w=w(x,y)\)の式に直す
    2. \(f(x,y)dxdy\)=\(f(x(z,w),y(z,w)|det J| dzdw\)に変換する
    3. 2変数\(z,w\)の同時確率密度関数\(g(z,w)\)は
      \(g(z,w)=f(x(z,w),y(z,w)|det J| \)で求まる。
    4. 実際は\(z,w\)のうち、どちらかは不要な変数なので、片方の変数で積分して、残りの変数についての周囲確率密度関数
      (例えば \(g(z)= \displaystyle \int_{w_1}^{w_2} g(z,w)dw \))
      を計算する。

    ですから、1つずつ行きましょう。

    (i)\(x=x(z,w),y=(z,w)\)の式を\(z=z(x,y),w=w(x,y)\)の式に直す

    \(x=x(z,w),y=y(z,w)\)に直します。
    \(x\)=\(\frac{1}{5}(2z+w)\)
    \(y\)=\(\frac{1}{5}(z-2w)\)
    連立方程式から求められます。

    (ii)\(f(x,y)dxdy\)=\(f(x(z,w),y(z,w)|det J| dzdw\)に変換する

    次に、ヤコビアン行列から行列式ヤコビアンを求めます。

    \(det J\)=\(\frac{2}{5}・(-\frac{2}{5})\)-\(\frac{1}{5}・\frac{1}{5}\)
    =\(-\frac{1}{5}\)
    で計算できます。

    (iii)2変数\(z,w\)の同時確率密度関数\(g(z,w)\)を導出

    代入すると、

    \(f(x,y)dxdy\)=\(f(x(z,w),y(z,w)|det J| dzdw\)
    =\(\frac{1}{2} × \frac{1}{5}(2z+w) ×\frac{1}{25}(z-2w)^2 ×|-\frac{1}{5}| dzdw\)
    =\(\frac{1}{1250} (2z+w) (z-2w)^2 dzdw\)

    よって、同時確率密度関数\(g(z,w)\)は
    \(g(z,w)= \frac{1}{1250} (2z+w) (z-2w)^2 \)
    と計算できます。

    なお、ここから\(z\)または、\(w\)だけの周辺確率分布関数が必要なら、不要な変数について積分が必要となります。

    今回の\(f(x,y)\)は簡単な式ですが、正規分布やχ2乗分布の確率分布関数でも同様の解法で変換していきます!

    ③ Z=XY積の場合(事例1)

    (2) 1変数でZ=XY(積)の場合の変換方法

    【例題】
    2つの確率変数\(X\),\(Y\)が独立で、それぞれ一様分布U(0,1)に従うとき、確率変数\(Z\)を\(Z=XY\)とするときの、確率密度関数\(h(z)\)を求めよ。

    やってみましょう。

    まず、\(X,Y\)の確率密度関数を定義します。
    \(f(x)=1\) (0 ≤ \(x\) ≤ 1)
    \(g(y)=1\) (0 ≤ \(y\) ≤ 1)

    解き方は、

    1. \(x=x(z,w),y=(z,w)\)の式を\(z=z(x,y),w=w(x,y)\)の式に直す
    2. \(f(x,y)dxdy\)=\(f(x(z,w),y(z,w)|det J| dzdw\)に変換する
    3. 2変数\(z,w\)の同時確率密度関数\(g(z,w)\)は
      \(g(z,w)=f(x(z,w),y(z,w)|det J| \)で求まる。
    4. 実際は\(z,w\)のうち、どちらかは不要な変数なので、片方の変数で積分して、残りの変数についての周囲確率密度関数
      (例えば \(g(z)= \displaystyle \int_{w_1}^{w_2} g(z,w)dw \))
      を計算する。

    ですから、1つずつ行きましょう。

    (i)\(x=x(z,w),y=(z,w)\)の式を\(z=z(x,y),w=w(x,y)\)の式に直す

    ここで、変換する変数を定義します。

    \(Z\)=\(XY\)、\(W\)=\(Y\)とおく、つまり
    \(Z\)=\(XW\)、\(W\)=\(Y\)とおきます。

    \(x=x(z,w),y=y(z,w)\)に直します。
    \(x\)=\(\frac{z}{w}\)
    \(y\)=\(w\)

    (ii)\(f(x,y)dxdy\)=\(f(x(z,w),y(z,w)|det J| dzdw\)に変換する

    次に、ヤコビ行列から行列式ヤコビアンを求めます。

    ヤコビ行列Jは
    Jは
    J=\(\begin{pmatrix}
    \frac{\partial x}{ \partial z} & \frac{\partial x}{\partial w} \\
    \frac{\partial y}{\partial z} & \frac{\partial y}{\partial w}
    \end{pmatrix}\)

    J=\(\begin{pmatrix}
    \frac{1}{w} & -\frac{z}{w^2} \\
    0 & 1
    \end{pmatrix}\)

    次に行列式ヤコビアンは
    \(det J\)=\(\frac{1}{w}・1-0・(-\frac{z}{w^2}) \)
    =\(\frac{1}{w} \)
    で計算できます。

    ここまで大丈夫ですね!

    (iii)2変数\(z,w\)の同時確率密度関数\(g(z,w)\)を導出

    代入すると、

    \(f(x,y)dxdy\)=\(f(x(z,w),y(z,w)|det J| dzdw\)
    \(f(x(z,w)\)=1, \(g(x(z,w)\)=1に注意して、
    =\( 1・1 \frac{1}{w} dzdw\)
    =\(p(z,w)dzdw\)
    =(式1)

    結構、スッキリしますね!

    2変数\(z,w\)に関する同時確率密度関数\(p(z,w)dzdw\)が求まりました。
    次に、zについての周囲確率密度関数を求めます。

    なぜなら、\(w=y\)であり、\(w\)は不要な変数だから\(w\)で積分します。

    ここで、注意なのが、

    変数の範囲が限定されているため、積分区間は場合分けが必要
    (0 ≤ \(x\) ≤ 1)
    (0 ≤ \(y\) ≤ 1)

    変数\(w\)については、以下の3つの場合分けが発生します。

    ●\( h(z)\)=0 (\(w\) ≤ 0) (積分区間が無い)
    ●\( h(z)=\displaystyle \int_{0}^{w} \frac{1}{w}dw \)=\(\left[log w \right]_{z}^{1}\)=\(-log z\)
    ●\( h(z)\)=0 (\(w\) ≥ 0) (積分区間が無い)

    となります。ここが難しいですね!

    1変数の積の変換は2変数の変換から計算できますね!

    もう1つ事例を挙げます。次は、積分が困難なので、途中で終わる場合です。

    ④ Z=XY積の場合(事例2)

    (3) 1変数でZ=XY(積)の場合の変換方法

    【例題】
    2つの確率変数\(X\),\(Y\)が独立で、それぞれ指数分布に従うとき、
    \(f(x)=λe^{-λx} \)(0 ≤ \(x\))
    \(g(y)=μe^{-μy} \)(0 ≤ \(y\))
    確率変数\(Z\)を\(Z=XY\)とするときの、確率密度関数\(h(z)\)を求めよ。

    やってみましょう。

    解き方は、事例1と同じです。

    1. \(x=x(z,w),y=(z,w)\)の式を\(z=z(x,y),w=w(x,y)\)の式に直す
    2. \(f(x,y)dxdy\)=\(f(x(z,w),y(z,w)|det J| dzdw\)に変換する
    3. 2変数\(z,w\)の同時確率密度関数\(g(z,w)\)は
      \(g(z,w)=f(x(z,w),y(z,w)|det J| \)で求まる。
    4. 実際は\(z,w\)のうち、どちらかは不要な変数なので、片方の変数で積分して、残りの変数についての周囲確率密度関数
      (例えば \(g(z)= \displaystyle \int_{w_1}^{w_2} g(z,w)dw \))
      を計算する。

    ですから、1つずつ行きましょう。

    (i)\(x=x(z,w),y=(z,w)\)の式を\(z=z(x,y),w=w(x,y)\)の式に直す

    ここで、変換する変数を定義します。

    \(Z\)=\(XY\)、\(W\)=\(Y\)とおく、つまり
    \(Z\)=\(XW\)、\(W\)=\(Y\)とおきます。

    \(x=x(z,w),y=y(z,w)\)に直します。
    \(x\)=\(\frac{z}{w}\)
    \(y\)=\(w\)

    (ii)\(f(x,y)dxdy\)=\(f(x(z,w),y(z,w)|det J| dzdw\)に変換する

    次に、ヤコビ行列から行列式ヤコビアンを求めます。

    ヤコビ行列Jは
    Jは
    J=\(\begin{pmatrix}
    \frac{\partial x}{ \partial z} & \frac{\partial x}{\partial w} \\
    \frac{\partial y}{\partial z} & \frac{\partial y}{\partial w}
    \end{pmatrix}\)

    J=\(\begin{pmatrix}
    \frac{1}{w} & -\frac{1}{w^2} \\
    0 & 1
    \end{pmatrix}\)

    次に行列式ヤコビアンは
    \(det J\)=\(\frac{1}{w}・1-0・(-\frac{1}{w^2}) \)
    =\(\frac{1}{w} \)
    で計算できます。

    ここまで大丈夫ですね!

    (iii)2変数\(z,w\)の同時確率密度関数\(g(z,w)\)を導出

    代入すると、

    \(f(x,y)dxdy\)=\(λe^{-λx}・μe^{-μy}\)
    =\(f(x(z,w),y(z,w)|det J| dzdw\)
    =\(λμe^{-λ\frac{z}{w}}・e^{-μw} \frac{1}{w}dw\)
    =(式1)

    よって、2変数\(z,w\)に関する同時確率密度関数\(p(z,w)dzdw\)は、
    \(p(z,w)dzdw\)=\(λμe^{-λ\frac{z}{w}}・e^{-μw} \frac{1}{w}\)

    2変数\(z,w\)に関する同時確率密度関数\(p(z,w)dzdw\)が求まりました。
    次に、zについての周囲確率密度関数を求めます。

    なぜなら、\(w=y\)であり、\(w\)は不要な変数だから\(w\)で積分します。

    ここで、注意なのが、

    変数の範囲が限定されているため、積分区間は場合分けが必要
    (0 ≤ \(x\))
    (0 ≤ \(y\))

    変数\(w\)については、以下2つの場合分けが発生します。

    ●\( h(z)\)=0 (\(w\) ≤ 0) (積分区間が無い)
    ●\( h(z)=\displaystyle \int_{0}^{∞} λμe^{-λ\frac{z}{w}}・e^{-μw} \frac{1}{w}dw \)

    実は、この
    \( h(z)=\displaystyle \int_{0}^{∞} λμe^{-λ\frac{z}{w}}・e^{-μw} \frac{1}{w}dw \)
    の積分が非常に難しいです。なぜなら、

    \(e^{-\frac{1}{w}}・e^{-w}\)の積分で、特に、\(e^{-\frac{1}{w}}\)が難しいです。

    一旦ここで、保留しましょう。

    指数関数の指数が分数で、分母に積分したい変数が入ると計算が一気に難しくなるので、あまりZ=XYのパターンは出ないと思ってよいでしょう。

    うまく計算ができないパターンもブログとして掲載しますね。
    教科書は、うまく計算ができる例だけしかないので、あたかもどんな関数でも変換ができるように錯覚しがちです。

    とは、言っても、伝えたいことは

    1変数の積の変換は2変数の変換から計算できますね!

    いろいろな関数を使って、確率変数の変換を見て慣れていきましょう!

    本記事の内容は、ほぼ高校数学で解けましたね!

    まとめ

    「2変数の確率変数の変換がよくわかる(Z=XY積の場合)」を解説しました。

    • ①2変数の確率変数の変換の基本をマスターする
    • ➁ (導入)簡単な事例
    • ③ Z=XY積の場合(事例1)
    • ④ Z=XY積の場合(事例2)
  • t分布の確率密度関数の導出がよくわかる

    t分布の確率密度関数の導出がよくわかる

    本記事のテーマ

    t分布の確率密度関数の導出がよくわかる
    • ①2変数の確率変数の変換の基本をマスターする
    • ➁ t分布の確率密度関数の導出

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    ①2変数の確率変数の変換の基本をマスターする

    確率変数の変換は高校数学でほぼイケます!大丈夫!

    確率変数の変換は難しいけど、
    理解しないと、正規分布、t分布、χ2乗分布、F分布との関係が理解できないから困っている!

    確率変数の変換は高校数学でほぼイケます!大丈夫!

    1つ条件があります!

    それは、

    公式暗記より、実演でマスターした方が速い!

    慣れてきたら、公式を見ましょう。

    2変数の確率変数の変換の基本をマスターする

    関連記事に2変数の確率変数の変換の求め方をわかりやすく解説しています。

    統計学_2確率変数変換_Z=XY積 2変数の確率変数の変換がよくわかる(1変数の積の場合)
     2変数の変換の基礎と、積の場合をわかりやすく解説しています!

    同じ1つの解法でイケますので、ご安心ください。

    2変数の確率変数の変換の求め方

    1変数の確率変数の変換方法と同様に決まった解法があります。

    変数\(x,y\)を変数\(z,w\)に変換するとします。

    1. \(x=x(z,w),y=(z,w)\)の式を\(z=z(x,y),w=w(x,y)\)の式に直す
    2. \(f(x,y)dxdy\)=\(f(x(z,w),y(z,w)|det J| dzdw\)に変換する
    3. 2変数\(z,w\)の同時確率密度関数\(g(z,w)\)は
      \(g(z,w)=f(x(z,w),y(z,w)|det J| \)で求まる。
    4. 実際は\(z,w\)のうち、どちらかは不要な変数なので、片方の変数で積分して、残りの変数についての周囲確率密度関数
      (例えば \(g(z)= \displaystyle \int_{w_1}^{w_2} g(z,w)dw \))
      を計算する。

    ここで、注意点があります。
    Jは
    J=\(\begin{pmatrix}
    \frac{\partial x}{ \partial z} & \frac{\partial x}{\partial w} \\
    \frac{\partial y}{\partial z} & \frac{\partial y}{\partial w}
    \end{pmatrix}\)

    また、\(det J\)は行列式ヤコビアンといいますね。

    A=\(\begin{pmatrix}
    a & b \\
    c & d
    \end{pmatrix}\)
    のとき、行列式ヤコビアン\(det A\)は、
    \(det A=ad-bc\)
    で計算できます。

    計算力が求められる場合がありますが、基本は高校数学でイケます!

    では、実践編に入ります。最初は簡単な式から行きます!

    ➁ t分布の確率密度関数の導出

    QCプラネッツでは、5つの事例を関連記事で紹介していきます。ご確認ください。

    1. 簡単な関数の変換事例
    2. t分布の確率密度関数の導出
    3. F分布の確率密度関数の導出
    4. 1変数でZ=XY(積)の場合の変換方法
    5. 1変数でZ=X/Y(商)の場合の変換方法

    今回は、その2「t分布の確率密度関数の導出」です。

    (2) t分布の確率密度関数の導出

    【例題】
    2つの確率変数\(X\),\(Y\)が独立で、\(X\)が自由度nの\(χ^2\)分布、\(Y\)が正規分布N(0,\(1^2\))に従うとき、\(Z\)=\(\frac{Y}{\sqrt{\frac{X}{n}}}\)で定義される確率変数\(Z\)の確率密度関数を求めよ。

    まず、\(X,Y\)の確率密度関数を定義します。
    \(f(x)=\frac{1}{2^{\frac{n}{2}}Γ(\frac{n}{2})}x^{\frac{n}{2}-1}e^{-\frac{x}{2}}\) (\(x\) ≥ 0)
    \(g(y)=\frac{1}{2π}e^{-\frac{1}{2}y^2}\) (-∞ ≤ \(x\) ≤ ∞)

    解いていきましょう。解法は、

    1. \(x=x(z,w),y=(z,w)\)の式を\(z=z(x,y),w=w(x,y)\)の式に直す
    2. \(f(x,y)dxdy\)=\(f(x(z,w),y(z,w)|det J| dzdw\)に変換する
    3. 変数\(z,w\)の同時確率密度関数\(g(z,w)\)は
      \(g(z,w)=f(x(z,w),y(z,w)|det J| \)で求まる。
    4. 実際は\(z,w\)のうち、どちらかは不要な変数なので、片方の変数で積分して、残りの変数についての周囲確率密度関数
      (例えば \(g(z)= \displaystyle \int_{w_1}^{w_2} g(z,w)dw \))
      を計算する。

    ですから、1つずつ行きましょう。

    (i)\(x=x(z,w),y=(z,w)\)の式を\(z=z(x,y),w=w(x,y)\)の式に直す

    ここで、変換する変数を定義します。

    \(Z\)=\(\frac{Y}{\sqrt{\frac{X}{n}}}\)
    \(W\)=\(X\)

    \(x=x(z,w),y=y(z,w)\)に直します。
    \(x\)=\(w\)
    \(y\)=\(z\sqrt{\frac{w}{n}}\)

    (ii)\(f(x,y)dxdy\)=\(f(x(z,w),y(z,w)|det J| dzdw\)に変換する

    次に、ヤコビ行列から行列式ヤコビアンを求めます。

    ヤコビ行列Jは
    Jは
    J=\(\begin{pmatrix}
    \frac{\partial x}{ \partial z} & \frac{\partial x}{\partial w} \\
    \frac{\partial y}{\partial z} & \frac{\partial y}{\partial w}
    \end{pmatrix}\)

    J=\(\begin{pmatrix}
    0 & 1 \\
    \sqrt{\frac{w}{n}}& \frac{1}{2\sqrt{w}}
    \end{pmatrix}\)

    次に行列式ヤコビアンは
    \(det J\)=\(0・\frac{1}{2\sqrt{w}}\)-1・\(\sqrt{\frac{w}{n}}\)
    =\(-\sqrt{\frac{w}{n}}\)
    で計算できます。

    ここまで大丈夫ですね!

    (iii)2変数\(z,w\)の同時確率密度関数\(g(z,w)\)を導出

    代入すると、

    \(f(x,y)dxdy\)=\(f(x(z,w),y(z,w)|det J| dzdw\)
    =\(\frac{1}{2^{\frac{n}{2}}Γ(\frac{n}{2})}w^{\frac{n}{2}-1}e^{-\frac{w}{2}}\)\(\frac{1}{2π}e^{-\frac{1}{2}z^2\frac{w}{n}}dzdw\)
    (|det J|=\(\frac{w}{n}\))

    さらに変形していきます。
    =\(\frac{1}{\sqrt{2nπ}}\frac{1}{2^{\frac{n}{2}}Γ(\frac{n}{2})}w^{\frac{n}{2}-1}e^{-\frac{w}{2}(1+\frac{z^2}{w})}dzdw\)
    =\(p(z,w)\)

    よって、同時確率密度関数\(p(z,w)\)は
    \(p(z,w)= \frac{1}{\sqrt{2nπ}}\frac{1}{2^{\frac{n}{2}}Γ(\frac{n}{2})}w^{\frac{n}{2}-1}e^{-\frac{w}{2}(1+\frac{z^2}{w})}dzdw\)
    と計算できます。

    なお、ここから\(z\)または、\(w\)だけの周辺確率分布関数が必要なら、不要な変数について積分が必要となります。

    今回は\(h(z)\)と\(z\)についての関数が欲しいので、\(p(z,w)\)について\(w\)で積分します。
    \( h(z)=\displaystyle \int_{-∞}^{∞} p(z,w)dw \)
    =\(\frac{1}{\sqrt{2nπ}}\frac{1}{2^{\frac{n}{2}}Γ(\frac{n}{2})}\displaystyle \int_{0}^{∞}w^{\frac{n-1}{2}}e^{-\frac{w}{2}(1+\frac{z^2}{n})}dw \)
    =(式1)

    ここで、\(w=x\)はもともと\(x\) ≤ 0ですから、積分区間を[0,∞]に変えています。

    次に、\(\displaystyle \int_{0}^{∞}w^{\frac{n-1}{2}}e^{-\frac{w}{2}(1+\frac{z^2}{n})}dw \)を計算します。よく見るとΓ関数にもっていけそうです。

    一旦、次の積分を考えます。
    \(\displaystyle \int_{0}^{∞}w^p e^{-aw}dw \)=(式2)
    \(t=aw\)とすると、
    \(w=\frac{t}{a}\),\(\frac{dt}{dw}=a\)となり、これを(式2)に代入します。

    (式2)
    =\(\displaystyle \int_{0}^{∞}(\frac{t}{a})^p e^{-t} (\frac{1}{a})dt\)
    =\(\frac{1}{a^{p+1}}\displaystyle \int_{0}^{∞}t^p e^{-t}dt\)
    =\(\frac{Γ(p+1)}{a^{p+1}}\)
    =(式3)

    ここで、Γ関数は
    \(Γ(p+1)= \displaystyle \int_{0}^{∞}t^p e^{-t}dt\)\)
    です。

    (式1)に代入するため、(式3)の文字を置き換えます。
    \(p=\frac{n-1}{2}\)
    \(a=\frac{1}{2}(1+\frac{z^2}{n})\)
    とおいて、(式1)に代入します。

    (式1)
    =\(\frac{1}{\sqrt{2nπ}}\frac{1}{2^{\frac{n}{2}}Γ(\frac{n}{2})}\displaystyle \int_{0}^{∞}w^{\frac{n-1}{2}}e^{-\frac{w}{2}(1+\frac{z^2}{n})}dw \)

    =\(\frac{1}{\sqrt{2nπ}}\frac{1}{2^{\frac{n}{2}Γ(\frac{n}{2})}}\)\(\frac{Γ(\frac{n+1}{2})}{(\frac{1}{2}(1+\frac{z^2}{n})^{\frac{n+1}{2}})}\)
    =(式4)

    さらに、Γの式が複数あるので、ベータ関数でまとめられないか?を見ましょう。

    普通気が付かないのですが、よくみると
    \(\sqrt{π}\)=Γ\((\frac{1}{2})\)
    とわかります。これを(式4)に代入します。

    (式4)
    =\(\frac{1}{\sqrt{2nπ}}\frac{1}{2^{\frac{n}{2}Γ(\frac{n}{2})}}\)\(\frac{Γ(\frac{n+1}{2})}{(\frac{1}{2}(1+\frac{z^2}{n})^{\frac{n+1}{2}})}\)
    =\(\frac{1}{\sqrt{π}}B(\frac{1}{2},\frac{n}{2})(1+\frac{z^2}{n})^{-\frac{n+1}{2}}\)
    =(式5)

    まとめると、
    \(h(z)= \frac{1}{\sqrt{π}}B(\frac{1}{2},\frac{n}{2})(1+\frac{z^2}{n})^{-\frac{n+1}{2}}\)
    となり、これが自由度nのt分布の確率密度関数となります。
    t分布は、χ2乗分布を自由度で割った平方根と、正規分布との比から確率密度関数が求められるのは面白いですね。
    t分布、χ2乗分布、正規分布の関係が数式でつながりました。
    今回の\(f(x,y)\)はかなり式が難しいですが、解法は1つでOKで、これが解けたら自信を持ってください。

    いろいろな関数を使って、確率変数の変換を見て慣れていきましょう!

    本記事の内容は、ほぼ高校数学で解けましたね!

    まとめ

    「t分布の確率密度関数の導出がよくわかる」を解説しました。

  • ①2変数の確率変数の変換の基本をマスターする
  • ➁ t分布の確率密度関数の導出
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