【必読】二元配置実験(繰返し有り)が解ける【QC検定®2級対策】
「QC検定®2級で出題される二元配置実験(繰返し有り)のどこを学べばOKなの?」、「対策本や問題集が多く、ページ数が長いから時間もないし、難しいからわからない」など、二元配置実験(繰返し有り)の学習がうまくできず、試験に合格できるかどうか悩んでいませんか?
こういう疑問に答えます。
本記事のテーマ
【これだけで試験に十分】二元配置実験(繰返し有り)の解法
- ➀QC検定®2級の実験計画法は4種類しかない
- ②2乗表を作る
- ③平方和を計算する
- ④分散分析表を作る
- ⑤F検定する
- ⑥推定を算出
記事の信頼性
記事を書いている私は、実験計画法を全く知らない状態から3ヶ月にQC検定®2級を合格し、さらに、QC検定®1級合格して、さらに実験計画法に磨きをかけています。
なお、QC検定®2級合格対策本や参考書は1冊までにしてください。
たくさん本を持っている人ほど、合格しません。
合格する方法が重要で、対策本や参考書にはその方法が書いていません。
品質管理・統計の初心者にとって分厚い本はキツイです。
①QC検定®と品質管理検定®は、一般財団法人日本規格協会の登録商標です。
➁このコンテンツは、一般財団法人日本規格協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。
➂QCプラネッツは、QC検定®と品質管理検定®の商標使用許可を受けています。
●リンクページ
➀QC検定®2級の実験計画法は4種類しかない
- 一元配置実験(繰返し数同じ)
- 一元配置実験(繰返し数異なる)
- 二元配置実験(繰返し無し)
- 二元配置実験(繰返し有り)
の4種類だけです。
何が違いのか? 識別できますか?
それは、「データ表が違う」だけでOKです。
慣れるとデータの構造式が違うと言えるようになりますが、
QC検定®2級合格には、データ表を見て、どのパターンかがすぐ判断できたらOKです。
本記事は、4つ目の二元配置実験(繰返し有り)の必勝パターンを解説します。
必勝方法
合格できない人は、本記事のどこかが消化不良のまま受験しているはずです。
②2乗表を作る
データを用意
データ表 | ||||
B1 | B2 | B3 | 計 | |
A1 | 4 | 5 | 14 | 36 |
-4 | 7 | 10 | ||
A2 | 7 | 10 | 16 | 54 |
1 | 10 | 10 | ||
A3 | 15 | 13 | 15 | 72 |
5 | 17 | 7 | ||
A4 | 18 | 10 | 11 | 78 |
10 | 16 | 13 | ||
計 | 56 | 88 | 96 | 240 |
また、SABを算出するために、AiBjの合計した表も作ります。
繰返しの和 | B1 | B2 | B3 | 計 |
A1 | 0 | 12 | 24 | 36 |
A2 | 8 | 20 | 26 | 54 |
A3 | 20 | 30 | 22 | 72 |
A4 | 28 | 26 | 24 | 78 |
計 | 56 | 88 | 96 | 240 |
データの構造式(見るだけ)
データの構造式こそ、実験計画法の本質ですが、最初は無視しましょう。
xijk=μ+αi+βj+αβij+εijk
まずは分散分析表攻略を優先して、推定区間の式を習得しましょう。
2乗表を作る
データ表と、繰返し分の和の表もどちらも2乗します。
2乗和 | ||||
B1 | B2 | B3 | 計 | |
A1 | 16 | 25 | 196 | 402 |
16 | 49 | 100 | ||
A2 | 49 | 100 | 256 | 606 |
1 | 100 | 100 | ||
A3 | 225 | 169 | 225 | 982 |
25 | 289 | 49 | ||
A4 | 324 | 100 | 121 | 1070 |
100 | 256 | 169 | ||
計 | 756 | 1088 | 1216 | 3060 |
繰返しの和も2乗和します。
繰返しの和 | B1 | B2 | B3 | 計 |
A1 | 0 | 144 | 576 | 720 |
A2 | 64 | 400 | 676 | 1140 |
A3 | 400 | 900 | 484 | 1784 |
A4 | 784 | 676 | 576 | 2036 |
計 | 1248 | 2120 | 2312 | 5680 |
試験では、合計が問題文に与えられていますが、必ず、2種類のデータ表と2種類の2乗和表がすぐに作れるように練習してください。
③平方和を計算する
「数学苦手だから」、「年だから」は関係ありません。能力、年齢ではなく、復習不足なだけです。
●ST=\(\sum_{i}x_i^2-\frac{(\sum_{i}x_i^2)}{n}\)
=3060-\(\frac{240^2}{24}\)=660
●SA=\(\frac{\sum_{i}x_A^2}{n_A}-\frac{(\sum_{i}x_i^2)}{n}\)
=\(\frac{36^2}{6}\)+\(\frac{54^2}{6}\)+\(\frac{72^2}{6}\)+\(\frac{78^2}{6}\)-\(\frac{240^2}{24}\)=180
●SB=\(\frac{\sum_{i}x_B^2}{n_B}-\frac{(\sum_{i}x_i^2)}{n}\)
=\(\frac{56^2}{8}\)+\(\frac{88^2}{8}\)+\(\frac{96^2}{8}\)-\(\frac{240^2}{24}\)=112
●SAB=\(\frac{5680}{2}-\frac{240^2}{24}\)=440
●SA×B= SAB– SA– SB
=440-180-112=148
●Se= ST– SA– SB– SA×B
=660-180-112-148=220
この計算を確実に何度も練習しましょう。
④分散分析表を作る
分散分析表を作ります。
自由度や平均平方(不偏分散ということもあります)V,F値の計算は大丈夫か確認しましょう。
– | S | φ | V=S/φ | F=V/Ve | F0 |
A | 180 | 3 | 60 | 3.27 | 3.49 |
B | 112 | 2 | 56 | 3.05 | 3.89 |
A×B | 148 | 6 | 24.67 | 1.35 | 3.00 |
e | 220 | 12 | 18.33 | – | – |
T | 660 | 23 | – | – | – |
⑤F検定する
分散分析表から確認します。
F(φA,φe,α)=F(3,12,0.05)=3.49>3.27より有意ではない。
F(φB,φe,α)=F(2,12,0.05)=3.89>3.05より有意ではない。
F(φA×B,φe,α)=F(6,12,0.05)=3.00>1.35より有意ではない。
有意かどうか区別つけば、まずはOK。
有意有無は、その因子に効果があるかどうかです。
有意でなければ誤差の影響が強いという意味です。
この後、試験でよくプーリングして、再度分散分析する問題も頻出です。
⑥推定を算出
点推定
A1=(4+5+14-4+7+10)/6=6
A2=9
A3=12
A4=13
B1=(4-4+7+1+15+5+18+10)/8=7
B2=11
B3=12
信頼区間
QC検定®では電卓を使います。分数と平方根を速く計算できるように練習しましょう。
A1=6±t(φe,α) \(\sqrt{\frac{V_e}{n_A}}\)
=6±t(12,0.05) \(\sqrt{\frac{18.33}{6}}\)
A2=9±t(φe,α) \(\sqrt{\frac{V_e}{n_A}}\)
=9±t(12,0.05) \(\sqrt{\frac{18.33}{6}}\)
A3=12±t(φe,α) \(\sqrt{\frac{V_e}{n_A}}\)
=12±t(12,0.05) \(\sqrt{\frac{18.33}{6}}\)
A4=13±t(φe,α) \(\sqrt{\frac{V_e}{n_A}}\)
=13±t(12,0.05) \(\sqrt{\frac{18.33}{6}}\)
B1=7±t(φe,α) \(\sqrt{\frac{V_e}{n_B}}\)
=7±t(12,0.05) \(\sqrt{\frac{18.33}{8}}\)
B2=11±t(φe,α) \(\sqrt{\frac{V_e}{n_B}}\)
=11±t(12,0.05) \(\sqrt{\frac{18.33}{8}}\)
B3=12±t(φe,α) \(\sqrt{\frac{V_e}{n_B}}\)
=12±t(12,0.05) \(\sqrt{\frac{18.33}{8}}\)
最適な組合せの点推定と信頼区間
工程平均の式で、交互作用を無視しない場合とします。
無視する場合は、関連記事(【必読】二元配置実験(繰返し無し)が解ける【QC検定®2級対策】)を見てください。
工程平均の式の導出は、関連記事【簡単】データの構造式から母平均の点推定が導出できるに解説していますが、QC検定®2級受験の場合は、公式暗記で済ませましょう。
最適な組合せは、最も値が大きい場合が多いです。A3B2ですね。
点推定=(13+17)/2=15
信頼区間=t(φe,α) \(\sqrt{\frac{V_e}{n_e}}\)
ここで、neが伊奈の式や田口の式が出てきます。
ne=\(\frac{abc}{1+φ_A+φ_B+φ_{A×B}}\)=\(\frac{24}{1+3+2+6}\)=2
信頼区間=t(12,0.05) \(\sqrt{\frac{18.33}{2}}\)
となります。一連の流れを何度も読んで、マスターしましょう。
試験時間を考慮すると、ここまでで7,8分程度で来れるように何度も練習しましょう。
まとめ
QC検定®2級で、二元配置実験(繰返し有り)で必ず出題される内容を解説しました。
10問を1回ずつ解くのではなく、1問を10回解いて解法を覚えてしまいましょう。
試験本番に緊張した状態でも解けるよう何度も練習しましょう。
- ➀QC検定®2級の実験計画法は4種類しかない
- ②2乗表を作る
- ③平方和を計算する
- ④分散分析表を作る
- ⑤F検定する
- ⑥推定を算出
Warning: count(): Parameter must be an array or an object that implements Countable in /home/qcplanets/qcplanets.com/public_html/wp-content/themes/m_theme/sns.php on line 119