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  • メジアンランク法がよくわかる

    メジアンランク法がよくわかる

    「メジアンランク法がよくわからない」、と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    メジアンランク法がよくわかる
    • ①確率Fは順序統計量から求める
    • ➁メジアンランク法がわかる
    • ➂メジアンランク法を解く
    確率紙を学ぶには、順序統計量を理解しておく必要があります。
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    ①確率Fは順序統計量から求める

    何で、小さい順にデータを並べるの?

    正規確率紙やワイブル確率紙を使う場合、データを大きさ順に並び替えますよね!

    何で、データを大きさ順に並び替える必要があるか説明できますか?

    順序統計量の性質を活用するため

    答えは

    データを大きさ順に並び替える理由は、順序統計量の性質を活用するため

    ところが、

    教科書などは、確率分布がメインで、
    「確率紙はデータを大きさ順に並び替えます(順序統計量という)」
    くらいの一言で、
    「\(F=\frac{i-0.3}{n+0.4}\)を使う」
    といきなり式が出て来ますよね!
    何じゃこりゃ!
    順序統計量って何?
    でも試験には出題されないから、無視してワイブル確率紙を勉強しよう!となりがち

    ちゃんと勉強すると、順序統計量の壁にぶちあたります。

    順序統計量を復習しながら確率紙を理解しましょう。

    順序統計量の復習

    順序統計量を使って、確率を算出する式を使います。この解説は関連記事にありますので、ご確認ください。

    順序統計量の同時確率密度関数の導出がよくわかる
    順序統計量が説明できますか?本記事では、順序統計量の同時分布の確率密度関数をわかりやすく解説します。教科書読んでもわからない方は必読です。

    式を理解する重要なポイント

    データ\(t_1\),\(t_2\),…\(t_i\),…\(t_n\)は大きさ順に並んでいるとします。
    (ここで、何で? とツッコんでください! 順序統計量だな!と読みましょう!)

    \(t_1\) < \(t_2\) < \(t_i\) < … < \(t_n\)
    の各母集団が下図のように分布しているとして、

    メジアンランク法

    \(F_i\)が\(F\)~\(F+dF\)の間を取る確率を\(g(F)dF\)とすると、

    \(g(F)dF\)=\(\frac{n!}{(i-1)!1!(n-i)!} F^{i-1}(1-F)^{n-i}dF\)

    式が難解なので、イメージを解説すると、

    順序統計量

    の左、真ん中、右の確率を掛け算した式となります。詳細は関連記事に書いています。

    順序統計量の同時確率密度関数の導出がよくわかる
    順序統計量が説明できますか?本記事では、順序統計量の同時分布の確率密度関数をわかりやすく解説します。教科書読んでもわからない方は必読です。

    \(g(F)dF\)=\(\frac{n!}{(i-1)!(n-i)!} F^{i-1}(1-F)^{n-i}dF\)
    の式が、メジアンランク法やミーンランク法の出発点です!
    順序統計量はムズイからパスしたい!
    試験やテストなら無視でもいいけど、
    実務で活用するなら順序統計量の学びは必須です。
    QC(品質管理)の数理は結構、順序統計量が出て来ます。

    ➁メジアンランク法がわかる

    基本は、

    \(g(F)dF\)=\(\frac{n!}{(i-1)!(n-i)!} F^{i-1}(1-F)^{n-i}dF\)の積分値が対象とする確率(P=0.5など)を満たすための、変数\(F,n,i\)を求めることで、
    積分区間を、0からメジアンとする方法が「メジアンランク法」で
    0から平均値(ミーン)とする方法が「ミーンランク法」です。

    今回は、「メジアンランク法」を解説します。

    計算方法

    基本は、

    P=0.5= \(\displaystyle \int_{0}^{\tilde{F}} g(F)dF\)
    =\(\displaystyle \int_{0}^{\tilde{F}} \frac{n!}{(i-1)!(n-i)!} F^{i-1}(1-F)^{n-i}dF \)

    (左辺)のP=0.5は確率が\(\frac{1}{2}\)で、
    (右辺)の\(\tilde{F}\)はメディアンです。

    0.5=\(\displaystyle \int_{0}^{\tilde{F}} \frac{n!}{(i-1)!(n-i)!} F^{i-1}(1-F)^{n-i}dF \)
    を解いてみよう!
    。。。
    と言って、手で解析的に解けないんです。。。

    なので、結果は教科書とかで与えらえています。

    \(\tilde{F}\)=\(\frac{i-0.3}{n+0.4}\)
    がよく見かけますね!

    でも、

    公式の鵜呑み、暗記はNG!
    自分で導出できない公式は使うな!

    ひょっとしたら、公式が間違っているかもしれませんよね!

    部分的に、ある条件なら、手計算で解けます。

    部分的な条件でもいいから、
    手で計算して、
    感触をつかもう!

    公式の理解度も一気に上がるし、公式の導出過程においた仮定や、強み・弱みも理解できます。

    ➂メジアンランク法を解く

    i=1,nだけは解析的に解ける

    i=1のとき、

    0.5=\(\displaystyle \int_{0}^{\tilde{F}} \frac{n!}{(1-1)!(n-1)!} F^{1-1}(1-F)^{n-1}dF \)
    =\(\displaystyle \int_{0}^{\tilde{F}} n (1-F)^{n-1}dF \)
    =\(\left[(-1) (1-F)^{n} \right]_{0}^{\tilde{F}}\)
    =1- \((1- \tilde{F})^{n}\)

    つまり、
    0.5=1- \((1- \tilde{F})^{n}\)
    \((1- \tilde{F})^{n}\)=0.5
    \(\tilde{F}\)=1-\((\frac{1}{2})^{1/n}\)

    まとめると、

    ●i=1のとき、
    \(\tilde{F}^{n}\)=1-\((\frac{1}{2})^{1/n}\)

    i=nのとき、

    0.5=\(\displaystyle \int_{0}^{\tilde{F}} \frac{n!}{(n-1)!(n-n)!} F^{n-1}(1-F)^{n-n}dF \)
    =\(\displaystyle \int_{0}^{\tilde{F}} n F^{n-1}dF \)
    =\(\left[F^{n} \right]_{0}^{\tilde{F}}\)
    =\(\tilde{F}^{n}\)

    つまり、
    0.5=\(\tilde{F}^{n}\)
    \(\tilde{F}\)=\((\frac{1}{2})^{1/n}\)

    まとめると、

    ●i=nのとき、
    \(\tilde{F}\)=\((\frac{1}{2})^{1/n}\)

    グラフを描いてみよう

    ●i=1のとき、\(\tilde{F}^{n}\)=1-\((\frac{1}{2})^{1/n}\)
    ●i=nのとき、\(\tilde{F}\)=\((\frac{1}{2})^{1/n}\)
    をグラフに描いてみましょう。

    メジアンランク法

    i=1,n以外はミーンランク法を使って計算していますが、

    iが1からnに増えるに従い、確率Pが増えていくのがわかります。iが増えると確率Pが単調増加する点が順序統計量ならでは感ですね。

    式の形は妥当か?

    ●i=1のとき、\(\tilde{F}^{n}\)=1-\((\frac{1}{2})^{1/n}\)
    ●i=nのとき、\(\tilde{F}\)=\((\frac{1}{2})^{1/n}\)
    よく見ると、
    \(\tilde{F}\)=\(\frac{i-0.3}{n+0.4}\)
    と式の形が違いますね。
    メジアンランク法の\(\tilde{F}\)=\(\frac{i-0.3}{n+0.4}\)は
    ミ―ンランク法\(\bar{F}\)=\(\frac{i}{n+1}\)の
    式に合わせて近似式を作っているように思われます。

    まとめ

    「メジアンランク法がよくわかる」を解説しました。

    • ①確率Fは順序統計量から求める
    • ➁メジアンランク法がわかる
    • ➂メジアンランク法を解く

  • 対数正規確率紙がよくわかる

    対数正規確率紙がよくわかる

    「対数正規確率紙がよくわからない」、と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    対数正規確率紙がよくわかる
    • ①現在、対数正規確率紙は不要
    • ➁対数正規確率紙を理解することは大事
    • ➂対数正規確率紙から平均、標準偏差を見つける方法
    • ➃対数正規確率紙の使い方1(データをそのまま打点する場合)
    • ➄対数正規確率紙の使い方2(度数分布表のデータを打点する場合)
    現在はExcelがあるので、確率紙は不要です。
    ただし、確率紙の考え方は理解しておく必要があります。

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    ①現在、対数正規確率紙は不要

    対数正規分布を復習

    正規分布の確率密度関数から変数\(x\)を\(log x\)に変換してできる関数です。

    対数正規分布の式は、
    \(f(x)\)= \(\frac{1}{\sqrt{2π}σx} exp(-\frac{(log x-μ)^2}{2σ^2})\)

    関連記事に解説していますので、ご確認ください。

    対数正規分布がよくわかる
    信頼性工学で使う対数正規分布が説明できますか? 本記事では、正規分布から対数正規分布を導出し、期待値・分散、故障率の変化をわかりやすく解説します。信頼性工学をマスターしたい方は必読です。

    Excelで計算できる

    対数正規確率紙を使わなくても、Excelで計算できますね。

    使う関数は、LOGNORM.INV(確率,平均,標準偏差)で簡単に計算できます。平均0、標準偏差1の場合では、

    x log x y1
    0.1 -1 0.011
    0.2 -0.699 0.054
    0.3 -0.523 0.114
    1 0 0.5
    1.1 0.041 0.538
    1.9 0.279 0.74
    2 0.301 0.756
    3 0.477 0.864
    9 0.954 0.986
    10 1 0.989
    11 1.041 0.992
    12 1.079 0.994

    グラフで描くと

    対数正規確率紙

    と縦軸の確率を等間隔で描くと、違和感がありますね。実際の確率紙は縦の間隔をうまく設定して、プロットすると直線になるようにしていますね。

    ➁対数正規確率紙を理解することは大事

    現在、不要ですが、考え方や理解は必須です。使い方の手段より、目的・意図は理解しておきましょう。

    確率紙でおさえておきたい考え方

    以下の疑問は説明できますか?

    1. 対数正規確率紙にプロットすると直線になる理由
    2. 何で横軸は小さい順に並び替えるのか?

    解説します。

    対数正規確率紙にプロットすると直線になる理由

    当たり前!なんですが、わかりますか?

    横軸xと縦軸yは同じ変数だから、小さい順に並べると両者は直線の配置になるだけ

    2次元グラフとは、本来、横軸と縦軸は独立した変数ですね。
    でも、確率紙は変換前後の関係を見たいので、横軸も縦軸も同じ変数です。

    何で横軸は小さい順に並び替えるのか?

    もちろん、確率紙で直線に並べると見やすいからですが、
    大事なのは、

    順序統計量の考え方があるから、小さい順に並べても数学的にOK

    ということは理解しておいてください。

    ワイブル確率紙でも小さい順に何気なく並べますが、そこにも順序統計量の考え方があります。ワイブル確率はワイブル分布と順序統計量の2つの仮定が入っていることを忘れずに!

    では、実際に使ってみて、理解を深めましょう。

    データをそのまま打点する場合と、度数分布表のデータを打点する場合がありますので、紹介します。

    ➂対数正規確率紙から平均、標準偏差を見つける方法

    対数正規分布

    対数正規分布の式は、
    \(f(x)\)= \(\frac{1}{\sqrt{2π}σx} exp(-\frac{(log x-μ)^2}{2σ^2})\)

    なお、期待値と分散は下の式になります。積分で計算できますが、今回は結果のみにしましょう。
    ●\(E\)=\(exp(μ+\frac{σ^2}{2})\)
    ●\(V\)=\(exp(2μ+σ^2)(exp(σ^2)-1)\)

    ここにある平均\(μ\)、標準偏差\(σ\)は下の対数正規確率紙から求めます。

    対数正規確率紙

    対数正規確率紙から平均、標準偏差を見つける方法

    3つあります。

    1. 平均\(μ\)は横軸\(log X_{0.5}\)の値
    2. 標準偏差\(σ\)はあてはめ線の傾きで 縦軸の\(σ\) (34.1%)分とする
    3. 縦軸の確率は、メジアンランク法などの別の方法から求める

    平均、標準偏差を変えた場合の対数正規確率プロット

    対数正規確率紙において、平均\(μ\)を変えた場合と、標準偏差\(σ\)を変えた場合のグラフの違いを確認しましょう。

    平均\(μ\)を変えた場合

    下図のように、平行移動しているのがわかりますね。
    平均\(μ\)は横軸の値とすればよいとわかります。

    対数正規確率紙

    標準偏差\(σ\)を変えた場合

    下図のように、傾きが変わるのがわかりますね。
    標準偏差\(σ\)はあてはめ線の傾きとすればよいとわかります。

    対数正規確率紙

    ➃対数正規確率紙の使い方1(データをそのまま打点する場合)

    データ

    19個のデータを用意します。
    32,90,150,240,160,110,53,70,45,180,
    120,360,100,300,60,260,80,130,190
    これを正規確率紙にプロットして。
    平均\(μ\)、標準偏差\(σ\)を求めます。

    対数正規確率紙へプロット

    平均と標準偏差を求めるためのプロット方法は以下です。

    1. data \(x_i\)は小さい順に並べる
    2. メジアンランク法から確率を求めるために、度数\(f_i\)と累積度数\(C_i\)を求める
    3. data \(x_i\)の対数\(log_e x_i\)をとる
    4. メジアンランク法から\(F_i\)=\(\frac{i-0.3}{n+0.4}\)で確率を求める
    5. 対数正規確率紙に横軸\(log_e x_i\)、縦軸\(F_i\)でプロットする

    表を作ります。

    順位 観測値\(x_i\) 度数\(f_i\) 累積度数\(C_i\) \(log_e x\) メジアン
    ランク法\(F_i\)
    1 32 1 1 3.466 0.036
    2 45 1 2 3.807 0.088
    3 53 1 3 3.971 0.139
    4 60 1 4 4.095 0.191
    5 70 1 5 4.249 0.242
    6 80 1 6 4.382 0.294
    7 90 1 7 4.5 0.345
    8 100 1 8 4.606 0.397
    9 110 1 9 4.701 0.448
    10 120 1 10 4.788 0.5
    11 130 1 11 4.868 0.552
    12 150 1 12 5.011 0.603
    13 160 1 13 5.076 0.655
    14 180 1 14 5.193 0.706
    15 190 1 15 5.248 0.758
    16 240 1 16 5.481 0.809
    17 260 1 17 5.561 0.861
    18 300 1 18 5.704 0.912
    19 360 1 19 5.887 0.964

    結果をプロットします。

    対数正規確率紙

    平均\(μ\)、標準偏差\(σ\)を求めます。
    ●平均\(μ\)=4.788
    ●標準偏差\(σ\)=0.723

    こんな感じで作ります。
    Excelなどのツールが無い時代は、確率紙は重宝されていました。今は、理論をしっかり引き継いでおく必要があります。

    期待値\(E\)と分散\(V\)の計算

    ●\(E\)=\(exp(μ+\frac{σ^2}{2})\)
    =\(exp(4.788+\frac{0.723^2}{2})\)
    =155.84

    ●\(V\)=\(exp(2μ+σ^2)(exp(σ^2)-1)\)
    =\(exp(2×4.788+0.723^2)(exp(0.723^2)-1)\)
    =16673.6

    ➄正規確率紙の使い方1(度数分布表のデータを打点する場合)

    データ

    度数分布表用のデータを233個用意します。

    233個の度数分布表は次の通りとします。

    級の番号 x上限 fi
    1 10 5
    2 20 20
    3 30 48
    4 40 44
    5 50 51
    6 60 30
    7 70 21
    8 80 9
    9 90 5
    合計 233

    度数分布表を作成

    分布の区分は、スタージェスの公式があるので、使ってみましょう。よくデータ数の平方根にしますよね!

    スタージェスの公式は関連記事で紹介します。

    スタージェスの公式がよくわかる
    ヒストグラムの区分数を考える1つの方法として、スタージェスの公式を解説します。信頼性工学ではヒストグラムをよく使いますので、紹介します。

    スタージェスの公式は
    区分\(m\)≒\(1+\frac{log_{10} n}{log_{10} 2}\) で
    \(m\)≒\(1+\frac{log_{10} 233}{log_{10} 2}\)
    ≒9

    区分数9で度数分布表を作っています。各区分における確率を平均ランク法で求めると次の度数分布表にまとめられます。

    級の番号 x上限 fi Ci Fi log x Fi
    1 10 5 5 0.021 1 0.021
    2 20 20 25 0.107 1.301 0.107
    3 30 48 73 0.312 1.477 0.312
    4 40 44 117 0.5 1.602 0.5
    5 50 51 168 0.718 1.699 0.718
    6 60 30 198 0.846 1.778 0.846
    7 70 21 219 0.936 1.845 0.936
    8 80 9 228 0.974 1.903 0.974
    9 90 5 233 0.996 1.954 0.996
    合計 233

    ここで、累積度数\(C_i\)=\(\sum_{i=1}^{n}f_i\)
    平均ランク法による確率の導出\(F(x_i)=C_i /(n+1)\)
    を使って計算しています。

    平均ランク法でなくても、他の方法でもOKです。例として紹介します。

    対数正規確率紙へプロット

    区分と平均ランク法で求めた確率をプロットします。

    対数正規確率紙

    平均\(μ\)、標準偏差\(σ\)を求めます。
    ●平均\(μ\)=3.689
    ●標準偏差\(σ\)=0.406

    こんな感じで作ります。
    Excelなどのツールが無い時代は、確率紙は重宝されていました。今は、理論をしっかり引き継いでおく必要があります。

    期待値\(E\)と分散\(V\)の計算

    ●\(E\)=\(exp(μ+\frac{σ^2}{2})\)
    =\(exp(3.689+\frac{0.406^2}{2})\)
    =43.42

    ●\(V\)=\(exp(2μ+σ^2)(exp(σ^2)-1)\)
    =\(exp(2×3.689+0.406^2)(exp(0.406^2)-1)\)
    =337.88

    まとめ

    「対数正規確率紙がよくわかる」を解説しました。

    • ①現在、対数正規確率紙は不要
    • ➁対数正規確率紙を理解することは大事
    • ➂対数正規確率紙から平均、標準偏差を見つける方法
    • ➃対数正規確率紙の使い方1(データをそのまま打点する場合)
    • ➄対数正規確率紙の使い方2(度数分布表のデータを打点する場合)

  • スタージェスの公式がよくわかる

    スタージェスの公式がよくわかる

    「スタージェスの公式がよくわからない」、と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    スタージェスの公式がよくわかる
    • ①スタージェスの公式を導出
    • ➁二項分布を用意
    • ➂二項定理を活用
    • ➃区切り数を定義
    • ➄区切り数の例
    導出は簡単です。

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    ①スタージェスの公式を導出

    公式の導出過程は次の流れのとおりです。

    1. 二項分布を用意
    2. 二項定理を活用
    3. 区切り数を定義

    ➁二項分布を用意

    二項分布の式を用意します。
    \(P(i)\)=\({}_n C_i p^i (1-p)^{n-i}\)

    ここで、不良率p=\(\frac{1}{2}\)を代入すると、
    \(P(i)\)=\({}_n C_i (\frac{1}{2})^n \)

    ➂二項定理を活用

    ここで、サンプル数N=\(2^n\)を考え、二項分布の式と掛け算します。
    \(NP(i)\)=\( 2^n {}_n C_i (\frac{1}{2})^n \)
    =\( {}_n C_i \)

    \(i=1,…,n\)の和をとります。
    \(\sum_{i=1}^{n} NP(i)\)= \(\sum_{i=1}^{n} {}_n C_i \)
    =\({}_n C_0\)+\({}_n C_1\)+…+\({}_n C_n\)
    =\((1+1)^n\)=\(2^n\)

    ➃区切り数を定義

    ここで、さらに\(m=n+1\)として変数\(m\)を定義します。
    変数\(m\)は1~nを0~nに分けた区分数としてみます。

    N=\(\sum_{i=1}^{n} NP(i)\)と置き換えて
    N=\(2^n\)=\(2^{m-1}\)
    (両辺)にlogをとって
    \(log N\)=\((m-1)log 2\) (自然対数eで計算)

    \(m\)=1+\(\frac{log N}{log 2}\)

    なお、常用対数をとると
    \(m\)=1+\(\frac{log_{10} N}{log_{10} 2}\)
    \(\frac{1}{log_{10} 2}\)≒3.32

    よって、
    \(m\)=1+3.32 \(log_{10} N\)

    ➄区切り数の例

    100個のデータ、つまりn=100の場合は、
    \(m\)=1+3.32 \(log_{10} N\)
    =1+3.32 \(log_{10} 100\)
    =7.64

    m=8と区分数を8にするとなります。

    ヒストグラムの区分数はよく、データ数の平方根としますが、スタージェスの公式を使ってもよいとなります。
    ヒストグラムの区分数がいくらにしたらよいかは、都度でグラフ化して妥当なグラフかどうかを見ながら確認するとなります。

    以上、スタージェスの公式の導出を解説しました。

    まとめ

    「スタージェスの公式がよくわかる」を解説しました。

    • ①スタージェスの公式を導出
    • ➁二項分布を用意
    • ➂二項定理を活用
    • ➃区切り数を定義
    • ➄区切り数の例

  • 正規確率紙がよくわかる

    正規確率紙がよくわかる

    「正規確率紙がよくわからない」、と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    正規確率紙がよくわかる
    • ①現在、正規確率紙は不要
    • ➁正規確率紙を理解することは大事
    • ➂正規確率紙の使い方1(データをそのまま打点する場合)
    • ➃正規確率紙の使い方2(度数分布表のデータを打点する場合)
    現在はExcelがあるので、確率紙は不要です。
    ただし、確率紙の考え方は理解しておく必要があります。

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    ①現在、正規確率紙は不要

    Excelで計算できる

    正規確率紙を使わなくても、Excelで計算できますね。

    使う関数は、NORM.INV(確率,平均,標準偏差)で簡単に計算できます。平均0、標準偏差1の場合では、

    x y(p)%
    -4.265 0.00001
    -3.719 0.0001
    -3.09 0.001
    -2.326 0.01
    -1.282 0.1
    -0.842 0.2
    -0.524 0.3
    -0.253 0.4
    0 0.5
    0.253 0.6
    0.524 0.7
    0.842 0.8
    1.282 0.9
    2.326 0.99
    3.09 0.999
    3.719 0.9999
    4.265 0.99999

    グラフで描くと

    正規確率紙

    と縦軸の確率を等間隔で描くと、違和感がありますね。実際の確率紙は縦の間隔をうまく設定して、プロットすると直線になるようにしていますね。

    ➁正規確率紙を理解することは大事

    現在、不要ですが、考え方や理解は必須です。使い方の手段より、目的・意図は理解しておきましょう。

    確率紙でおさえておきたい考え方

    以下の疑問は説明できますか?

    1. 正規確率紙にプロットすると直線になる理由
    2. 何で横軸は小さい順に並び替えるのか?

    解説します。

    正規確率紙にプロットすると直線になる理由

    当たり前!なんですが、わかりますか?

    横軸xと縦軸yは同じ変数だから、小さい順に並べると両者は直線の配置になるだけ

    2次元グラフとは、本来、横軸と縦軸は独立した変数ですね。
    でも、確率紙は変換前後の関係を見たいので、横軸も縦軸も同じ変数です。

    何で横軸は小さい順に並び替えるのか?

    もちろん、確率紙で直線に並べると見やすいからですが、
    大事なのは、

    順序統計量の考え方があるから、小さい順に並べても数学的にOK

    ということは理解しておいてください。

    ワイブル確率紙でも小さい順に何気なく並べますが、そこにも順序統計量の考え方があります。ワイブル確率はワイブル分布と順序統計量の2つの仮定が入っていることを忘れずに!

    では、実際に使ってみて、理解を深めましょう。

    データをそのまま打点する場合と、度数分布表のデータを打点する場合がありますので、紹介します。

    ➂正規確率紙の使い方1(データをそのまま打点する場合)

    データ

    10個のデータを用意します。
    89,85,106,94,102,136,96,88,100,104
    これを正規確率紙にプロットします。

    正規確率紙へプロット

    平均と標準偏差は計算すると、
    平均=100,標準偏差=13.76

    表を作ります。

    1. dataは小さい順に並べる
    2. dataを\(x\)=\(Z=\frac{x-μ}{σ}\)で変換する
    3. \(x\)を確率\(y\)に変換する、Excelならnorm.dist(x,平均、標準偏差,true)

    表は

    No data x y
    1 85 -1.09 0.138
    2 88 -0.872 0.192
    3 89 -0.799 0.212
    4 94 -0.436 0.331
    5 96 -0.291 0.386
    6 100 0 0.5
    7 102 0.145 0.558
    8 104 0.291 0.614
    9 106 0.436 0.669
    10 136 2.616 0.996

    プロットします。

    正規確率紙

    こんな感じで作ります。
    Excelなどのツールが無い時代は、確率紙は重宝されていました。今は、理論をしっかり引き継いでおく必要があります。

    ➃正規確率紙の使い方1(度数分布表のデータを打点する場合)

    データ

    度数分布表用のデータを100個用意します。

    64, 119, 130, 158, 153, 133, 147, 125, 128, 174
    123, 109, 96, 148, 157, 121, 145, 63, 180, 113
    94, 78, 136, 87, 90, 98, 166, 123, 134, 132
    125, 143, 149, 98, 119, 126, 157, 75, 112, 114
    62, 169, 149, 171, 175, 129, 179, 111, 159, 142
    142, 148, 115, 101, 93, 111, 163, 129, 106, 126
    92, 127, 117, 77, 151, 134, 115, 74, 122, 75
    110, 85, 128, 126, 145, 136, 100, 145, 143, 106
    92, 63, 117, 100, 154, 113, 94, 121, 114, 152
    88, 93, 114, 123, 100, 93, 93, 141, 133, 143

    度数分布表を作成

    分布の区分は、スタージェスの公式があるので、使ってみましょう。よくデータ数の平方根にしますよね!

    スタージェスの公式は関連記事で紹介します。

    スタージェスの公式がよくわかる
    ヒストグラムの区分数を考える1つの方法として、スタージェスの公式を解説します。信頼性工学ではヒストグラムをよく使いますので、紹介します。

    スタージェスの公式は
    区分\(m\)≒\(1+\frac{log_{10} n}{log_{10} 2}\) で
    \(m\)≒\(1+\frac{log_{10} 100}{log_{10} 2}\)
    ≒8

    区分8で度数分布表を作ると、

    区分 min max 度数
    \(f_i\)
    累積度数
    \(C_i\)
    平均ランク
    \(F(x_i)=C_i /(n+1)\)
    1 61 75 7 7 0.069
    2 76 90 6 13 0.129
    3 91 105 17 30 0.297
    4 106 120 18 48 0.475
    5 121 135 22 70 0.693
    6 136 150 15 85 0.842
    7 151 165 9 94 0.931
    8 166 180 6 100 0.99

    ここで、累積度数\(C_i\)=\(\sum_{i=1}^{n}f_i\)
    平均ランク法による確率の導出\(F(x_i)=C_i /(n+1)\)
    を使って計算しています。

    平均ランク法でなくても、他の方法でもOKです。例として紹介します。

    正規確率紙へプロット

    区分と平均ランク法で求めた確率をプロットします。

    区分 平均ランク
    \(F(x_i)=C_i /(n+1)\)
    1 0.069
    2 0.129
    3 0.297
    4 0.475
    5 0.693
    6 0.842
    7 0.931
    8 0.99

    正規確率紙

    以上、正規確率紙を解説しました。

    まとめ

    「正規確率紙がよくわかる」を解説しました。

    • ①現在、正規確率紙は不要
    • ➁正規確率紙を理解することは大事
    • ➂正規確率紙の使い方1(データをそのまま打点する場合)
    • ➃正規確率紙の使い方2(度数分布表のデータを打点する場合)

  • p01-01_なぜ力F=maなのかがわかる

    p01-01_なぜ力F=maなのかがわかる

    「力F=maと最初に学ぶけど、なぜかがよくわからず、力学全体がよくわからない」、などと困っていませんか?

    こういう期待に答えます。

    本記事のテーマ

    p01-01_なぜ力F=maなのかがわかる
    • ①小中学では「力F」と「重さMは同じ」
    • ②高校から「力F」に馴染みのない「加速度a」が入るから難しくなる
    • ③力「F」は重さも加速度も影響するのは理解できる
    • ➃なぜ小中学では「力F」と「重さMは同じ」と習うのか?
    • ➄力F=mか、力F=maの混乱をはっきりさせる!

    高校物理はめっちゃ難しい!
    むしろ大学物理の方が簡単!
    と経験で感じています!

    最初に習う
    「F=ma」
    なんでmaなのか?
    自分で納得して説明できますか?
    最初に習う
    「F=ma」
    が消化不良だと力学はできません。
    意外とわかっていない人が多いはず。
    自分の言葉でわかりやすく解説します!
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    ①小中学では「力F」と「重さMは同じ」

    おもりの例題で確認

    さて、小学生でもわかる例題を用意しました。解いてみましょう。

    60kgの重りをひもで天井から吊り下げている。天井が引っ張っている力はいくらか?

    01-01p

    即答できますよね!

    60kg
    まさか
    60×9.8N
    と答える小中学生はめったにいないし、
    いたら変な奴と思われるはず

    つまり、

    「力F」と「重さMは同じ」
    と条件反射的に刷り込まれている!
    でも高校に入ると、
    「60kgじゃないよ!」
    「60×9.8N 」
    とF=maから来るが、
    馴染みがないからピンとこない
    最初に習う
    「F=ma」
    がピンとこないと
    物理の第一歩でつまづいているってこと

    「力F」と「重さMは同じ」は理解しやすい!

    力F」と「重さMは同じ」は理解しやすい!
    だれもおかしい!と思わない!
    天井に引っ張る力が60kgと違和感を感じながら回答し、
    F=maと習って、「やっぱりな!」と思えたら、
    皆F=maをすぐ理解できる!
    でも、そうじゃない!

    「力F」と「重さMは同じ」の方が理解しやすいですよね!

    ②高校から「力F」に馴染みのない「加速度a」が入るから難しくなる

    まず加速度に馴染みがない

    加速度って何?
    加速度系って何?
    加速度=速度/時間がピンとこない

    そりゃそうですよ! 中学まで出てこないんだから!

    自動車や電車の加速、ブレーキくらいだし、確かに速度が変化すると力を感じるよね!

    速度が上がると後ろ向きに力を感じるし、
    急ブレーキかけられると、前にぶつかるし
    それを「慣性の法則」とかいうよね! くらいですよ!

    法則だからと言って「F=ma」を鵜呑みさせる

    高校物理の教科書も先生も予備校講師も、当たり前のように、
    「F=ma」 ニュートンの第1法則
    と真顔で説明しますよね。物理の先生たちって、宇宙人なのか?と別世界の話をしているように思えてしまい、ほとんどの高校生がここで脱落して「生物」とろうと選択しますよね!

    公式を覚えた後、「何でか?」と考え直すと混乱する

    若いと、暗記もすぐできるんですが、数カ月経過して、改めて
    「F=ma」はなぜ?
    と問いかけると、自分で納得できる説明ができないので、パニックになるんですよね。

    問題集が解けないから、暗記に走ってしまい、それで大学受験合格しても、高校物理が消化不良となります。

    私QCプラネッツは工学物理系に入学したけど、高校物理はほとんどできなかったから、大学入学時不安でしたね。でも大学物理の方が簡単なんですよ。改めて高校物理って何だろうと今振り返り、皆が苦労するところを自分の言葉でわかりやすく解説して行きます!

    ③力「F」は重さも加速度も影響するのは理解できる

    力「F」は重さも加速度も影響するのは理解できる

    イメージはしやすいですよね!

    重いと大きな力が必要だし、
    すぐ速く移動させるには大きな力で引っ張る必要がある。
    だから、力は重さと加速度の積で表現できるはず

    なるほど!

    でも、まだ違和感が残っているんですよ!

    「F=ma」を知った上で、例題をもっかい解くと違和感がある

    例題を再掲しますね。

    60kgの重りをひもで天井から吊り下げている。天井が引っ張っている力はいくらか?

    01-01p

    即答できますよね!

    60kg?
    60×9.8N
    あれ?どっちだろう?

    こういう違和感が、忘れた頃にふとやってきて、悩み始めます。

    答えのページを見ると
    60×9.8N
    でも、何で60kgとした小中学の方が正解じゃないんだろう。。。

    この違和感は何? と深みにはまっていきます。
     すいません、この記事を書く2日前まで、私もやもやしてました。40代になってもわかっていないんですよ! 

    高校物理の最初に習う
    F=mじゃなくて、F=ma
    の違和感をばっちり解消させます!

    では、種明かしをします!

    ➃なぜ小中学では「力F」と「重さMは同じ」と習うのか?

    「力F」と「重さMは同じ」と習う理由

    この理由は、

    「静止系」で「加速度g共通」だから、加速度は省けるから

    上の例題をわかりやすい図に書き換えます。

    01-01p2

    天井に引張るをおもりMでおもりmを引っ張ると考えます。

    おもりmとMが釣り合う、つまり「静止」するには、
    F=maを使うと
    Mg=mg
    よく見ると、(両辺)同じ加速度gがあるから、
    M=m
    と最初から重さだけでつり合い式を作っても良いとなる!
    「力F」と「重さMは同じ」の方が子供には理解しやすく、馴染み深い

    世の中は「静止系」も「運動系」の両方がある。

    一方、高校物理は、いきなり、
    F=ma
    から入るのは、ちゃんと理由があります。

    高校物理は「静止系」もその反対の「運動系」も扱うから、両方の世界で使える式F=maを習う。

    つまり、さっきの例題で表現すると

    静止しない場合は、力の差分が加速する力の原動力となっている!

    01-01p3

    たしかに、上の図のように静止していない場合、
    おもりmの方が重いから、mの方が落下していきますよね。

    静止しない場合は、どうやって式で表現する?重さだけでは表現できない。なぜなら、加速する度合いも考える必要があるから

    こうなると、確かに、F=maが必要で、
    F=ma=mg-Mg=(m-M)g
    という式が正しいですよね。

    F=m-Mとおもりの重さの差が力としていいけど、
    加速度はmとMの差とおもりmの大きさによって変わる!これも式に入れたい!
    となれば、F=maの方が使いたい式になる!
    なるほど、

    じゃ、もっかい例題を再再掲しますね。それでも60kgかな?

    60kgの重りをひもで天井から吊り下げている。天井が引っ張っている力はいくらか?

    01-01p

    ➄力F=mか、力F=maの混乱をはっきりさせる!

    ここまで読めば、頭の中で整理できますね。皆が混乱するポイントをわかりやすく解決させます!

    静止系
    釣り合っている
    動作系
    釣り合っていない
    ケース 特殊なケースと考える 一般的なケースと考える
    力Fの式は F=ma
    F=mg-Mg=0
    F=maから考える!
    F=ma
    =mg-Mg ≠ 0
    F=maから考える!
    式の整理をすると mg=Mg
    両辺をgで割って
    m=M
    (重さだけの式)
    ma=mg-Mg
    (重さも加速度も必要)
    加速度の省略できる? できる
    「力」=「重さ」
    と端折ってよい
    できない
    力F=ma
    で考える必要あり
    いつ学校で学ぶ? 小中学から
    馴染みあり
    高校で初めて習うから
    馴染みがない
    理解しやすい? 理解しやすい 理解しにくい

    ポイントは、

    1. 力Fは重さmと加速度aの積である
    2. 特殊な静止系の場合は加速度gで割れるので重さだけ考えてもよい
    3. 静止しない一般的な場合はF=maで考えるべき

    確かに、小中学の場合は、力が釣り合うのが前提でその場合の力と呼んでる重さを計算しているに過ぎないんですよね。これを力と重さを混同させた原因でもあり、混同した方が理解しやすいものF=maがわかりにくくしている原因でもあります。

    たかがF=ma
    でもちゃんと解説すると記事になるくらいだから
    ちゃんとF=maの理由を考えるって大事だし、
    皆意外と理解していないのよね。

    F=maの理由とF=mと混同する理由がばっちり理解できました!

    どうしても大学入試で点数取るのが目的化しがち。
    でもそうじゃない!
    物理は「物の理屈」
    自分や相手が「なるほど!」と理解・感動するまで、簡単な式でも考え抜くこと!

    まとめ

    「p01-01_なぜ力F=maなのかがわかる」を解説しました。

    • ①小中学では「力F」と「重さMは同じ」
    • ②高校から「力F」に馴染みのない「加速度a」が入るから難しくなる
    • ③力「F」は重さも加速度も影響するのは理解できる
    • ➃なぜ小中学では「力F」と「重さMは同じ」と習うのか?
    • ➄力F=mか、力F=maの混乱をはっきりさせる!

  • 信頼性(指数分布)における逐次抜取検査がよくわかる

    信頼性(指数分布)における逐次抜取検査がよくわかる

    「信頼性(指数分布)における逐次抜取検査がよくわからない」、と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    信頼性(指数分布)における逐次抜取検査がよくわかる
    • ①指数分布の逐次抜取検査がわかる
    • ➁品質管理の逐次抜取検査を復習
    • ➂逐次抜取検査の判定条件式を導出
    信頼性工学なのに抜取検査が入ってくるなんて面白いよね!

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    ①指数分布の逐次抜取検査がわかる

    ポアソン分布型を使うのが前提

    指数関数で表現する信頼性工学において、抜取検査はポアソン分布型を使います。その理由は関連記事で解説していますので、導出過程をご確認ください。

    信頼性における抜取検査はポアソン分布を使う理由がわかる
    信頼性でも抜取検査することがありますが、なぜポアソン分布型を使うのか説明できますか?本記事では指数分布で信頼性を定義したものをポアソン分布の抜取検査を使ってよい理由を、数式で導出します。導出過程があるのはQCプラネッツだけです。必読です!

    OC曲線を作る

    抜取検査はOC曲線が基本ですが、信頼性工学で応用するには、以下のように式を使います。

    \(L(λT)\)=\(\sum_{r=0}^{c} e^{-λT} \frac{(λT)^r}{r!}\)
    ・\(L\)はロット合格率
    ・\(T\)は総試験時間で、\(T=nt\)
    (サンプル数\(n\)と1サンプルの試験時間\(t\))

    OC曲線を描くと

    22a

    抜取検査を復習したい場合は、関連記事でご確認ください。最も詳しく、網羅性の高いQCプラネッツの抜取検査記事です。

    究める!抜取検査
    抜取検査は使い方だけ理解して終わっていませんか?実務で活用するには、抜取検査の理論の習得が必須です。本記事では、抜取検査全体の理論をわかりやすく解説します。品質にかかわる技術者は必読です。

    ➁品質管理の逐次抜取検査を復習

    関連記事で確認!

    品質管理の逐次抜取検査をまず復習して、理解しましょう。逐次抜取検査は何をやるのかを理解するのが先です。

    【まとめ】逐次抜取検査がわかる
    逐次抜取検査がマスターできる必見のページです。逐次抜取検査と何か?合格判定線がなぜ必要なのか? 計数値(二項分布、ポアソン分布)、計量値(標準偏差既知と未知)の4種類について解説します。さらに、逐次抜取検査の注意点も解説しています。

    逐次抜取検査で理解すべきポイント

    関連記事にあるように、逐次抜取検査で理解すべきポイントは、

    検査結果の良し悪しを見ながら、検査続行か、終了かが見やすく判断できるものがあると便利ですよね。それが合格判定線です。

    合格判定線、不合格判定線を下図に描きます。

    合格判定線
     

    青線は、不良個数が検査で増加しても、合格判定領域に入ったため、合格と判断できます。一方、赤線は、不合格領域に入ったため、不合格と判断できます。

    合格、不合格の領域線が直線であるため、検査続行、検査終了の判断がしやすいですね。

    合格判定線をうまく作ることがポイントですね。

    指数分布の場合も合格判定線を作ります!

    ➂逐次抜取検査の判定条件式を導出

    指数分布関数を用意

    逐次抜取検査を指数分布関数で扱うとき、次の式で考えます。
    \(P_n\)=\(e^{-\frac{t}{T} \frac{(\frac{t}{T})^n}{n!}}\)
    ポアソン分布の式ですが、あえて\(t\)⇒\(\frac{t}{T}\)に変形しています。ここがポイントになります!

    2つの時刻を定義する

    ここで、2つの時刻を定義します。
    ●\(T_1\):合格判定寿命 ⇒確率\(P_n (T_1)\)
    ●\(T_2\):許容平均寿命 ⇒確率\(P_n (T_2)\)

    確率比\(Pr\)を定義する

    次に確率比\(Pr\)を定義します。

    確率比\(Pr\)=\(\frac{P_n (T_2)}{P_n (T_1)}\)

    少し式を代入して変形しておきます。

    ●\(Pr\)=\(\frac{P_n (T_2)}{P_n (T_1)}\)
    =\((\frac{T_1}{T_2})^n \frac{e^{-\frac{t}{T_2}}}{ e^{-\frac{t}{T_1}}}\)
    =\((\frac{T_1}{T_2})^n\)\(e^{-(\frac{1}{T_2}-\frac{1}{T_1})t}\)

    合格判定条件を式で表現

    OC曲線から逐次抜取検査の合否判定条件を作ります。

    OC曲線

    OC曲線にある、α、βと2つの定義した時刻との関係を入れます。

    ●逐次抜取検査の合否判定条件
    \(\frac{β}{1-α}\) < \(Pr\) < \(\frac{1-β}{α}\)

    逐次抜取検査の合否判定条件をまとめる

    計算していきましょう。
    ●\(\frac{β}{1-α}\) < \(Pr\) < \(\frac{1-β}{α}\)
    \(\frac{β}{1-α}\) < \((\frac{T_1}{T_2})^n\)\(e^{-(\frac{1}{T_2}-\frac{1}{T_1})t}\)< < \(\frac{1-β}{α}\) ●logを取ります。
    \(log \frac{β}{1-α}\) < \(nlog(\frac{T_1}{T_2})-(\frac{1}{T_2}-\frac{1}{T_1})t\) < \(log \frac{1-β}{α}\)

    ●ここで、値の大小関係を確認します。
    ★ \(T_1\) > \(T_2\)
    ★ \(1-α\) > \(β\)
    ★ \(1-β\) > \(α\)
    (\(α\)=0.05、\(β\))=0.1 を代入するとよくわかりますね。)

    ●(左辺)と(中辺)から、故障数\(n\)についてまとめます。
    \(log \frac{β}{1-α}\) < \(nlog(\frac{T_1}{T_2})-(\frac{1}{T_2}-\frac{1}{T_1})t\)
    \( nlog(\frac{T_1}{T_2}) \) > \((\frac{1}{T_2}-\frac{1}{T_1})t\)+\(log(\frac{β}{1-α})\)
    \( nlog(\frac{T_1}{T_2}) \) > \((\frac{1}{T_2}-\frac{1}{T_1})t\)-\(log (\frac{1-α}{β})\)
    よって、
    \(n\) > \(\frac{\frac{1}{T_2}-\frac{1}{T_1}}{ log(\frac{T_1}{T_2})}\)-\(\frac{log(\frac{1-α}{β})}{ log(\frac{ T_1}{ T_2})}\)

    ●同様に(中辺)と(右辺)から、故障数\(n\)についてまとめます。
    \(nlog(\frac{T_1}{T_2})-(\frac{1}{T_2}-\frac{1}{T_1})t\) < \(log \frac{1-β}{α}\)
    \( nlog(\frac{T_1}{T_2} \) < \((\frac{1}{T_2}-\frac{1}{T_1})t\) + \(log(\frac{1-β}{α})\)
    \(n\) < \(\frac{\frac{1}{T_2}-\frac{1}{T_1}}{ log(\frac{T_1}{T_2})}t\)+\(\frac{log(\frac{1-β}{α})}{ log(\frac{ T_1}{ T_2})}\)

    以上、結果をまとめると

    ●\(n\) > \(\frac{\frac{1}{T_2}-\frac{1}{T_1}}{ log(\frac{T_1}{T_2})}t\)-\(\frac{log(\frac{1-α}{β})}{ log(\frac{ T_1}{ T_2})}\)
    ●\(n\) < \(\frac{\frac{1}{T_2}-\frac{1}{T_1}}{ log(\frac{T_1}{T_2})}t\)+\(\frac{log(\frac{1-β}{α})}{ log(\frac{ T_1}{ T_2})}\)
    随分、ややこしい式になりました!

    なので、別の変数に置き換えて、見やすくしましょう。
    ●傾き\(s\)=\(\frac{\frac{1}{T_2}-\frac{1}{T_1}}{ log(\frac{T_1}{T_2})}\)
    ●y切片\(h_0\)=\(\frac{log(\frac{1-α}{β})}{ log(\frac{ T_1}{ T_2})}\)
    ●y切片\(h_1\)=\(\frac{log(\frac{1-β}{α})}{ log(\frac{ T_1}{ T_2})}\)
    ややこしい式ですが、大事なのは、どれも正の値である点です。

    ●\(n\) > \( s t\)-\( h_0\)
    ●\(n\) < \( s t\)+\( h_1\)
    こう書くと、2つの直線の間の領域ってことが良くわかますね。

    図にすると、よくわかりますね。

    合格判定線

    2つの判定線の間に、逐次検査すると故障数が増えていき、
    ●ある時間で、合格判定線内に入ると検査は合格
    ●ある時間で、不合格判定線外に出ると検査は不合格
    が視覚的にわかる!

    まとめ

    「信頼性(指数分布)における逐次抜取検査がよくわかる」を解説しました。

    • ①指数分布の逐次抜取検査がわかる
    • ➁品質管理の逐次抜取検査を復習
    • ➂逐次抜取検査の判定条件式を導出

  • 信頼性(指数分布)における計量抜取検査がよくわかる

    信頼性(指数分布)における計量抜取検査がよくわかる

    「信頼性(指数分布)における計量抜取検査がよくわからない」、と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    信頼性(指数分布)における計量抜取検査がよくわかる
    • ①指数分布の計量抜取検査がわかる
    • ➁計量抜取検査の基本的な解法
    • ➂定時打切りの場合
    • ➃定数打切りの場合
    信頼性工学なのに抜取検査が入ってくるなんて面白いよね!

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    ①指数分布の計量抜取検査がわかる

    ポアソン分布型を使うのが前提

    指数関数で表現する信頼性工学において、抜取検査はポアソン分布型を使います。その理由は関連記事で解説していますので、導出過程をご確認ください。

    信頼性における抜取検査はポアソン分布を使う理由がわかる
    信頼性でも抜取検査することがありますが、なぜポアソン分布型を使うのか説明できますか?本記事では指数分布で信頼性を定義したものをポアソン分布の抜取検査を使ってよい理由を、数式で導出します。導出過程があるのはQCプラネッツだけです。必読です!

    OC曲線を作る

    抜取検査はOC曲線が基本ですが、信頼性工学で応用するには、以下のように式を使います。

    \(L(λT)\)=\(\sum_{r=0}^{c} e^{-λT} \frac{(λT)^r}{r!}\)
    ・\(L\)はロット合格率
    ・\(T\)は総試験時間で、\(T=nt\)
    (サンプル数\(n\)と1サンプルの試験時間\(t\))

    OC曲線を描くと

    22a

    抜取検査を復習したい場合は、関連記事でご確認ください。最も詳しく、網羅性の高いQCプラネッツの抜取検査記事です。

    究める!抜取検査
    抜取検査は使い方だけ理解して終わっていませんか?実務で活用するには、抜取検査の理論の習得が必須です。本記事では、抜取検査全体の理論をわかりやすく解説します。品質にかかわる技術者は必読です。

    ➁計量抜取検査の基本的な解法

    計量抜取検査は変数を扱う

    品質管理の計量抜取検査は、変数xに対して、下限値と上限値との距離を\(σ/\sqrt{n}\)で割った割合を使って検査の合否を決めますね。

    イメージ図で確認しましょう。

    計量抜取検査

    品質管理の計量抜取検査は関連記事で確認しましょう。

    計量抜取検査がすべてわかる【まとめ】
    計量抜取検査のエッセンスをすべて解説します。サンプル数n、合格判定係数k、合格判定値の導出、OC曲線の描き方をベースに、標準偏差σの既知、未知や規格値・合格判定値についてそれぞれ詳細に解説します。計量抜取検査をマスターしたい方は必見です。

    変数はMTBFを扱う

    では、信頼性の計量抜取検査では、どんな変数を使えばよいか?
    それはMTBFです。

    MTBFは2つの式を使って表現できます。

    MTBF=\(\frac{T}{r}\)=\(\frac{2T}{χ^2(2n,α)}\)

    MTBF=\(\frac{T}{r}\)は総試験時間を故障数で割ったもので、MTBFは1故障数あたりの時間と定義通りですね。

    また、MTBFの信頼区間を計算する時は、χ2乗分布を使って
    MTBF=\(\frac{2T}{χ^2(2n,α)}\)
    となりますね。この式の導出について、関連記事で確認しましょう。

    【必読】MTBF,MTTFの点推定と推定区間の式がよくわかる
    MTBF,MTTFの点推定と推定区間の式を無理に暗記していませんか?本記事では、点推定と推定区間の式を導出解説します。定時打切り、定数打切りで自由度が異なったり、変数2Tや自由度2nと2倍を使う理由をわかりやすく解説します。必読です!

    信頼性の計量抜取検査の基本的な解き方

    χ2乗分布にある、α、βがOC曲線のα、βとして合否基準に使います。次の式を作って、検査基準を考えます。

    ●2つのMTBFを定義します。
    MTBF_0=\(\frac{2T}{χ^2(2r,1-α)}\)
    MTBF_1=\(\frac{2T}{χ^2(2r,β)}\)

    ●比を取ります。
    \(\frac{λ_1}{λ_0}\)=\(\frac{MTBF_0}{MTBF_1}\)=\(\frac{χ^2(2r,β)}{χ^2(2r,1-α)}\)

    判別比\(\frac{λ_1}{λ_0}\)を使って、検査判別します。
    基本は、χ2乗分布の値と、自由度2r、α、βの4つの値で判断します

    ●定時打切り、定数打切りの2パターンがあるので、それぞれの例題を解説します。

    ➂定時打切りの場合

    例題

    MTBF_0=900時間、MTBF_1=300時間、α=0.05、β=0.1を検査基準とする定時打切りの場合を考える。
    (1)この場合の定時打切りの打切り数rを求めよ。
    (2) 定時打切りの打切時間はいくらか。

    実際に解いてみましょう。

    解法

    (1)の解法

    判別比\(\frac{λ_1}{λ_0}\)は、900/300=3です。α=0.05、β=0.1なので、
    3=\(\frac{χ^2(2r,0.1)}{χ^2(2r,0.95)}\)
    を満たす自然数rを、χ2乗分布表やExcelから探します。手計算はできないので注意ですね!

    Excelでは、セルに、CHISQ.INV.RT(確率P,自由度r)を入れてください。計算してくれますよ!

    χ2乗分布 (A) (B)
    2r/P(確率) 0.95 0.1 (B)/(A)
    1 0.004 2.706 688.059
    2 0.103 4.605 44.891
    3 0.352 6.251 17.767
    4 0.711 7.779 10.946
    5 1.145 9.236 8.063
    6 1.635 10.645 6.509
    7 2.167 12.017 5.545
    8 2.733 13.362 4.89
    9 3.325 14.684 4.416
    10 3.94 15.987 4.057
    11 4.575 17.275 3.776
    12 5.226 18.549 3.549
    13 5.892 19.812 3.363
    14 6.571 21.064 3.206
    15 7.261 22.307 3.072
    16 7.962 23.542 2.957
    17 8.672 24.769 2.856

    判別比が3に最も近い偶数な自由度は、表から16ですね。だからr=8となります。

    (2)の解法

    打切り時間Tは
    ●MTBF_0=\(\frac{2T}{χ^2(2r,1-α)}\)
    ●MTBF_1=\(\frac{2T}{χ^2(2r,β)}\)
    の1つの式で出せます。両方計算してもTは同じ結果になります。

    ●MTBF_0=\(\frac{2T}{χ^2(2r,1-α)}\)
    300=\(\frac{2T}{χ^2(16,0.95)}\)
    300=\(\frac{2T}{7.962}\)
    T=1194.3時間
    となります。

    できましたね!

    ➃定数打切りの場合

    定時打切りと同じ感じで例題を解説します。

    例題

    MTBF_0=900時間、打切り回数r=10、α=0.05、β=0.1を検査基準とする定数打切りの場合を考える。
    (1) 定時打切りの打切時間はいくらか。
    (2) MTBF_1はいくらか。

    実際に解いてみましょう。定時打切りの場合と少し問いが変わっていますね。

    解法

    (1)の解法

    ●MTBF_0=\(\frac{2T}{χ^2(2r,1-α)}\)
    より、Tを計算します。

    ●値を代入すると、
    300=\(\frac{2T}{χ^2(20,0.95)}\)
    300=\(\frac{2T}{10.851}\)
    T=1627.65時間
    となります。上の例題より時間が長くなった感じですね。

    (2)の解法

    ●MTBF_1=\(\frac{2T}{χ^2(2r,β)}\)
    より、MTBF_1を計算します。

    ●値を代入すると、
    MTBF_1=\(\frac{2×1627.65}{χ^2(20,0.10)}\)
    MTBF_1=\(\frac{2×1627.65}{28.412}\)
    MTBF_1=114.57時間
    となります。上の例題より時間が短くなった感じですね。

    単純に公式代入で計算できますが、この式と計量抜取検査を関連付けて理解することが結構難しいです。計算だけなら、値が出ても何をやっているのかがわからない!とならないよう注意してください。

    まとめ

    「信頼性(指数分布)における計量抜取検査がよくわかる」を解説しました。

    • ①指数分布の計量抜取検査がわかる
    • ➁計量抜取検査の基本的な解法
    • ➂定時打切りの場合
    • ➃定数打切りの場合

  • 信頼性(指数分布)における計数抜取検査がよくわかる

    信頼性(指数分布)における計数抜取検査がよくわかる

    「信頼性(指数分布)における計数抜取検査がよくわからない」、と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    信頼性(指数分布)における計数抜取検査がよくわかる
    • ①指数分布の計数抜取検査がわかる
    • ➁加速試験するとサンプル数減らせる理由がわかる
    • ➂試験時間とサンプル数の関係がわかる
    • ➃指数分布の計数抜取検査の変数の関係をまとめる
    信頼性工学なのに抜取検査が入ってくるなんて面白いよね!

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    ①指数分布の計数抜取検査がわかる

    ポアソン分布型を使うのが前提

    指数関数で表現する信頼性工学において、抜取検査はポアソン分布型を使います。その理由は関連記事で解説していますので、導出過程をご確認ください。

    信頼性における抜取検査はポアソン分布を使う理由がわかる
    信頼性でも抜取検査することがありますが、なぜポアソン分布型を使うのか説明できますか?本記事では指数分布で信頼性を定義したものをポアソン分布の抜取検査を使ってよい理由を、数式で導出します。導出過程があるのはQCプラネッツだけです。必読です!

    OC曲線を作る

    抜取検査はOC曲線が基本ですが、信頼性工学で応用するには、以下のように式を使います。

    \(L(λT)\)=\(\sum_{r=0}^{c} e^{-λT} \frac{(λT)^r}{r!}\)
    ・\(L\)はロット合格率
    ・\(T\)は総試験時間で、\(T=nt\)
    (サンプル数\(n\)と1サンプルの試験時間\(t\))

    OC曲線を描くと

    22a

    抜取検査を復習したい場合は、関連記事でご確認ください。最も詳しく、網羅性の高いQCプラネッツの抜取検査記事です。

    究める!抜取検査
    抜取検査は使い方だけ理解して終わっていませんか?実務で活用するには、抜取検査の理論の習得が必須です。本記事では、抜取検査全体の理論をわかりやすく解説します。品質にかかわる技術者は必読です。

    基本例題

    例題で計数抜取検査を理解しましょう。

    故障率\(λ\)=5×\(10^{-5}\)で、β=0.1、故障数c=1まで合格とする抜取検査を考える。
    (1) 総試験時間\(T\)はいくらか?
    (2) 1サンプルあたり2000時間とすると、サンプルは何個必要か?

    さっと解けますか?

    解法

    条件式を考える

    問題文を式にすると、

    \(L(λT)\)=\(\sum_{r=0}^{c=1} e^{-λT} \frac{(λT)^r}{r!}\)=β(0.1)
    つまり、
    \(L(λT)\)=\( e^{-λT} \frac{(λT)^0}{0!}+ e^{-λT} \frac{(λT)^1}{1!}\)=β(0.1)
    を満たす\(T\)を求めたらOKですね。

    計算すると
    \((λT+1) e^{-λT}\)=0.1(=β)
    とシンプルになりますが、ここからの計算が大変ですね。

    それと、計算だけだとイメージしにくいですね。

    OC曲線を描こう!

    Excelで書いてみましょう。下図のように、変数\(λT\)に対して、
    \(L(λT)\)=\(\sum_{r=0}^{c=1} e^{-λT} \frac{(λT)^r}{r!}\)
    を計算します。色枠と、色の式が対応していますので、確認ください。

    抜取検査

    ついでに、OC曲線も描いてみましょう。イメージしやすいので!

    OC曲線

    で、問題は、c=1のとき L(λT)=0.1(=β)より、上図のOC曲線の赤丸部分ですね。
    ExcelでλTを3.5~4の間で0.001くらい細かく刻んでいくと、
    λT=3.89が答えとなります。

    問題文を再掲しましょう。

    故障率\(λ\)=5×\(10^{-5}\)で、β=0.1、故障数c=1まで合格とする抜取検査を考える。
    (1) 総試験時間\(T\)はいくらか?
    (2) 1サンプルあたり2000時間とすると、サンプルは何個必要か?

    (1)でλT=3.89、λ=5×\(10^{-5}\)よりT=3.89×\(10^5\)時間(=44年)とわかります。それだけ試験時間がかかるってことですね。QCプラネッツは44歳に近いですけど。。。

    (2)は簡単ですね。
    T=ntより
    3.89×\(10^5\)=n×2000
    n=194.5
    と200個くらいサンプル数が必要とわかります。

    2000時間は83日と3カ月くらいですね。結構長いし、2000時間継続すれば人生変わるくらいのスキルがつきますね。

    ➁加速試験するとサンプル数減らせる理由がわかる

    上の例題のように、時間がかかるんですよ!だから早く結果を出したい! そのために加速試験をやります。

    加速試験するとサンプル数が減るかどうか例題で確認しましょう。

    例題

    加速試験とは、数式でいうと
    \(L(λT)\)=\(\sum_{r=0}^{c=1} e^{-λT} \frac{(λT)^r}{r!}\)

    λの値を例えば10倍とか一気に上げるようなことをします。

    上の例題でλを10倍にしたら、サンプル数はどうなるか計算してみましょう。

    故障率\(λ\)=5×\(10^{-5}\)から加速試験で10倍の\(λ\)=5×\(10^{-4}\)とした。β=0.1、故障数c=1まで合格とする抜取検査を考える。
    (1) 総試験時間\(T\)はいくらか?
    (2) 1サンプルあたり2000時間とすると、サンプルは何個必要か?

    実際に解いてみましょう。

    解法

    λの値を変えても
    \(L(λT)\)=\(\sum_{r=0}^{c=1} e^{-λT} \frac{(λT)^r}{r!}\)=β
    の式は変わらない

    なので、
    \(L(λT)\)=\(\sum_{r=0}^{c=1} e^{-λT} \frac{(λT)^r}{r!}\)=0.1を満たすλTは
    3.89と同じです。

    で、λが10倍になったので、Tは1/10になります。よって、
    (1)は、
    T=3.89×\(10^4\)時間(=4.4年)
    となります。

    (2)T=ntでt=2000とですから、
    n=19.4=20個と先の例題の200個から20個に減っています。

    λの値を変えても
    \(L(λT)\)=\(\sum_{r=0}^{c=1} e^{-λT} \frac{(λT)^r}{r!}\)=β
    の式は変わらず、λTも変わらない。

    ●λとTの積は一定なので、どちらかが数倍になれば片方は数分の1になるってことです。

    ➂試験時間とサンプル数の関係がわかる

    例題

    試験時間を変えると、必要なサンプル数はどう増減するかやってみましょう。一度解けば簡単な例題です。

    故障率\(λ\)=5×\(10^{-5}\)で、β=0.1、故障数c=1まで合格とする抜取検査を考える。
    総試験時間\(T\)は上の例題で3.89×\(10^5\)時間とわかっている。
    (1) 1サンプルあたり200時間とすると、サンプルは何個必要か?
    (2) 1サンプルあたり2000時間とすると、サンプルは何個必要か?
    (3) 1サンプルあたり20000時間とすると、サンプルは何個必要か?

    3条件振って、調べてみましょう。

    解法

    λの値を変化させた場合と同じで、

    \(L(λT)\)=\(\sum_{r=0}^{c=1} e^{-λT} \frac{(λT)^r}{r!}\)=β
    の式は変わらない

    なので、
    \(L(λT)\)=\(\sum_{r=0}^{c=1} e^{-λT} \frac{(λT)^r}{r!}\)=0.1を満たすλTは
    3.89と同じです。

    なので 、T=3.89×\(10^5\)時間でしたね。

    ●T=ntですから、
    (1) t=200のときは、  n=T/t=1945個
    (2) t=2000のときは、 n=T/t=194.5個
    (3) t=20000のときは、 n=T/t=19.45個
    と試験時間が増えるに従い、サンプル数減ります。反比例の関係です。

    λの値を変えても
    \(L(λT)\)=\(\sum_{r=0}^{c=1} e^{-λT} \frac{(λT)^r}{r!}\)=β
    の式は変わらず、λTも変わらない。

    ●λとTの積は一定なので、どちらかが数倍になれば片方は数分の1になるってことです。

    ➃指数分布の計数抜取検査の変数の関係をまとめる

    いろいろ変数を振ってみて練習しましたが、まとめましょう。

    1. OC曲線から
      \(L(λT)\)=\(\sum_{r=0}^{c} e^{-λT} \frac{(λT)^r}{r!}\)=β
      を満たす変数\(λT\)を求める。
    2. λT=λntの関係式でλ,n,tの値を求める。
    3. λT=(一定)なので、それぞれの変数が反比例の関係になる

    つまり、

    1. λTはOC曲線から計算し
    2. OC曲線から離れて λnt=(一定)の条件の中で、3変数の値を求める

    これが、信頼性の計数抜取検査の考え方です。

    なるほど、よくわかりましたね!

    まとめ

    「信頼性(指数分布)における計数抜取検査がよくわかる」を解説しました。

    • ①指数分布の計数抜取検査がわかる
    • ➁加速試験するとサンプル数減らせる理由がわかる
    • ➂試験時間とサンプル数の関係がわかる
    • ➃指数分布の計数抜取検査の変数の関係をまとめる

  • 信頼性における抜取検査はポアソン分布を使う理由がわかる

    信頼性における抜取検査はポアソン分布を使う理由がわかる

    「信頼性に関して故障率と指数分布で定義した製品を抜取検査する場合、なぜポアソン分布で検査してよいのかがわからない」、と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    信頼性における抜取検査はポアソン分布を使う理由がわかる
    • ①信頼性における抜取検査
    • ➁指数分布からポアソン分布への導出を解説
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    【QC検定®合格】「信頼性工学」問題集を販売します! ①QC検定®頻出問題、➁確率分布と順序統計量、➂各確率分布における故障率、➃点推定と区間推定、➄直列系、並列系、待機系、多数決系、⑥独立系と非独立系、⑦アベイラビリティ、⑧確率紙、⑨打切りデータ、⑩信頼性工学と抜取検査の組合せ、10章全54題。しっかり勉強しましょう。

    ①信頼性における抜取検査

    品質管理と信頼性の抜取検査の違い

    信頼性試験は、故障する・しないの試験ですが、一部のサンプルを抜き取って、ロットの合否判定したい場合があります。

    ただし、品質管理における抜取検査とは次の3点が異なります。

    信頼性試験 品質管理
    変数 故障率λ、MTBF 不良率p
    時間 故障するまで待つと時間がかかる。
    打切ったりする。
    検査で良否が判定
    確率分布 指数分布 正規分布

    品質管理の抜取検査と、少し違うところもありますが、信頼性について抜取検査することも可能です。

    信頼性の抜取検査のOC曲線を考えてみましょう。

    品質管理と信頼性のOC曲線の違い

    考え方は同じ。呼び名が変わるだけ。

    下図で比較しましょう。

    22a

    呼び名が変わる!

    L(ロット合格率) 信頼性試験 品質管理
    1-α ARL
    (Acceptable reliability level)
    合格信頼性水準
    AQL
    (Acceptable quality level)
    合格品質水準
    β LTFR
    (Lot tolerance failure rate)
    ロット許容故障率
    LTPD
    (Lot tolerance percent defective)
    ロット許容不良率

    考え方は同じ。呼び名が変わるだけ。

    ➁指数分布からポアソン分布への導出を解説

    何でポアソン分布型で抜取検査するの?

    教科書では、信頼性の場合は元々指数分布で定義されることが多く、抜取検査ではポアソン分布型を使う当たり前のように書いています。

    何で?と疑問ですよね!

    簡単に導出を解説します。

    指数分布からポアソン分布への導出を解説

    抜取検査は、二項分布をよく使いますよね。ここからスタートします。

    ●二項分布は
    \({}_n C_k p^k (1-p)^{n-k}\)
    ですね。

    ●次に\(p\)は不良率なので、ここに信頼性における指数分布式を代入します。
    仮に、指数分布関数を
    \(F(t)=1-e^{-λt}\)
    とします。

    ●二項分布は
    \({}_n C_k p^k (1-p)^{n-k}\)
    =\({}_n C_k F(t)^k (1-F(t))^{n-k}\)
    =\({}_n C_k (1-e^{-λt})^k (e^{-λt})^{n-k}\)

    ですね。

    ●次に指数関数型をテーラー展開しましょう。
    \(e^t\)=1+\(t\)+\(\frac{t^2}{2!}\)+…
    ですね。これの1次式まで使いましょう。

    \(e^{-λt}\)=1-\(λt\)
    \(1- e^{-λt}\)=1-(1-\(λt\))=\(λt\)
    から、二項分布の式に代入すると、

    ●二項分布は
    =\({}_n C_k (1-e^{-λt})^k (e^{-λt})^{n-k}\)
    =\(\frac{n!}{k!(n-k)!} (λt)^k (e^{-λt})^{n-k}\)
    と変形させます。

    ここで、変数\(a\)=\(λt(n-k)\)とおいて、整理すると
    \(\frac{n!}{k!(n-k)!} (λt)^k (e^{-λt})^{n-r}\)
    =\(\frac{n!}{k!(n-k)!} (\frac{a}{n-k})^k (e^{-a}\)
    =\(\frac{1}{k!} a^k e^{-a} \frac{n!}{(n-k)!} (\frac{1}{n-k})^k\)
    と変形できます。

    よく見ると、
    =\(\frac{1}{k!} a^k e^{-a} \)はポアソン分布型で、
    \(\frac{n!}{(n-k)!} (\frac{1}{n-k})^k\)は変な定数
    となりますね。だいぶポアソン分布型になってきました。

    さらに、
    \(\frac{n!}{(n-k)!} (\frac{1}{n-k})^k\)を展開すると、
    \(\frac{n!}{(n-k)!} (\frac{1}{n-k})^k\)
    =\(\frac{n(n-1)…(n-k+1)}{(n-k)(n-k)…(n-k)}\)×\(\frac{(n-k)(n-k-1)…1}{(n-k)(n-k-1)…1}\)
    =\(\frac{n(n-1)…(n-k+1)}{(n-k)(n-k)…(n-k)}\)
    ⇒1 (nが十分大きくなると)

    まとめると、

    ●品質管理の抜取検査でよく使う二項分布
    \({}_n C_k p^k (1-p)^{n-k}\)
    の不良率\(p\)に不信頼度関数\(F(t)\)
    を代入して、指数関数をテーラー展開して
    整理すると
    \({}_n C_k p^k (1-p)^{n-k}\)⇒\(\frac{1}{k!} a^k e^{-a}\)
    というポアソン分布型に変形できる。

    これが、信頼性を抜取検査するときに、ポアソン分布型を使ってもよい理由となります。できましたね!

    信頼性の抜取検査を他の記事でも解説していきますので、ご確認ください。

    まとめ

    「信頼性における抜取検査はポアソン分布を使う理由がわかる」を解説しました。

    • ①信頼性における抜取検査
    • ➁指数分布からポアソン分布への導出を解説

  • 【必読】MTBF,MTTFの点推定と推定区間の式がよくわかる

    【必読】MTBF,MTTFの点推定と推定区間の式がよくわかる

    「MTBF,MTTFの点推定と推定区間の式の意味や導出過程がわからない」、と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

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    【必読】MTBF,MTTFの点推定と推定区間の式がよくわかる
    • ①MTBF,MTTFの点推定と推定区間の式は暗記するな!
    • ➁点推定(打切り有り無し両方)の導出がわかる
    • ➂推定区間は、2Tを自由度2nのχ2乗分布で割る理由がよくわかる
    • ➃定時打切りと定数打切りではχ2乗分布の自由度が異なる理由がわかる
    QC検定®1級受験者は必読!
    公式暗記より導出過程を理解せよ!
    自力で導出できない式は公式でも使うな!

    公式にもてあそばれないよう、ちゃんと式の導出を解説します!

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    ●商標使用について、
    ①QC検定®と品質管理検定®は、一般財団法人日本規格協会の登録商標です。
    ➁このコンテンツは、一般財団法人日本規格協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。
    ➂QCプラネッツは、QC検定®と品質管理検定®の商標使用許可を受けています。

    ①MTBF,MTTFの点推定と推定区間の式は暗記するな!

    QC検定®1級必須の公式

    本記事で対象とする公式です。

    打切り無し 定数打切り 定時打切り
    点推定 \(\frac{1}{n} (\sum_{i=1}^{n}t_i) \) \(\frac{1}{r} (\sum_{i=1}^{r}t_i +(n-r) t_r)\) \(\frac{1}{r} (\sum_{i=1}^{r}t_i +(n-r) t_c)\)
    信頼下限 \(\frac{2T}{χ^2(2n,\frac{α}{2})}\) \(\frac{2T}{χ^2(2r,\frac{α}{2})}\) \(\frac{2T}{χ^2(2(r+1),\frac{α}{2})}\)
    信頼上限 \(\frac{2T}{χ^2(2n,1-\frac{α}{2})}\) \(\frac{2T}{χ^2(2r,1-\frac{α}{2})}\) \(\frac{2T}{χ^2(2r,1-\frac{α}{2})}\)

    全公式は自力で導出できますか?
    区間推定の式で何で「Tではなく、2Tなの?」
    区間推定の式で何で「自由度がr,nでなく、2r,2nなの?」
    定時と定数打ち切りの区間推定の式で何で「自由度が2rと2(r+1)と違う値を使うの?」
    全部解説します!QCプラネッツにお任せください!

    ①点推定(打切り有り無し両方)の導出がわかる

    1つの式で導出できる

    再掲しますが、

    打切り無し 定数打切り 定時打切り
    点推定 \(\frac{1}{n} (\sum_{i=1}^{n}t_i) \) \(\frac{1}{r} (\sum_{i=1}^{r}t_i +(n-r) t_r)\) \(\frac{1}{r} (\sum_{i=1}^{r}t_i +(n-r) t_c)\)

    と3つ式が書いています。よく教科書では、

    \(\frac{1}{n} (\sum_{i=1}^{n}t_i) \)
    を最初に説明して、その変形版として、
    \(\frac{1}{r} (\sum_{i=1}^{r}t_i +(n-r) t_r)\)

    \(\frac{1}{r} (\sum_{i=1}^{r}t_i +(n-r) t_c)\)
    を解説していますね。

    でも、この流れだと、

    \(\frac{1}{n} (\sum_{i=1}^{n}t_i) \)
    から
    \(\frac{1}{r} (\sum_{i=1}^{r}t_i +(n-r) t_r)\)
    には変形できません。

    やってみればわかります。やってみてわかったことは、

    導出過程が逆です!

    つまり、

    点推定は1つの式
    \(\frac{1}{r} (\sum_{i=1}^{r}t_i +(n-r) t_r)\)
    でよい。
    打切りが無い場合は\(r=n\)になるので、
    \(\frac{1}{n} (\sum_{i=1}^{n}t_i) \)
    と変形できるってことです。
    公式暗記は厳禁! QC検定®1級くらい目指すならなおさら!

    1つずつ詳しくみてきましょう。

    (i)打切りデータ無しの場合

    打切りデータが無い場合は、下図のように、\(t_1\),\(t_2\),…, \(t_n\)と各故障時間を見ていきます。

    打切り無し

    MTBF,MTTFの点推定は公式

    MTBF,MTTFの点推定は1つの式
    \(\frac{1}{r} (\sum_{i=1}^{r}t_i +(n-r) t_r)\)
    が基本形で、
    打切りが無い場合は\(r=n\)となるので、
    \(\frac{1}{n} (\sum_{i=1}^{n}t_i) \)
    と変形できる!

    となります。

    (ii)定時打切りの場合

    定時打切りの場合は、下図のように、ある時刻\(t_c\) (故障が\(r\)回と\(r+1\)回の間に到達する時間とします。)で区切ります。

    定時打切り

    MTBF,MTTFの点推定は公式

    MTBF,MTTFの点推定は1つの式
    \(\frac{1}{r} (\sum_{i=1}^{r}t_i +(n-r) t_r)\)
    が基本形で、
    は\( t_r \)を\(t_c\)と変えると、
    \(\frac{1}{r} (\sum_{i=1}^{r}t_i +(n-r) t_c)\)
    と変形できる!

    となります。

    (iii)定数打ち切りの場合

    定数打切りの場合は、下図のように、\(r回\)で故障する時刻\(t_r\) で区切ります。

    定数打切り

    MTBF,MTTFの点推定は公式

    MTBF,MTTFの点推定は1つの式
    \(\frac{1}{r} (\sum_{i=1}^{r}t_i +(n-r) t_r)\)
    が基本形でよいです。

    となります。

    点推定の求め方を再掲すると

    打切り無し 定数打切り 定時打切り
    点推定 \(\frac{1}{n} (\sum_{i=1}^{n}t_i) \) \(\frac{1}{r} (\sum_{i=1}^{r}t_i +(n-r) t_r)\) \(\frac{1}{r} (\sum_{i=1}^{r}t_i +(n-r) t_c)\)

    と3つ式がありますが、1つの考え方で3パタ―ンの式になることが良くわかりますね。

    ➂推定区間は、2Tを自由度2nのχ2乗分布で割る理由がよくわかる

    次に推定区間を求める式を解説します。これ、式の意味がわからないと暗記は正直キツイ。私もQC検定®1級試験時は思い出せなかった! なので、導出過程を理解しましょう。

    推定区間の導出式の表を再掲します。

    打切り無し 定数打切り 定時打切り
    信頼下限 \(\frac{2T}{χ^2(2n,\frac{α}{2})}\) \(\frac{2T}{χ^2(2r,\frac{α}{2})}\) \(\frac{2T}{χ^2(2(r+1),\frac{α}{2})}\)
    信頼上限 \(\frac{2T}{χ^2(2n,1-\frac{α}{2})}\) \(\frac{2T}{χ^2(2r,1-\frac{α}{2})}\) \(\frac{2T}{χ^2(2r,1-\frac{α}{2})}\)

    指数分布、ガンマ分布、χ2乗分布の関係性を理解する

    指数関数なのに、区間はχ2乗分布でしかも、2Tなり、自由度2nだったり、定時打切りと定数打切りでは自由度が若干違うなど、訳が分からないですよね!

    全部解説します!QCプラネッツにお任せください!

    ほな、解説行きます!

    2Tを自由度2nのχ2乗分布で割る理由がよくわかる

    この理由は、

    数学で証明できます。

    関連記事で詳しく解説しています。ご確認ください。

    信頼度の点推定と区間推定がわかる(指数分布)
    信頼度の点推定と区間推定が計算できますか。本記事では指数分布における点推定と区間推定をわかりやすく解説します。信頼性工学を勉強したい方は必読です。

    【必読】寿命計算の信頼区間にχ2乗分布を使う理由がよくわかる
    指数分布に従う製品の寿命の信頼区間を計算するのに、何で自由度倍のχ2乗分布を使うか理由がわかりますか?本記事では理由を丁寧に解説します。単なる公式暗記ではなく、理由を理解することが大事です

    理解するポイント

    下図のように、

    MTBF

    1. 指数関数をn回畳み込み積分するとガウス分布になる(数学的帰納法で証明できる)
    2. ガンマ分布の変数を変換するとχ2乗分布の確率密度関数と一致する

    となります。

    ここで、χ2乗分布の確率密度関数
    \(f(t,n)\)=\(\frac{1}{2^{n/2} Γ(n/2)} t^{n/2 -1} e^{-t/2}\)
    に対して、
    \(t=2λx\),\(n=2m\)と変換すると
    \(f(2λx,2m)\)= \(\frac{1}{2^{m} Γ(m)} (2λx)^{m -1} e^{-λx}\)
    =\(\frac{λ^{m-1}}{2Γ(m)} λ^{m-1} e^{-λx}\)
    =\(\frac{1}{2λ} g(x)\)
    (ここで\(g(x)\)はガンマ分布の確率密度関数)
    となります。

    ここで、変数\(x\)を総時間\(T\)に、
    指数関数の場合の MTBF=\(\frac{1}{λ}\)の関係を代入すると、
    \(f(2λx,2m)\)= \(\frac{1}{2λ} g(x)\)から
    \(f(\frac{2T}{MTBF},2n)\)= \(\frac{1}{2λ} g(T)\)

    つまり、総時間\(T\)は指数分布の畳み込み積分から成る、
    ガンマ分布\(g(T)\)に従うが、
    これはχ2乗分布\(f(\frac{2T}{MTBF},2n)\)の定数倍の関係になるので、
    2Tは自由度2nのχ2乗分布に従って計算してよいとなります!

    よって、

    \(\frac{2T}{MTBF}\)=\(χ^2(2n,α)\)
    と使ってよく、変形すると、
    MTBF=\(\frac{2T}{χ^2(2n,α)}\)
    という式が成り立ちます。
    超難しいけど、ちゃんと式が導出できた!。

    ➃定時打切りと定数打切りではχ2乗分布の自由度が異なる理由がわかる

    自由度を2n,2(n+1)と異なる理由

    この理由は簡単です。

    ●定数の場合はr個の時で打ち切るので、自由度は2n
    ●定時の場合は時間で区切るので、故障数がr個とr+1個の間になるので、定数打切りと区別するために自由度2(r+1)としている。

    これがわかれば、表を再掲しますが、随分、区間推定しやすくなったはずです。

    打切り無し 定数打切り 定時打切り
    信頼下限 \(\frac{2T}{χ^2(2n,\frac{α}{2})}\) \(\frac{2T}{χ^2(2r,\frac{α}{2})}\) \(\frac{2T}{χ^2(2(r+1),\frac{α}{2})}\)
    信頼上限 \(\frac{2T}{χ^2(2n,1-\frac{α}{2})}\) \(\frac{2T}{χ^2(2r,1-\frac{α}{2})}\) \(\frac{2T}{χ^2(2r,1-\frac{α}{2})}\)

    実務上は自由度2nでもOK

    でも、

    定時と定数で区間の式は1つでもいいんじゃないの? 自由度2nで統一しちゃ、ダメなの?

    と疑問に思いませんか?

    その答えは、

    実務上はOK。むしろ自由度2nの方がベター。でも試験は自由度を分けた方がいい。

    実務上はOKな理由

    区間下限値の\(\frac{1}{χ^2(2(n+1),α)}\)より、\(\frac{1}{χ^2(2n,α)}\)の方が大きくなり、区間が短くなり厳しい条件となるから。

    χ2乗分布の値の表をみると、
    \(χ^2(2(n+1),α)\) > \(χ^2(2n,α)\)です。
    この逆数を考えたら、大小関係がわかりますね。

    でも、試験の時は、求められる公式が使えるかどうかを確かめているので、個別の公式を使ってください。

    MTBFの区間推定の式の謎が解明しました!

    まとめ

    「【必読】MTBF,MTTFの点推定と推定区間の式がよくわかる」を解説しました。

    • ①MTBF,MTTFの点推定と推定区間の式は暗記するな!
    • ➁点推定(打切り有り無し両方)の導出がわかる
    • ➂推定区間は、2Tを自由度2nのχ2乗分布で割る理由がよくわかる
    • ➃定時打切りと定数打切りではχ2乗分布の自由度が異なる理由がわかる

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