【重要】管理図の異常判定ルールは自分で設計すべき(JISに頼るな!)

異常判定ルール

本記事のテーマ

【重要】管理図の異常判定ルールは自分で設計すべき(JISに頼るな!)
  • ①JISZ9020の異常判定ルールは確率で定義している
  • ②確率論で異常判定してよいか?
  • ③異常判定ルールは自分で設計すべし
「管理図の異常判定ルールがなぜ8種類決まっているのか?」
「なぜ、一列になって交互に上下する14点があると異常なのか?」など
をわかりやすく解説!

大事なのは

教科書やサイトの内容をそのまま暗記せず、自分で考えてみよう。疑問がわけば、新発見につながる!

●Youtube動画でも解説しています。ご確認ください。

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①JISZ9020の異常判定ルールは確率で定義している

異常判定ルールの紹介

JISZ9020-2 附属書B 図B-1 突き止められる原因に対する異常判定ルールに、8種類の異常判定ルールがあります。

No 異常パターン
1 ゾーンAを超えた1つの点
2 中心線の片側上ゾーンCの中で
又はそれを超えて、一列になった9点
3 一列になって上下方向に増加又は減少する6点
4 一列になって交互に上下する14点
5 中心線の片側上ゾーンAの中で
又はそれを超えて、一列になった3つのうちの2つの点
6 中心線の片側上のゾーンBの中で
又はそれを超えて、一列になった5つのうちの4つの点
7 中心線の上下のゾーンの中で一列になった15点
8 中心線の両側上で一列になった8つの点で、
ゾーンCにはない

教科書に必ず載っていますが、他のサイトにもあります。参考にリンクを入れておきます。

正規分布を確認

異常判定の理由を説明する前に、正規分布と各ゾーンの確率を確認しましょう。

正規分布

まとめると、
●ゾーンAは 68%/2=34%
●ゾーンBは 27%/2=13/5%
●ゾーンCは 4.5%/2=2.25%
となります。

異常判定とする確率の計算と判断基準

確率が0.5%以下なら、めったに起きないとして異常と判断する
そうです。。。

個別に見てきます。

①ゾーンAを超えた1つの点

⇒確率Prは0.5%以下に1点あるため、異常と判断します。

②中心線の片側上ゾーンCの中で
又はそれを超えて、一列になった9点

⇒中心線の片側は上下それぞれあり、それぞれの領域は50%ですから、確率は、
Pr=2×\((\frac{1}{2})^9\)=\(\frac{1}{256}\)=0.39%
と低確率なので異常と判断します。

③一列になって上下方向に増加又は減少する6点

⇒6点が連続して順番に並ぶ確率と考えて、
Pr=2×\(\frac{1}{6!}\)=0.28%
と低確率なので異常と判断します。

④一列になって交互に上下する14点

⇒計算式が不明ですが、何かの14乗に2を書けると確率が0.5%以下なのでしょう。
低確率なので異常と判断します。

⑤中心線の片側上ゾーンAの中で又はそれを超えて、一列になった3つのうちの2つの点

⇒Aゾーンに2点ある確率なので、
Pr=2×\((0.025)^2\) =0.1%
と低確率なので異常と判断します。

⑥中心線の片側上のゾーンBの中で又はそれを超えて、一列になった5つのうちの4つの点

⇒5点中4点がBゾーンにあると考えると確率Prは
Pr=2×\({}_5C_4\)×\((0.135)^4\)=0.16%
と低確率なので異常と判断します。

⑦中心線の上下のゾーンの中で一列になった15点

⇒両方のCゾーンに連続して15点ある確率Prは
Pr=\((0.68)^{15}\)=0.3%
と低確率なので異常と判断します。

⑧中心線の両側上で一列になった8つの点で、ゾーンCにはない

⇒両方のCゾーンにない点が8つあるので、確率Prは
Pr=\((0.32)^8\)=0.01%
と低確率なので異常と判断します。

よって、どの場合も確率0.5%以下と、稀なケースなので、「稀なケース=異常」として判定しているようです。場合によっては、点の数を変えても良いでしょう。

②確率論で異常判定してよいか?

「稀なケース=異常」として判定してよいか?

と疑問に思うはずです。本来は、
工程に異常となる要因があるから異常と判定するべきで、
確率論ではないと考えるべきです。

確率論ではなく、工程異常要因を探るべき

工程が異常と考えるケースをJISに頼らず自分で考えましょう。次が挙げられます。

  1. 基本は管理限界内にあれば異常ではない
  2. 例外がいくつかある
  3. 例外1:工程に入ってはいけない要因が含まれ、上昇・下降など、途中でばらつき方が明らかに異なるなどが見られる
  4. 例外2:周期的な変動がある
管理図を作って、JISの異常判定ルールに準拠するだけではなく、管理対象の特性を見て想定しないデータがあれば何が異常の原因かを関係者と考えて協議して改善活動するのがベスト

③異常判定ルールは自分で設計すべし

JISの異常判定ルールの是非を評価

No 異常パターン 理由 評価
1 ゾーンAを超えた1つの点 管理限界外
2 中心線の片側上ゾーンCの中で
又はそれを超えて、一列になった9点
低確率 ×
3 一列になって上下方向に増加又は減少する6点 低確率、工程異常可能性有
4 一列になって交互に上下する14点 低確率 ×
5 中心線の片側上ゾーンAの中で
又はそれを超えて、一列になった3つのうちの2つの点
低確率 ×
6 中心線の片側上のゾーンBの中で
又はそれを超えて、一列になった5つのうちの4つの点
低確率 ×
7 中心線の上下のゾーンの中で一列になった15点 低確率 ×
8 中心線の両側上で一列になった8つの点で、
ゾーンCにはない
低確率 ×

確率が低いから異常という理由は、論理性が低いです。明らかに異常な点や、異常な要因が含まれているもの以外は、管理限界内にあれば、基本正常と判断してもよいでしょう。

①ゾーンAを超えた1つの点
③一列になって上下方向に増加又は減少する6点
以外は、正常と判断してもよい。

自分で考えた異常判定ルールを作るべき

JISの異常判定ルール①③以外に自分で考えた異常判定ルールを併せましょう。

⑨「周期的な異常が含まれる」を追加します。下表が、自分で考えた異常判定ルールとなります。

No 異常パターン 理由
1 ゾーンAを超えた1つの点 管理限界外は異常とみなす
2 一列になって上下方向に
増加又は減少する6点
上下傾向から工程異常要因が
含まれる可能性あり
9 周期性がある 工程や工程外に予期しない異常が
含まれる可能性あり

表の「…」は、実際の管理対象の特性をみながら、個別に異常ルールを追加してください。
●顧客要求仕様で異常と判定するもの
●トラブル・故障で是正処置した際に追加したルール
などから判定ルールが追加するはずです。

JISの異常判定ルールの理由を理解し、
あなたが必要とする異常判定ルールを考えて管理図を使ってください。

まとめ

管理図の異常判定ルールを自分で考える重要さを解説しました。

  • ①JISZ9020の異常判定ルールは確率で定義している
  • ②確率論で異常判定してよいか?
  • ③異常判定ルールは自分で設計すべし

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