月: 2021年7月

  • 【本記事限定】直交表の各列の平方和の式は自力で導出できる【必見】

    【本記事限定】直交表の各列の平方和の式は自力で導出できる【必見】

    「直交表の各列の平方和の導出式の暗記が大変!」「2水準と3水準では直交表の平方和の導出式が違うのはなぜ?!」など、直交表から平方和を求める方法で、疑問に思ったことありませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    直交表の各列の平方和の式は自力で導出できる

    に解説した通り、直交表の平方和の導出過程を理解すると、交互作用が複数列必要な理由や直交表が多数のパターンがあることに気づくことができます。

    直交表の

    • ➀直交表の平方和の導出方法
    • ②2水準の直交表の場合
    • ③3水準の直交表の場合

    記事の信頼性

    記事を書いている私は、実験計画法に磨きをかけていますので、わかりやすく解説します。本記事は、どこに書いていない、私が研究して見つけた本記事限定の内容です。直交表がより詳しくわかる重要な記事なので、読んでください!

    さっそく見ていきましょう。

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    ➀直交表の平方和の導出方法

    • (i)完全配置実験の主効果・交互作用の平方和の導出式からスタートする
    • (ii)直交表で同じ水準数の和を1つの文字式にする
    • (iii)直交表の平方和の式を導出する

    (i)完全配置実験の主効果・交互作用の平方和の導出式からスタートする

    直交表を使わない、全パターンを実験する、完全配置実験の平方和の式からスタートします。

    主効果なら、

    $$ S[k]=\frac{\sum (A_i水準の和)^2}{A_iデータ数}-CT $$

    交互作用なら、

    $$ S[k]=\frac{\sum (AB_{ij水}準の和)^2}{AB_{ij}データ数}-CT $$

    CTは修正項です。

    (ii) 直交表で同じ水準数の和を1つの文字式にする

    平方和を導出するために、文字式をいっぱい使います。
    直交表で同じ水準数のものを1つに集約します。

    例えば、
    データ1,2,3,4に対して水準が1,1,2,2とします。\(x_i\) (i=1,2,3,4)とおけます。
    水準1のものの和をX1=(x1+x2),水準2の和、X2=(x3+x4)とX1,X2をおきます。

    ((iii)直交表の平方和の式を導出する

    ひたすら計算します。詳細は解説集に載せますが、本記事はポイントだけ解説します。

    具体的にやってみましょう。

    ②2水準の直交表の場合

    主効果の平方和の導出

    主効果の平方和の場合

    $$ S[k]=\frac{(T_{[k]1}-T_{[k]2})^2}{N}$$

    で計算できます。\(T_{[k]i}\)はi水準の和、Nは実験回数です。

    2水準で、因子Aの主効果の平方和を導出します。水準1がn個(\(x_1,…,x_n\))、水準2がn個(\(x_{n+1},…,x_{2n}\))あるとします。つまり、N=n2です。

    (i)完全配置実験の主効果・交互作用の平方和の導出式からスタートする

    $$ S[k]=\frac{(T_{[k]1}-T_{[k]2})^2}{N}$$

    は次の式から導出できます。

    $$ S[k]=\frac{\sum (A_i水準の和)^2}{A_iデータ数}-CT $$

    (ii) 直交表で同じ水準数の和を1つの文字式にする

    \(S[k]=\frac{(x_1+x_2+…+x_n)^2}{n}\)+\(\frac{(x_{n+1}+x_{n+2}+…+x_{2n})^2}{n}\)-\(\frac{(x_1+…+x_{2n})^2}{2n}\)
    =\(\frac{X_1^2}{n}\)+\(\frac{X_2^2}{n}\)-\(\frac{(X_1+X_2)^2}{2n}\)
    と変形できます。

    (iii)直交表の平方和の式を導出する

    さらに、
    \(S[k]\)=\(\frac{(X_1-X_2)^2}{2n}\)
    =\(\frac{(T_{[k]1}-T_{[k]2})^2}{N}\)
    となります。(一回、手で解いてみて確認してください)

    交互作用の平方和の導出

    交互作用の平方和の場合

    $$ S[k]=\frac{(T_{[k]1}-T_{[k]2})^2}{N}$$

    で計算できます。\(T_{[k]i}\)のiでi=1なら11,i=2なら22です。Nは実験回数です。

    (i)完全配置実験の主効果・交互作用の平方和の導出式からスタートする

    $$ S[k]=\frac{(T_{[k]1}-T_{[k]2})^2}{N}$$

    は次の式から導出できます。

    $$ S[k]=\frac{\sum (AB_{ij}水準の和)^2}{AB_{ij}データ数}-CT-S_A-S_B $$

    データ A B A×B データ データ和
    1 1 1 1 \(x_{111}\) \(X_{11}\)
    n 1 1 1 \(x_{11n}\)
    n+1 1 2 2 \(x_{121}\) \(X_{12}\)
    2n 1 2 2 \(x_{12n}\)
    2n+1 2 1 2 \(x_{211}\) \(X_{21}\)
    3n 2 1 2 \(x_{21n}\)
    3n+1 2 2 1 \(x_{221}\) \(X_{22}\)
    4n 2 2 1 \(x_{22n}\)

    $$ S[k]=\frac{(T_{[k]1}-T_{[k]2})^2}{N}$$

    は次の式から導出できます。

    $$ S[k]=\frac{\sum (AB_{ij}水準の和)^2}{AB_{ij}データ数}-CT –S_A-S_B$$

    (ii) 直交表で同じ水準数の和を1つの文字式にする

    $$ S[k]=\frac{\sum (AB_{ij}水準の和)^2}{AB_{ij}データ数}-CT $$

    上の式の第1項\(\frac{\sum (AB_{ij}水準の和)^2}{AB_{ij}データ数}\)は、

    (A)第1項=\(\frac{X_{11}^2+X_{12}^2+X_{21}^2+X_{22}^2}{n}\)

    (B)CT=\(\frac{(X_{11}+X_{12}+X_{21}+X_{22})^2}{4n}\)

    (C)\(S_A\)=\(\frac{(X_{11}+X_{12})^2-(X_{21}+X_{22})^2}{4n}\)

    (D)\(S_B\)=\(\frac{(X_{11}+X_{21})^2-(X_{12}+X_{22})^2}{4n}\)

    と書けます。

    (iii)直交表の平方和の式を導出する

    (A)-(B)-(C)-(D)をがんばって展開してまとめます。

    (A)-(B)-(C)-(D)=\(\frac{(X_{11}+X_{22})^2-(X_{12}+X_{21})^2}{4n}\)

    交互作用A×Bの1水準の和と2水準の和の差になります。最初の式と一致しますね。

    $$ S[k]=\frac{(T_{[k]1}-T_{[k]2})^2}{N}$$

    下の、演習問題を解いて、上の解説の途中過程を導出してください。実力アップできます。

    問:2水準の直交表の各列の平方和の式を導出せよ。
    (1) 因子Aの主効果
    (2) 交互作用A×B
    (3) 残差e(交互作用A×B×Cと交絡)
    (詳細は解説集にあります。)

    ③3水準の直交表の場合

    主効果の平方和の導出

    主効果の平方和の場合

    $$ S[k]=\frac{((T_{[k]1}-T_{[k]2})^2+(T_{[k]2}-T_{[k]3})^2+(T_{[k]3}-T_{[k]1})^2)}{3N}$$

    で計算できます。\(T_{[k]i}\)はi水準の和、3Nは実験回数です。

    3水準で、因子Aの主効果の平方和を導出します。水準1がn個(\(x_1,…,x_n\))、水準2がn個(\(x_{n+1},…,x_{2n}\)),水準3がn個(\(x_{2n+1},…,x_{3n}\))あるとします。つまり、N=n3です。

    (i)完全配置実験の主効果・交互作用の平方和の導出式からスタートする

    $$ S[k]=\frac{((T_{[k]1}-T_{[k]2})^2+(T_{[k]2}-T_{[k]3})^2+(T_{[k]3}-T_{[k]1})^2)}{3N}$$

    は次の式から導出できます。

    $$ S[k]=\frac{\sum (A_i水準の和)^2}{A_iデータ数}-CT $$

    2水準の主効果と同じ式です。

    (ii) 直交表で同じ水準数の和を1つの文字式にする

    \(S[k]=\frac{(x_1+x_2+…+x_n)^2}{n}\)+\(\frac{(x_{n+1}+x_{n+2}+…+x_{2n})^2}{n}\)+\(\frac{(x_{2n+1}+x_{2n+2}+…+x_{3n})^2}{n}\)-\(\frac{(x_1+…+x_{3n})^2}{3n}\)
    =\(\frac{X_1^2}{n}\)+\(\frac{X_2^2}{n}\)+\(\frac{X_3^2}{n}\)-\(\frac{(X_1+X_2+X_3)^2}{3n}\)
    と変形できます。

    (iii)直交表の平方和の式を導出する

    さらに、
    \(S_[k]\)=\(\frac{(X_1-X_2)^2+(X_2-X_3)^2+(X_3-X_1)^2+}{3n}\)
    $$ S[k]=\frac{((T_{[k]1}-T_{[k]2})^2+(T_{[k]2}-T_{[k]3})^2+(T_{[k]3}-T_{[k]1})^2)}{3N}$$
    となります。(一回、手で解いてみて確認してください)

    交互作用の平方和の導出

    (i)完全配置実験の主効果・交互作用の平方和の導出式からスタートする

    は次の式から導出できます。

    $$ S[k]=\frac{\sum (AB_{ij}水準の和)^2}{AB_{ij}データ数}-CT-S_A-S_B $$

    (ii) 直交表で同じ水準数の和を1つの文字式にする

    表にまとめます。

    データ A B A×B データ データ和
    1~n 1 1 1 \(x_1\),…,\(x_n\) \(X_1\)
    n+1~2n 1 2 2 \(x_{n+1}\),…,\(x_{2n}\) \(X_2\)
    2n+1~3n 1 3 3 \(x_{2n+1}\),…,\(x_{3n}\) \(X_3\)
    3n+1~4n 2 1 2 \(x_{3n+1}\),…,\(x_{4n}\) \(X_4\)
    4n+1~5n 2 2 3 \(x_{4n+1}\),…,\(x_{5n}\) \(X_5\)
    5n+1~6n 2 3 1 \(x_{5n+1}\),…,\(x_{6n}\) \(X_6\)
    6n+1~7n 3 1 3 \(x_{6n+1}\),…,\(x_{7n}\) \(X_7\)
    7n+1~8n 3 2 1 \(x_{7n+1}\),…,\(x_{8n}\) \(X_8\)
    8n+1~9n 3 3 2 \(x_{8n+1}\),…,\(x_{9n}\) \(X_9\)

    $$ S[k]=\frac{\sum (AB_{ij}水準の和)^2}{AB_{ij}データ数}-CT $$

    (A)第1項=\(\frac{X_1^2+X_2^2+…+X_9^2}{n}\)

    (B)CT=\(\frac{(X_1+X_2+…+X_9)^2}{9n}\)

    (C)\(S_A\)=\(\frac{((X_1+X_2+X_3)-(X_4+X_5+X_6))^2}{9n}\)+\(\frac{((X_4+X_5+X_6)-(X_7+X_8+X_9))^2}{9n}\)+\(\frac{((X_7+X_8+X_9)-(X_1+X_2+X_3))^2}{9n}\)

    (D)\(S_B\)=\(\frac{((X_1+X_4+X_7)-(X_2+X_5+X_8))^2}{9n}\)+\(\frac{((X_2+X_5+X_8)-(X_3+X_6+X_9))^2}{9n}\)+\(\frac{((X_3+X_6+X_9)-(X_1+X_4+X_7))^2}{9n}\)

    と書けます。

    (iii)直交表の平方和の式を導出する

    (A)-(B)-(C)-(D)をがんばって展開してまとめます。

    (A)-(B)-(C)-(D)
    =\(\frac{((X_1+X_6+X_8)-(X_2+X_4+X_9))^2}{9n}\)
    +\(\frac{((X_2+X_4+X_9)-(X_3+X_5+X_7))^2}{9n}\)
    +\(\frac{((X_3+X_5+X_7)-(X_1+X_6+X_8))^2}{9n}\)

    +\(\frac{((X_1+X_5+X_9)-(X_2+X_6+X_7))^2}{9n}\)
    +\(\frac{(( X_2+X_6+X_7)-(X_3+X_4+X_8))^2}{9n}\)
    +\(\frac{(( X_3+X_4+X_8)-( X_1+X_5+X_9))^2}{9n}\)
    または、
    =\(\frac{((X_1+X_6+X_8)-(X_2+X_4+X_9))^2}{9n}\)
    +\(\frac{((X_2+X_4+X_9)-(X_3+X_5+X_7))^2}{9n}\)
    +\(\frac{((X_3+X_5+X_7)-(X_1+X_6+X_8))^2}{9n}\)

    +\(\frac{((X_1+X_5+X_9)-(X_3+X_4+X_8))^2}{9n}\)
    +\(\frac{(( X_3+X_4+X_8)-(X_2+X_6+X_7))^2}{9n}\)
    +\(\frac{(( X_2+X_6+X_7)-( X_1+X_5+X_9))^2}{9n}\)
    と2通りまとめることができます。

    実は上の式は \(S_{ab}+S_{2ab}\)と\(S_{ab}+S_{a2b}\)の2通りであることがわかります。

    • 2因子の交互作用の平方和から、直交表2列が必要とわかる
    • 2因子の交互作用の平方和は、2通りの表現ができ、直交表が複数種類があるとわかる

    結構、重要なエッセンスです。

    下の、演習問題を解いて、上の解説の途中過程を導出してください。実力アップできます。

    問:3水準の直交表の各列の平方和の式を導出せよ。
    (1) 因子Aの主効果
    (2) 交互作用A×B
    (詳細は解説集にあります。)

    まとめ

    直交表の各列の平方和の導出方法を解説しました。

    • ➀直交表の平方和の導出方法
    • ②2水準の直交表の場合
    • ③3水準の直交表の場合

  • 【本記事限定】直交表の実験回数と割当て列数が決まっている理由がわかる【必見】

    【本記事限定】直交表の実験回数と割当て列数が決まっている理由がわかる【必見】

    「直交表L27はなぜ実験回数が27回で13列と決まっているの?」「多因子の直交表の実験回数と列数もなぜ1つに決まっているの?」など、いろいろな水準系の直交表を勉強する中で、疑問に思ったことありませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    直交表の実験回数と割当て列数が決まっている理由がわかる

    直交表は複数ある【絶対知っといて!】

    • ➀【本記事限定】直交表それぞれの実験回数と列数がわかる
    • ②【本記事限定】直交表の実験回数が決まる理由がわかる
    • ③【本記事限定】直交表の列数が決まる理由がわかる

    記事の信頼性

    記事を書いている私は、実験計画法に磨きをかけていますので、わかりやすく解説します。本記事は、どこに書いていない、私が研究して見つけた本記事限定の内容です。直交表がより詳しくわかる重要な記事なので、読んでください!

    さっそく見ていきましょう。

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    ➀【本記事限定】直交表それぞれの実験回数と列数がわかる

    いろいろな直交表

    水準数、実験回数と割当て列数をあげてみます。

    直交表

    図を見ると水準数・実験回数・列数は関係式があることがわかります。

    水準数2: (実験回数)=(水準数の指数乗)、(列数)=(実験回数)-1
    水準数3: (実験回数)=(水準数の指数乗)、(列数)=((実験回数)-1)/2
    水準数4: (実験回数)=(水準数の指数乗)、(列数)=((実験回数)-1)/3

    一般化すると、

    (実験回数)=(水準数の指数乗)
    (列数)=((実験回数)-1)/(水準数-1)

    つまり、

    $$ L_{n^r}= n^ {\frac{n^r-1}{n-1}} $$

    と、まとめることができます。非常に複雑な式ですが、1つの式でまとめることができます。不思議ですね。なぜそうなるかを解説します。

    ②【本記事限定】直交表の実験回数が決まる理由がわかる<

    実験回数が決まる理由

    因子数の総当りパターンを実験するから

    直交表は、いろいろな因子を割当てるメリットがありますが、基本は構成成分の総当り実験をするものです。

    水準が3で4因子あれば、総当りで4の3乗の64回実験が必要です。直交表はL64と決まります。

    直交表のLの横の値は、構成成分の総当りの実験回数です。直交表は実験回数が減らせるイメージが先行しますが、完全配置実験と同じく、総当りで実験回数を決めます。実験回数が減らせるのは交絡させるからですね。で詳細に解説しています。

    ③【本記事限定】直交表の列数が決まる理由がわかる

    列数が決まるポイント

    • (i)全パターン列数を割り当てる
    • (ii)直交性がない組み合わせがあるため列数が制約される
    • (iii)直交性がない組み合わせによっていろいろな直交表が作られる

    直交表L27の列数

    詳細は、で詳細に解説していますが、3水準系についての解説なので、他の水準についても解説します。

    3水準の3因子では一旦、3×3×3=27列を割り当てます。次に、平均μの1列を外し、直交性がない2組みがあるため、(27-1)/2=13列と割当て列数が決まりました。列数が減った代わりに2種類の直交表が存在することがわかりました。

    直交表の列数を一般化する

    同様に、n水準r因子の場合を考えます。一旦全パターンを列数(\( n^r\)列
    に割り当てます。次に、平均μの1列を外し、直交性がないn組みで割ります。

    直交性がない5水準2因子で例をあげると、(a)~(d)の4種類はそれぞれ直交性がありません。
    (a) ab, a2b, a3b, a4b
    (b) 2ab, 2a2b, 2a3b, 2a4b
    (c) 3ab, 3a2b, 3a3b, 3a4b
    (d) 4ab, 4a2b, 4a3b, 4a4b

    5水準2因子の場合は (5×5-1)/4=6列が配列できます。

    一般化します、n水準r因子の場合、配列数は
    $$ \frac{n^r-1}{n-1} $$

    と書けます。等比数列みたいな式が出てきました。

    問:直交性がない5水準2因子が4種類あることを確かめよ。
    (a) ab, a2b, a3b, a4b

    (b) 2ab, 2a2b, 2a3b, 2a4b
    (c) 3ab, 3a2b, 3a3b, 3a4b
    (d) 4ab, 4a2b, 4a3b, 4a4b
    問:3水準3因子の場合、直交表はL27 (\(3^{13})\)です。
    仮に64列すべて配置すると、
    ➀平均工程μ 1列
    ②1因子主効果 6列(a,b,c,2a,2b,2c)
    ③2因子交互作用 12列(ab,2ab,…)
    ④残差 8列(abc,abc2,…)
    の計27列割当てることができる。
    (1)この27について次式が書けるが、この式の意味を説明せよ。
    $$ (3-1)^0×{}_3C_0+ (3-1)^1×{}_3C_1+(3-1)^2×{}_3C_2+(3-1)^3×{}_3C_3=27 $$
    (2)(1)を一般化すると次の式が成り立つことを確かめよ。
    $$ \sum_{i=0}^{r} (n-1)^i {}rC_i =n^r $$

    随分難しい問題を提示しましたが、詳細は解説集に書いています。

    $$ \sum_{i=0}^{r} (n-1)^i {}rC_i =n^r $$

    という式が成り立つのを知りませんでした。どこかの難関大学数学問題に使われそうですね。

    まとめ

    直交表の列数が1つに決まる理由を解説しました。列数を求める式を使えば、あらゆる直交表の列が簡単に求めることができます。

    • ➀【本記事限定】直交表それぞれの実験回数と列数がわかる
    • ②【本記事限定】直交表の実験回数が決まる理由がわかる
    • ③【本記事限定】直交表の列数が決まる理由がわかる

  • 【本記事限定】3水準以上の直交表には交互作用が複数列ある理由

    【本記事限定】3水準以上の直交表には交互作用が複数列ある理由

    「3水準の直交表の交互作用はなんで2列や4列などあるの?」、「多水準の直交表の交互作用の列はどうやって求めるの?」など、直交表をよく知らないまま、計算しているだけで、実は、説明できず困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    3水準以上の直交表には交互作用列が複数ある理由がわかる

    交互作用列が複数ある理由【絶対知っといて!】

    • ➀【本記事限定】3水準の直交表から各列の平方和を導出する方法
    • ②【本記事限定】3水準の直交表の割当てと平方和の計算
    • ③【本記事限定】交互作用列が複数列必要な理由

    記事の信頼性

    記事を書いている私は、実験計画法に磨きをかけていますので、わかりやすく解説します。本記事は、どこに書いていない、私が研究して見つけた本記事限定の内容です。直交表がより詳しくわかる重要な記事なので、読んでください!

    直交表の理解を深める関連記事を紹介します。どれも重要です。







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    ➀【本記事限定】3水準の直交表から各列の平方和を導出する方法

    公式がありますので紹介します。

    $$ S_{[k]}= \sum_{i=1}^{3} \frac{(第i水準のデータ和)^2}{ 第i水準のデータ数 }-CT $$

    S[k]は第[k]列の平方和、CTは修正項です。

    問:第[k]列の平方和S[k]は、
    $$ S_{[k]}= \sum_{i=1}^{3} \frac{(第i水準のデータ和)^2}{ 第i水準のデータ数 }-CT $$
    から導出できることを示せ。
    (詳細は解説集にあります。一度解いてみてください。)

    ②【本記事限定】3水準の直交表の割当てと平方和の計算

    で紹介したように、データの構造式を作ってから直交表に割当てしましょう。

    3水準で3因子(A,B,C)を事例に挙げます。すべての場合を実験すると、実験回数は27回です。データの構造式は、
    \(x_{ijk}=μ+α_i+β_j+γ_k+(αβ)_{ij}+(βγ)_{jk}+(αγ)_{ik}+e_{ijk} \)
    ですね。

    ですから、主効果A,B,Cと交互作用A×B,A×C,B×C,残差eの7列が直交表に割当てます。ん? 直交表L27は13列だけど?と思ったでしょう。7列ではなく13列必要な理由をこれから解説します。

    三元配置実験を直交表へ

    データを用意します。

    完全配置実験として、三元配置実験の分散分析の結果を示します。

    問:上の三元配置実験において、分散分析表を作成せよ。
    (詳細は解説集にあります。一度解いてみてください。)

    次に、7列の直交表を作って割当てましょう。交互作用の列の水準のつくり方は、を確認しましょう。

    上の図にあるように、各列の平方和を算出しましょう。

    $$ S_{[k]}= \sum_{i=1}^{3} \frac{(第i水準のデータ和)^2}{ 第i水準のデータ数 }-CT $$

    より、第1列(主効果A)は、
    第1水準の和: 119
    第2水準の和: 145
    第3水準の和: 114
    修正項CT=378^2/27=5292
    $$S[1]= \frac{119^2+145^2+114^2}{9}-5292=61.56$$

    となります。

    同様に、主効果B,C, 交互作用A×B,A×C,B×C,残差eの平方和を直交表から算出します。

    ③【本記事限定】交互作用列が複数列必要な理由

    分散分析の結果を比較

    完全配置実験した場合と7列の直交表から算出した分散分析の結果を比較しましょう。

    変ですね。主効果は一致するのに、交互作用、残差は一致しませんし、直交表の方が値は少ないです。

    交互作用や残差は2水準の直交表のように1列ではない。
    複数列が必要なのです。

    直交表L27は計13列が必要です。各列に割当てて平方和を計算しましょう。全列の平方和の総和が全平方和と一致します。

    交互作用について、
    \(S_{A×B}=S_3+S_4\)=44.22+113.56=157.78
    \(S_{A×C}=S_6+S_7\)=16.89+88.67=105.56
    \(S_{B×C}=S_8+S_{11}\)=14.89+26.89=41.78
    \(S_e=S_9+S_{10}+S_{12}+S_{13}\)=88.22+60.67+14.89+32.67=196.44

    完全配置実験と直交表の分散分析結果が一致します。

    実際に、データの構造式から計算すると、2因子交互作用は複数列必要になることがわかります。

    $$ S_A =Sa $$
    $$ S_{A×B} = S_{a×b} + S_{a×2b} $$
    $$ S_{A×B} = S_{a×b} + S_{2a×b} $$

    計算するとわかったのですが、交互作用は2種類と複数あります。つまり、直交表は同じ\(L_{27} (3^{13})\)でも、1つではなく、多数があります。これもここで、解説します。もっというと、直交表は無数にあります。教科書は1つしか書いていませんけど。

    問:2因子交互作用は複数列必要になることをデータの構造式を展開して確かめよ。
    (詳細は解説集にあります。一度解いてみてください。)

    教科書には、交互作用には2乗をつけて、\(ab^2\),\(ac^2\)と表記しますが、本記事は積ではなく和で記載します。

    \( ab^2 → a2b\)と書きます。

    交互作用が必要とする列数

    2因子の交互作用なら2列
    3因子の交互作用なら4列
    4因子の交互作用なら8列
    ・・・
    一般化すると
    m水準n因子の交互作用なら、\((m-1)^{(n-1)}\)列

    例えば、3水準、3因子の場合は
    主効果:3個×1列=3列
    2因子の交互作用:3種類×2列=6列
    3因子の交互作用(残差):1種類×4列=4列
    より、 3+6+4=13列が必要となります。直交表\(L_{27} (3^{13})\)の理由がわかります。

    例えば、3水準、4因子の場合は
    主効果:4個×1列=4列
    2因子の交互作用:6種類×2列=12列
    3因子の交互作用:4種類×4列=16列
    4因子の交互作用(残差):1種類×8列=8列

    より、 4+12+16+8=40列が必要となります。直交表\(L_{81} (3^{40})\)の理由がわかります。

    いろいろな直交表の列数がどのように決まるかが理解いただけたと思います。

    まとめ

    3水準の直交表とデータの構造式を使って、交互作用の列が複数必要な理由を解説しました。

    • ➀【本記事限定】3水準の直交表から各列の平方和を導出する方法
    • ②【本記事限定】3水準の直交表の割当てと平方和の計算
    • ③【本記事限定】交互作用列が複数列必要な理由

    直交表の理解を深める関連記事を紹介します。どれも重要です。







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    「直交表はどうやってできているの?」 「直交表の各列はどうやって作られているの?」 「直交表からの平方和の計算は何となくできるけど、意味がよくわからない」など、直交表がよくわかっていないまま、計算していませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    2水準で直交表の基礎を確実に理解する

    直交表のベースとなる3つの重要ポイント【絶対知っといて!】

    • ➀データの構造式と因子の組み合わせから直交表の列が決まる
    • ②直交表の全列の平方和の総和が全体の平方和
    • ③直交表の各列の水準の求め方

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    「直交表は実験回数を減らす便利な表」という、イメージがついていますが、最初にこの考え方を捨ててください。

    次の3つが直交表を完璧に理解するために必要です。全10本程度の記事を使って、直交表を解説します。教科書には書いていない、QCプラネッツだけ知っている直交表をお伝えします。

    • 直交表は単にデータの構造式の項をすべて並べたもの
    • 交絡させるから実験回数が減らせる
    • データの構造式から直交表を理解する

    ●関連記事で、実験計画法のすべてがわかるページ

    ●教科書には書いていない、研究してわかった直交表の特性を次の関連記事で紹介します。直交表ってこういうものなのか!が理解できます。10本以上の記事がありますが、すべて必見です。













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    ➁このコンテンツは、一般財団法人日本規格協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。
    ➂QCプラネッツは、QC検定®と品質管理検定®の商標使用許可を受けています。

    さっそく見ていきましょう。

    ➀データの構造式と因子の組み合わせから直交表の列が決まる

    2水準の直交表の\(L_{16} (2^{15})\)を作ります。

    ➀因子を用意
    ②因子の総組み合わせを書き出す
    ③データの構造式を作る
    ④直交表を作る

    ➀因子を用意

    2水準で実験回数が16回ですから、 4因子(A,B,C,D)を用意します。逆に、因子数が決まっていたら、実験回数は因子数の水準数乗となります。つまり、 2の4乗で16回です。5因子3水準なら5の3乗で125回と全パターンを実験しますね。

    ②因子の総組み合わせを書き出す

    因子A,B,C,Dの全パターンを書き出しましょう。機械的に書き出します。

    ●因子が0個:1種類→ μ(平均)
    ●因子が1つ:4種類→ A,B,C,D
    ●因子が2つ:6種類→ AB,AC,AD,BC,BD,CD
    ●因子が3つ:4種類→ ABC,ABD,ACD,BCD
    ●因子が4つ:1種類→ ABCD (誤差eと交絡)
    計 1+4+6+4+1=16種類作れますね。

    なお、1+4+6+4+1=16を二項定理の式に書く事ができます。
    \( {}_4 C_0+{}_4 C_1+{}_4 C_2+{}_4 C_3+{}_4 C_4\)
    =1+4+6+4+1
    =16

    ③データの構造式を作る

    16種類の項をデータの構造式にまとめます。
    ここで、直交表が突然できたわけではなく、データの構造式から作られたことを理解しましょう。重要です。

    x=μ+α+β+γ+δ+(αβ)+(βγ)+(γδ)
    +(αβγ)+(αβδ)+(αγδ)+(βγδ)
    +e

    ④直交表を作る

    データの構造式から直交表の各列を作ります。下図のように列を並び替えます。並び替えなくても、別に構いませんが、直交表を使いやすく配列すれば良いです。

    4因子2水準を事例に挙げて、直交表の配列方法を解説しました。他の因子、他の水準でも同様にできます。ただし、まだ2水準限定としましょう。3水準以上になると交互作用が複数列出てきます。これは次の関連記事で解説しています。



    ②直交表の全列の平方和の総和が全体の平方和

    直交表の便利な点は、列の平方和が簡単に計算できることです。
    そのためには、直交表の全列の平方和の総和が全体の平方和であることが前提です。

    直交表の全列の平方和の総和が全体の平方和かどうか実際に確かめてみましょう。

    2水準の四元配置実験

    図のように2水準の因子A,B,C,Dを用意して16回実験します。これは完全配置実験ですね。

    C1 C2
    D1 D2 D1 D2
    A1 B1 10 12 11 14
    B2 13 12 17 18
    A2 B1 10 9 14 16
    B2 14 9 18 20

    分散分析の結果は次のようになります。さらっと、書いていますが結構計算は面倒です。でもとてもいい演習問題なので、下の問を是非解いてみてください。

    S φ V F
    A 0.5625 1 0.5625 1
    B 39.0625 1 39.0625 69.444
    C 95.0625 1 95.0625 169
    D 0.5625 1 0.5625 1
    A×B 0.0625 1 0.0625 0.111
    A×C 10.5625 1 10.5625 18.778
    A×D 3.0625 1 3.0625 5.444
    B×C 7.5625 1 7.5625 13.444
    B×D 5.0625 1 5.0625 9
    C×D 10.5625 1 10.5625 18.778
    A×B×C 0.5625 1 0.5625 1
    A×B×D 0.0625 1 0.0625 0.111
    A×C×D 3.0625 1 3.0625 5.444
    B×C×D 1.5625 1 1.5625 2.778
    e(A×B×C×D) 0.5625 1 0.5625
    T 177.9375 15
    問: 2水準の因子A,B,C,Dからなる四元配置実験の分散分析を計算せよ。
    (詳細は次のYou Tubeをご覧下さい。前編と後編の2つご覧ください。)

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    2水準の四元配置実験を直交表L16 (2^15)で解く

    次に、直交表を使って分散分析しましょう。直交表L16 (2^15)と各データを割り付けます。

    成分
    1 A
    2 B
    3 A×B
    4 C
    5 A×C
    6 B×C
    7 A×B×C
    8 D
    9 A×D
    10 B×D
    11 A×B×D
    12 C×D
    13 A×C×D
    14 B×C×D
    15 e(A×B×C×D)

    直交表の各成分の水準数に合わせてデータを入れていきます。
    例えば、A1B1C1D1のデータは10です。

    C1 C2
    D1 D2 D1 D2
    A1 B1 10 12 11 14
    B2 13 12 17 18
    A2 B1 10 9 14 16
    B2 14 9 18 20

    黄色枠のA1B1C1D1は直交表では、次の行に割当てます。

    A B C D データ
    1 1 1 1 1 10
    16 2 2 2 2 20

    これを16回繰返します。各データを直交表に割当てる方法がわかりました。

    次に、直交表から平方和を求める公式があります。

    $$ S_{[k]} = \frac{(T_{[k]1}-T_{[k]2})^2}{N} $$

    S[k]はk列目の平方和、Nは総データ数、T[k]1はk列目の水準1の合計、T[k]2はk列目の水準2の合計です。

    この式を使って計算すると、1列目の平方和S[1]は
    \(S_{[1]} = \frac{(T_{[1]1}-T_{[1]2})^2}{16} \)
    =0.5625
    となります。

    同様に15列分計算しましょう。エクセルで計算した方が早いです。結果は下の表です。

    成分 水準1の和 水準2の和 合計 平方和
    1 A 107 110 217 0.5625
    2 B 96 121 217 39.0625
    3 A×B 108 109 217 0.0625
    4 C 89 128 217 95.0625
    5 A×C 115 102 217 10.5625
    6 B×C 114 103 217 7.5625
    7 A×B×C 110 107 217 0.5625
    8 D 107 110 217 0.5625
    9 A×D 105 112 217 3.0625
    10 B×D 104 113 217 5.0625
    11 A×B×D 108 109 217 0.0625
    12 C×D 115 102 217 10.5625
    13 A×C×D 105 112 217 3.0625
    14 B×C×D 106 111 217 1.5625
    15 e(A×B×C×D) 110 107 217 0.5625

    分散分析すると、下図のようになり、四元配置実験の結果と一致します

    S φ V F
    A 0.5625 1 0.5625 1
    B 39.0625 1 39.0625 69.444
    C 95.0625 1 95.0625 169
    D 0.5625 1 0.5625 1
    A×B 0.0625 1 0.0625 0.111
    A×C 10.5625 1 10.5625 18.778
    A×D 3.0625 1 3.0625 5.444
    B×C 7.5625 1 7.5625 13.444
    B×D 5.0625 1 5.0625 9
    C×D 10.5625 1 10.5625 18.778
    A×B×C 0.5625 1 0.5625 1
    A×B×D 0.0625 1 0.0625 0.111
    A×C×D 3.0625 1 3.0625 5.444
    B×C×D 1.5625 1 1.5625 2.778
    e(A×B×C×D) 0.5625 1 0.5625
    T 177.9375 15

    直交表の全列の平方和の総和が全体の平方和になる理由

    実例のように、直交表の全列の平方和の総和が全体の平方和になりました。その理由を解説します。

    (i)データの構造式から平方和の分解ができる。
    (ii)分解された平方和が直交表の各列の平方和になる

    (i)データの構造式から平方和の分解ができる。

    4因子のデータの構造式を書きます。

    x=μ+α+β+γ+δ+(αβ)+(βγ)+ (γδ)
    +(αβγ)+(αβδ)+(αγδ)+(βγδ)
    +e

    平方和の分解のところで詳細に導出を解説しますが、本記事では概要を解説します。上の式を変形して、それぞれの平方和に分解できます。

    ST=SA+SB+SC+SD
    +S(A×B)+S(A×C)+S(A×D)
    +S(B×C)+S(B×D)+S(C×D)
    +S(A×B×C) +S(A×B×D) +S(A×C×D) +S(B×C×D)
    +Se

    上の式のように、平方和が分解できます。
    それぞれに分割された平方和が直交表の各列の平方和になります。

    直交表はデータの構造式から理解するとすべてわかる。

    多元配置実験と直交表実験の分散分析が等しい理由について,
    You tubeで解説しています(後編)

    ③直交表の各列の水準の求め方

    【簡単】たった3つの方法で作れる

    (i)直交表の水準の表記を0,1,2,…に変える。
    (ii)交互作用列の水準は、構成因子の水準の和を水準の数で割った余りとする。
    (iii) 直交表の水準の表記を1,2,3,…に戻す。

    例として、直交表L16 (2^15)で解説します。

    ●直交表の水準数の表記方法はYou Tubeでも解説しています。(前編)

    (i)直交表の水準の表記を0,1,2,…に変える。

    水準の数から1引いてください。それだけです。

    (ii)交互作用列の水準は、構成因子の水準の和を水準の数で割った余りとする。

    交互作用A×Bの水準は、
    因子Aの水準がa
    因子Bの水準がb
    とします。

    (i)で水準の数を1引きますから、
    因子Aの水準はa-1
    因子Bの水準はb-1
    です。

    交互作用列の水準は、構成因子の水準の和を水準の数で割った余りとします。

    交互作用A×Bの水準は、
    Mod((a-1)+(b-1),2)となります。

    具体的に、a=2,b=1とします。
    Mod((a-1)+(b-1),2)=Mod((2-1)+(1-1),2)=Mod(1,2)
    Mod(1,2)は1を2で割った余りなので1となり、交互作用A×Bの水準の数は1となります。

    これを全交互作用列に対して計算しましょう。エクセルで簡単に計算できます。

    (iii) 直交表の水準の表記を1,2,3,…に戻す。

    (ii)の計算した水準の数は0からスタートしているので、すべて1を足してください。これで直交表の各行列の水準の数が求まりました。

    交互作用の表記を×としますが、実際は水準の数を足して、水準系の数で割った余りを意味します。

    この方法ですべての水準系の直交表の各行列の水準の数が自力で求めることができます。

    ●直交表の水準数の表記方法はYou Tubeでも解説しています。3水準系も必見!(後編)

    まとめ

    2水準の直交表とデータの構造式を使って、直交表のエッセンスを解説しました。

    • ➀データの構造式と因子の組み合わせから直交表の列が決まる
    • ②直交表の全列の平方和の総和が全体の平方和
    • ③直交表の各列の水準の求め方

    ●関連記事で、実験計画法のすべてがわかるページ

    ●教科書には書いていない、研究してわかった直交表の特性を次の関連記事で紹介します。
    直交表ってこういうものなのか!が理解できます。10本以上の記事がありますが、すべて必見です。













  • 【簡単】実験回数を減らせるラテン方格法がわかる

    【簡単】実験回数を減らせるラテン方格法がわかる

    「たまに出てくるラテン方格法って何?」、「直交表をよく使うけど、ラテン方格法はなんであまり使わないの?」、「なぜ、実験回数が減らせるの?」などが説明できずに困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    実験回数を減らせるラテン方格法がわかる

    実験計画法の直交性がすぐわかる

    • ➀実験回数が減らせるラテン方格法
    • ②ラテン方格法と完全配置実験の分散分析を比較
    • ③ラテン方格法とグレコ・ラテン方格法
    • ④ラテン方格法より直交表が主流な理由

    さっそく見ていきましょう。

    本記事を読む前に

    ラテン方格法を学ぶ上で基礎となる関連記事を紹介します。







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    ➀実験回数が減らせるラテン方格法

    ラテン方格法を使う目的

    ➀実験回数が減らしたい。
    ②調べたい因子以外の因子が入らないようにしたい(直交性)。

    上の目的をクリアーする手法の1つがラテン方格法です。手法より、目的が大事です。

    関連記事である、 にある、完全配置実験と部分配置実験と同じ考え方です。

    部分配置は、他の因子のすべての水準が同回数入るように割り当てる必要があるため、並べるのが難しいです。
    これを簡単に並べるためのラテン方格法です。

    ラテン方格法の使い方

    ➀実験回数が減らしたい。
    ②調べたい因子以外の因子が入らないようにしたい(直交性)。

    3水準のラテン方格は、
    1 2 3
    2 3 1
    3 1 2
    です。

    横、縦を見ると1,2,3が1回ずつ割り当てられ、重複していません
    ラテン方格法は実験計画法の直交性を満たしています。

    例えば、3因子3水準の三元配置実験を考えるとき、
    完全配置実験は27回ですが、
    ラテン方格法は9回で済みます。

    ②ラテン方格法と完全配置実験の分散分析を比較

    ラテン方格法の分散分析はここで解説します。期待値の算出に注意する箇所があります。

    それより、実験回数を減らしても問題ないのかを実例で確かめてみましょう。

    分散分析の結果を比較

    3水準の三元配置実験を例に挙げます。

    完全配置実験
    No A B C データ
    1 1 1 1 10
    2 1 1 2 3
    3 1 1 3 6
    4 1 2 1 11
    5 1 2 2 12
    6 1 2 3 9
    7 1 3 1 19
    8 1 3 2 14
    9 1 3 3 8
    10 2 1 1 17
    11 2 1 2 12
    12 2 1 3 13
    13 2 2 1 13
    14 2 2 2 10
    15 2 2 3 16
    16 2 3 1 17
    17 2 3 2 14
    18 2 3 3 17
    19 3 1 1 15
    20 3 1 2 15
    21 3 1 3 10
    22 3 2 1 16
    23 3 2 2 19
    24 3 2 3 12
    25 3 3 1 19
    26 3 3 2 19
    27 3 3 3 14

    次がラテン方格法です。

    ラテン方格法
    No No A B C データ
    1 1 1 1 1 10
    5 2 1 2 2 12
    9 3 1 3 3 8
    11 4 2 1 2 12
    15 5 2 2 3 16
    16 6 2 3 1 17
    21 7 3 1 3 10
    22 8 3 2 1 16
    26 9 3 3 2 19

    橙色部が同じ実験Noを意味します。

    それぞれの分散分析表を比べましょう。

    完全配置実験
    平方和S 自由度 平均平方 F F0
    A 136.22 2 68.11 8.59 3.49
    B 89.56 2 44.78 5.64 3.49
    C 57.56 2 28.78 3.63 3.49
    e 158.67 20 7.93
    T 442 26

    次はラテン方格法の場合です。

    完全配置実験
    平方和S 自由度 平均平方 F F0
    A 50 2 25 3.15 3.49
    B 32 2 16 2.02 3.49
    C 18 2 9 1.13 3.49
    e 14 2 7
    T 114 8

    注目すべき点は、主効果の平方和Sと残差eの自由度ですね。実験回数が27回と9回と異なるので平方和も3倍程度違います。ただし、残差の自由度が20と2なので、F検定の結果が完全配置実験とラテン方格法で変わることがあります。

    完全配置実験では3因子とも有意であるが、ラテン方格法では3因子とも有意ではないことがわかります。

    これは、データのランダムばらつきや、データ27個からどの9個に選ぶかによって、
    F検定が変わることを言っています

    部分配置実験の検定結果と完全配置実験の検定結果は変わる可能性があるので注意しましょう。

    ③ラテン方格法とグレコ・ラテン方格法

    グレコ・ラテン方格法

    水準数をどんどん増やしてみましょう。4水準系で実験回数を減らす方法を考えます。

    4水準の因子A,B,C,Dを実験します。
    四元配置実験で全パターンを実験すると、\(4^4\)=256回実験が必要です。ちょっと大変ですよね。
    そこで、次のように調べたい因子以外の因子が入らないようにする(直交性)方法で割り付けてみましょう。下の表になります。

    B1 B2 B3 B4
    A1 C1D1 C2D3 C3D4 C4D2
    A2 C2D2 C1D4 C4D3 C3D1
    A3 C3D3 C4D1 C1D2 C2D4
    A4 C4D4 C3D2 C2D1 C1D3

    上図のように、二元配置にグレコ・ラテン方陣を組み込んだ実験計画をグレコ・ラテン方格法といいます。実験回数は256回から16回に減らせます。

    なお、4水準4因子のグレコ・ラテン方格法で実験すると分散分析表は次のようになります。

    グレコ・ラテン方格法
    平方和S 自由度 平均平方 F F0
    A SA 3 VA FA
    B SB 3 VB FB
    C SC 3 VC FC
    D SD 3 VD FD
    e Se 3
    T 0 15

    5水準も実験回数が減らせるのか?

    4水準5因子の場合を例に挙げます。各水準の組み合わせは下表になります。

    B1 B2 B3 B4
    A1 C1D1E1 C2D3E4 C3D4E2 C4D2E3
    A2 C2D2E2 C1D4E3 C4D3E1 C3D1E4
    A3 C3D3E3 C4D1E2 C1D2E4 C2D4E1
    A4 C4D4E4 C3D2E1 C2D1E3 C1D3E2

    ここで、1点注意が必要です。分散分析表を作ると、残差の自由度が0となり、分散分析できません。

    超グレコ・ラテン方格法
    平方和S 自由度 平均平方 F F0
    A SA 3 VA FA
    B SB 3 VB FB
    C SC 3 VC FC
    D SD 3 VD FD
    E SE 3 VE FE
    e Se 0
    T ST 15

    水準数は因子数以上が必要です。

    【問】5水準5因子の場合、実験回数を\(5^5\)=3125回を25回に減らしたい。各水準の組み合わせ表と分散分析における各因子と残差の自由度を求めよ。

    ④ラテン方格法より直交表が主流な理由

    交互作用効果を調べたいから。

    シンプルにこの理由につきます。

    ラテン方格法やグレコ・ラテン方格法のように方陣を使って、調べたい因子以外の因子が入らないように(直交性)しますが、この方法では、互いの割り当て列が独立となるため、交互作用を調べることができません

    一方、直交表は因子数に対し、すべての組み合わせを割り当て列にするため、主効果の列や交互作用の列があります。これが実験で調べたい列として使いやすいのです。しかし、ある列にまったく異なる列を割り当てる(交絡)して、実験回数を減らすため、
    交絡による分散分析の結果の影響があります。

    交絡については、をご覧下さい。

    実験データの精度を追求するなら、実験回数を減らしてはいけません。少ない実験回数で、そこそこの精度の結果があれば良いとするなら、実験計画法を活用しましょう。

    まとめ

    実験回数を減らすためのラテン方格法とグレコ・ラテン方格法について、解説しました。

    • ➀実験回数が減らせるラテン方格法
    • ②ラテン方格法と完全配置実験の分散分析を比較
    • ③ラテン方格法とグレコ・ラテン方格法
    • ④ラテン方格法より直交表が主流な理由

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  • 【本記事限定】実験計画法では実験回数を減らすために直交性が必須

    【本記事限定】実験計画法では実験回数を減らすために直交性が必須

    「直交表にある直交って何?」、「直交性がなぜ必要なのか?」、「直交性があればなぜ、実験回数が減らせるの?」などが説明できずに困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【本記事限定】実験計画法では実験回数を減らすために直交性が必須

    実験計画法の直交性がすぐわかる

    • ➀実験回数が減らせる配置実験
    • ②水準の数が持つ3種類の表記方法
    • ③直交性とは他の因子の効果を見せなくすること

    さっそく見ていきましょう。

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    ➀実験回数が減らせる配置実験

    実験回数が減らせる配置方法

    例に、3因子(A,B,C)、3水準の実験を考えます。

    単純に全パターンを実験すると、実験回数は\(3^3\)=27回ですね。

    実は、うまく配置すると27回が9回で済みます。実験計画法は、実験回数が減らせると言われる理由です。

    実験回数を減らせる立体イメージ

    実験を立方体でイメージします。因子A-Bの面、因子A-Cの面、因子B-Cの面の3面で水準数がそれぞれ3ですから、1面あたり9個のブロックがある立方体を考えます。

    平面図、側面図と正面図を下図に書いてみます。
    すべての実験を実施するのですべてのブロックは青色で詰まっていますね

    直交

    しかし、この平面図、側面図と正面図を満たす立体は
    すべてブロックが詰まっている場合(完全配置実験)
    一部のブロックだけが詰まっている場合(部分配置実験)
    両方があります。図を見れば一目瞭然ですね。

    配置実験

    立体図の右側の青いブロックは全部で9個しかありませんが、平面、側面、正面から見るとすべて詰まった27個のブロックからなる立方体と同じに見えます。

    実験回数が減らせる場合のデータの構造式

    27回の実験が9回に減らせる場合を紹介しましたが、データの構造式を比較します。

    直交性

    どの主効果α、β、γの合計が0になっています。
    これが最も重要です。

    例えば、9回の実験の例で\(α_1\)の効果を見るために、
    \( x_{111}+x_{122}+x_{133}\)を計算します。すると、β、γの合計は0です。
    つまり、因子Aの効果だけ取り出すことができます。
    同様に、\(β_1\)の効果や\(γ_1\)の効果も確認できますね。

    データの構造式

    実験回数が減らせるポイント

    調べたい因子以外を、合計0にすれば実験回数を減らしてもよい。

    ②水準の数が持つ3種類の表記方法

    実験回数を減らせるのは、調べたい因子以外を、合計0にすればよいと解説しました。
    実験回数を減らせるのと直交性にはどういう関係があるかを解説します。

    その前に!

    水準の数が持つ3種類の表記方法

    (i)データ構造式。
    (ii)直交表の成分を算出する場合
    (iii)直交性を確認する場合

    まとめると、下の表になります。

    場合 表示例
    (i) データの構造式 1,2,3,・・・,n
    (ii) 直交表の成分を
    算出する場合
    0,1,2,・・・,(n-1)
    (iii) 直交性を確認
    する場合
    偶数: -n,-(n-1),・・・,-1,1,・・・,(n-1),n
    奇数:-(n-1),・・・,-1,0,1,・・・,(n-1)

    上の表の詳細を下の表で説明します。

    場合 表示ルール
    (i) データの構造式 1から開始
    (ii) 直交表の成分を
    算出する場合
    0から開始
    (➀から1引く)
    (iii) 直交性を確認
    する場合
    ・合計が0になるように正負に数字を入れる
    ・偶数個の場合は中間に0を入れない
    ・奇数個の場合は中間に0を入れる

    (i)のデータの構造式では、添字に該当し、1から数えていきますね。
    (ii)の直交表の成分を算出する場合とは、直交表の交互作用列のベクトル成分を求めるときに、(i)の値を1引いて、0スタート表示に変えます。交互作用列のベクトル成分のつくり方はここを見てください。
    (iii)は直交性(内積=0かどうか)を調べるために表示を変えます。

    実験計画法の教科書は(i)~(iii)の表示方法を使い分けていますが、ルールが規定されていないので、本記事ではルールを紹介しました。

    水準の数が持つ3種類の表記方法の例

    具体例を挙げます。

    水準の数が5の場合

    (i)データ構造式: 「1,2,3,4,5」
    (ii)直交表の成分を算出する場合: 「0,1,2,3,4」
    (iii)直交性を確認する場合: 「-2,-1,0,1,2」

    水準の数が6の場合

    (i)データ構造式: 「1,2,3,4,5,6」
    (ii)直交表の成分を算出する場合: 「0,1,2,3,4,5」
    (iii)直交性を確認する場合: 「-3,-2,-1,1,2,3」

    具体例をみれば、簡単ですね。

    ③直交性とは他の因子の効果を見せなくすること

    直交といえば、内積が0ですね。大学受験で条件反射的に解きましたよね。

    でも、
    直交性と内積0は必要条件であるが、十分条件ではありません。
    直交性と「他の因子の効果を見せなくすること」が必要十分条件になります。

    なお、「他の因子の効果を見せなくすること」ができれば、内積0は満たせます。

    解説します!

    直交性は内積=0でまずチェック

    例として、直交表\(L_9 (3^4) \)を挙げます。

    直交表 直交表成分
    A B A×B1 A×B2 A B A×B1 A×B2
    1 1 1 1 1 -1 -1 -1 -1
    2 1 2 2 2 -1 0 0 0
    3 1 3 3 3 -1 1 1 1
    4 2 1 2 3 0 -1 0 1
    5 2 2 3 1 0 0 1 -1
    6 2 3 1 2 0 1 -1 0
    7 3 1 3 2 1 -1 1 0
    8 3 2 1 3 1 0 -1 1
    9 3 3 2 1 1 1 0 -1

    成分AとB、AとA×Bの内積を計算しましょう。

    • 内積(AとB)=-1(-1+0+1)+0(-1+0+1)+1(-1+0+1)=0
    • 内積(AとA×B1)=-1(-1+0+1)+0(0+1-1)+1(1-1+0)=0

    内積0ですから、直交性があると言いたいですね。
    なお、直交表の各列どうしを直交性成分に直して、内積を計算すると0になります。

    直交性は内積=0では不十分な理由

     直交性はあっても直交表に割当られない場合を考えましょう。つまり、内積は0であるが、他因子効果の相殺しない場合が該当します。下図に一例を紹介します。

     (a)(b)共に、各水準数が同じ3個ずつ用意して、内積が0であることがわかります。続いて、直交表の水準の表記に変えます。

    直交表

    図から、\(a_1\)を算出すると下図になります。下図の左側は(a)のケースでβの効果が相殺されていますが、(b)のケースはβの効果が相殺されていないことがわかります。

    直交表

    よって内積0で「直交性」があっても、「調べる要因以外の効果が相殺されて」いなければ、実験回数を減らすなどの実験計画法として活用することができません。

    これが、内積0は必要であるが、不十分である理由です

    他の因子の効果を見せなくすることが直交性である

    内積0だけでは、不十分です。他の因子の効果を見せなくすることが必要です。

    つまり、直交表割当が可能な場合は、「ある因子の水準に対して、他の因子の全水準があること」です。
    下図にイメージ図に示します。

    データの構造式

    内積を計算すると、
    内積
    =\(α_1(β_1+β_2+…+βn)\)+\(α_2(β_1+β_2+…+βn)\)+…+\(α_n(β_1+β_2+…+βn)\)
    =\((α_1+α_2+…+αn)(β_1+β_2+…+βn)\)
    =0×0
    =0

    つまり、他の因子の効果を見せなくすることができたら、内積0も担保されます。
    「内積0」より「他の因子の効果を見せなくすること」を意識しましょう。

    直交性→内積 OK(必要条件)
    直交性←内積 NG(十分条件)

    直交性→他の因子効果を相殺 OK(必要条件)
    直交性←他の因子効果を相殺 OK(十分条件)

    まとめ

    実験回数を減らすための直交性について、解説しました。

    • ➀実験回数が減らせる配置実験
    • ②水準の数が持つ3種類の表記方法
    • ③直交性とは他の因子の効果を見せなくすること

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    • ➀データの構造式から母平均の点推定を求める方法は1つ
    • ②多元配置実験の母平均の点推定の導出方法
    • ③直交表を使った多因子実験の母平均の点推定の導出方法

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    ➀データの構造式から母平均の点推定を求める方法は1つ

    【重要】母平均の点推定の導出方法

    (A)データの構造式を用意する。
    (B)(左辺)に調べたい効果の平均μを、(右辺)に調べたい効果を含む項をデータの構造式から残す。
    (C)(B)の式の主効果・交互作用の項をすべて\(x\)についての項に直す。
    (D)残った項を\(\widehat{μ+●}\) の項に変える。

    二元配置実験の場合

    (A)データの構造式を用意します。
    \(x_{ijk} =μ+α_i+β_j+(αβ)_{ij}\)+\(e_{ijk}\)

    とします。

    (B)最適条件\(μ(A_i B_j)\)の点推定値を求めましょう。
    データ構造式のうち、ABを含む項だけ残します。
    \(μ(A_i B_j)\)=\(μ+α_i+β_j+ (αβ)_{ij}\)

    (C) 主効果・交互作用の項をすべて\(x\)についての項に直します。
    \(μ\)=\(\bar{\bar{x}}\)
    \(α_i\)=\(\bar{x_{i‥}}-\bar{\bar{x}}\)
    \(β_j\)=\(\bar{x_{・j・}}-\bar{\bar{x}}\)
    \( (αβ)_{ij}\)=\(\bar{x_{ij・}}\)-\(\bar{x_{i‥}}\)-\(\bar{x_{・j・}}\)+\(\bar{\bar{x}}\)
    を代入します。

    \(μ(A_i B_j)\)
    =\(μ+α_i+β_j+ (αβ)_{ij}\)
    =\(\bar{\bar{x}}\)+(\(\bar{x_{i‥}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{・j・}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{ij・}}\)-\(\bar{x_{i‥}}\)-\(\bar{x_{・j・}}\)+\(\bar{\bar{x}}\))
    =\(\bar{x_{ij・}}\)

    (D)残った項を\(\widehat{μ+●}\) の項に変えます。
    \(\bar{x_{ij・}}\)=\(\widehat{μ+a_i+b_j+(ab)_{ij}}\)
    を代入します。

    \(μ(A_i B_j)\)
    =\(\bar{x_{ij・}}\)
    =(\(\widehat{μ+a_i+b_j+(ab)_{ij}}\))

    初めて見ると難しそうと思いますが、この(A)から(D)の方法で、全実験パターンで使えます。

    以下応用事例を挙げますが、同じ方法で解説します。

    ②多元配置実験の母平均の点推定の導出方法

    【重要】母平均の点推定の導出方法

    (A)データの構造式を用意する。
    (B)(左辺)に調べたい効果の平均μを、(右辺)に調べたい効果を含む項をデータの構造式から残す。
    (C)(B)の式の主効果・交互作用の項をすべて\(x\)についての項に直す。
    (D)残った項を\(\widehat{μ+●}\) の項に変える。

    三元配置実験の場合

    (A)データの構造式を用意します。
    \(x_{ijk} =μ+α_i+β_j+γ_k\)+\(e_{ijk}\)

    とします。

    (B)最適条件\(μ(A_i B_j C_k)\)の点推定値を求めましょう。
    データ構造式のうち、ABCを含む項だけ残します。
    \(μ(A_i B_j C_k)\)=\(μ+α_i+β_j+γ_k\)

    (C) 主効果・交互作用の項をすべて\(x\)についての項に直します。
    \(μ\)=\(\bar{\bar{x}}\)
    \(α_i\)=\(\bar{x_{i‥}}-\bar{\bar{x}}\)
    \(β_j\)=\(\bar{x_{・j・}}-\bar{\bar{x}}\)
    \(γ_k\)=\(\bar{x_{‥k}}-\bar{\bar{x}}\)
    を代入します。

    \(μ(A_i B_j C_k)\)
    =\(μ+α_i+β_j+γ_k\)
    =\(\bar{\bar{x}}\)+(\(\bar{x_{i‥}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{・j・}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{‥k}}-\bar{\bar{x}}\))
    =\(\bar{x_{i‥}}+\bar{x_{・j・}}\)+\(\bar{x_{‥k}}-2\bar{\bar{x}}\)

    (D)残った項を\(\widehat{μ+●}\) の項に変えます。
    \(\bar{x_{i‥}}=\widehat{μ+a_i}\)
    \(\bar{x_{・j・}}=\widehat{μ+b_j}\)
    \(\bar{x_{‥k}}=\widehat{μ+c_k}\)
    \(\bar{\bar{x}}=\widehat{μ}\)
    を代入します。

    \(μ(A_i B_j C_k)\)
    =\(\bar{x_{i‥}}\)+\(\bar{x_{・j・}}\)+\(\bar{x_{‥k}}\)-2\(\bar{\bar{x}}\)
    =(\(\widehat{μ+a_i}\))+(\(\widehat{μ+b_j}\))+(\(\widehat{μ+c_k}\))-2\(\widehat{μ}\)

    演習問題(解説は解説書をご覧ください。)
    問:次のような、データの構造式を定義した場合、母平均の点推定を導出せよ。
    \(x_{ijk} =μ+α_i+β_j+(αβ)_{ij}\)+\((βγ)_{jk}+e_{ijk}\)

    母平均の点推定 \(μ(A_i B_j)\)

    詳細な解説は、演習問題集にあります。

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    ③直交表を使った多因子実験の母平均の点推定の導出方法

    どんどん、複雑なデータの構造式にしますが、導出方法は同じです。

    【重要】母平均の点推定の導出方法

    (A)データの構造式を用意する。
    (B)(左辺)に調べたい効果の平均μを、(右辺)に調べたい効果を含む項をデータの構造式から残す。
    (C)(B)の式の主効果・交互作用の項をすべて\(x\)についての項に直す。
    (D)残った項を\(\widehat{μ+●}\) の項に変える。
    直交表L16(215)に因子A,B,C,D,Fと交互作用A×B,C×Dを割り付けた。
    データの構造式は
    x=μ+a+b+c+d+f+(ab)+(cd)+e (eは誤差)
    とする。この時、ABCDFの水準組み合わせで母平均を推定する。
    \( \widehat{μ(ABCDF)}\)を導出せよ。

    (A)から(D)の方法で導出します。全く同じ方法で攻略できるので大丈夫です。

    (A)データの構造式を用意します。
    x=μ+a+b+c+d+f+(ab)+(cd)+e

    (B)最適条件μ(ABCDF)の点推定値を求めましょう。
    直交表に多因子を割り付けているので、添字は簡略化します。
    データ構造式のうち、ABCDFを含む項だけ残します。
    μ(ABCDF)= μ+a+b+c+d+f+(ab)+(cd)

    (C) 主効果・交互作用の項をすべて\(x\)についての項に直します。
    ここで、直交表に多因子を割り付けているので、添字は簡略化します。
    \(μ\)=\(\bar{\bar{x}}\)
    a=\(\bar{x_a}-\bar{\bar{x}}\)
    b=\(\bar{x_b}-\bar{\bar{x}}\)
    c=\(\bar{x_c}-\bar{\bar{x}}\)
    d=\(\bar{x_d}-\bar{\bar{x}}\)
    f=\(\bar{x_f}-\bar{\bar{x}}\)
    ab=\(\bar{x_{ab}}-\bar{x_a}-\bar{x_b}+\bar{\bar{x}}\)
    cd=\(\bar{x_{cd}}-\bar{x_c}-\bar{x_d}+\bar{\bar{x}}\)
    を代入します。

    μ(ABCDF)
    =μ+a+b+c+d+f+(ab)+(cd)
    =\(\bar{\bar{x}}\)+(\(\bar{x_a}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_b}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_c}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_d}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_f}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{ab}}-\bar{x_a}-\bar{x_b}+\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{cd}}-\bar{x_c}-\bar{x_d}+\bar{\bar{x}}\))
    =\(\bar{x_{ab}}\)+\(\bar{x_{cd}}\)+\(\bar{x_f}\)-2\(\bar{\bar{x}}\)

    (D)残った項を\(\widehat{μ+●}\) の項に変えます。
    \(\bar{x_{ab}}=\widehat{μ+a+b+(ab)}\)
    \(\bar{x_{cd}}=\widehat{μ+c+d+(cd)}\)
    \(\bar{x_f}=\widehat{μ+f}\)
    \(\bar{\bar{x}}=\widehat{μ}\)
    を代入します。

    μ(ABCDF)
    =\(\bar{x_{ab}}\)+\(\bar{x_{cd}}\)+\(\bar{x_f}\)-2\(\bar{\bar{x}}\)
    =(\(\widehat{μ+a+b+(ab)}\))+(\( \widehat{μ+c+d+(cd)}\))+(\( \widehat{μ+f}\))-2\(\widehat{μ}\)

    以下の演習問題もちょっと考えてみてください。

    演習問題(解説は解説書をご覧ください。)
    問:次のデータの構造式において、母平均の点推定を導出せよ。
    直交表L16(215)に因子R(反復),A,B,D,Fと交互作用A×D,eを割り付けた。
    分割法を適用しており、1次単位がR,A,B、2次単位がD,F,A×Dである。
    (1)データの構造式を作れ。
    (2)最適条件の母平均の点推定μ(ABDF)を導出せよ。

    最強に難しいですが、データの構造式をたてて、(A)から(D)の流れで解けば必ず導出できます。

    答えだけ書いておきます。
    (1) x=μ+r+a+b+\(e_{(1)}\)+d+f+\(e_{(2)}\)
    (2) μ(ABDF)=(\(\widehat{μ+a+d+(ad)}\))+(\(\widehat{μ+b}\))+(\(\widehat{μ+f}\))-2\(\widehat{μ}\)

    詳細な解説は、演習問題集にあります。

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    まとめ

    データの構造式から母平均の点推定の導出ができます。導出方法は1つだけなので、何度も読んで確実に身につけてください。

    • ➀データの構造式から母平均の点推定を求める方法は1つ
    • ②多元配置実験の母平均の点推定の導出方法
    • ③直交表を使った多因子実験の母平均の点推定の導出方法

    読んでおくべき関連記事

    データの構造式から実験計画法はすべて解けます。
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  • 【簡単】実験計画法の交絡(別名)とはキャラがかぶっていること

    【簡単】実験計画法の交絡(別名)とはキャラがかぶっていること

    「交絡(こうらく)って何?」、「交絡しているといいの?悪いの?」など、実験計画法の交絡がわからず、困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【簡単】実験計画法の交絡(別名)がわかる

    交絡を理解する3つのポイント

    • ➀交絡(別名)はキャラがかぶっていること
    • ②交絡を回避する方法は因子数を増やすこと
    • ③直交表など実験回数が減らせるのは交絡があるから

    さっそく見ていきましょう。

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    ➀交絡(別名)はキャラがかぶっていること

    データの構造式の添字が同じなら交絡している

    一元配置実験 \( x_i=μ+α_i+e_i\)があります。
    でも、\(α_i\)と\(e_i\)が交絡しています。

    「交絡」は「別名」と書く教科書もあります。

    に書いたとおり、反復が必要なのは、主効果と交絡するからでしたね。

    他の例も見てみましょう。

    二元配置実験 \( x_{ij}=μ+α_i+β_j+(αβ)_{ij}+e_{ij}\)
    分割法 \(x_{ij}=μ+α_i+e_{(1)i}+β_j\)+\((αβ)_{ij}+e_{(2)ij}\)

    添字を見ればわかります。データの構造式だけ見ても意外と交絡に気がつきません。平方和を算出して、平方和が0になって「おかしい」となり、交絡に気が付くことがよくあります。

    二元配置実験: \((αβ)_{ij}\)と\( e_{ij}\)が交絡
    分割法: \(α_i\)と\( e_{(1)i}\)、\((αβ)_{ij}\)と\( e_{(2)ij}\)がそれぞれ交絡

    ②交絡を回避する方法は因子数を増やすこと

    に書いたとおり、反復が必要なのは、主効果と交絡するからでしたね。

    反復して交絡を回避するのは、因子数を増やすことで回避しているのです。

    一元配置実験 \( x_i=μ+α_i+e_i\)

    一元配置実験 \( x_{ij}=μ+α_i+e_{ij}\)
    と、添字jを追加して、\(α_i\)と\(e_{ij}\)を別々にしました。

    他の例も交絡を回避してみましょう。

    二元配置実験 \( x_{ij}=μ+α_i+β_j+(αβ)_{ij}+e_{ij}\)
    分割法 \(x_{ij}=μ+α_i+e_{(1)i}+β_j\)+\((αβ)_{ij}+e_{(2)ij}\)

    添字を追加(因子数増加)して、交絡を回避します。

    二元配置実験 \(x_{ij}=μ+α_i+β_j+(αβ)_{ij}+e_{ij}\)

    二元配置実験 \(x_{ijk}=μ+α_i+β_j+(αβ)_{ij}+e_{ijk}\)
    と、添字kを追加して、\((αβ)_{ij}\)と\(e_{ijk}\)を別々にしました。

    分割法 \(x_{ij}=μ+α_i+e_{(1)i}+β_j\)+\((αβ)_{ij}+e_{(2)ij}\)

    分割法 \(x_{ij}=μ+α_i+e_{(1)ik}+β_j\)+\((αβ)_{ij}+e_{(2)ijk}\)
    と、添字kを追加して、\(α_i\)と\(e_{(1)ik}\)、\((αβ)_{ij}\)と\(e_{(2)ijk}\)を別々にしました。

    分割法の式で、1次単位にあたる式を取り出します。
    \( x_{ij}=μ+α_i+e_{(1)ik}\)
    です。よく見ると、添字kだけの主効果が抜けていますね
    ここによく乱塊法から \(γ_k\)を入れて
    \( x_{ij}=μ+γ_k+α_i+e_{(1)ik}\)
    とすることが多いです。これが、分割法に乱塊法がよく使われる理由です。

    また、上の分割法を交絡回避したいなら、
    分割法 \(x_{ij}=μ+α_i+e_{(1)ik}\)+\(β_j+(αβ)_{ij}+e_{(2)ijk}\)
    または、
    分割法 \(x_{ij}=μ+α_i+e_{(1)ik}\)+\(β_j+(αβ)_{ij}+e_{(2)ijl}\)
    と2次単位の誤差の添字をijkでなく、ijlとして4種類の添字にしてもよいです。ただ、添字は少ない方がシンプルでよいです。

    ③直交表など実験回数が減らせるのは交絡があるから

    直交表は交絡が前提で活用するものです。

    例として、直交表\(L_8(2^7)\)を挙げます。下の図のように5因子A,B,C,D,Fと交互作用A×Bと誤差Eを7列に割り当てます。

    一見良さそうし、実際使っても良いです。しかし、主効果D,Fに割り当てた[5]列,[6]列は、交絡しています。
    [5]列の成分はa×cですから交互作用A×Cと主効果Dは交絡しています。
    これを許容してよいとして使うのが実験回数が減らせる直交表です。
    ですから、交絡しても構わないと割り切っているのです。

    割付 A B A×B C D F e
    [1] [2] [3] [4] [5] [6] [7]
    1 1 1 1 1 1 1 1
    2 1 1 1 2 2 2 2
    3 1 2 2 1 1 2 2
    4 1 2 2 2 2 1 1
    5 2 1 2 1 2 1 2
    6 2 1 2 2 1 2 1
    7 2 2 1 1 2 2 1
    8 2 2 1 2 1 1 2
    成分 a a a
    b b b b
    c c c c

    割付 A B A×B C A×C B×C e
    [1] [2] [3] [4] [5] [6] [7]
    1 1 1 1 1 1 1 1
    2 1 1 1 2 2 2 2
    3 1 2 2 1 1 2 2
    4 1 2 2 2 2 1 1
    5 2 1 2 1 2 1 2
    6 2 1 2 2 1 2 1
    7 2 2 1 1 2 2 1
    8 2 2 1 2 1 1 2

    a a a
    b b b b
    c c c c

    直交表は割り当てた成分に従って、列に割り当てるべきと私は考えます。

    直交表は実験回数が減らせるメリットをうたう分、交絡するリスクを承知であることをよく理解してください。

    交絡を回避して1つずつの要素を確実に実験したいならば、実験回数は相応しい回数で行うべきです。

    2水準系で5因子なら \(2^5\)=32回は実験しましょう。

    そもそも、計算機が未熟だった昭和の時代では、実験もシミュレーションも手間・コストがかかるため、何とか安く・早く・それなりの結果が出る手法が必要でした。それが実験計画法だったわけです。交絡を承知で実験回数を32回から8回で済み、結果もそこそこな直交表が有効でした。

    時代背景は、教科書には書いていない内容なので、直交表は実験回数が減らせる都合のよい方法と一方的に入ってきます。しかし、よく考えると交絡のデメリットがあります。そこをよく考えた上で直交表を活用しましょう。

    まとめ

    本記事では、交絡(別名)について解説し、直交表の活用の注意点まで述べました。

    • ➀交絡(別名)はキャラがかぶっていること
    • ②交絡を回避する方法は因子数を増やすこと
    • ③直交表など実験回数が減らせるのは交絡があるから

  • 【簡単】データの構造式で実験計画法がわかる(必読)

    【簡単】データの構造式で実験計画法がわかる(必読)

    「多元配置実験、乱塊法、分割法といっぱい手法があってわからない」、「解き方を1つ1つ覚えていくのが大変」、ど、実験計画法を習得するのにいろいろ困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【簡単】データの構造式で実験計画法がわかる

    データの構造式からわかる実験計画法

    • ➀データの構造式は誤差項を機械的に書き出す
    • ②乱塊法、分割法等はデータの構造式の誤差項を書き換えただけ
    • ③データの構造式の項から自由度がわかる
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    さっそく見ていきましょう。

    ➀データの構造式は誤差項を機械的に書き出す

    実験計画法のポイント2つだけ

    (A)データを平均と誤差に分離する。
    (B)誤差を要因ごとに分解し、誤差の大きさを比較する。

    に書いたとおり、(A)(B)の2つだけでOKです。

    ここで、最も重要になるのが、データの構造式です。どの教科書にも書いていますが、分散分析や平方和に目が行くので、データの構造式は脇役になりがちです

    しかし、データの構造式がわかれば、多元配置実験、乱塊法、分割法、枝分れ実験、直交表をそれぞれ理解する必要もありませんし、自由度もデータの構造式からすべてわかります。

    例えば、3つの因子を使ったデータの構造式を書きましょう。

    \(x_{ijk} =μ+α_i+β_j+γ_k\)+\((αβ)_{ij}+(αγ)_{ik}+(βγ)_{jk}\)+\(e_{ijk}\)
    と書けます。平均と、3因子の総組み合わせ6通りと誤差1つの計8項から構成されますね。
    なお、3因子交互作用\((αβγ)_{ijk}\)と誤差\(e_{ijk}\)は交絡しますが、これは交絡のところで話をします。

    データの構造式は機械的にすべての項を一旦書く事が重要です。
    プーリングや調べない主効果・交互作用があれば誤差に含めればよいのです。

    \(x_{ijk} =μ+α_i+β_j+γ_k\)+\((αβ)_{ij}+(αγ)_{ik}+(βγ)_{jk}\)+\(e_{ijk}\)
    例えば、\((αγ)_{ik}\)は誤差に含め、\((βγ)_{jk}\)は確認対象外とすると、
    \(x_{ijk} =μ+α_i+β_j+γ_k\)+\((αβ)_{ij}\)+\(e_{ijk}\)
    \(e_{ijk}\)は\(e_{ijk}+(αγ)_{ik}+(βγ)_{jk}\)になります。

    機械的に書き出すだけなので、簡単ですね。

    ②乱塊法、分割法はデータの構造式の誤差項を書き換えただけ

    3つの因子を使ったデータの構造式
    \(x_{ijk} =μ+α_i+β_j+γ_k\)+\((αβ)_{ij}+(αγ)_{ik}+(βγ)_{jk}\)+e_{ijk}\)
    は三元配置実験のデータの構造式ですね。
    これを乱塊法、乱塊法+分割法の式に変えましょう。下図になります。

    データの構造式

    乱塊法のデータの構造式は三元配置実験から\(γ_k\)を反復因子に変えて、
    γを含む項をすべて誤差\(e_{ijk}\)に移せば完成です。

    分割法はよく乱塊法と組み合わせて出てきます。これが初めて習う時に、
    「分割法だけでもしんどいのに、何でさらにわからない乱塊法がくっついてくるの?」
    とため息が出ますよね。この理由も、ここで話しますが、
    分割法+乱塊法の方が、データの構造式が書きやすく、平方和が計算しやすいからです。

    分割法+乱塊法のデータの構造式は三元配置実験から\(γ_k\)を反復因子に変えて、
    \((αγ)_{ik}\)を\(e_{(1)ik}\)に変えて、\((βγ)_{jk}\)を誤差\(e_{ijk}\)に移せば完成です。
    γが反復因子と特別な因子に設定したので、γを含む交互作用に意味がなくなるため、誤差に入れました。
    ただし、γを含む交互作用をそのまま項にして平方和を計算することはできます。

    多くの参考書は、乱塊法、分割法をそれぞれの章で取り上げるため、個別に解き方を暗記しようとします。
    しかし、多元配置実験のシンプルなデータの構造式を書き換えているだけにすぎません
    なぜなら、多元配置実験のデータの構造式はすべての場合を書き出しているため、乱塊法、分割法などの応用手法はその構造式の項の組み合わせを変えているだけだからです。

    データの構造式がベースとなる多元配置実験を組み合わせて応用したものが、乱塊法・分割法などの応用手法だとわかれば、難しいと思わなくなるはずです。

    ③データの構造式の項から自由度がわかる

    データの構造式の項から自由度がわかる最重要ポイント

    自由度の表を提案します!是非活用ください。

    データの構造式の項まとめ

    \(x_{ijk} =μ+α_i+β_j+γ_k\)+\((αβ)_{ij}+(αγ)_{ik}+(βγ)_{jk}\)+\(e_{ijk}\)
    の各項を別表現します。自由度の算出や分散分析の期待値導出に必須です。

    ・μ=\(\bar{\bar{x}}\)
    ・\(α_i\)=\( \bar{x_{i‥}}-\bar{\bar{x}}\)
    ・\(β_j\)=\( \bar{x_{・j・}}-\bar{\bar{x}}\)
    ・\(γ_k\)=\( \bar{x_{・・k}}-\bar{\bar{x}}\)
    ・\((αβ)_{ij}\)=\(\bar{x_{ij・}}-\bar{x_{i‥}}-\bar{x_{・j・}}+\bar{\bar{x}}\)
    ・\((βγ)_{jk}\)=\(\bar{x_{・jk}}-\bar{x_{・j・}}-\bar{x_{・・k}}+\bar{\bar{x}}\)
    ・\((αγ)_{ik}\)=\(\bar{x_{i・k}}-\bar{x_{i‥}}-\bar{x_{・・k}}+\bar{\bar{x}}\)
    ・\(e_{ijk}\)=?? (書けますか?)
    と2因子の交互作用までなら暗記してもよいですが、3因子の交互作用以上になると式を求めるのが大変です。

    ここで、自由度の表を提案します!

    自由度の表を提案します!

    (A)縦軸に主効果、交互作用、合計Tを入れ、横軸に項を入れる。
    (B)主効果、2因子交互作用を構成する項の係数を入れる
    (C)合計Tの係数に合うように、誤差eを構成する項の係数を求める。

    自由度の表を作ると多因子のどんな場合でも簡単に自由度や係数を求めることができます。とても便利なので活用ください。

    i・・ ・j・ ・・k ij・ ・jk i・k ijk μ
    A 1 -1
    B 1 -1
    C 1 -1
    A×B -1 -1 1 1
    A×C -1 -1 1 1
    B×C -1 -1 1 1
    e(A×B×C) 1 1 1 -1 -1 -1 1 -1
    T 0 0 0 0 0 0 1 -1

    表を見ながら、誤差eを構成する式が書けますね。結構長い式ですが。
    ・\(e_{ijk}\)=\(x_{ijk}+(\bar{x_{i‥}}+\bar{x_{・j・}}+\bar{x_{・・k}})\)-\((\bar{x_{ij・}}+\bar{x_{・jk}}+\bar{x_{i・k}})\)-\(\bar{\bar{x}}\)

    まとめると、
    ・μ=\(\bar{\bar{x}}\)
    ・\(α_i\)=\( \bar{x_{i‥}}-\bar{\bar{x}}\)
    ・\(β_j\)=\( \bar{x_{・j・}}-\bar{\bar{x}}\)
    ・\(γ_k\)=\( \bar{x_{・・k}}-\bar{\bar{x}}\)
    ・\(αβ_{ij}\)=\(\bar{x_{ij・}}-\bar{x_{i‥}}-\bar{x_{・j・}}+\bar{\bar{x}}\)
    ・\(βγ_{jk}\)=\(\bar{x_{・jk}}-\bar{x_{・j・}}-\bar{x_{・・k}}+\bar{\bar{x}}\)
    ・\(αγ_{ik}\)=\(\bar{x_{i・k}}-\bar{x_{i‥}}-\bar{x_{・・k}}+\bar{\bar{x}}\)
    ・\(e_{ijk}\)=\(x_{ijk}+(\bar{x_{i‥}}+\bar{x_{・j・}}+\bar{x_{・・k}})\)-\((\bar{x_{ij・}}+\bar{x_{・jk}}+\bar{x_{i・k}})\)-\(\bar{\bar{x}}\)

    データの構造式から自由度がわかる

    因子1個ならa-1、因子2個の交互作用なら(a-1)(b-1)、
    因子3個の交互作用なら(a-1)(b-1)(c-1)と暗記していませんか?なぜ自由度がそうなるのか、説明できますか?

    自由度はデータの構造式からすべてわかりますし、自由度から各主効果、交互作用の構造式の形が書けます。

    平均μの自由度は1

    ・μ=\(\bar{\bar{x}}\)
    ですが、平均は1つに決まるので、自由度は1です。

    主効果の自由度はn-1

    ・\(α_i\)=\( \bar{x_{i‥}}-\bar{\bar{x}}\)
    \( \bar{x_{i‥}}\)において、主効果Aの水準はaとすると、自由度はaです。
    \(\bar{\bar{x}}\)は、自由度1の平均です。
    引くので、自由度はa-1となります。

    2因子交互作用の自由度は(n-1)(m-1)

    ・\((αβ)_{ij}\)=\(\bar{x_{ij・}}-\bar{x_{i‥}}-\bar{x_{・j・}}+\bar{\bar{x}}\)
    因子Aはa水準、因子Bはb水準としましょう。
    \(\bar{x_{ij・}}\):自由度ab
    \(\bar{x_{i‥}}\): 自由度a
    \(\bar{x_{・j・}}\): 自由度b
    \(\bar{\bar{x}}\): 自由度1
    まとめると、自由度はab-a-b+1=(a-1)(b-1)です。

    多因子交互作用や、複数の項を加算した誤差の自由度もデータ構造式から求めることができます。

    ここまで、読むと次のことも気がつきませんか?

    自由度がわかればデータの構造式も書ける

    2因子交互作用の自由度は(a-1)(b-1)=ab-a-b+1から、
    ・\(αβ_{ij}\)=\(\bar{x_{ij・}}-\bar{x_{i‥}}-\bar{x_{・j・}}+\bar{\bar{x}}\)
    にデータの構造式が書けますよね!

    3因子交互作用の自由度は公式暗記から(a-1)(b-1)(c-1)ですから、展開して
    (a-1)(b-1)(c-1)=abc-ab-ac-bc+a+b+c-1
    \( (αβγ)_{ijk}\)=\( x_{ijk}\)-\(x_{ij・}\)・・・ と書けますよね。

    多因子交互作用や、複数の項を加算した誤差の自由度もデータ構造式から求めることができます。

    では、次の問いを考えてみましょう。本記事を読めば同様に解けるはずです。なお、解説は解説集にありますので、ご覧下さい。

    問:次のデータ構造式において、[ ]にある項を\(x\)を使った式で表現し、その自由度を求めよ。
    (1) \(x_{ijk} =μ+γ_k+α_i+β_j\)+\((αβ)_{ij}+e_{ijk}\) :[\(e_{ijk}\)] (乱塊法)
    (2) \(x_{ijk} =μ+γ_k+α_i+e_{(1)ik}\)+\(β_j+(αβ)_{ij}\)+\(e_{(2)ijk}\) :[\(e_{(2)ijk}\)] (乱塊法+分割法)

    まとめ

    教科書ではあまりスポットライトが当たらない、データの構造式ですが、データの構造式だけで実験計画法がほぼわかることを解説しました。

    • ➀データの構造式は誤差項を機械的に書き出す
    • ②乱塊法、分割法はデータの構造式の誤差項を書き換えただけ
    • ③データの構造式の項から自由度がわかる

  • 【簡単】実験計画法とは何かがすぐわかる【初心者向け】

    【簡単】実験計画法とは何かがすぐわかる【初心者向け】

    「実験計画法が何をやっているのかがわからない」、「実験計画法や分散分析の計算が難しい」など、実験計画法が理解できずにいろいろ困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【簡単】実験計画法とは何かがすぐわかる【初心者向け】

    最初に理解してほしい実験計画法

    • ➀実験計画法はデータを平均と誤差に分離する
    • ②実験計画法は計画の良し悪しを平方和から評価する
    • ③高校数学だけで実験計画法はできる
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    実験計画法を勉強始めたばかりで、よくわからないことが多いですね。
    初心者の方がつまづきやすいポイントを関連記事にまとめています。

    ★実験計画法のまとめトップページ。初心者から究めたい方までどうぞ!

    ★実験計画法のフィッシャーの3原則がなぜ必要なのかがすぐわかるページ

    ★実験計画法はなんで分散分析するのか?、帰無仮説・対立仮説は何かが分かるように解説したページ。

    ★実験計画法のプーリングって何?がわかるページ

    ★実験計画法の交絡がわかるページ

    ●You tubeにも解説しています。ご確認ください。(前編)

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    ➂QCプラネッツは、QC検定®と品質管理検定®の商標使用許可を受けています。

    さっそく見ていきましょう。

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    ➀実験計画法はデータを平均と誤差に分離する

    実験計画法のポイント2つだけ

    (A)データを平均と誤差に分離する。
    (B)誤差を要因ごとに分解し、誤差の大きさを比較する。

    実験計画法は上の(A)(B)の2つだけしかやりません。とてもシンプルです。 

    事例をあげます。

    8個のデータがあります。このデータはどれも2水準な3つの要因A,B,Cと誤差Eから成り立っています。
    データ: 17,16,15,14,9,6,3,0
    個々のデータの値の違いはどの要因が影響しているかを考えましょう。

    実験計画法の基本となる考え方を解説します。上の事例は次の2つに分解します。
    (A)データを平均と誤差に分離する。
    (B)誤差を要因ごとに分解し、誤差の大きさを比較する。

    (A)の平均値は、要因と誤差に影響しない全データがもつ共通の値です。平均値からは要因と誤差の影響の強さは求めることはできません。平均値は先に取り出します。

    次に(B)を考えます。
    (B)の要素、誤差の組み合わせをすべて書き出しましょう。
    三元配置実験で効果をプーリングするなどは考えません。まずは、全部の組み合わせを書き出してください

    ・Aだけ
    ・Bだけ
    ・Cだけ
    ・AとBの組み合わせ
    ・AとCの組み合わせ
    ・BとCの組み合わせ
    ・AとBとCの組み合わせ
    ・Eだけ
    機械的に8通りの分けることができますね。

    実験計画法はまず、平均と誤差に分離すること

    多くの実験計画法の本が、一元配置実験、二元配置実験(繰返し無し&繰返し有り)、多元配置実験、直交表、乱塊法、分割法と進みます。でも個別の手法ごとに理解しても実験計画法が何をやるものかは、理解できません。

    そこで、本記事は手法や因子の数に気にせず、実験計画法はまず、平均と誤差に分離することから始まることを解説します。

    上の事例では、平均と7つの要因と1つの誤差に分けました。これを式に書いてみましょう。

    \(x_{ijk} =μ+α_i+β_j+γ_k\)+\((αβ)_{ij}+(αγ)_{ik}+(βγ)_{jk}\)+\((αβγ)_{ijk}+e_{ijk}\)
    と書けます。これは実験計画法でよく見るデータの構造式ですね。平均をμ,A→α,B→β,C→γ,添え字をそれぞれi,j,k(i,j,k=1,2)と付けました。データの構造式はいったん全パターンを書き出しましょう。

    なお、データの構造式において各項の値の算出方法は、ここを見てください。各項の値とその値から平方和を導出する過程を紹介します。

    \(x_{ijk} =μ+α_i+β_j+γ_k\)+\((αβ)_{ij}+(αγ)_{ik}+(βγ)_{jk}\)+\((αβγ)_{ijk}+e_{ijk}\)
    は平方和を使うと、
    \( S_T=S_A+S_B+S_C\)+\(S_{AB}+S_{AC}+S_{BC}\)+\(S_{ABC}+S_e\)
    が成り立ち、分散分析ができる流れとなります。

    多元配置実験でも平均と誤差全パターンに分解

    上は3要因である三元配置実験を例に取り上げました。では四元配置実験、五元配置実験とどんどん要因が増えたらどうしますか? 慌てずに、データの構造式はいったん全パターンを書き出しましょう。

    四元配置実験なら、平均μ、誤差15種類になります。五元配置実験なら平均μ、誤差は31種類あります。

    ②実験計画法は計画の良し悪しを平方和から評価する

    実験計画法から何が分かるのか?

    計画の良し悪しがわかるだけ
    ●重回帰分析のようなデータ分析手法ではない。

    実験の計画を評価するだけの実験計画法がなぜ、今も学んでいるのでしょうか?
    実験計画法を習得するメリットは何でしょうか?

    実験計画法を習得するメリット

    ●計画の良し悪しがわかれば筋のよい実験・分析ができる
    ●平方和の計算だけで、良い実験が設計できる。
    ●AIのような大型計算機は不要で、最小限のデータで考える。

    大型計算機で力技に解析する方法と、人間が頭で考えて分析する方法があり、
    実験計画法は後者を手助けする手法です。

    ③高校数学だけで実験計画法はできる

    実験計画法は誰でも使えます!

    ●高校数学でほぼできる
    ●多項式、二項定理、数列の展開と高2レベルの数学で十分
    ●難しい数学はF分布の関数だけ。これは数学者に任せたらいい

    大学入試に出てもよい内容です。大学以上のカリキュラムになっているから、実験計画法は難しいと思われます。高校数学の微積分の方が難しいです。

    実験計画法マスターに必要な数学3問

    3問紹介しますが、今は解けなくてもOKです。
    必要な高校数学がどれかを眺めるだけで十分です。
    関連記事をたくさん眺めると、徐々にこう解けばできる!
    感触が体感できます。
    問1 次の式を証明せよ。
    abc-1=(a-1)+(b-1)+(c-1)+(ab-1)+(ac-1)+(bc-1)+(a-1)(b-1)(c-1)

    関連記事に導出方法を詳細に解説しています。

    問2 三元配置実験において取り出せる誤差の種類は8種類である。一般にn元配置実験において、取り出せる誤差の種類は\(2^n-1\)になる。この理由を説明せよ。

    関連記事に導出方法を詳細に解説しています。

    問3 一元配置実験のデータの構造式を定義する。
    \( (x_{ij}-\bar{\bar{x}})\)=\((\bar{x_{i・}}-\bar{\bar{x}})\)+\((x_{ij}-\bar{x_{i・}})\)
    このとき、
    \(\sum^{a}_{i=1}\sum^{b}_{j=1}(\bar{x_{i・}}-\bar{\bar{x}})\)\((x_{ij}-\bar{x_{i・}})\)=0を示せ。

    関連記事に導出方法を詳細に解説しています。

    問1は多項式の展開、問2は二項定理、問3は数列です。

    問1は自由度の計算、問2は直交表の配列数、問3は分散分析の期待値導出に必要な高校数学です。

    詳細な解説は解説集で確認ください。

    【まとめ9】実験計画法を究める演習問題集を販売します
    実験計画法をマスターしたい方に、必須な演習問題集を作成しました。是非本記事を読んで、勉強しましょう。

    ●You tubeにも解説しています。ご確認ください。(後編)

    まとめ

    実験計画法の入り口をわかりやすく解説しました。本記事で実験計画法の概要を理解して、それぞれの手法を学んで行きましょう。

    • ➀実験計画法はデータを平均と誤差に分離する
    • ②実験計画法は計画の良し悪しを平方和から評価する
    • ③高校数学だけで実験計画法はできる
    実験計画法を勉強始めたばかりで、よくわからないことが多いですね。
    初心者の方がつまづきやすいポイントを関連記事にまとめています。

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