ベータ関数がよくわかる
「ベータ関数がわからない!」、「ベータ関数の導出方法や性質を数式で解けない!」と困っていませんか?
こういう疑問に答えます。
本記事のテーマ
- ①ベータ関数とは
- ➁ベータ関数を導出
- ➂ベータ関数を使った頻出な大学入試問題
●数十年前に受験生だった人も復習しましょう!
①ベータ関数とは
ベータ関数とは
こんな式ですね。ビビる必要はありません!
=\(\frac{(p-1)!(q-1)!}{(p+q-1)!}\)
なんじゃこりゃ!ですが、大丈夫です!
高校数学でよく出て来るベータ関数
一番大事なのは、
そして、よく見かける式がベータ関数の入り口です。
ここで、m=n=1なら、2次関数と直線との面積で、暗記する公式
\(\displaystyle \int_{α}^{β} (x-α) (x-β)dx \)=\(-\frac{1}{6}(β-α)^3\)
ですよね!
ベータ関数とガンマ関数の関係式
大学数学以上では頻繁に使うので、先に紹介します。
この証明は、ガンマ関数の記事で解説しますが、ここでは簡単なイメージです。
\(B(p,q)\)=\(\frac{(p-1)!(q-1)!}{(p+q-1)!}\)
\(Γ(p)=(p-1)!\)、\(Γ(q)=(q-1)!\)、\(Γ(p+q)=(p+q-1)!\)より
\(B(p,q)\)=\(\frac{(p-1)!(q-1)!}{(p+q-1)!}\)= \(\frac{Γ(p)Γ(q)}{Γ(p+q)} \)と
階乗「!」でみていけば公式が成り立つのが、わかりますね。
高校数学で十分説明つきますね!
では、ガチでベータ関数を導出してみましょう。
➁ベータ関数を導出
【大学入試頻出問題】積分から
次の式を証明しましょう! 大学入試で絶対マスターすべき良問です!
\(I(m,n)= \displaystyle \int_{a}^{b} (x-a)^m (x-b)^ndx \)
=\((-1)^n \frac{m!n!}{(m+n+1)!}(b-a)^{m+n+1}\)
解法
まず、部分積分すると、漸化式が作れます。
\(\left[ \frac{1}{m+1}(x-a)^{m+1} (x-b)^n \right]_{a}^{b}\)=\(I(m,n)+\frac{n}{m+1}I(m+1,n-1)\)
なお、(左辺)は0なので、
\(I(m,n)\)=\(-\frac{n}{m+1}I(m+1,n-1)\) (式1)
(式1)から、
\(I(m,n)\)=\(-\frac{n}{m+1}I(m+1,n-1)\)= \((-\frac{n}{m+1})(-\frac{n-1}{m+2})I(m+2,n-2)\)
=…=\((-1)^n \frac{m!n1}{(m+n)!} I(m+n,0)\)
=\((-1)^n \frac{m!n1}{(m+n+1)!} (b-a)^{m+n+1}\) (式2)
と証明できます。今後、演習問題として取り上げたいので、計算途中を端折りましたが、一度は見ながら導出してみてください。
ベータ関数への導出
\(B(a,b)= \displaystyle \int_{0}^{1} x^{a-1}(1-x)^{b-1} dx\)
=\(\frac{(a-1)!(b-1)!}{(a+b-1)!}\)
これも、大学入試で出題されてもいい良問です。まさにベータ関数の導出です。
(式2)を再掲します。
\(I(m,n)\)=\((-1)^n \frac{m!n1}{(m+n+1)!} (b-a)^{m+n+1}\) (式2)
ここで、上手な置き換えをします。
\(t=\frac{x-a}{b-a}\)と置くと、
●\((x-a)=t(b-a)\)
●\((x-b)=(t-1)(b-1)\)
●\(dx=(b-a)dt\)
積分区間は
積分区間 | 下 | ⇒ | 上 |
x | a | ⇒ | b |
t | 0 | ⇒ | 1 |
これを(式2)に代入すると
\(I(m,n)= \displaystyle \int_{a}^{b} (x-a)^m (x-b)^ndx \)
=\((-1)^n \frac{m!n1}{(m+n+1)!} (b-a)^{m+n+1}\)
(右辺)=\(\displaystyle \int_{a}^{b} (x-a)^m (x-b)^ndx \)
=\(\displaystyle \int_{0}^{1} t^m (b-a)^m (t-1)^n (b-a)^n (b-a) dt \)
=\((-1)^n (b-a)^{m+n+1} \displaystyle \int_{0}^{1} t^m (1-t)^n dt \)
=\((-1)^n \frac{m!n1}{(m+n+1)!} (b-a)^{m+n+1}\)
より、
\(\displaystyle \int_{0}^{1} t^m (1-t)^n dt \)=\(\frac{m!n!}{(m+n+1)!} \)
ここで、 \(m⇒m-1,n⇒n-1\)に変えると、
\(\displaystyle \int_{0}^{1} t^{m-1} (1-t)^{n-1} dt \)=\(\frac{(m-1)!(n-1)!}{(m+n-1)!} \)
となり、ベータ関数が導出できます!
➂ベータ関数を使った頻出な大学入試問題
三角関数の積分とベータ関数
ベータ関数は
=\(\frac{(a-1)!(b-1)!}{(a+b-1)!}\)
ここで、\(t\)は 0 ≤ \(t\) ≤ 1ですから、何か \(cos,sin\)で置きたくなります。
\(B(a,b)= 2\displaystyle \int_{0}^{\frac{π}{2}} sin^{2a-1}θ cos^{2b-1} θ dθ\)
=\(\frac{(a-1)!(b-1)!}{(a+b-1)!}\)
となる。
これは、よく \(x^{\frac{a}{b}}+y^{\frac{c}{d}}=1\)の曲線の面積を求める時によく使いますし、大学入試でも頻出問題ですね。
ベータ関数に関する大学入試問題
過去の入試問題を紹介しましょう。解けるかな?
\(A(m,n)=\displaystyle \int_{0}^{\frac{π}{2}} cos^m x sin^n x dx\)
(1) 等式 \(A(m,n)=A(n,m)\)および \(A(m+2,n)+A(m,n+2)=A(m,n)\)を示せ。
(2) 等式 \(A(m,n+2)\)=\(\frac{n+1}{m+1}A(m+2,n)\)を示せ。
ベータ関数を身に着けるための重要な演習問題です。是非解いてみてください。
いろいろな関数を使って、確率変数の変換を見て慣れていきましょう!
本記事の内容は、ほぼ高校数学で解けましたね!
まとめ
「ベータ関数がよくわかる」を解説しました。
- ①ベータ関数とは
- ➁ベータ関数を導出
- ➂ベータ関数を使った頻出な大学入試問題
Warning: count(): Parameter must be an array or an object that implements Countable in /home/qcplanets/qcplanets.com/public_html/wp-content/themes/m_theme/sns.php on line 119