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検出力ができる(母分散の検定)

検定と推定

「母分散の検定における、検出力の問題が解けない」などと困っていませんか?

こういう疑問に答えます。

本記事のテーマ

検出力ができる(母分散の検定)

おさえておきたいポイント

  • ①検出力とは
  • ➁演習問題1
  • ➂演習問題2
  • ➃演習問題3
検出力は解ける!
しっかり演習しましょう!

①検出力とは

関連記事で確認ください。まずは、基礎をおさえましょう。

【初心者必見!】検出力がわかる(母分散の検定)
検出力は自力で導出できますか?本記事では、母分散の検定における検出力をわかりやすく解説します。検出力の導出方法や、検出力の性質をグラフを活用して理解できます。検出力は抜取検査の基礎でもあるので、確実に理解しておきましょう。

➁演習問題1

問題

ある部品の特性のばらつき低減をしたい。既存部品と新規部品のばらつきを評価する。検定の有意水準は5%とする。既存部品の母標準偏差は14であり、既存部品も新規部品もそれぞれ30個のサンプルを用いる。
(1) 新規部品の母標準偏差が10の場合、検出力はいくらか。
(2) 新規部品の母標準偏差が既存部品の半分の7になった場合、検出力を99%以上にするためにはサンプルサイズはいくら以上必要か。

解法

問題文読んでもチンプンカンプンになりがちですが、丁寧に公式代入練習していきましょう。

(1)の解法

\(χ^2(n-1,β)\) ≤ \(\frac{χ^2(n-1,1-α)}{σ^2/σ_0^2}\)から
\(χ^2(29,β)\) ≤ \(\frac{χ^2(29,0.95)}{10^2/14^2}\)=34.73
ここで、分布表から
●\(χ^2(29,0.75)\)=33.7
●\(χ^2(29,0.90)\)=39.1

\(χ^2(29,0.75)\) < \(χ^2(29,β)\) < \(χ^2(29,0.90)\)
と挟めるので、よって、
0.75以上0.9未満となります。

(2)の解法

\(\frac{1}{4}\) ≤ \(\frac{χ^2(n-1,0.95)}{χ^2(n-1,0.99)}\)
を満たす\(n\)を分布表から探しましょう。
\(n-1\)=17がこの条件を満たすので、\(n=18\)となります。

ピンと来ないですが、公式代入で慣れていきましょう。

➂演習問題2

問題

ある特性のばらつきが従来の標準偏差\(σ_0\)=25から変化したかどうかを調べるために、ランダムにn=10個のサンプルを選び、帰無仮説H0:\(σ^2\)=\(σ_0^2\)、対立仮説H1:\(σ^2\)≠\(σ_0^2\)を設定して、有意水準α=5%で母分散における検定を実施する。
(1) 新たな母標準偏差が15に変化しているときの検出力1-βを求めよ。
(2) (1)のもとで検出力1-β=0.90を満足するサンプル数を求めよ。

解法

問題文読んでもチンプンカンプンになりがちですが、丁寧に公式代入練習していきましょう。

(1)の解法

\(λ^2\)=\(\frac{σ^2}{σ_0^2}\)=\(\frac{χ^2(n-1,1-α)}{χ^2(n-1,β)}\)
から
\(λ^2\)=\(\frac{15^2}{25^2}\)=\(\frac{χ^2(10,0.95)}{χ^2(9,β)}\)
として、\(β\)の範囲を絞ります。

計算すると
\(χ^2(9,β)\)=9.25となり、
分布表を見ると、 0.25 < \(β\) < 0.50
より、
0. 5 < 1-\(β\) < 0.75

(2)の解法

\(λ^2\)=\(\frac{σ^2}{σ_0^2}\)=\(\frac{χ^2(n-1,1-α)}{χ^2(n-1,β)}\)
\(λ^2\)=\(\frac{15^2}{25^2}\)=\(\frac{χ^2(n-1,1-0.05)}{χ^2(n-1,0.1)}\)
を満たす\(n\)を探します。
\(n\)=24となります。

➃演習問題3

問題

ある製品の特性の標準偏差は0.40で安定していた。今回この製品に使用する材料を変えたい。特性の標準偏差が0.26より小さくなれば、材料変更を採用したい。この変更が採用されるかを有意水準α=0.05、母分散の標準偏差が0.26のときの検出力1-β=0.90となるようにサンプルサイズを設計したうえで検討する。
(1) ここで、
●帰無仮説:H0: \(σ^2\)=\(σ_0^2\)=\(0.40^2\),
●対立仮説:H1: \(σ^2\) < \(σ_0^2\)
●検定統計量:\(χ_0^2\)=\(S/σ_0^2\)
●棄却域:\(χ_0^2\) < \(χ^2 (n-1,0.95)\)
とする。検出力1―βを確率Pr,\(χ_0^2,χ^2,σ,λ,n\)で表せ。
(2) \(λ^2\)を\(χ^2,n\)で表せ。
(3) 母分散の標準偏差が0.26のときの検出力1-βが0.90となる最小のサンプルサイズを求めよ。

解法

演習問題1,2を合わせた問題です。まとめの問題として取り組みましょう。

(1)の解法

1-β=Pr{\(\frac{S}{σ^2}\) ≤ \(\frac{χ^2(n-1,0.95)}{λ^2}\)}

(2)の解法

\(λ^2\)=\(\frac{χ^2(n-1,0.95)}{ χ^2(n-1,0.10)}\)

(3)の解法

\(λ^2\)=\(\frac{0.26^2}{0.40^2}\)=\(\frac{χ^2(n-1,0.95)}{ χ^2(n-1,0.10)}\)
から、\(n\)=26

検出力ができる(母分散の検定)は
不慣れなχ2乗分布を使うので、
分かったような、分からないような感じですね。

以上、母分散の検定における検出力の演習問題を解説しました。

まとめ

「検出力ができる(母分散の検定)」を解説しました。

  • ①検出力とは
  • ➁演習問題1
  • ➂演習問題2
  • ➃演習問題3


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