カテゴリー: 検定と推定

  • 検出力ができる(母分散の検定)

    検出力ができる(母分散の検定)

    「母分散の検定における、検出力の問題が解けない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    検出力ができる(母分散の検定)

    おさえておきたいポイント

    • ①検出力とは
    • ➁演習問題1
    • ➂演習問題2
    • ➃演習問題3
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    検出力は解ける!
    しっかり演習しましょう!

    ①検出力とは

    関連記事で確認ください。まずは、基礎をおさえましょう。

    【初心者必見!】検出力がわかる(母分散の検定)
    検出力は自力で導出できますか?本記事では、母分散の検定における検出力をわかりやすく解説します。検出力の導出方法や、検出力の性質をグラフを活用して理解できます。検出力は抜取検査の基礎でもあるので、確実に理解しておきましょう。

    ➁演習問題1

    問題

    ある部品の特性のばらつき低減をしたい。既存部品と新規部品のばらつきを評価する。検定の有意水準は5%とする。既存部品の母標準偏差は14であり、既存部品も新規部品もそれぞれ30個のサンプルを用いる。
    (1) 新規部品の母標準偏差が10の場合、検出力はいくらか。
    (2) 新規部品の母標準偏差が既存部品の半分の7になった場合、検出力を99%以上にするためにはサンプルサイズはいくら以上必要か。

    解法

    問題文読んでもチンプンカンプンになりがちですが、丁寧に公式代入練習していきましょう。

    (1)の解法

    \(χ^2(n-1,β)\) ≤ \(\frac{χ^2(n-1,1-α)}{σ^2/σ_0^2}\)から
    \(χ^2(29,β)\) ≤ \(\frac{χ^2(29,0.95)}{10^2/14^2}\)=34.73
    ここで、分布表から
    ●\(χ^2(29,0.75)\)=33.7
    ●\(χ^2(29,0.90)\)=39.1

    \(χ^2(29,0.75)\) < \(χ^2(29,β)\) < \(χ^2(29,0.90)\)
    と挟めるので、よって、
    0.75以上0.9未満となります。

    (2)の解法

    \(\frac{1}{4}\) ≤ \(\frac{χ^2(n-1,0.95)}{χ^2(n-1,0.99)}\)
    を満たす\(n\)を分布表から探しましょう。
    \(n-1\)=17がこの条件を満たすので、\(n=18\)となります。

    ピンと来ないですが、公式代入で慣れていきましょう。

    ➂演習問題2

    問題

    ある特性のばらつきが従来の標準偏差\(σ_0\)=25から変化したかどうかを調べるために、ランダムにn=10個のサンプルを選び、帰無仮説H0:\(σ^2\)=\(σ_0^2\)、対立仮説H1:\(σ^2\)≠\(σ_0^2\)を設定して、有意水準α=5%で母分散における検定を実施する。
    (1) 新たな母標準偏差が15に変化しているときの検出力1-βを求めよ。
    (2) (1)のもとで検出力1-β=0.90を満足するサンプル数を求めよ。

    解法

    問題文読んでもチンプンカンプンになりがちですが、丁寧に公式代入練習していきましょう。

    (1)の解法

    \(λ^2\)=\(\frac{σ^2}{σ_0^2}\)=\(\frac{χ^2(n-1,1-α)}{χ^2(n-1,β)}\)
    から
    \(λ^2\)=\(\frac{15^2}{25^2}\)=\(\frac{χ^2(10,0.95)}{χ^2(9,β)}\)
    として、\(β\)の範囲を絞ります。

    計算すると
    \(χ^2(9,β)\)=9.25となり、
    分布表を見ると、 0.25 < \(β\) < 0.50
    より、
    0. 5 < 1-\(β\) < 0.75

    (2)の解法

    \(λ^2\)=\(\frac{σ^2}{σ_0^2}\)=\(\frac{χ^2(n-1,1-α)}{χ^2(n-1,β)}\)
    \(λ^2\)=\(\frac{15^2}{25^2}\)=\(\frac{χ^2(n-1,1-0.05)}{χ^2(n-1,0.1)}\)
    を満たす\(n\)を探します。
    \(n\)=24となります。

    ➃演習問題3

    問題

    ある製品の特性の標準偏差は0.40で安定していた。今回この製品に使用する材料を変えたい。特性の標準偏差が0.26より小さくなれば、材料変更を採用したい。この変更が採用されるかを有意水準α=0.05、母分散の標準偏差が0.26のときの検出力1-β=0.90となるようにサンプルサイズを設計したうえで検討する。
    (1) ここで、
    ●帰無仮説:H0: \(σ^2\)=\(σ_0^2\)=\(0.40^2\),
    ●対立仮説:H1: \(σ^2\) < \(σ_0^2\)
    ●検定統計量:\(χ_0^2\)=\(S/σ_0^2\)
    ●棄却域:\(χ_0^2\) < \(χ^2 (n-1,0.95)\)
    とする。検出力1―βを確率Pr,\(χ_0^2,χ^2,σ,λ,n\)で表せ。
    (2) \(λ^2\)を\(χ^2,n\)で表せ。
    (3) 母分散の標準偏差が0.26のときの検出力1-βが0.90となる最小のサンプルサイズを求めよ。

    解法

    演習問題1,2を合わせた問題です。まとめの問題として取り組みましょう。

    (1)の解法

    1-β=Pr{\(\frac{S}{σ^2}\) ≤ \(\frac{χ^2(n-1,0.95)}{λ^2}\)}

    (2)の解法

    \(λ^2\)=\(\frac{χ^2(n-1,0.95)}{ χ^2(n-1,0.10)}\)

    (3)の解法

    \(λ^2\)=\(\frac{0.26^2}{0.40^2}\)=\(\frac{χ^2(n-1,0.95)}{ χ^2(n-1,0.10)}\)
    から、\(n\)=26

    検出力ができる(母分散の検定)は
    不慣れなχ2乗分布を使うので、
    分かったような、分からないような感じですね。

    以上、母分散の検定における検出力の演習問題を解説しました。

    まとめ

    「検出力ができる(母分散の検定)」を解説しました。

    • ①検出力とは
    • ➁演習問題1
    • ➂演習問題2
    • ➃演習問題3

  • 検出力ができる(母平均の検定)

    検出力ができる(母平均の検定)

    「母平均の検定における、検出力の問題が解けない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    検出力ができる(母平均の検定)

    おさえておきたいポイント

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    検出力は解ける!
    しっかり演習しましょう!

    ①検出力とは

    関連記事で確認ください。まずは、基礎をおさえましょう。

    【初心者必見!】検出力がわかる(母平均の検定)
    検出力は自力で導出できますか?本記事では、母平均の検定における検出力をわかりやすく解説します。検出力の導出方法や、検出力の性質をグラフを活用して理解できます。検出力は抜取検査の基礎でもあるので、確実に理解しておきましょう。

    ➁演習問題1

    問題

    製品Aの強度特性の現状の母平均は60である。強度向上する対策を施し、その効果があったかを確認したい。母分散は工程を変更しても従来通りσ2=42とする。有意水準5%で差を検定する。
    (1) n=16のデータとする。向上後の母平均が62とする。この時、検定統計量が棄却域に入る確率を求めよ。
    (2) 向上後の母平均が64の場合、検出力を0.95にするために必要なサンプル数は最低いくらか。

    解法

    問題文から、「母平均の検出力」の問題とわかりますね。

    (1)の解法

    検定棄却域\(u\)は両側検定として正規分布表から1.645です。
    別の式で書くと、
    \(\frac{u-u_0}{σ/\sqrt{n}}\)=\(\frac{u-60}{4/\sqrt{16}}\)=1.645
    より
    \(u\)=61.645となります。

    母平均62が棄却域に入る確率は、
    \(\frac{u-u_0}{σ/\sqrt{n}}\)=\(\frac{62-61.645}{4/\sqrt{16}}\)=0.355
    0.355となる確率は正規分布表からP=0.3594 より、
    求めたい確率1-P=1-0.3594=0.64
    となります。

    (2)の解法

    母平均の検定の検出力の式を使います。

    \(\frac{u-u_0}{σ/\sqrt{n}}\)=\(K_α+K_β\)から
    \(\frac{64-60}{4/\sqrt{n}}\)=1.645+1.645
    \(\sqrt{n}\)=3.29から\(n\)=11
    となります。

    ➂演習問題2

    問題

    ある製品の強度は母平均50.0であるが、製造方法の改善により強度向上させたい。改善後の強度の母平均が51.0であれば新しい製造方法に切り替えたい。なお、強度は正規分布に従い、改造変後でも母標準偏差はσ=1.0とする。新しい製造方法の効果を判断するために、次の母平均に関する仮説検定を考える。
    帰無仮説:H0:\(μ_0\) =\(μ_1\)
    対立仮説:H1:\(μ_0\) > \(μ_1\)
    (1) 新製造方法による\(n\)個の製品をランダムに抽出し、その製品の強度の平均値を\(\bar{x}\)とする。この検定の統計量\(u_0\)を\(\bar{x}\), \(μ_0\),\(σ\),\(n\)で表せ。また、有意水準\(α\)と\(u_0\)、\(K_α\)で表せ。ただし、\(K_α\)は標準正規分布の上側100P%点とする。
    (2) また、\(u=\frac{\bar{x}-μ_0}{σ/\sqrt{n}}\)とする。\(u_0\)と\(u\)の関係式を作れ。また、この検出力\(1-β\)とすると、\(1-β\)はどこの確率に相当するかを示せ。
    (3) \(K_α\)と\(K_β\)の関係式を作れ。
    (4) 有意水準\(α\)=0.05のもとで、\(μ\)=51.0の場合に、検出力\(1―β\)が0.90でH0を棄却するために必要なサンプル数\(n\)を求めよ。

    解法

    母平均の検定の検出力の関係式を導出しながら解く問題です。公式暗記だけだと、この問題はむしろ解きにくいはずです。しっかり練習しましょう。

    (1)の解法

    ●\(\frac{μ-x}{σ/\sqrt{n}}\)=\(K_α\)
    ●\(α\)=Pr{\(u_0\) ≥ \(K_α\)}

    (2)の解法

    ●\(\frac{x-μ_0}{σ/\sqrt{n}}\)=\(K_β\)
    ●\(1-β\)=Pr{\(u\) ≥ \(K_α-\frac{μ-μ_0}{σ/\sqrt{n}}\)}

    (3)の解法

    ●\(\frac{μ-μ_0}{σ/\sqrt{n}}\)=\(K_α\)+\(K_β\)

    (4)の解法

    ●\(\frac{μ-μ_0}{σ/\sqrt{n}}\)=\(\frac{51.0-50.0}{1/\sqrt{n}}\)=1.645+1.282
    \(\sqrt{n}\)=2.927より、\(n\)=8.42⇒9となります。

    ➃演習問題3

    問題

    ある製品において、品質特性の母集団からランダムに16個をサンプリングした。その場合の平均\(μ_0\)は30.0で標準偏差は2.0である。製品を改良し、母平均\(μ_1\)になったとする。ただし、改良による標準偏差の変化ないとする。母平均が変化したかどうかを有意水準α=5%で検定する場合の検出力1―βについて以下を求めよ。
    (1) \(μ_1\)が30.0のままの場合、検出力1―βはいくらになるか。
    (2) \(μ_1\)が60.0などの極端に離れた場合、検出力1―βはいくらになるか。
    (3) \(μ_1\)が30.9,31,31.3,31.8の場合における検出力1―βを求め、検出力曲線(縦軸は検出力1―β、横軸は (\(μ_1\)-\(μ_0\))/σ)をプロットせよ。
    (4) サンプル数を増加すると検出力曲線はどう変化するか。

    解法

    検出力曲線がプロットできる大事な問題です。

    (1)の解法

    ●\(K_β\)=(30-30)/(2.0/\(\sqrt{16}\))-1.645=-1.645
    正規分布表からβ=0.95
    よって、検出力1-β=0.05

    (2)の解法

    1となります。

    (3)の解法

    同じ計算を繰り返していきます。
    ●\(K_β\)=(30.9-30)/(2.0/\(\sqrt{16}\))-1.645=0.155
    ●\(K_β\)=(31-30)/(2.0/\(\sqrt{16}\))-1.645=0.355
    ●\(K_β\)=(31.3-30)/(2.0/\(\sqrt{16}\))-1.645=0.955
    ●\(K_β\)=(31.8-0)/(2.0/\(\sqrt{16}\))-1.645=1.955

    \(K_β\)から正規分布表を使って確率βを求めて、検出力1―βを計算します。結果を表にまとめます。

    \(μ_1\) (\(μ_1\)-\(μ_0\))/σ \(K_β\) β 検出力1-β
    30.9 0.45 0.155 0.438 0.562
    31 0.5 0.355 0.361 0.639
    31.3 0.65 0.955 0.169 0.831
    31.8 0.9 1.955 0.025 0.975

    プロットすると、下図になります。

    検出力

    (4)の解法

    関連記事にもあるように、サンプル数を増やすと検出力は上がります。実際に試してみてください。

    以上、母平均の検定における検出力の演習問題を解説しました。

    まとめ

    「検出力ができる(母平均の検定)」を解説しました。

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    • ➁演習問題1
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  • 【初心者必見!】検出力がわかる(母分散の検定)

    【初心者必見!】検出力がわかる(母分散の検定)

    「母分散の検定における、検出力がわからない」などと困っていませんか?

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    【初心者必見!】検出力がわかる(母分散の検定)

    おさえておきたいポイント

    • ①検出力とは
    • ➁母分散の検出における検出力がわかる
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    検出力は自力で導出できる!
    計量抜取検査のベースにもつながる!
    何度も見て、解けるようになりましょう!

    ①検出力とは

    関連記事で解説していますので、ご確認ください。

    【初心者必見!】検出力がわかる(母平均の検定)
    検出力は自力で導出できますか?本記事では、母平均の検定における検出力をわかりやすく解説します。検出力の導出方法や、検出力の性質をグラフを活用して理解できます。検出力は抜取検査の基礎でもあるので、確実に理解しておきましょう。

    ➁母分散の検定における検出力がわかる

    では検出力を導出しましょう。

    検出力の関係式を導出

    母分散の検定における検出力
    はイメージしにくいんですよね。。。

    真の母分散\(σ^2\)と帰無仮説における母分散\(σ_0^2\)の比を使って
    検出力とサンプル数を決定します。

    同じ自由度\(n-1\)において、比較する2つの比を用意します。
    式についての基礎は関連記事で確認ください。

    【簡単】χ2乗分布がすぐ使いこなせる【初心者向け】
    χ2乗分布を使った検定方法やχ2乗分布表の使い方についてやみくみに解いていませんか?本記事では、χ2乗分布を使うときに注意すべきポイントをわかりやすく解説します。χ2乗分布をすぐ使いこなせたい方は必見です。

    ●\(\frac{S}{σ_0^2}\)=\(χ^2(n-1,Φ_0)\)
    ●\(\frac{S}{σ^2}\)=\(χ^2(n-1,Φ)\)

    ここで、\(S\)は平方和、\(Φ_0とΦ\)に有意水準\(α\)や検出力\(1-β\)が入りますが、下表のような関係で代入します。でもここが難しいですけど。

    片側検定 両側検定
    \(σ\) > \(σ_0\) \(Φ_0\) \(α\) \(α\)/2
    \(Φ\) 1-\(β\) 1-\(β\)
    \(σ\) < \(σ_0\) \(Φ_0\) 1-\(α\) 1-\(α\)/2
    \(Φ\) \(β\) \(β\)

    関係式
    ●\(\frac{S}{σ_0^2}\)=\(χ^2(n-1,Φ_0)\)
    ●\(\frac{S}{σ^2}\)=\(χ^2(n-1,Φ)\)
    から
    ●「\(S\)= 」の式に変形します。

    \(S\)=\( σ_0^2 χ^2(n-1,Φ_0)\)= \(σ^2 χ^2(n-1,Φ)\)

    ここで、\(λ^2\)=\(\frac{σ^2}{σ_0^2}\)とおくと、
    \(λ^2\)=\(\frac{σ^2}{σ_0^2}\)=\(\frac{χ^2(n-1,Φ_0)}{χ^2(n-1,Φ)}\)
    という関係式ができます。

    \(λ^2\)=\(\frac{σ^2}{σ_0^2}\)=\(\frac{χ^2(n-1,Φ_0)}{χ^2(n-1,Φ)}\)
    から、\(σ、n\)が既知なら、\(Φ\)の比較により検出力が計算できて
    \(σ、Φ\)が既知なら、サンプル数\(n\)が計算できます。

    検出力の関係式を図示

    \(λ^2\)=\(\frac{σ^2}{σ_0^2}\)=\(\frac{χ^2(n-1,Φ_0)}{χ^2(n-1,Φ)}\)
    の式がイメージしにくいので
    図示しましょう。

    母分散の検定の検出力

    上図で、わかりやすい図を作ったのですが、
    母分散の検定における検出力はイメージしにくいですね。

    以上、よく使う母分散の検定における検出力を導出しました。ちゃんと導出できるので、公式暗記に頼らず自力で導出できるようにしましょう。

    まとめ

    「【初心者必見!】検出力がわかる(母分散の検定)」を解説しました。

    • ①検出力とは
    • ➁母分散の検出における検出力がわかる

  • 【初心者必見!】検出力がわかる(母平均の検定)

    【初心者必見!】検出力がわかる(母平均の検定)

    「母平均の検定における、検出力がわからない」などと困っていませんか?

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    【初心者必見!】検出力がわかる(母平均の検定)

    おさえておきたいポイント

    • ①検出力とは
    • ➁母平均の検出における検出力がわかる
    • ➂検出力を計算して性質を理解しよう!
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    検出力は自力で導出できる!
    計量抜取検査のベースにもつながる!
    何度も見て、解けるようになりましょう!

    ①検出力とは

    検出力とは

    検出力は
    第1種の誤り(消費者危険)と第2種の誤り(生産者危険)
    に出て来る!
    消費者危険と生産者危険をプロットしたのが
    抜取検査のOC曲線だから、
    検出力がわかれば
    「検定と推定」も「抜取検査」も理解できる!

    大事ですね。

    よく下表のように書いてあり、
    主張したい対立仮説H1
    「真」と判断できる確率を
    「検出力 1-β」
    と書きます。

    H0が正しい H1が正しい
    H0が真 1-α α(有意水準)
    H1が真 β 1-β(検出力)

    検出力は計量抜取検査の基本

    計量抜取検査の理論は検出力の導出がベースです。しっかりここでマスターして計量抜取検査もマスターしましょう。QCプラネッツは計量抜取検査をしっかりまとめています。ご確認ください。

    計量抜取検査がすべてわかる【まとめ】
    計量抜取検査のエッセンスをすべて解説します。サンプル数n、合格判定係数k、合格判定値の導出、OC曲線の描き方をベースに、標準偏差σの既知、未知や規格値・合格判定値についてそれぞれ詳細に解説します。計量抜取検査をマスターしたい方は必見です。

    ➁母平均の検出における検出力がわかる

    では検出力を導出しましょう。

    検出力とサンプル数の関係式が導出できる

    ➂検出力を計算して性質を理解しよう!

    有意水準αと検出力1-βを図示する

    検出力を導出する上で、大事になるのが、
    有意水準αと検出力1-βの関係図です。

    関係図は下図になります。これ、結構大事です!
    第1種の誤りも第2種の誤りも、
    確率なので、正規分布の面積に該当します。

    検出力

    有意水準αと検出力1-βの関係式を作る

    上図で理解したら、具体的な式を入れて来ます。

    検出力

    ここで、\(u(α),u(β)\)は平均から標準偏差\(σ/\sqrt{n}\)の何倍離れているかを定義する倍数と定義します。

    上図の点Aの位置は
    ●A=\(μ_0+u(α)\frac{σ}{\sqrt{n}}\)
    ●A=\(μ-u(β)\frac{σ}{\sqrt{n}}\)
    と2通り表現できますね。

    まとめると、
    \(μ_0+u(α)\frac{σ}{\sqrt{n}}\)=\(μ-u(β)\frac{σ}{\sqrt{n}}\)
    からβについてとnについての式をそれぞれ変形します。
    実際、\(μ_0,μ\)の大小はどちらかが大きくなるので、差分に絶対値を付けます。

    ●\(β\): \(u(β)\)=\(\frac{|μ-μ_0|}{σ/\sqrt{n}}-u(α)\)
    ●\(n\): \(n\)=\((\frac{σ}{μ-μ_0})^2 (u(α)+u(β))^2\)
    と解けます。

    大事なのは、

    ●\(β\): \(u(β)\)=\(\frac{|μ-μ_0|}{σ/\sqrt{n}}-u(α)\)
    ●\(n\): \(n\)=\((\frac{σ}{μ-μ_0})^2{u(α)+u(β)}^2\)
    自力で導出できる!
    ですね。

    ➂検出力を計算して性質を理解しよう!

    グラフから検出力の性質を理解する

    実際可視化して見てみましょう。

    1. \(μ-μ_0\)が変化すると検出力はどうなるか?
    2. \(σ\)が変化すると検出力はどうなるか?
    3. \(n\)が変化すると検出力はどうなるか?

    Excelでグラフを描きますが、下図のように検出力は
    =NORM.DIST(ABS($F6)/SQRT(G$2^2/G$3)-NORM.INV(1-G$4,0,1),0,1,TRUE)
    として計算します。
    NORM.DISTはTRUEより累積確率をもとめており、
    NORM.INVは\(u(β)\)を\(β\)に戻す計算をしています。

    検出力

    \(μ-μ_0\)が変化すると検出力はどうなるか?

    下図のグラフのx軸を見るとわかりますが、

    検出力

    \(|μ-μ_0|\)が0に近づくと一気に検出力は低下する

    図を描けば、この理由がよくわかります。
    2つの正規分布が近づくと赤い面積(検出力)は削られているのがわかります。これが理由です。

    検出力

    \(σ\)が変化すると検出力はどうなるか?

    \(σ\)が大きいと検出力は低下する

    検出力

    \(n\)が変化すると検出力はどうなるか?

    \(σ\)が大きいと検出力は低下する

    検出力

    理解を深めたいならば、Excelで1回描いてみてください。式だけではイメージしにくいのでグラフを描いて理解するのが良いでしょう。

    以上、よく使う母平均の検定における検出力を導出しました。ちゃんと導出できるので、公式暗記に頼らず自力で導出できるようにしましょう。

    まとめ

    「【初心者必見!】検出力がわかる(母平均の検定)」を解説しました。

    • ①検出力とは
    • ➁母平均の検出における検出力がわかる
    • ➂検出力を計算して性質を理解しよう!

  • ウェルチの方法とサタースウェイトの自由度が導出できる

    ウェルチの方法とサタースウェイトの自由度が導出できる

    「ウェルチの方法とサタースウェイトの自由度はどうやって導出するのかがわからない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    ウェルチの方法とサタースウェイトの自由度が導出できる

    おさえておきたいポイント

    • ①ウェルチの方法の検定統計量を導出
    • ➁サタースウェイトの自由度を導出
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    検定統計量は自力で導出しよう!
    \(t\)=\(\frac{\bar{x_1}-\bar{x_2}}{\sqrt{\frac{s_1^2}{n_1}+\frac{s_2^2}{n_2}}}\)
    サタースウェイトの自由度の導出過程を知ろう!
    \(\frac{(\frac{V_A}{n_A}+\frac{V_B}{n_B})^2}{Φ^*}\)=\(\frac{(\frac{V_A}{n_A})^2}{Φ_A}\)+\(\frac{(\frac{V_B}{n_B})^2}{Φ_B}\)

    ①ウェルチの方法の検定統計量を導出

    元の式は関連記事になるように、
    \(t_0\)=\(\frac{\bar{x_1}-\bar{x_2}}{\sqrt{\frac{V_1}{n_1}+\frac{V_2}{n_2}}}\)
    がベースです。

    【初心者必見!】計量値の検定統計量が導出できる
    計量値の検定統計量は暗記不要です。本記事では、正規分布、t分布に従う2つの検定統計量が有れば、母平均差の検定や対応のある場合の検定に必要な検定統計量の式が自力で導出できる方法をわかりやすく解説します。統計、QCの初心者は必読です。

    ウェルチの検定において、検定統計量の導出は簡単ですが、この検定統計量に該当する自由度Φはいくらにすべきでしょうか?

    これを与えてくれるのがサタースウェイトの自由度です。

    ➁サタースウェイトの自由度を導出

    サタースウェイトの自由度を導出

    サタースウェイトの自由度
    \(\frac{(\frac{V_A}{n_A}+\frac{V_B}{n_B})^2}{Φ^*}\)=\(\frac{(\frac{V_A}{n_A})^2}{Φ_A}\)+\(\frac{(\frac{V_B}{n_B})^2}{Φ_B}\)

    シンプルな式ではありますが、導出過程がどこにも書いていませんので、丁寧にまとめました。

    ウェルチ(Welch)の方法とサタースウェイトの自由度が導出できる【検定と推定】|こう品質@品質管理ブロガー
    ●サタースウェイトの自由度Φ* を導出します! 公式丸暗記で済ませがちですが、実際に導出します! 是非ご購入いただいて、ご確認ください。 よろしくお願いいたします。

    ご確認ください。

    サタースウェイトの自由度の注意点

    1つ注意なのが、

    サタースウェイトの自由度
    \(\frac{(\frac{V_A}{n_A}+\frac{V_B}{n_B})^2}{Φ^*}\)=\(\frac{(\frac{V_A}{n_A})^2}{Φ_A}\)+\(\frac{(\frac{V_B}{n_B})^2}{Φ_B}\)
    から計算する\(Φ^*\)は
    小数を含むことが多い!

    なので、


    \(Φ^*\)の近い整数に変えるが、
    t分布の分布関数の値が厳しい方の整数に変えるとベター!

    です。

    これもよく試験に出ますね。

    まとめ

    「ウェルチの方法とサタースウェイトの自由度が導出できる」を解説しました。

    • ①ウェルチの方法の検定統計量を導出
    • ➁サタースウェイトの自由度を導出

  • 【初心者必見!】計数値の検定統計量が導出できる

    【初心者必見!】計数値の検定統計量が導出できる

    「計数値の検定統計量の式が多すぎて暗記できない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【初心者必見!】計数値の検定統計量が導出できる

    おさえておきたいポイント

    • ①計数値の検定統計量のベースとなる式
    • ➁母不適合品率の検定統計量を導出
    • ➂母不適合品率差の検定統計量を導出
    • ➃母不適合品率差の検定統計量の注意点
    • ➄母不適合数の検定統計量を導出
    • ⑥母不適合数差の検定統計量を導出
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    検定統計量は自力で導出しよう!
    各ケースでの検定統計量の式の違いも確認しよう!
    何度も見て、解けるようになりましょう!
    対象数 検定対象 統計量分布 検定統計量
    1 母不適合品率
    \(p\)
    二項分布 \(u_0\)=\(\frac{p-p_0}{\sqrt{\frac{p(1-p)}{n}}}\)
    2 母不適合品率差
    \(p_A-p_B\)
    二項分布 \(u_0\)=\(\frac{p_A-p_B}{\sqrt{\frac{p_A(1-p_A)}{n_A}+\frac{p_B(1-p_B)}{n_B}}}\)
    1 母不適合数
    λ
    ポアソン分布 \(u_0\)=\(\frac{\hat{λ}-λ_0}{\sqrt{\frac{λ_0}{n}}}\)
    2 母不適合数差
    \(λ_A-λ_B\)
    ポアソン分布 \(u_0\)=\(\frac{λ_A-λ_B}{\sqrt{\frac{λ_A}{n_A}+\frac{λ_B}{n_B}}}\)

    ①計数値の検定統計量のベースとなる式

    標準正規分布がベース

    標準正規分布に従うがベースとします。関連記事にあるように、
    二項分布やポアソン分布は正規分布に近づく性質があります。

    【初心者必見!】正規分布、二項分布、ポアソン分布が比較できる
    正規分布、二項分布、ポアソン分布が比較できますか?本記事では、期待値、分散の値をそろえると、正規分布、二項分布、ポアソン分布はぴったりそろうことをわかりやすく解説します。3者がそろう条件をしっかり理解しましょう。初心者は必読です。

    ベースとなる検定統計量は

    \(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{σ}\)

    です。この式くらいは暗記してもOKです。

    ただし、1点注意なのは、サンプル数\(n\)の項は含まれていません。ここだけ注意しましょう。

    二項分布の場合

    二項分布の期待値と分散はそれぞれ
    ●E[\(k\)]=\(pn\) (\(k\)=\(pn\))
    ●V[\(k\)]=\(pn(1-p)\)  (\(k\)=\(pn\))
    です。この関係式を代入すれば二項分布の検定統計量が導出できます。

    ポアソン分布の場合

    ポアソン分布の期待値と分散はそれぞれ
    ●E[\(k\)]=\(λ\)
    ●V[\(k\)]=\(λ\)
    です。この関係式を代入すればポアソン分布の検定統計量が導出できます。

    ➁母不適合品率の検定統計量を導出

    前提条件

    前提条件は、

    1. 母不適合品率
    2. 二項分布に従う(正規分布近似できる)

    検定統計量を導出

    検定統計量の出発点は、\(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{\sqrt{σ}}\)
    です。

    二項分布の期待値と分散はそれぞれ
    ●E[\(k\)]=\(pn\) (\(k\)=\(pn\))
    ●V[\(k\)]=\(pn(1-p)\)  (\(k\)=\(pn\))

    ただし、1つ注意点があります。

    ●E[\(k\)]=\(pn\) (\(k\)=\(pn\))
    ●V[\(k\)]=\(pn(1-p)\)であるが、
    必要なのは、
    ●E[\(p\)]と●V[\(p\)]

    なので、\(k=pn\)から\(p=\frac{k}{n}\)と変形して、求めます。

    ●E[\(p\)]=E[\(\frac{k}{n}\)]=\(\frac{1}{n}\)E[\(k\)]=\(\frac{pn}{n}\)=\(p\)
    ●V[\(p\)]= V[\(\frac{k}{n}\)]=\(\frac{1}{n^2}\)V[\(k\)]
    =\(\frac{pn(1-p)}{n^2}\)=\(\frac{p(1-p)}{n}\)
    を使います。

    この関係式を代入すれば二項分布の検定統計量が導出できます。

    また、二項分布は確率\(p\)を代入するので、
    \(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{σ/n}\)の\(n\)を入れずに、
    \(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{σ}\)を使います。
    ここがややこしいですが、注意しましょう。

    なので、この式を\(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{σ}\)に代入します
    ●\(\bar{x}\)→\(p\)
    ●\(μ_0\)→\(p_0\)
    ●\(σ\)→\(\sqrt{\frac{p(1-p)}{n}}\)
    を代入するので、

    \(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{σ}\)
    =\(\frac{p-p_0}{\sqrt{\frac{p(1-p)}{n}}}\)
    と導出できます。

    よって、検定統計量は
    ●\(u_0\)=\(\frac{p-p_0}{\sqrt{\frac{p(1-p)}{n}}}\)
    となります。

    ➂母不適合品率差の検定統計量を導出

    前提条件

    前提条件は、

    1. 母不適合品率差
    2. 二項分布に従う(正規分布近似できる)

    検定統計量を導出

    検定統計量の出発点は、\(u_0\)=\(\frac{p-p_0}{\sqrt{\frac{p(1-p)}{n}}}\)
    です。

    分散は加法性を使って
    ●V(A-B)=V(A)+V(B)= \(\frac{p_A (1-p_A)}{n_A}\)+\(\frac{p_B (1-p_B)}{n_B}\)
    とします。

    この関係式を代入すれば二項分布の検定統計量が導出できます。

    なので、この式を\(u_0\)=\(\frac{p-p_0}{\sqrt{\frac{p(1-p)}{n}}}\)に代入します
    ●\( p \)→\(p_A\)
    ●\( p_0\)→\(p_B\)
    ●\(σ\)→\(\sqrt{\frac{p_A(1-p_A)}{n_A}+\frac{p_B(1-p_B)}{n_B}}\)
    を代入するので、

    \(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{σ}\)
    =\(\frac{p_A-p_B}{\sqrt{\frac{p_A(1-p_A)}{n_A}+\frac{p_B(1-p_B)}{n_B}}}\)
    と導出できます。

    よって、検定統計量は
    ●\(u_0\)=\(\frac{p_A-p_B}{\sqrt{\frac{p_A(1-p_A)}{n_A}+\frac{p_B(1-p_B)}{n_B}}}\)
    となります。

    二項分布の検定統計量が導出できました!

    ➃母不適合品率差の検定統計量の注意点

    実はよく使う公式に、

    検定統計量
    ●\(u_0\)=\(\frac{p_A-p_B}{\sqrt{\bar{p}(1-\bar{p})(\frac{1}{n_A}+\frac{1}{n_B})}}\)
    ただし
    ・\(p_A\)=\(\frac{x_A}{n_A}\)
    ・\(p_B\)=\(\frac{x_B}{n_B}\)
    ・\(\bar{p}\)=\(\frac{x_A+x_B}{n_A+n_B}\)

    ですが、よく確かめると

    ●\(u_0\)=\(\frac{p_A-p_B}{\sqrt{\frac{p_A(1-p_A)}{n_A}+\frac{p_B(1-p_B)}{n_B}}}\)

    ●\(u_0\)=\(\frac{p_A-p_B}{\sqrt{\bar{p}(1-\bar{p})(\frac{1}{n_A}+\frac{1}{n_B})}}\)
    は一致しません。

    よく式を見ると、
    ●\(u_0\)=\(\frac{p_A-p_B}{\sqrt{\frac{p_A(1-p_A)}{n_A}+\frac{p_B(1-p_B)}{n_B}}}\)
    ●\(u_0\)=\(\frac{p_A-p_B}{\sqrt{\bar{p}(1-\bar{p})(\frac{1}{n_A}+\frac{1}{n_B})}}\)
    が一致させるには、

    \(\frac{p_A(1-p_A)}{n_A}\)=\(\bar{p}(1-\bar{p})\)
    かつ
    \(\frac{p_B(1-p_B)}{n_B}\)=\(\bar{p}(1-\bar{p})\)
    が必要ですが、

    (左辺)はAまたはBのみ
    (右辺)はA,B両方が含まれる値なので、
    片方が実はない(0である)条件以外は結果は一致しません。

    よく使う検定統計量
    ●\(u_0\)=\(\frac{p_A-p_B}{\sqrt{\bar{p}(1-\bar{p})(\frac{1}{n_A}+\frac{1}{n_B})}}\)
    ですが、自分で正しく導出してきた
    ●\(u_0\)=\(\frac{p_A-p_B}{\sqrt{\frac{p_A(1-p_A)}{n_A}+\frac{p_B(1-p_B)}{n_B}}}\)
    と結果が一致しませんので、注意ください!

    ●\(u_0\)=\(\frac{p_A-p_B}{\sqrt{\bar{p}(1-\bar{p})(\frac{1}{n_A}+\frac{1}{n_B})}}\)
    は試験に出るから丸暗記とならないよう注意が必要です!

    自分が使う式は
    ちゃんと導出して理解してから
    使いましょう!

    ➄母不適合数の検定統計量を導出

    前提条件

    前提条件は、

    1. 母不適合数
    2. ポアソン分布に従う(正規分布近似できる)

    検定統計量を導出

    検定統計量の出発点は、\(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{\frac{σ}{\sqrt{n}}}\)
    です。

    ポアソン分布の期待値と分散はそれぞれ
    ●E[\(λ\)]=\(λ\)
    ●V[\(λ\)]=\(λ\)です。

    二項分布と違って、\(λ\)を直接代入します。

    この関係式を代入すればポアソン分布の検定統計量が導出できます。

    また、ポアソン分布は\(λ\)=\(np\)を代入し\(n\)を含んでいるので、
    \(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{\frac{σ}{\sqrt{n}}}\)を使います。
    二項分布と違って、ここがややこしいですが、注意しましょう。

    なので、この式を\(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{\frac{σ}{\sqrt{n}}}\)に代入します
    ●\(\bar{x}\)→\(λ\)
    ●\(μ_0\)→\(λ_0\)
    ●\(σ\)→\(\sqrt{\frac{λ_0}{n}}\)
    を代入するので、

    \(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{σ}\)
    =\(\frac{λ-λ_0}{\sqrt{\frac{λ_0}{n}}}\)
    と導出できます。

    よって、検定統計量は
    ●\(u_0\)=\(\frac{λ-λ_0}{\sqrt{\frac{λ_0}{n}}}\)
    となります。

    ⑥母不適合数差の検定統計量を導出

    前提条件

    前提条件は、

    1. 母不適合数差
    2. ポアソン分布に従う(正規分布近似できる)

    検定統計量を導出

    検定統計量の出発点は、\(u_0\)=\(\frac{λ-λ_0}{\sqrt{\frac{λ_0}{n}}}\)
    です。

    分散は加法性を使って
    ●V(A-B)=V(A)+V(B)= \(\frac{λ_A}{n_A}\)+ \(\frac{λ_B}{n_B}\)
    とします。

    この関係式を代入すればポアソン分布の検定統計量が導出できます。

    なので、この式を\(u_0\)=\(\frac{p-p_0}{\sqrt{\frac{p(1-p)}{n}}}\)に代入します
    ●\( p \)→\(p_A\)
    ●\( p_0\)→\(p_B\)
    ●\(σ\)→\(\sqrt{\frac{λ_A}{n_A}+\frac{λ_B}{n_B}}\)
    を代入するので、

    \(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{σ}\)
    =\(\frac{p_A-p_B}{\sqrt{\frac{λ_A}{n_A}+\frac{λ_B}{n_B}}}\)
    と導出できます。

    よって、検定統計量は
    ●\(u_0\)=\(\frac{p_A-p_B}{\sqrt{\frac{λ_A}{n_A}+\frac{λ_B}{n_B}}}\)
    となります。

    ポアソン分布の検定統計量が導出できました!

    以上、よく使う検定統計量を導出しました。ちゃんと導出できるので、公式暗記に頼らず自力で導出できるようにしましょう。

    まとめ

    「【初心者必見!】計数値の検定統計量が導出できる」を解説しました。

    • ①計数値の検定統計量のベースとなる式
    • ➁母不適合品率の検定統計量を導出
    • ➂母不適合品率差の検定統計量を導出
    • ➃母不適合品率差の検定統計量の注意点
    • ➄母不適合数の検定統計量を導出
    • ⑥母不適合数差の検定統計量を導出

  • 【初心者必見!】計量値の検定統計量が導出できる

    【初心者必見!】計量値の検定統計量が導出できる

    「計量値の検定統計量の式が多すぎて暗記できない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【初心者必見!】計量値の検定統計量が導出できる

    おさえておきたいポイント

    • ①計量値の検定統計量のベースとなる式
    • ➁母平均差の検定統計量を導出1
    • ➂母平均差の検定統計量を導出2
    • ➃母平均差の検定統計量を導出3
    • ➄母平均差の検定統計量を導出4
    • ⑥母平均差の検定統計量を導出5
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    検定統計量は自力で導出しよう!
    各ケースでの検定統計量の式の違いも確認しよう!
    何度も見て、解けるようになりましょう!
    検定対象 母分散 統計量分布 検定統計量
    母平均μ 既知\(σ^2\) 標準正規分布 \(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{\sqrt{σ^2/n}}\)
    未知 t分布 \(t_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{\sqrt{V/n}}\)
    母平均
    μ1とμ2の差
    既知\(σ^2\) 標準正規分布 \(u_0\)=\(\frac{\bar{x_1}-\bar{x_2}}{\sqrt{\frac{σ_1^2}{n_1}+\frac{σ_2^2}{n_2}}}\)
    未知(\(V_1\)=\(V_2\) t分布 \(t_0\)=\(\frac{\bar{x_1}-\bar{x_2}}{\sqrt{V(\frac{1}{n_1}+\frac{1}{n_2})}}\)
    (\(V\)=\(\frac{S_1+S_2}{n_1+n_2-2}\))
    未知(\(V_1\)≠\(V_2\) t分布 \(t_0\)=\(\frac{\bar{x_1}-\bar{x_2}}{\sqrt{\frac{V_1}{n_1}+\frac{V_2}{n_2}}}\)
    対応のある母平均
    μ1とμ2の差
    δ=μ1―μ2
    既知\(σ^2\) 標準正規分布 \(u_0\)=\(\frac{\bar{d}}{\sqrt{σ_d^2/n}}\)
    未知 t分布 \(t_0\)=\(\frac{\bar{d}}{\sqrt{V_d/n}}\)

    ①計量値の検定統計量のベースとなる式

    母平均\(μ\)で母分散が既知(\(σ^2\))の場合

    標準正規分布に従うので、検定統計量は

    \(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{\sqrt{σ^2/n}}\)

    となります。この式くらいは暗記してもOKです。

    母平均\(μ\)で母分散が未知の場合

    t分布に従うので、検定統計量は

    \(t_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{\sqrt{V/n}}\)

    となります。この式くらいは暗記してもOKです。

    母分散の既知、未知の違いで
    従う分布関数や、検定統計量の式が若干、形が変わります。

    この2つ式をベースに変形していきます。

    ➁母平均差の検定統計量を導出1

    前提条件

    前提条件は、

    1. 母平均差
    2. 母分散が既知でそれぞれ\(σ_1^2\),\(σ_2^2\)

    検定統計量を導出

    検定統計量の出発点は、\(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{\sqrt{σ^2/n}}\)
    です。

    2つの母集団 N1(\(μ_1\),\(σ_1^2\)), N2(\(μ_2\),\(σ_2^2\))からそれぞれn1個、n2個データを取り出し、その標本集団をそれぞれN1’, N2’とします。

    平均と分散はN1’ (\(μ_1\),\(σ_1^2/n_1\)), N2’ (\(μ_2\),\(σ_2^2/n_2\))となります。

    あるN1’の点\(\bar{X_1}\)と、あるN2’の点\(\bar{X_2}\)との差を検定します。その分布N1’- N2’を考えると、

    ●平均(期待値)は、\(μ_1\)-\(μ_2\) とそのまま差として、
    ●分散は、\(σ_1^2/n_1\)+\(σ_2^2/n_2\)と分散の加法性を使います。

    よって、検定統計量は
    ●\(u_0\)=\(\frac{(\bar{x_1}-μ_1)-(\bar{x_2}-μ_2)}{\sqrt{\frac{σ_1^2}{n_1}+\frac{σ_2^2}{n_2}}}\)
    =\(\frac{(\bar{x_1}-\bar{x_2})-(μ_1-μ_2)}{\sqrt{\frac{σ_1^2}{n_1}+\frac{σ_2^2}{n_2}}}\)
    となります。

    ただし! \(μ_1-μ_2\)=0とする例もある

    母平均差を検定する思いは、母平均差が無いも考えるので、よく
    \(μ_1-μ_2\)=0として、
    ●\(u_0\)=\(\frac{\bar{x_1}-\bar{x_2}}{\sqrt{\frac{σ_1^2}{n_1}+\frac{σ_2^2}{n_2}}}\)
    をよく使います。

    検定統計量は
    ●\(u_0\)=\(\frac{\bar{x_1}-\bar{x_2}}{\sqrt{\frac{σ_1^2}{n_1}+\frac{σ_2^2}{n_2}}}\)
    ただし、 \(μ_1-μ_2\)=0として、
    ●\(u_0\)=\(\frac{\bar{x_1}-\bar{x_2}}{\sqrt{\frac{σ_1^2}{n_1}+\frac{σ_2^2}{n_2}}}\)

    ➂母平均差の検定統計量を導出2

    前提条件

    前提条件は、

    1. 母平均差
    2. 母分散が未知だが、分散は共通のV

    検定統計量を導出

    検定統計量の出発点は、\(t_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{\sqrt{V/n}}\)
    です。

    2つの母集団 N1(\(μ_1\),\(V\)), N2(\(μ_2\),\(V\))からそれぞれn1個、n2個データを取り出し、その標本集団をそれぞれN1’, N2’とします。

    平均と分散はN1’ (\(μ_1\),\(V/n_1\)), N2’ (\(μ_2\),\(V/n_2\))となります。

    あるN1’の点\(\bar{X_1}\)と、あるN2’の点\(\bar{X_2}\)との差を検定します。その分布N1’- N2’を考えると、

    ●平均(期待値)は、\(μ_1\)-\(μ_2\) とそのまま差として、
    ●分散は、\(V/n_1\)+\(V/n_2\)=\(V(1/n_1+1/n_2)\)と分散の加法性を使います。

    よって、検定統計量は
    ●\(t_0\)=\(\frac{(\bar{x_1}-μ_1)-(\bar{x_2}-μ_2)}{\sqrt{V(\frac{1}{n_1}+\frac{1}{n_2})}}\)
    =\(\frac{(\bar{x_1}-\bar{x_2})-(μ_1-μ_2)}{\sqrt{ V(\frac{1}{n_1}+\frac{1}{n_2})}}\)
    となります。

    一方、分散\(V\)は、全平方和を全自由度で割ればいいので。
    ●\(V\)=\(\frac{S_1+S_2}{(n_1-1)+(n_2-1)}\)= \(\frac{S_1+S_2}{n_1+n_2-2}\)
    となります。

    ただし! \(μ_1-μ_2\)=0とする例もある

    母平均差を検定する思いは、母平均差が無いも考えるので、よく
    \(μ_1-μ_2\)=0として、
    ●\(t_0\)=\(\frac{\bar{x_1}-\bar{x_2}}{\sqrt{ V(\frac{1}{n_1}+\frac{1}{n_2})}}\)
    をよく使います。

    検定統計量は
    ●\(t_0\)=\(\frac{(\bar{x_1}-\bar{x_2})-(μ_1-μ_2)}{\sqrt{ V(\frac{1}{n_1}+\frac{1}{n_2})}}\)
    ただし、 \(μ_1-μ_2\)=0として、
    ●\(t_0\)=\(\frac{\bar{x_1}-\bar{x_2}}{\sqrt{ V(\frac{1}{n_1}+\frac{1}{n_2})}}\)
    (●\(V\)=\(\frac{S_1+S_2}{(n_1-1)+(n_2-1)}\)= \(\frac{S_1+S_2}{n_1+n_2-2}\))

    ➃母平均差の検定統計量を導出3

    前提条件

    前提条件は、

    1. 母平均差
    2. 母分散が未知だが、分散\(V_1\)≠\(V_2\)

    検定統計量を導出

    検定統計量の出発点は、\(t_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{\sqrt{V/n}}\)
    です。

    2つの母集団 N1(\(μ_1\),\(V_1\)), N2(\(μ_2\),\(V_2\))からそれぞれn1個、n2個データを取り出し、その標本集団をそれぞれN1’, N2’とします。

    平均と分散はN1’ (\(μ_1\),\(V_1/n_1\)), N2’ (\(μ_2\),\(V_2/n_2\)となります。

    あるN1’の点\(\bar{X_1}\)と、あるN2’の点\(\bar{X_2}\)との差を検定します。その分布N1’- N2’を考えると、

    ●平均(期待値)は、\(μ_1\)-\(μ_2\) とそのまま差として、
    ●分散は、\(V_1/n_1\)+\(V_2/n_2\)と分散の加法性を使います。

    よって、検定統計量は
    ●\(t_0\)=\(\frac{(\bar{x_1}-μ_1)-(\bar{x_2}-μ_2)}{\sqrt{\frac{V_1}{n_1}+\frac{V_2}{n_2}}}\)
    =\(\frac{(\bar{x_1}-\bar{x_2})-(μ_1-μ_2)}{\sqrt{\frac{V_1}{n_1}+\frac{V_2}{n_2}}}\)
    となります。

    ただし! \(μ_1-μ_2\)=0とする例もある

    母平均差を検定する思いは、母平均差が無いも考えるので、よく
    \(μ_1-μ_2\)=0として、
    ●\(t_0\)=\(\frac{\bar{x_1}-\bar{x_2}}{\sqrt{\frac{V_1}{n_1}+\frac{V_2}{n_2}}}\)
    をよく使います。

    検定統計量は
    ●\(t_0\)=\(\frac{(\bar{x_1}-\bar{x_2})-(μ_1-μ_2)} {\sqrt{\frac{V_1}{n_1}+\frac{V_2}{n_2}}}\)
    ただし、 \(μ_1-μ_2\)=0として、
    ●\(t_0\)=\(\frac{\bar{x_1}-\bar{x_2}}{\sqrt{\frac{V_1}{n_1}+\frac{V_2}{n_2}}}\)

    ➄母平均差の検定統計量を導出4

    「対応のある」とは何か?

    「対応のあるとない」の違いは何でしょうか?
    下図にイメージを示します。

    対応のある

    ●対応のない場合は、全く別の分布を2つ用意した場合
    ●対応のある場合は、異なる2つの分布とはいえ、個々のデータは関係性を持つ場合
    と分けた方が考えやすいですね。

    対応のある場合は、まとめて1つの分布として計算してもよいとして扱います。

    対応のある場合の扱い方

    2つの母集団 N1, N2からそれぞれn個データを取り出し、それぞれ対応する組み合わせデータ値の差分をとった集団N1’を作ります。

    前提条件

    前提条件は、

    1. 母平均差\(δ\)
    2. 母分散が既知で\(σ_d^2\)

    検定統計量を導出

    検定統計量の出発点は、\(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{\sqrt{σ^2/n}}\)
    です。

    差をdとしているので、
    平均は\(\bar{d}\)
    分散はN1’ のデータから別途求めます。今回は\(σ_d^2\)となります。

    よって、検定統計量は
    ●\(u_d\)=\(\frac{(\bar{d}-d_0)}{\sqrt{σ_d^2/n}}\)
    となります。

    ただし! \( d_0\)=0とする例もある

    母平均差を検定する思いは、母平均差が無いも考えるので、よく
    \( d_0\)=0として、
    ●\(u_d\)=\(\frac{\bar{d}}{\sqrt{σ_d^2/n}}\)
    をよく使います。

    検定統計量は
    ●\(u_d\)=\(\frac{(\bar{d}-d_0)}{\sqrt{σ_d^2/n}}\)
    ただし、 \( d_0\)=0として、
    ●\(u_d\)=\(\frac{\bar{d}}{\sqrt{σ_d^2/n}}\)

    ⑥母平均差の検定統計量を導出5

    前提条件

    前提条件は、

    1. 母平均差\(δ\)
    2. 母分散が未知で\(V_d\)

    検定統計量を導出

    検定統計量の出発点は、\(t_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{\sqrt{V/n}}\)
    です。

    差をdとしているので、
    平均は\(\bar{d}\)
    分散はN1’ のデータから別途求めます。今回は\(V_d\)となります。

    よって、検定統計量は
    ●\(t_d\)=\(\frac{\bar{d}-d_0}{\sqrt{V_d/n}}\)
    となります。

    ただし! \( d_0\)=0とする例もある

    母平均差を検定する思いは、母平均差が無いも考えるので、よく
    \( d_0\)=0として、
    ●\(t_d\)=\(\frac{\bar{d}}{\sqrt{V_d/n}}\)
    をよく使います。

    検定統計量は
    ●\(t_d\)=\(\frac{\bar{d}-d_0}{\sqrt{V_d/n}}\)
    ただし、 \( d_0\)=0として、
    ●\(t_d\)=\(\frac{\bar{d}}{\sqrt{V_d/n}}\)

    以上、よく使う検定統計量を導出しました。ちゃんと導出できるので、公式暗記に頼らず自力で導出できるようにしましょう。

    まとめ

    「【初心者必見!】計量値の検定統計量が導出できる」を解説しました。

    • ①計量値の検定統計量のベースとなる式
    • ➁母平均差の検定統計量を導出1
    • ➂母平均差の検定統計量を導出2
    • ➃母平均差の検定統計量を導出3
    • ➄母平均差の検定統計量を導出4
    • ⑥母平均差の検定統計量を導出5

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