【簡単】χ2乗分布がすぐ使いこなせる【初心者向け】
「\(χ^2\)乗分布を使った検定方法がわからない」、「標準偏差、平方和と\(χ^2\)乗分布関数の関係がわからない」、「片側検定、両側検定のときの\(χ^2\)乗分布表の見方がわからない」など、実際に計算するときにいろいろ困っていませんか?
こういう疑問に答えます。
本記事のテーマ
\(χ^2\)乗分布でよく出る3つのパターン
- ➀\(χ^2\)乗分布の導出がわかる
- ②よく使う\(χ^2\)乗分布関数と標準偏差sの関係
- ③\(χ^2\)乗分布表の使い方
さっそく見ていきましょう。
➀\(χ^2\)乗分布の導出がわかる
\(χ^2\)乗分布の導出のポイント
詳細は、【簡単】χ2乗分布とt分布とF分布がすぐわかる【初心者向け】をご覧下さい。まとめると次の3点ですね。
(B)難しい式の導出より、(\(χ^2\)乗分布関数)=Σ(正規分布関数)^2で理解
(C)\( χ^2=\sum_{i} (\frac{x_i-\bar{x}}{σ})^2\)=\(\frac{S(平方和)}{σ^2}\)
②よく使う\(χ^2\)乗分布関数と標準偏差sの関係
よく見かけるので、解説します。
\(χ^2\)乗分布と平方和S(大文字)との関係
\( χ^2=\frac{S}{σ^2}\)
\(χ^2\)乗分布と標準偏差s(小文字)との関係
\( χ^2=\frac{s^2}{σ^2}(n-1)\)
これは簡単に導出できます。
(i)平方和Sと分散(不偏分散)Vの関係は
\( V=\frac{S}{n-1}\)
ですね。
(ii)分散Vと標準偏差sの関係は
\( V=s^2\)
ですね。よって、
\(S=V(n-1)=s^2(n-1)\)
になります。
まとめると、
\(χ^2=\frac{S}{σ^2}\)
\(χ^2=\frac{ s^2(n-1)}{σ^2}\)
\(χ^2=\frac{s^2}{σ^2}(n-1)\)
\(χ^2=(\frac{s}{σ})^2(n-1)\)
標準偏差sと母分散σの比とデータ数nから\(χ^2\)を算出する場合、
\(χ^2\)と標準偏差sから母分散\(σ^2\)を推定することがよくあります。
③\(χ^2\)乗分布表の使い方
片側検定、両側検定において、\(χ^2\)乗分布表の見方を確認しましょう。
いろいろな自由度のχ2乗分布
\(χ^2\)乗分布表に載っているグラフの関数
\( f(x)= \frac{1}{2^{\frac{k}{2}}}\)\(Γ(\frac{k}{2}) \)\(x^{\frac{k}{2}-1}\)\(e^{\frac{x}{2}} \)
よくわからない関数ですが、自由度kとx(χ2)を代入してf(x)を計算します。手計算は大変なので、エクセルを使って計算します。
エクセルを使う場合は、
xと自由度φを用意して、\(χ^2\)乗分布関数を
「=CHISQ.DIST(C6,D3,false)」
として代入します。C6はxのセル、D3は自由度φのセルです。
χ2乗分布表の見方
\(χ^2\)乗分布関数の特徴
(B) \(χ^2\)乗分布関数(確率密度関数)は、区間[0.∞]で積分すると1。
(C)正規分布表と同様に確率Pから\(χ^2\)値を読み取る場合は、確率Pは区間[\(χ^2\),∞]とする。
片側検定、両側検定の場合の\(χ^2\)乗分布表の見方を図で確認しましょう。
片側検定の場合
確率P=0.05(有意水準)に相当する\(χ^2\)を読み取ります。
自由度φ=8の場合P=0.05に相当する\(χ^2\)は15.51になります。
両側検定の場合
母分散の推定区間を求めるために、両側検定をよく使います。
両側検定の場合は、有意水準が0.05のとき、P=0.025とP=0.975に相当する\(χ^2\)を読み取ります。
ここで注意なのは、P=0.025の\(χ^2\)値方がP=0.975の\(χ^2\)値より大きいことです。
まとめ
\(χ^2\)乗分布について、実務や試験に活かせるようにわかりやすく解説しました。かなりイメージがついて、検定・推定、分散分析の解法に自信がついたでしょう。
- ➀\(χ^2\)乗分布の導出がわかる
- ②よく使う\(χ^2\)乗分布関数と標準偏差sの関係
- ③\(χ^2\)乗分布表の使い方
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