ISO9001 2015 7_3_認識がわかる
「認識って何?」、「どうやれば認識されるの?」と困っていませんか?
こういう疑問に答えます。
本記事のテーマ
- ①ISO9001要求事項、JISハンドブックISO9001の解説
- ②認識(Awareness)って何?
- ③何を認識させ、どうやって認識させるか?
- ④認識がない組織はどうなるか?
結論
あなたの人生が有意義になるよう認識することが重要です。
ISO9001の要求事項に合わせるレベルではなく、もっと視座を上げて、あなたの人生の意義を先に認識しましょう。そうすれば、やるべきことが明確になるし、人生の質も、業務の質も向上するからです。
①ISO9001要求事項、JISハンドブックISO9001の解説
ISO9001要求事項
組織は,組織の管理下で働く人々が,次の事項に関して認識をもつことを確実にしなければならない。
a) 品質方針
b) 関連する品質目標
c) パフォーマンスの向上によって得られる便益を含む,品質マネジメントシステムの有効性に対する自らの貢献
d) 品質マネジメントシステム要求事項に適合しないことの意味
認識ってそもその何? でつまづきますよね!
JISハンドブックの解説
次のように規定されています。
- JIS Q9001品質マネジメントシステム-要求事項
- JIS Q9002 品質マネジメントシステム-JIS Q 9001の適用に関する指針
それぞれを読んだ印象をまとめます。
JIS | 名称 | 単元 | 感想 |
JIS Q9001 | 品質マネジメントシステム -要求事項 |
7.3 認識 | ISO9001 2015 7.3 と同じ内容 |
JIS Q9002 | 品質マネジメントシステム -JIS Q 9001の適用に関する指針 |
7.3 認識 | より詳細な説明 |
書いている内容は、それなりに理解できるが、認識って何?を自分の言葉で説明できないと理解できないでしょう。
では、わかりやすく解説していきます。
②認識(Awareness)って何?
辞書の意味
認識していない状態は、下図のような感じですね。わかってなくて、ボケっとしている様子です。
辞書を引くと、
そして、認識の英訳をAwarenessとしていますが、Awarenessを辞書で引くと、
まとめると、
なるほど、
認識とは、
●業務を認識すること⇒業務の本質を理解し、自覚して取り組むこと
これだけでも、品質向上しそうですね!
さらに認識の対象範囲を広げてみましょう。
●日々の生活を認識すること⇒何を目指して毎日頑張っているか?を考えてみる
●人生を認識すること⇒自分の将来、人生の目標を再設定する
人生の質が上がりそうですね!まだまだイケる!とテンションが上がりますね!
業務の質、品質、人生の質すべてが向上できるパワーがつきます!
認識の一般的な理解をした上で、ISOやJISにおける認識も理解しましょう。
ISOやJISにおける「認識」とは?
人生の質に比べると、業務や組織の質の向上と範囲が狭くなります。認識の一般的な理解をしていれば、仕事の認識はその一部であると考えればOKです。
●ISOやJISにおける「認識」とは、次の5つと考えます。
- よい品質を作りこむために何をすべきかを理解すること
- 品質目標を理解して、貢献すること
- 自ら行動すること
- 品質マネジメントシステムを有効に機能させたり、できないことを明確にすること
- PDCA,継続的改善につなげること
業務の中の狭い「認識」です。ポイントは、
●経営者の意志を反映した品質方針、品質目標とあなたの認識が整合していること
●自ら行動するリーダシップを持つこと
●ちょっとずつでいいから、改善を継続すること
です。
でも、本音は、
③何を認識させ、どうやって認識させるか?
認識の重要性を解説しました。では、何を、どうやって、周囲の人たちに「認識」させればよいでしょうか?
仕組みをそろえただけでは、「認識」しない。
何を「認識」させるか?
認識してほしいもの
- 目の前の業務
- 組織の品質・収益向上
- あなたの人生
考え方
最初に、
- 目の前の業務
だけだと、相手は認識したいとなりませんね。もう少し上の目標を与えてもいいでしょう。
- 目の前の業務
- 組織の品質・収益向上
少し上の目標を与えて、組織の品質・収益向上によって、あなたが評価されたり給与がアップすることを伝えると、少し認識しようとなるでしょう。
でも、仕事だけか?と疑問に思ってくれたら勝ちです!
- 目の前の業務
- 組織の品質・収益向上
- あなたの人生
まで提案すると、人生と業務、と長期的視野と、短期的視野の両面で自分の生きる意義が理解できます。自発的な行動が高まり、ISO,JISの「認識」もカバーできるでしょう。
どうやって「認識」させるか?
仕組みをそろえただけでは、「認識」しない。
「認識」の響かせ方は、
- トップマネジメントとミドルマネジメントが連携して本気さを伝えること
- 業務や生活に「認識」が有効であると分からせること
- 「認識」して自発的に行動すれば評価される環境を構築
- 時間と手間はかかるが諦めないこと
ですね。
契約だから、認識して仕事しないとクビとか厳しく縛っても、無意味です。自ら行動できるようにサポートしないと、相手は「認識」しません。
「ヤレっと」言ってもやらないでしょ!
やらして、褒めて、自信つけさせて、徐々に自分で勉強するのと同じです。
「認識」できる環境に必要な要素
- トップマネジメントの本気さ
- トップマネジメントとミドルマネジメントの良い関係性
- ミドルマネジメントが組織担当者へのエンパワーメント
- 認識できた結果を高評価すること
●トップマネジメント(経営陣)が本気でないと、誰もしませんよね。「隗より始めよ」です。
●トップマネジメントとミドルマネジメントの良い関係性が難しくて、誰もが納得いく人がトップマネジメントになれば、スムーズです。しかし、「なんであいつや上なん?」な人ならギクシャクするかもしれませんし、何かテコ入れが必要でしょう。
●ミドルマネジメントが組織担当者へのエンパワーメントですが、「何度も伝える事」、「少しでも担当者の意識が変わったら褒める!」につきます。人は褒めて伸びます!日頃の変化に着目しましょう。愛が必要ですね。「お前やっとけ!」な指示型だとダメ。
●認識できた結果を高評価することですが、業務表彰や、給与への反映などに対応すればよいでしょう。
仕組みをそろえただけでは、「認識」しない。
最初は少しずつでよいから、継続することが重要です。
④認識がない組織はどうなるか?
逆のパターンですね。当然、組織が悪くなり、腐っていきます。
- 業務の意義を理解せずに独断でやっている
- ばらばらに動く
- 業務が属人化して伝達されない
- 業務の質が落ちる結果、不正や隠ぺい・改ざんに走る
ISO9001認証取得した有名企業で、よく品質不正で非難されますが、その原因の元は、「認識」が有効に機能していないことです。
過剰なノルマ要求、顧客より社内政治を優先する環境だと、ISO9001 7.3を認証取得しても、実態は「認識」が有効に機能していないのです。
「認識」が有効に機能するよう、組織全体で改革しなければなりません。
仕組みをそろえただけでは、「認識」しない。
最初は少しずつでよいから、継続することが重要です。
ここまで読めば、「認識」の重要さが「認識」できたはずです。
まとめ
ISO9001 2015 7_3_認識がわかる をわかりやすく解説しました。
- ①ISO9001要求事項、JISハンドブックISO9001の解説
- ②認識(Awareness)って何?
- ③何を認識させ、どうやって認識させるか?
- ④認識がない組織はどうなるか?
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