【必読】管理図と工程能力指数をマスターする【QC検定®2級対策】
「管理図と工程能力指数は何をおさえたらいいのかわからない」などと困っていませんか?
こういう疑問に答えます。
本記事のテーマ
管理図で次の質問が答えられますか?
- ①管理図の種類と公式をマスターする
- ②統計的管理状態か工程異常かの判断方法をマスターする
- ③工程能力指数をマスターする
記事の信頼性
記事を書いている私は、3ヶ月にQC検定®2級を合格し、さらに、QC検定®1級合格して、さらに独学でレベルアップしています。
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①管理図の種類と公式をマスターする
【まとめ】種類と必要な公式
何度も確認しましょう。
データ | 分布 | 分類 | 管理図 | UCL/LCL |
計量値 | 正規分布 | ー | \(\bar{x}\)-R管理図 | \(\bar{x}\):\(\bar{\bar{x}}\)±\(A_2\)\(\bar{R}\) R: UCL=\(D_4 \bar{R}\),LCL=\(D_3 \bar{R}\) |
計数値 | 二項分布 | 不良個数 | pn管理図 | \(\bar{p}n\)±3\(\sqrt{\bar{p}n(1-\bar{p}})\) |
– | – | 不良率 | p管理図 | \(\bar{p}\)±3\(\sqrt{\frac{\bar{p}(1-\bar{p})}{n}}\) |
– | ポアソン分布 | 欠点数 | c管理図 (cはconstantのc) |
\(\bar{c}±3\sqrt{\bar{c}}\) (\(\bar{c}\)=\(\frac{\sum c}{k}\)) |
– | – | 単位当たり の欠点数 |
u管理図 | \(\bar{u}±3\sqrt{\frac{\bar{u}}{n}}\) (\(\bar{u}\)=\(\frac{\sum c}{\sum n}\)) |
計数値は A2,D3,D4の係数が与えられ
計量値は、平均±3×標準偏差となっています。
計量値は正規分布で仮定しているので、計数値と同様に、
平均±3×標準偏差としても論理的は正しいでしょう。
ただし、試験は公式どおり代入できるかを問われます。
計量値の場合(\(\bar{x}\)-R管理図)
次の3点がわかればOKです。
- 計量値の管理図は\(\bar{x}\)-R管理図しか出題されない。
- 範囲導出は管理図係数表から読み解く
- 管理図係数表の値を導出する理論が不明記
管理図の解き方
\(\bar{x}\)の範囲は\(A_2\),
Rの範囲は\(D_4\),\(D_3\)を管理図係数表から求めます。
管理図係数表はサンプル数nによって係数の値が変わります。
nが6より小さい場合は値がないので、解答なしというひっかけ問題も頻出です。
管理図係数表の値を導出する理論が不明記
管理図係数表がなぜ必要なのか?正直わかりません。
計量値(正規分布)としているので、
平均±3×標準偏差としても論理的は正しいでしょう。
これは、QCの歴史に原因があります。
QCの理論は米国から輸入したものが多く、それを最初にJIS規格化したため、
現在も管理図係数表を使って範囲を求めるようになっています。
QC検定®2級ではこの過去のいきさつは出題されませんが、
知っておいてください。
公式の機械的な代入で点数取るのもいいのですが、
不思議と思ったら、「なぜ?」と考えることも重要です。
計数値の場合
分布の分散公式と一緒に暗記する
期待値と分散の値を復習しましょう。関連記事を紹介します。
【必読】基本統計量をマスターする【QC検定®2級対策】 QC検定®2級で必ず出題される基本統計量の解法を解説します。検定から推定区間まで5分以内に解けるための流れとテクニックについて解説します。QC検定®2級合格したい方は必見です。 |
3つの確率分布の期待値と分散を再掲します。
分布 | 確率分布関数 | 期待値E | 分散V |
正規分布 | f(x)=\( \frac{1}{\sqrt{2πσ^2}}exp(-\frac{(x-μ)^2}{2σ^2})\) | μ | \(σ^2\) |
二項分布 | f(x)=nCx\(p^x (1-p)^{n-x}\) | np | np(1-p) |
ポアソン分布 | f(x)=\(\frac{μ^x e^{-μ}}{x!}\) | μ | μ |
pn管理図の場合
平均が\(n\bar{p}\),分散が\(n\bar{p}(1-\bar{p})\)ですから、範囲は
(平均)±3\(\sqrt{分散}\)より
\(n\bar{p}\)±3\(\sqrt{ n\bar{p}(1-\bar{p})}\)
と計算できます。暗記不要ですね。
p管理図の場合
pn管理図からnで割ればOKです。範囲は
(平均)±3\(\sqrt{分散}\)より
\(\frac{n\bar{p}}{n}\)±3\(\frac{\sqrt{ n\bar{p}(1-\bar{p})}}{n}\)
=\(\bar{p}\)±3\(\sqrt{ \frac{\bar{p}(1-\bar{p})}{n}}\)
と計算できます。暗記不要ですね。
c管理図の場合
平均がc,分散がcですから、範囲は
(平均)±3\(\sqrt{分散}\)より
c±3\(\sqrt{c}\)
と計算できます。簡単ですね。
u管理図の場合
c管理図からnで割ればOKです。範囲は
(平均)±3\(\sqrt{分散}\)より
\(\frac{c}{n}\)±3\(\frac{\sqrt{c}}{n}\)
=u±3\(\sqrt{\frac{u}{n}}\)
と計算できます。簡単ですね。
計数値の場合は範囲の式は、期待値・分散公式から導出できます。
両方同時に暗記できますね。
②統計的管理状態か工程異常かの判断方法をマスターする
●上限、下限を超過したものがあれば異常
●上限・下限内であるが、継続的に増加・減少傾向(連)があれば異常
●上限・下限内であるが、ばらつきが小さすぎ、大きすぎなら異常
と管理図をみればはっきりわかるもの
基本は、管理図を見て、おかしい!と思えば異常、
大丈夫か!と思えば正常でよいです。
JISZ9020-2(2016)異常判定ルール
●ルール1:1つまたは複数の点がゾーンAを超えたところ(管理限界の外側)にある。
●ルール2:連―中心線の片側7つ以上の連続する点がある。
●ルール3:トレンド-全体的に増加または減少する連続する7つの点がある。
●ルール4:明らかに不規則ではないパターンがある。
視覚的に異常判定条件をおさえておきましょう。
③工程能力指数をマスターする
重要公式
●両側規格の場合: \(C_p\)=\(\frac{S_U-S_L}{6σ}\)
●片側規格の場合: \(C_{pk}\)=\(\frac{S_U-\bar{x}}{3σ}\)または、\(C_{pk}\)=\(\frac{\bar{x}-S_L}{3σ}\)
標準偏差σとs
QC検定®2級では,
母標準偏差が既知の場合はσを用いて、\(C_p\)を使いますが、
母標準偏差が未知の場合はsを用いて、推定値\(C_p’\)を使います。
という区別だけ理解しておいてください。
QC検定®1級では、
χ2=平方和S/\(σ^2\)
を使って、母標準偏差が未知の場合の\(C_p’\)の区間を求めたりします。
6σで割る理由
特にありません。片側3σ以上の不良率は0.13%以下という場合の工程能力指数を計算しているだけです。
管理対象に合わせて工程能力指数を計算する分母を決めればよいです。
工程能力指数の判断基準の値は目安
●\(C_p\) ≥ 1.33 :工程能力は十分
●1.00 ≤ \(C_p\) < 1.33 : 工程能力はまずまず
●\(C_p\) < 1.00 :工程能力は不足
1.33,1.00の値は目安です。実際は管理対象に合わせて値を決めてください。
なお、1.33は1.33×3σ=4σとしているようです。
QC検定®2級は正解するためには値の暗記は必要ですが、実際は、管理対象によって値を決めてください。
まとめ
QC検定®2級で、管理図と工程能力指数を解説しました。
- ①管理図の種類と公式をマスターする
- ②統計的管理状態か工程異常かの判断方法をマスターする
- ③工程能力指数をマスターする
Warning: count(): Parameter must be an array or an object that implements Countable in /home/qcplanets/qcplanets.com/public_html/wp-content/themes/m_theme/sns.php on line 119