品質監査に必要な文書化した情報がわかる
「品質監査にどんな文書が必要なのかわからない」、「高い評価をもらうための文書管理方法がわからない」と困っていませんか?
こういう疑問に答えます。
本記事のテーマ
監査があるから、資料の準備が大変!
文書を管理するだけでも組織の品質への意識が高まりますよ!
- ①監査質疑の流れ
- ②監査に必要な文書化した情報
- ③文書化した情報の改善ポイント
監査質疑の流れ
監査質疑の流れは自分で考える
●いきなりISO9001の要求事項を見て、カンニングしないでください!
頭に入れるとスムーズに監査にのぞめるからです。
監査質疑の流れは?
列挙します。流れの考え方は、
具体的には、
- 前年度の結果のフィードバック状況
- 部門の説明(事業内容、内部・外部課題の変化)
- 組織体制の説明(責任と権限)
- プロセス流れ(営業、設計、製造とか)
- (Plan)品質目標の状況
- (Do)活動の流れ
- (Do)工程管理表
- (Do)インプット情報とアウトプット情報
- (Do)会議・レビュー記録と議事録
- (Do)力量・資源
- 活動の評価(Check)
- (Check)検査、試験結果
- (Check)トラブル・苦情
- (Check)顧客満足
- 次なる行動(A)
- (Action)是正処置
- (Action)継続的改善
いっぱいありますが、一連の流れを理解すれば、すらすら書けます。各項目に必要な文書や情報を準備していきます。
自分で考えた監査質疑の流れは結果的にISO9001と合う
●結果的に、上で考えた流れはISO9001要求事項とぴったり合います。そうなるようにISOも作っていますから。
上の自分で考えた流れと、それに合うISO9001 2015の要求事項を比べましょう。
No | 監査の流れ | ISO9001 2015 |
1 | 前年度の結果のフィードバック状況 | 10.3 |
2 | 部門の説明(事業内容、内部・外部課題の変化) | 4.1,4.2 |
3 | 組織体制の説明(責任と権限) | 5.3 |
4 | プロセス流れ(営業、設計、製造とか) | 8 |
5 | (Plan)品質目標の状況 | 6.2 |
6 | (Do)活動の流れ | 8 |
7 | (Do)工程管理表 | 8 |
8 | (Do)インプット情報とアウトプット情報 | 7.5 |
9 | (Do)会議・レビュー記録と議事録 | 7.5 |
10 | (Do)力量・資源 | 7.1,7.2 |
11 | 活動の評価(Check) | 9.1 |
12 | (Check)検査、試験結果 | 9.1 |
13 | (Check)トラブル・苦情 | 8.7 |
14 | (Check)顧客満足 | 9.1.2 |
15 | 次なる行動(A) | 10 |
16 | (Action)是正処置 | 10.2 |
17 | (Action)継続的改善 | 10.3 |
ISO9001 2015の要求事項のほとんどをチェックしていることがわかりますね。
監査に必要な文書化した情報
【復習】文書化した情報
●「文書」ではなく、「情報」なのか?とか、
●「文書化した情報」って何か?
関連記事に「7.5 文書化した情報」を解説していますので、ご覧ください。
ISO9001 2015 7_5_文書化した情報がわかる ISO9001 2015 7.5 文書化した情報を説明できますか? 本記事では「情報とは何か?」、「文書化した情報で求められること何か?」、「実務や品質監査で要求されることは何か?」を実務経験をもとにわかりやすく解説します。ISO9001 に関わる方は必読です。 |
「文書化した情報」を簡潔にまとめると
- 文書(手段)にとらわれない、情報であればよい
- 電子化対応でもOK
- 過去の文書の適合性に囚われず、組織が情報をもとに機能していればよい
監査質疑に必要な情報
監査質疑の流れに沿って、必要な「文書化した情報」をまとめると下表になります。
No | 監査の流れ | 必要な「文書化した情報」 |
1 | 前年度の結果のフィードバック状況 | 前回の監査記録書 |
2 | 部門の説明(事業内容、内部・外部課題の変化) | 規定(もし書いてれば) |
3 | 組織体制の説明(責任と権限) | 組織体制図 |
4 | プロセス流れ(営業、設計、製造とか) | 品質保証体系図 |
5 | (Plan)品質目標の状況 | 品質目標 |
6 | (Do)活動の流れ | 品質保証体系図 QC工程図 |
7 | (Do)工程管理表 | 工程管理表 |
8 | (Do)インプット情報とアウトプット情報 | 各文書 |
9 | (Do)会議・レビュー記録と議事録 | 会議録 |
10 | (Do)力量・資源 | 力量管理表 |
11 | 活動の評価(Check) | ー |
12 | (Check)検査、試験結果 | 試験成績書 |
13 | (Check)トラブル・苦情 | 苦情記録 |
14 | (Check)顧客満足 | アンケート結果など |
15 | 次なる行動(A) | ー |
16 | (Action)是正処置 | 是正処置文書 |
17 | (Action)継続的改善 | ー |
多くの文書が必要になります。
ここで、青字になっている文書については、関連記事がありますので、ご覧ください。
●品質マニュアルがわかる
● 品質保証体系図がわかる
●QC工程図がわかる
●業務に欠かせない標準類がわかる
各文書の書き方をわかりやすく解説しています。
必要な文書とその目的を確認して、日々の品質の高い業務につなげましょう。
③文書化した情報の改善ポイント
改善が大事
文書も作る事が目的ではなく、業務へ高い品質を作りこむために必要です。より品質を改善するためにも、それを促す文書の改善が必須です。
文書を改善・改訂する機会は
●組織体制の変更時期
●品質監査のフィードバック
●大きな苦情・トラブルを発生させた後の是正処置の時
があります。
改善したい時、改善しないといけない時がたびたびあります。
改善ポイント
よく指摘されるポイントをまとめます。
文書化した情報 | よく指摘されるポイント |
組織体制図 | 責任と権限があいまい 戦略が見えない |
品質目標 | 評価基準と数字 目標項目は妥当なのか? |
力量管理表 | 管理項目の見直し、ベテランの次なる目標 |
インプット、アウトプット | 情報のヌケモレ |
会議録 | 5W1H 懸案事項の網羅性、解決度合 |
顧客満足 | 分析の詳細な分析 |
文書全般 | ヌケモレ、文書のrev最新管理 |
上の表を見て、事前にチェックしておくと、監査で悪い評価にならずに済むはずです。
まとめ
品質監査に必要な文書化した情報をわかりやすく解説しました。
- ①監査質疑の流れ
- ②監査に必要な文書化した情報
- ③文書化した情報の改善ポイント
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