カテゴリー: 抜取検査

  • 調整型抜取検査(1回方式)の主抜取表の作り方がわかる

    調整型抜取検査(1回方式)の主抜取表の作り方がわかる

    本記事のテーマ

    調整型抜取検査(1回方式)の主抜取表の作り方がわかる
    「調整型抜取検査の抜取表にあるAc,Re値の求め方」、「AQLの100以上の意味」をわかりやすく解説します。
    • ①主抜取表はOC曲線から導出できる
    • ②AQL100超過の場合の合格判定個数Acの導出方法がわかる
    • ③なみ検査の主抜取表の作り方がわかる

    自分で抜取検査の理論を理解して、抜取検査を先に自分で設計して、必要な値をJISや教科書を使うようにしたいです。

    ●You tube動画でも確認ができます。

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    QC検定®1級合格したい方、抜取検査の本質・理論をしっかり学びたい方におススメです。
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    調整型抜取表1回なみ

    ①主抜取表はOC曲線から導出できる

    結論

    抜取検査はOC曲線で考えます。
    主抜取表もOC曲線から導出できます。

    二項分布のOC曲線からn,Ac,AQLを導出

    OC曲線を描きましょう。

    OC曲線

    OC曲線の描き方については、関連記事があります。Excel VBAでOC曲線が作れます。

    OC曲線自動生成プログラム OC曲線の自動作成プログラムの使い方を解説します!

    サンプル数n,合格判定個数AcとAQL(合格品質水準)を決めます。
    サンプル数nとAQLについて、主抜取表では標準数を使って値をふっています。

    標準数については、関連記事で確認ください。

    標準数 【重要】抜取検査に欠かせない標準数がわかる
    抜取検査に必須な標準数についてわかりやすく解説!

    サンプル数n,合格判定個数AcとAQL(合格品質水準)を決め方

    ①各サンプル数nにおいて、主抜取表にあるAQL値に近い、合格判定個数Acを決める。
    ②すべてのn,AQLについてOC曲線を描いて、それぞれの合格判定個数Acを決めれば主抜取表が完成する

    AQLについては、関連記事で確認ください。

    調整型抜取検査 AQL(合格品質水準)とは何かを
    はっきり解説します!

    ②AQL100超過の場合の合格判定個数Acの導出方法がわかる

    主抜取表で確認

    AQLは%だから100%以下のはず。
    でも、主抜取表は100以上の場合がある。
    どういう意味?

    と不思議ですよね。

    主抜取表は下表のように書いています。色枠部はAQLが100以上の箇所です。

    AQL 0.01 100 150 1000
    文字 サイズ Ac,Re Ac,Re Ac,Re Ac,Re
    A 2 0,1 5,6 7,8 30,31
    B 3 0,1 7,8 10,11 44,45
    0,1
    0,1
    0,1
    P 800 0,1
    Q 1250 0,1

    ポアソン分布でAQLを個数と定義するから、100以上もあるのです。

    と、主抜取表には書いていますが、実際に計算して確認しましょう。

    ポアソン分布で計算

    ポアソン分布を使ってOC曲線の導出方法は、関連記事にあります。

    OC曲線自動生成プログラム OC曲線の自動作成プログラムの使い方を解説します!

    二項分布、ポアソン分布からOC曲線を求める式を描きます。

    ●二項分布
    L(p)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nC_r p^r (1-p)^{n-r}\)
    ●ポアソン分布
    L(p)=\(\sum_{r=0}^{c} exp(-np) \frac{(np)^r}{r!}\)

    ●ポアソン分布
    L(p)=\(\sum_{r=0}^{c} exp(-np) \frac{(np)^r}{r!}\)
    で、サンプル数n,合格判定個数cを与えます。

    AQLが100超過する場合ですから、主抜取表を見て、以下の値でOC曲線を描きます。

    n 5 5 5 5 5
    Ac 10 14 21 30 44

    明らかに サンプル数nより、合格判定個数Acが大きいですね。
    すると、OC曲線を描くと、AQLが100以上になることが下図からわかります。

    OC曲線

    ポアソン分布から導出したAQLの値と、主抜取表のAQLの値を比較すると、大体あっていることがわかります。

    (n,Ac) (5,10) (5,14) (5,21) (5,30) (5,44)
    主抜取表 100 150 250 400 650
    自力で計算 123 185 298 449 691

    ③なみ検査の主抜取表の作り方がわかる

    作り方の基本は、関連記事にも解説しています。

    調整型抜取検査 主抜取表の値をOC曲線から導出し、自力で主抜取表が 作れることを解説します。

    主抜取表の作り方

    どんどんOC曲線を描いて、AQLに該当する合格判定個数Acを求める。不合格判定個数ReはAc+1とすればOKです。

    主抜取表のサイズと合格判定個数を用意してOC曲線を求めて、AQLに該当するAcを算出し、それを主抜取表に埋めていけば完成します。

    実際に、主抜取表にある(n,Ac)をOC曲線で描きます。

    OC曲線

    この各曲線からAQLをそれぞれ求めて、その値と主抜取表にあるAQLを比較して、近ければ、そのときの合格判定個数を主抜取表に代入します。

    実際にn=20の場合で、自力で計算した場合と主抜取表の値を比較します。

    OC曲線

    c AQL(自力) AQL(主抜取表) OC曲線
    0 0.28 0.65 二項分布
    1 1.77 2.5 二項分布
    2 4.19 4 二項分布
    3 7.12 6.5 二項分布
    4 10.38 6.5 二項分布
    5 13.95 10 二項分布
    6 17.71 10 二項分布
    7 21.69 15 二項分布
    8 25.86 15 二項分布
    9 30.18 15 二項分布
    10 34.68 25 二項分布
    11 39.34 25 二項分布
    12 44.19 25 二項分布
    13 49.21 25 二項分布
    14 54.42 40 二項分布
    15 59.89 40 二項分布
    16 65.62 40 二項分布
    17 71.72 40 二項分布
    18 78.37 40 二項分布
    19 86.08 40 二項分布
    20
    21 75 65 ポアソン分布
    22 112 150 ポアソン分布
    23 172 250 ポアソン分布

    全体的は大体合っている結果ですが、大きくずれるところもあります。

    実際に計算すると、主抜取表の特徴やすごさがわかります。

    まとめ

    調整型抜取検査(1回方式)の主抜取表の作り方について解説しました。

    • ①主抜取表はOC曲線から導出できる
    • ②AQL100超過の場合の合格判定個数Acの導出方法がわかる
    • ③なみ検査の主抜取表の作り方がわかる
  • 【簡単】AQL(合格品質水準)がすぐわかる

    【簡単】AQL(合格品質水準)がすぐわかる

    「AQL(合格品質水準)が何なのか、わからない」、「AQL(合格品質水準)はどの値にすればよいか、わからない」など困っていませんか? 

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【簡単】AQL(合格品質水準)がすぐわかる
    • ①AQL(合格品質水準)はOC曲線でいうp0である
    • ②なみ検査のAQLはOC曲線のp0でよい
    • ③ゆるい検査、きつい検査のAQLはOC曲線のp0に補正した値となる
    AQLって何と聞かれたら、「すぐに答えられますか?」
    JISや教科書に明記していないので、答えられないはずです。
    本記事では、明快に答
    自分で抜取検査のえられるよう解説します。

    理論を理解して、抜取検査を先に自分で設計して、必要な値をJISや教科書を使うようにしたいです。

    ●You tube動画でも解説しています。ご確認ください。

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    本物の「抜取検査」問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方、抜取検査の本質・理論をしっかり学びたい方におススメです。
    今回、【QC検定®合格】「抜取検査」問題集を販売します! 内容は、①二項分布・ポアソン分布、OC曲線、➁多回抜取検査、➂選別型抜取検査、➃計量抜取検査、⑤逐次抜取検査、⑥調整型抜取検査、⑦抜取検査まとめ の7章全47題を演習できる問題集です。しっかり勉強しましょう。

    ①AQL(合格品質水準)はOC曲線でいうp0である

    結論

    OC曲線

    AQLはOC曲線でいうと、
    ロットの合格率L(p)が1-α(α:第1種の誤り)となるときの
    不良率p0のことである

    自信もって、AQL=p0でOKです。

    その理由を、詳細に解説します!

    AQLの定義がJISや教科書に詳細に書いているが、どの値なのかが結局わからない

    1. 工程平均として満足だと考えられる品質の上限(教科書の定義)
    2. 継続して連続のロットが抜取検査に提出されるときに、許容される工程平均の上限の品質水準(JISZ9015-1 3.1.26)

    確かに、AQLの定義が詳細に書いています。けど、

    実際抜取検査するときに、
    ①手持ちのデータや値でいうと、どれがAQLなのかわからない!
    ②仮に工程平均を満足する値があったとして、その値を使ってよい理由がはっきりしない。(JISに書いているからOKとしか説明できない。

    自分の理論でAQLを定義したい!ですよね。

    抜取検査はOC曲線ですべて考えるのだから、
    OC曲線でいうとどの値なのかをはっきりさせたい!
    はずです。

    AQL(合格品質水準)はOC曲線のp0でよい

    結論

    OC曲線

    AQLはOC曲線でいうと、
    ロットの合格率L(p)が1-α(α:第1種の誤り)となるときの
    不良率p0のことである

    自信もって、AQL=p0でOKです。

    実際に計算して、JISの主抜取表と比較してみればわかりますので、計算してみましょう。

    ②なみ検査のAQLはOC曲線のp0でよい

    OC曲線からp0を導出

    なみ検査の1回抜取方式で、実際にOC曲線から、AQLと合格判定個数を求めてみましょう。

    OC曲線から抜取表を作る方法

    ①サンプル数n,合格判定数c、からOC曲線を描いて、
    ロットの合格率L(p)が1-α(α:第1種の誤り =0.05)となるp0を求めます。

    ②次に合格品質水準AQLとp0の大小を下図のように比較します。
    ●p0 ≤ AQL なら、合格判定個数c⇒c+1に増やす。
    ●p0 > AQL なら、合格判定個数cは変えない

    この方法で、各AQLにおける、合格判定数c(これが合格判定個数Acになります)を求め、この結果を抜取表と比較します。

    OC曲線

    OC曲線の描き方については、関連記事があります。Excel VBAでOC曲線が作れます。


    OC曲線から抜取表を作成

    サンプル数n=20において、各AQLとAcの関係について、
    ●自分で作った結果
    ●JISZ9015-1の主抜取表
    を比較します。

    AQL(%) 自分で
    導出
    JISZ
    9015Z-1
    AQL(%) 自分で
    導出
    JISZ
    9015Z-1
    0.01 0 0 1 1 1
    0.015 0 0 1.5 1 1
    0.025 0 0 2.5 2 1
    0.04 0 0 4 2 2
    0.065 0 0 6.5 3 3
    0.1 0 0 10 4 5
    0.15 0 0 15 6 7
    0.25 0 0 25 8 10
    0.4 1 0 40 12 14
    0.65 1 0 65 16 21

    関連記事にも同じ表を載せています。

    自分で求めた値と、JISZ9015-1 なみ検査(1回抜取方式)を比較します。結構、一致しています。

    結論

    AQLはOC曲線でいうと、
    ロットの合格率L(p)が1-α(α:第1種の誤り)となるときの
    不良率p0のことである

    自信もって、AQL=p0でOKです。

    ③ゆるい検査、きつい検査のAQLはOC曲線のp0に補正した値となる

    ゆるい検査、きつい検査も、なみ検査と同じ結論になりますが、1点注意が必要です。

    AQLが1点で決まらない点に注意。
    ただし、補正すればAQLが1点で決まる。

    OC曲線でなみ検査、ゆるい検査、きつい検査を比較

    同じAQL,同じ合格判定個数Acで、なみ検査、ゆるい検査、きつい検査のOC曲線を描いてみます。

    検査 サンプル数n 合格判定個数Ac AQL(%)
    なみ検査 20 3 6.5
    ゆるい検査 13 3 6.5
    きつい検査 32 3 6.5

    同じAQL,同じ合格判定個数Acでは、サンプル数nがなみ検査、ゆるい検査、きつい検査で異なります。

    AQL

    OC曲線を見ると、ロットの合格率L(p)が1-α(α:第1種の誤り)となるときの不良率p0は、1点で集まっていないことがわかります。

    OC曲線では、合格判定数cを固定して、サンプル数nが変わると曲線の形は変わります。OC曲線の基本です。

    ゆるい検査、きつい検査のOC曲線を補正する

    AQLが1点で決まらない点に注意。
    ただし、補正すればAQLが1点で決まる。

    つまり、グラフの左側にあった、きつい検査を右側にずらし、
    グラフの右側にあった、ゆるい検査を左側にずらすと、
    なみ検査の曲線に近づきます。

    補正した3つの曲線が1つに集まったときの、p0をAQLとすればよいのです。下図にイメージ図を描きます。

    AQL

    AQL

    図はわかりやすいのですが、数学的には問題ないのか?が気になりますので、式でも追跡します。

    ロット合格率L(p)の公式を書きます。
    ●\(L(p)\)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nCr p^r (1-p)^{n-r}\) (なみ検査)

    JISの主抜取表をよく見ると、ゆるい検査ときつい検査は、なみ検査に比べて、AQLの列が1つずれています。つまり、これを補正式として代入します。

    ロット合格率L(p)
    ●\(L(p)\)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nCr p^r (1-p)^{n-r}\) (なみ検査)
    ●\(L(p)\)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nCr (pm)^r (1-pm)^{n-r}\) (ゆるい検査) (0 < m < 1)
    ●\(L(p)\)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nCr (pm)^r (1-pm)^{n-r}\) (きつい検査) (m > 1)

    補正変数mは、主抜取表のAQLの1列のずれを考慮して、標準数\(10^{0.2}\)を入れてみます。
    ●\(L(p)\)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nCr (pm)^r (1-pm)^{n-r}\) (なみ検査) (m=1)
    ●\(L(p)\)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nCr (pm)^r (1-pm)^{n-r}\) (ゆるい検査) (m=\(10^{-0.2}\))
    ●\(L(p)\)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nCr (pm)^r (1-pm)^{n-r}\) (きつい検査) (m=\(10^{0.2}\))

    すると、補正した3つの曲線が1つに集まります。

    AQL

    AQL

    結論

    AQLはOC曲線でいうと、
    ロットの合格率L(p)が1-α(α:第1種の誤り)となるときの
    不良率p0のことである

    自信もって、AQL=p0でOKです。

    以上から、自信もって、AQL=p0でOKとして活用ください。

    まとめ

    調整型抜取検査にて、AQL(合格品質水準)の定義について解説しました。

    • ①AQL(合格品質水準)はOC曲線でいうp0である
    • ②なみ検査のAQLはOC曲線のp0でよい
    • ③ゆるい検査、きつい検査のAQLはOC曲線のp0に補正した値となる

  • 調整型抜取検査の本質がわかる

    調整型抜取検査の本質がわかる

    「調整型抜取検査って、何をやっているのかがわからない」、「検査水準、AQL、検査のきびしさを決める基準がわからない」など困っていませんか? 

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    調整型抜取検査の本質がわかる
    • ①JISや教科書に書いていない、自分で考える抜取検査の項目がある
    • ②JISや教科書に頼る前に、自分で抜取検査が設計できる
    • ③抜取検査は自分で設計してから、JISや教科書を参考にするのが良い
    調整型抜取検査のやり方はJISや抜取検査の教科書に解説してますが、
    その理論や背景は解説していません。
    「なぜ、この検査項目・検査基準で抜取検査したの?」と
    会社で説明が求められると、
    「JISに準拠しました」
    しか答えられないはずです。
    JISに準拠したかどうかではなく、自分でどのように考えて抜取検査を実施したかの説明が求められます。
    しかし、うまく答えられない場合が多いのではないでしょうか?

    自分で抜取検査の理論を理解して、抜取検査を先に自分で設計して、必要な値をJISや教科書を使うようにしたいです。

    ●You tube動画でも解説しています。ご覧ください。

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    本物の「抜取検査」問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方、抜取検査の本質・理論をしっかり学びたい方におススメです。
    今回、【QC検定®合格】「抜取検査」問題集を販売します! 内容は、①二項分布・ポアソン分布、OC曲線、➁多回抜取検査、➂選別型抜取検査、➃計量抜取検査、⑤逐次抜取検査、⑥調整型抜取検査、⑦抜取検査まとめ の7章全47題を演習できる問題集です。しっかり勉強しましょう。

    ①JISや教科書に書いていない、自分で考える抜取検査の項目がある

    JISや教科書で教えてくれること

    調整型抜取検査に限らず、抜取検査は以下の流れで設計するようにと、JISや教科書には書いています。

    1. 品質判定基準を決める
    2. AQL(合格品質水準)を決める
    3. 検査水準を決める
    4. 抜取検査方式を決める
    5. 検査のきびしさを決める

    抜取検査の教科書には上の手順で解説しています。

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    教科書には、下のように解説しています。

    1.品質判定基準を決める

    良品、不良品に区別する規準を決めます。

    2. AQL(合格品質水準)を決める

    AQLを設定する際、抜取検査表にあるAQLの値から適当なAQLを選定します。

    3.検査水準を決める

    一般に検査水準Ⅰ、Ⅱ、Ⅲから選ぶ。特に、指定のないときは、検査水準Ⅱを用います。ただし、特別な水準を使う場合は、特別検査水準S-1、S-2、S-3、S-4を用います。

    4.抜取検査方式を決める

    抜取回数を決めます。1回、2回、多回、逐次などから抜取方式を決めます。

    5.検査のきびしさを決める

    なみ検査、きつい検査、ゆるい検査のうち、どれを適用するかを決めます。基本は、なみ検査から始めます。

    自分で考えて決めないといけないこと

    JISや教科書どおり、上の6項目を決めれたら、
    確かに調整型抜取検査が実施できそうです。

    でも、簡単に自分で決められますか?「なぜ、そう決めた?」と言われたら自信もって説明できますか?おそらく「JIS,教科書に準拠しました」と回答しても、相手は納得しないでしょう。

    相手は、あなたがJISや教科書どおり設定したかを聞いているのではなく、抜取検査項目を設定した技術的かつ論理的な理由を求めているからです。
    1. 品質判定基準を決める
      自社の製品検査では、どうやって決めるの?
    2. AQL(合格品質水準)を決める
      自社の製品検査では、どうやって決めるの?
    3. 検査水準を決める
      自社の製品検査では、どうやって決めるの?
    4. 抜取検査方式を決める
      自社の製品検査では、どうやって決めるの?
    5. 検査のきびしさを決める
      自社の製品検査では、どうやって決めるの?
    6. サンプル、ロットを決める
      自社の製品検査では、どうやって決めるの?
    JISや教科書は抜取検査の方針を解説しているだけで、個々の検査内容はあなたが考えて設計する必要があります。

    JISや教科書には書いていない所を自分で考えて設計するのが一番難しい

    ●JISや教科書は抜取検査の方針を解説しているだけ
    ●検査したい対象を、どう検査するかはあなたが考える必要があります
    JISや教科書には書いていない所を自分で考えて設計するのが一番難しい

    つまり、

    1. 品質判定基準をどう決めるか?
    2. AQL(合格品質水準)をいくらにするか?
    3. 検査水準を何にするか?
    4. 抜取検査方式を何にするか?
    5. 検査のきびしさをどれにするのか?

    を、考えて設計するのが、一番難しいし、本当はここが、一番知りたい!はずです。

    本記事では、一番知りたいところを解説します!

    ②JISや教科書に頼る前に、自分で抜取検査が設計できる

    抜取検査の設計する重要なポイント

    JISや抜取検査の教科書は一旦、離しましょう。
    一旦は自分で考えてみましょう。

    自分で抜取検査を設計する

    自分で、抜取検査を設計しましょう。どんな項目を考えますか?

    ゼロベースで抜取検査を考えると、検査基準と検査方法の2つだけでよいはずです。

    1. 品質判定基準(合否規準)をどう決めるか?
    2. 抜取検査する場合、満たすべき検査条件は何か?

    品質判定基準(合否規準)をどう決めるか?

    検査の合否判定を決めますが、本来、不良品が皆無なら、すべての検査は合格します
    しかし、実際には不良品がある確率で含まれます。

    なので、次の2条件を考えます。
    (i) 検査前の製品・システムの不良率を把握する。
    (ii) 検査後(出荷後)の製品・システムの不良率をいくらにするかを設定する。

    (i)は社内で過去の履歴から不良率は大体わかります。
    (ii)は、出荷後の事故対処の費用と不良率低減のためのコストとの兼ね合いで決めます。よく品質コストと言われるものです。社内会議にて、関係者と協議して決めます。

    品質コストは、
    品質コスト=失敗コスト(事故対処費用)+予防コスト(検査)
    と表現されます。

    品質コストはある不良率pを変数とし、
    失敗コストは不良率の増加とともに増加
    予防コストは、不良率の増加とともに減少
    します。

    品質コストは、下のグラフのように極小値に設定するのが理想です。

    品質コスト

    抜取検査する場合、満たすべき検査条件は何か?

    検査を決める最初の問いは、
    全数検査か、抜取検査か、無試験か?
    ですね。

    検査が必須だが、全部はできないなら、抜取検査を選択します。

    抜取検査は、部分検査でOKとメリットはあるが、
    検査のヌケモレはある確率で発生するデメリットもある。

    検査のヌケモレによる、検査後・出荷後の事故対応を考慮して、検査後・出荷後の事故発生や不良発生確率を見積もる必要があります。

    これが、
    ●第1種の誤り(生産者危険)α
    ●第2種の誤り(消費者危険)β
    が重要なパラメータとなり、
    合否判定をわかりやすくするOC曲線が必須となります。

    抜取検査はOC曲線をベースに考える背景が理解できますね。

    OC曲線

    OC曲線で、合否判定基準を決めると、
    OC曲線に沿う、サンプル数n,合格判定数c,許容不良率AQLが決まってくる。

    ここまで考えると、必要な変数の値が欲しくなります。自分で計算してもよいですが、JISや教科書に値があるので参照すればよいのです。

    ③抜取検査は自分で設計してから、JISや教科書を参考にするのが良い

    1. 品質判定基準をどう決めるか?⇒検査前後の不良率を品質コストや経営の影響を考慮して決めればよい。
    2. AQL(合格品質水準)をいくらにするか?
    3. 検査水準を何にするか?
    4. 抜取検査方式を何にするか?
    5. 検査のきびしさをどれにするのか?⇒2.~5.は、合否基準とするOC曲線に近い条件とすればよい。
    OC曲線で、合否判定基準を決めると、
    OC曲線に沿う、検査水準、検査方式、検査のきびしさも決まります。
    OC曲線で、合否判定基準は自分で設計したから、相手にも不良率や品質コスト、経営の影響の観点から論理的に説明ができます。
    一方、JISや教科書にある検査水準、検査方式、検査のきびしさは、自分で合否判定基準としたOC曲線であれば何でもよく、それほど重要ではありません。
    ただし、学校の試験や資格試験などでは、
    調整型抜取検査の検査水準、検査方式、検査のきびしさが読み取れるかについての問題が、頻出問題なので、使い方ばかり勉強しがちになります。
    ちゃんと考えて抜取検査を設計しましょう。
    モノづくりの日本では、品質の高さが日本の強みですが、
    その品質を保持するための検査の理論がちゃんと書いた書物がほとんどありません。
    JISの使い方より、抜取検査の理論や本質を考えることが重要です。

    まとめ

    調整型抜取検査にて、自分で考えるべき重要なポイントを解説しました。

    • ①JISや教科書に書いていない、自分で考える抜取検査の項目がある
    • ②JISや教科書に頼る前に、自分で抜取検査が設計できる
    • ③抜取検査は自分で設計してから、JISや教科書を参考にするのが良い

  • 調整型抜取検査のなみ検査の主抜取表がわかる

    調整型抜取検査のなみ検査の主抜取表がわかる

    本記事のテーマ

    調整型抜取検査のなみ検査の主抜取表がわかる
    「主抜取表の値の決め方」
    「サンプルサイズ、AQLの値の決め方」
    「抜取表の値の決め方」
    をわかりやすく解説!
    • ①サンプルサイズ、AQLの決め方がわかる
    • ②合格判定数Ac、不合格判定数Reの決め方がわかる
    • ③合格判定数Ac、不合格判定数Reの工夫しているところがわかる
    主抜取表の値の作り方は、どこにも書いていません。QCプラネッツで研究してわかったことをお伝えします。

    ●You tube動画も確認ください。

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    調整型抜取表1回なみ

    ①サンプルサイズ、AQLの決め方がわかる

    サンプルサイズ

    主抜取表を見ると、サンプル文字とサンプルサイズをまとめた表があります。

    文字 サイズ 文字 サイズ
    A 2 K 125
    B 3 L 200
    C 5 M 315
    D 8 N 500
    E 13 P 800
    F 20 Q 1250
    G 32 R 2000
    H 50
    J 80

    (合格品質限界)AQL

    主抜取表を見ると、AQLの値は下表のようになっています。

    0.01 0.1 1 10 100
    0.015 0.15 1.5 15 150
    0.025 0.25 2.5 25 250
    0.04 0.4 4 40 400
    0.065 0.65 6.5 65 650

    サンプルサイズとAQLの決め方

    標準数で決めています。
    ですが、標準数でなければならない義務はなく、
    使いやすい主抜取表になるように、好きな値を決めてよいです。

    この場合の標準数は10の0.2乗である1.58としています。
    \(10^{0.2×0}\)=1
    \(10^{0.2×1}\)=1.5
    \(10^{0.2×2}\)=2.5
    \(10^{0.2×3}\)=4
    \(10^{0.2×4}\)=6.5
    \(10^{0.2×5}\)=10
    と見ると、確かにサンプルサイズ、AQLの値に一致しますね。

    ただし、別に、値は何でもOKです。
    1⇒2⇒4⇒8⇒16⇒32⇒…とか
    1⇒2⇒5⇒10⇒20⇒50⇒100⇒…とか
    でもOKです。

    ISOやJISの規格はみんなが使いやすいようにするために標準数を使っています。
    あなたが、使いやすい抜取表を作ってもOKです。

    標準数については、関連記事で解説しています。ご確認ください。

    【重要】抜取検査に欠かせない標準数がわかる
    規準型抜取検査や調整型抜取検査の抜取表の範囲や区分を作る方法を解説します。

    ②合格判定数Ac、不合格判定数Reの決め方がわかる

    合格判定数Ac、不合格判定数ReはOC曲線から求める

    抜取検査はすべてOC曲線から始まります。

    図で確認しましょう。計数抜取検査で不良率について考えます。二項分布のOC曲線を下図に出します。

    OC曲線

    OC曲線の(n,c)と第1種の誤りαになる不良率p0が重要です。
    ●n=サンプルサイズ
    ●c=合格判定数Ac
    ●不合格判定数Re=Ac+1
    ●p0=AQL(合格品質限界)

    となります。

    サンプルサイズn,合格判定数c,合格品質限界AQLを求めるために、たくさんOC曲線を描けば、主抜取表が作れます。

    抜取表は実際作ってみた方が、理解は深まりますね。

    OC曲線から実際に合格判定数Ac、不合格判定数Reを求める

    1回抜取方式で、実際にOC曲線を描きながら、主抜取表を作ってみます。

    OC曲線の描き方については、関連記事があります。Excel VBAでOC曲線が作れます。

    OC曲線自動生成プログラム OC曲線の自動作成プログラムの使い方を解説します!

    OC曲線からAQLを導出

    n=20、c=0,1,2,…,19の場合のOC曲線を描きます。

    OC曲線

    OC曲線の左側がc=0で右側に行くにつ入れてcが増えますね。

    次に、第1種の誤りαである、合格率が1-α=95%の不良率pを求めます。

    c P0
    (AQL)
    c P0
    (AQL)
    c P0
    (AQL)
    c P0
    (AQL)
    0 0.26 5 13.96 10 34.69 15 59.9
    1 1.81 6 17.73 11 39.36 16 65.63
    2 4.22 7 21.71 12 44.2 17 71.74
    3 7.14 8 25.86 13 49.22 18 78.39
    4 10.41 9 30.2 14 54.44 19 86.09

    次に、AQLを満たすcを見ます。すると、AQLから合格判定数Acがわかります。

    AQL(%) 自分で
    導出
    JISZ
    9015Z-1
    AQL(%) 自分で
    導出
    JISZ
    9015Z-1
    0.01 0 0 1 1 1
    0.015 0 0 1.5 1 1
    0.025 0 0 2.5 2 1
    0.04 0 0 4 2 2
    0.065 0 0 6.5 3 3
    0.1 0 0 10 4 5
    0.15 0 0 15 6 7
    0.25 0 0 25 8 10
    0.4 1 0 40 12 14
    0.65 1 0 65 16 21

    自分で求めた値と、JISZ9015-1 なみ検査(1回抜取方式)を比較します。結構、一致しています。
    主抜取表の作り方が理解できましたね。

    ③合格判定数Ac、不合格判定数Reの工夫しているところがわかる

    主抜取表を対角線上で見ると、合格判定数Ac、不合格判定数Reがそろっています。

    使いやすさのためにうまく作られています。
    また、対角線上に同じ合格判定数Ac、不合格判定数Reとなるように、サンプルサイズ、AQLの幅を標準数を使っているのがわかります。

    主抜取表の一部を見てみましょう。

    文字 サイズ AQL(Ac,Re)
    1 1.5 2.5 4 6.5
    D 8 1,2
    E 13 1,2 2,3
    F 20 1,2 2,3 3,4
    G 32 1,2 2,3 3,4 5,6
    H 50 1,2 2,3 3,4 5,6 7,8

    確かに、合格判定数Ac、不合格判定数Re数が対角線上では同じであることがわかります。

    数学的な理論では説明できず、何度も試行錯誤の結果、見やすい主抜取表ができたと考えられます。 主抜取表は努力の結晶です。

    まとめ

    調整型抜取検査のなみ検査の主抜取表について解説しました。

    • ①サンプルサイズ、AQLの決め方がわかる
    • ②合格判定数Ac、不合格判定数Reの決め方がわかる
    • ③合格判定数Ac、不合格判定数Reの工夫しているところがわかる
  • 計量抜取検査がすべてわかる【まとめ】

    計量抜取検査がすべてわかる【まとめ】

    本記事のテーマ

    計量抜取検査がすべてわかる【まとめ】
    計量抜取検査(JISZ9003,JISZ9004)
    の本質がよくわかる!
    • ①計量抜取検査の基礎がわかれば自力で導出・設計できる
    • ②計量抜取検査は4つのパターンをおさえる
    • ③計量抜取検査をマスターできるテキストのご紹介

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    ①計量抜取検査の基礎がわかれば自力で導出・設計できる

    計量抜取検査はJISZ9003,JISZ9004に規定

    JIS規格を読むと、内容が多く、難解な図やグラフがあります。
    エッセンスは本記事でおさえましょう。エッセンスがわかれば、
    JISZ9003,JISZ9004を読まなくても自力で計量抜取検査は設計できます。

    計量抜取検査はモデル図が最重要

    計量抜取検査では、規準となる2つの平均・分布の関係を式にします。
    検定力でも同じ図を使うので、このモデル図から関係式を導出する流れをおさえましょう。

    計量抜取検査

    図からは、
    ①Uについて2つの式
    U=\(μ_0\)+\(K_{p0}\)σ
    U=\(μ_1\)+\(K_{p1}\)σ

    ②\(X_U\)について2つの式,
    \(X_U\)=\(μ_0\)+\(K_α\)\(σ_{\bar{x}}\)
    \(X_U\)=\(μ_1\)-\(K_β\)\(σ_{\bar{x}}\)

    ③また、\(σ_{\bar{x}}\)は
    \(σ_{\bar{x}}\)=σ/\(\sqrt{n}\)
    の関係式はモデル図をみれば作れます。

    これらの関係式から、サンプル数nと合格判定係数k、合格判定値\(X_U\)についての式を導出します。

    計量抜取検査はモデル図が描ければ、自力で設計できることが重要です。複雑な公式の暗記は不要です。

    ②計量抜取検査は4つのパターンをおさえる

    標準偏差σが、既知(JISZ9003)or未知(JISZ9004)の2パターン
    与えられた値が、規格値or合格判定値の2パターン
    の2×2=4パターンをおさえる

    4パターンは
    ●(Ⅰ):標準偏差σが既知で、上下限規格値が与えられた場合
    ●(Ⅱ):標準偏差σが既知で、上下限合格判定値が与えられた場合
    ●(Ⅲ):標準偏差σが未知で、上下限規格値が与えられた場合
    ●(Ⅳ):標準偏差σが未知で、上下限合格判定値が与えられた場合
    があります。

    4パターンにおいて、それぞれ「上」、「下」の2パターンがあるので、全部で8個の解法を習得したいです。

    それぞれの手法を学ぶ前に、このパターン分けを理解しましょう。

    ③計量抜取検査をマスターできるテキストのご紹介

    ブログ記事でまとめていましたが、PDFとしてまとめました。ダウンロードして学習ください。

    計量抜取検査の流れが理解できる関連記事を紹介します。上から下に沿って、それぞれの関連記事を読んでいってください。

    以前、ブログ記事としていましたが、まとめて冊子にしました。
    どれも重要なテーマなので勉強しましょう!

    【QCプラネッツ計量抜取検査プレミアム勉強プリント】リンク

    テキストの内容一覧です。

    No ブログ記事リンク 既知/
    未知
    規格値/
    判定値
    上/下
    1 計量抜取検査でOC曲線のサンプル数と合格判定個数の関係がわかる
    2 JISZ9003計量規準型一回抜取検査の抜取表にあるn,kが計算できる
    3 JISZ9003計量抜取検査(標準偏差既知)で上限規格値が既知の抜取方式 既知 規格値
    4 JISZ9003計量抜取検査(標準偏差既知)で下限規格値が既知の抜取方式 既知 規格値
    5 JISZ9003計量抜取検査(標準偏差既知)で上限合格判定値が既知の抜取方式 既知 判定値
    6 JISZ9003計量抜取検査(標準偏差既知)で下限合格判定値が既知の抜取方式 既知 判定値
    7 JISZ9004計量抜取検査(標準偏差未知)で上下限規格値が既知の抜取方式の理論 未知
    8 JISZ9004計量抜取検査(標準偏差未知)で上限規格値が既知の抜取方式 未知 規格値
    9 JISZ9004計量抜取検査(標準偏差未知)で下限規格値が既知の抜取方式 未知 規格値
    10 JISZ9004計量抜取検査(標準偏差未知)で上限合格判定値が既知の抜取方式 未知 判定値
    11 JISZ9004計量抜取検査(標準偏差未知)で下限合格判定値が既知の抜取方式 未知 判定値

    一緒に勉強しましょう。

    まとめ

    計量抜取検査のエッセンスが理解できて、自力で計算・設計できるポイントを解説しました。JISZ9003,JISZ9004のエッセンスがすべて理解できるはずです。

    • ①計量抜取検査の基礎がわかれば自力で導出・設計できる
    • ②計量抜取検査は4つのパターンをおさえる
    • ③計量抜取検査をマスターできるテキストのご紹介
  • 【まとめ】選別型抜取検査がわかる

    【まとめ】選別型抜取検査がわかる

    「選別型抜取検査がよくわからない」、「規準型抜取検査との違いがよくわからない」など、困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【重要】選別型抜取検査がわかる

    教科書で選別型抜取検査を読んでも、いまいちメリットがわかりません。
    また、AOQ,AOQLという変数も出てきて、調整型抜取検査のAQLと混同します。

    選別型抜取検査のメリットと特徴を本記事で明確に解説します。また、OC曲線・二項分布・ポアソン分布から数式を使って理論や背景を解説します。

    本記事は、選別型抜取検査のまとめ記事になります。本記事の内容をおさえておけばOKです。

    【重要】選別型抜取検査がわかる

    • ➀選別型抜取検査とは何か?メリットは?
    • ②選別型抜取検査の特徴(AOQと不良率pの関係)
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    本物の「抜取検査」問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方、抜取検査の本質・理論をしっかり学びたい方におススメです。
    今回、【QC検定®合格】「抜取検査」問題集を販売します! 内容は、①二項分布・ポアソン分布、OC曲線、➁多回抜取検査、➂選別型抜取検査、➃計量抜取検査、⑤逐次抜取検査、⑥調整型抜取検査、⑦抜取検査まとめ の7章全47題を演習できる問題集です。しっかり勉強しましょう。

    ➀選別型抜取検査とは何か?メリットは?

    1. 規準型抜取検査より検査後の不良率を低減できること
    2. 規準型抜取検査より検査量は増える

    規準型抜取検査より検査後の不良率を低減できること

    平均出検品質(AOQ)が不良率pより小さくできること

    つまり、検査後の不良率であるAOQは、検査対象の不良率pより小さいため、検査後の不良率を低減することができます。

    その代わり、抜取検査から全数検査に切り替える手間が増えます。

    検査後の不良率を低減するための変数として、
    平均出検品質(AOQ)
    平均出検品質限界(AOQL)
    があります。

    詳細は、関連記事で解説しています。

    選別型抜取検査(JISZ9015)の平均出検品質AOQがわかる
    選別型抜取検査(JISZ9015)の平均出検品質AOQや平均出検品質限界(AOQL)が何かを説明できますか? 本記事では、選別型抜取検査の基本である平均出検品質AOQや平均出検品質限界(AOQL)をわかりやすく解説しました。選別型抜取検査の特徴を理解したい方は必見です。

    規準型抜取検査より検査量は増える

    検査後の不良率はp→pL(p)となるので低減できるが、
    不良があった時点で全数検査に切り替える分、平均検査量は増加する。

    平均検査量Iという変数を使って、選別型抜取検査の検査量を解いていきます。

    詳細は、関連記事で解説しています。

    選別型抜取検査(JISZ9015)の平均検査量がわかる
    選別型抜取検査(JISZ9015)の平均検査量と平均検査量を最小化する不良率との関係を説明できますか? 本記事では、選別型抜取検査の平均検査量と平均検査量を最小化する不良率との関係をわかりやすく解説します。選別型抜取検査の特徴を理解したい方は必見です。

    ②選別型抜取検査の特徴(AOQと不良率pの関係)

    平均出検品質AOQと平均出検品質限界AOQLについて、不良率pとの関係をプロットすることができます。

    また、そのプロットには、サンプル数nによってさまざまな曲線が描けます。サンプル数と検査後の不良率であるAOQの関係がわかります。

    ロット合格率L(p)は二項分布とポアソン分を使います。教科書は、ほぼ二項分布だけしか紹介していませんが、QCプラネッツではポアソン分布の場合も解説します。

    二項分布については、関連記事の解説を読んでください。

    平均出検品質AOQと抜取個数の関係がわかる(二項分布)
    二項分布について選別型抜取検査(JISZ9015)の平均出検品質AOQと平均出検品限界質AOQLを解析的に導出します。教科書ではグラフだけ見せて終わることが多いですが、実際に式から導出します。選別型抜取検査をマスターしたい方は必見です。

    ポアソン分布については、関連記事の解説を読んでください。

    平均出検品質AOQと抜取個数の関係がわかる(ポアソン分布)
    ポアソン分布について選別型抜取検査(JISZ9015)の平均出検品質AOQと平均出検品限界質AOQLを解析的に導出します。教科書ではグラフだけ見せて終わることが多いですが、実際に式から導出します。選別型抜取検査をマスターしたい方は必見です。

    まとめ

    選別型抜取検査(JISZ9015)に必要なエッセンスを解説しました。

    • ➀選別型抜取検査とは何か?メリットは?
    • ②選別型抜取検査の特徴(AOQと不良率pの関係)

  • 平均出検品質AOQと抜取個数の関係がわかる(ポアソン分布)

    平均出検品質AOQと抜取個数の関係がわかる(ポアソン分布)

    「平均出検品質AOQって何?」、「平均出検品質AOQ、平均出検品限界質AOQLって何?」などがわからず、困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    選別型抜取検査(JISZ9015)の平均出検品質AOQと抜取個数の関係がわかる

    >選別型抜取検査(JISZ9015)の平均出検品質AOQと抜取個数の関係がわかる(二項分布)

    • ➀平均出検品質AOQを定義
    • ②平均出検品限界質AOQLを導出
    • ③平均出検品質AOQと抜取個数との関係をプロット(ポアソン分布)
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    本物の「抜取検査」問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方、抜取検査の本質・理論をしっかり学びたい方におススメです。
    今回、【QC検定®合格】「抜取検査」問題集を販売します! 内容は、①二項分布・ポアソン分布、OC曲線、➁多回抜取検査、➂選別型抜取検査、➃計量抜取検査、⑤逐次抜取検査、⑥調整型抜取検査、⑦抜取検査まとめ の7章全47題を演習できる問題集です。しっかり勉強しましょう。

    ➀平均出検品質AOQを定義

    AOQとは、「検査後の不良率」で
    選別型抜取検査の場合
    AOQ=pL(p)
    p:不良率
    L(p):ロットの不良率
    で表現できます。

    詳細は、関連記事にありますので、確認ください。

    関連記事「平均出検品質AOQと抜取個数の関係がわかる(二項分布)」も読んで確認しましょう。本記事は、関連記事のポアソン分布版です。

    ②平均出検品限界質AOQLを導出

    関連記事「平均出検品質AOQと抜取個数の関係がわかる(二項分布)」も読んで確認しましょう。本記事は、関連記事のポアソン分布版です。

    ③平均出検品質AOQと抜取個数との関係をプロット(ポアソン分布)

     

    AOQLの導出は、

    \(\frac{d}{dp} pL(p)\)=0
    L(p)+p \(\frac{d}{dp} L(p)\)=0
    \( \sum_{r=0}^{c} \frac{e^{-np} (np)^r}{ r!}\)
    + \( \sum_{r=0}^{c} \frac{e^{-np} (-np+r)}{r!}(np)^r\)
    =0

    を満たす、pを求めて、そのpに該当するAOQL=pL(p)を求めます。ただし、式が複雑なので、抜取個数cをc=0,1,2の場合について1つずつ求めてみます。

    抜取個数c=0の場合のAOQとAOQLを求める

    \( \sum_{r=0}^{0} \frac{e^{-np} (np)^0}{ 0!}\)
    + \( \sum_{r=0}^{0} \frac{e^{-np} (-np+0)}{0!}(np)^0\)
    =0

    \( e^{-np} \) + \( e^{-np} (-np)\)
    =0

    1-np=0
    p=1/n

    AOQLを求めます。
    AOQL=pL(p)
    =p \( \sum_{r=0}^{0} \frac{e^{-np} (np)^0}{ 0!}\)
    = \(\frac{1}{n} ftac{1}{e}\)

    AOQ曲線を描いてAOQLをプロットしましょう。
    AOQ= p \( \sum_{r=0}^{c} \frac{e^{-np} (np)^r}{ r!}\)

    aoq

    AOQLはp=1/nのとき、L(p)=\(\frac{1}{n×e}\)です。下表に数値をまとめると、確かにグラフと一致しています。

    n p(=1/n) AOQL(=1/ne e=2.718)
    1 1 0.368
    2 0.5 0.183
    3 0.33 0.122
    4 0.25 0.092
    5 0.2 0.074
    8 0.125 0.046

    抜取個数c=1の場合のAOQとAOQLを求める

    \( \sum_{r=0}^{1} \frac{e^{-np} (np)^r}{ r!}\)
    + \( \sum_{r=0}^{1} \frac{e^{-np} (-np+r)}{r!}(np)^r\)
    =0

    \( e^{-np} \) {\(\frac{(np)^0}{0!}\)+ \(\frac{(np)^1}{1!}\)
    +\(\frac{(-np+0)(np)^0}{0!}\)+ \(\frac{(-np+1)(np)^1}{1!}\)}
    =0

    \((np)^2-(np)-1\)=0
    p=\(\frac{1+\sqrt{5}}{2n}\) (p>0)
    このpの値がAOQLを満たす値です。

    AOQLとなるpの値が複雑なので、AOQのグラフを描きます。
    AOQ= p \( \sum_{r=0}^{c} \frac{e^{-np} (np)^r}{ r!}\)

    プロットしましょう。

    aoq

    抜取個数c=2の場合のAOQとAOQLを求める

    \( \sum_{r=0}^{2} \frac{e^{-np} (np)^r}{ r!}\)
    + \( \sum_{r=0}^{2} \frac{e^{-np} (-np+r)}{r!}(np)^r\)
    =0

    \( e^{-np} \) {\(\frac{(np)^0}{0!}\)+ \(\frac{(np)^1}{1!}\)
    + \(\frac{(np)^2}{2!}\)
    +\(\frac{(-np+0)(np)^0}{0!}\)+ \(\frac{(-np+1)(np)^1}{1!}\)
    \(\frac{(-np+2)(np)^2}{2!}\)}
    =0

    計算すると、
    \((np)^2+(1-r)(np)-2r=0\)
    p=\(\frac{-(1-r)+\sqrt{(1-r)^2+8r}}{2n}\)
    このpの値がAOQLを満たす値です。

    AOQLとなるpの値が複雑なので、AOQのグラフを描きます。
    AOQ= p \( \sum_{r=0}^{c} \frac{e^{-np} (np)^r}{ r!}\)

    プロットしましょう。

    aoq

    抜取個数c=0,1,2について、AOQを調べると
    最大値があることがわかります。この値をAOQLとしています。

    「平均出検品質AOQって何?」、「平均出検品質AOQ、平均出検品限界質AOQLって何?」などがわからず、困っていませんか?

    まとめ

    二項分布について選別型抜取検査(JISZ9015)の平均出検品質AOQと平均出検品限界質AOQLを導出しました。

    • ➀平均出検品質AOQを定義
    • ②平均出検品限界質AOQLを導出
    • ③平均出検品質AOQと抜取個数との関係をプロット(ポアソン分布)

  • 平均出検品質AOQと抜取個数の関係がわかる(二項分布)

    平均出検品質AOQと抜取個数の関係がわかる(二項分布)

    「平均出検品質AOQって何?」、「平均出検品質AOQ、平均出検品限界質AOQLって何?」などがわからず、困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    選別型抜取検査(JISZ9015)の平均出検品質AOQと抜取個数の関係がわかる

    >選別型抜取検査(JISZ9015)の平均出検品質AOQと抜取個数の関係がわかる(二項分布)

    • ➀平均出検品質AOQを定義
    • ②平均出検品限界質AOQLを導出
    • ③平均出検品質AOQと抜取個数との関係をプロット(二項分布)
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    ➀平均出検品質AOQを定義

    AOQとは、「検査後の不良率」で
    選別型抜取検査の場合
    AOQ=pL(p)
    p:不良率
    L(p):ロットの不良率
    で表現できます。

    詳細は、関連記事にありますので、確認ください。

    選別型抜取検査(JISZ9015)の平均出検品質AOQがわかる
    選別型抜取検査(JISZ9015)の平均出検品質AOQや平均出検品質限界(AOQL)が何かを説明できますか? 本記事では、選別型抜取検査の基本である平均出検品質AOQや平均出検品質限界(AOQL)をわかりやすく解説しました。選別型抜取検査の特徴を理解したい方は必見です。

    AOQ=pL(p)と簡単な式であるが、
    L(p)= \( \sum_{r=0}^{c} {}_nC_r p^r (1-p)^{n-r}\) (二項分布)
    L(p)= \( \sum_{r=0}^{c} e^{(-np)}\frac{(np)^r}{r!}\) (ポアソン分布)
    と複雑な式が入る点に注意が必要です。

    ②平均出検品限界質AOQLを導出

    不良率pを横軸、AOQをy軸にプロットすると、最大値があります。
    これを平均出検品限界質AOQLといいます。

    平均出検品限界質AOQLを導出

    \(\frac{d}{dp} pL(p)\)=0が、AOQLを求める条件です。

    L(p)が二項分布の場合
    \(\frac{d}{dp} pL(p)\)=0
    \( \sum_{r=0}^{c} {}_nC_r p^r (1-p)^{n-r}\)
    +p\( \sum_{r=0}^{c} {}_nC_r (r p^{r-1} (1-p)^{n-r}+(n-r)p^r (1-p)^{n-r-1})\)
    =0

    L(p)がポアソン分布の場合

    \(\frac{d}{dp} pL(p)\)=0
    \( \sum_{r=0}^{c} \frac{e^{-np} (np)^r}{ r!}\)
    + \( \sum_{r=0}^{c} \frac{e^{-np} (-np+r)}{r!}(np)^r\)
    =0

    非常に複雑な式になります。

    微分の途中経過がわからない場合は、関連記事に解説しています。

    ③平均出検品質AOQと抜取個数との関係をプロット(二項分布)

    AOQLの導出は、
    \(\frac{d}{dp} pL(p)\)=0
    \( \sum_{r=0}^{c} {}_nC_r p^r (1-p)^{n-r}\)
    +p\( \sum_{r=0}^{c} {}_nC_r (r p^{r-1} (1-p)^{n-r}+(n-r)p^r (1-p)^{n-r-1})\)
    =0
    を満たす、pを求めて、そのpに該当するAOQL=pL(p)を求めます。ただし、式が複雑なので、抜取個数cをc=0,1,2の場合について1つずつ求めてみます。

    抜取個数c=0の場合のAOQとAOQLを求める

    \(\frac{d}{dp} pL(p)\)=0
    \( \sum_{r=0}^{0} {}_nC_r p^r (1-p)^{n-r}\)
    +p\( \sum_{r=0}^{0} {}_nC_r (r p^{r-1} (1-p)^{n-r}+(n-r)p^r (1-p)^{n-r-1})\)
    =0

    \( \sum_{r=0}^{0}\)を外し、両辺を
    \({}_nC_r, p^r, (1-p)^{n-r-1}\)で割ります。

    p=\(\frac{r+1}{n+1}\)=\(\frac{1}{n+1}\)
    (c=0よりr=0)
    となります。

    AOQ=pL(p)
    =p \( \sum_{r=0}^{0} {}_nC_0 p^0 (1-p)^{n-0}\)
    =p (1-p)^n
    =\(\frac{1}{n+1} (\frac{n}{n+1})^n\)

    プロットしましょう。

    AOQ

    抜取個数c=1の場合のAOQとAOQLを求める

    \(\frac{d}{dp} pL(p)\)=0
    \( \sum_{r=0}^{1} {}_nC_r p^r (1-p)^{n-r}\)
    +p\( \sum_{r=0}^{1} {}_nC_r (r p^{r-1} (1-p)^{n-r}+(n-r)p^r (1-p)^{n-r-1})\)
    =0

    \({}_nC_0 p^0 (1-p)^{n-0}+{}_nC_1 p^1 (1-p)^{n-1}\)
    +p\( {}_nC_0 (n-0)p^0 (-1) (1-p)^{n-0-1}\)
    + p\( {}_nC_1 (1 p^{1-1} (1-p)^{n-1}+(n-1)p^1 (-1)(1-p)^{n-1-1})\)
    =0

    両辺を
    \((1-p)^{n-2}\)で割ります。

    \((1-n^2)p^2+(n-2)p+1=0\)

    p>0に注意して
    p=\(\frac{(2-n)+\sqrt{5n^2-4n}}{2(1-n^2 )}\)

    AOQ=pL(p)
    にpを代入したいですが、複雑すぎるため、直接プロットしましょう。

    AOQ=pL(p)
    \( p\sum_{r=0}^{1} {}_nC_r p^r (1-p)^{n-r}\)
    をグラフに描きます。

    AOQ

    抜取個数c=2の場合のAOQとAOQLを求める

    \(\frac{d}{dp} pL(p)\)=0
    \( \sum_{r=0}^{2} {}_nC_r p^r (1-p)^{n-r}\)
    +p\( \sum_{r=0}^{2} {}_nC_r (r p^{r-1} (1-p)^{n-r}+(n-r)p^r (1-p)^{n-r-1})\)
    =0

    \({}_nC_0 p^0 (1-p)^{n-0}+{}_nC_1 p^1 (1-p)^{n-1}\)
    \(+{}_nC_2 p^2 (1-p)^{n-2}\)
    +p\( {}_nC_0 (n-0)p^0 (-1)(1-p)^{n-0-1}\)
    + p\( {}_nC_1 (1 p^{1-1} (1-p)^{n-1}+(n-1)p^1 (-1)(1-p)^{n-1-1})\)
    + p\( {}_nC_2 (2 p^{2-1} (1-p)^{n-2}+(n-2)p^2 (-1)(1-p)^{n-2-1})\)
    =0

    ちょっときついですね、計算してもpの3次式になり、
    方程式の解が求めることができません。

    AOQ=pL(p)
    \( p\sum_{r=0}^{2} {}_nC_r p^r (1-p)^{n-r}\)
    をグラフに描きます。
    AOQ

    抜取個数c=0,1,2について、AOQを調べると
    最大値があることがわかります。この値をAOQLとしています。

    まとめ

    二項分布について選別型抜取検査(JISZ9015)の平均出検品質AOQと平均出検品限界質AOQLを導出しました。

    • ➀平均出検品質AOQを定義
    • ②平均出検品限界質AOQLを導出
    • ③平均出検品質AOQと抜取個数との関係をプロット(二項分布)

  • 選別型抜取検査(JISZ9015)の平均検査量がわかる

    選別型抜取検査(JISZ9015)の平均検査量がわかる

    「平均検査量って何?」、「平均検査量の最小化と不良率との関係がよくわからない」と選別型抜取検査の平均検査量がわからず、困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    選別型抜取検査(JISZ9015)の平均検査量がわかる

    選別型抜取検査(JISZ9015)の平均検査量がわかる

    • ➀平均検査量を導出
    • ②平均検査量の最小値(二項分布)を導出
    • ③平均検査量の最小値(ポアソン分布)を導出
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    ➀平均検査量を導出

    平均検査量を定義

    選別型抜取検査では、抜取回数が変わるため、平均検査量を評価する必要があります。

    平均検査量I=(抜取個数)×(ロットの合格率)+ (全体個数)×(ロットの不合格率)
    で定義します。

    n=(抜取個数) (n L(p)= (ロットの合格率)
    N=(全体個数)
    1-L(p)= (ロットの不合格率)
    とすると、

    I= nL(p) + N(1-L(p))
    となります。

    また、
    I=n-n+ nL(p) + N(1-L(p))
    と変形すると、
    I=n-n(1-L(p))+N(1-L(p))
    I=n+(N-n)(1-L(p))
    と変形ができます。
    よく教科書に出る式ですね。

    規準型抜取検査で平均検査量を導出

    なお、規準型抜取検査で平均検査量を導出してみます。

    平均検査量I=(抜取個数)×(ロットの合格率)+ (全体個数)×(ロットの不合格率)
    I= nL(p) + n(1-L(p))
    I=n
    となります。

    規準型抜取検査は全数個数抜き取らないので、個数は抜取数nとします。

    規準型抜取検査はn個検査しますので、I=nになるのは当然です。

    選別抜取検査の平均検査量は規準型抜取検査の検査量より多い

    選別抜取検査のメリットは、規準型抜取検査より検査量が多いことです。

    平均検査量Iについては、関連記事で解説しています。

    2回抜取検査の第1サンプルの合格判定数acが導出できる
    JISZ9015 AQL指標型抜取検査方式の2回抜取検査の第1サンプルのac,reを決める方法を知っていますか?単に抜取表の使い方だけしか知らないままでしょうか?本記事では、OC曲線や平均検査量を使って、合格判定数の決め方を解説しています。多回抜取検査について知りたい方は必見です。

    平均検査量Iを比較すると
    ●選別型抜取検査I1= n+(N-n)(1-L(p))
    ●規準型抜取検査I2= n
    より
    I1– I2
    =(N-n)(1-L(p)) >0
    より、
    選別抜取検査の平均検査量は規準型抜取検査の検査量より多くなります。

    平均検査量Iが規準型抜取検査より多くなるデメリットがある分、
    途中で全数検査に切り替えることによる検査後にすり抜ける不良率を低減するメリットがあります。

    どんな手法も必ず、一長一短があるので、手法どうしを比較しながら理解していきましょう。

    ②平均検査量の最小値(二項分布)を導出

    平均検査量Iを最小にする不良率p

    平均検査量Iを最小にする不良率pを考えます。

    \(\frac{dI}{dp}\)
    =\(\frac{d}{dp} (nL(p)+N(1-L(p))) \)
    = (n-N)\(\frac{d}{dp} L(p) \)
    =(*)

    L(p)= \( \sum_{r=0}^{c} {}_nC_r p^r (1-p)^{n-r}\)を代入します。
    (*)=(n-N) \( \sum_{r=0}^{c} {}_nC_r (rp^{r-1} (1-p)^{n-r}+ p^r (n-r)(-1)(1-p)^{n-r-1})\)
    =(n-N) \( \sum_{r=0}^{c} {}_nC_r p^{r-1} (1-p)^{n-r-1} (r-pn)\)

    \(\frac{dI}{dp}\)=0の条件は、
    r-pn=0
    つまり、p=r/n
    のときです。
    よって、
    p=r/n
    の場合が、平均検査量Iが最小になります。

    平均検査量Iが最小になる意味

    p=r/n のとき、\(\frac{dI}{dp}\)=0となり、
    平均検査量Iは最小になります。

    これはどういう意味か?を考えます。
    rは変数で0から合格判定個数ac2まで変わる整数値です。
    0 ≤ r ≤ ac2
    サンプル数nと合格判定個数ac2との比が不良率pになるように調整すると、
    平均検査量をおさえることができるとわかります。

    ac2=4個,n=100個とすると
    p =r/n ≤ ac2/n=4/100=4%
    くらいで見ておくと、平均検査量Iを小さくできます。

    ③平均検査量の最小値(ポアソン分布)を導出

    平均検査量Iを最小にする不良率p

    平均検査量Iを最小にする不良率pを考えます。

    \(\frac{dI}{dp}\)
    =\(\frac{d}{dp} (nL(p)+N(1-L(p))) \)
    = (n-N)\(\frac{d}{dp} L(p) \)
    =(*)

    L(p)= \( \sum_{r=0}^{c} e^{(-np)}\frac{(np)^r}{r!}\)を代入します。
    (*)=(n-N) \( \sum_{r=0}^{c} ((-n)e^{-(np)}\frac{(np)^r}{r!}\)
    +\(e^{-(np)}\frac{r n^r p^{r-1}}{r!}\))
    =(n-N) \( \sum_{r=0}^{c} e^{-(np)} \frac{n^rp^{r-1}}{r!} (r-pn)\)

    \(\frac{dI}{dp}\)=0の条件は、
    r-pn=0
    つまり、p=r/n
    のときです。
    よって、
    p=r/n
    の場合が、平均検査量Iが最小になります。

    二項分布の場合と同じ結果になりました。

    平均検査量Iが最小になる意味

    二項分布の場合と同じですが、再掲します。

    p=r/n のとき、\(\frac{dI}{dp}\)=0となり、
    平均検査量Iは最小になります。

    これはどういう意味か?を考えます。
    rは変数で0から合格判定個数ac2まで変わる整数値です。
    0 ≤ r ≤ ac2
    サンプル数nと合格判定個数ac2との比が不良率pになるように調整すると、
    平均検査量をおさえることができるとわかります。

    ac2=4個,n=100個とすると
    p =r/n ≤ ac2/n=4/100=4%
    くらいで見ておくと、平均検査量Iを小さくできます。

    まとめ

    選別型抜取検査(JISZ9015)の平均検査量について解説しました。

    • ➀平均検査量を導出
    • ②平均検査量の最小値(二項分布)を導出
    • ③平均検査量の最小値(ポアソン分布)を導出

  • 選別型抜取検査(JISZ9015)の平均出検品質AOQがわかる

    選別型抜取検査(JISZ9015)の平均出検品質AOQがわかる

    「平均出検品質AOQって何?」、「平均出検品質AOQを求めるメリットは何?」と選別型抜取検査や平均出検品質AOQの意義がわからず、困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    選別型抜取検査(JISZ9015)の平均出検品質AOQがわかる

    選別型抜取検査(JISZ9015)の平均出検品質AOQがわかる

    • ➀平均出検品質(AOQ)とは検査後の不良率
    • ②規準型抜取検査と選別型抜取検査の平均出検品質(AOQ)
    • ③平均出検品質限界(AOQL)の導出
    • ④平均出検品質(AOQ)と平均出検品質限界(AOQL)の関係
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    QC検定®1級合格したい方、抜取検査の本質・理論をしっかり学びたい方におススメです。
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    ➀平均出検品質(AOQ)とは検査後の不良率

    選別型抜取検査に出て来る難解な用語

    平均検査量I、許容不良率LTPD(Lot Torelance Percent Defective)、平均出検品質(AOQ)、平均出検品質限界(AOQL)をよく使います。難しいし、すぐ忘れるので、簡単にまとめます。

    (1)平均検査量I:選別抜取検査は2回抜取検査するため、検査量の期待値を計算する必要がある。
    (2) 許容不良率LTPD:第2種の誤り(消費者危険)となる不良率pのこと。(L(p)=βのときのp)
    (3) 平均出検品質(AOQ):検査後の不良率
    (4) 平均出検品質限界(AOQL): 平均出検品質(AOQ)は最大値を持ち、その値のこと

    平均検査量Iについては、関連記事で解説しています。

    2回抜取検査の第1サンプルの合格判定数acが導出できる
    JISZ9015 AQL指標型抜取検査方式の2回抜取検査の第1サンプルのac,reを決める方法を知っていますか?単に抜取表の使い方だけしか知らないままでしょうか?本記事では、OC曲線や平均検査量を使って、合格判定数の決め方を解説しています。多回抜取検査について知りたい方は必見です。

    第1種の誤りや第2種の誤りについては、関連記事で解説しています。

    抜取検査はすべてOC曲線をベースに考える
    抜取検査はすべて、OC曲線をベースに考えていきます。OC曲線を構成する二項分布の導出や式の意味、OC曲線の描き方や描くために必要な制約条件について解説します。教科書では表面的な理解しかできない本当のOC曲線の意味がわかるようになり、自分で抜取検査が設計・計画できるようになります。

    平均出検品質(AOQ)とは検査後の不良率

    検査後の不良率(AOQ)を式で表す

    元々、不良率pの製品を抜取検査したとします。
    検査後の不良率(AOQ)を次の式で定義します。

    検査後の不良率(AOQ)=\(\frac{不良率×ロット合格率+不良率×ロット不合格率}{ロット合格率+ロット不合格率}\)

    わかりにくい「検査後の不良率(AOQ)」の式ですが、
    (不良率×ロットの合否確率の和)をロットの合否確率で割った、不良率の平均値みたいな値
    と考えましょう。

    このわかりにくい「検査後の不良率(AOQ)」の式
    規準型抜取検査と選別型抜取検査の違いをうまく表現できます!

    ②規準型抜取検査と選別型抜取検査の平均出検品質(AOQ)

    規準型抜取検査の平均出検品質(AOQ)

    不良率はp
    ロット合格率はL(p)
    ロット不良率は1-L(p)
    です。

    「検査後の不良率(AOQ)」の式は
    検査後の不良率(AOQ)
    = \(\frac{pL(p)+p(1-L(p))}{L(p)+(1-L(p))}\)
    =p

    規準型抜取検査の場合、検査前後の不良率はpであり、変わらない。
    当然ですよね。何も変わっていないので

    選別型抜取検査の平均出検品質(AOQ)

    不良率はp
    ロット合格率はL(p)
    ロット不良率は1-L(p)
    です。

    選別型抜取検査は、検査するロットが不合格になったら、全数検査に切り替えるので、不良率は0%になるのが特徴です。

    全数検査して、不良品があれば良品に取り換えるため、不良率は0%と考えます。

    選別型抜取検査の「検査後の不良率(AOQ)」の式は
    検査後の不良率(AOQ)
    = \(\frac{pL(p)+0(1-L(p)}{L(p)+(1-L(p))}\)
    =pL(p)

    選別型抜取検査の場合、分子の0(1-L(p)が規準型抜取検査と異なります。

    選別型抜取検査のメリット

    選別型抜取検査は検査後の不良率を低減することができる。

    規準型抜取検査のAOQはpです。
    選別型抜取検査のAOQはpL(p)です。
    ロット合格率L(p)は確率なので、0 <L(p) < 1です。

    つまり、
    p > pL(p)
    となります。

    この式から、選別型抜取検査は検査後の不良率を低減することができることがわかります。

    選別型抜取検査は、ロットが不合格な場合に全数検査をする手間をかける分、検査後の不良率がpからpL(p)に下げることができます。
    選別型抜取検査を実施する意義が、AOQの式から理解できます。

    ③平均出検品質限界(AOQL)の導出

    平均出検品質限界(AOQL)はAOQの最大値

    平均出検品質限界って何? ⇒気にしなくていいです。AOQの最大値です。計算して導出すれば、わかります。

    規準型抜取検査の場合、AOQ=pです。y=pのグラフは直線なので、規準型抜取検査のAOQLは考えません。

    選別型抜取検査の場合、AOQ=pL(p)です。
    L(p)は二項分布やポアソン分布の式が入ります。
    pL(p)が最大値を持つ特徴があります。

    詳細は関連記事を見てください。

    平均出検品質限界(AOQL)の導出

    L(p)が二項分布とポアソン分布についてそれぞれ導出します。最大値を求めるのでpL(p)をpで微分します。

    L(p)が二項分布の場合

    \(\frac{d}{dp} pL(p)\)
    =L(p)+p \(\frac{d}{dp} L(p)\)
    = \( \sum_{r=0}^{c} {}_nC_r p^r (1-p)^{n-r}\)
    +p\( \sum_{r=0}^{c} {}_nC_r (r p^{r-1} (1-p)^{n-r}+(n-r)p^r (-1) (1-p)^{n-r-1})\)

    L(p)がポアソン分布の場合

    \(\frac{d}{dp} pL(p)\)
    =L(p)+p \(\frac{d}{dp} L(p)\)
    = \( \sum_{r=0}^{c} \frac{e^{-np} (np)^r}{ r!}\)
    + \( \sum_{r=0}^{c} \frac{e^{-np} (-np+r)}{r!}(np)^r\)

    非常に複雑な式になります。

    ④平均出検品質(AOQ)と平均出検品質限界(AOQL)の関係

    平均出検品質(AOQ)と平均出検品質限界(AOQL)を導出しましたので、グラフにしましょう。

    AOQ

    赤い直線のy=pより下側にAOQ曲線があることがわかり、
    AOQ曲線にそれぞれ最大値AOQLがあることがわかります。

    AOQは最大値があり、AOQLより値が高くなることはない。検査後の不良率はAOQL以下になることが保証されていることが重要です。

    選別型抜取検査もOC曲線をベースに数式を使って、検査の特徴を理解することが重要です。
    QCプラネッツは、抜取検査を自力で考え、設計・計画できるよう、解説していきます。

    まとめ

    選別型抜取検査(JISZ9015)の平均出検品質AOQ とその最大値である平均出検品質限界(AOQL)について解説しました。

    • ➀平均出検品質(AOQ)とは検査後の不良率
    • ②規準型抜取検査と選別型抜取検査の平均出検品質(AOQ)
    • ③平均出検品質限界(AOQL)の導出
    • ④平均出検品質(AOQ)と平均出検品質限界(AOQL)の関係

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