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全数検査と抜取検査と無検査の違いがわかる

抜取検査

全数検査と抜取検査の違いは何? 検査は無検査、全数検査と抜取検査の3つがあるけど、どう違うの?

こういう疑問に答えます。

本記事のテーマ

全数検査と抜取検査と無検査の違いがわかる

全数検査と抜取検査と無検査の違いがわかる

  • ➀全数検査と抜取検査と無検査
  • ②無検査と全数検査の違い
  • ③抜取検査と全数検査の違い
  • ④全数検査と抜取検査と無検査のコスト比較(教科書)

さっそく見ていきましょう。

●You tube動画も確認ください。

全数検査と抜取検査と無検査の違いがわかるについては、次の教科書などで解説しています。だたし、古く絶版なので、簡単に入手できないものです。なので、QCプラネッツのブログ記事で解説をします。

⑤新編抜取検査 (品質管理講座)【絶版】

【まとめ】抜取検査の本を紹介します
抜取検査の良書を紹介します。

抜取検査の良書ほど、絶版しています。頑張って入手しても、現代の我々のニーズに合わないものも多々あるため、
過去の良書に負けない、我々のニーズに合うものを作るためにQCプラネッツで記事を量産しています。

➀全数検査と抜取検査と無検査

抜取検査、全数検査、無検査の3種類は考えたらわかる

いきなり抜取検査から入らないこと!

教科書では、単元が「抜取検査」なので、抜取検査が前提で勉強しがちです。しかし、検査にはいろいろ種類があり、目的別によって使い分けます。検査の選び方を覚えるのではなく、理解しましょう。

一部を抜き取る、「抜取検査」があれば、
すべて見る、「全数検査」と
全く見ない、「無検査」がある。

と、抜取検査、全数検査、無検査の3種類があると考えればわかります。

もちろん、無検査、抜取検査の方が手間は少なく、低コストですが、
出荷後の品質トラブルリスクを下げたければ、全数検査にすべきです。

抜取検査、全数検査、無検査の3種類の使い分け方

どんな場合に、抜取検査、全数検査、無検査でよいかを考えましょう。試験に出るからといって、事例を暗記せず、考えて答えられるようにしましょう。

無検査でいい場合

実績がある量産品
いちいち調べなくても信頼があり大丈夫という品質レベル

抜取検査でいいor必要な場合

実績がある量産品で、抜取で良い場合
破壊検査の場合(全数検査にすると製品が全部破壊されるため)

全数検査が必要な場合

要求品質が高い場合
高品質の実績が無い・少ない場合
品質トラブルや不正をおかした場合

検査の違いをさらに、不良率とコストの観点で比較してみます。

②無検査と全数検査の違い(臨界不良率の導出)

無検査と全数検査にかかるコストを考える

無検査の場合

検査コストはありません。
しかし、出荷後に不良があった場合は不良率pに比例して修理費が発生します。
しかも、検査していないため、全数検査や抜取検査より修理費増大は大きいです。

式で表現すると、
検査コストT1=0
修理費Y1=a1p+ T1= a1p
ただし、傾きa1 > a2

全数検査の場合

全数検査コストが非常に高いです。
しかし、出荷後の不良は少なく、不良率とともに修理費は増大しますが、無検査に比べて費用増大は大幅に抑えることができます。

式で表現すると、
検査コストT2がある
修理費Y2=a2p+ T2
ただし、傾きa1 > a2

無検査と全数検査にかかるコストを比較

無検査と全数検査のコストをグラフで比較します。 無検査と全数検査

無検査と全数検査に交点p0があることがわかります。

不良率p

0なら、検査しない方が低コストであるが、
不良率p≧p0になると検査した方が良い

交点p0を臨界不良率と言います。導出しましょう。

Y1= a1p
Y2=a2p+ T2
a1p= a2p+ T2より
\(p=\frac{T_2}{a_1-a_2}\)

全数検査と抜取検査にかかるコストを考える

全数検査の場合

全数検査コストが非常に高いです。
しかし、出荷後の不良は少なく、不良率とともに修理費は増大しますが、無検査に比べて費用増大は大幅に抑えることができます。

式で表現すると、
検査コストT2がある
修理費Y2=a2p+ T2
ただし、傾きa1 > a2

抜取検査の場合

検査コストは、全数検査に比べて安価になります。
しかし、出荷後の不良は少なく、不良率とともに修理費は増大しますが、増加幅は全数検査と同等か少し大きい程度で抑えることができます。

式で表現すると、
検査コストT3(2)がある
修理費Y3=a3p+ T3
ただし、傾きa3 ≧ a2

全数検査と抜取検査にかかるコストを比較

全数検査と抜取検査のコストをグラフで比較します。 全数検査と抜取検査

全数検査の方が抜取検査より不良率によらず、高コストであることがわかります。

抜取検査は全数検査の一部で未検査な部分がありますが、OC曲線を描くと、全数検査も抜取検査も同じ曲線に乗るため、検査後の不良率は同程度とみることができると判断しました。

そのため、グラフはa3 ≒ a2で描いています。

④全数検査と抜取検査と無検査のコスト比較(教科書)

教科書、参考書では抜取検査のコストグラフが本記事と異なる

教科書では、抜取検査のグラフが曲線であり、下図のように描いています。しかし、なぜそうなるのかがわかりません。本記事は私自身考えて抜取検査も直線型であると考えまとめました。

抜取検査

グラフを描くには、理論を式にする必要があります。
曲線とする理由がわからないため、教科書のグラフを使わずに
自分で考えたグラフを本記事で採用しました。

まとめ

無検査、全数検査、抜取検査の違いを不良率とコストの関係図を使って比較しました。検査の用途は覚えるのではなく、検査の特徴を考えて理解することが重要です。

また、検査の違いについて教科書等は詳細に書いていますが、かえって頭に入らないはずです。
そのときは、シンプルなモデルで比較できるようにしましょう。

シンプルなモデルと1つの軸となる考え方で抜取検査の単元をまとめていきますので、他の関連記事も是非読んでください。

  • ➀全数検査と抜取検査と無検査
  • ②無検査と全数検査の違い
  • ③抜取検査と全数検査の違い
  • ④全数検査と抜取検査と無検査のコスト比較(教科書)


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