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管理図係数値でnが6以上でないと使えない係数がある理由がわかる

管理図

「計量値管理図の係数(B3,B5,D1,D3)でn ≥6 でないとダメな理由がわからない」と困っていませんか?

こういう疑問に答えます。

本記事のテーマ

管理図係数値でnが6以上でない使えない係数がある理由がわかる

本記事の結論

管理図係数値は0以上が必須ですが、負になる場合は「―」とするから。
管理図係数値を実際に計算して、「―」となる場合の値を求めてみましょう。
  • ①管理図係数表一覧
  • ②管理図係数の公式
  • ③管理図係数が負になる場合も計算

記事の信頼性

記事を書いている私は、管理図の係数表、群内変動・群間変動の解き方に疑問が残りました。そこで、管理図の理論を研究しました。その成果をブログで解説します。

●Youtube動画でも解説しています。ご確認ください。

①管理図係数表一覧

管理図係数表が使える理由

●変数Xは正規分布に従う。
●標準偏差sはχ2乗分布、正規分布に従う。
●範囲Rは、順序統計量(同時分布)と正規分布に従う。
と仮定するので、データ特性に関係なく、確率分布関数にデータが従うと考えます。
よって、管理限界を計算する係数がデータ対象に関係なく使えるとしています。

なお、係数はサンプル数nに関係する式となっています。

管理図係数表

JISZ9020-2(2016) 表2「管理限界線を計算するための係数」に載っている表です。なお、n=100の場合も下表に載せておきます。

管理限界の係数 中心線の係数
\(\bar{X}\)管理図 s管理図 R管理図 s R
n A \(A_2\) \(A_3\) \(B_3\) \(B_4\) \(B_5\) \(B_6\) \(D_1\) \(D_2\) \(D_3\) \(D_4\) \(c_4\) \(d_2\)
2 2.121 1.88 2.659 3.267 2.606 3.686 3.266 0.798 1.128
3 1.732 1.023 1.954 2.568 2.276 4.358 2.575 0.886 1.693
4 1.5 0.729 1.628 2.266 2.088 4.698 2.282 0.921 2.059
5 1.342 0.577 1.427 2.089 1.964 4.918 2.115 0.94 2.326
6 1.225 0.483 1.287 0.03 1.97 0.029 1.874 5.078 2.004 0.952 2.534
7 1.134 0.419 1.182 0.118 1.882 0.113 1.806 0.205 5.204 0.076 1.924 0.959 2.704
8 1.061 0.373 1.099 0.185 1.815 0.179 1.751 0.388 5.307 0.136 1.864 0.965 2.847
9 1 0.337 1.032 0.239 1.761 0.232 1.707 0.547 5.393 0.184 1.816 0.969 2.97
10 0.949 0.308 0.975 0.284 1.716 0.276 1.669 0.686 5.469 0.223 1.777 0.973 3.078
100 0.3 0.06 0.301 0.787 1.213 0.785 1.21 3.2 6.831 0.638 1.362 0.997 5.015

②管理図係数の公式

各係数の算出公式を参考に載せます。導出は関連記事にありますので、ご覧ください。

【重要】管理図(計量値)の変数の導出がわかる
シューハートの管理図の計量値の各係数表の求め方を解説します。A,B,D,d2とかいっぱい変数がありますが、すべて期待値±倍数×標準偏差で表記できます。シューハートの管理図をマスターしたい方は必見です。

各係数の算出公式一覧を列挙します。k=3(3σ)でJISZ9020-2は計算しています。







\(\bar{X}\)


A = \(\frac{k}{\sqrt{n}}\)
\(A_2\) = \(\frac{k}{d_2 \sqrt{n}}\)
\(A_3\) = \(\frac{k}{c_4 \sqrt{n}}\)
s


\(B_3\) = \(max(0,1-\frac{k}{c_4}\sqrt{1-c_4^2})\)
\(B_4\) = \(1+\frac{k}{c_4}\sqrt{1-c_4^2}\)
\(B_5\) = \(max(0,c_4-k\sqrt{1-c_4^2})\)
\(B_6\) = \(c_4+k\sqrt{1-c_4^2}\)
R


\(D_1\) = \(max(0,d_2-kd_3)\)
\(D_2\) = \(d_2+kd_3\)
\(D_3\) = \(max(0,1-\frac{kd_3}{d_2})\)
\(D_4\) = \(1+\frac{kd_3}{d_2}\)





s \(c_4\) = \(\frac{Γ(\frac{n}{2})\sqrt{\frac{2}{n-1}}}{Γ(\frac{n-1}{2})}\)
R \(d_2\) = \(\displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} [1-(1-φ(x))^n-(φ(x))^n]dx\)
\(d_3\) = \(\sqrt{2\displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} \displaystyle \int_{-\infty}^{y}f(x,y)dxdy-d_2^2 }\)
\(f(x,y)=1-φ(y)^n-(1-φ(x))^n+(φ(y)-φ(x))^n\)

係数Aは理解しやすいですが、B,Dは導出が難しい\(c_4\),\(d_2\),\(d_3\)を使って計算します。\(c_4\),\(d_2\),\(d_3\)の導出も関連記事で確認ください。

●\(c_4\)の導出

【必読】s管理図の変数c4と管理限界の導出がわかる
s管理図の管理限界を求めるc4と管理限界値の導出を解説します。χ2乗分布、平方和、標準偏差の関係式を使って、意外と簡単に係数c4が導出できます。さらに、標準偏差と不偏標準偏差によって、若干式が異なる点も詳しく解説します。管理図をマスターしたい方は必見です。

●\(d_2\),\(d_3\)の導出

【必読】R管理図の変数d2,d3の導出が(半分)わかる
R管理図の係数d2,d3はどうやって求めるか説明できますか?本記事では、範囲Rの確率密度関数を順序統計量の同時分布を使って導出し、途中までですが、d2,d3の導出方法を解説します。管理図をマスターしたい方は必見です。

③管理図係数が負になる場合も計算

公式どおり、各係数を計算すると次の結果になります。

管理限界の係数 中心線の係数
\(\bar{X}\)管理図 s管理図 R管理図 s R
n A \(A_2\) \(A_3\) \(B_3\) \(B_4\) \(B_5\) \(B_6\) \(D_1\) \(D_2\) \(D_3\) \(D_4\) \(c_4\) \(d_2\)
2 2.121 1.88 2.659 -1.267 3.267 -1.011 2.606 -1.429 3.686 -1.266 3.266 0.798 1.128
3 1.732 1.023 1.954 -0.568 2.568 -0.504 2.276 -0.973 4.358 -0.575 2.575 0.886 1.693
4 1.5 0.729 1.628 -0.266 2.266 -0.245 2.088 -0.581 4.698 -0.282 2.282 0.921 2.059
5 1.342 0.577 1.427 -0.089 2.089 -0.084 1.964 -0.266 4.918 -0.115 2.115 0.94 2.326
6 1.225 0.483 1.287 0.03 1.97 0.029 1.874 -0.01 5.078 -0.004 2.004 0.952 2.534
7 1.134 0.419 1.182 0.118 1.882 0.113 1.806 0.205 5.204 0.076 1.924 0.959 2.704
8 1.061 0.373 1.099 0.185 1.815 0.179 1.751 0.388 5.307 0.136 1.864 0.965 2.847
9 1 0.337 1.032 0.239 1.761 0.232 1.707 0.547 5.393 0.184 1.816 0.969 2.97
10 0.949 0.308 0.975 0.284 1.716 0.276 1.669 0.686 5.469 0.223 1.777 0.973 3.078
100 0.3 0.06 0.301 0.787 1.213 0.785 1.21 3.2 6.831 0.638 1.362 0.997 5.015
黄色枠部は計算すると係数が負となりますね。 どこにも書いていませんので、必ず知っておいてください。

まとめ

管理図係数値でnが6以上でない使えない係数がある理由を解説しました。

  • ①管理図係数表一覧
  • ②管理図係数の公式
  • ③管理図係数が負になる場合も計算


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