★ 本記事のテーマ
- ①一元配置実験のデータの構造式が書ける
- ②一元配置実験の平方和の分解の式が書ける
- ③一元配置実験の主効果・交互作用・誤差の期待値が導出できる
- ④一元配置実験の分散分析ができる
- ⑤一元配置実験の主効果・交互作用の区間推定が導出できる
「分散分析表から調べたい効果の区間推定の導出方法」がわかる!
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①一元配置実験のデータの構造式が書ける
データの構造式
1因子の完全配置実験のデータの構造式からスタートします。機械的に書けますね。
主効果の添字はi,残差ijと分けています。フィッシャーの三原則の反復ですね。
★一元配置実験のデータの構造式
各平均値をデータの構造式で作る
αは母数因子なので、1つの添え字についての合計がすべて0となります。
\(\sum_{i=1}^{a} α_i\)=0
この関係が、平方和の分解にて
(x+y)2=x2+ y2, xy=0
を満たします。
★平均値の式の代表例
データの構造式
\(\bar{x_{i・}}\)=μ+\(α_i\)+\(\bar{e_{i・}}\)
\(\bar{\bar{x}}\)=μ+\(\bar{\bar{e}}\)
②一元配置実験の平方和の分解の式が書ける
データの構造式を変形
式を書くと見づらいので、表にまとめます。
分散分析はデータの構造式が複雑になると
表で整理するのがオススメです。
| SA | Se | |
| \(x_{ij}\) | 1 | |
| \(\bar{x_{i・}}\) | 1 | -1 |
| \(\bar{\bar{x}}\) | -1 |
表から各平方和の導出式が簡単にでますね。SA,Seを挙げます。
\(S_A\)=\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\)\( (\bar{x_{i・}}-\bar{\bar{x}})^2\)
\(S_e\)=\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\)\((x_{ij}-\bar{x_{i・}})^2\)
と書けますね。
③一元配置実験の主効果・交互作用・誤差の期待値が導出できる
期待値については、関連記事
「確率変数の期待値と分散が計算できる【初心者向け】」
をご覧下さい。
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確率変数の期待値と分散が計算できる【初心者向け】 期待値と分散の導出過程を確認しましょう! |
主効果の分散の期待値の導出
E[\(S_A\)]=E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\)\((\bar{x_{i・}}-\bar{\bar{x}})^2\)]
=E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\)\( (α_i+\bar{e_{i・}}-\bar{\bar{e}})^2\)]
=E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b} (α_i )^2\)]
+2E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}(α_i ) (\bar{e_{i・}}-\bar{\bar{e}}) \)]
+E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}(\bar{e_{i・}}-\bar{\bar{e}})^2\)]
★ここで、第2項は0になることを証明します。
E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}(α_i ) (\bar{e_{i・}}-\bar{\bar{e}}) \)]
=bE[\(\sum_{i=1}^{a} (α_i ) (\bar{e_{i・}}-\bar{\bar{e}}) \)]
=bE[\(α_1(\bar{e_{1・}}-\bar{\bar{e}})+α_2(\bar{e_{2・}}-\bar{\bar{e}})+…+α_a(\bar{e_{a・}}-\bar{\bar{e}})\)]
=bE[\((α_1\bar{e_{1・}}+α_2\bar{e_{2・}}+…+α_a\bar{e_{a・}})\)+\((α_1+α_2+…+α_a) \bar{\bar{e}})\)]
後ろの項について、\((α_1+α_2+…+α_a)\)=0です。
=bE[\((α_1\bar{e_{1・}}+α_2\bar{e_{2・}}+…+α_a\bar{e_{a・}})\)]
=b(\(α_1\)E[\(\bar{e_{1・}}\)]+\(α_2\)E[\(\bar{e_{2・}}\)]+…+\(α_a\)E[\(\bar{e_{a・}}\)])
さらにE[\(\bar{e_{i・}}\)]=0です。
残差の実際の値は0ではないですが、期待値は0になります。
よって、すべて0になるため、
E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}(α_i ) (\bar{e_{i・}}-\bar{\bar{e}}) \)]=0
②E[\(\bar{e_{ij}}\)]と残差の期待値の式にも慣れましょう。
③わからない場合は、公式暗記から始めて、慣れたら式に慣れましょう。
★平方和の分解のポイント
平方和は簡単に分解できて、
\( (x_1+x_2+…+x_n)^2\)=\(x_1^2+x_2^2+…+x_n^2\)
が成り立ちます。
この関係が各効果の平方和として分解することができ、
ST= SA+ SB+ …+ Se
と分解できます。
まずは、暗記で構いませんが、
慣れてきたら
中間項が0になること
を確認してください。高校数学レベルで解けます。
E[\(S_A\)]
=E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}(α_i )^2\)]
+E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}(\bar{e_{i・}}-\bar{\bar{e}})^2\)]
=\(b(a-1)σ_A^2\) +\((a-1)(σ_e^2\))
主効果Aの自由度は\((a-1)\)より、分散の期待値E[VA]が求まります。
E[\(V_A\)]=\(bσ_C^2\) +\(σ_e^2\)
なお、分散の期待値を以下とします。
\( σ_A^2\)=E[\(\frac{\sum_{i=1}^{a}α_i^2}{a-1}\)]
\(σ_e^2\)については以下のように解きます。式の意味を読んで見ましょう。慣れるまでは、添字の種類と分母の種類を揃える点に注目しましょう。
\(σ_e^2\)=E[\(\frac{\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}(e_{ij}-\bar{\bar{e}})^2}{ab-1}\)]
\(\frac{σ_e^2}{b}\)=E[\(\frac{\sum_{i=1}^{a}(e_{i・}-\bar{\bar{e}})^2}{a-1}\)]
\(\frac{σ_e^2}{a}\)=E[\(\frac{\sum_{j=1}^{b}(e_{・j}-\bar{\bar{e}})^2}{b-1}\)]
残差の分散の期待値の導出
E[\(S_e\)]=E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\)\((x_{ij}-\bar{x_{i・}})^2\)]
= E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\)\((e_{ij}-\bar{e_{i・}})^2\)]
意図的に以下のように式変形します。
\((e_{ij}-\bar{\bar{e}})\)=\(\color{red}{(e_{ij}-\bar{e_{i・}})}\)+\((\bar{e_{i・}}-\bar{\bar{e}})\)
次に、両辺の2乗和の期待値を作ります。次の関係式が成り立ちます(確かめてみてください)。
E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}(e_{ij}-\bar{\bar{e}})^2\)]
=E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}(e_{ij}-\bar{e_{i・}})^2\)]
+E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}(\bar{e_{i・}}-\bar{\bar{e}})^2\)]
次に分散\(σ_e^2\)を作ります。次の3種類ができます。
分散は、各残差の値\(e_{ij})と残差の平均との差分の2乗和です。
差分の2乗和をそのまま式に書きます。
添字の種類とΣの数に注目してください。添字、Σが3つ以下の②③④の左辺は、\(σ_e^2\)に自由度a,bで割った値となっています。
➀\(σ_e^2\)=E[\(\frac{\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}(e_{ij}-\bar{\bar{e}})^2}{ab-1}\)]
②\(\frac{σ_e^2}{b}\)=E[\(\frac{\sum_{i=1}^{a} (\bar{e_{i・}}-\bar{\bar{e}})^2}{a-1}\)]
③\(\frac{σ_e^2}{a}\)=E[\(\frac{\sum_{j=1}^{b} (\bar{e_{・j}}-\bar{\bar{e}})^2}{b-1}\)]
➀➁➂の違いを見比べて、慣れましょう。慣れてから式の意味を考えましょう。
次に➀➁➂を変形します。
➀\((ab-1)σ_e^2\)=E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}(e_{ij}-\bar{\bar{e}})^2\)]
②\((a-1)σ_e^2\)=E[\(\sum_{i=1}^{a} \sum_{j=1}^{b}(\bar{e_{i・}}-\bar{\bar{e}})^2\)]
③\((b-1)σ_e^2\)=E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}(\bar{e_{・j}}-\bar{\bar{e}})^2\)]
求めたい期待値
E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}(e_{ij}-\bar{\bar{e}})^2\)]
は➀―②で算出できます。
E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b} (e_{ij}-\bar{\bar{e}})^2\)]
=\((ab-1)σ_e^2\)-\((a-1)σ_e^2\)
=\(a(b-1)σ_e^2\)
となります。
結果をまとめます。
E[\(S_e\)]=\(a(b-1)σ_e^2\)
残差eの自由度は\(a(b-1)\)より、分散の期待値E[Ve ]が求まります。
E[\(V_e\)]=\(σ_e^2\)
④一元配置実験の分散分析ができる
自由度の計算
各主効果・交互作用の自由度の計算は簡単です。
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「【簡単】データの構造式で実験計画法がわかる(必読)」
に解説しています。まとめると次の3つです。
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【簡単】データの構造式で実験計画法がわかる(必読) 実験計画法はデータの構造式ですべて解けることを解説します! |
- データの構造式を書く
- 主効果・交互作用の構造式にある添字から自由度を算出する
- 自由度は表を活用すると簡単に求まる
| SA | Se | |
| a | 1 | -1 |
| b | ||
| ab | 1 | |
| 1 | -1 |
表から、
Aの列(縦)には、aに1,1に-1とありますから、自由度はa-1、
eの列(縦)には、abに1,aに-1とありますから、自由度はab-a=a(b-1)、
となります。
また、各自由度はデータの構造式の添字を見ればすぐわかります。
E[\(S_A\)]=E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\)\((\bar{x_{i・}}-\bar{\bar{x}})^2\)]
添字はiと平均を見ます。
添字iの自由度aから平均の自由度1を引きます。よって、a-1。
E[\(S_e\)]=E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\)\((x_{ij}-\bar{x_{i・}})^2\)]
添字はijと平均iを見ます。
添字ijの自由度abから平均iの自由度aを引きます。よって、ab-a。
データの構造式が複雑になるほど、上の表を活用すると自由度が求めやすくなります。
分散分析の結果
分散分析表を作ります。
| φ | E[V] | |
| A | a-1 | \(σ_e^2\)+b\(σ_A^2\) |
| e | a(b-1) | \(σ_e^2\) |
| T | ab-1 | – |
⑤一元配置実験の主効果・交互作用の区間推定が導出できる
母平均の点推定の導出方法
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【簡単】データの構造式から母平均の点推定が導出できる 母平均の点推定の公式はデータの構造式から導出できます! |
有効繰返し数と区間推定の導出方法
区間推定は、下の式で算出します。
$$ \bar{μ}±t(φ_e,α)\sqrt{\frac{V_e}{n_e}}$$
★区間推定のポイント
- ルートの中は、誤差eの分散から個数を割ったものが入る
- 誤差eの自由度φeである
- Veが複数項である場合、サタースウェイトの式から自由度を導出する
サタースウェイトの式については、ここを見てください。
![]() |
サタースウェイトの等価自由度が導出できる【本記事限定】 サタースウェイトの等価自由度が導出できる方法をわかりやすく解説します! |
主効果の点推定と区間推定の導出
★分散の期待値から分散の推定値を導出
分散分析から、eの分散の推定値E[V]を導出します。
Ve=\(σ_e^2\)
よって、
\(\widehat{σ_e^2}\)= Ve
★主効果Aの点推定と区間推定
●点推定: \(\widehat{μ}(A_i)=\bar{x_{i・}}\)=\(\widehat{μ+α_i}\)
=\(μ+\bar{x_{i・}}\)
●分散:\(\widehat{Var}(\widehat{μ}( A_i))\)
=V[μ+\(\bar{x_{i・}}\)]
=V[\(\bar{x_{i・}}\)]
=\(\frac{\widehat{σ_e^2}}{b}\)
Veが求まったので、自由度φと、点推定μを代入すれば推定区間が求まります。
一連の導出過程を解説しました。
まとめ
以上、「一元配置実験の分散分析・区間推定が解ける【必見】」を解説しました。
- ①一元配置実験のデータの構造式が書ける
- ②一元配置実験の平方和の分解の式が書ける
- ③一元配置実験の主効果・交互作用・誤差の期待値が導出できる
- ④一元配置実験の分散分析ができる
- ⑤一元配置実験の主効果・交互作用の区間推定が導出できる







