2次元の線形判別関数の傾きは最大2種類である理由がわかる
「2次元の線形判別関数Zの傾きは何種類でも作れるの?」などと疑問に思いませんか?
こういう疑問に答えます。
本記事のテーマ
おさえておきたいポイント
- ①傾きの導出する2つの方法
- ➁傾きを導出する極値は最大2種類しかない
Excelや公式は暗記不要!
自力で導出できるぜ!
ふと、疑問が沸いたので、書き残しておきます。
短い記事ですが、気になったものは記事の量に関係なく、解説していきます。こういうあいまいな所が理解を難しくなるポイントだったりしますよね。
①傾きの導出する2つの方法
関連記事で2次元の線形判別関数の導出を解説
まず、線形判別関数をマスターすべく、2次元の線形判別関数を導出する関連記事を確認してください。
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2次元の線形判別関数の傾きを決める2つの手法
関連記事にあるように2つの解法があります。
- 相関比が最大になる条件を計算(微分、極値)
- ラグランジュの未定乗数を使って計算(固有値)
で、解いてて気になったのは、
2次方程式になるので、解は最大2種類ある。
だから、線形判別関数の傾きは最大2種類になる。
これは、納得がいくのですが、
相関比は\(\frac{2次式}{2次式}\)なので、微分すると
\(\frac{3次式}{4次式}\)となり、
(分子)が3次式になるため解は3つになるのではないか?
と疑問が沸きました。
実際解いてみよう。
➁傾きを導出する極値は最大2種類しかない
相関比関数を定義
傾きの比を\(k=\frac{a_2}{a_1}\)とおくと、
(分母)、(分子)がともに2次式の相関比関数ができます。
一般化して
\(F\)=\(\frac{ba_1^2 + ca_1 a_2 + d a_2^2}{ ea_1^2 + fa_1 a_2 + g a_2^2}\)
つまり、
\(F(k)\)=\(\frac{bk^2 + ck + d}{ ek^2 + fk + g}\)
として、実際に微分してみましょう。
相関比関数を微分
\(\displaystyle \frac{dF}{dk} \)=\(\frac{(2bk+c)(ek^2+fk+g)-(bk^2 + ck + d)(2ek+f)}{(ek^2 + fk + g)^2}\)
ここで、(分子)だけ取り出します。
(分子)=\( (2bk+c)(ek^2+fk+g)-(bk^2 + ck + d)(2ek+f)\)
=\(2bek^3+(2bf+ce)k^2+(2bg+cf)k+cg)\)
-\((2bek^3+(bf+2ce)k^2+(cf+2de)k+df)\)
と3次式が出て来ますが、よく見ると
\(2bek^3\)-\(2bek^3\)=0と3次項が打ち消すので、結果的に2次式になります。
よって、(分子)は
(分子)= \((bf-ce)k^2+2(bg-de)k+(cg-df)\)
と2次式に収まります。
2次式は最大2個の解しかでません。
これで疑問が解決しました!
実際解いてみよう。
まとめ
「2次元の線形判別関数の傾きは最大2種類である理由がわかる」を解説しました。
- ①傾きの導出する2つの方法
- ➁傾きを導出する極値は最大2種類しかない
Warning: count(): Parameter must be an array or an object that implements Countable in /home/qcplanets/qcplanets.com/public_html/wp-content/themes/m_theme/sns.php on line 119