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スピアマンの順位相関係数とピアソンの相関係数を比較する

回帰分析

「スピアマンの順位相関係数とピアソンの相関係数の違いがよくわからない」など、疑問に思いませんか?

こういう疑問に答えます。

本記事のテーマ

スピアマンの順位相関係数とピアソンの相関係数を比較する

おさえておきたいポイント

  • ➀スピアマンの順位相関係数とピアソンの相関係数を比較
  • ➁スピアマンの順位相関係数とピアソンの相関係数が一致する条件
スピアマンの順位相関係数については、特別に公式暗記する必要はありません。自分で導出できます。

導出過程は関連記事で確認ください。

スピアマンの順位相関係数が導出できる
スピアマンの順位相関係数は導出できますか?本記事では、一般的に使うピアソンの相関係数からスピアマンの順位相関係数を導出します。公式暗記は不要で自力で導出できるので、マスターしましょう

スピアマンの順位相関係数の正負の入れ替えがわかる
スピアマンの順位相関係数では、変数の順位が降順・降順で入れ替わると相関係数の正負が入れ替わります。その理由をわかりやすく解説します。スピアマンの順位相関係数はピアソンの相関係数から計算できるので、スピアマンの順位相関係数のための公式暗記は一切不要です。

ピアソンの相関係数と比較することで、スピアマンの順位相関係数の理解を深めましょう。大事な記事です!

➀スピアマンの順位相関係数とピアソンの相関係数を比較

データを用意

変数\(x,y\)からなる、変量データを用意します。下表のとおりです。

No x y
1 0.15 8.05
2 1.2 4.05
3 2.08 5.77
4 2.42 11.2
5 4.82 20.17
6 5.93 17.21
7 6.15 15.22
8 6.5 18.38
9 7.32 30.59
10 8.45 8.99

ピアソンの相関係数

平方和\(S_{xx}\),\(S_{yy}\),\(S_{xy}\)を計算します。
●\(S_{xx}\)=\(\sum_{i=1}^{n}(x_i -\bar{x})^2\)
●\(S_{yy}\)=\(\sum_{i=1}^{n}(y_i -\bar{y})^2\)
●\(S_{xy}\)=\(\sum_{i=1}^{n}(x_i -\bar{x})(y_i-\bar{y})\)
表を追加します。

No x y \((x-\bar{x})^2\) \((y-\bar{y})^2\) \((x-\bar{x})(y-\bar{y})\)
1 0.15 8.05 18.94 34.96 25.73
2 1.2 4.05 10.9 98.27 32.73
3 2.08 5.77 5.87 67.13 19.84
4 2.42 11.2 4.33 7.63 5.75
5 4.82 20.17 0.1 38.53 1.97
6 5.93 17.21 2.04 10.54 4.64
7 6.15 15.22 2.72 1.58 2.07
8 6.5 18.38 3.99 19.51 8.83
9 7.32 30.59 7.94 276.46 46.85
10 8.45 8.99 15.59 24.73 -19.63
合計 45.02 139.63 72.42 579.34 128.79
平均 4.502 13.963 ↑(\(S_{xx}\)) ↑(\(S_{yy}\)) ↑(\(S_{xy}\))

よって、ピアソンの相関係数\(r\)は、

ピアソンの相関係数\(r\)
\(r\)=\(\frac{S_{xy}}{\sqrt{S_{xx} S_{yy}}}\)
=\(\frac{128.79}{\sqrt{72.42×579.34}}\)
=0.629

これは、簡単ですね。

スピアマンの順位相関係数

変数\(x,y\)の順位をつけましょう。下表のとおりに変化しますね。

実測データ 順位
No x y x y
1 0.15 8.05 1 3
2 1.2 4.05 2 1
3 2.08 5.77 3 2
4 2.42 11.2 4 5
5 4.82 20.17 5 9
6 5.93 17.21 6 7
7 6.15 15.22 7 6
8 6.5 18.38 8 8
9 7.32 30.59 9 10
10 8.45 8.99 10 4

スピアマンの順位相関係数\(r’\)を計算します。

関連記事から、導出式を使います。

スピアマンの順位相関係数が導出できる
スピアマンの順位相関係数は導出できますか?本記事では、一般的に使うピアソンの相関係数からスピアマンの順位相関係数を導出します。公式暗記は不要で自力で導出できるので、マスターしましょう

●スピアマンの順位相関係数
\(r\)=1-\(\frac{6\sum_{i=1}^{n}d_i^2}{n(n^2-1)}\)
ここで、\(d_i\)=\(x_i -y_i\)

計算に必要なデータは下表にあります。

No x y d=x-y d2
1 1 3 -2 4
2 2 1 1 1
3 3 2 1 1
4 4 5 -1 1
5 5 9 -4 16
6 6 7 -1 1
7 7 6 1 1
8 8 8 0 0
9 9 10 -1 1
10 10 4 6 36
合計 62
●スピアマンの順位相関係数
\(r\)=1-\(\frac{6\sum_{i=1}^{n}d_i^2}{n(n^2-1)}\)
=1-\(\frac{6×62}{10(10^2-1)}\)
=0.624

スピアマンの順位相関係数とピアソンの相関係数を比較

図を比較します。

スピアマンの順位相関係数

●ピアソンの相関係数\(r\)=0.629
●スピアマンの順位相関係数=0.624
とスピアマンの順位相関係数の方が若干小さくなりました。
データ値によって、
ピアソンの相関係数とスピアマンの順位相関係数の
大小関係の入れ替えはあります。

➁スピアマンの順位相関係数とピアソンの相関係数が一致する条件

では、次の疑問が沸きますよね!

スピアマンの順位相関係数とピアソンの相関係数が一致する条件って何?
どんなデータを用意すればいいのか?

一致するデータを用意

結論からいいますと、

スピアマンの順位相関係数とピアソンの相関係数が一致する条件は、
各データから求まるR=\(\frac{S_{xy}^2}{S_{xx}S_{yy}}\)
が一致する場合

そりゃそうでしょう!というオチですが、
スピアマンの順位相関係数とピアソンの相関係数の計算式は実は同じで、
変数データを順位データに変換しても、寄与率Rの値が変化しなければOKです。

スピアマンの順位相関係数とピアソンの相関係数が一致する例

いろいろ例がありますが、

  1. ピアソンの相関係数とスピアマンの順位相関係数で扱うデータ値が完全に一致する場合
  2. ピアソンの相関係数側のデータが回帰直線に完全に乗る場合(つまり相関係数=1の場合)
  3. など(他の例も見つけてみてください)

例えば、ピアソンの相関係数側のデータが回帰直線に完全に乗る場合(つまり相関係数=1の場合)ですが、実測データが完全に回帰直線に乗る場合(例としてy=3x-1)を下表に示します。

No x y x順位 y順位
1 0.15 -0.55 1 1
2 1.2 2.6 2 2
3 2.08 5.24 3 3
4 2.42 6.26 4 4
5 4.82 13.46 5 5
6 5.93 16.79 6 6
7 6.15 17.45 7 7
8 6.5 18.5 8 8
9 7.32 20.96 9 9
10 8.45 24.35 10 10
10 8.45 24.35 10 10

グラフに描くと、確かに両者の相関係数は一致しています。

スピアマンの順位相関係数

などなど、いろいろ例がありますので、調べてみましょう。

大事なのは、ピアソンの相関係数の式からスピアマンの順位相関係数の性質が導出できます!スピアマンの順位相関係数のための公式暗記は一切不要!導出過程を理解しましょう!

まとめ

「スピアマンの順位相関係数とピアソンの相関係数を比較する」を解説しました。

  • ➀スピアマンの順位相関係数とピアソンの相関係数を比較
  • ➁スピアマンの順位相関係数とピアソンの相関係数が一致する条件


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