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品質工学、動特性、誤差因子2つの分解がわかる

ロバストパラメータ設計

「品質工学の動特性がよくわからない」などと困っていませんか?

こういう疑問に答えます。

本記事のテーマ

品質工学、動特性、誤差因子2つの分解がわかる

おさえておきたいポイント

  • ①データの構造式
  • ➁2乗和の分解
  • ➂実データ
  • ➃回帰直線と\(\hat{y}\)の計算
  • ➄データ構造式の各項の計算
  • ⑥2乗和の分解を確認
本記事の結論である
●2乗和
\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} y_{ijl}^2\)
=\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} \hat{y_j}^2\)
+\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} (\hat{y_{ij}}-\hat{y_j})^2\)
+\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} (\hat{y_{jl}}-\hat{y_j})^2\)
+\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} ( y_{ijl}-\hat{y_{ij}}-\hat{y_{jl}}+\hat{y_j})^2\)
が成立することを、実データを計算して確かめます!

①データの構造式

関連記事で基礎を確認

品質工学、動特性、誤差因子2つについて、まとめた記事を先にご確認ください。本記事は、この関連記事の中の2乗和の分解について、具体的なデータを使って計算します!

品質工学、動特性、誤差因子2つの場合がわかる
品質工学、動特性、誤差因子1つの場合を使いこなせますか? 本記事では、 動特性で誤差因子が2つで繰返しデータが無い場合において、データの構造式、変動の分解、公式を丁寧に導出しています。教科書では端折りがちな大事な導出部分をしっかり理解しましょう。

データの構造式

品質工学、動特性、誤差因子2つのデータの構造式は次の式でしたね! 

\(y_{ijl}\)=\(\hat{y_j}\)+\((\hat{y_{ij}}-\hat{y_j})\)+\((\hat{y_{jl}}-\hat{y_j})\)+\(( y_{ijl}-\hat{y_{ij}}-\hat{y_{jl}}+\hat{y_j})\)

➁2乗和の分解

2乗和の分解

実際、

本記事の結論である
●2乗和
\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} y_{ijl}^2\)
=\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} \hat{y_j}^2\)
+\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} (\hat{y_{ij}}-\hat{y_j})^2\)
+\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} (\hat{y_{jl}}-\hat{y_j})^2\)
+\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} ( y_{ijl}-\hat{y_{ij}}-\hat{y_{jl}}+\hat{y_j})^2\)
が成立することを、実データを計算して確かめます!

2乗和の分解のポイント

\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} y_{ijl}^2\)
=\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} \hat{y_j}^2\)
+\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} (\hat{y_{ij}}-\hat{y_j})^2\)
+\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} (\hat{y_{jl}}-\hat{y_j})^2\)
+\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} ( y_{ijl}-\hat{y_{ij}}-\hat{y_{jl}}+\hat{y_j})^2\)

+\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} \hat{y_j}(\hat{y_{ij}}-\hat{y_j})\)
+\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} \hat{y_j}(\hat{y_{jl}}-\hat{y_j})\)
+\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} \hat{y_j}(y_{ijl}-\hat{y_{ij}}-\hat{y_{jl}}+\hat{y_j})\)
+\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} (\hat{y_{ij}}-\hat{y_j})(\hat{y_{jl}}-\hat{y_j})\)
+\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} (\hat{y_{ij}}-\hat{y_j})(y_{ijl}-\hat{y_{ij}}-\hat{y_{jl}}+\hat{y_j})\)
+\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} (\hat{y_{jl}}-\hat{y_j})(y_{ijl}-\hat{y_{ij}}-\hat{y_{jl}}+\hat{y_j})\)

マーカ部分が0になることを示せばよいので、
\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} \hat{y_j}(\hat{y_{ij}}-\hat{y_j})\)=0
\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} \hat{y_j}(\hat{y_{jl}}-\hat{y_j})\)=0
\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} \hat{y_j}(y_{ijl}-\hat{y_{ij}}-\hat{y_{jl}}+\hat{y_j})\)=0
\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} (\hat{y_{ij}}-\hat{y_j})(\hat{y_{jl}}-\hat{y_j})\)=0
\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} (\hat{y_{ij}}-\hat{y_j})(y_{ijl}-\hat{y_{ij}}-\hat{y_{jl}}+\hat{y_j})\)=0
\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} (\hat{y_{jl}}-\hat{y_j})(y_{ijl}-\hat{y_{ij}}-\hat{y_{jl}}+\hat{y_j})\)=0
6項とも0になるところを実際に計算しながら見ていきましょう!

➂実データ

実際に、下表のデータを使って、
●2乗和
\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} y_{ijl}^2\)
=\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} \hat{y_j}^2\)
+\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} (\hat{y_{ij}}-\hat{y_j})^2\)
+\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} (\hat{y_{jl}}-\hat{y_j})^2\)
+\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} ( y_{ijl}-\hat{y_{ij}}-\hat{y_{jl}}+\hat{y_j})^2\)
を確認しましょう。

No \(x_j\) N1 N2
O1 O2 O1 O2
1 1 2 4 6 10
2 2 3 2 8 8
3 3 6 6 12 17
4 4 4 8 24 22
5 5 10 10 20 18
合計 15 25 30 70 75
平均 3 5 6 14 15

誤差因子N,Oの水準から見たデータ表に書き換える

上表のデータを下表のように書き換えます。N1,N2,O1,O2はそれぞれ10個ずつのデータを持っています。

No \(x_j\) N1 N2 O1 O2 全データ
1 1 2 6 2 4 2 6
2 2 3 8 3 2 3 8
3 3 6 12 6 6 6 12
4 4 4 24 4 8 4 24
5 5 10 20 10 10 10 20
6 1 4 10 6 10 4 10
7 2 2 8 8 8 2 8
8 3 6 17 12 17 6 17
9 4 8 22 24 22 8 22
10 5 10 18 20 18 10 18
合計 30 55 145 95 105 200
平均 3 5.5 14.5 9.5 10.5 10

この表を使って、回帰直線を求めていきます。

データの構造式から求めたい値

データの構造式は、
\(y_{ijl}\)=\(\hat{y_j}\)+\((\hat{y_{ij}}-\hat{y_j})\)+\((\hat{y_{jl}}-\hat{y_j})\)+\(( y_{ijl}-\hat{y_{ij}}-\hat{y_{jl}}+\hat{y_j})\)
ですから、

●\(y_{ijl}\)は、実データから
●\(\hat{y_j}\)は、回帰直線\(\hat{y_j}\)=\(βx_j+α\)から
●\(\hat{y_{ij}}\)は、回帰直線\(\hat{y_{ij}}\)=\(β_i x_j+α_i\)から
●\(\hat{y_{jl}}\)は、回帰直線\(\hat{y_{jl}}\)=\(β_l x_j+α_l\)から

求めることができます。

よって、
回帰直線\(\hat{y_j}\)=\(βx_j+α\)
回帰直線\(\hat{y_{ij}}\)=\(β_i x_j+α_i\)
回帰直線\(\hat{y_{jl}}\)=\(β_l x_j+α_l\)
を計算から求めましょう。

【重要】動特性の直線式の注意点

よく、動特性では
(\(\hat{y_j}\)=\(βx_j\)と
原点を通る直線で考えますが、
基本は、原点通らず、y切片が必要です。
ちゃんと2乗和の分解を計算して確認していない教科書が多すぎる

QCプラネッツでは、動特性の直線式は、
y=ax+b型
と表記します。

➃回帰直線と\(\hat{y}\)の計算

回帰分析から計算しよう!

回帰直線の求め方は、関連記事で解説していますので、確認しましょう。

品質工学では、品質工学独自の公式が用意されていますが、かえって理解しにくいです! 回帰直線を求めるのだから、回帰分析から計算しましょうね! その方が理解しやすい!
回帰分析と相関係数をマスターする
回帰分析と相関係数。学びやすく、試験で点数化したい領域ですが、重要なポイントと回帰分析の導出を解説しました。本記事を一通りマスターしておけば試験では確実に点数とれます。

回帰分析から計算

データを再掲します。

No \(x_j\) N1(\(y_{1j}\)) N2(\(y_{2j}\)) O1(\(y_{j1}\)) O2(\(y_{j2}\)) 全データ\(y_{ijl}\)
1 1 2 6 2 4 2 6
2 2 3 8 3 2 3 8
3 3 6 12 6 6 6 12
4 4 4 24 4 8 4 24
5 5 10 20 10 10 10 20
6 1 4 10 6 10 4 10
7 2 2 8 8 8 2 8
8 3 6 17 12 17 6 17
9 4 8 22 24 22 8 22
10 5 10 18 20 18 10 18
合計 30 55 145 95 105 200
平均 3 5.5 14.5 9.5 10.5 10
No \(x_j-\bar{x}\) N1
\(y_{1j}-\bar{y_{1j}}\)
N1
\(y_{2j}-\bar{y_{2j}}\)
O1
\(y_{j1}-\bar{y_{j1}}\)
O2
\(y_{j2}-\bar{y_{j2}}\)
全データ
\(y_{ijl}-\bar{y}\)
1 -2 -3.5 -8.5 -7.5 -6.5 -8 -4
2 -1 -2.5 -6.5 -6.5 -8.5 -7 -2
3 0 0.5 -2.5 -3.5 -4.5 -4 2
4 1 -1.5 9.5 -5.5 -2.5 -6 14
5 2 4.5 5.5 0.5 -0.5 0 10
6 -2 -1.5 -4.5 -3.5 -0.5 -6 0
7 -1 -3.5 -6.5 -1.5 -2.5 -8 -2
8 0 0.5 2.5 2.5 6.5 -4 7
9 1 2.5 7.5 14.5 11.5 -2 12
10 2 4.5 3.5 10.5 7.5 0 8
合計 0 0 0 0 0 0

上表から、
●平方和:\(S_{xx}\)と
●偏差積和:\(S_{xy(i=1)}\),\(S_{xy(i=2)}\),
●偏差積和 :\(S_{xy(l=1)}\),\(S_{xy(l=2)}\),
●偏差積和:\(S_{xy}\)が
計算できます。
\(i,j,l\)の添え字について、それぞれ加算する量に注意して計算しましょう。

●平方和\(S_{xx}\)=\(\sum_{j=1}^{5}(x_j-\bar{x})\)
=\((-2)^2\)+\((-1)^2\)+…+\(2^2\)=10
(5個のデータ分に注意!)

誤差因子Nについて
●偏差積和\(S_{xy(i=1)}\)=\(\sum_{j=1}^{5} \sum_{l=1}^{2} (x_j-\bar{x})(y_{1jl}-\bar{y_1})\)
=(-2)×(-3.5)+(-1)×(-2.5)+…+2×4.5=35
●偏差積和\(S_{xy(i=2)}\)=\(\sum_{j=1}^{5} \sum_{l=1}^{2} (x_j-\bar{x})(y_{2jl}-\bar{y_2})\)
=(-2)×(-8.5)+(-1)×(-6.5)+…+2×3.5=74
(10個のデータ分に注意!)

誤差因子Oについて
●偏差積和\(S_{xy(l=1)}\)=\(\sum_{j=1}^{5} \sum_{i=1}^{2} (x_j-\bar{x})(y_{ij1}-\bar{y_1})\)
=(-2)×(-7.5)+(-1)×(-6.5)+…+2×10.5=61
●偏差積和\(S_{xy(l=2)}\)=\(\sum_{j=1}^{5} \sum_{i=1}^{2} (x_j-\bar{x})(y_{ij2}-\bar{y_2})\)
=(-2)×(-6.5)+(-1)×(-8.5)+…+2×7.5=48
(10個のデータ分に注意!)

全体について
●偏差積和\(S_{xy}\)=\(\sum_{i=1}^{2}\sum_{j=1}^{5} \sum_{l=1}^{2} (x_j-\bar{x})(y_{ijl}-\bar{y})\)
=(-2)×(-8)+(-1)×(-7)+…+2×8=109
(20個のデータ分に注意!)

回帰直線の導出

平方和と偏差積和が計算できたので、回帰直線が導出できます。

●回帰直線\(\hat{y_{ij}}\)
☆\(i\)=1の場合
・傾き\(β_1\)=\(\frac{ S_{xy(i=1)}}{ S_{xx}×2}\)=35/20=1.75
・y切片\(α_1\)=\(\bar{y_1}\)-\(β_1\)\(\bar{x}\)=5.5-1.75×3=0.25
よって、①\(\hat{y_{11}}\)=0.25+1.75\(x_j\)
☆\(i\)=2の場合
・傾き\(β_2\)=\(\frac{ S_{xy(i=2)}}{ S_{xx}×2}\)=74/20=3.7
・y切片\(α_2\)=\(\bar{y_2}\)-\(β_2\)\(\bar{x}\)=14.5-3.7×3=3.4
よって、➁\(\hat{y_{21}}\)=3.4+13.7\(x_j\)

●回帰直線\(\hat{y_{jl}}\)
★\(l\)=1の場合
・傾き\(β_1\)=\(\frac{ S_{xy(l=1)}}{ S_{xx}×2}\)=61/20=3.05
・y切片\(α_1\)=\(\bar{y_1}\)-\(β_1\)\(\bar{x}\)=9.5-3.05×3=0.35
よって、➂\(\hat{y_{11}}\)=0.35+3.05\(x_j\)
★\(l\)=2の場合
・傾き\(β_2\)=\(\frac{ S_{xy(l=2)}}{ S_{xx}×2}\)=48/20=2.4
・y切片\(α_2\)=\(\bar{y_2}\)-\(β_2\)\(\bar{x}\)=10.5-2.4×3=3.3
よって、➃\(\hat{y_{12}}\)=3.3+2.4\(x_j\)

●回帰直線\(\hat{y_j}\)
・傾き\(β\)=\(\frac{ S_{xy}}{ S_{xx}×4}\)=109/40=2.725
・y切片\(α\)=\(\bar{y}\)-\(β\)\(\bar{x}\)=10-2.725×3=1.825
よって、⑤\(\hat{y}\)=1.825+2.725\(x_j\)

計算してわかる面白い結果は、

iについて
●\(S_{xy(i=1)}\)+\(S_{xy(i=2)}\)=\(S_{xy}\)
(35+74=109)
と偏差積和はy=y1+y2と分解できる!
lについて
●\(S_{xy(l=2)}\)+\(S_{xy(l=2)}\)=\(S_{xy}\)
(61+48=109)
と偏差積和はy=y1+y2と分解できる!
iについて
●\(\frac{1}{2}\)\(β_1\)+\(β_2\)=\(β\)
(0.5×(1.75+3.7)=2.725))
全体の傾きは2本の傾きの平均とわかる!
lについて
●\(\frac{1}{2}\)\(β_1\)+\(β_2\)=\(β\)
(0.5×(3.05+2.4)=2.725))
全体の傾きは2本の傾きの平均とわかる!
iについて
●\(\frac{1}{2}\)\(α_1\)+\(α_2\)=\(α\)
(0.5×(0.25+3.4)=1.825))
全体のy切片は2本の直線のy切片の平均とわかる!
lについて
●\(\frac{1}{2}\)\(α_1\)+\(α_2\)=\(α\)
(0.5×(0.35+3.3)=1.825))
全体のy切片は2本の直線のy切片の平均とわかる!

➄データ構造式の各項の計算

回帰直線から, \(\hat{y_{ij}}\),\(\hat{y_{jl}}\),\(\hat{y_j}\)を計算

計算結果を下表にまとめます。

No \(x_j\) ①i=1
\(\hat{y_{ij}}\)
➁i=2
\(\hat{y_{ij}}\)
➂l=1
\(\hat{y_{jl}}\)
➃l=2
\(\hat{y_{jl}}\)
➄all
\(\hat{y_j}\)
1 1 2 7.1 3.4 5.7 4.55
2 2 3.75 10.8 6.45 8.1 7.275
3 3 5.5 14.5 9.5 10.5 10
4 4 7.25 18.2 12.55 12.9 12.725
5 5 9 21.9 15.6 15.3 15.45
合計 15 27.5 72.5 47.5 52.5 50
回帰直線 y=0.25+1.75x y=3.4+3.7x y=0.35+3.05x y=3.3+2.4x y=1.825+2.725x

各項を計算

データの構造式を再再掲すると、
\(y_{ijl}\)=\(\hat{y_j}\)+\((\hat{y_{ij}}-\hat{y_j})\)+\((\hat{y_{jl}}-\hat{y_j})\)+\(( y_{ijl}-\hat{y_{ij}}-\hat{y_{jl}}+\hat{y_j})\)
から、

●\(\hat{y_j}\)
●\((\hat{y_{ij}}-\hat{y_j})\)
●\((\hat{y_{jl}}-\hat{y_j})\)
●\(( y_{ijl}-\hat{y_{ij}}-\hat{y_{jl}}+\hat{y_j})\)
の値を求めましょう。

結果は下表になります。

\(x_j\) N1 N2
O1 O2 O1 O2 \(\hat{y_j}\) \((\hat{y_{ij}}-\hat{y_j})\)
①➁➃⑥ ①➁➄⑦ ①➂➃⑧ ①➂➄⑨
1 2 4 6 10 4.55 -2.55 2.55
2 3 2 8 8 7.275 -3.525 3.525
3 6 6 12 17 10 -4.5 4.5
4 4 8 24 22 12.725 -5.475 5.475
5 10 10 20 18 15.45 -6.45 6.45
合計 25 30 70 75 50 0
\(x_j\) \((\hat{y_{jl}}-\hat{y_j})\) \(( y_{ijl}-\hat{y_{ij}}-\hat{y_{jl}}+\hat{y_j})\)
1 -1.15 1.15 1.15 0.85 0.05 1.75
2 -0.825 0.825 0.075 -2.575 -1.975 -3.625
3 -0.5 0.5 1 0 -2 2
4 -0.175 0.175 -3.075 0.575 5.975 3.625
5 0.15 -0.15 0.85 1.15 -2.05 -3.75
合計 0 0

上表の①~⑨の各値を2乗して和を取りましょう。

\(x_j\) N1 N2
O1 O2 O1 O2 \(\hat{y_j}\) \((\hat{y_{ij}}-\hat{y_j})\)
①➁➃⑥ ①➁➄⑦ ①➂➃⑧ ①➂➄⑨
1 4 16 36 100 20.7 6.5 6.5
2 9 4 64 64 52.93 12.43 12.43
3 36 36 144 289 100 20.25 20.25
4 16 64 576 484 161.93 29.98 29.98
5 100 100 400 324 238.7 41.6 41.6
合計 2866 計 ①×4 2297.03 計 (➁+➂)×2 443.03
\(x_j\) \((\hat{y_{jl}}-\hat{y_j})\) \(( y_{ijl}-\hat{y_{ij}}-\hat{y_{jl}}+\hat{y_j})\)
1 1.32 1.32 1.32 0.72 0 3.06
2 0.68 0.68 0.01 6.63 3.9 13.14
3 0.25 0.25 1 0 4 4
4 0.03 0.03 9.46 0.33 35.7 13.14
5 0.02 0.02 0.72 1.32 4.2 14.06
計 (➃+⑤)×2 9.23 計⑥+⑦+⑧+⑨ 116.73

変動見ると、
\(S\)=\(S_β\)+\(S_{N×β}\)+\(S_{O×β}\)+\(S_e\)
2866=2297.03+443.03+9.23+116.73
(小数第3位を四捨五入しているので(右辺)=2866.02ですが、実際は2866です)
が成立することがわかります。

中間積和が0になることも確認

下の式の値が0になることを確認しましょう。

マーカ部分が0になることを示せばよいので、
\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} \hat{y_j}(\hat{y_{ij}}-\hat{y_j})\)=0
\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} \hat{y_j}(\hat{y_{jl}}-\hat{y_j})\)=0
\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} \hat{y_j}(y_{ijl}-\hat{y_{ij}}-\hat{y_{jl}}+\hat{y_j})\)=0
\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} (\hat{y_{ij}}-\hat{y_j})(\hat{y_{jl}}-\hat{y_j})\)=0
\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} (\hat{y_{ij}}-\hat{y_j})(y_{ijl}-\hat{y_{ij}}-\hat{y_{jl}}+\hat{y_j})\)=0
\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} (\hat{y_{jl}}-\hat{y_j})(y_{ijl}-\hat{y_{ij}}-\hat{y_{jl}}+\hat{y_j})\)=0
6項とも0になるところを実際に計算しながら見ていきましょう!
\(x_j\) \(\hat{y_j}\)\((\hat{y_{ij}}-\hat{y_j})\) 合計
1 -11.6 -11.6 11.6 11.6 0
2 -25.64 -25.64 25.64 25.64
3 -45 -45 45 45
4 -69.67 -69.67 69.67 69.67
5 -99.65 -99.65 99.65 99.65
\(x_j\) \(\hat{y_j}\)\((\hat{y_{jl}}-\hat{y_j})\) 合計
1 -5.23 5.23 -5.23 5.23 0
2 -6 6 -6 6
3 -5 5 -5 5
4 -2.23 2.23 -2.23 2.23
5 2.32 -2.32 2.32 -2.32
\(x_j\) \(\hat{y_j}\)\(( y_{ijl}-\hat{y_{ij}}-\hat{y_{jl}}+\hat{y_j})\) 合計
1 5.23 3.87 0.23 7.96 0
2 0.55 -18.73 -14.37 -26.37
3 10 0 -20 20
4 -39.13 7.32 76.03 46.13
5 13.13 17.77 -31.67 -57.94
\(x_j\) \((\hat{y_{ij}}-\hat{y_j})\)\((\hat{y_{jl}}-\hat{y_j})\) 合計
1 2.93 -2.93 -2.93 2.93 0
2 2.91 -2.91 -2.91 2.91
3 2.25 -2.25 -2.25 2.25
4 0.96 -0.96 -0.96 0.96
5 -0.97 0.97 0.97 -0.97
\(x_j\) \((\hat{y_{ij}}-\hat{y_j})\)\(( y_{ijl}-\hat{y_{ij}}-\hat{y_{jl}}+\hat{y_j})\) 合計
1 -2.93 -2.17 0.13 4.46 0
2 -0.26 9.08 -6.96 -12.78
3 -4.5 0 -9 9
4 16.84 -3.15 32.71 19.85
5 -5.48 -7.42 -13.22 -24.19
\(x_j\) \((\hat{y_{jl}}-\hat{y_j})\)\(( y_{ijl}-\hat{y_{ij}}-\hat{y_{jl}}+\hat{y_j})\) >合計
1 -1.32 0.98 -0.06 2.01 0
2 -0.06 -2.12 1.63 -2.99
3 -0.5 0 1 1
4 0.54 0.1 -1.05 0.63
5 0.13 -0.17 -0.31 0.56

確かに、中間積和の3つの項がすべて0になるのが確認できましたね。

実データを使って確認することも大事な勉強ですね。

本記事の結論である
●2乗和
\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} y_{ijl}^2\)
=\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} \hat{y_j}^2\)
+\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} (\hat{y_{ij}}-\hat{y_j})^2\)
+\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} (\hat{y_{jl}}-\hat{y_j})^2\)
+\(\sum_{i=1}^{n} \sum_{j=1}^{k} \sum_{l=1}^{q} ( y_{ijl}-\hat{y_{ij}}-\hat{y_{jl}}+\hat{y_j})^2\)
が成立することを、実データを計算して確かめました!

結構大変な計算でしたね。

まとめ

「品質工学、動特性、誤差因子2つの分解がわかる」を解説しました。

  • ①データの構造式
  • ➁2乗和の分解
  • ➂実データ
  • ➃回帰直線と\(\hat{y}\)の計算
  • ➄データ構造式の各項の計算
  • ⑥2乗和の分解を確認


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