品質工学のSN比が導出できる
「品質工学のSN比、感度Sが導出できない」などと困っていませんか?
こういう疑問に答えます。
本記事のテーマ
おさえておきたいポイント
- ①品質工学のSN比
- ➁品質工学のSN比が導出できる
- ➂品質工学の感度Sが導出できる
ロバストパラメータ設計
タグチメソッド
手法に溺れるな!
数式と理論で理解しよう!
品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッド
結局わからない!
⇒QCプラネッツが解決!
①品質工学のSN比
SN比 η=\(\frac{S_m}{S_e}\)でいいけど
QCプラネッツ自身は、数値より、式の意味が大事ととらえるので、
でOKですね。
対数 10logとかも要らないですよ。
SN比 η=10 log \( \frac{\frac{1}{n}(S_m – V_e)}{V_e}\)をよく使う
ですが、よく、
を使いますよね!
しかも、
●分子に変動\(S_m\)と単位が異なる分散\(Ve\)を引く意味がわからない
●変動\(S_m\)を分母にある単位が異なる分散\(Ve\)を割る意味がわからない
●教科書は「公式だから」ってあるけど、何でこの式なの?
と疑問に沸きますよね。
はアカンよ!
ちゃんと導出して納得してから使おう!
ということで、
SN比 η=10 log \(\frac{\frac{1}{n}(S_m – V_e)}{V_e}\)
を導出します。
➁品質工学のSN比が導出できる
SN比 η=10log \(\frac{\frac{1}{n}(S_m – V_e)}{V_e}\)を導出
(i)SN比の定義
SN比ηは
SN比 η=10log \(\frac{S_m}{V_e}\)≡10log \(\frac{m^2}{σ^2}\)
とします。個人的には10logは無くてもいいと思います。大事なのは、平均とばらつきの比をとっていることですね。
(ii)平均\(m\)の式を変形
まず、データが正規分布N(\(m\),\(σ^2\))に従うとし、
そこから\(n\)個(\(y_1\),…,\(y_n\))のサンプルを抜き出し、
その平均値\(\bar{y}\)のばらつき\(V(\bar{y})\)を考えます。
分散の公式V[X]=E[X2]-(E[X])2から
\(V(\bar{y})\)=\(E(\bar{y^2})\)-\((E(\bar{y}))^2\)
=\(E(\bar{y^2})\)-\(m^2\)
と表現できます。
(ここで、\((E(\bar{y})=m\)です。)
また、平均値\(\bar{y}\)のばらつき\(V(\bar{y})\)は、もとの正規分布からサンプル数を抜き取った時のばらつきなので、
\(V(\bar{y})\)=\(\frac{σ^2}{n}\)
とも書けます。
まとめると、
\(V(\bar{y})\)=\(E(\bar{y^2})\)-\(m^2\)=\(\frac{σ^2}{n}\)
=(式1)
となります。
(式1)を変形します。
\(E(\bar{y^2})\)-\(m^2\)=\(\frac{σ^2}{n}\)
\(m^2\)=\(\frac{1}{n}\)(\(E(n・\bar{y}^2)-σ^2\))
とします。
もともと、変動\(S_m\)は
\(S_m\)=\(\sum_{i=1}^{n} \bar{y}^2\)=\(n \bar{y}^2\)
なので、
\(m^2\)=\(\frac{1}{n}\)(\(E(S_m)-σ^2\))
=(式2)
となります。
(iii)推定値に置き換える
推定値に置き換えましょう。
- 母集団分散\(σ^2\)の推定値を\(V_e\)に置き換える
- 母集団平均\(m\)の推定値を\(\hat{m}\)に置き換える
(式2)は
(式2)= \(m^2\)=\(\frac{1}{n}\)(\(E(S_m)-σ^2\))
≡\(\hat{m}^2\)=\(\frac{1}{n}\)(\(S_m-V_e\))
と書けます。
よって、SN比 ηは
η=10log \(\frac{\hat{m^2}}{σ^2}\)
≡10log \(\frac{\frac{1}{n}(S_m-V_e) }{V_e}\)
と導出できます。
➂品質工学の感度Sが導出できる
ついでに、感度Sも導出しておきます。
感度S=10log\(m^2\)
ですから
\(\hat{m}^2\)=\(\frac{1}{n}\)(\(S_m-V_e\))
を代入すれば、
感度S=10log\(m^2\)≡10log\(\hat{m^2}\)
=10log\(\frac{1}{n}(S_m-V_e)\)
となります。
まとめ
「品質工学のSN比が導出できる」を解説しました。
- ①品質工学のSN比
- ➁品質工学のSN比が導出できる
- ➂品質工学の感度Sが導出できる
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