一様分布、二項分布が正規分布に近づくのがわかる
「一様分布、二項分布に属するものを複数同時に起こすと何で正規分布に従う結果になるのかがわからない」などと困っていませんか?
こういう疑問に答えます。
本記事のテーマ
一様分布、二項分布が正規分布に近づくのがわかる
おさえておきたいポイント
- ①複数個あるサイコロの出る目の確率を求める
- ➁一様分布、二項分布が正規分布に近づくのがわかる
- ➂畳み込み積分で一様分布からの変化を確認
一様分布に従うサイコロの目があり、そのサイコロを複数個同時投げてできる出る目の分布は正規分布に近づきます!でも何で?
一様分布、二項分布から異なる正規分布に近づく様子を実際に見てみましょう。
百聞は一見に如かずです!
では、参りましょう!
①複数個あるサイコロの出る目の確率を求める
問題
【問題】
どの目も等確率\(\frac{1}{6}\)が出るサイコロを1回、2回、・・・、6回と振る。それぞれの出る目における確率分布関数をグラフにプロットし、サイコロの回数が増えるごとに一様分布から正規分布に変化する様子を確認せよ。
どの目も等確率\(\frac{1}{6}\)が出るサイコロを1回、2回、・・・、6回と振る。それぞれの出る目における確率分布関数をグラフにプロットし、サイコロの回数が増えるごとに一様分布から正規分布に変化する様子を確認せよ。
不思議な問題文で、サイコロ1回振った結果は一様分布なのに、その回数を増やすと正規分布と異なる分布に変化していきます。
手計算で解いてみると
1回の場合
確率を計算すると
目 | 確率 |
1 | \(\frac{1}{6}\) |
2 | \(\frac{1}{6}\) |
3 | \(\frac{1}{6}\) |
4 | \(\frac{1}{6}\) |
5 | \(\frac{1}{6}\) |
6 | \(\frac{1}{6}\) |
となり、グラフも確かに一様分布ですね。当たり前ですよね、すべて等確率なので。
2回の場合
確率を計算すると
目 | 確率 |
2 | \(\frac{1}{36}\) |
3 | \(\frac{2}{36}\) |
4 | \(\frac{3}{36}\) |
5 | \(\frac{4}{36}\) |
6 | \(\frac{5}{36}\) |
7 | \(\frac{6}{36}\) |
8 | \(\frac{5}{36}\) |
9 | \(\frac{4}{36}\) |
10 | \(\frac{3}{36}\) |
11 | \(\frac{2}{36}\) |
12 | \(\frac{1}{36}\) |
となり、グラフは分布するようになってきましたが、まだ正規分布っぽくはないですね。
3回以上の場合
さすがに手計算では大変なので、プログラムを使って計算してきましょう。
VBAプログラムを紹介して、これを使って計算してみます。
VBAプログラムイメージ
VBAプログラムの一例です。これを使ってサイコロ1回から6回までを計算します。7回以上はExcelで計算すると時間がかかるため、6回までとします。
➁一様分布、二項分布が正規分布に近づくのがわかる
実際に計算した結果をグラフにまとめると
グラフからわかるのは、
- 回数を増やすと、一様分布から正規分布に変化している
- 3回振ると、結果は正規分布と言える
- 正規分布の中心は出る目の平均
となりますね。不思議ですね。
➂畳み込み積分で一様分布からの変化を確認
なぜ、一様分布を重ねると徐々に正規分布へと異なる分布に変わるのか?はある程度数式で読み取れます。が、場合分けがたくさんあるので、手計算ではちょっと大変です。その1例を挙げます。
1回から2回への変化
関連記事のように、畳み込み積分を使って計算します。
畳み込み積分がよくわかる(一様分布どうし) 畳み込み積分が計算できますか?本記事では畳み込み積分のイメージを高校数学を使ってわかりやすく解説し、さらに一様分布を使った畳み込み積分の計算を途中経過を一切端折らずに解説しています。畳み込み積分の計算ができず困っている方は必見です。 |
畳み込み積分で分布が変わるところを理解する
例題を挙げると、
一様分布
\(f(x) = \frac{1}{6} \) (0 ≤ x ≤ 6) それ以外0
\(g(y) = \frac{1}{6} \) (0 ≤ y ≤ 6) それ以外0
において、x+y=zにおける確率分布関数h(z)を作れ。
\(f(x) = \frac{1}{6} \) (0 ≤ x ≤ 6) それ以外0
\(g(y) = \frac{1}{6} \) (0 ≤ y ≤ 6) それ以外0
において、x+y=zにおける確率分布関数h(z)を作れ。
関連記事でおさえたいポイントは
積分区間を確認すると、場合分けが乗じる
場合分けは関連記事から見ると
●①は(x,y)=(6,6)より上(つまり12 ≤ z)で、積分領域外なので、h(z)=0
●➁は(x,y)=(0,6)以上①以下(つまり6 ≤ z ≤12)なので、図のように、x=z-6~6区間で積分
●➂は(x,y)=(0,0)以上①以下(つまり0 ≤ z ≤6)なので、図のように、x=0~z区間で積分
●➃は(x,y)=(0,0)以下(つまりz ≤ 0)で、積分領域外なので、h(z)=0
●①は(x,y)=(6,6)より上(つまり12 ≤ z)で、積分領域外なので、h(z)=0
●➁は(x,y)=(0,6)以上①以下(つまり6 ≤ z ≤12)なので、図のように、x=z-6~6区間で積分
●➂は(x,y)=(0,0)以上①以下(つまり0 ≤ z ≤6)なので、図のように、x=0~z区間で積分
●➃は(x,y)=(0,0)以下(つまりz ≤ 0)で、積分領域外なので、h(z)=0
この結果、一様分布から折れ線のような分布に変化します。
これを繰り返すと、一様分布から正規分布に近づく説明を数式で表現すればOKです。でも、場合分けが大変すぎるので、やり方だけ理解しておきましょう。
以上、
一様分布などを重ねると正規分布に近づく不思議な現象を
をわかりやすく解説しました。
一様分布などを重ねると正規分布に近づく不思議な現象を
をわかりやすく解説しました。
まとめ
「【初心者必見!】ポアソン分布の期待値と分散が解ける(高校数学で解ける!)」を解説しました。
- ①ポアソン分布の式を理解する
- ➁ポアソンの期待値と分散の導出
Warning: count(): Parameter must be an array or an object that implements Countable in /home/qcplanets/qcplanets.com/public_html/wp-content/themes/m_theme/sns.php on line 119