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外部審査で何を改善指摘されるかがわかる

第三者監査(外部審査)

「外部審査で何を改善指摘されるかがわからない」、「外部審査怖いなあ」と困っていませんか?

こういう疑問に答えます。

本記事のテーマ

外部審査で何を改善指摘されるかがわかる
審査では、良い点と改善点を指摘します。
良い点はそのままでよいので、本記事では解説しません。
改善の指摘を出すのが仕事である審査員と
指摘される被審査側について解説します。
残念ながら「完璧で改善指摘が全くない!」ってことはありません。
  • ①審査員は改善の機会を出すのが仕事
  • ②組織が未熟な場合の指摘内容
  • ③成熟した組織の指摘内容

①審査員は改善の機会を出すのが仕事

審査員の立場

ISO9001の認証機関から組織を審査する審査員は、認証機関の上位である認定機関やISOからもチェックが入ります。

「ちゃんと組織を審査したのか?」
と審査機関も審査されるので、
「改善指摘した箇所を提示する必要があります。」

なので、審査員は審査で、組織の良い点を見つけますが、基本は、改善指摘の方をたくさん見つけようとします。

審査員も仕事なので、仕方がないんです。

改善指摘は仕方がない

「改善指摘されても仕方がない」と心づもりして審査にのぞむことを勧めます。普段から業務を真剣に取り組んでいる人ほど、改善指摘されると、腹が立つし、ヘコミます。

「あなたの組織、部門に問題があるから改善指摘された」
よりはむしろ、
「相手(審査員)も仕事だから仕方がない」
と割り切りましょう。

ISOの要求どおり業務できる部門であれば、
改善指摘後のアクションもしっかり対応できるでしょうし、それを見せつけてあげたらOKです。

審査ですが、組織の成熟度合いによって、改善指摘の内容が大きく違います。

②組織が未熟な場合の指摘内容

ヌケモレが明確

誰が審査しても、はっきりわかるレベルです。「ちゃんと仕事しようね」というレベルです。まだ、組織内の人々が我流で仕事している感じが漂っていますね。

指摘される内容は、

  1. 必要文書自体が無い
  2. 文書の記入内容のヌケモレ
  3. 回答者が矛盾した回答している

組織の品質マネジメントシステムを回すために必要な組織内の文書が必ずあります。それ自体が無い状態で製造に入っていると、引継ぎに情報のヌケモレがありますね。きっと電話かメールで「やっといて」と製造側に依頼している可能性が高いですね。

文書の記入のヌケモレに多いのが、
●空白の欄がある(文書作成担当者が理解していない)
●5W1Hがあいまい(力量ある責任者が集まって、いつ協議して何が決まったかが不明確)
●承認回付をやっていない(承認入ると修正があるので面倒だから)
ですね。

気持ちはわかりますが、あとでトラブったときの原因になるので、上流工程ほど、文書を使って品質を作りこみましょう。

回答者が矛盾した回答しているとは、「エビデンスがあります」と言って、「エビデンスが出て来なかった」場合が多いです。上司が部下に「あれ出せ、これ出せ」と審査中に指示しますが、情報共有が疎な部門なら部下から「そんなのありません」と突き返されます。

これって、「カッコ悪い上司だなあ、普段、仲悪いんだろうな」がバレバレです。

品質の基本が理解していない

明らかなヌケモレがあるのに審査にのぞんでしまう原因は、

ISO9001、QMSを理解せず、見様見真似でやっている

からでしょう。能力不足ではないはずです。「なんでISOなんてやらないとだめなの?」と納得していないと、能力があっても、ヌケモレや自ら気づいて改善しようとはしません。

組織内の品質に関する教育が不十分かもしれません。また教育があったとしても、ISO,QMSなどの難解な用語をそのまま使って説明しているイケてない品質管理担当が教育者である可能性もあります。

「ルールだから従え!」
では、人は動きません。
納得できる理由を時間かけて説明しましょう。

被監査側のモチベーションは低い

審査に提示する内容の質が低いのは、被監査側のモチベーションは低いからです。この理由は

● ISO,QMSやって良かった!という実感がない
●費用対効果が見えない

からでしょう。公共工事のように、ISO認証組織でないと受注できないという制約があれば、受注のためにISOは仕方がないと納得せざるを得ないでしょうが、収益など組織の成功に直接つながらないと、組織の人達のモチベーションは上がりません。

経営陣や品質管理担当が組織を出回り布教活動すると、モチベーションが少しずつ上がるでしょう。

③成熟した組織の指摘内容

一方、成熟した組織でも改善指摘はあります。改善指摘が審査員の仕事なので。

成熟した組織とは

  1. ISO,組織のQMSを理解して組織が動いている
  2. 各部門に品質管理部門より口うるさい品質係がいる
  3. 自分で文書の内容を目的が説明できる
  4. 審査員に反論できるほど品質を良く理解している

よく理解しているのも良いですが、反論や自分なりの哲学を言ってくる「ややうるさい」人が各部門にいる感じです。

では成熟された組織で、何を改善指摘されるかを解説します。

ヌケモレはほぼ指摘できないレベル

●審査に提示される文書もしっかり作られており、内容も明確で、説明者もさっと回答できます。完璧です!これは指摘がありません。

●この状態で改善指摘を見つけようとすると、文書のrevision番号が合っていないなど、品質にとって重要ではないところを荒さがしするしかありません。

ISO2008年版までは、荒さがししていましたが、意味がないので、ISO2015年版からは指摘しません。

上位概念を指摘する

一通り品質マネジメントシステムが有効的に機能しているので、

もっと、組織が成功できるには、
何を高めて(改善すれば)良いか
を審査してきます。

学校のテストでいうと
●未熟な組織は、50点を80点にする改善指摘
●成熟した組織は、100点を150点に高める改善指摘
です。次元が違います。

●組織の成功を左右するのは、上位概念の方です。

  1. 経営戦略、品質方針、品質目標の整合性を確認
  2. より高い目標を提示するように改善指摘

具体的には、
●審査最初に見られる、品質目標の
施策項目内容、目標値がより高いレベルに組織が上がるためには十分な内容かどうか。
●各文書の中身ではなく、書くべき内容・構成が妥当かどうか?

など、より高い次元に進むために、整備されたQMSが妥当かどうか?さらに高めるには何が必要か?を考えさせるような改善指摘が来ます。

この場合、改善指摘内容が抽象的になるので、組織各部門にそのまま展開しても、みんな「わからない」となってしまいます。品質管理部門で一旦、審査員の意味を汲み取って、できる指摘内容に書き直してから組織へ展開する必要があります。

単なるヌケモレチェックの審査から
より高い次元に行けるためのべき論を考える審査に
なるように組織の品質力を高めましょう。

まとめ

外部審査で何を改善指摘されるかをわかりやすく解説しました。

  • ①審査員は改善の機会を出すのが仕事
  • ②組織が未熟な場合の指摘内容
  • ③成熟した組織の指摘内容


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