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ISO9001 2015 0.3.3 リスクがわかる

ISO

「リスクと機会って何か?わからない」、と困っていませんか?

こういう疑問に答えます。

本記事のテーマ

ISO9001 2015 0.3.3 リスクがわかる
  • ①「リスク」とは?
  • ②「リスク」と「機会」の関係
  • ③「リスク」と「機会」なら「リスク」を第1にISOは考える
「リスクと機会」をよく使います。
●リスクは、良くない事が起こること
●機会は、良い事が起こること
でしょう!
厳密に言うと違います!
なので、解説しますね。

①「リスク」とは?

よく使う「リスク」

「トラブルが起こるリスクがあります。」
「大きな災害が発生するリスクがあります。」
などよく使いますよね。

「リスク」=危険性、ヤバさ
という認識が強いでしょう。

「リスク」とは、危機・危険が不確定であるが発生しうるときに、よく使います。

ISOで使う「リスク」の定義

リスク(ISO900 3.7.9)とは
 不確かさの影響
  期待から好ましい方向に乖離すること(⇒機会)と
  期待から好ましくない方向に乖離することを含む

「リスク」の類似語を使って、意味を比較してみましょう。

「リスク」と「ハザード」の違い

「ハザード」は「ハザードマップ」とかに使います。「リスク」ほどは使用頻度は少ないですね。

「リスク」と「ハザード」はどう違うのでしょうか?

「ハザード」は、悪い状況のみに使います。
「リスク」は実は、不確定さだけ意味するので、良いことも、悪いことも起こりうる場合に使います。

金融、薬でも「リスク」は使うが「ハザード」は使わない

「くすり」を逆に読むと「りすく」です。

でも、薬は「良くなる可能性があるから」飲むんですよね。ひょっとしたら、副作用で「悪い結果になる可能性」もありますけど。

金融もそうです。
今日の1万円は
為替、インフレなどで明日1.1万円の価値になるかもしれないし、
明日9千円の価値になるかもしれない
というリスクがあります。

薬は「ハザード」なら、飲みますか? 体が悪くなる可能性しかないものは薬ではありませんよね。

●「リスク」は良い・悪い可能性両方を含む
●「ハザード」は悪い可能性のみ

では、「リスク」と「機会」はどんな関係であるべきでしょう?

②「リスク」と「機会」の関係

「リスク」と「機会」は対義語としてよく使われる

●リスク⇒「良くない、悪い可能性」
●機会⇒「良い可能性」
とよく使いますね。

図のように、対義語としてよく使われます。

リスクと機会

「リスク」と「機会」は関連し合う関係

しかし、「リスク」はISOの定義によると、

リスク(ISO900 3.7.9)とは
 不確かさの影響
  期待から好ましい方向に乖離すること(⇒機会)と
  期待から好ましくない方向に乖離することを含む

で、「リスク」の一部、良い可能性が「機会」としてとらえています。

「機会」は「リスク」の一部

図にすると下図のイメージです。

リスクと機会

わかりにくいので、事例を挙げて考えましょう。

リスクと関連し合う機会の事例

次の例を考えます。

排ガス規制が厳しい社会になってきた。自動車メーカにとっての「リスク」と「機会」を挙げよ。

排ガス規制が厳しくなると、
・ガソリン車のイメージが悪くなり売れなくなる
・ガソリン車の技術開発が難しくなるため、値段が上がり売れなくなる
などは、自動車メーカにとっては、「好ましくない不確定さ」ですね。

一方で、排ガス規制が厳しくなると、
・ハイブリッド車、EVが普及し市場拡大のチャンス
などは、自動車メーカにとっては、「好ましい不確定さ」で「機会」ですね。

例を挙げて、リスクと機会の関係を整理します。

リスクと機会

「リスク」と「機会」は「ピンチ」と「チャンス」と混同しがち

よくスポーツ観戦すると、「ピンチ」と「チャンス」をよく使います。
「ピンチ」と「チャンス」は対義語ですね。

●「リスク」≒「ピンチ」
●「機会」=「チャンス」
と認識しやすいから、
「リスク」と「機会」を対義語として頻繁に活用します。

③「リスク」と「機会」なら「リスク」を第1にISOは考える

「リスク」を第1に考える

「リスク」の一部に「機会」が含まれることを解説しました。

ISOは「リスク」を第1に考えます。

「リスク」と「機会」の1セットではなく、ISOは「リスク」をメインに抽出し、品質マネジメントシステムに活動や施策を落とし込んでいきます。

「リスク」と「機会」なら「リスク」が先に来る

無意識に「リスク」と「機会」を1セットで考えますが、よく見たら、「リスク」が先に来ていますね。

「リスク」と「機会」なら「リスク」が先に来ます。

実用上は、「リスク」と「機会」1セットで良い

本記事では、「リスク」と「機会」の厳密な関係を解説しましたが、実用上は、「リスク」と「機会」1セットでOKです。でも、厳密な意味を知っておいてください。

本記事の結論

「リスク」と「機会」は1セットだから
対義語のように使ってもOK
でも、「リスク」と「機会」は関連し合う関係
であることを知っておいてください。

まとめ

ISO9001 2015 0.3 プロセスアプローチ をわかりやすく解説しました。

  • ①「リスク」とは?
  • ②「リスク」と「機会」の関係
  • ③「リスク」と「機会」なら「リスク」を第1にISOは考える


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