品質不正の分析方法がわかる
「品質不正の分析方法がわからない、30社も分析しているQCプラネッツはどうやって分析しているの?」と疑問に思いませんか?。
こういう疑問に答えます。
本記事のテーマ
- ①品質不正の企業分析リンク
- ➁1次データの真因分析をチェック
- ➂真因をさらにツッコむ
- ➃シンプルなモデルで説明できるかを見極める
深い分析ができる方法を解説します。企業分析に役立つスキルです!
①品質不正の企業分析リンク
- ●雪印集団食中毒事件から品質不正を学ぶ
- ●不二家の品質不正を学ぶ
- ●赤福の品質不正を学ぶ
- ●船場吉兆の品質不正を学ぶ
- ●東洋ゴムの品質不正を学ぶ
- ●日立化成の品質不正を学ぶ
- ●富久娘酒造の品質不正を学ぶ
- ●フォルクスワーゲンの品質不正を学ぶ
- ●三菱自動車の品質不正を学ぶ
- ●パロマの品質不正を学ぶ
- ●スバルの品質不正を学ぶ
- ●日産自動車の品質不正を学ぶ
- ●東レの品質不正を学ぶ
- ●三菱マテリアル子会社から品質不正を学ぶ
- ●東洋紡の品質不正を学ぶ
- ●京セラの品質不正を学ぶ
- ●トーカン(三菱電機子会社)の品質不正を学ぶ
- ●KYBの品質不正を学ぶ
- ●ジャムコの品質不正を学ぶ
- ●丸善石油化学の品質不正を考える
- ●小林化工から品質不正を学ぶ
- ●日医工の品質不正を学ぶ
- ●神戸製鋼の品質不正を学ぶ
- ●IHIの品質不正を学ぶ
- ●タカタの品質不正を学ぶ
- ●スズキの品質不正を学ぶ
- ●三菱電機の品質不正を学ぶ
- ●宇部興業の品質不正を学ぶ
- ●シチズン電子の品質不正を学ぶ
- ●品質不正 2022年に発覚した企業から学ぶ
➁1次データの真因分析をチェック
企業報告書に真因分析結果をチェック
まずは、自分で考える前に、企業の品質不正に関する報告書を読んで、そこにある真因分析結果を抜き出しましょう。
数社分析すると、報告書を読む前に真因がほぼ予想できるようになりますけど。
よくある真因分析結果
よく書いている結果は次の通りです。下の11のうち、いくつかを抜き出したり、組み合わせたものが報告書に記載されていることがほとんどです。
- 過度なコストカットにより設備・人への投資が不足
- 業務過多で試験が不十分
- 製品の品質に実質的な問題がないという過信
- 不適切行為が社内のみで対応し「問題を表面化させない閉鎖的な風土」
- 検査員の完成検査に関する法令・ルールに対する規範意識の著しい鈍麻
- 収益評価に偏った経営及び閉鎖的な組織風土
- 経営層が現場の状況を理解しておらず、問題の対応を現場任せ
- 内部監査が表層的なもので、不適切事実が発見できなかった
- 納期を優先するあまり、規則・手順を逸脱してでも作業を優先
- 上司と部下間のコミュニケーションが不足
- 作業者・検査員の技術力不足
➂真因をさらにツッコむ
その真因となった背景を考える
と思いますけど、
よく考えると「なぜ?」ともう少し突っ込みたくなる真因が多い。
完成度の高い真因分析とは、QCプラネッツはこう考えます。
●真因3,4個ぐらいが、頭で整理しやすく応用が利きやすい
真因をさらに絞る
真因11個程度をさらにツッコんで、絞れるかを考えましょう。
実際にツッコんでみます。ここが深い真因を分析するQCプラネッツのやり方です。
考え方は、
- 品質不正せざるを得ない状況に追い込んだ圧力を探す
- 正しい業務ができなくしたものは何か?を再度ツッコむ
- 過度なコストカットにより設備・人への投資が不足
確かにコスト抑制されるとリソースは不足する!OK! - 業務過多で試験が不十分
業務が多いなら自動化など減らせばよいが、なぜそれが出来なかったのか? ツッコみが足りない - 製品の品質に実質的な問題がないという過信
自信ありはOKだが、検査省略や間引きの動機に直接関係性はない?自信ありでちゃんと検査すればいいじゃん!それができなくした真因があるはず!ツッコみが足りない - 不適切行為が社内のみで対応し「問題を表面化させない閉鎖的な風土」
閉鎖的な風土でも、不正しなければOK? 不正せざるを得なくした圧力は何かが見えない!ツッコみが足りない - 検査員の完成検査に関する法令・ルールに対する規範意識の著しい鈍麻
ちゃんと検査員を教育すればいいじゃん! 教育・倫理観が高められない状況にした真因が見えない!ツッコミが足りない! - 収益評価に偏った経営及び閉鎖的な組織風土
確かにコスト抑制や無理な目標・納期を設定されると不正に走りやすくなる!OK! - 経営層が現場の状況を理解しておらず、問題の対応を現場任せ
現場がちゃんとやっていれば問題ないし、むしろ経営陣が現場来るのはうざい事! ちゃんと現場が機能しない真因が見えない!ツッコミが足りない! - 内部監査が表層的なもので、不適切事実が発見できなかった
ISO,内部監査は、QMSの有効性しか見ないから、不正まで見抜けない。これを理由にするのは無意味。理由にするのは、監査の実務を知らないからではないか? - 納期を優先するあまり、規則・手順を逸脱してでも作業を優先
その通り! OK! - 上司と部下間のコミュニケーションが不足
コミュニケーションが無くても、上司が無能でも、部下がちゃんと業務すれば不正は起きない。不正せざるを得ない状況になった理由が見えない!ツッコミが足りない! - 作業者・検査員の技術力不足
技術を高めればいいし、優秀な人材を採用すればいいじゃん! それができない理由は?ツッコみが足りない
と、マーカでツッコんでみました。
浅い分析だから、項目が11とたくさん上がってしまう
➃シンプルなモデルで説明できるかを見極める
1つのシンプルなモデルを探す
上のツッコミをもっとツッコンで見ましょう。シンプルな真因が見えてきます。
No | 報告書 | ツッコみ | さらにつっこみ | 本当の真因 |
1 | 業務過多で 試験が不十分 |
効率化すれば いいじゃん! |
工夫できない 状況だったのでは? |
コスト抑制 で投資難 |
2 | 品質の過信 | 不正と関係ない! | 業務を省きたい 理由は? |
納期の圧力 |
3 | 閉鎖的な風土 | 不正と関係ない! | 表面化する と厄介になる |
納期の圧力 |
4 | 規範意識が希薄 | 教育すれば いいじゃん! |
教育できない 理由がある |
コスト抑制 で投資難 |
5 | 経営陣が現場任せ | むしろその方が | 指摘されると 面倒なわりに 何もしてくれない |
納期の圧力 コスト抑制 |
6 | 内部監査の軽薄 | そもそも 不正発見できない |
ー | ー |
7 | コミュニケーション 不足 |
コミュニケーション なくても正しく 業務できる |
問題があっても 報告したくない理由 |
納期の圧力 |
8 | 作業者の 技術力不足 |
教育・採用で カバーすればいい! |
それができない理由は? | コスト抑制 で投資難 |
企業の報告書は一見、説得力がある内容ですが、
別に他の手段を使えば、解決するじゃん!という真因が多いです。
だから、
自分で決めたモデルで説明できるかを見極める
そして、シンプルなモデルを使って説明ができないか?どうかを考えると頭の中で整理しやすくなります。
QCプラネッツは「QCDバランス」で解説
さっきの「ツッコミ表」の右端の「本当の真因」をみると、
の2つですべて不正の真因が説明できる
なので、
例えば、
●閉鎖的な風土になるのは、提言やフォローされると、通常業務の遅延や、それにかかるコストの影響が出ます。でも、経営陣は何もせずに、結果だけフォローしてきます。 コスト抑制と納期必達の圧力がかかると、職場間の交流を避ける傾向が出ます。
例えば、
●業務過多で不正になる真因は、業務効率化したいが、それをする時間も投資がないから、諦めて不正して業務したことにしようという動機が生まれます。
など、QCプラネッツの30社の分析結果から、ほぼ全部の真因が「QCDバランスの崩れ」で説明できることが分かっています。
「QCDバランスの崩れ」で説明できない事例が出たら、モデルを更新して分析力をさらに高めていきます。
まとめ
「【重要】品質不正の分析方法がわかる」を解説しました。
- ①品質不正の企業分析リンク
- ➁1次データの真因分析をチェック
- ➂真因をさらにツッコむ
- ➃シンプルなモデルで説明できるかを見極める
Warning: count(): Parameter must be an array or an object that implements Countable in /home/qcplanets/qcplanets.com/public_html/wp-content/themes/m_theme/sns.php on line 119