月: 2021年11月

  • 調整型抜取検査(1回方式)の主抜取表の作り方がわかる

    調整型抜取検査(1回方式)の主抜取表の作り方がわかる

    本記事のテーマ

    調整型抜取検査(1回方式)の主抜取表の作り方がわかる
    「調整型抜取検査の抜取表にあるAc,Re値の求め方」、「AQLの100以上の意味」をわかりやすく解説します。
    • ①主抜取表はOC曲線から導出できる
    • ②AQL100超過の場合の合格判定個数Acの導出方法がわかる
    • ③なみ検査の主抜取表の作り方がわかる

    自分で抜取検査の理論を理解して、抜取検査を先に自分で設計して、必要な値をJISや教科書を使うようにしたいです。

    ●You tube動画でも確認ができます。

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    調整型抜取表1回なみ

    ①主抜取表はOC曲線から導出できる

    結論

    抜取検査はOC曲線で考えます。
    主抜取表もOC曲線から導出できます。

    二項分布のOC曲線からn,Ac,AQLを導出

    OC曲線を描きましょう。

    OC曲線

    OC曲線の描き方については、関連記事があります。Excel VBAでOC曲線が作れます。

    OC曲線自動生成プログラム OC曲線の自動作成プログラムの使い方を解説します!

    サンプル数n,合格判定個数AcとAQL(合格品質水準)を決めます。
    サンプル数nとAQLについて、主抜取表では標準数を使って値をふっています。

    標準数については、関連記事で確認ください。

    標準数 【重要】抜取検査に欠かせない標準数がわかる
    抜取検査に必須な標準数についてわかりやすく解説!

    サンプル数n,合格判定個数AcとAQL(合格品質水準)を決め方

    ①各サンプル数nにおいて、主抜取表にあるAQL値に近い、合格判定個数Acを決める。
    ②すべてのn,AQLについてOC曲線を描いて、それぞれの合格判定個数Acを決めれば主抜取表が完成する

    AQLについては、関連記事で確認ください。

    調整型抜取検査 AQL(合格品質水準)とは何かを
    はっきり解説します!

    ②AQL100超過の場合の合格判定個数Acの導出方法がわかる

    主抜取表で確認

    AQLは%だから100%以下のはず。
    でも、主抜取表は100以上の場合がある。
    どういう意味?

    と不思議ですよね。

    主抜取表は下表のように書いています。色枠部はAQLが100以上の箇所です。

    AQL 0.01 100 150 1000
    文字 サイズ Ac,Re Ac,Re Ac,Re Ac,Re
    A 2 0,1 5,6 7,8 30,31
    B 3 0,1 7,8 10,11 44,45
    0,1
    0,1
    0,1
    P 800 0,1
    Q 1250 0,1

    ポアソン分布でAQLを個数と定義するから、100以上もあるのです。

    と、主抜取表には書いていますが、実際に計算して確認しましょう。

    ポアソン分布で計算

    ポアソン分布を使ってOC曲線の導出方法は、関連記事にあります。

    OC曲線自動生成プログラム OC曲線の自動作成プログラムの使い方を解説します!

    二項分布、ポアソン分布からOC曲線を求める式を描きます。

    ●二項分布
    L(p)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nC_r p^r (1-p)^{n-r}\)
    ●ポアソン分布
    L(p)=\(\sum_{r=0}^{c} exp(-np) \frac{(np)^r}{r!}\)

    ●ポアソン分布
    L(p)=\(\sum_{r=0}^{c} exp(-np) \frac{(np)^r}{r!}\)
    で、サンプル数n,合格判定個数cを与えます。

    AQLが100超過する場合ですから、主抜取表を見て、以下の値でOC曲線を描きます。

    n 5 5 5 5 5
    Ac 10 14 21 30 44

    明らかに サンプル数nより、合格判定個数Acが大きいですね。
    すると、OC曲線を描くと、AQLが100以上になることが下図からわかります。

    OC曲線

    ポアソン分布から導出したAQLの値と、主抜取表のAQLの値を比較すると、大体あっていることがわかります。

    (n,Ac) (5,10) (5,14) (5,21) (5,30) (5,44)
    主抜取表 100 150 250 400 650
    自力で計算 123 185 298 449 691

    ③なみ検査の主抜取表の作り方がわかる

    作り方の基本は、関連記事にも解説しています。

    調整型抜取検査 主抜取表の値をOC曲線から導出し、自力で主抜取表が 作れることを解説します。

    主抜取表の作り方

    どんどんOC曲線を描いて、AQLに該当する合格判定個数Acを求める。不合格判定個数ReはAc+1とすればOKです。

    主抜取表のサイズと合格判定個数を用意してOC曲線を求めて、AQLに該当するAcを算出し、それを主抜取表に埋めていけば完成します。

    実際に、主抜取表にある(n,Ac)をOC曲線で描きます。

    OC曲線

    この各曲線からAQLをそれぞれ求めて、その値と主抜取表にあるAQLを比較して、近ければ、そのときの合格判定個数を主抜取表に代入します。

    実際にn=20の場合で、自力で計算した場合と主抜取表の値を比較します。

    OC曲線

    c AQL(自力) AQL(主抜取表) OC曲線
    0 0.28 0.65 二項分布
    1 1.77 2.5 二項分布
    2 4.19 4 二項分布
    3 7.12 6.5 二項分布
    4 10.38 6.5 二項分布
    5 13.95 10 二項分布
    6 17.71 10 二項分布
    7 21.69 15 二項分布
    8 25.86 15 二項分布
    9 30.18 15 二項分布
    10 34.68 25 二項分布
    11 39.34 25 二項分布
    12 44.19 25 二項分布
    13 49.21 25 二項分布
    14 54.42 40 二項分布
    15 59.89 40 二項分布
    16 65.62 40 二項分布
    17 71.72 40 二項分布
    18 78.37 40 二項分布
    19 86.08 40 二項分布
    20
    21 75 65 ポアソン分布
    22 112 150 ポアソン分布
    23 172 250 ポアソン分布

    全体的は大体合っている結果ですが、大きくずれるところもあります。

    実際に計算すると、主抜取表の特徴やすごさがわかります。

    まとめ

    調整型抜取検査(1回方式)の主抜取表の作り方について解説しました。

    • ①主抜取表はOC曲線から導出できる
    • ②AQL100超過の場合の合格判定個数Acの導出方法がわかる
    • ③なみ検査の主抜取表の作り方がわかる
  • 【簡単】AQL(合格品質水準)がすぐわかる

    【簡単】AQL(合格品質水準)がすぐわかる

    本記事のテーマ

    【簡単】AQL(合格品質水準)がすぐわかる
    「AQL(合格品質水準)とは何か?」、
    「AQL(合格品質水準)はどの値にすればよいか?」
    を明快に解説します!
    • ①AQL(合格品質水準)はOC曲線でいうp0である
    • ②なみ検査のAQLはOC曲線のp0でよい
    • ③ゆるい検査、きつい検査のAQLはOC曲線のp0に補正した値となる
    AQLって何と聞かれたら、「すぐに答えられますか?」
    JISや教科書に明記していないので、答えられないはずです。

    だから、困るはずです!

    本記事では、明快に解説します!
    理論を理解して、抜取検査を自分で設計できるようになってほしいです。

    ●You tube動画でも解説しています。ご確認ください。

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    QC検定®1級合格したい方、抜取検査の本質・理論をしっかり学びたい方におススメです。
    【QC検定®合格】「抜取検査」問題集を販売!①二項分布・ポアソン分布、OC曲線、➁多回抜取検査、➂選別型抜取検査、➃計量抜取検査、⑤逐次抜取検査、⑥調整型抜取検査、⑦抜取検査まとめ の7章全47題!

    ①AQL(合格品質水準)はOC曲線でいうp0である

    結論

    OC曲線

    AQLはOC曲線でいうと、
    ロットの合格率L(p)が1-α(α:第1種の誤り)となるときの
    不良率p0のことである

    断言します!

    自信もって、AQL=p0でOKです。

    その理由を、詳細に解説します!

    AQLの定義がJISや教科書に詳細に書いているが、どの値なのかが結局わからない

    1. 工程平均として満足だと考えられる品質の上限(教科書の定義)
    2. 継続して連続のロットが抜取検査に提出されるときに、許容される工程平均の上限の品質水準(JISZ9015-1 3.1.26)

    確かに、AQLの定義が詳細に書いています。けど、

    実際抜取検査するときに、
    ①手持ちのデータや値でいうと、どれがAQLなのかわからない!
    ②仮に工程平均を満足する値があったとして、その値を使ってよい理由がはっきりしない。(JISに書いているからOKとしか説明できない。

    自分の理論でAQLを定義したい!ですよね。

    抜取検査はOC曲線ですべて考えるのだから、
    OC曲線でいうとどの値なのかをはっきりさせたい!はずです。

    AQL(合格品質水準)はOC曲線のp0でよい

    結論

    OC曲線

    AQLはOC曲線でいうと、
    ロットの合格率L(p)が1-α(α:第1種の誤り)となるときの
    不良率p0のことである

    断言します!

    自信もって、AQL=p0でOKです。

    実際に計算して、JISの主抜取表と比較してみればわかりますので、計算してみましょう。

    ②なみ検査のAQLはOC曲線のp0でよい

    OC曲線からp0を導出

    なみ検査の1回抜取方式で、実際にOC曲線から、AQLと合格判定個数を求めてみましょう。

    OC曲線から抜取表を作る方法

    ①サンプル数n,合格判定数c、からOC曲線を描いて、
    ロットの合格率L(p)が1-α(α:第1種の誤り =0.05)となるp0を求めます。

    ②次に合格品質水準AQLとp0の大小を下図のように比較します。
    ●p0 ≤ AQL なら、合格判定個数c⇒c+1に増やす。
    ●p0 > AQL なら、合格判定個数cは変えない

    この方法で、各AQLにおける、合格判定数c(これが合格判定個数Acになります)を求め、この結果を抜取表と比較します。

    OC曲線

    OC曲線の描き方については、関連記事があります。Excel VBAでOC曲線が作れます。

    OC曲線自動生成プログラム OC曲線の自動作成プログラムの使い方を解説します!

    OC曲線から抜取表を作成

    サンプル数n=20において、各AQLとAcの関係について、
    ●自分で作った結果
    ●JISZ9015-1の主抜取表
    を比較します。

    AQL(%) 自分で
    導出
    JISZ
    9015Z-1
    AQL(%) 自分で
    導出
    JISZ
    9015Z-1
    0.01 0 0 1 1 1
    0.015 0 0 1.5 1 1
    0.025 0 0 2.5 2 1
    0.04 0 0 4 2 2
    0.065 0 0 6.5 3 3
    0.1 0 0 10 4 5
    0.15 0 0 15 6 7
    0.25 0 0 25 8 10
    0.4 1 0 40 12 14
    0.65 1 0 65 16 21

    関連記事にも同じ表を載せています。

    調整型抜取検査のなみ検査の主抜取表がわかる
    本記事では、主抜取表の値(AQLサンプルサイズ、合格判定数Ac,不合格判定数Re)をOC曲線から導出し、自力で主抜取表が 作れることを解説します。

    自分で求めた値と、JISZ9015-1 なみ検査(1回抜取方式)を比較します。結構、一致しています。

    結論

    OC曲線

    AQLはOC曲線でいうと、
    ロットの合格率L(p)が1-α(α:第1種の誤り)となるときの
    不良率p0のことである

    断言します!

    自信もって、AQL=p0でOKです。

    ③ゆるい検査、きつい検査のAQLはOC曲線のp0に補正した値となる

    ゆるい検査、きつい検査も、なみ検査と同じ結論になりますが、1点注意が必要です。

    AQLが1点で決まらない点に注意。
    ただし、補正すればAQLが1点で決まる。

    OC曲線でなみ検査、ゆるい検査、きつい検査を比較

    同じAQL,同じ合格判定個数Acで、なみ検査、ゆるい検査、きつい検査のOC曲線を描いてみます。

    検査 サンプル数n 合格判定個数Ac AQL(%)
    なみ検査 20 3 6.5
    ゆるい検査 13 3 6.5
    きつい検査 32 3 6.5

    同じAQL,同じ合格判定個数Acでは、サンプル数nがなみ検査、ゆるい検査、きつい検査で異なります。

    AQL

    <

    div style=”padding: 10px; margin-bottom: 10px; border: 1px solid #333333; background-color: #f5f5f5;”> OC曲線を見ると、ロットの合格率L(p)が1-α(α:第1種の誤り)となるときの不良率p0は、1点で集まっていないことがわかります。

    OC曲線では、合格判定数cを固定して、サンプル数nが変わると曲線の形は変わります。OC曲線の基本です。

    ゆるい検査、きつい検査のOC曲線を補正する

    AQLが1点で決まらない点に注意。
    ただし、補正すればAQLが1点で決まる。

    つまり、グラフの左側にあった、きつい検査を右側にずらし、
    グラフの右側にあった、ゆるい検査を左側にずらすと、
    なみ検査の曲線に近づきます。

    補正した3つの曲線が1つに集まったときの、p0をAQLとすればよいのです。下図にイメージ図を描きます。

    AQL

    AQL

    図はわかりやすいのですが、数学的には問題ないのか?が気になりますので、式でも追跡します。

    ロット合格率L(p)の公式を書きます。
    ●\(L(p)\)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nCr p^r (1-p)^{n-r}\) (なみ検査)

    JISの主抜取表をよく見ると、ゆるい検査ときつい検査は、なみ検査に比べて、AQLの列が1つずれています。つまり、これを補正式として代入します。

    ロット合格率L(p)
    ●\(L(p)\)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nCr p^r (1-p)^{n-r}\) (なみ検査)
    ●\(L(p)\)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nCr (pm)^r (1-pm)^{n-r}\) (ゆるい検査) (0 < m < 1)
    ●\(L(p)\)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nCr (pm)^r (1-pm)^{n-r}\) (きつい検査) (m > 1)

    補正変数mは、主抜取表のAQLの1列のずれを考慮して、標準数\(10^{0.2}\)を入れてみます。
    ●\(L(p)\)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nCr (pm)^r (1-pm)^{n-r}\) (なみ検査) (m=1)
    ●\(L(p)\)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nCr (pm)^r (1-pm)^{n-r}\) (ゆるい検査) (m=\(10^{-0.2}\))
    ●\(L(p)\)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nCr (pm)^r (1-pm)^{n-r}\) (きつい検査) (m=\(10^{0.2}\))

    すると、補正した3つの曲線が1つに集まります。

    AQL

    AQL

    結論

    OC曲線

    AQLはOC曲線でいうと、
    ロットの合格率L(p)が1-α(α:第1種の誤り)となるときの
    不良率p0のことである

    断言します!

    自信もって、AQL=p0でOKです。

    以上から、自信もって、AQL=p0でOKとして活用ください。

    まとめ

    AQL(合格品質水準)の定義について明快に解説しました。

    • ①AQL(合格品質水準)はOC曲線でいうp0である
    • ②なみ検査のAQLはOC曲線のp0でよい
    • ③ゆるい検査、きつい検査のAQLはOC曲線のp0に補正した値となる
  • 調整型抜取検査のなみ検査の主抜取表がわかる

    調整型抜取検査のなみ検査の主抜取表がわかる

    本記事のテーマ

    調整型抜取検査のなみ検査の主抜取表がわかる
    「主抜取表の値の決め方」
    「サンプルサイズ、AQLの値の決め方」
    「抜取表の値の決め方」
    をわかりやすく解説!
    • ①サンプルサイズ、AQLの決め方がわかる
    • ②合格判定数Ac、不合格判定数Reの決め方がわかる
    • ③合格判定数Ac、不合格判定数Reの工夫しているところがわかる
    主抜取表の値の作り方は、どこにも書いていません。QCプラネッツで研究してわかったことをお伝えします。

    ●You tube動画も確認ください。

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    【QC検定®合格】「抜取検査」問題集を販売!①二項分布・ポアソン分布、OC曲線、➁多回抜取検査、➂選別型抜取検査、➃計量抜取検査、⑤逐次抜取検査、⑥調整型抜取検査、⑦抜取検査まとめ の7章全47題!

    調整型抜取表1回なみ

    ①サンプルサイズ、AQLの決め方がわかる

    サンプルサイズ

    主抜取表を見ると、サンプル文字とサンプルサイズをまとめた表があります。

    文字 サイズ 文字 サイズ
    A 2 K 125
    B 3 L 200
    C 5 M 315
    D 8 N 500
    E 13 P 800
    F 20 Q 1250
    G 32 R 2000
    H 50
    J 80

    (合格品質限界)AQL

    主抜取表を見ると、AQLの値は下表のようになっています。

    0.01 0.1 1 10 100
    0.015 0.15 1.5 15 150
    0.025 0.25 2.5 25 250
    0.04 0.4 4 40 400
    0.065 0.65 6.5 65 650

    サンプルサイズとAQLの決め方

    標準数で決めています。
    ですが、標準数でなければならない義務はなく、
    使いやすい主抜取表になるように、好きな値を決めてよいです。

    この場合の標準数は10の0.2乗である1.58としています。
    \(10^{0.2×0}\)=1
    \(10^{0.2×1}\)=1.5
    \(10^{0.2×2}\)=2.5
    \(10^{0.2×3}\)=4
    \(10^{0.2×4}\)=6.5
    \(10^{0.2×5}\)=10
    と見ると、確かにサンプルサイズ、AQLの値に一致しますね。

    ただし、別に、値は何でもOKです。
    1⇒2⇒4⇒8⇒16⇒32⇒…とか
    1⇒2⇒5⇒10⇒20⇒50⇒100⇒…とか
    でもOKです。

    ISOやJISの規格はみんなが使いやすいようにするために標準数を使っています。
    あなたが、使いやすい抜取表を作ってもOKです。

    標準数については、関連記事で解説しています。ご確認ください。

    【重要】抜取検査に欠かせない標準数がわかる
    規準型抜取検査や調整型抜取検査の抜取表の範囲や区分を作る方法を解説します。

    ②合格判定数Ac、不合格判定数Reの決め方がわかる

    合格判定数Ac、不合格判定数ReはOC曲線から求める

    抜取検査はすべてOC曲線から始まります。

    図で確認しましょう。計数抜取検査で不良率について考えます。二項分布のOC曲線を下図に出します。

    OC曲線

    OC曲線の(n,c)と第1種の誤りαになる不良率p0が重要です。
    ●n=サンプルサイズ
    ●c=合格判定数Ac
    ●不合格判定数Re=Ac+1
    ●p0=AQL(合格品質限界)

    となります。

    サンプルサイズn,合格判定数c,合格品質限界AQLを求めるために、たくさんOC曲線を描けば、主抜取表が作れます。

    抜取表は実際作ってみた方が、理解は深まりますね。

    OC曲線から実際に合格判定数Ac、不合格判定数Reを求める

    1回抜取方式で、実際にOC曲線を描きながら、主抜取表を作ってみます。

    OC曲線の描き方については、関連記事があります。Excel VBAでOC曲線が作れます。

    OC曲線自動生成プログラム OC曲線の自動作成プログラムの使い方を解説します!

    OC曲線からAQLを導出

    n=20、c=0,1,2,…,19の場合のOC曲線を描きます。

    OC曲線

    OC曲線の左側がc=0で右側に行くにつ入れてcが増えますね。

    次に、第1種の誤りαである、合格率が1-α=95%の不良率pを求めます。

    c P0
    (AQL)
    c P0
    (AQL)
    c P0
    (AQL)
    c P0
    (AQL)
    0 0.26 5 13.96 10 34.69 15 59.9
    1 1.81 6 17.73 11 39.36 16 65.63
    2 4.22 7 21.71 12 44.2 17 71.74
    3 7.14 8 25.86 13 49.22 18 78.39
    4 10.41 9 30.2 14 54.44 19 86.09

    次に、AQLを満たすcを見ます。すると、AQLから合格判定数Acがわかります。

    AQL(%) 自分で
    導出
    JISZ
    9015Z-1
    AQL(%) 自分で
    導出
    JISZ
    9015Z-1
    0.01 0 0 1 1 1
    0.015 0 0 1.5 1 1
    0.025 0 0 2.5 2 1
    0.04 0 0 4 2 2
    0.065 0 0 6.5 3 3
    0.1 0 0 10 4 5
    0.15 0 0 15 6 7
    0.25 0 0 25 8 10
    0.4 1 0 40 12 14
    0.65 1 0 65 16 21

    自分で求めた値と、JISZ9015-1 なみ検査(1回抜取方式)を比較します。結構、一致しています。
    主抜取表の作り方が理解できましたね。

    ③合格判定数Ac、不合格判定数Reの工夫しているところがわかる

    主抜取表を対角線上で見ると、合格判定数Ac、不合格判定数Reがそろっています。

    使いやすさのためにうまく作られています。
    また、対角線上に同じ合格判定数Ac、不合格判定数Reとなるように、サンプルサイズ、AQLの幅を標準数を使っているのがわかります。

    主抜取表の一部を見てみましょう。

    文字 サイズ AQL(Ac,Re)
    1 1.5 2.5 4 6.5
    D 8 1,2
    E 13 1,2 2,3
    F 20 1,2 2,3 3,4
    G 32 1,2 2,3 3,4 5,6
    H 50 1,2 2,3 3,4 5,6 7,8

    確かに、合格判定数Ac、不合格判定数Re数が対角線上では同じであることがわかります。

    数学的な理論では説明できず、何度も試行錯誤の結果、見やすい主抜取表ができたと考えられます。 主抜取表は努力の結晶です。

    まとめ

    調整型抜取検査のなみ検査の主抜取表について解説しました。

    • ①サンプルサイズ、AQLの決め方がわかる
    • ②合格判定数Ac、不合格判定数Reの決め方がわかる
    • ③合格判定数Ac、不合格判定数Reの工夫しているところがわかる
  • 実験計画法のおすすめ本を紹介します。

    実験計画法のおすすめ本を紹介します。

    「実験計画法がよくわからない」、「どの本や、参考書を読めばいいの?」など、疑問に思いませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    実験計画法のおすすめ本を紹介します。

    本の選び方と推薦図書のご紹介

    • ➀あなたの実験計画法の習得度をまず把握する
    • ②実験計画法の推薦図書(初級レベル:QC検定®2級レベル)
    • ③実験計画法の推薦図書(中級レベル:QC検定®1級レベル)
    • ④実験計画法の推薦図書(上級レベル:さらに究めたい方)

    記事の信頼性

    記事を書いている私は、QC検定®1級合格した後、さらに実験計画法に磨きをかけていますので、わかりやすく解説します。

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    ●商標使用について、
    ①QC検定®と品質管理検定®は、一般財団法人日本規格協会の登録商標です。
    ➁このコンテンツは、一般財団法人日本規格協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。
    ➂QCプラネッツは、QC検定®と品質管理検定®の商標使用許可を受けています。

    ➀あなたの実験計画法の習得度をまず把握する

    実験計画法の図書は専門性が高く難解なので、
    理解度に合わせた図書を選ぶ必要があります。

    3段階に分けます。

    1. 初級レベル
    2. 中級レベル
    3. 上級レベル

    どのレベルかを把握しましょう。意地を張る必要はありません。適正な参考書を見つけるために必要です。

    初級レベル

    試験や資格のために、初めて実験計画法を学ぶ方

    中級レベル

    試験や資格のためではあるが、実験計画法を学んだことがある方。苦手意識がある方。

    上級レベル

    実験計画法をさらに学んで究めたい方

    品質管理においては、QC検定®があります。QC検定®のランクに合わせると次のようになります。

    初級レベル

    ●QC検定®:QC検定2級®を受験
    ●公式を暗記して一元、二元配置実験の試験問題が解ける
    (内容理解できなくても正解はできるレベル)

    中級レベル

    ●QC検定®:QC検定®1級を受験
    ●公式を暗記して、直交表、乱塊法、分割法、多水準法、擬水準法、枝分かれ実験の試験問題が解ける
    (内容理解できなくても正解はできるレベル)

    ●資格試験などはなし
    ●自分で式を作るなど、何も見なくても実験計画法の各手法や特徴が
    説明できるレベル

    では、推薦図書を紹介します。

    ②実験計画法の推薦図書(初級レベル:QC検定®2級レベル)

    初級の方は、実験計画法の参考書は買わなくよいです。
    QC検定®2級の対策本から入りましょう。
    QC検定®2級の対策本の方が、具体的な解き方が丁寧に解説しており、
    初級の方は、二元配置実験(繰返し有り)の解き方で精一杯だからです。
    QC検定®2級の対策本は、実験計画法の分散分析や検定の基礎もわかりやすく解説しています。でも、初級の人にとってはそれでも難しいでしょう。

    私も、QC検定®2級の対策本だけ解いて合格しましたが、それでも難解でした。

    まず、目標は、二元配置実験(繰返し有り)を解き方暗記してもOKなので、解けることです。

    推薦図書

    シンプルに1冊だけあれば十分です。そして、何度も復習して習得することです。

    上の教科書で二元配置実験が解けるようになったら、演習問題として問題集を推薦します。

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    過去問題で学ぶQC検定®2級 2021年版 [ 仁科 健 ]
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    実験計画法の本は一切ありません。たった1,2冊ですが、それでも十分です。
    私は実験計画法を初めて勉強したときは、上の2冊だけ勉強し、合格率25%のQC検定®2級を一発合格しました。

    初級は基礎が大切なので、1,2冊だけに留めて、何度も復習が大切です。

    ③実験計画法の推薦図書(中級レベル:QC検定®1級レベル)

    中級の方は、実験計画法の参考書を買いましょう。
    直交表、線点図、乱解法、分割法といろいろ手法が増えるからです。
    中級の方は、実験計画法に慣れているとはいえ、
    手法の解き方を真似るところで精一杯と思います。
    公式や解き方が初級レベルに比べて数倍増えるからです。
    わかりやすい参考書が必要となりますね。

    推薦図書

    QC検定®1級の対策本を最初に薦めます。
    広範囲な内容を7,80ページ程度にまとめており、最初に勉強するには良いページ数です。

    最初から3,400ページの分厚い参考書は、キツイでしょう。
    私は試験終わって数年経ちますが、今もほぼ毎日読んでいます。

    上の本を読んで、理解するとちょっと練習問題が欲しくなるはずです。これがお薦めです。

    この2冊を勉強すると、実験計画法の問題が頭で理解できなくても正解できるようになります。
    それでも、まだ不安なはずです。私もそうでした。

    このレベルになっていない人が実験計画法の参考書を持っていても、あまり使いこなせていないはずです。

    ここから、実験計画法の専門書を読んでいきましょう。

    入門書としてわかりやすく書いていますが、中級レベルな本です。フィッシャーの三原則、データの構造式、乱解法・分割法、処理間差の区間推定などをわかりやすく解説しています。

    ページ数が少なく、わかりやすく解説しています。特に、平方和の分解、ラテン方格法と実験計画法の違いを分かりやすく解説しており、QCプラネッツの記事のベースにもなっています。

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    実験計画法を自信もって学んだといえるレベルに誘ってくれる1冊です。一元~多元配置、乱解法、分割法、直交表、線点図、多水準表、擬水準法の分散分析、分散の期待値の導出の過程をわかりやすく解説しています。

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    品質管理のための実験計画法テキスト改訂新版 [ 中里博明 ]
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    これらの本を読破すると、「実験計画法が分かる」と自信もって言えますし、QC検定®1級合格は確実でしょう。

    ④実験計画法の推薦図書(上級レベル:さらに究めたい方)

    ③の中級レベルでは、QC検定®1級合格レベルまで行くんだから十分だ!
    そうなんですけど、中級レベルまで達して、QC検定®1級合格しても、
    自分で使いこなせるレベルにはなっていません。

    各手法を個別に公式や解法を使って正解できるけど、
    実験計画法は何をやっているのか?本質まではあまり理解できていないはずです。

    私がそうでした。
    QC検定®1級合格したら、周囲がざわめきましたが
    実験計画法って結局何をやっているのか。まだわからないレベルでした。

    実は、まだ登るべき山があるので、紹介します。

    QC検定®1級合格しても7合目だった。。。

    ●分散分析表にあるE[V]はどうやって計算するのか?
    ●手法ごとに公式、解法を暗記して解くが、1つの解法でどの手法も解ける方法はないのか?
    ●いろいろなプーリングした残差の自由度や、μ(組み合わせ)の導出式が個々に変わるが1つの解法で導出できないか?
    ●乱塊法、分割法を使う場合と使わない場合の違いは何か?
    ●直交表を使うと何で実験回数が減らせるのか?
    ●直交表は自分で作れないか?
    ●実験計画法から何が得られるのか?
    などなど

    まだまだ、わからないことだらけでした。それを解決する参考書を紹介します。この上級レベルを超えて作られた記事をQCプラネッツでは紹介しています。

    永田先生の参考書は必須です。分厚いですが、分散分析の導出など計算でつまづきやすいポイントをたくさん書いています。現在、本屋で販売している中で最も濃密な1冊です。サタースウェイトの等価自由度も丁寧に解説しています。QCプラネッツではさらに丁寧に解説した記事があります。

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    入門実験計画法 [ 永田靖 ]
    価格:4620円(税込、送料無料) (2021/11/17時点)

    絶版ですが、誰もが思うなぜなぜな疑問をたくさん解説しています。データの構造式から区間推定の式の導出、直交表の繰返し使う場合の残差の扱いなどがわかりやすく解説しています。

    古書になりますが、分散分析表の分散の期待値E[V]の導出過程がわかりやすく解説しています。実験計画法をマスターするには、期待値E[V]の導出過程が自由自在にできることです。

    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    初等実験計画法テキスト改訂版 [ 石川馨 ]
    価格:3080円(税込、送料無料) (2021/11/17時点)

    最後に、実験計画法といえば、田口先生です。田口先生の本も上下セットで一度は読んでおきたいです。実験計画法は多くても3因子までですが、4因子、5因子でも計算するガッツを身につけると、各手法の違いや特徴が簡単にわかるようになります。

    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    実験計画法(上)第3版 復刻版 [ 田口玄一 ]
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    【中古】実験計画法 下 第3版/丸善出版/田口玄一(単行本)
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    最後に、QCプラネットが提供する演習問題集を紹介します。たくさんの良書を研究し、1つの手法で実験計画法をマスターできる演習問題集47題を作成しました。上級レベル向けではありますが、実験計画法をマスターしたい方は必須な問題集です。この問題集がマスターしたら、どの参考書でも簡単に読めるレベルになります。

    【まとめ9】実験計画法を究める演習問題集を販売します
    実験計画法をマスターしたい方に、必須な演習問題集を作成しました。是非本記事を読んで、勉強しましょう。

    まとめ

    実験計画法の推薦図書を紹介しました。難しい実験計画法がマスターできる一助になれば幸いです。

    • ➀あなたの実験計画法の習得度をまず把握する
    • ②実験計画法の推薦図書(初級レベル:QC検定®2級レベル)
    • ③実験計画法の推薦図書(中級レベル:QC検定®1級レベル)
    • ④実験計画法の推薦図書(上級レベル:さらに究めたい方)

  • 計量抜取検査がすべてわかる【まとめ】

    計量抜取検査がすべてわかる【まとめ】

    本記事のテーマ

    計量抜取検査がすべてわかる【まとめ】
    計量抜取検査(JISZ9003,JISZ9004)
    の本質がよくわかる!
    • ①計量抜取検査の基礎がわかれば自力で導出・設計できる
    • ②計量抜取検査は4つのパターンをおさえる
    • ③計量抜取検査をマスターできるテキストのご紹介

    本物の「抜取検査」問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方、抜取検査の本質・理論をしっかり学びたい方におススメです。
    【QC検定®合格】「抜取検査」問題集を販売!①二項分布・ポアソン分布、OC曲線、➁多回抜取検査、➂選別型抜取検査、➃計量抜取検査、⑤逐次抜取検査、⑥調整型抜取検査、⑦抜取検査まとめ の7章全47題!

    ①計量抜取検査の基礎がわかれば自力で導出・設計できる

    計量抜取検査はJISZ9003,JISZ9004に規定

    JIS規格を読むと、内容が多く、難解な図やグラフがあります。
    エッセンスは本記事でおさえましょう。エッセンスがわかれば、
    JISZ9003,JISZ9004を読まなくても自力で計量抜取検査は設計できます。

    計量抜取検査はモデル図が最重要

    計量抜取検査では、規準となる2つの平均・分布の関係を式にします。
    検定力でも同じ図を使うので、このモデル図から関係式を導出する流れをおさえましょう。

    計量抜取検査

    図からは、
    ①Uについて2つの式
    U=\(μ_0\)+\(K_{p0}\)σ
    U=\(μ_1\)+\(K_{p1}\)σ

    ②\(X_U\)について2つの式,
    \(X_U\)=\(μ_0\)+\(K_α\)\(σ_{\bar{x}}\)
    \(X_U\)=\(μ_1\)-\(K_β\)\(σ_{\bar{x}}\)

    ③また、\(σ_{\bar{x}}\)は
    \(σ_{\bar{x}}\)=σ/\(\sqrt{n}\)
    の関係式はモデル図をみれば作れます。

    これらの関係式から、サンプル数nと合格判定係数k、合格判定値\(X_U\)についての式を導出します。

    計量抜取検査はモデル図が描ければ、自力で設計できることが重要です。複雑な公式の暗記は不要です。

    ②計量抜取検査は4つのパターンをおさえる

    標準偏差σが、既知(JISZ9003)or未知(JISZ9004)の2パターン
    与えられた値が、規格値or合格判定値の2パターン
    の2×2=4パターンをおさえる

    4パターンは
    ●(Ⅰ):標準偏差σが既知で、上下限規格値が与えられた場合
    ●(Ⅱ):標準偏差σが既知で、上下限合格判定値が与えられた場合
    ●(Ⅲ):標準偏差σが未知で、上下限規格値が与えられた場合
    ●(Ⅳ):標準偏差σが未知で、上下限合格判定値が与えられた場合
    があります。

    4パターンにおいて、それぞれ「上」、「下」の2パターンがあるので、全部で8個の解法を習得したいです。

    それぞれの手法を学ぶ前に、このパターン分けを理解しましょう。

    ③計量抜取検査をマスターできるテキストのご紹介

    ブログ記事でまとめていましたが、PDFとしてまとめました。ダウンロードして学習ください。

    計量抜取検査の流れが理解できる関連記事を紹介します。上から下に沿って、それぞれの関連記事を読んでいってください。

    以前、ブログ記事としていましたが、まとめて冊子にしました。
    どれも重要なテーマなので勉強しましょう!

    【QCプラネッツ計量抜取検査プレミアム勉強プリント】リンク

    テキストの内容一覧です。

    No ブログ記事リンク 既知/
    未知
    規格値/
    判定値
    上/下
    1 計量抜取検査でOC曲線のサンプル数と合格判定個数の関係がわかる
    2 JISZ9003計量規準型一回抜取検査の抜取表にあるn,kが計算できる
    3 JISZ9003計量抜取検査(標準偏差既知)で上限規格値が既知の抜取方式 既知 規格値
    4 JISZ9003計量抜取検査(標準偏差既知)で下限規格値が既知の抜取方式 既知 規格値
    5 JISZ9003計量抜取検査(標準偏差既知)で上限合格判定値が既知の抜取方式 既知 判定値
    6 JISZ9003計量抜取検査(標準偏差既知)で下限合格判定値が既知の抜取方式 既知 判定値
    7 JISZ9004計量抜取検査(標準偏差未知)で上下限規格値が既知の抜取方式の理論 未知
    8 JISZ9004計量抜取検査(標準偏差未知)で上限規格値が既知の抜取方式 未知 規格値
    9 JISZ9004計量抜取検査(標準偏差未知)で下限規格値が既知の抜取方式 未知 規格値
    10 JISZ9004計量抜取検査(標準偏差未知)で上限合格判定値が既知の抜取方式 未知 判定値
    11 JISZ9004計量抜取検査(標準偏差未知)で下限合格判定値が既知の抜取方式 未知 判定値

    一緒に勉強しましょう。

    まとめ

    計量抜取検査のエッセンスが理解できて、自力で計算・設計できるポイントを解説しました。JISZ9003,JISZ9004のエッセンスがすべて理解できるはずです。

    • ①計量抜取検査の基礎がわかれば自力で導出・設計できる
    • ②計量抜取検査は4つのパターンをおさえる
    • ③計量抜取検査をマスターできるテキストのご紹介
  • 選別型抜取検査(JISZ9015)の平均出検品質AOQがわかる

    選別型抜取検査(JISZ9015)の平均出検品質AOQがわかる

    本記事のテーマ

    選別型抜取検査(JISZ9015)の平均出検品質AOQがわかる
    「平均出検品質AOQって何?」、
    「平均出検品質AOQを求めるメリットは何?」
    を明快に解説します!
    • ➀平均出検品質(AOQ)とは検査後の不良率
    • ②規準型抜取検査と選別型抜取検査の平均出検品質(AOQ)
    • ③平均出検品質限界(AOQL)の導出
    • ④平均出検品質(AOQ)と平均出検品質限界(AOQL)の関係

    本物の「抜取検査」問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方、抜取検査の本質・理論をしっかり学びたい方におススメです。
    【QC検定®合格】「抜取検査」問題集を販売!①二項分布・ポアソン分布、OC曲線、➁多回抜取検査、➂選別型抜取検査、➃計量抜取検査、⑤逐次抜取検査、⑥調整型抜取検査、⑦抜取検査まとめ の7章全47題!

    ➀平均出検品質(AOQ)とは検査後の不良率

    選別型抜取検査に出て来る難解な用語

    平均検査量I、許容不良率LTPD(Lot Torelance Percent Defective)、平均出検品質(AOQ)、平均出検品質限界(AOQL)をよく使います。難しいし、すぐ忘れるので、簡単にまとめます。

    (1)平均検査量I:選別抜取検査は2回抜取検査するため、検査量の期待値を計算する必要がある。
    (2) 許容不良率LTPD:第2種の誤り(消費者危険)となる不良率pのこと。(L(p)=βのときのp)
    (3) 平均出検品質(AOQ):検査後の不良率
    (4) 平均出検品質限界(AOQL): 平均出検品質(AOQ)は最大値を持ち、その値のこと

    平均検査量Iについては、関連記事で解説しています。

    抜取検査 【QCプラネッツ2回抜取検査プレミアム勉強プリント】リンク

    プレミアムテキストの中の「2回抜取検査の第1サンプルの合格判定数acが導出できる」をご参照ください

    第1種の誤りや第2種の誤りについては、関連記事で解説しています。

    抜取検査はすべてOC曲線をベースに考える
    抜取検査はすべて、OC曲線をベースに考えていきます。OC曲線を構成する二項分布の導出や式の意味、OC曲線の描き方や描くために必要な制約条件について解説します。

    平均出検品質(AOQ)とは検査後の不良率

    検査後の不良率(AOQ)を式で表す

    元々、不良率pの製品を抜取検査したとします。
    検査後の不良率(AOQ)を次の式で定義します。

    検査後の不良率(AOQ)=\(\frac{不良率×ロット合格率+不良率×ロット不合格率}{ロット合格率+ロット不合格率}\)

    わかりにくい「検査後の不良率(AOQ)」の式ですが、
    (不良率×ロットの合否確率の和)をロットの合否確率で割った、不良率の平均値みたいな値)
    と考えましょう。

    このわかりにくい「検査後の不良率(AOQ)」の式
    規準型抜取検査と選別型抜取検査の違いをうまく表現できます!

    ②規準型抜取検査と選別型抜取検査の平均出検品質(AOQ)

    規準型抜取検査の平均出検品質(AOQ)

    不良率はp
    ロット合格率はL(p)
    ロット不良率は1-L(p)
    です。

    「検査後の不良率(AOQ)」の式は
    検査後の不良率(AOQ)
    = \(\frac{pL(p)+p(1-L(p))}{L(p)+(1-L(p))}\)
    =p

    規準型抜取検査の場合、検査前後の不良率はpであり、変わらない。
    当然ですよね。何も変わっていないので

    選別型抜取検査のメリット

    選別型抜取検査は検査後の不良率を低減することができる。

    規準型抜取検査のAOQはpです。
    選別型抜取検査のAOQはpL(p)です。
    ロット合格率L(p)は確率なので、0 <L(p) < 1です。

    つまり、
    p > pL(p)
    となります。

    この式から、選別型抜取検査は検査後の不良率を低減することができることがわかります。

    選別型抜取検査は、ロットが不合格な場合に全数検査をする手間をかける分、検査後の不良率がpからpL(p)に下げることができます。
    選別型抜取検査を実施する意義が、AOQの式から理解できます。

    ③平均出検品質限界(AOQL)の導出

    平均出検品質限界(AOQL)はAOQの最大値

    平均出検品質限界って何? ⇒気にしなくていいです。AOQの最大値です。計算して導出すれば、わかります。

    規準型抜取検査の場合、AOQ=pです。y=pのグラフは直線なので、規準型抜取検査のAOQLは考えません。

    選別型抜取検査の場合、AOQ=pL(p)です。
    L(p)は二項分布やポアソン分布の式が入ります。
    pL(p)が最大値を持つ特徴があります。

    平均出検品質限界(AOQL)の導出

    L(p)が二項分布とポアソン分布についてそれぞれ導出します。最大値を求めるのでpL(p)をpで微分します。

    L(p)が二項分布の場合

    \(\frac{d}{dp} pL(p)\)
    =L(p)+p \(\frac{d}{dp} L(p)\)
    = \( \sum_{r=0}^{c} {}_nC_r p^r (1-p)^{n-r}\)
    +p\( \sum_{r=0}^{c} {}_nC_r (r p^{r-1} (1-p)^{n-r}+(n-r)p^r (-1) (1-p)^{n-r-1})\)

    L(p)がポアソン分布の場合

    \(\frac{d}{dp} pL(p)\)
    =L(p)+p \(\frac{d}{dp} L(p)\)
    = \( \sum_{r=0}^{c} \frac{e^{-np} (np)^r}{ r!}\)
    + \( \sum_{r=0}^{c} \frac{e^{-np} (-np+r)}{r!}(np)^r\)

    非常に複雑な式になります。

    ④平均出検品質(AOQ)と平均出検品質限界(AOQL)の関係

    平均出検品質(AOQ)と平均出検品質限界(AOQL)を導出しましたので、グラフにしましょう。

    AOQ

    赤い直線のy=pより下側にAOQ曲線があることがわかり、
    AOQ曲線にそれぞれ最大値AOQLがあることがわかります。

    AOQは最大値があり、AOQLより値が高くなることはない。検査後の不良率はAOQL以下になることが保証されていることが重要です。

    選別型抜取検査もOC曲線をベースに数式を使って、検査の特徴を理解することが重要です。
    QCプラネッツは、抜取検査を自力で考え、設計・計画できるよう、解説していきます。

    まとめ

    選別型抜取検査(JISZ9015)の平均出検品質AOQ とその最大値である平均出検品質限界(AOQL)について解説しました。

    • ➀平均出検品質(AOQ)とは検査後の不良率
    • ②規準型抜取検査と選別型抜取検査の平均出検品質(AOQ)
    • ③平均出検品質限界(AOQL)の導出
    • ④平均出検品質(AOQ)と平均出検品質限界(AOQL)の関係
  • QC検定®合格戦略(QC検定®1級,QC検定®2級,QC検定®3級)

    QC検定®合格戦略(QC検定®1級,QC検定®2級,QC検定®3級)

    「QC検定®1級、2級、3級をどうやったら合格できるかわからない」、「上級の品質管理技術者になるにはどうすればよいか」など、疑問に思いませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    QC検定®(1級、2級、3級)合格を伝授

    おさえておきたいポイント

    • ➀QC検定®1級合格戦略編
    • ②QC検定®2級合格戦略編
    • ③QC検定®3級合格戦略編

    記事の信頼性

    記事を書いている私は、QC検定®2級、1級を一発合格した後、さらにわかりにくい、品質管理領域を研究しています。わかりやすく解説します。

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    ●商標使用について、
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    ➀QC検定®1級合格戦略編

    QC検定®1級合格戦略編
    QC検定®1級は合格率が数%と難しいのは皆さんご存じです。合格戦略、論述問題、各単元を詳細に解説します。難易度はQC検定®2級レベルですが、試験範囲が広いです。QCプラネッツはしっかり解説して行きます。

    ②QC検定®2級合格戦略編

    【まとめ】QC検定®2級を合格するために必要な解法・演習・戦略を伝授
    QC検定®2級を合格するための秘訣をまとめたトップページです。合格したい方は必見です。勉強の仕方、内容、試験本番の攻め方をすべてまとめました。

    ③QC検定®3級合格戦略編

    【QC検定®3級】勉強方法がわかる
    QC検定®3級受験や品質管理を初めてのあなたへ、勉強方法を解説します。直前の丸暗記の合否だけではなく、品質管理を得意・好きになれる方法をわかりやすく解説します。試験合格、品質管理の理解を深めたい方は必見です。

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