投稿者: QCプラネッツ

  • 【QC検定®1級,2級合格!】QCに必要な数学問題集を発売します!

    【QC検定®1級,2級合格!】QCに必要な数学問題集を発売します!

    本記事のテーマ

    【QC検定®合格】数学問題集を販売します

    記事の信頼性

    記事を書いている私は、QC検定®1級合格した後、さらにQCをすべて研究して究めました。
    究めた結果、QCに必要な数学スキルがわかりましたので、問題集にしました!

    ●商標使用について、
    ①QC検定®と品質管理検定®は、一般財団法人日本規格協会の登録商標です。
    ➁このコンテンツは、一般財団法人日本規格協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。
    ➂QCプラネッツは、QC検定®と品質管理検定®の商標使用許可を受けています。

    ①QCは数学が難しすぎる

    QC検定®、統計検定も2級から上が、一気に難しくなりますよね。

    QCの数学の難しさ

    ベースとなる数学が難しいし、
    範囲が広大すぎる
    勉強時間もかかるし、
    全部勉強しても頭に入りきらない。。。
    どこから復習したらよいか?も
    わからないから、勉強しても頭に入らない。。。

    ですよね。

    高校から理系で数学バリバリ解ける人なら
    勉強が入りやすいけど、
    そんないい話はないし。。。

    ですよね。

    効率よく最小限の内容で数学をカバーしたい

    と言っても、

    ●品質管理の仕事をしているから不合格は格好悪い
    ●データサイエンティストを目指すから勉強しないわけにいかない
    ●資格が1つでもほしい

    という、プレッシャーもありますよね。

    だから、

    なるべく少ない問題数で、
    QCや統計の基礎がマスターできる教材はないの?

    と探したくなりますよね!

    ご安心ください。
    QCプラネッツが作りました!

    QCに必要な数学は実は1つだけでOK

    QCプラネッツはQC検定®1級合格しましたが、
    合格しただけで、何もわかっていない状態でした。

    なので、3年以上研究して、650のブログ記事を書き上げて、
    QCを究めました!

    そして、わかったことがあります。

    QCの数学は「ばらつき」の1つだけわかれば、全部解ける

    「ばらつき」を具体的に書くと、

    1. 平方和の計算・分解
    2. ばらつき・分散を表現するχ2乗分布

    の2つがベースです。

    本当に「ばらつき」の1つだけのなの?
    ⇒本当です!

    「ばらつき」さえ数式で解けたらQC数学はOK!

    QCプラネッツの記事を全部読めばわかりますが、

    ●管理図
    ●実験計画法
    ●ロバストパラメータ設計
    ●単・重回帰分析
    ●多変量解析
    は平方和の分解をしているだけです。

    ●サンプリング
    ●検定・推定
    ●信頼性工学
    のベースはχ2乗分布の分布関数です。

    χ2乗分布は「分散・ばらつき」を表現しますから

    「ばらつき」さえ数式で解けたらQC数学はOK!

    今回の、数学問題集は、
    「ばらつき」を基本軸に様々な手法に展開できるように構成しました。

    数百冊、数万ページの教科書・参考書を全部マスターしてわかった結果です。

    では、商品を紹介します!

    ➁問題集のメリット

    QCの数学を学ぶためのマップを紹介します!

    「ばらつき」を基本軸に様々な手法に展開できるように構成するマップを紹介します。

    QC数学問題集

    平方和の計算から
    ●実験計画法
    ●回帰分析・多変量解析
    ●ロバストパラメータ設計
    ●管理図
    の基礎がすべて理解できる!

    χ2乗分布の確率分布か
    ●統計学
    ●サンプリング
    ●信頼性工学
    の基礎がすべて理解できる!

    あとは、二項定理からの抜取検査をおさえれば、QCの数学はすべて習得できます!

    本問題集を学ぶメリット

    1. やみくもに統計学、微分積分、線形代数に手を出す必要はない
    2. QCのエッセンスである「ばらつき」を意識して体系的に学べる
    3. 1問を何度も練習して、効率よく数学スキルが高まる
    4. QCに限らず、データサイエンスに必要な数学スキルも高まられる

    逆にデメリットは

    1. 勉強しないと習得できない
      ⇒それはしゃーない!ですよね(笑)

    是非、ご購入いただきたいです。
    次に、全問題の内容を紹介します!

    ➂内容の範囲

    QCの数学問題集の全問題を紹介!

    60題近くの問題内容と単元を紹介します!

    苦手な問題があれば、勉強して強化しましょう!
    どこが苦手かをチェックしながら各問を見ましょう。
    カテゴリ
    1 二項定理、二項分布 基本統計量
    2 確率が最大になる条件 基本統計量
    3 指数分布からガンマ分布への証明 統計学
    4 平方和の計算 基本統計量
    5 確率変数の期待値と分散の計算 基本統計量
    6 χ2乗分布、平方和、標準偏差の関係式 基本統計量
    7 固有方程式 重回帰分析
    8 べータ関数 統計学
    9 ガンマ関数 統計学
    10 正規分布の定積分 統計学
    11 期待値E,分散Vの公式 統計学
    12 コーシー分布 統計学
    13 分割表の検定統計量の導出 統計学
    14 確率変数の変数変換(1変数、1次式) 統計学
    15 確率変数の変数変換(1変数、2次式) 統計学
    16 確率変数の変数変換(1変数、0.5次式) 統計学
    17 確率変数の変数変換(2変数、積) 統計学
    18 確率変数の変数変換(2変数、商) 統計学
    19 畳み込み積分(離散系と連続系、一様分布) 統計学
    20 畳み込み積分と2変数積分 統計学
    21 畳み込み積分(離散系と連続系、指数分布) 統計学
    22 順序統計量の導入 統計学
    23 順序統計量の一般式 統計学
    24 順序統計量(指数分布) 統計学
    25 順序統計量の同時確率密度関数 統計学
    26 ミーンランク法(順序統計量)を理解する整式 統計学
    27 同時確率質量関数(2変数) サンプリング
    28 同時確率分布の分散・共分散(2変数) サンプリング
    29 条件付き期待値、分散 サンプリング
    30 平方和の分解 実験計画法
    31 直交表の各列の平方和の導出 実験計画法
    32 直交表の実験回数と割当列の関係 実験計画法
    33 一元配置実験の分散の期待値 実験計画法
    34 一元配置実験とくりかえしのある単回帰分析 回帰分析
    35 重回帰直線 重回帰分析
    36 回帰平方和SR 重回帰分析
    37 重回帰分析の寄与率R 重回帰分析
    38 寄与率R(単回帰分析VS重回帰分析) 重回帰分析
    39 重回帰分析(ダミーデータ有無の違い) 重回帰分析
    40 主成分分析の解法 多変量解析
    41 主成分分析と回帰分析 多変量解析
    42 線形判別関数 多変量解析
    43 マハラビノス距離とユークリッド距離 多変量解析
    44 線形判別関数とマハラビノス距離による判別分析 多変量解析
    45 因子分析(1因子モデル) 多変量解析
    46 コーシ・シュワルツの不等式と相関係数 回帰分析
    47 無相関の検定 回帰分析
    48 スピアマンの順位相関係数 回帰分析
    49 主成分平方和と固有値が一致する理由 多変量解析
    50 固有ベクトルが直交する理由 多変量解析
    51 ロバストパラメータ設計の静特性 ロバストパラメータ設計
    52 ロバストパラメータ設計の動特性 ロバストパラメータ設計
    53 群間変動と群内変動 管理図
    54 抜取検査の基本(確率と二項定理) 抜取検査
    55 指数分布とポアソン分布の関係 信頼性工学
    56 ガンマ分布とχ2乗分布の関係 信頼性工学
    57 ワイブル分布、指数分布、ガンマ分布とχ2乗分布の関係 信頼性工学
    58 指数分布関数の信頼度の点推定 信頼性工学
    59 正規分布関数の信頼度の点推定 信頼性工学
    60 信頼度の計算(直列系、並列系、待機系) 信頼性工学
    61 信頼性工学と計数抜取検査 信頼性工学
    62 指数分布から確率紙を作る 信頼性工学

    特に、紹介したいのが、

    1. 高校数学の復習からスタート
    2. 確率変数、期待値・分散の積分に慣れる問いたくさん用意
    3. 公式暗記を極力不要とするように導出過程を丁寧に解説
    4. 重回帰分析、主成分分析、因子分析は解法暗記ではなく原理を理解すれば解けることを実感していただく
    5. ロバストパラメータ設計と実験計画法・回帰分析の比較など手法間の比較ができる
    6. QC検定®では一切出ないが、データを並び替えてもよいとする順序統計量をしっかり学べる

    という60題です。

    解説も充実!

    丁寧な解説ページやQCプラネッツのブログ記事を活用してわかりやすく解けますので、難しい数学でもご安心ください。

    全問解いた結果、結局
    覚えるべき公式は無い事
    数列・積分のスキルと、平方和とχ2乗分布をおさえておけば
    すべて解けることがわかります!

    是非、ご購入ください。

    ➃【問題集ご購入方法】

    本ブログとメルカリとnoteから販売しております。
    「QCプラネッツ」で検索ください。

    本ブログからのご購入

    ご購入後、教材のアクセス先を送付いたします。
    PDF等のダウンロードは許可しておりません。ご承知おきください

    メルカリでの販売

    「QCプラネッツ」で検索ください。

    qc1_math

    1500円/1冊
    とさせていただきます。ご購入よろしくお願いいたします。

    noteでの販売

    noteからもしています。こちらへアクセスください。

    【QC検定®1級,2級合格!】QCに必要な数学問題集を発売します!
    「●試験勉強しても理解が進まない!」 と困っていませんか? QCプラネッツが作ったこの問題集があれ数学スキルが習得できます!

    1500円/1冊
    とさせていただきます。ご購入よろしくお願いいたします。

    まとめ

    「【QC検定®合格】数学問題集を販売します」、ご購入よろしくお願いいたします。。

  • 【まとめ】品質工学がわかる

    【まとめ】品質工学がわかる

    「品質工学がよくわからない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【まとめ】品質工学がわかる

    おさえておきたいポイント

    • ①【重要】品質工学を研究してわかったこと
    • ➁品質工学の関連記事(30記事)を紹介!
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    【QC検定®1級合格】ロバスト設計問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方におススメです。
    【QC検定®合格】「品質工学」問題集を販売します! 単なる公式の代入ではなく、平方和の分解や実験計画法を駆使して品質工学の本質が学べる良問をそろえました。是非、学習しましょう。

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッド
    は昔から何をやる手法かがわからなかった。
    でも、教科書や他サイトを研究してもピンとこなかった
    だからQCプラネッツ独自の解釈を解説!
    実験計画法、品質工学って
    過去の研究実績がすべて正しいとして
    今の教科書に反映するから、
    これから学ぶ人にとって理解しにくい
    だからQCプラネッツ独自で品質工学を哲学しました!

    ①【重要】品質工学を研究してわかったこと

    品質工学を研究して、やっぱりわからないのは、次の3つですね。

    1. なぜ品質工学の教科書がわかりにくいのか?
    2. 品質工学は何をする手法か?が見えない
    3. 今の時代にあう手法なのか?

    1つずつ解説します。

    (i)なぜ品質工学の教科書がわかりにくいのか?

    どの教科書もこの流れで解説するので、読者として思考停止になります。

    1. 品質工学は実験計画法と違う手法だから混合系直交表を使うのが当たり前!
    2. SN比に10logをつけるのが当たり前!
    3. 直交表の各列に割当てるための直交実験をやるのが当たり前!

    と、これらが前提として品質工学はみなさんに押し付けて来ますが、

    1. 実践手法より理論(モデル式)が理解したい
    2. 混合系直交表は直交表の中でも特殊だから使いたくない
    3. 実験計画法と同様にモデル式であるデータの構造式を軸に考えるべきではないのか?
    4. SN比って、知りたい変動と誤差変動の比だからlogは不要
    5. 最適条件が出たからといって、それがなぜ最適条件かを理論的に説明つかない!
    6. 品質工学は何を計算して、何がわかるのか?ピンとこない

    となっていませんか?

    (ii)品質工学は何をする手法か?

    品質工学は何を求めているかを研究してわかりました。

    1. 実験計画法と同様に、データがもつばらつきをデータの構造式を構成する効果で分配しているだけ
    2. 実験計画法は平均からのズレを見て、品質工学は目標値からのズレを見たい点では実験計画法と品質工学は違うといえる
    3. でも、データの構造式から変動の分解をすると、品質工学(静特性)は目標値を無視した式になっているし、動特性は回帰分析にすぎない
    4. 結局、実験計画法と品質工学は同じで、品質工学オリジナリティを出したいために混合系直交表を使っている

    データの構造式において、交互作用を避けたいために混合系直交表を使うと教科書で言いますが、
    データの構造式やモデルはデータが決めることで、データを構成する要因たちは互いになにかしらの交互作用を受けているのは当然です。ただ、交互作用の大小はばらつくでしょうけど。

    (iii)これから学びたい人は何を品質工学で学べばよいか?

    なぜ、品質工学がわかりにくいのか?というといろいろツッコみましたが、昭和の時代背景も大きく影響しています。

    昭和の時代のような昔は、データを取得するが大変で、計算でカバーしようとしていた。そのため、実験計画法や品質工学・タグチメソッドが計算でカバーする手法として活躍した。
    でも、現在、データはとても簡単に作れて、モデル式からシミュレーションして精度を高めてから、部分実験で真偽を確かめるようになっている。
    計算よりデータ取得の方が簡単になっている現代からして、データの手間を計算でカバーする手法がいまいちピンと来ないのではないか?

    と研究して強く感じます。

    なので、

    実験計画法・品質工学・タグチメソッドは何を解いているか?その目的は何か?を理解することは現在も大事!

    なので、QCプラネッツは実験計画法と同様に

    1. モデル式(データの構造式)を最初に立てる
    2. 変動の分解ができるかを確認する
    3. 分散分析・F検定をする
    4. 変動の期待値を計算する
    5. 最適条件をデータの構造式から計算する
    6. SN比にlogはつけない
    7. 解析結果を信じることより、理論を理解する方に重視する

    という考えで、関連記事をまとめました。

    教科書を鵜呑みせず、自分なりの理論を追究した方が、自分のものにしやすいですよね。

    では、30弱ある関連記事を紹介します。

    ➁品質工学の関連記事(30記事)を紹介!

    1つずつ関連記事を紹介します。

    品質工学に頻出する、直交表L12、混合系直交表L18を解説します。でも、どの直交表使うかより、どんなデータの構造式をモデル化すべきかの方が大事です。

    直交表L12がわかる

    直交表L12がわかる
    直交表L12が使えますか? 本記事ではロバストパラメータ設計でよく使われれる直交表L12のパターン、データの構造式、平方和の分解、分散分析表、分散の期待値、母平均、有効繰返数、区間推定の一連の解法を解説します。

    混合系直交表L18がわかる

    混合系直交表L18がわかる
    混合系直交表L18が使えますか? 本記事ではロバストパラメータ設計でよく使われれる直交表L18のパターン、データの構造式、平方和の分解、分散分析表、分散の期待値、母平均、有効繰返数、区間推定の一連の解法を解説します。平方和で注意すべき点があるので、必読です!

    品質工学のSN比が導出できる

    品質工学のSN比が導出できる
    品質工学のSN比の式 η=10log (Sm-Ve)/Veがちゃんと導出できますか? 本記事はSN比を導出します。公式暗記に頼らず、式変形から意味を理解して、式を使うようにしましょう。

    品質工学,静特性の変動とSN比の注意点がわかる

    品質工学,静特性の変動とSN比の注意点がわかる
    品質工学の静特性のデータの構造式に目標値が無い理由が説明できますか? 本記事では、教科書にある簡略化された静特性のデータの構造式の導出を丁寧に解説します。簡略化することで品質工学の目的が見えにくくなる点をわかりやすく解説します。品質工学を学ぶ人は必読です。

    直交表L8を使ったパラメータ設計がわかる

    直交表L8を使ったパラメータ設計がわかる
    直交表L8を使ったパラメータ設計を実際に解きながら解説します。教科書や他のサイトでは出てこない一般の直交表を使った場合のロバストパラメータ設計を解説します。実験計画法と品質工学の両方が学べる大事な記事です。

    直交表L16を使ったパラメータ設計がわかる

    直交表L16を使ったパラメータ設計がわかる
    直交表L16を使ったパラメータ設計を実際に解きながら解説します。教科書や他のサイトでは出てこない一般の直交表を使った場合のロバストパラメータ設計を解説します。実験計画法と品質工学の両方が学べる大事な記事です。

    直交表L27を使ったパラメータ設計がわかる

    直交表L27を使ったパラメータ設計がわかる
    直交表L27を使ったパラメータ設計を実際に解きながら解説します。教科書や他のサイトでは出てこない一般の直交表を使った場合のロバストパラメータ設計を解説します。実験計画法と品質工学の両方が学べる大事な記事です。

    直交表L18を使ったパラメータ設計がわかる

    直交表L18を使ったパラメータ設計がわかる
    直交表L18を使ったパラメータ設計を実際に解きながら解説します。混合系直交表を使った場合のロバストパラメータ設計を解説します。実験計画法と品質工学の両方が学べる大事な記事です。

    ★【品質工学】勉強に必須な21項目をまとめました。

    以前、ブログ解説していましたが、1つのPDFにまとめました。勉強に役立ててください

    No テーマ
    1 混合系直交表L18の擬水準法がわかる
    2 混合系直交表L18の多水準法がわかる1
    3 混合系直交表L18の多水準法がわかる2
    4 【初心者必見】品質工学で全変動と平方和の違いがわかる
    5 品質工学,静特性、誤差因子が1つの場合がわかる
    6 品質工学,静特性、誤差因子が2つの場合がわかる
    7 品質工学の動特性は回帰分析と同じ(その1)
    8 品質工学の動特性は回帰分析と同じ(その2)
    9 品質工学、動特性、誤差因子1つの場合がわかる
    10 品質工学、動特性、誤差因子1つで繰返し有りの場合がわかる
    11 品質工学,動特性の理想直線は原点通らなくてOKな理由がわかる
    12 品質工学、動特性、誤差因子2つの場合がわかる
    13 品質工学、動特性、誤差因子1つの変動の分解がわかる
    14 品質工学、動特性、誤差因子1つで繰返しありの分解がわかる
    15 品質工学、動特性、誤差因子2つの分解がわかる
    16 品質工学,静特性の演習問題が解ける(誤差因子1つの場合)
    17 品質工学,静特性の演習問題が解ける(誤差因子2つの場合)
    18 品質工学 動特性(誤差因子なし)の演習問題が解ける
    19 品質工学、ここがわからない!と思ったら読んで!
    20 直交表L12を使ったパラメータ設計がわかる
    21 品質工学、変動の期待値が導出できる

    以上、30の関連記事を紹介します。確認ください。

    まとめ

    「【まとめ】品質工学がわかる」を解説しました。

    • ①【重要】品質工学を研究してわかったこと
    • ➁品質工学の関連記事(30記事)を紹介!

  • 直交表L18を使ったパラメータ設計がわかる

    直交表L18を使ったパラメータ設計がわかる

    「直交表を使ったロバストパラメータ設計ができない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    直交表L18を使ったパラメータ設計がわかる

    おさえておきたいポイント

    • ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い
    • ➁実験計画法の復習
    • ➂直交表L18を使ったパラメータ設計事例
    • ➃SN比と感度の計算
    • ➄最適条件の選定
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    【QC検定®1級合格】ロバスト設計問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方におススメです。
    【QC検定®合格】「品質工学」問題集を販売します! 単なる公式の代入ではなく、平方和の分解や実験計画法を駆使して品質工学の本質が学べる良問をそろえました。是非、学習しましょう。

    品質工学
    ロバストパラメータ設計
    タグチメソッド
    手法に溺れるな!
    数式と理論で理解しよう!

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッド
    結局わからない!
    ⇒QCプラネッツが解決!

    ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッドで扱う直交表について疑問に思うことが2つあります。

    1. 「品質工学=混合系直交表」じゃないとダメなのか?
    2. 「品質工学≠実験計画法」は正しいのか?

    「品質工学=混合系直交表」は正しいのか?

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッドって、最初から、特殊な直交表L12,L18が出て来ます。その理由は

    交互作用を割り付けるのは品質工学的に無意味だから、交互作用が出ない混合系直交表を使いたいから

    でも、これが意味わからないんですよ!

    でも、主効果、交互作用の有無は
    データが決めるはずで、
    我々ではないから

    データは様々な要因が絡み合って数値化されます。であれば、ナチュラルに主効果、交互作用を含めて検討しても良いと考えます。

    「品質工学≠実験計画法」は正しいのか?

    同じ直交表を使うのに、

    品質工学≠実験計画法で別物扱い

    これもピンと来ません。同じで良いではないかと!

    品質工学の発展や普及させる中で皆が同じことを言えば正しいという同調圧力を感じます
    なので、
    実験計画法の延長として品質工学を検討したり
    一般の直交表を使ってパラメータ設計してみましょう。

    で、おかしい結果になるか確かめてみましょう。

    でも、主効果、交互作用の有無や
    解析結果は
    データが決めるはずで、
    我々ではないよ!

    品質工学に一般の直交表を使ってみる

    QCプラネッツは長年にわたりこの疑問を抱いていましたので、実際に
    ●L8
    ●L16
    ●L9
    ●L27
    と混合系の
    ●L12
    ●L18(本記事)
    を取り上げてみます。

    ➁実験計画法の復習

    QCプラネッツは
    品質工学=実験計画法 という考えなので、
    まず実験計画法を復習しましょう。

    関連記事で、確認ください。

    究める!実験計画法
    QCプラネッツが解説する究める実験計画法。多くの教科書がある中、勉強してもどうしても分からない、苦労している難解な箇所をすべて解説します。多元配置実験、乱塊法、分割法、直交表などなど多くの手法を個別に公式暗記せず、データの構造式をみればすべて導出できる新しい実験計画法を解説します。

    混合系直交表L18についても、関連記事で解説しています。

    混合系直交表L18がわかる
    混合系直交表L18が使えますか? 本記事ではロバストパラメータ設計でよく使われれる直交表L18のパターン、データの構造式、平方和の分解、分散分析表、分散の期待値、母平均、有効繰返数、区間推定の一連の解法を解説します。平方和で注意すべき点があるので、必読です!

    ➂直交表L18を使ったパラメータ設計事例

    事例

    次の問いを考えます。

    【問】
    あるデータから最適条件を直交表L18を使って求めたい。
    (1) 分散分析表を作れ。
    (2) 各因子の、各水準におけるSN比と感度を計算し、要因効果図を作れ。
    (3) 最適条件を選び、その条件におけるSN比と感度を計算せよ。

    直交表L18

    直交表L18

    各因子の平方和と分散分析を解析

    直交表L18は2と3水準系の混合系なので、各列の平方和を計算する公式があります。関連記事で解説しています。

    【本記事限定】直交表の各列の平方和の式は自力で導出できる【必見】
    直交表の各列の平方和を導出する方法を知っていますか?公式暗記で済ませていませんか?本記事では、実験計画法の直交表の各列の平方和を導出する方法を詳しく解説します。本記事しか書いていない、直交表の知見を広げたい方は必見です。

    関連記事から2水準系の各列の平方和\(S[k]\)は
    \(S[k]\)=\(\frac{((T_{[k]1}-T_{[k]2})^2}{2N}\)
    (\(N\)=9)
    で計算します。

    関連記事から3水準系の各列の平方和\(S[k]\)は
    \(S[k]\)=\(\frac{((T_{[k]1}-T_{[k]2})^2+(T_{[k]2}-T_{[k]3})^2+(T_{[k]3}-T_{[k]1})^2)}{3N}\)
    (\(N\)=6)
    で計算します。

    これをもとに各列の平方和を計算すると、下表になります。

    直交表L18

    ここで、注意があります。

    18個のデータの平方和は公式から280になるが、
    混合系直交表L18の各列の合計からは241と小さくなる

    直交表全列の平方和と公式から算出される平方和の値は一致しませんので注意ください。なんでこんな変な直交表を使いたいのか、よくわかりませんが。

    ●分散分析表

    L18 平方和S 自由度φ 平均平方V
    A 18 1 18
    B 34.33 2 17.17
    C 24.33 2 12.17
    D 41.33 2 20.67
    E 67 2 33.5
    F 10.33 2 5.17
    G 8.33 2 4.17
    e 37.33 2 18.67
    合計 241 15

    データの構造式

    分散分析を扱うための最も重要なデータの構造式を定義します。今回は全列を成分に合わせた効果とするので、

    \(x\)=\(μ\)+\(a\)+\(b\)+\(c\)+\(d\)+\(e\)+\(f\)+\(h\)+\(h\)(誤差項)

    ➃SN比と感度の計算

    SN比と感度Sの公式

    関連記事にも公式導出過程を解説しています。

    品質工学のSN比が導出できる
    品質工学のSN比の式 η=10log (Sm-Ve)/Veがちゃんと導出できますか? 本記事はSN比を導出します。公式暗記に頼らず、式変形から意味を理解して、式を使うようにしましょう。

    ●SN比ηは
    η=10\(log \frac{μ^2}{σ^2}\)=10\(log \frac{\frac{1}{n}(S_m-V_e)}{V_e}\)

    ●感度Sは
    S=10\(log μ^2\)=10\(log \frac{1}{n}(S_m-V_e)\)

    ですが、今回簡略化のため、

    ●SN比ηは
    η=\(\frac{μ^2}{σ^2}\)=\(\frac{\bar{x}^2}{s^2}\) (\(s\)は標準偏差)

    ●感度Sは
    S=\(μ^2\)=\(\bar{x}^2\)
    で計算します。

    各効果の各水準における平均\(\bar{x}\)と標準偏差\(s\)

    各効果の水準1,2、3に属するデータの平均と標準偏差を計算すると下表になります。

    No 水準1 水準2 水準3
    平均\(\bar{x}\) 標準偏差\(s\) 平均\(\bar{x}\) 標準偏差\(s\) 平均\(\bar{x}\) 標準偏差\(s\)
    A 11 3.61 13 4.44
    B 13.5 4.18 10.17 1.94 12.33 5.28
    C 10.5 2.95 12.17 4.75 13.33 4.46
    D 11.67 3.88 14 3.52 10.33 4.5
    E 14.67 3.56 10.17 4.22 11.17 3.49
    F 11.17 3.87 11.83 5 13 3.74
    G 12 1.9 11.17 3.49 12.83 6.21
    e 10 5.66 12.67 2.94 13.33 2.8

    例えば、
    ●因子A(2水準)において、水準ごとの9個のデータの平均と標準偏差を計算します。
    ●因子A以外の因子(3水準)において、水準ごとの6個のデータの平均と標準偏差を計算します。

    直交表L18の各列のSN比と感度

    ●SN比ηは
    η=\(\frac{μ^2}{σ^2}\)=\(\frac{\bar{x}^2}{s^2}\) (\(s\)は標準偏差)

    ●感度Sは
    S=\(μ^2\)=\(\bar{x}^2\)
    で計算すると、下表になります。

    No 水準1 水準2 水準3
    SN比η 感度S SN比η 感度S SN比η 感度S
    A 9.28 121 8.57 169
    B 10.43 182.25 27.48 103.43 5.45 152.03
    C 12.67 110.25 6.56 148.11 8.93 177.69
    D 9.05 136.19 15.82 196 5.27 106.71
    E 16.98 215.21 5.81 103.43 10.24 124.77
    F 8.33 124.77 5.6 139.95 12.08 169
    G 39.89 144 10.24 124.77 4.27 164.61
    e 3.12 100 18.57 160.53 22.66 177.69

    よく 対数を取ってSN比や感度Sの値を計算しますが、別になくてもOKなので、対数にしていません。

    要因効果図があると見やすいですが、数表からも確認できるので、割愛します。

    ➄最適条件の選定

    ここで、因子ABCDEFの水準の高い方を選択します。

    \(μ(ABCDEF)\)の式を先に作ります。

    関連記事で解説しています。

    【簡単】データの構造式で実験計画法がわかる(必読)
    実験計画法が難しい、多元配置実験、乱塊法、分割法、などたくさんの手法を学ぶのが大変など困っていませんか?本記事では、データの構造式さえ理解すれば実験計画法がすぐマスタできるように、わかりやすく解説します。早く実験計画法をマスターした方は必見です。

    \(μ(ABCDEF)\)
    =\(μ\)+(\(μ_a-μ\))+(\(μ_b-μ\))+(\(μ_c-μ\))+(\(μ_d-μ\))+(\(μ_e-μ\))+(\(μ_f-μ\))
    =\(μ_a\)+\(μ_b\)+\(μ_c\)+\(μ_d\)+\(μ_e\)+\(μ_f\)-5\(μ\)
    となります。

    SN比η、感度Sは
    ●\(η_{ABCDEF}\)=\(η_a\)+\(η_b\)+\(η_c\)+\(η_d\)+\(η_e\)+\(η_f\)-5\(\bar{η}\)
    ●\(S_{ABCDEF}\)=\(S_a\)+\(S_b\)+\(S_c\)+\(S_d\)+\(S_e\)+\(S_f\)-5\(\bar{S}\)

    暗記不要で、データの構造式からどんな組み合わせパターンも式が作れます!

    ●SN比において、
    A,B,C,D,E,Fで値のSN比が大きい水準をみると
    A1,B2,C1,D2,E1,F3なので、
    \(η_{ABCDEF}\)=\(η_a\)+\(η_b\)+\(η_c\)+\(η_d\)+\(η_e\)+\(η_f\)-5\(\bar{η}\)
    =9.28+27.48+12.67+15.82+16.98+12.08-5×12.06
    =34.03

    ●感度において、
    A,B,C,D,E,Fで値の感度が大きい水準をみると
    A2,B1,C3,D2,E1,F3なので、
    \(S_{ABCDEF}\)=\(S_a\)+\(S_b\)+\(S_c\)+\(S_d\)+\(S_e\)+\(S_f\)-5\(\bar{S}\)
    =169+182.25+177.69+196+215.21+169-5×145.71
    =380.59

    と計算できました。

    直交表L18を使って、SN比、感度の計算を実施しました。

    直交表の種類に関係なく1つの解法で解ける事がわかりますね。

    まとめ

    「直交表L18を使ったパラメータ設計がわかる」を解説しました。

    • ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い
    • ➁実験計画法の復習
    • ➂直交表L18を使ったパラメータ設計事例
    • ➃SN比と感度の計算
    • ➄最適条件の選定

  • 直交表L27を使ったパラメータ設計がわかる

    直交表L27を使ったパラメータ設計がわかる

    「直交表を使ったロバストパラメータ設計ができない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    直交表L27を使ったパラメータ設計がわかる

    おさえておきたいポイント

    • ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い
    • ➁実験計画法の復習
    • ➂直交表L27を使ったパラメータ設計事例
    • ➃SN比と感度の計算
    • ➄最適条件の選定
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    品質工学
    ロバストパラメータ設計
    タグチメソッド
    手法に溺れるな!
    数式と理論で理解しよう!

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッド
    結局わからない!
    ⇒QCプラネッツが解決!

    ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッドで扱う直交表について疑問に思うことが2つあります。

    1. 「品質工学=混合系直交表」じゃないとダメなのか?
    2. 「品質工学≠実験計画法」は正しいのか?

    「品質工学=混合系直交表」は正しいのか?

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッドって、最初から、特殊な直交表L12,L18が出て来ます。その理由は

    交互作用を割り付けるのは品質工学的に無意味だから、交互作用が出ない混合系直交表を使いたいから

    でも、これが意味わからないんですよ!

    でも、主効果、交互作用の有無は
    データが決めるはずで、
    我々ではないから

    データは様々な要因が絡み合って数値化されます。であれば、ナチュラルに主効果、交互作用を含めて検討しても良いと考えます。

    「品質工学≠実験計画法」は正しいのか?

    同じ直交表を使うのに、

    品質工学≠実験計画法で別物扱い

    これもピンと来ません。同じで良いではないかと!

    品質工学の発展や普及させる中で皆が同じことを言えば正しいという同調圧力を感じます
    なので、
    実験計画法の延長として品質工学を検討したり
    一般の直交表を使ってパラメータ設計してみましょう。

    で、おかしい結果になるか確かめてみましょう。

    でも、主効果、交互作用の有無や
    解析結果は
    データが決めるはずで、
    我々ではないよ!

    品質工学に一般の直交表を使ってみる

    QCプラネッツは長年にわたりこの疑問を抱いていましたので、実際に
    ●L8
    ●L16
    ●L27(本記事)
    と混合系の
    ●L12
    ●L18
    を取り上げてみます。

    ➁実験計画法の復習

    QCプラネッツは
    品質工学=実験計画法 という考えなので、
    まず実験計画法を復習しましょう。

    関連記事で、確認ください。

    究める!実験計画法
    QCプラネッツが解説する究める実験計画法。多くの教科書がある中、勉強してもどうしても分からない、苦労している難解な箇所をすべて解説します。多元配置実験、乱塊法、分割法、直交表などなど多くの手法を個別に公式暗記せず、データの構造式をみればすべて導出できる新しい実験計画法を解説します。

    ➂直交表L27を使ったパラメータ設計事例

    事例

    次の問いを考えます。

    【問】
    あるデータから最適条件を直交表L27を使って求めたい。
    (1) 分散分析表を作れ。
    (2) 各因子の、各水準におけるSN比と感度を計算し、要因効果図を作れ。
    (3) 最適条件を選び、その条件におけるSN比と感度を計算せよ。

    直交表L27

    直交表L27

    各因子の平方和と分散分析を解析

    直交表L27は3水準系なので、各列の平方和を計算する公式があります。関連記事で解説しています。

    【本記事限定】直交表の各列の平方和の式は自力で導出できる【必見】
    直交表の各列の平方和を導出する方法を知っていますか?公式暗記で済ませていませんか?本記事では、実験計画法の直交表の各列の平方和を導出する方法を詳しく解説します。本記事しか書いていない、直交表の知見を広げたい方は必見です。

    関連記事から3水準系の各列の平方和\(S[k]\)は
    \(S[k]\)=\(\frac{((T_{[k]1}-T_{[k]2})^2+(T_{[k]2}-T_{[k]3})^2+(T_{[k]3}-T_{[k]1})^2)}{3N}\)
    で計算します。

    これをもとに各列の平方和を計算すると、下表になります。

    直交表L27

    ●分散分析表

    L27 平方和S 自由度φ 平均平方V
    A 800 2 400
    B 1134 2 567
    C 98 2 49
    AB 108 4 27
    AC 14 4 3.5
    BC 504 4 126
    e 72 8 9
    2730 26

    データの構造式

    分散分析を扱うための最も重要なデータの構造式を定義します。今回は全列を成分に合わせた効果とするので、

    \(x_{ijk}\)=\(μ\)+\(a_i\)+\(b_j\)+\(c_k\)+
    +\(ab_{ij}\)+\(ac_{ik}\)+\(bc_{jk}\)+\(e_{ijk}\)
    (\(i,j,k=1,2,3\))

    ➃SN比と感度の計算

    SN比と感度Sの公式

    関連記事にも公式導出過程を解説しています。

    品質工学のSN比が導出できる
    品質工学のSN比の式 η=10log (Sm-Ve)/Veがちゃんと導出できますか? 本記事はSN比を導出します。公式暗記に頼らず、式変形から意味を理解して、式を使うようにしましょう。

    ●SN比ηは
    η=10\(log \frac{μ^2}{σ^2}\)=10\(log \frac{\frac{1}{n}(S_m-V_e)}{V_e}\)

    ●感度Sは
    S=10\(log μ^2\)=10\(log \frac{1}{n}(S_m-V_e)\)

    ですが、今回簡略化のため、

    ●SN比ηは
    η=\(\frac{μ^2}{σ^2}\)=\(\frac{\bar{x}^2}{s^2}\) (\(s\)は標準偏差)

    ●感度Sは
    S=\(μ^2\)=\(\bar{x}^2\)
    で計算します。

    各効果の各水準における平均\(\bar{x}\)と標準偏差\(s\)

    各効果の水準1,2、3に属するデータの平均と標準偏差を計算すると下表になります。

    No 水準1 水準2 水準3
    平均\(\bar{x}\) 標準偏差\(s\) 平均\(\bar{x}\) 標準偏差\(s\) 平均\(\bar{x}\) 標準偏差\(s\)
    A 15 10.44 22.5 5.55 30 10.07
    B 12.38 8.35 25.88 6.93 29.25 9.04
    C 19.88 6.89 22.5 13.47 25.13 10
    AB 21.38 13.44 23.06 13.3 23.06 10.91
    AC 21.94 12.87 22.31 13.04 23.25 11.94
    BC 27 8.36 19.13 11.66 21.38 9.37
    e 22.78 11.75 22.22 12.72 22.5 12.82

    例えば、
    ●因子Aにおいて、水準ごとの9個のデータの平均と標準偏差を計算します。
    ●交互作用ABは、2列あるので、水準ごとの18個のデータの平均と標準偏差を計算します。
    ●残差eは、4列あるので、水準ごとの36個のデータの平均と標準偏差を計算します。

    直交表L27の各列のSN比と感度

    ●SN比ηは
    η=\(\frac{μ^2}{σ^2}\)=\(\frac{\bar{x}^2}{s^2}\) (\(s\)は標準偏差)

    ●感度Sは
    S=\(μ^2\)=\(\bar{x}^2\)
    で計算すると、下表になります。

    No 水準1 水準2 水準3
    SN比η 感度S SN比η 感度S SN比η 感度S
    A 2.06 225 16.44 506.25 8.88 900
    B 2.2 153.26 13.95 669.77 10.47 855.56
    C 8.33 395.21 2.79 506.25 6.32 631.52
    AB 2.53 457.1 3.01 531.76 4.47 531.76
    AC 2.91 481.36 2.93 497.74 3.79 540.56
    BC 10.43 729 2.69 365.96 5.21 457.1
    e 3.76 518.93 3.05 493.73 3.08 506.25

    よく 対数を取ってSN比や感度Sの値を計算しますが、別になくてもOKなので、対数にしていません。

    要因効果図があると見やすいですが、数表からも確認できるので、割愛します。

    ➄最適条件の選定

    ここで、因子A,Cの水準の高い方を選択します。

    \(μ(A_i C_k)\)の式を先に作ります。

    関連記事で解説しています。

    【簡単】データの構造式で実験計画法がわかる(必読)
    実験計画法が難しい、多元配置実験、乱塊法、分割法、などたくさんの手法を学ぶのが大変など困っていませんか?本記事では、データの構造式さえ理解すれば実験計画法がすぐマスタできるように、わかりやすく解説します。早く実験計画法をマスターした方は必見です。

    \(μ(A_i C_k)\)
    =\(μ\)+\(a_i\)+\(c_k\)+\(ac_{ik}\)
    =\(\bar{\bar{x}}\)+(\(\bar{x_{i・・}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{・・k}}-\bar{\bar{x}}\))
    +\((\bar{x_{i・k}}-\bar{x_{i・・}}-\bar{x_{・・k・}}+\bar{\bar{x}})\)
    =\((\bar{x_{i・k}}-\bar{\bar{x}}\))
    =(\(\widehat{μ+a_i+c_k}\))-\(μ\)
    とすっきりした式になります。

    暗記不要で、データの構造式からどんな組み合わせパターンも式が作れます!

    ●SN比において、
    A,B,Cで値のSN比が大きい水準をみると
    AC_3なので、
    \(μ(AC_3)\)= (\(\widehat{μ+ac_3}\))-\(μ\)
    =3.79-5.68=-1.89

    ●感度において、
    ACで値の感度が大きい水準をみると
    AC_3なので、
    \(μ(AC_3)\)= (\(\widehat{μ+ac_3}\))-\(μ\)
    =540.56-521.62=18.94

    と計算できました。

    直交表L27を使って、SN比、感度の計算を実施しました。

    直交表の種類に関係なく1つの解法で解ける事がわかりますね。

    まとめ

    「直交表L27を使ったパラメータ設計がわかる」を解説しました。

    • ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い
    • ➁実験計画法の復習
    • ➂直交表L27を使ったパラメータ設計事例
    • ➃SN比と感度の計算
    • ➄最適条件の選定

  • 直交表L8を使ったパラメータ設計がわかる

    直交表L8を使ったパラメータ設計がわかる

    「直交表を使ったロバストパラメータ設計ができない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    直交表L8を使ったパラメータ設計がわかる

    おさえておきたいポイント

    • ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い
    • ➁実験計画法の復習
    • ➂直交表L8を使ったパラメータ設計事例
    • ➃SN比と感度の計算
    • ➄最適条件の選定
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    品質工学
    ロバストパラメータ設計
    タグチメソッド
    手法に溺れるな!
    数式と理論で理解しよう!

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッド
    結局わからない!
    ⇒QCプラネッツが解決!

    ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッドで扱う直交表について疑問に思うことが2つあります。

    1. 「品質工学=混合系直交表」じゃないとダメなのか?
    2. 「品質工学≠実験計画法」は正しいのか?

    「品質工学=混合系直交表」は正しいのか?

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッドって、最初から、特殊な直交表L12,L18が出て来ます。その理由は

    交互作用を割り付けるのは品質工学的に無意味だから、交互作用が出ない混合系直交表を使いたいから

    でも、これが意味わからないんですよ!

    でも、主効果、交互作用の有無は
    データが決めるはずで、
    我々ではないから

    データは様々な要因が絡み合って数値化されます。であれば、ナチュラルに主効果、交互作用を含めて検討しても良いと考えます。

    「品質工学≠実験計画法」は正しいのか?

    同じ直交表を使うのに、

    品質工学≠実験計画法で別物扱い

    これもピンと来ません。同じで良いではないかと!

    品質工学の発展や普及させる中で皆が同じことを言えば正しいという同調圧力を感じます
    なので、
    実験計画法の延長として品質工学を検討したり
    一般の直交表を使ってパラメータ設計してみましょう。

    で、おかしい結果になるか確かめてみましょう。

    でも、主効果、交互作用の有無や
    解析結果は
    データが決めるはずで、
    我々ではないよ!

    品質工学に一般の直交表を使ってみる

    QCプラネッツは長年にわたりこの疑問を抱いていましたので、実際に
    ●L8(本記事)
    ●L16
    ●L27
    と混合系の
    ●L12
    ●L18
    を取り上げてみます。

    ➁実験計画法の復習

    QCプラネッツは
    品質工学=実験計画法 という考えなので、
    まず実験計画法を復習しましょう。

    関連記事で、確認ください。

    究める!実験計画法
    QCプラネッツが解説する究める実験計画法。多くの教科書がある中、勉強してもどうしても分からない、苦労している難解な箇所をすべて解説します。多元配置実験、乱塊法、分割法、直交表などなど多くの手法を個別に公式暗記せず、データの構造式をみればすべて導出できる新しい実験計画法を解説します。

    ➂直交表L8を使ったパラメータ設計事例

    事例

    次の問いを考えます。

    【問】
    あるデータから最適条件を直交表L8を使って求めたい。
    (1) 分散分析表を作れ。
    (2) 各因子の、各水準におけるSN比と感度を計算し、要因効果図を作れ。
    (3) 最適条件を選び、その条件におけるSN比と感度を計算せよ。

    直交表L8

    直交表L8

    各因子の平方和と分散分析を解析

    直交表L8は2水準系なので、各列の平方和を計算する公式があります。関連記事で解説しています。

    【本記事限定】直交表の各列の平方和の式は自力で導出できる【必見】
    直交表の各列の平方和を導出する方法を知っていますか?公式暗記で済ませていませんか?本記事では、実験計画法の直交表の各列の平方和を導出する方法を詳しく解説します。本記事しか書いていない、直交表の知見を広げたい方は必見です。

    これをもとに各列の平方和を計算すると、下表になります。

    直交表L8

    ●分散分析表

    L8 効果 平方和S 自由度φ 平均平方V
    1 A 60.5 1 60.5
    2 B 24.5 1 24.5
    3 A×B 128 1 128
    4 C 32 1 32
    5 A×C 24.5 1 24.5
    6 B×C 12.5 1 12.5
    7 e 18 1 18
    15 e 18 1 18
    合計 T 300 7

    データの構造式

    分散分析を扱うための最も重要なデータの構造式を定義します。今回は全列を成分に合わせた効果とするので、

    \(x_{ijk}\)=\(μ\)+\(a_i\)+\(b_j\)+\(c_k\)
    +\(ab_{ij}\)+\(ac_{ik}\)+\(bc_{jk}\)
    +\(e_{ijk}\)
    (\(i,j,k=1,2\))

    ➃SN比と感度の計算

    SN比と感度Sの公式

    関連記事にも公式導出過程を解説しています。

    品質工学のSN比が導出できる
    品質工学のSN比の式 η=10log (Sm-Ve)/Veがちゃんと導出できますか? 本記事はSN比を導出します。公式暗記に頼らず、式変形から意味を理解して、式を使うようにしましょう。

    ●SN比ηは
    η=10\(log \frac{μ^2}{σ^2}\)=10\(log \frac{\frac{1}{n}(S_m-V_e)}{V_e}\)

    ●感度Sは
    S=10\(log μ^2\)=10\(log \frac{1}{n}(S_m-V_e)\)

    ですが、今回簡略化のため、

    ●SN比ηは
    η=\(\frac{μ^2}{σ^2}\)=\(\frac{\bar{x}^2}{s^2}\) (\(s\)は標準偏差)

    ●感度Sは
    S=\(μ^2\)=\(\bar{x}^2\)
    で計算します。

    各効果の各水準における平均\(\bar{x}\)と標準偏差\(s\)

    各効果の水準1,2に属するデータの平均と標準偏差を計算すると下表になります。

    水準1 水準2
    No 平均\(\bar{x}\) 標準偏差\(s\) 平均\(\bar{x}\) 標準偏差\(s\)
    1 A 17.88 8.54 20.63 2.63
    2 B 18.38 6.34 20.13 7.18
    3 A×B 18.25 5.97 20.25 7.33
    4 C 21.25 5.45 17.25 5.26
    5 A×C 20.13 5.5 18.38 7.85
    6 B×C 18.63 5.56 19.88 8.06
    7 e 18.5 5.16 20 8.21

    例えば、因子Aにおいて、
    ●水準1:35,29,48,31
    ●水準2:44,39,43,39
    なので、それぞれ4個の平均と標準偏差を計算します。

    それを因子Aから誤差eまでの7列分を計算します。

    直交表L8の各列のSN比と感度

    ●SN比ηは
    η=\(\frac{μ^2}{σ^2}\)=\(\frac{\bar{x}^2}{s^2}\) (\(s\)は標準偏差)

    ●感度Sは
    S=\(μ^2\)=\(\bar{x}^2\)
    で計算すると、下表になります。

    水準1 水準2
    No SN比 η 感度S SN比 η 感度S
    1 A 4.38 319.52 61.5 425.39
    2 B 8.39 337.64 7.85 405.02
    3 C 9.34 333.06 7.64 410.06
    4 A×B 15.22 451.56 10.76 297.56
    5 A×C 13.39 405.02 5.48 337.64
    6 B×C 11.22 346.89 6.08 395.02
    7 e 12.83 342.25 5.94 400

    よく 対数を取ってSN比や感度Sの値を計算しますが、別になくてもOKなので、対数にしていません。

    要因効果図があると見やすいですが、数表からも確認できるので、割愛します。

    ➄最適条件の選定

    ここで、因子A,Cの水準の高い方を選択します。

    \(μ(A_i C_k)\の式を先に作ります。

    関連記事で解説しています。

    【簡単】データの構造式で実験計画法がわかる(必読)
    実験計画法が難しい、多元配置実験、乱塊法、分割法、などたくさんの手法を学ぶのが大変など困っていませんか?本記事では、データの構造式さえ理解すれば実験計画法がすぐマスタできるように、わかりやすく解説します。早く実験計画法をマスターした方は必見です。

    \(μ(A_i C_k)\)
    =\(μ\)+\(a_i\)+\(c_k\)+\(ac_{ik}\)
    =\(\bar{\bar{x}}\)+(\(\bar{x_{i・・}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{・・k}}-\bar{\bar{x}}\))
    +\((\bar{x_{i・k}}-\bar{x_{i・・}}-\bar{x_{・・k}}+\bar{\bar{x}})\)
    =\((\bar{x_{i・k}}-\bar{\bar{x}}\))
    =(\(\widehat{μ+a_i+c_k}\))-\(μ\)
    とすっきりした式になります。

    暗記不要で、データの構造式からどんな組み合わせパターンも式が作れます!

    ●SN比において、
    A,Cで値のSN比が大きい水準をみると
    AC_1なので、
    \(μ(A_ i C_k)\)= (\(\widehat{μ+ac_1}\))-\(μ\)
    =13.39-12.85=0.53

    ●感度において、
    A,Cで値の感度が大きい水準をみると
    AC_1なので、
    \(μ(A_ i C_k)\)= (\(\widehat{μ+ac_1}\))-\(μ\)
    =405.02-371.90=33.11

    と計算できました。

    直交表L8を使って、SN比、感度の計算を実施しました。

    まとめ

    「直交表L8を使ったパラメータ設計がわかる」を解説しました。

    • ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い
    • ➁実験計画法の復習
    • ➂直交表L8を使ったパラメータ設計事例
    • ➃SN比と感度の計算
    • ➄最適条件の選定

  • 直交表L16を使ったパラメータ設計がわかる

    直交表L16を使ったパラメータ設計がわかる

    「直交表を使ったロバストパラメータ設計ができない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    直交表L16を使ったパラメータ設計がわかる

    おさえておきたいポイント

    • ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い
    • ➁実験計画法の復習
    • ➂直交表L16を使ったパラメータ設計事例
    • ➃SN比と感度の計算
    • ➄最適条件の選定
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    品質工学
    ロバストパラメータ設計
    タグチメソッド
    手法に溺れるな!
    数式と理論で理解しよう!

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッド
    結局わからない!
    ⇒QCプラネッツが解決!

    ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッドで扱う直交表について疑問に思うことが2つあります。

    1. 「品質工学=混合系直交表」じゃないとダメなのか?
    2. 「品質工学≠実験計画法」は正しいのか?

    「品質工学=混合系直交表」は正しいのか?

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッドって、最初から、特殊な直交表L12,L18が出て来ます。その理由は

    交互作用を割り付けるのは品質工学的に無意味だから、交互作用が出ない混合系直交表を使いたいから

    でも、これが意味わからないんですよ!

    でも、主効果、交互作用の有無は
    データが決めるはずで、
    我々ではないから

    データは様々な要因が絡み合って数値化されます。であれば、ナチュラルに主効果、交互作用を含めて検討しても良いと考えます。

    「品質工学≠実験計画法」は正しいのか?

    同じ直交表を使うのに、

    品質工学≠実験計画法で別物扱い

    これもピンと来ません。同じで良いではないかと!

    品質工学の発展や普及させる中で皆が同じことを言えば正しいという同調圧力を感じます
    なので、
    実験計画法の延長として品質工学を検討したり
    一般の直交表を使ってパラメータ設計してみましょう。

    で、おかしい結果になるか確かめてみましょう。

    でも、主効果、交互作用の有無や
    解析結果は
    データが決めるはずで、
    我々ではないよ!

    品質工学に一般の直交表を使ってみる

    QCプラネッツは長年にわたりこの疑問を抱いていましたので、実際に
    ●L8
    ●L16(本記事)
    ●L27
    と混合系の
    ●L12
    ●L18
    を取り上げてみます。

    ➁実験計画法の復習

    QCプラネッツは
    品質工学=実験計画法 という考えなので、
    まず実験計画法を復習しましょう。

    関連記事で、確認ください。

    究める!実験計画法
    QCプラネッツが解説する究める実験計画法。多くの教科書がある中、勉強してもどうしても分からない、苦労している難解な箇所をすべて解説します。多元配置実験、乱塊法、分割法、直交表などなど多くの手法を個別に公式暗記せず、データの構造式をみればすべて導出できる新しい実験計画法を解説します。

    直交表L16の分散分析・区間推定が解ける【必見】
    実験計画法の、直交表L16の分散分析、分散の期待値の導出、主効果・交互作用の区間推定の導出ができますか?公式暗記で済ませていませんか?本記事は、直交表L16の分散分析、分散の期待値の導出、区間推定の導出を解説します。分散分析、期待値の導出、区間推定をマスターしたい方は必見です。

    ➂直交表L16を使ったパラメータ設計事例

    事例

    次の問いを考えます。

    【問】
    あるデータから最適条件を直交表L16を使って求めたい。
    (1) 分散分析表を作れ。
    (2) 各因子の、各水準におけるSN比と感度を計算し、要因効果図を作れ。
    (3) 最適条件を選び、その条件におけるSN比と感度を計算せよ。

    直交表L16

    L16

    各因子の平方和と分散分析を解析

    直交表L16は2水準系なので、各列の平方和を計算する公式があります。関連記事で解説しています。

    【本記事限定】直交表の各列の平方和の式は自力で導出できる【必見】
    直交表の各列の平方和を導出する方法を知っていますか?公式暗記で済ませていませんか?本記事では、実験計画法の直交表の各列の平方和を導出する方法を詳しく解説します。本記事しか書いていない、直交表の知見を広げたい方は必見です。

    これをもとに各列の平方和を計算すると、下表になります。

    L16

    ●分散分析表

    L16 効果 平方和S 自由度φ 平均平方V
    1 A 42.25 1 42.25
    2 B 182.25 1 182.25
    3 A×B 6.25 1 6.25
    4 C 81 1 81
    5 A×C 4 1 4
    6 B×C 25 1 25
    7 A×B×C 9 1 9
    8 D 169 1 169
    9 A×D 9 1 9
    10 B×D 49 1 49
    11 A×B×D 0 1 0
    12 C×D 12.25 1 12.25
    13 A×C×D 2.25 1 2.25
    14 B×C×D 20.25 1 20.25
    15 e 110.25 1 110.25
    合計 T 721.75 15

    データの構造式

    分散分析を扱うための最も重要なデータの構造式を定義します。今回は全列を成分に合わせた効果とするので、

    \(x_{ijkl}\)=\(μ\)+\(a_i\)+\(b_j\)+\(c_k\)+\(d_l\)
    +\(ab_{ij}\)+\(ac_{ik}\)+\(ad_{il}\)+\(bc_{jk}\)+\(bd_{jl}\)+\(cd_{kl}\)
    +\(abc_{ijk}\)+\(abd_{ijl}\)+\(acd_{ikl}\)+\(bcd_{jkl}\)+\(e_{ijkl}\)
    (\(i,j,k,l=1,2\))

    ➃SN比と感度の計算

    SN比と感度Sの公式

    関連記事にも公式導出過程を解説しています。

    品質工学のSN比が導出できる
    品質工学のSN比の式 η=10log (Sm-Ve)/Veがちゃんと導出できますか? 本記事はSN比を導出します。公式暗記に頼らず、式変形から意味を理解して、式を使うようにしましょう。

    ●SN比ηは
    η=10\(log \frac{μ^2}{σ^2}\)=10\(log \frac{\frac{1}{n}(S_m-V_e)}{V_e}\)

    ●感度Sは
    S=10\(log μ^2\)=10\(log \frac{1}{n}(S_m-V_e)\)

    ですが、今回簡略化のため、

    ●SN比ηは
    η=\(\frac{μ^2}{σ^2}\)=\(\frac{\bar{x}^2}{s^2}\) (\(s\)は標準偏差)

    ●感度Sは
    S=\(μ^2\)=\(\bar{x}^2\)
    で計算します。

    各効果の各水準における平均\(\bar{x}\)と標準偏差\(s\)

    各効果の水準1,2に属するデータの平均と標準偏差を計算すると下表になります。

    水準1 水準2
    No 平均\(\bar{x}\) 標準偏差\(s\) 平均\(\bar{x}\) 標準偏差\(s\)
    1 A 38.5 6.55 41.75 7.36
    2 B 36.75 7.4 43.5 4.72
    3 A×B 40.75 8.56 39.5 5.37
    4 C 37.88 7.06 42.38 6.46
    5 A×C 40.63 6.99 39.63 7.33
    6 B×C 38.88 8.43 41.38 5.34
    7 A×B×C 39.38 5.42 40.88 8.51
    8 D 43.38 5.34 36.88 7.1
    9 A×D 40.88 6.92 39.38 7.35
    10 B×D 41.88 4.29 38.38 8.81
    11 A×B×D 40.13 7.83 40.13 6.47
    12 C×D 39.25 4.33 41 9.09
    13 A×C×D 39.75 8.56 40.5 5.42
    14 B×C×D 41.25 6.82 39 7.33
    15 e 37.5 5.95 42.75 7.21

    例えば、因子Aにおいて、
    ●水準1:35,29,48,31,44,39,43,39
    ●水準2:42,27,42,40,40,47,53,43
    なので、それぞれ8個の平均と標準偏差を計算します。

    それを因子Aから誤差eまでの15列分を計算します。

    直交表L16の各列のSN比と感度

    ●SN比ηは
    η=\(\frac{μ^2}{σ^2}\)=\(\frac{\bar{x}^2}{s^2}\) (\(s\)は標準偏差)

    ●感度Sは
    S=\(μ^2\)=\(\bar{x}^2\)
    で計算すると、下表になります。

    水準1 水準2
    No SN比 η 感度S SN比 η 感度S
    1 A 34.55 1482.25 32.18 1743.06
    2 B 24.66 1350.56 84.94 1892.25
    3 A×B 22.66 1660.56 54.11 1560.25
    4 C 28.79 1434.89 43.04 1796.06
    5 A×C 33.79 1650.8 29.23 1570.54
    6 B×C 21.27 1511.65 60.05 1712.3
    7 A×B×C 52.79 1550.78 23.08 1671.17
    8 D 65.99 1881.82 26.98 1360.13
    9 A×D 34.9 1671.17 28.71 1550.78
    10 B×D 95.3 1753.93 18.98 1473.02
    11 A×B×D 26.27 1610.42 38.47 1610.42
    12 C×D 82.17 1540.56 20.34 1681
    13 A×C×D 21.56 1580.06 55.84 1640.25
    14 B×C×D 36.58 1701.56 28.31 1521
    15 e 39.72 1406.25 35.16 1827.56

    よく 対数を取ってSN比や感度Sの値を計算しますが、別になくてもOKなので、対数にしていません。

    要因効果図があると見やすいですが、数表からも確認できるので、割愛します。

    ➄最適条件の選定

    ここで、因子A,B,Cの水準の高い方を選択します。

    \(μ(A_i B_j C_k)\)の式を先に作ります。

    関連記事で解説しています。

    【簡単】データの構造式で実験計画法がわかる(必読)
    実験計画法が難しい、多元配置実験、乱塊法、分割法、などたくさんの手法を学ぶのが大変など困っていませんか?本記事では、データの構造式さえ理解すれば実験計画法がすぐマスタできるように、わかりやすく解説します。早く実験計画法をマスターした方は必見です。

    \(μ(A_i B_j C_k)\)
    =\(μ\)+\(a_i\)+\(b_j\)+\(c_k\)+\(ab_{ij}\)+\(ac_{ik}\)+\(bc_{jk}\)+\(abc_{ijk}\)
    =\(\bar{\bar{x}}\)+(\(\bar{x_{i・・・}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{・・j・}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{・・k・}}-\bar{\bar{x}}\))+\((\bar{x_{ij・・}}-\bar{x_{i・・・}}-\bar{x_{・j・・}}+\bar{\bar{x}})\)+\((\bar{x_{i・k・}}-\bar{x_{i・・・}}-\bar{x_{・・k・}}+\bar{\bar{x}})\)+\((\bar{x_{・jk・}}-\bar{x_{・j・・}}-\bar{x_{・k・・}}+\bar{\bar{x}})\)+\((\bar{x_{ijk・}}-\bar{x_{ij・・}}-\bar{x_{i・k・}}-\bar{x_{・jk・}}\)+\(\bar{x_{i・・・}}+\bar{x_{・j・・}}+\bar{x_{・・k・}}-\bar{\bar{x}}\))
    =\((\bar{x_{ijk・}}-\bar{\bar{x}}\))
    =(\(\widehat{μ+a_i+b_j+c_k}\))-\(μ\)
    とすっきりした式になります。

    暗記不要で、データの構造式からどんな組み合わせパターンも式が作れます!

    ●SN比において、
    A,B,Cで値のSN比が大きい水準をみると
    ABC_1なので、
    \(μ(A_ i B_j C_k)\)= (\(\widehat{μ+abc_1}\))-\(μ\)
    =52.79-40.014=12.776

    ●感度において、
    A,B,Cで値の感度が大きい水準をみると
    ABC_2なので、
    \(μ(A_ i B_j C_k)\)= (\(\widehat{μ+abc_2}\))-\(μ\)
    =1671.17-1613.235=57.93

    と計算できました。

    直交表L16を使って、SN比、感度の計算を実施しました。

    まとめ

    「直交表L16を使ったパラメータ設計がわかる」を解説しました。

    • ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い
    • ➁実験計画法の復習
    • ➂直交表L16を使ったパラメータ設計事例
    • ➃SN比と感度の計算
    • ➄最適条件の選定

  • 品質工学のSN比が導出できる

    品質工学のSN比が導出できる

    「品質工学のSN比、感度Sが導出できない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    品質工学のSN比が導出できる

    おさえておきたいポイント

    • ①品質工学のSN比
    • ➁品質工学のSN比が導出できる
    • ➂品質工学の感度Sが導出できる
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    品質工学
    ロバストパラメータ設計
    タグチメソッド
    手法に溺れるな!
    数式と理論で理解しよう!

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッド
    結局わからない!
    ⇒QCプラネッツが解決!

    ①品質工学のSN比

    SN比 η=\(\frac{S_m}{S_e}\)でいいけど

    QCプラネッツ自身は、数値より、式の意味が大事ととらえるので、

    SN比 η=\(\frac{S_m}{S_e}\)
    でOKですね。

    対数 10logとかも要らないですよ。

    SN比 η=10 log \( \frac{\frac{1}{n}(S_m – V_e)}{V_e}\)をよく使う

    ですが、よく、

    η=10log \(\frac{\frac{1}{n}(S_m – V_e)}{V_e}\)
    を使いますよね!

    しかも、
    分子に変動\(S_m\)と単位が異なる分散\(Ve\)を引く意味がわからない
    変動\(S_m\)を分母にある単位が異なる分散\(Ve\)を割る意味がわからない
    教科書は「公式だから」ってあるけど、何でこの式なの?
    と疑問に沸きますよね。

    「公式は暗記!」
    はアカンよ!
    ちゃんと導出して納得してから使おう!

    ということで、

    SN比 η=10 log \(\frac{\frac{1}{n}(S_m – V_e)}{V_e}\)
    を導出します。

    ➁品質工学のSN比が導出できる

    SN比 η=10log \(\frac{\frac{1}{n}(S_m – V_e)}{V_e}\)を導出

    (i)SN比の定義

    SN比ηは
    SN比 η=10log \(\frac{S_m}{V_e}\)≡10log \(\frac{m^2}{σ^2}\)
    とします。個人的には10logは無くてもいいと思います。大事なのは、平均とばらつきの比をとっていることですね。

    (ii)平均\(m\)の式を変形

    まず、データが正規分布N(\(m\),\(σ^2\))に従うとし、
    そこから\(n\)個(\(y_1\),…,\(y_n\))のサンプルを抜き出し、
    その平均値\(\bar{y}\)のばらつき\(V(\bar{y})\)を考えます。

    分散の公式V[X]=E[X2]-(E[X])2から
    \(V(\bar{y})\)=\(E(\bar{y^2})\)-\((E(\bar{y}))^2\)
    =\(E(\bar{y^2})\)-\(m^2\)
    と表現できます。
    (ここで、\((E(\bar{y})=m\)です。)

    また、平均値\(\bar{y}\)のばらつき\(V(\bar{y})\)は、もとの正規分布からサンプル数を抜き取った時のばらつきなので、
    \(V(\bar{y})\)=\(\frac{σ^2}{n}\)
    とも書けます。

    まとめると、
    \(V(\bar{y})\)=\(E(\bar{y^2})\)-\(m^2\)=\(\frac{σ^2}{n}\)
    =(式1)
    となります。

    (式1)を変形します。
    \(E(\bar{y^2})\)-\(m^2\)=\(\frac{σ^2}{n}\)
    \(m^2\)=\(\frac{1}{n}\)(\(E(n・\bar{y}^2)-σ^2\))
    とします。

    もともと、変動\(S_m\)は
    \(S_m\)=\(\sum_{i=1}^{n} \bar{y}^2\)=\(n \bar{y}^2\)
    なので、

    \(m^2\)=\(\frac{1}{n}\)(\(E(S_m)-σ^2\))
    =(式2)
    となります。

    (iii)推定値に置き換える

    推定値に置き換えましょう。

    1. 母集団分散\(σ^2\)の推定値を\(V_e\)に置き換える
    2. 母集団平均\(m\)の推定値を\(\hat{m}\)に置き換える

    (式2)は
    (式2)= \(m^2\)=\(\frac{1}{n}\)(\(E(S_m)-σ^2\))
    ≡\(\hat{m}^2\)=\(\frac{1}{n}\)(\(S_m-V_e\))
    と書けます。

    よって、SN比 ηは
    η=10log \(\frac{\hat{m^2}}{σ^2}\)
    ≡10log \(\frac{\frac{1}{n}(S_m-V_e) }{V_e}\)
    と導出できます。

    シンプルだけど、自力で導出と言われると難しいですよね。

    ➂品質工学の感度Sが導出できる

    ついでに、感度Sも導出しておきます。

    感度S=10log\(m^2\)
    ですから

    \(\hat{m}^2\)=\(\frac{1}{n}\)(\(S_m-V_e\))
    を代入すれば、

    感度S=10log\(m^2\)≡10log\(\hat{m^2}\)
    =10log\(\frac{1}{n}(S_m-V_e)\)
    となります。

    教科書によく出て来る式が導出できました!。

    まとめ

    「品質工学のSN比が導出できる」を解説しました。

    • ①品質工学のSN比
    • ➁品質工学のSN比が導出できる
    • ➂品質工学の感度Sが導出できる

  • 品質工学,静特性の変動とSN比の注意点がわかる

    品質工学,静特性の変動とSN比の注意点がわかる

    「品質工学の静特性がよくわからない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    品質工学,静特性の変動とSN比の注意点がわかる

    おさえておきたいポイント

    • ①静特性を解く目的を理解する
    • ➁静特性の全変動を導出
    • ➂静特性の変動の注意点
    • ➃SN比の注意点
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    品質工学
    ロバストパラメータ設計
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    手法に溺れるな!
    数式と理論で理解しよう!

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッド
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    ①静特性を解く目的を理解する

    品質工学を解く目的を理解する

    ちゃんと理解できていますか?

    1. 品質工学で何を解いているか?
    2. 実験計画法と品質工学の違いは何か?
    3. タグチメソッドを使って何とかく解を求めているだけかどうか?

    ちゃんと、理解しましょう。

    品質工学を解く目的は関連記事で紹介したとおり、

    品質工学は目標値に近づけることが目的で、
    実験計画法・回帰分析は誤差の評価や最小化をすることが目的

    と、目的が違い、
    ●品質工学は、目標値との差分を見る
    ●実験計画法・回帰分析は平均値との差分を見る

    全変動

    ですね。分散分析するから品質工学と実験計画法・回帰分析の区別がつきにくいし、区別つかないなら品質工学は不要ですよね。

    詳細は、関連記事で解説していますので、ご確認ください。

    【初心者必見】品質工学で全変動と平方和の違いがわかる
    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッドで、全変動、平方和などの2乗和の計算を区別して計算できていますか?本記事では品質工学の入り口である全変動と平方和の違いをわかりやすく解説します。ここがわからないと品質工学で何を解いているかさっぱりわからなくなりますので、必読です!

    品質工学の静特性とは

    まず、「静特性」と「動特性」の2種類がありますが、その違いは、

    ●静特性:システムの入力が固定され、出力に対する目標が一定
    ●動特性:入力の値に応じて出力の値が変化する

    実は、品質工学領域の独特な表現方法で書いているだけで、実際は、

    ●静特性:実験計画法の多元配置実験とほぼ同じで
    平均値ではなく、目標値で差分をところが、多元配置実験と異なる。
    ●動特性:回帰分析そのもの(単回帰分析、重回帰分析)

    です。わざわざ別の言い方で「静特性」なり、「動特性」と使わなくてもいいんでしょうけど、品質工学を1つの学問として立ち上げたかったんでしょうね。

    だから、今回解説する「静特性」は、

    ●静特性:実験計画法の多元配置実験とほぼ同じで
    平均値ではなく、目標値で差分をところが、多元配置実験と異なる。

    の点に意識して解説するし、
    データの構造式がそうなっているから
    ですね。

    ➁静特性の全変動を導出

    静特性を表すデータの構造式を作る

    品質工学の目的は、何度も言いますが、

    品質工学は目標値に近づけることが目的で、
    品質工学は、目標値との差分を見る!

    静特性を図で表現すると下図になり、この図をもとにデータの構造式を作ります。

    全変動

    データの構造式は、

    \((y_i-m)\)=\((\bar{y}-m)\)+\((y_i-\bar{y})\)

    (全変動)=(平均変動)+(誤差分散(実は平方和))
    と書けますね。

    ➂静特性の変動の注意点

    教科書に書いてあるデータの構造式

    教科書に出て来る式は、なぜか、

    \(y_i\)=\(\bar{y}\)+\((y_i-\bar{y})\)
    であり、目標値の\(m\)がありません。

    実は、

    目標値の\(m\)を省くところが、
    品質工学の目的がぼやけてしまい、理解しにくくなる点なのです。

    定義どおり立式しても目標値の項は省ける

    じゃー、

    目標値\(m\)を省いたデータの構造式
    \(y_i\)=\(\bar{y}\)+\((y_i-\bar{y})\)
    の式自体が間違っているんじゃないの?

    と思いますよね。

    実は、

    静特性の目的を網羅した式
    \((y_i-m)\)=\((\bar{y}-m)\)+\((y_i-\bar{y})\)
    の2乗和を計算すると、
    \(y_i\)=\(\bar{y}\)+\((y_i-\bar{y})\)
    でもいいことが分かります。

    また、シンプルだから教科書では、
    \(y_i\)=\(\bar{y}\)+\((y_i-\bar{y})\)
    のデータの構造式から解説しています。

    シンプルとはいえ、肝心な目標値\(m\)を省くから
    静特性は何を計算しているかがわかりにくくなる!
    実験計画法、回帰分析、品質工学を1つずつちゃんと理解するには、2乗和の分解を解くスキルがとても大事です!

    2乗和を計算して目標値\(m\)の項が不要か確かめよう!

    では、2乗和を計算して、目標値\(m\)が不要になるか確かめましょう。

    データの構造式

    確かに計算結果みると、目標値\(m\)が不要になっているのがわかります。

    ➃SN比の注意点

    SN比の定義

    SN比は、有効成分と有害成分の比として、
    SN比が大きいほど良いとする変数です。

    データの構造式からは、
    (全変動)\(S\)=(平均変動)\(S_m\)+(誤差分散=平方和)\(S_e\)
    ですから、

    (SN比)=\(\frac{S_m}{S_e}\)
    となります。
    なお、\(log_{10}\)を教科書では取りますが、
    QCプラネッツは対数化に対しては重要な意味は感じません。
    なぜなら、比という考えが大事だからです。

    SNのSはいくらか?

    データの構造式をよく見ると、
    ●元(定義通り):\((y_i-m)\)=\((\bar{y}-m)\)+\((y_i-\bar{y})\)
    ●簡略化: \((y_i)\)=\((\bar{y}\)+\((y_i-\bar{y})\)
    であり、平均変動\(S_m\)を
    \(S_m\)=\(\sum_{i=1}^{n}(\bar{y}-m)^2\)

    \(S_m\)=\(\sum_{i=1}^{n}(\bar{y})^2\)
    のどちらを取るべきか、迷いますよね。

    QCプラネッツの考えは、


    ●品質工学の目的は目標値に近づける事だから、本来は、
    \((y_i-m)\)=\((\bar{y}-m)\)+\((y_i-\bar{y})\)
    から、
    \(S_m\)=\(\sum_{i=1}^{n}(\bar{y}-m)^2\)
    とすべき

    ただし、


    \(S_m\)=\(\sum_{i=1}^{n}(\bar{y}-m)^2\)
    とすると、\(S_m\)の値が高くなり、SN比が高くなり、
    過大評価になるので、調整の上、
    \(y_i\)=\(\bar{y}\)+\((y_i-\bar{y})\)
    から、\(S_m\)=\(\sum_{i=1}^{n}(\bar{y})^2\)
    を使うことが多いのではないか?

    教科書どおり解くと、品質工学の目的を見失うことが多々あります。
    よく考えることが大事です。

    まとめ

    「品質工学,静特性の変動とSN比の注意点がわかる」を解説しました。

    • ①静特性を解く目的を理解する
    • ➁静特性の全変動を導出
    • ➂静特性の変動の注意点
    • ➃SN比の注意点

  • 混合系直交表L18がわかる

    混合系直交表L18がわかる

    「混合系直交表L18がわからない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    混合系直交表L18がわかる

    おさえておきたいポイント

    • ①混合系直交表L18とは
    • ➁L18のデータの構造式
    • ➂L18の平方和の分解
    • ➃L18の分散の期待値と分散分析
    • ➄母平均の点推定と区間推定
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    データの構造式
    実験計画法を理論的に理解してから
    ロバストパラメータ設計に入ろう!

    ①混合系直交表L18とは

    混合系直交表L18って例外パターンだよ!

    ロバストパラメータ設計やタグチメソッドでは

    突然変異型である
    混合直交表L18や直交表L12などを使いたがります。
    なぜかは、よくわかりません。

    直交表を自分で作るとよくわかるのですが、

    1. データの構造式と直交表列は連動する
    2. 主効果、交互作用を網羅した直交表がスタンダート
    3. 8,16,9,27,などの素数のべき乗の方が網羅できる
    4. 混合直交表L18や直交表L12などは例外的にたまたま見つかったもの

    という感情が出ます。実際に自力で直交表を作ってみてください。関連記事にもご参照ください。

    【簡単】2水準の直交表のつくり方【必見】
    実験計画法の直交表のつくり方や平方和の分解や水準の数の求め方をご存知ですか?本記事では、教科書では書いていない直交表の構成やデータの構造式から直交表が作れることをわかりやすく解説します。直交表を鵜呑みでわかった気で済ませているが不安な方は必見です。

    さらに頭を悩ませるのが、

    ロバストパラメータ設計や
    タグチメソッドは
    混合系直交表L18や直交表L12などが前提になる事が多いが
    なぜなんだろう?
    ちゃんと理論を理解した上で、
    必要に応じて混合系など使った方がいい。
    計算機が未熟な時代は
    確かに必須な手法。
    でも、今はExcelでも簡単に解析できる時代。
    だから理論をしっかり理解したい!

    まずは、混合系直交表L18を攻略しましょう。

    直交表L18とは

    下表が直交表L18です。狙って設計するよりは、振ってたまたま出てきた表というイメージが強いです。

    QCプラネッツはExcel VBAを使って、実際に直交表を作ったので、L18はたまたまできた副産物的なイメージがありますし、結構、計算機を何度も回して見つけた努力の結晶かもしれません。

    L18 A B C D E F G e
    1 1 1 1 1 1 1 1 1
    2 1 1 2 2 2 2 2 2
    3 1 1 3 3 3 3 3 3
    4 1 2 1 1 2 2 3 3
    5 1 2 2 2 3 3 1 1
    6 1 2 3 3 1 1 2 2
    7 1 3 1 2 1 3 2 3
    8 1 3 2 3 2 1 3 1
    9 1 3 3 1 3 2 1 2
    10 2 1 1 3 3 2 2 1
    11 2 1 2 1 1 3 3 2
    12 2 1 3 2 2 1 1 3
    13 2 2 1 2 3 1 3 2
    14 2 2 2 3 1 2 1 3
    15 2 2 3 1 2 3 2 1
    16 2 3 1 3 2 3 1 2
    17 2 3 2 1 3 1 2 3
    18 2 3 3 2 1 2 3 1

    特徴的なのが、

    1列だけ2水準で、残り7列が3水準系という不規則な混合系であること
    交互作用が一切ないところ

    L18について、
    ●データの構造式
    ●平方和の分解
    ●母平均の点推定と区間推定
    を解いてみましょう。

    本記事は、実験計画法ですが、L18はロバストパラメータ設計によく使うので、ロバストパラメータ設計の章で解説します。

    なお、実験計画法については、しっかりまとめた関連記事がありますので、確認ください。70記事もある超大作です。

    究める!実験計画法
    QCプラネッツが解説する究める実験計画法。多くの教科書がある中、勉強してもどうしても分からない、苦労している難解な箇所をすべて解説します。多元配置実験、乱塊法、分割法、直交表などなど多くの手法を個別に公式暗記せず、データの構造式をみればすべて導出できる新しい実験計画法を解説します。

    ➁L18のデータの構造式

    L18は交互作用がないので、全列独立した変数で表記します。これがL8,L9,L16の一般的な直交表と違う点ですね。

    なので、データの構造式は

    \(x\)=\(μ\)+\(a\)+\(b\)+…+\(g\)+\(ε\)
    (8番目を\(ε\)とします)

    もう少し詳細に書くと、

    (\(x_i-\bar{\bar{x}}\))=(\(\bar{x_{ai}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{bi}}-\bar{\bar{x}}\))+…+(\(\bar{x_{gi}}-\bar{\bar{x}}\))
    +(\(x_i –(\bar{x_{ai}}+…+\bar{x_{ji}})+6\bar{\bar{x}}\))

    と書けますね。慣れないと難しいかもしれませんが、頑張っていきましょう。

    ➂L18の平方和の分解

    データの構造式から平方和を計算

    データの構造式を再掲すると、
    (\(x_i-\bar{\bar{x}}\))=(\(\bar{x_{ai}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{bi}}-\bar{\bar{x}}\))+…+(\(\bar{x_{gi}}-\bar{\bar{x}}\))
    +(\(x_i –(\bar{x_{ai}}+…+\bar{x_{ji}})+6\bar{\bar{x}}\))
    ですね。

    これを2乗和すると、各項の平方和とその合計が全体の平方和に一致します。
    ただし、式で証明するのは、大変なので、直交表を使って後で証明します。

    証明したい式は
    \(\sum_{i=1}^{12}( x_i-\bar{\bar{x}})^2\)
    =\(\sum_{i=1}^{12}( \bar{x_{ai}}-\bar{\bar{x}})^2\) (⇒直交表1列目の平方和\(S_1\)に相当)
    +\(\sum_{i=1}^{12}( \bar{x_{bi}}-\bar{\bar{x}})^2\) (⇒直交表2列目の平方和\(S_2\)に相当)
    +…
    +\(\sum_{i=1}^{12}( \bar{x_{gi}}-\bar{\bar{x}})^2\) (⇒直交表7列目の平方和\(S_7\)に相当)
    +\(\sum_{i=1}^{12} ((x_i –(\bar{x_{ai}}+…+\bar{x_{gi}})+6\bar{\bar{x}})^2\)
    (⇒直交表8列目の平方和\(S_8\)に相当)
    です。

    直交表を使って各列の平方和を計算

    2水準系,3水準系の直交表各列の平方和を計算する公式があります。
    もちろん自力で導出できます!関連記事で確認ください。

    【本記事限定】直交表の各列の平方和の式は自力で導出できる【必見】
    直交表の各列の平方和を導出する方法を知っていますか?公式暗記で済ませていませんか?本記事では、実験計画法の直交表の各列の平方和を導出する方法を詳しく解説します。本記事しか書いていない、直交表の知見を広げたい方は必見です。

    公式は、

    ●2水準系の場合
    \(S_[k]\)=\(\frac{(T_{[k]1}-T_{[k]2})^2}{N}\)
    ●3水準系の場合
    \(S_[k]\)=\(\frac{(T_{[k]1}-T_{[k]2})^2+(T_{[k]2}-T_{[k]3})^2+(T_{[k]3}-T_{[k]1})^2}{3N}\)

    この式を使って直交表の各列の平方和を計算します。

    直交表L18の各列の平方和を計算

    では、データを用意して、直交表各列の平方和を計算します。その結果は下表のとおりです。実際に計算してみてくださいね。

    L18 A B C D E F G e データ
    1 1 1 1 1 1 1 1 1 12
    2 1 1 2 2 2 2 2 2 14
    3 1 1 3 3 3 3 3 3 16
    4 1 2 1 1 2 2 3 3 8
    5 1 2 2 2 3 3 1 1 10
    6 1 2 3 3 1 1 2 2 11
    7 1 3 1 2 1 3 2 3 14
    8 1 3 2 3 2 1 3 1 4
    9 1 3 3 1 3 2 1 2 10
    10 2 1 1 3 3 2 2 1 6
    11 2 1 2 1 1 3 3 2 18
    12 2 1 3 2 2 1 1 3 15
    13 2 2 1 2 3 1 3 2 11
    14 2 2 2 3 1 2 1 3 13
    15 2 2 3 1 2 3 2 1 8
    16 2 3 1 3 2 3 1 2 12
    17 2 3 2 1 3 1 2 3 14
    18 2 3 3 2 1 2 3 1 20
    1の合計 99 81 63 70 88 67 72 60 216
    2の合計 117 61 73 84 61 71 67 76
    3の合計 0 74 80 62 67 78 77 80
    216 216 216 216 216 216 216 216 平方和計
    平方和 27 34.33 24.33 41.33 67 10.33 8.33 37.33 250

    なお、全体の平方和は
    S=\(\sum_{i=1}^{18}x_i^2-\frac{(\sum_{i=1}^{18}x_i)^2}{12}\)
    =280
    になります。

    ん???
    おかしいぞ!
    って気が付きませんか?

    【注意!】直交表の平方和総和 <総平方和

    直交表の全列の平方和の総和は、「250」
    総平方和は、「280」
    直交表の平方和総和 <総平方和!
    何で一致しないの?
    L12は一致したぞ!

    直交表の平方和総和 <総平方和の理由

    理由は簡単で、

    3水準系の直交表に
    1列だけ3より少ない2水準系を割り当てているから、
    直交表の平方和総和がその分少なくなる

    総平方和と直交表の平方和総和の差は何か?

    自由度で評価すると、

    ●L12の場合、直交表は 11列、データは12個ある。自由度は12-1=11で列分ある。だから
    直交表の平方和総和=総平方和
    一方
    ●L18の場合、直交表は 8列、データは18個ある。自由度は18-1=17で
    各列の自由度の和は (2-1)×1+(3-1)×7=15と17に比べて2少ないだから
    直交表の平方和総和 <総平方和

    つまり、

    3水準系に2水準系を割当たため
    自由度が2だけ小さくなった分
    直交表の平方和総和 <総平方和

    面白いですね。初めて知った人も多いはず。

    さらに面白いのが、

    少ない自由度2を
    2=(2-1)×(3-1)と書くと
    2水準系1列と3水準系1列の交互作用に相当する成分の差が
    総平方和と直交表の平方和総和の差ともいえる

    なので、その列をA、Bとすると、
    \(S_{AB}\)成分の差が、総平方和と直交表の平方和総和の差と言うこともできますね。

    式で書くと
    ●L12の場合
    \(S_T\)=\(S_A\)+\(S_B\)+…+\(S_K\)
    と(両辺)が一致するが、
    ●L18の場合
    \(S_T\) >\(S_A\)+\(S_B\)+…+\(S_H\)
    と(両辺)が一致せず、自由度2の交互作用に該当する成分を入れると
    \(S_T\) =\(S_{A×B}\)+\(S_A\)+\(S_B\)+…+\(S_H\)
    となる。

    そうなると、

    L18に
    \(S_{A×B}\)成分の1列を追加したらいいじゃん!
    と思いますが、
    1列追加すると直交表の各列の直交条件が満たせなくなるため、
    \(S_{A×B}\)成分の1列追加は直交表にはできません!
    「混合系直交表の平方和の総和は
    総平方和より小さくなる点に注意しよう!」
    を理解しておきましょう。
    混合系直交表などのトリッキーな直交表を使うと
    追加で注意しないといけないことが増えるので、QCプラネッツはL8,L16,L9,L27を使いたいという気持ちになってしまいます。

    ➃L18の分散の期待値と分散分析

    平方和の分解を確認できたら、QCプラネッツのこだわりである、
    分散の期待値と分散分析表を確認しましょう。

    先に結論を述べると、

    混合系直交表の分散の期待値は綺麗に導出できない。式を立てて終わり

    です。

    1列目の平方和は
    \(S_1\)=\(\sum_{i=1}^{18}(\bar{x_{ai}}-\bar{\bar{x}})^2\)
    と書けます。

    概略的な式変形になりますが、期待値の平方和を計算すると
    E[\(S_1\)]=E[\(\sum_{i=1}^{18}(\bar{x_{ai}}-\bar{\bar{x}})^2\)]
    =E[\(\sum_{i=1}^{18}((\bar{x_{ai}}-\bar{x_{ea}})-\bar{\bar{x}})^2\)]

    = E[\(\sum_{i=1}^{18}( \bar{x_{ai}}-\bar{x_{ea}}) ^2\)]+ E[\(\sum_{i=1}^{18}(\bar{\bar{x}}^2\))]
    =ここから文字式で計算ができません。

    おそらく、
    E[\(S_1\)]= E[\(\sum_{i=1}^{18}( \bar{x_{ai}}-\bar{x_{ea}}) ^2\)]+1×\(σ_e^2\)
    となるはずです。これ以上、首をつっこんでも収集つかないので、一旦止めます。

    直交表の全列も同様に途中まで解けます。
    分散分析表をまとめます。

    S Φ V F E[V]
    A 27 1 27 1.45 ??+\(σ_e\)
    B 34.33 2 17.17 0.92 ??+\(σ_e\)
    C 24.33 2 12.17 0.65 ??+\(σ_e\)
    D 41.33 2 20.67 1.11 ??+\(σ_e\)
    E 67 2 33.5 1.79 ??+\(σ_e\)
    F 10.33 2 5.17 0.28 ??+\(σ_e\)
    G 8.33 2 4.17 0.22 ??+\(σ_e\)
    e 37.33 2 18.67 \(σ_e\)
    250 15

    分散の期待値が??としていますが、話を続けます。

    ➄母平均の点推定と区間推定

    次の2つを考えましょう。

    例題

    次の母平均と区間推定を求めよ。
    (i) \(μ_{A1}\)
    (ii) \(μ_{A1B2C1}\)

    データの構造式から母平均を計算

    まず、データの構造式から母平均を計算します。
    関連記事はここです。

    【簡単】データの構造式から母平均の点推定が導出できる
    実験計画法が難しい、分散分析した後、最適条件の母平均の点推定を求める式が、実験によって変わるため、公式暗記に困っていませんか?本記事では、データの構造式さえ理解すれば、すべての実験において、母平均の点推定値を求める式が導出できます。早く実験計画法をマスターした方は必見です。

    ●\(μ_{A1}\)=\(μ+a_1\)
    =\(μ+(\bar{a_1})\)
    =\(\bar{\bar{x}}\)+\((\bar{x_{a1}}-\bar{\bar{x}})\)
    =\(\bar{x_{a1}}\)⇒(式1)
    =99/9=11

    ●\(μ_{A1B2C1}\)=\(μ+a_1+b_2+c_1\)
    =\(μ+\bar{a_1}+ \bar{b_2}+ \bar{c_1})\)
    =\(\bar{\bar{x}}\)+(\(\bar{x_{a1}}-\bar{\bar{x}}\))
    +(\(\bar{x_{b2}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{c1}}-\bar{\bar{x}}\))
    =\(\bar{x_{a1}}\)+ \(\bar{x_{b2}}\)+ \(\bar{x_{c1}}\)-2\(\bar{\bar{x}}\) ⇒(式2)
    =99/9+61/6+63/6-2×216/18
    =7.67

    データの構造式から有効繰返数と区間推定を計算

    次に区間推定を求めたいので、有効繰返数をデータの構造式から計算します。関連記事はここです。

    【重要】データの構造式から有効反復数が導出できる
    実験計画法が難しく、分散分析した後、最適条件の母平均の点推定から有効反復数の導出方法がわからず、田口の式や伊奈の式を丸暗記していませんか?本記事では、データの構造式さえ理解すれば、すべての実験において、母平均の点推定値から有効反復数が導出できますことを解説します。早く実験計画法をマスターした方は必見です。

    ●\(μ_{A1}\)の場合は
    \(μ_{A1}\)=\(μ+a_1\) ⇒((式1)より)
    =\(μ+(\bar{a_1}+\bar{e_a})\)
    V[\(μ_{A1}\)]=V[\(\bar{e_a}\)]
    =\(\frac{1}{9}σ_e^2\)=18.67/9=2.07

    ●\(μ_{A1B2C1}\)の場合は
    \(μ_{A1B2C1}\)=\(μ+a_1+b2+c1\)
    =\(\bar{x_{a1}}\)+ \(\bar{x_{b2}}\)+ \(\bar{x_{c1}}\)-2\(\bar{\bar{x}}\) ⇒((式2)より)
    =\(μ+a_1+\bar{e_a}\)+\(μ+b_2+\bar{e_b}\)+\(μ+c_1+\bar{e_c}\)-2\((μ+\bar{\bar{e}})\)
    =\(μ+a_1+b_2+c_1\)+\((\bar{e_a}+\bar{e_b}+\bar{e_c}-2\bar{\bar{e}})\)
    V[\(μ_{A1B2C1}\)]=V[\(μ+a_1+b_2+c_1\)+\((\bar{e_a}+\bar{e_b}+\bar{e_c}-2\bar{\bar{e}})\)]
    =V[\((\bar{e_a}+\bar{e_b}+\bar{e_c}-2\bar{\bar{e}})\)]
    =(\(\frac{1}{9}+\frac{1}{6}+\frac{1}{6}-2×\frac{1}{18})σ_e^2\)
    =\(\frac{1}{3}σ_e^2\)=18.67/3=6.22

    また、推定区間を求めるt(Φe,α=t(2,0.05)=4.303)より、 ●\(μ_{A1B2C1}\)=7.67(=母平均)±4.303(=t(Φe,α))×2.494(=\(\sqrt{V}\))=-3.06,18.40
    となります。

    まとめ

    「混合系直交表L18がわかる」を解説しました。

    • ①混合系直交表L18とは
    • ➁L18のデータの構造式
    • ➂L18の平方和の分解
    • ➃L18の分散の期待値と分散分析
    • ➄母平均の点推定と区間推定

  • 直交表L12がわかる

    直交表L12がわかる

    「直交表L12がわからない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    直交表L12がわかる

    おさえておきたいポイント

    • ①直交表L12とは
    • ➁L12のデータの構造式
    • ➂L12の平方和の分解
    • ➃L12の分散の期待値と分散分析
    • ➄母平均の点推定と区間推定
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    データの構造式
    実験計画法を理論的に理解してから
    ロバストパラメータ設計に入ろう!

    ①直交表L12とは

    直交表L12って例外パターンだよ!

    ロバストパラメータ設計やタグチメソッドでは

    突然変異型である
    混合直交表や直交表L12などを使いたがります。
    なぜかは、よくわかりません。

    直交表を自分で作るとよくわかるのですが、

    1. データの構造式と直交表列は連動する
    2. 主効果、交互作用を網羅した直交表がスタンダート
    3. 8,16,9,27,などの素数のべき乗の方が網羅できる
    4. 混合直交表や直交表L12などは例外的にたまたま見つかったもの

    という感情が出ます。実際に自力で直交表を作ってみてください。関連記事にもご参照ください。

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    実験計画法の直交表のつくり方や平方和の分解や水準の数の求め方をご存知ですか?本記事では、教科書では書いていない直交表の構成やデータの構造式から直交表が作れることをわかりやすく解説します。直交表を鵜呑みでわかった気で済ませているが不安な方は必見です。

    さらに頭を悩ませるのが、

    ロバストパラメータ設計や
    タグチメソッドは
    混合系直交表や直交表L12などが前提になる事が多いが
    なぜなんだろう?
    ちゃんと理論を理解した上で、
    必要に応じて混合系など使った方がいい。
    計算機が未熟な時代は
    確かに必須な手法。
    でも、今はExcelでも簡単に解析できる時代。
    だから理論をしっかり理解したい!

    まずは、直交表L12を攻略しましょう。

    直交表L12とは

    下表が直交表L12です。狙って設計するよりは、1,2全パターンを振ってたまたま出てきた表というイメージが強いです。

    QCプラネッツはExcel VBAを使って、実際に直交表を作ったので、L12はたまたまできた副産物的なイメージがあります。

    L12 A B C D E F G H I J K
    1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
    2 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2
    3 1 1 2 2 2 1 1 1 2 2 2
    4 1 2 1 2 2 1 2 2 1 1 2
    5 1 2 2 1 2 2 1 2 1 2 1
    6 1 2 2 2 1 2 2 1 2 1 1
    7 2 1 2 2 1 1 2 2 1 2 1
    8 2 1 2 1 2 2 2 1 1 1 2
    9 2 1 1 2 2 2 1 2 2 1 1
    10 2 2 2 1 1 1 1 2 2 1 2
    11 2 2 1 2 1 2 1 1 1 2 2
    12 2 2 1 1 2 1 2 1 2 2 1

    特徴的なのが、

    交互作用が一切ないところ

    L12について、
    ●データの構造式
    ●平方和の分解
    ●母平均の点推定と区間推定
    を解いてみましょう。

    本記事は、実験計画法ですが、L12はロバストパラメータ設計によく使うので、ロバストパラメータ設計の章で解説します。

    なお、実験計画法については、しっかりまとめた関連記事がありますので、確認ください。70記事もある超大作です。

    究める!実験計画法
    QCプラネッツが解説する究める実験計画法。多くの教科書がある中、勉強してもどうしても分からない、苦労している難解な箇所をすべて解説します。多元配置実験、乱塊法、分割法、直交表などなど多くの手法を個別に公式暗記せず、データの構造式をみればすべて導出できる新しい実験計画法を解説します。

    ➁L12のデータの構造式

    L12は交互作用がないので、全列独立した変数で表記します。これがL8,L9,L16の一般的な直交表と違う点ですね。

    なので、データの構造式は

    \(x\)=\(μ\)+\(a\)+\(b\)+…+\(j\)+\(ε\)
    (11番目を\(ε\)とします)

    もう少し詳細に書くと、

    (\(x_i-\bar{\bar{x}}\))=(\(\bar{x_{ai}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{bi}}-\bar{\bar{x}}\))+…+(\(\bar{x_{ji}}-\bar{\bar{x}}\))
    +(\(x_i –(\bar{x_{ai}}+…+\bar{x_{ji}})+9\bar{\bar{x}}\))

    と書けますね。慣れないと難しいかもしれませんが、頑張っていきましょう。

    ➂L12の平方和の分解

    データの構造式から平方和を計算

    データの構造式を再掲すると、
    (\(x_i-\bar{\bar{x}}\))=(\(\bar{x_{ai}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{bi}}-\bar{\bar{x}}\))+…+(\(\bar{x_{ji}}-\bar{\bar{x}}\))
    +(\(x_i –(\bar{x_{ai}}+…+\bar{x_{ji}})+9\bar{\bar{x}}\))
    ですね。

    これを2乗和すると、各項の平方和とその合計が全体の平方和に一致します。
    ただし、式で証明するのは、大変なので、直交表を使って後で証明します。

    証明したい式は
    \(\sum_{i=1}^{12}( x_i-\bar{\bar{x}})^2\)
    =\(\sum_{i=1}^{12}( \bar{x_{ai}}-\bar{\bar{x}})^2\) (⇒直交表1列目の平方和\(S_1\)に相当)
    +\(\sum_{i=1}^{12}( \bar{x_{bi}}-\bar{\bar{x}})^2\) (⇒直交表2列目の平方和\(S_2\)に相当)
    +…
    +\(\sum_{i=1}^{12}( \bar{x_{ji}}-\bar{\bar{x}})^2\) (⇒直交表10列目の平方和\(S_{10}\)に相当)
    +\(\sum_{i=1}^{12} ((x_i –(\bar{x_{ai}}+…+\bar{x_{ji}})+9\bar{\bar{x}})^2\)
    (⇒直交表10列目の平方和\(S_{11}\)に相当)
    です。

    直交表を使って各列の平方和を計算

    2水準系の直交表各列の平方和を計算する公式があります。
    もちろん自力で導出できます!関連記事で確認ください。

    【本記事限定】直交表の各列の平方和の式は自力で導出できる【必見】
    直交表の各列の平方和を導出する方法を知っていますか?公式暗記で済ませていませんか?本記事では、実験計画法の直交表の各列の平方和を導出する方法を詳しく解説します。本記事しか書いていない、直交表の知見を広げたい方は必見です。

    公式は、

    \(S_[k]\)=\(\frac{(T_{[k]1}-T_{[k]2})^2}{N}\)

    この式を使って直交表の各列の平方和を計算します。

    直交表L12の各列の平方和を計算

    では、データを用意して、直交表各列の平方和を計算します。その結果は下表のとおりです。実際に計算してみてくださいね。

    L12 A B C D E F G H I J e データ
    1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 8
    2 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2 12
    3 1 1 2 2 2 1 1 1 2 2 2 14
    4 1 2 1 2 2 1 2 2 1 1 2 16
    5 1 2 2 1 2 2 1 2 1 2 1 8
    6 1 2 2 2 1 2 2 1 2 1 1 10
    7 2 1 2 2 1 1 2 2 1 2 1 9
    8 2 1 2 1 2 2 2 1 1 1 2 6
    9 2 1 1 2 2 2 1 2 2 1 1 3
    10 2 2 2 1 1 1 1 2 2 1 2 10
    11 2 2 1 2 1 2 1 1 1 2 2 6
    12 2 2 1 1 2 1 2 1 2 2 1 18
    1の和 68 52 63 62 55 75 49 62 53 53 56 120
    2の和 52 68 57 58 65 45 71 58 67 67 64
    120 120 120 120 120 120 120 120 120 120 120 平方和計
    平方和 21.33 21.33 3 1.33 8.33 75 40.33 1.33 16.33 16.33 5.33 210

    なお、全体の平方和は
    S=\(\sum_{i=1}^{12}x_i^2-\frac{(\sum_{i=1}^{12}x_i)^2}{12}\)
    =210
    になりますから、確かに、
    \(S_1\)+…+\(S_{11}\)=S=210
    が成り立っています。

    ➃L12の分散の期待値と分散分析

    平方和の分解を確認できたら、QCプラネッツのこだわりである、
    分散の期待値と分散分析表を確認しましょう。

    1列目の平方和は
    \(S_1\)=\(\sum_{i=1}^{12}(\bar{x_{ai}}-\bar{\bar{x}})^2\)
    と書けます。

    概略的な式変形になりますが、期待値の平方和を計算すると
    E[\(S_1\)]=E[\(\sum_{i=1}^{12}(\bar{x_{ai}}-\bar{\bar{x}})^2\)]
    =E[\(\sum_{i=1}^{12}((\bar{x_{ai}}-\bar{x_{ea}})-\bar{\bar{x}})^2\)]

    = E[\(\sum_{i=1}^{12}( \bar{x_{ai}}-\bar{x_{ea}}) ^2\)]+ E[\(\sum_{i=1}^{12}(\bar{\bar{x}}^2\))]
    =1\(σ_A\)+1\(σ_e\)

    分散の期待値は自由度が1なので、
    E[\(V_1\)]=1\(σ_A\)+1\(σ_e\)
    と計算できます。

    直交表の全列も同様に解けるので、分散分析表は以下になります。

    S Φ V F E[V]
    A 21.33 1 21.33 4 \(σ_A+σ_e\)
    B 21.33 1 21.33 4 \(σ_B+σ_e\)
    C 3 1 3 0.56 \(σ_C+σ_e\)
    D 1.33 1 1.33 0.25 \(σ_D+σ_e\)
    E 8.33 1 8.33 1.56 \(σ_E+σ_e\)
    F 75 1 75 14.06 \(σ_F+σ_e\)
    G 40.33 1 40.33 7.56 \(σ_G+σ_e\)
    H 1.33 1 1.33 0.25 \(σ_H+σ_e\)
    I 16.33 1 16.33 3.06 \(σ_I+σ_e\)
    J 16.33 1 16.33 3.06 \(σ_J+σ_e\)
    e 5.33 1 5.33 \(σ_e\)
    ST 11

    ➄母平均の点推定と区間推定

    次の2つを考えましょう。

    例題

    次の母平均と区間推定を求めよ。
    (i) \(μ_{A1}\)
    (ii) \(μ_{A1B2C1}\)

    データの構造式から母平均を計算

    まず、データの構造式から母平均を計算します。
    関連記事はここです。

    【簡単】データの構造式から母平均の点推定が導出できる
    実験計画法が難しい、分散分析した後、最適条件の母平均の点推定を求める式が、実験によって変わるため、公式暗記に困っていませんか?本記事では、データの構造式さえ理解すれば、すべての実験において、母平均の点推定値を求める式が導出できます。早く実験計画法をマスターした方は必見です。

    ●\(μ_{A1}\)=\(μ+a_1\)
    =\(μ+(\bar{a_1})\)
    =\(\bar{\bar{x}}\)+\((\bar{x_{a1}}-\bar{\bar{x}})\)
    =\(\bar{x_{a1}}\)⇒(式1)
    =68/6=11.33

    ●\(μ_{A1B2C1}\)=\(μ+a_1+b_2+c_1\)
    =\(μ+\bar{a_1}+ \bar{b_2}+ \bar{c_1})\)
    =\(\bar{\bar{x}}\)+(\(\bar{x_{a1}}-\bar{\bar{x}}\))
    +(\(\bar{x_{b2}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{c1}}-\bar{\bar{x}}\))
    =\(\bar{x_{a1}}\)+ \(\bar{x_{b2}}\)+ \(\bar{x_{c1}}\)-2\(\bar{\bar{x}}\) ⇒(式2)
    =68/6+68/6+63/6-2×120/12
    =13.17

    データの構造式から有効繰返数と区間推定を計算

    次に区間推定を求めたいので、有効繰返数をデータの構造式から計算します。関連記事はここです。

    【重要】データの構造式から有効反復数が導出できる
    実験計画法が難しく、分散分析した後、最適条件の母平均の点推定から有効反復数の導出方法がわからず、田口の式や伊奈の式を丸暗記していませんか?本記事では、データの構造式さえ理解すれば、すべての実験において、母平均の点推定値から有効反復数が導出できますことを解説します。早く実験計画法をマスターした方は必見です。

    ●\(μ_{A1}\)の場合は
    \(μ_{A1}\)=\(μ+a_1\) ⇒((式1)より)
    =\(μ+(\bar{a_1}+\bar{e_a})\)
    V[\(μ_{A1}\)]=V[\(\bar{e_a}\)]
    =\(\frac{1}{6}σ_e^2\)=0.89

    ●\(μ_{A1B2C1}\)の場合は
    \(μ_{A1B2C1}\)=\(μ+a_1+b2+c1\)
    =\(\bar{x_{a1}}\)+ \(\bar{x_{b2}}\)+ \(\bar{x_{c1}}\)-2\(\bar{\bar{x}}\) ⇒((式2)より)
    =\(μ+a_1+\bar{e_a}\)+\(μ+b_2+\bar{e_b}\)+\(μ+c_1+\bar{e_c}\)-2\((μ+\bar{\bar{e}})\)
    =\(μ+a_1+b_2+c_1\)+\((\bar{e_a}+\bar{e_b}+\bar{e_c}-2\bar{\bar{e}})\)
    V[\(μ_{A1B2C1}\)]=V[\(μ+a_1+b_2+c_1\)+\((\bar{e_a}+\bar{e_b}+\bar{e_c}-2\bar{\bar{e}})\)]
    =V[\((\bar{e_a}+\bar{e_b}+\bar{e_c}-2\bar{\bar{e}})\)]
    =(\(\frac{1}{6}+\frac{1}{6}+\frac{1}{6}-2×\frac{1}{12})σ_e^2\)
    =\(\frac{1}{3}σ_e^2\)=1.77

    また、推定区間を求めるt(Φe,α=t(1,0.05)=12.7)より、 ●\(μ_{A1B2C1}\)=13.17(=母平均)±12.7(=t(Φe,α))×0.94(=\(\sqrt{V}\))=-3.72,30.06
    となります。

    12.7(=t(Φe,α))の値が大きすぎるため、範囲が広すぎですが、求め方を理解することが大事です!

    まとめ

    「直交表L12がわかる」を解説しました。

    • ①直交表L12とは
    • ➁L12のデータの構造式
    • ➂L12の平方和の分解
    • ➃L12の分散の期待値と分散分析
    • ➄母平均の点推定と区間推定

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