
「QC検定®2級 合格 「必勝メモ」を購入したら、本当に合格するのかわからない」と困っていませんか?
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こういう疑問に答えます。
本記事のテーマ
基礎統計量
分散の加法性
計数値と計量値の検定、推定
管理図と工程管理能力
抜取検査
実験計画法
回帰分析と相関係数
信頼性工学
品質管理の基礎応用
ISO9001の基礎
をまとめたメモです。
試験に重要なポイントをシンプルにすぐ分かるようにまとめました。
また、私の名前でググると、解説ブログがありますので、両方見てマスターしましょう。
#QC検定®
#QC検定®2級
学生時代から試験対策として、重要な公式、用語をまとめて何度も読み直して試験に臨んでいました。
QC検定®は決まったパターンを解く問いが多いため、「必勝メモ」との相性は抜群でした。
でも、合格率が20~30%台と非常に低いです。そのため「必勝メモ」が役に立つ野ではないかと考え、販売しています。
ポイントは次の3点です。
QC検定®2級の試験範囲は広範囲です。しっかりまとめた教材だと数百ページになります。これでは頭がパンクします!
を優先して、絞り切ったのが「必勝メモ」の10枚程度のメモです。
特に、検定と推定の単元では全部で9種類の問いがあります。
理論は合格後に勉強してもいいので、今は点数化を優先しましょう。
「検定と推定」の必勝メモの構成
①平均値に 関する検定 (σ2 既知) |
➁平均値に 関する検定 (σ2 未知) |
➂分散値が 変化した かどうか |
・・・ | ⑨分割表 による検定 |
|
①仮説の設定 | |||||
・帰無仮説 | |||||
・対立仮説 | |||||
➁有意水準の設定 | |||||
➂検定統計量 | |||||
・公式 | |||||
・計算 | |||||
➃検定 | |||||
➄点推定 | |||||
・公式 | |||||
・計算 | |||||
⑥信頼区間 | |||||
・公式 | |||||
・計算 |
9種類の解法もすべて表の縦方向に沿って1つの解法でマスターできます。これを何度も練習します。試験では、9種類のうち、どれが出題かを判断して解けばOKです。
教科書ではこういう見やすい比較はありません。「必勝メモ」の強みです。
実験計画法では4種類の解法が出題範囲です。
基本は、検定と推定と同様に同じ解法で4種類を2ページに見やすく解説しています。だからこそ、それぞれの解き方の違いも一目瞭然です。
一元配置 (繰り返し数同じ) |
一元配置 (繰り返し異なる) |
二元配置(繰り返し無) | 二元配置(繰り返し有) | |
①2乗表を作る | ||||
➁平方和を計算 | 分母の値の違いに注意 | \(S_{AB}\)の計算に注意 | ||
➂分散分析表 | ||||
➃F分布 | ||||
➄推定 | 有効繰返し数の違いに注意 | 有効繰返し数の違いに注意 | ||
・公式 | ||||
・計算 |
基本は縦の流れに沿った1解法で、4種類が解けますが、各手法の違いもはっきりわかるので、すぐ理解できます!
実験計画法は2ページにわたり、4種類の解法が一望できるようにまとめています。
理由は簡単です。
ひっかけ問題や見たことのない問題は出ません。そんな意地悪しなくても合格率は20%台です。意地悪したら合格率はもっと低下します。25回の時が少し意地悪でした。合格率は15%。
決まったパターンで落とす人が多く、むしろ「何を勉強しているのか?」と疑問に思います。
私も数年前はそうでしたが、統計学や実験計画法、ISO、品質管理用語をしっかり理解するには、相当時間がかかります。QC検定®2,3,4級は、品質管理を始めてばかりの人が多いです。
勉強方法の工夫が大事です。
QCプラネッツが使った教材は以下の2つだけです。ホンマに!
|
|
例えば、こんな参考書を持っていたら、逆に不合格の予感が漂います。
|
なぜなら、
品質管理を始めたばかりの人なので、長くても3カ月、ひょっとしたら一夜漬けの人も多いです。
QCプラネッツが使った教科書2冊でさえ、ものにするには3カ月かかりました。それほど、最初慣れない人には難しいのです。
よく「10枚程度で1000円の商売するな!」と言われますが、そうじゃないです!
なぜなら、
そういう思いで商品を提供しております。
ご購入後、メールにてアクセス先をご連絡します。
紙媒体の販売では、よく転売されていたため、とりやめました。
電子データのアクセスのみ可とさせていただきます。
ここまで、読んでいただき、ありがとうございます。
この記事も合格の秘訣をたくさん書きましたので、読むだけで数%は合格率が上がったはずです。
「必勝メモ」はnoteでもご購入できます!
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「必勝メモ QC検定®2級 品質管理中級がすぐ分かるメモ」を販売します。 |
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「QC検定®2級 合格 「必勝メモ」の勉強方法を解説!」を解説しました。
「正規分布、カイ二乗分布、t分布、F分布の関係性がわからない」、「公式暗記ばかりで理解できない」と困っていませんか?
こういう疑問に答えます。
本記事のテーマ
QCに必要な数学問題集をを販売します!
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QC検定®1級、2級、統計検定2級以上の数学スキルを磨くのに苦戦していませんか? 広大すぎる統計学、微分積分からQC・統計に勝てるための60題に厳選した問題集を紹介します。是非ご購入いただき、勉強してスキルを高めましょう。 |
分布関数が必要な理由を最初に理解しましょう。
それは、
なので、調べたい変数に合わせた確率密度関数があるわけです。
私たちが知りたい変数の情報は主に3つです。
つまり、
①データxの値そのものをまず調べて
➁その値が妥当かどうかを見たいために、分散・平方和を求める
➂また、条件変化によるデータxの変化も分散比から求めたい
という3つの情報があります。
4つの分布関数がありますが、関係性は下表のとおりです。
変数 | 分布 |
変位x | 正規分布(またはt分布) |
平方和S 分散(V) |
χ2乗分布 |
分散比 | F分布 |
ここまでの内容は大丈夫でしょうか?わかりやすいはずですが、結構重要なエッセンスです。
この重要なエッセンスを主に、実際数式を解いていきます。数式が複雑なだけで考え方はここまで理解できればOKです。
図を見ましょう。
勉強する順番は、
ですから、
①最初に変位Xを表現する正規分布
➁正規分布の2乗和を表現するχ2乗分布で平方和・分散を評価します。
➂分散の変化があれば、分散比を使ってF分布を使います。
➃t分布はおまけ
ここで、t分布は (t分布)=(正規分布)×1/√(χ2乗分布/n(自由度))な変換で導出します。イメージは
t分布が何者かわかりにくいですが、これで少しイメージが付いたと思います。
QC検定®では、
①正規分布
➁t分布
➂χ2乗分布
➃F分布
の順番ですが、
数学的には、
①正規分布
➁χ2乗分布
➂F分布
➃t分布
の順番の方が理解しやすいです。
ここは、QC検定®1級以上のレベルなので、初めて確率密度関数を学ぶ人はスキップしてもOKです。
でも、導出過程を知らないと、わけのわからない関数のままです。
分布関数を導出するために必要な数学は以下です。すべて関連記事に書いていますのでご覧ください。
難しい式を並べず、高校数学の復習をしてから解説しているので、理解しやすいです。1つずつ何度も読んで理解を深めてください。一読でわかるものではないので注意です!
ベータ関数、ガンマ関数
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ガンマ関数がよくわかる(その2_大学数学編) ガンマ関数がさらっと解けますか?本記事では、ガンマ関数の性質とベータ関数との関係式を高校数学を駆使してわかりやすく解説しています。ガンマ関数に慣れずに苦戦している人は必読です。 |
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ベータ関数がよくわかる ベータ関数は自力で解けますか?本記事ではベータ関数の導出方法や性質、ガンマ関数との関係をわかりやすく解説します。大学の数学のような難解な説明は一切していません。、大学受験で頻出問題となるベータ関数は受験でも統計学でも重要です。受験生と統計学を学ぶ人は必読です。 |
確率変数の変換
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【まとめ】2変数の確率変数の変換がよくわかる 2変数の確率変数の変換が計算できますか?本記事では,理解が難しい公式をそのまま使わずに,高校数学で十分解ける解法を解説します。今回は変換したいパターンをすべてを解説!教科書よりわかりやすく、 ほぼ高校数学でイケる方法で解説! t分布、F分布の確率密度関数を導出したい方は必読な記事です。 |
畳み込み積分
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【まとめ】畳み込み積分がよくわかる 畳み込み積分が計算できますか?本記事では畳み込み積分のイメージを高校数学を使ってわかりやすく解説し、 さらに一様分布、指数分布、正規分布、ポアソン分布、χ2乗分布を組み合わせた畳み込み積分の計算を途中経過を一切端折らずに解説しています。畳み込み積分の計算ができず困っている方は必見です。 |
何度も書いていますが、
を理解しましょう。ここからは、実際に数学を駆使して確率密度関数を導出しています。関連記事を見てください。
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正規分布の導出がよくわかる 正規分布の導出ができますか? 本記事では専門書を読んでも理解できない正規分布の導出をわかりやすく解説しています。統計学、品質管理に関わる人は必読です。意味不明な式を暗記する前に導出やグラフのイメージを理解しましょう。 |
大事なポイントは、
なぜ、\(e^{-x^2}\)型を正規分布は使うのかを理解することです! この理由を考えながら関連記事を読んでください。
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【必読】χ2乗分布の導出がよくわかる χ2乗分布の確率密度関数が導出できますか? 本記事では、計算に必要な数学を復習しながら、わかりやすく導出過程を解説します。導出過程でつまづきやすいポイントを丁寧に解説! χ2乗分布を勉強している人は必見です。 |
大事なポイントは、
①確率変数変換\(Y=X^2\)で2乗の変数を作る事です。1つの解法でどんな変換もイケます!実際に使う式は
\(g(y)\) =\(\frac{1}{2\sqrt{y}}(f(\sqrt{y})+f(-\sqrt{y}))\)
暗記せず、導出過程も理解していきましょう。
➁2乗の変換ができたら、次は、2乗和して平方和・分散の確率密度関数を作ることです。
和は「畳み込み積分」で表現します。
\(Z=X_1^2+X_2^2\)⇒ \( g(z)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f_1(x)f_2(z-x)dx \)
ですね。これをくりかえします。
\(Z=(X_1^2+X_2^2)+X_3^2\)⇒ \( g(z)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f_{1,2}(x)f_3(z-x)dx \)
…
\(Z=(X_1^2+…+X_{n-1}^2)+X_n^2\)⇒ \( g(z)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f_{1,…,n-1}(x)f_n(z-x)dx \)
こうやってχ2乗分布の確率密度関数を導出します!
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F分布の確率密度関数の導出がよくわかる F分布の確率密度関数は導出できますか?本記事では、2つの確率変数の変換の解法パターンでわかりやすく丁寧にF分布の確率密度関数を導出します。統計学を学んでいる方は必読です。 |
大事なポイントは、
\(X,Y⇒Z=X/Y,W=Y\)と確率変数を変換して、
2変数の同時確率密度関数を導出します。
そして、変数を1つ減らすために、積分した周辺確率密度関数からF分布の確率密度関数が導出できます。
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t分布の確率密度関数の導出がよくわかる t分布の確率密度関数は導出できますか?本記事では、2つの確率変数の変換の解法パターンでわかりやすく丁寧にt分布の確率密度関数を導出します。統計学を学んでいる方は必読です。 |
大事なポイントは、
\(X,Y⇒Z=X/\sqrt{\frac{Y}{n}},W=Y\)と確率変数を変換して、
2変数の同時確率密度関数を導出します。
そして、変数を1つ減らすために、積分した周辺確率密度関数からt分布の確率密度関数が導出できます。
t分布の導出を最後として、F分布の導出の後にした理由は
F分布と導出方法が同じで、変換する変数が異なるだけだからです。
公式暗記に頼らず、確率密度関数の理解が深まります!相当の数学力が高まります!
「【まとめ】正規分布、カイ二乗分布、t分布、F分布の関係性がよくわかる」を解説しました。
「χ2乗分布を勉強してもイメージがつかない」、「χ2乗分布の確率密度関数の式が理解できない」と困っていませんか?
こういう疑問に答えます。
本記事のテーマ
QCに必要な数学問題集をを販売します!
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QC検定®1級、2級、統計検定2級以上の数学スキルを磨くのに苦戦していませんか? 広大すぎる統計学、微分積分からQC・統計に勝てるための60題に厳選した問題集を紹介します。是非ご購入いただき、勉強してスキルを高めましょう。 |
χ2乗分布の式をさらっと見てください。
χ2乗分布の最も大事なエッセンスは、煩雑すぎる式ではなく、式の作り方です。
つまり、
もっかい見ましょう。
なので、簡単にいうと、
よく見ると、平均を無視して書くと
平方和S=\(x_1^2\)+\(x_2^2\)+…+\(x_n^2\)
です。まさに、平方和を表現した関数が、複雑な式であるχ2乗分布です。
確率分布関数の2乗和をしますが、数学のルールがあるので、3つの手法を復習しましょう。
関連記事に変換方法をまとめています。先に解き方を理解しておきましょう。
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1変数の確率変数の変換がよくわかる(2次式編) 1変数の確率変数の変換が計算できますか?本記事では,理解が難しい公式をそのまま使わずに,高校数学で十分解ける解法を解説します。今回は1次式y=x^2型を解説!正規分布からχ2乗分布に変換する大事な問いを、教科書よりわかりやすく、ほぼ高校数学でイケる方法で解説!確率変数の変換が計算したい方は必読な記事です。 |
1つの解法で、いろいろな確率分布関数を畳み込み積分しています。これだけ見れば、解けるようになります!
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【まとめ】畳み込み積分がよくわかる 畳み込み積分が計算できますか?本記事では畳み込み積分のイメージを高校数学を使ってわかりやすく解説し、 さらに一様分布、指数分布、正規分布、ポアソン分布、χ2乗分布を組み合わせた畳み込み積分の計算を途中経過を一切端折らずに解説しています。畳み込み積分の計算ができず困っている方は必見です。 |
ベータ関数とガンマ関数についても、高校数学・大学入試に出る問題から復習しています。χ2乗分布の導出過程でいい味を引き出してくれる関係式です。関連記事で確認しましょう。
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ガンマ関数がよくわかる(その2_大学数学編) ガンマ関数がさらっと解けますか?本記事では、ガンマ関数の性質とベータ関数との関係式を高校数学を駆使してわかりやすく解説しています。ガンマ関数に慣れずに苦戦している人は必読です。 |
本当に、正規分布の関数を2乗和しているだけにすぎないので。
数式にビビる必要はありません。
では、いきます。
実際に、\(f_n(z)\)が自由度\(n\)のχ2乗分布に従う確率密度関数です。では証明していきます。
正規分布の確率密度関数を使って、
変数\(Z=X^2\)を満たす、確率変数\(Z\)の確率密度関数\(f_1(z)\)を求めます。
復習すべきポイントは以下です。
確率変数の変換\(Z=X^2\)
正規分布の2乗変換は次の公式を使います。詳細は関連記事にあります。
\( g(z) \) =\( \frac{1}{2\sqrt{z}}(f(+\sqrt{z})+ f(-\sqrt{z})\)
=\( \frac{1}{2\sqrt{z}}(\frac{1}{\sqrt{2π}}e^{-\frac{y}{2}}+\frac{1}{\sqrt{2π}}e^{-\frac{y}{2}})\)
=\(\frac{1}{\sqrt{2π}}z^{-\frac{1}{2}}e^{-\frac{z}{2}}\) (\(z\) ≥ 0)
なお、
\(f_n(z)\)=\(\frac{1}{2^{\frac{n}{2}}Γ(\frac{n}{2})}z^{\frac{n}{2}-1} e^{-\frac{1}{2}}z\) (\(z\) > 0)
に\(n\)=1を代入すると、
\(f_1(z)\)=\(\frac{1}{2^{\frac{1}{2}}Γ(\frac{1}{2})}z^{\frac{1}{2}-1} e^{-\frac{1}{2}}z\)
=\(\frac{1}{\sqrt{2π}}z^{-\frac{1}{2}}e^{-\frac{z}{2}}\)
に一致します。
よって、\(n=1\)の時は成立します。
\(n=k\)のとき、\(f_k(z)\)が問の式になると仮定すると、
\(n=k+1\)のとき\(f_{k+1}(z)\)を解いてみます。
復習すべきポイントは以下です。
\(f_{k+1}(z)\)= \(\displaystyle \int_{-∞}^{∞} f_k(x) f_1(z-x) dx\)
と畳み込み積分します。もちろん計算が複雑な\((z-x)\)には簡単な式な\(f_1(z)\)とします。
\(f_{k+1}(z)\)= \(\displaystyle \int_{-∞}^{∞} f_k(x) f_1(z-x) dx\)
= \(\displaystyle \int_{0}^{∞} \frac{1}{2^{\frac{k}{2}}Γ({\frac{k}{2}})} x^{\frac{k}{2}-1}e^{-\frac{1}{2}x}・
\frac{1}{2^{\frac{1}{2}}Γ({\frac{1}{2})}} (z-x)^{-\frac{1}{2}}e^{-\frac{1}{2}(z-x)}dx\)
=(式1)
単純に代入しただけでも結構ムズイ式ですね。でも代入しただけです!大丈夫!
式変形を続けます。
(式1)
=\(\frac{1}{2^{\frac{k+1}{2}}Γ({\frac{k}{2}})Γ({\frac{1}{2}})}・e^{-\frac{1}{2}z} \displaystyle \int_{0}^{∞}
x^{\frac{k}{2}-1} (z-x)^{-\frac{1}{2}}dx\)
=(式2)
(細かい式変形は少し端折っていますので、一回は解いてみてください。いい練習になります!)
式変形の途中では、
変数\(x\)は正なので、積分区間を[0,∞]に変更しました。
ここで、やや誘導的ですが、\(x,z\)の2変数を1変数に変換します。
\(u=\frac{x}{z}\)と置きます。すると、
●積分区間が[0,∞]⇒[0,1]に変換 (z/xの比なので)
●\(x=zu\)より\(dx=zdu\)と変換
できます。
(式2)
=\(\frac{1}{2^{\frac{k+1}{2}}Γ({\frac{k}{2}})Γ({\frac{1}{2}})}・e^{-\frac{1}{2}z} \displaystyle \int_{0}^{1}
(zu)^{\frac{k}{2}-1} (z-zu)^{-\frac{1}{2}}zdu\)
=\(\frac{1}{2^{\frac{k+1}{2}}Γ({\frac{k}{2}})Γ({\frac{1}{2}})}・e^{-\frac{1}{2}z} z^{\frac{k+1}{2}-1}\displaystyle \int_{0}^{1} u^{\frac{k}{2}-1} (1-u)^{-\frac{1}{2}}du\)
=(式3)
さらに(式3)の積分
\(\displaystyle \int_{0}^{1} u^{\frac{k}{2}-1} (1-u)^{-\frac{1}{2}}du\)
をよく見ると、ベータ関数が使えないか?、ベータ関数を使ってうまく逃げれないか?を企みましょう。
復習すべきポイントは以下です。
ベータ関数は
\(B(p,q)\)= \(\displaystyle \int_{0}^{1} x^{p-1} (1-x)^{q-1}dx\)
です。よく見ると、
\(p=\frac{k}{2}\),\(q=\frac{1}{2}\)を代入すると
\(B(\frac{k}{2}, \frac{1}{2})\)= \(\displaystyle \int_{0}^{1} u^{\frac{k}{2}-1} (1-u)^{-\frac{1}{2}}dx\)
は(式3)の積分部分と全く同じですね!
この関係を(式3)に代入しましょう。
(式3)
=\(\frac{1}{2^{\frac{k+1}{2}}Γ({\frac{k}{2}})Γ({\frac{1}{2}})}・e^{-\frac{1}{2}z} z^{\frac{k+1}{2}-1} B(\frac{k}{2}, \frac{1}{2})\)
=(式4)
ここで、うまくできているなあと感心するのは、
ベータ関数とガンマ関数の関係式から
\(\frac{ B(\frac{k}{2}, \frac{1}{2})}{Γ{\frac{k}{2}}Γ{\frac{1}{2}}}\)=\(\frac{1}{Γ({\frac{k+1}{2}})}\)
と上手に整理できる点です。
(式4)
=\(\frac{1}{2^{\frac{k+1}{2}}Γ{\frac{k+1}{2}} }・e^{-\frac{1}{2}z} z^{\frac{k+1}{2}-1} \)
=(式5)
(式5)を見ると、確かに、
\(f_{k+1}(z)\)=\(\frac{1}{2^{\frac{k+1}{2}}Γ({\frac{k+1}{2}})}・e^{-\frac{1}{2}z} z^{\frac{k+1}{2}-1} \)は、
\(f_n(z)\)=\(\frac{1}{2^{\frac{n}{2}}Γ(\frac{n}{2})}z^{\frac{n}{2}-1} e^{-\frac{1}{2}}z\) (\(z\) > 0)を
\(n=k+1\)を代入した式と一致します。
よって、\(n=k+1\)のときも成立します。
よって、すべての自然数\(n\)に対して、
\(f_n(z)\)=\(\frac{1}{2^{\frac{n}{2}}Γ(\frac{n}{2})}z^{\frac{n}{2}-1} e^{-\frac{1}{2}}z\) (\(z\) > 0)が成り立つ。
となります。
χ2乗分布の導出方法をわかりやすく解説しました。
「χ2乗分布の導出がよくわかる」を解説しました。
「正規分布って何で\(e^{-x^2}\)なの?」、「正規分布の導出が理解できない!」と困っていませんか?
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実は、正規分布の導出をしっかりまとめた本があります(無理にポチる必要はありません!)。
|
この本のP137~181まで、「正規分布の歴史」として、過去の偉大な数学者が式の導出を解説しています。
でも、
ネットにも、いろいろ解説がありますが、
でも、でも、でも
だから、本記事を書くことにしました。
わかります? この質問?
これを簡単に答えると、
でOKです。
もしあったら教えてください。
この定義でいくと、分布関数は
\(f(x)=x^a+・・・\)とかは、[-∞,∞]で積分すると∞に発散するのでNGです。
なので、\(f(x)=e^{-g(x)}\)型が有効なのは理解できます。
ここで、疑問が沸きます!
高校数学や大学入試で、出て来る関数は圧倒的に、
\(f(x)=e^{-x}\)の方です!
なぜなら、
じゃー、正規分布も\(f(x)=e^{-x}\)にすればいいじゃん!
これをわかりやすく解説します。
ガウスの公理というものがあります。感覚的に理解できるものです。
モデル式で大事なのは、
これを式でQCプラネッツ的に考えます。
ヒントするのは、高校数学・物理で習う、「放射性物質の時間に対する質量の変化率は質量に変化する」です。
確率密度関数は下図のように、ある点\(x\)での確率\(f(x)\)(<1)の確率の変化\(f’(x)\)は、その確率\(f(x)\)(<1)に関係があるはずで、誤差が増える(\(x\)が増える)ほど、確率\(f(x)\)は0に近づくように値が下がっていきます。
この微分方程式を解くと、
\(\frac{df}{dx}=-af\)
\(\frac{df}{f}=-adx\)
両辺を積分すると
\(log(f(x))=-ax\)
\(f(x)=e^{-ax}\)
となります。
あれ? 正規分布の式\(f(x)=e^{-x^2}\)じゃない!
ヒストグラムを書くと、もう少し滑らかな確率分布関数ですよね!
なので、モデル式を改造して再検討しましょう!
ヒストグラムを見ると、滑らかさの秘訣がわかります。
これを表現できるいい方法があります!
モデル式をこう変えます!
つまり、\(x\)の積を追加すればOK!
\(x\)は 0 < \(x\) <1 の時、
\(f’(x)\)= \(axf(x)\) < \(af(x)\)より、
\(f’(x)\)は小さいから、\(f(x)\)の下がり方は小さい!
\(x\)は 1 < \(x\) の時、
\(f’(x)\)= \(axf(x)\) > \(af(x)\)より、
\(f’(x)\)は大きくなるから、\(f(x)\)は一気に下がる!
この微分方程式を解くと、
\(\frac{df}{dx}=-axf\)
\(\frac{df}{f}=-axdx\)
両辺を積分すると
\(log(f(x))=-\frac{1}{2}ax^2\)
\(f(x)=e^{-\frac{1}{2}ax^2}\)
となります。
この説明の方が、正規分布の導出は理解しやすい!です。
正規分布の導出を簡易的に理解できる方法を本記事で解説しました。
ただし、厳密な証明をやっぱり身に着けたい方は、本や他のサイトで勉強してください。
専門書と本記事を比較しても正規分布の導出については、
それほど説明力は変わらないのかもしれません。
わかりやすい正規分布の導出方法を解説しました。
「正規分布の導出がよくわかる」を解説しました。
「ガンマ関数がわからない!」、「ガンマ関数の導出方法や性質を数式で解けない!」と困っていませんか?
こういう疑問に答えます。
本記事のテーマ
QCに必要な数学問題集をを販売します!
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こんな式ですね。ビビる必要はありません!
なんじゃこりゃ!ですが、大丈夫です!
必ず、復習しておさえておきたいのが、3つ
さっと解けますか? 不安なら、関連記事でしっかり復習できますし、大学入試にも役立つ3問があります。
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ガンマ関数がよくわかる(その1_高校数学復習編) ガンマ関数は使いこなせますか?いきなり大学の統計学とか学んで撃沈していませんか?本記事では、高校数学や大学受験問題に頻出な問題からガンマ関数の練習をします。ガンマ関数が分からない人は、必読です。 |
次の3問がさらっと解けますか? 難関大学の問題ですが、ガンマ関数の基礎が学べる良問です。関連記事で解説つきです。
下準備をした上で、本題に入ります。
基本は、
大事な性質が3つあります。正規分布の積分にもつながる大事な内容です。
(i)と(ii)は階乗の関係だから、すぐ理解できますが、(iii)は別格に難しく感じます。そもそも階乗は整数なのに\(\frac{1}{2}\)が入っているし、しかも、\(\sqrt{π}\)ってどこから来たん?って感じですよね!
ガンマ関数に慣れるために証明も入れておきます。なぞってください。良い練習になります!
●\(Γ(s)= \displaystyle \int_{0}^{∞} x^{s-1}e^{-x} dx\)
●\(Γ(s-1)= \displaystyle \int_{0}^{∞} x^{s-2}e^{-x} dx\)
です。
部分積分しましょう。⇒が微分する方向として、
\(-x^{s-1} e^{-x}\)⇒\(x^{s-1} e^{-x} –(s-1)x^{s-2} e^{-x}\)
つまり、
\(\left[-x^{s-1} e^{-x} \right]_{0}^{∞}\)=\(\displaystyle \int_{0}^{∞} x^{s-1} e^{-x} dx\)―\(\displaystyle \int_{0}^{∞} (s-1)x^{s-2} e^{-x} dx\)
まとめると、
\(\left[-x^{s-1} e^{-x} \right]_{0}^{∞}\)=\(Γ(s)\)―\((s-1)Γ(s-1)\)
一方、(左辺)=0なので、
\(Γ(s)\)=\((s-1)Γ(s-1)\)が成り立つ。
関連記事でも部分積分をいっぱい練習していますので、不安なら関連記事で復習しましょう。
これは簡単ですね。
\(Γ(s)\) = \((s-1)Γ(s-1)\)= \((s-1)(s-2)Γ(s-2)\)=…
= \((s-1)(s-2)…1Γ(1)\)
ここで、Γ(1)は
\(Γ(s)= \displaystyle \int_{0}^{∞} x^{1-1}e^{-x} dx\)
=\(\displaystyle \int_{0}^{∞} e^{-x} dx\)
=\(\left[-e^{-x} \right]_{0}^{∞}\)
=1
よって、
\(Γ(s)\) =\((s-1)(s-2)…1・1\)=\((s-1)!\)
実は、ベータ関数との関係式が必要なので、あとで解説します。
ガンマ関数とベータ関数の関係式が重要です。
これも関連記事で解説しています。復習しましょう。
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ベータ関数がよくわかる ベータ関数は自力で解けますか?本記事ではベータ関数の導出方法や性質、ガンマ関数との関係をわかりやすく解説します。大学の数学のような難解な説明は一切していません。、大学受験で頻出問題となるベータ関数は受験でも統計学でも重要です。受験生と統計学を学ぶ人は必読です。 |
ポイントは、
関連記事ベータ関数がよくわかるでも解説しているとおり、次の式が成り立ちます。
証明
関連記事では、階乗!に注目して証明しています。
\(B(p,q)\)=\(\frac{(p-1)!(q-1)!}{(p+q-1)!}\)
\(Γ(p)=(p-1)!\)、\(Γ(q)=(q-1)!\)、\(Γ(p+q)=(p+q-1)!\)より
\(B(p,q)\)=\(\frac{(p-1)!(q-1)!}{(p+q-1)!}\)= \(\frac{Γ(p)Γ(q)}{Γ(p+q)} \)と
階乗「!」でみていけば公式が成り立つのが、わかりますね。
教科書は別の2重積分から変数変換して証明する方法が書いていますが、難しすぎです。簡単でもいいからできる解法で理解すればOKです。
ただし、上の簡略化した証明は、p,qが整数の場合については証明できますが、実数の場合までは証明していません。実数の場合も証明が必要でしたら、教科書を読み進めてください。
以下、勝手ですが、p,qが実数の場合でも使えるとして進めます。
ではやってみましょう。
\(B(p,q)\)= \(\frac{Γ(p)Γ(q)}{Γ(p+q)} \)
に\(p=\frac{1}{2}\)、\(q=\frac{1}{2}\)を代入します。
\(B(\frac{1}{2},\frac{1}{2})\)= \(\frac{Γ(\frac{1}{2})Γ(\frac{1}{2})}{Γ(\frac{1}{2}+\frac{1}{2})} \)
ここで、\(Γ(\frac{1}{2}+\frac{1}{2})\)=\(Γ(1)\)=1です。
また、\(B(\frac{1}{2},\frac{1}{2})\)は、
\(B(\frac{1}{2},\frac{1}{2})= \displaystyle \int_{0}^{1} x^{\frac{1}{2}-1}(1-x)^{ \frac{1}{2}-1} dx\)
=\(\displaystyle \int_{0}^{1}\frac{1}{\sqrt{x(1-x)}}dx\)
=\(\displaystyle \int_{0}^{1}\frac{1}{\sqrt{(\frac{1}{2})^2-(x-\frac{1}{2})^2}}dx\) (平方完成)
=(式1)
ここで、 \(tx-\frac{1}{2}\)とおくと、
●\(x\):0⇒1が、\(t\):\(-\frac{1}{2}\)⇒\(\frac{1}{2}\)へ
●\(dt=dx\)より、(式1)に代入します。
(式1)
=\(\displaystyle \int_{-\frac{1}{2}}^{\frac{1}{2}} \frac{1}{\sqrt{(\frac{1}{2})^2-t^2}}dt\)
=(式2)
さらに、\(t=\frac{1}{2}sinθ\)とおくと、
●\(t\):\(-\frac{1}{2}\)⇒\(\frac{1}{2}\)が、\(θ\):\(-\frac{π}{2}\)⇒\(\frac{π}{2}\)へ
●\(dt=\frac{1}{2}cosθdθ\)より、(式2)に代入します。
(式2)
=\(\displaystyle \int_{-\frac{π}{2}}^{\frac{π}{2}} \frac{1}{\sqrt{(\frac{1}{2})^2-(\frac{1}{2} sinθ)^2}} \frac{1}{2} cosθ dθ\)
=\(\displaystyle \int_{-\frac{π}{2}}^{\frac{π}{2}} \frac{1}{\frac{1}{2} cosθ dθ} \frac{1}{2} cosθ dθ\)
=\(\displaystyle \int_{-\frac{π}{2}}^{\frac{π}{2}} dθ\)
=\(π\)
=(式3)
2回置換しましたが、何とか積分できました!まとめると、
\(B(\frac{1}{2},\frac{1}{2})\)= \(\frac{Γ(\frac{1}{2})Γ(\frac{1}{2})}{Γ(\frac{1}{2}+\frac{1}{2})} \)
\(π\)= \((Γ(\frac{1}{2}))^2・1\)
よって
\(Γ(\frac{1}{2})=\sqrt{π}\)
が出ました。
以上、ガンマ関数の性質についてまとめました。
「ガンマ関数がよくわかる(その2_大学数学編)」を解説しました。
「ガンマ関数がわからない!」、「ガンマ関数の導出方法や性質を数式で解けない!」と困っていませんか?
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こんな式ですね。ビビる必要はありません!
なんじゃこりゃ!ですが、大丈夫です!
必ず、復習しておさえておきたいのが、3つ
個別の内容は高校数学の教科書で確認ください。
これから一緒に復習する
➂ガンマ関数を習う前に復習すべき大学入試問題その1
➃ガンマ関数を習う前に復習すべき大学入試問題その2
➄ガンマ関数を習う前に復習すべき大学入試問題その3
で何度も使います。
よく、証明せずに使ってもよいと大学入試の設問では書いていますが、ちゃんと証明できますか?
実は大学に行くと、テイラー展開やマクローリン展開で
\(e^x=1+x+\frac{x^2}{2!}+…\)
と展開できるのを習うので、この式を使えば0に収束すると証明できます。
高校数学の場合は、テイラー展開とか習わないので、こんな問いで誘導していきます。
どれも、典型的な問いで、
問1は \(f(x)\)=(左辺)-(右辺)として、この関数を調べればOK!
\(f(x)=e^x-(1+x+\frac{x^2}{2}\))
\(f’(x)=e^x-(1+x)\)
\(f’’(x)=e^x-1\) ≥0
から
\(f’(x)=e^x-(1+x)\)は単調増加で \(f’(x) \) ≥ \(f’(0)=0\)
よって、\(f(x)=e^x-(1+x+\frac{x^2}{2}\))も単調増加で、
\(f(x) \) ≥ \(f(0)=0\)が成り立つ。
問2は問1を使って、挟み込みすればOK
\(x\)と\(e^{-x}\)はともに正の数なので、
0 <\(\frac{x}{e^x}\) < \(\frac{x}{1+x+\frac{x^2}{2}}\)となり、
\( \displaystyle \lim_{x \to \infty} \frac{x}{1+x+\frac{x^2}{2}}= 0\)より、
\( \displaystyle \lim_{x \to \infty} x e^{-x} = 0\)
さらっと、行けましたでしょうか?
では、良問な大学数学入試問題を解きながら、ガンマ関数に慣れていきましょう。
ガンマ関数を大学受験に出すとこうなります。
典型的であるが、絶対おさえておきたい良問です。
(1)の解法
関数\(f(x)\) = \(x^{n+1}e^{-x}\)
微分すると、
\(f’(x)\) = \((n+1)x^n e^{-x}- x^{n+1}e^{-x}\)
=\(x^n e^{-x}((n+1)-x)\)
増減表は、
\(x\) | 0 | ・・・ | \(n+1\) | ・・・ |
\(f'(x)\) | + | 0 | – | |
\(f(x)\) | ↗ | max | ↘ |
より\(f(x)\)は\(x=n+1\)の時が最大値になります。
関数\(f(n+1)\) = \((n+1)^{n+1}e^{-(n+1)}\) (答え)
(2)の解法
(1)の結果を使います。\(f(x)\)は
0 ≤ \(x^{n+1}e^{-x}\) ≤ \((n+1)^{n+1}e^{-(n+1)}\)
の制約条件が成り立ちます。
一方、\(x^n e^{-x} \)を
\(x^n e^{-x} \)=\(\frac{x^{n+1} e^{-x}}{x} \)と変形すると、上の不等式から
0 ≤ \(x^n e^{-x} \)=\(\frac{x^{n+1} e^{-x}}{x} \) ≤ \(\frac{(n+1)^{n+1}e^{-(n+1)}}{x}\)
となります。
\(x⇒∞\)にすると、
\(\frac{(n+1)^{n+1}e^{-(n+1)}}{x}\) ⇒0 (分母の\(x\)が∞になるので)
となるので、結果、
\( \displaystyle \lim_{x \to \infty} x^n e^{-x} \)=0 (答え)
(3)の解法
(i)\(n=1\)のとき、\(\displaystyle \int_{0}^{x} t e^{-t}dt \)
=\(\left[-(t+1)e^{-t} \right]_{0}^{x}\)
=1=(1!)
より成立。
部分積分大丈夫ですか? ⇒を微分する方向として
\(-t e^{-t}\)⇒\(t e^{^t}- e^{-t}\)
\(-e^{-t}\)⇒\(+ e^{-t}\)
から
\(-t e^{-t}–e^{-t}\)⇒\(t e^{^t}\)
と計算できます。
(ii)次に、\(n=k\)のとき、\( \displaystyle \lim_{x \to \infty} \displaystyle \int_{0}^{x} t^k e^{-t}dt \)=\(k!\)と仮定すると、
(iii)\(n=k+1\)のとき、
部分積分すると、⇒を微分する方向として
\(-t^{k+1} e^{-t}\)⇒\(t^{k+1} e^{^t}- (k+1)t^k e^{-t}\)
ここで止めると、
\(\displaystyle \lim_{x \to \infty}\left[-t^{k+1} e^{-t}\right]_{0}^{x}\)=\(\displaystyle \lim_{x \to \infty}\displaystyle \int_{0}^{x} t^{k+1} e^{^t}dt \) -\(\displaystyle \lim_{x \to \infty}\displaystyle \int_{0}^{x} (k+1)t^k e^{-t}dt \)
計算すると、
\(\displaystyle \lim_{x \to \infty} -x^{k+1} e^{-x}\)=\(\displaystyle \lim_{x \to \infty}\displaystyle \int_{0}^{x} t^{k+1} e^{^t}dt \)-\((k+1)\) \(\displaystyle \lim_{x \to \infty}\displaystyle \int_{0}^{x} t^k e^{-t}dt \)
(左辺)=0で、(右辺)第1項は求めたい\(n=k+1\)の式で、第2項の積分は仮定した\(n=k\)のとき\(k!\)になるので、
(つまり、\((k+1)\) \(\displaystyle \lim_{x \to \infty}\displaystyle \int_{0}^{x} t^k e^{-t}dt \)=\(k!\))
代入すると、
0=\(\displaystyle \lim_{x \to \infty}\displaystyle \int_{0}^{x} t^{k+1} e^{^t}dt \)-\((k+1)k!\)
よって、
\(\displaystyle \lim_{x \to \infty}\displaystyle \int_{0}^{x} t^{k+1} e^{^t}dt \)=\((k+1)!\)
となるので、\(n=k+1\)のときも成り立つ。
よって、すべての自然数\(n\)に対して\( \displaystyle \lim_{x \to \infty} \displaystyle \int_{0}^{x} t^n e^{-t}dt \)=\(n!\)となる。(答え)
いい勉強になります!
どんどん行きます!
ガンマ関数を大学受験に出すとこうなります。
典型的であるが、絶対おさえておきたい良問です。
(1)の解法
(i)\(n\)=1のとき、 \(f(t)=e^t -t\)として、
\(f’(t)=e^t \) >0 より
\(f(t)\) > \(f(0)\)=0 より証明が成り立つ
(ii)\(n=k\)のとき、\(e^t\) > \(\frac{t^k}{k!}\)と仮定して、
(iii)\(n=k+1\)のとき、\(f(t)=e^t -\frac{t^{k+1}}{(k+1)!}\)として、
\(f’(t)=e^t – \frac{(k+1) t^k}{(k+1)!}\)=\( e^t – \frac{t^k}{k!}\) > 0
より、\(f(t)\) > \(f(0)\)=0 より証明が成り立つ
よって、\(t\) ≥ 0 のとき、不等式\(e^t\) > \(\frac{t^n}{n!}\)が成り立つ。
(2)の解法
これがガンマ関数の入り口の問題です。
部分積分すると、⇒を微分する方向として
\(-x^m e^{-t}\)⇒\(x^m e^{-x}\)-\(mt^{m-1} e^{-t}\)
つまり、まとめると、
\(\displaystyle \lim_{t \to \infty}\left[-x^m e^{-t}\right]_{0}^{t} \)=\(I_m\)-\(mI_{m-1}\)
(左辺)は
\(\displaystyle \lim_{t \to \infty}(-t^m e^{-t}) \)で(1)の証明から
0 ≤ \( t^m e^{-t}\) ≤ \( (m+1)!\frac{t^m}{t^{m+1}}\)として、挟み込みから0になります。
(\(e^t\) > \(\frac{t^{m+1}}{(m+1)!}\)として代入)
つまり、
\(I_m\)=\(mI_{m-1}\)
\(I_1\)は計算して1より、
\(I_m\)=\(m!\)となる。 (答え)
いい勉強になります!
もう1つ行きます!
3回目の問いなので、略解でいきます。
(1)は挟みこみで0に持って行きたいので、\(x^n e^{-ax}\)より大きい値でt⇒∞にするとその値が明らかに0になるものを入れたい。
QCプラネッツなら、
\(e^{ax}\)=\(\sum_{k=0}{∞} \frac{a^k}{k!} x^k \) > \(\frac{a^(n+1)}{(n+1)!} x^{n+1}\)を使います。
(2) \(I_1(t)\)=\(-\frac{t}{ae^{at}}-\frac{1}{a^2 e^{at}}+ 1\)
文字式が多すぎて、センスがいまいちな結果。こういうところも府大らしい。。。
(3) \(I_{n+1}\)=\(\frac{n+1}{a}I_n(t)+\frac{1}{a}t^{n+1}e^{-at}\)
(4)先に∞に飛ばして、\(\frac{1}{a}t^{n+1}e^{-at}\)=0として無視して計算しましょう。
\(J_n\)=\(\frac{n!}{a^{n-1}}J_1\)
\(J_1\)は\(I_1(t)\)のt⇒∞なので、\(J_1\)=1
よって、
\(J_n\)=\(\frac{n!}{a^{n-1}} \)
ガンマ関数の本質よりは、単なる計算力を求めているだけの問いになっているのが、ちょっと残念!な問題ですね。出題者のセンスが良くないんでしょうね。
以上、ガンマ関数を身に着けるための重要な高校数学の演習問題です。是非解いてみてください。
次は、ガンマの関数を大学の数学や統計学を使って解説します。けど、高校数学ができれば大丈夫!
本記事の内容は、高校数学で解けましたね!
「ガンマ関数がよくわかる(その1_高校数学復習編)」を解説しました。
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こんな式ですね。ビビる必要はありません!
なんじゃこりゃ!ですが、大丈夫です!
一番大事なのは、
そして、よく見かける式がベータ関数の入り口です。
ここで、m=n=1なら、2次関数と直線との面積で、暗記する公式
\(\displaystyle \int_{α}^{β} (x-α) (x-β)dx \)=\(-\frac{1}{6}(β-α)^3\)
ですよね!
大学数学以上では頻繁に使うので、先に紹介します。
この証明は、ガンマ関数の記事で解説しますが、ここでは簡単なイメージです。
\(B(p,q)\)=\(\frac{(p-1)!(q-1)!}{(p+q-1)!}\)
\(Γ(p)=(p-1)!\)、\(Γ(q)=(q-1)!\)、\(Γ(p+q)=(p+q-1)!\)より
\(B(p,q)\)=\(\frac{(p-1)!(q-1)!}{(p+q-1)!}\)= \(\frac{Γ(p)Γ(q)}{Γ(p+q)} \)と
階乗「!」でみていけば公式が成り立つのが、わかりますね。
高校数学で十分説明つきますね!
では、ガチでベータ関数を導出してみましょう。
次の式を証明しましょう! 大学入試で絶対マスターすべき良問です!
解法
まず、部分積分すると、漸化式が作れます。
\(\left[ \frac{1}{m+1}(x-a)^{m+1} (x-b)^n \right]_{a}^{b}\)=\(I(m,n)+\frac{n}{m+1}I(m+1,n-1)\)
なお、(左辺)は0なので、
\(I(m,n)\)=\(-\frac{n}{m+1}I(m+1,n-1)\) (式1)
(式1)から、
\(I(m,n)\)=\(-\frac{n}{m+1}I(m+1,n-1)\)= \((-\frac{n}{m+1})(-\frac{n-1}{m+2})I(m+2,n-2)\)
=…=\((-1)^n \frac{m!n1}{(m+n)!} I(m+n,0)\)
=\((-1)^n \frac{m!n1}{(m+n+1)!} (b-a)^{m+n+1}\) (式2)
と証明できます。今後、演習問題として取り上げたいので、計算途中を端折りましたが、一度は見ながら導出してみてください。
これも、大学入試で出題されてもいい良問です。まさにベータ関数の導出です。
(式2)を再掲します。
\(I(m,n)\)=\((-1)^n \frac{m!n1}{(m+n+1)!} (b-a)^{m+n+1}\) (式2)
ここで、上手な置き換えをします。
\(t=\frac{x-a}{b-a}\)と置くと、
●\((x-a)=t(b-a)\)
●\((x-b)=(t-1)(b-1)\)
●\(dx=(b-a)dt\)
積分区間は
積分区間 | 下 | ⇒ | 上 |
x | a | ⇒ | b |
t | 0 | ⇒ | 1 |
これを(式2)に代入すると
\(I(m,n)= \displaystyle \int_{a}^{b} (x-a)^m (x-b)^ndx \)
=\((-1)^n \frac{m!n1}{(m+n+1)!} (b-a)^{m+n+1}\)
(右辺)=\(\displaystyle \int_{a}^{b} (x-a)^m (x-b)^ndx \)
=\(\displaystyle \int_{0}^{1} t^m (b-a)^m (t-1)^n (b-a)^n (b-a) dt \)
=\((-1)^n (b-a)^{m+n+1} \displaystyle \int_{0}^{1} t^m (1-t)^n dt \)
=\((-1)^n \frac{m!n1}{(m+n+1)!} (b-a)^{m+n+1}\)
より、
\(\displaystyle \int_{0}^{1} t^m (1-t)^n dt \)=\(\frac{m!n!}{(m+n+1)!} \)
ここで、 \(m⇒m-1,n⇒n-1\)に変えると、
\(\displaystyle \int_{0}^{1} t^{m-1} (1-t)^{n-1} dt \)=\(\frac{(m-1)!(n-1)!}{(m+n-1)!} \)
となり、ベータ関数が導出できます!
ベータ関数は
ここで、\(t\)は 0 ≤ \(t\) ≤ 1ですから、何か \(cos,sin\)で置きたくなります。
これは、よく \(x^{\frac{a}{b}}+y^{\frac{c}{d}}=1\)の曲線の面積を求める時によく使いますし、大学入試でも頻出問題ですね。
過去の入試問題を紹介しましょう。解けるかな?
ベータ関数を身に着けるための重要な演習問題です。是非解いてみてください。
いろいろな関数を使って、確率変数の変換を見て慣れていきましょう!
本記事の内容は、ほぼ高校数学で解けましたね!
「ベータ関数がよくわかる」を解説しました。
「確率変数の変換が、わからない、解けない?」、「t分布、F分布の確率密度関数への導出がわからない」と困っていませんか?
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慣れてきたら、公式を見ましょう。
関連記事に2変数の確率変数の変換の求め方をわかりやすく解説しています。
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【まとめ】2変数の確率変数の変換がよくわかる 2変数の確率変数の変換が計算できますか?本記事では,理解が難しい公式をそのまま使わずに,高校数学で十分解ける解法を解説します。今回は変換したいパターンをすべてを解説!教科書よりわかりやすく、 ほぼ高校数学でイケる方法で解説! t分布、F分布の確率密度関数を導出したい方は必読な記事です。 |
同じ1つの解法でイケますので、ご安心ください。
2変数の確率変数の変換の求め方
1変数の確率変数の変換方法と同様に決まった解法があります。
変数\(x,y\)を変数\(z,w\)に変換するとします。
ここで、注意点があります。
Jは
J=\(\begin{pmatrix}
\frac{\partial x}{ \partial z} & \frac{\partial x}{\partial w} \\
\frac{\partial y}{\partial z} & \frac{\partial y}{\partial w}
\end{pmatrix}\)
また、\(det J\)は行列式ヤコビアンといいますね。
A=\(\begin{pmatrix}
a & b \\
c & d
\end{pmatrix}\)
のとき、行列式ヤコビアン\(det A\)は、
\(det A=ad-bc\)
で計算できます。
計算力が求められる場合がありますが、基本は高校数学でイケます!
では、実践編に入ります。最初は簡単な式から行きます!
QCプラネッツでは、5つの事例を関連記事で紹介していきます。ご確認ください。
今回は、その5「1変数でZ=X/Y(商)の場合の変換方法」です。
1変数の変換については、関連記事でまとめていますが、主にZ=X+Y,Z=X-Yの加減についてでした。
![]() |
【まとめ】1変数の確率変数の変換がよくわかる 1変数の確率変数の変換が計算できますか?本記事では,理解が難しい公式をそのまま使わずに,高校数学で十分解ける解法を解説します。今回は変換したいパターンをすべてを解説!教科書よりわかりやすく、ほぼ高校数学でイケる方法で解説! 確率変数の変換が計算したい方は必読な記事です。 |
ただし、乗商については書いていません。なぜなら、
では、解説していきます。2例解説します。
やってみましょう。
まず、\(X,Y\)の確率密度関数を定義します。
\(f(x)\)=1 (0 ≤ \(x\) ≤ 1)
\(g(y)\)=1 (0 ≤ \(y\) ≤ 1)
解き方は、
ですから、1つずつ行きましょう。
(i)\(x=x(z,w),y=(z,w)\)の式を\(z=z(x,y),w=w(x,y)\)の式に直す
ここで、変換する変数を定義します。
\(x=x(z,w),y=y(z,w)\)に直します。
\(x\)=\(zw\)
\(y\)=\(w\)
(ii)\(f(x,y)dxdy\)=\(f(x(z,w),y(z,w)|det J| dzdw\)に変換する
次に、ヤコビ行列から行列式ヤコビアンを求めます。
ヤコビ行列Jは
Jは
J=\(\begin{pmatrix}
\frac{\partial x}{ \partial z} & \frac{\partial x}{\partial w} \\
\frac{\partial y}{\partial z} & \frac{\partial y}{\partial w}
\end{pmatrix}\)
J=\(\begin{pmatrix}
w & z \\
0 & 1
\end{pmatrix}\)
次に行列式ヤコビアンは
\(det J\)=\(w・1-0・z\)
=\(w \)
で計算できます。
ここまで大丈夫ですね!
(iii)2変数\(z,w\)の同時確率密度関数\(g(z,w)\)を導出
代入すると、
\(f(x,y)dxdy\)=\(f(x(z,w),y(z,w)|det J| dzdw\)
\(f(x(z,w)\)=1, \(g(x(z,w)\)=1に注意して、
=\( 1・1・ w dzdw\)
=\(p(z,w)dzdw\)
=(式1)
結構、スッキリしますね!
2変数\(z,w\)に関する同時確率密度関数\(p(z,w)dzdw\)が求まりました。
次に、zについての周囲確率密度関数を求めます。
なぜなら、\(w=y\)であり、\(w\)は不要な変数だから\(w\)で積分します。
ここで、注意なのが、
変数\(w\)については、以下の3つの場合分けが発生します。
となります。図で解説します。ただし、\(z=x/y\)であり\(w=y\)で積分するので、\(xy\)の軸が通常と逆にしています。
もう1つ事例を挙げます。次は、指数分布どうしです。
やってみましょう。
解き方は、事例1と同じです。
ですから、1つずつ行きましょう。
(i)\(x=x(z,w),y=(z,w)\)の式を\(z=z(x,y),w=w(x,y)\)の式に直す
ここで、変換する変数を定義します。
\(x=x(z,w),y=y(z,w)\)に直します。
\(x\)=\(zw\)
\(y\)=\(w\)
(ii)\(f(x,y)dxdy\)=\(f(x(z,w),y(z,w)|det J| dzdw\)に変換する
次に、ヤコビ行列から行列式ヤコビアンを求めます。
ヤコビ行列Jは
Jは
J=\(\begin{pmatrix}
\frac{\partial x}{ \partial z} & \frac{\partial x}{\partial w} \\
\frac{\partial y}{\partial z} & \frac{\partial y}{\partial w}
\end{pmatrix}\)
J=\(\begin{pmatrix}
w & z \\
0 & 1
\end{pmatrix}\)
次に行列式ヤコビアンは
\(det J\)=\(w・1-0・z \)
=\(w\)
で計算できます。
ここまで大丈夫ですね!
(iii)2変数\(z,w\)の同時確率密度関数\(g(z,w)\)を導出
代入すると、
\(f(x,y)dxdy\)=\(λe^{-λx}・μe^{-μy}\)
=\(f(x(z,w),y(z,w)|det J| dzdw\)
=\(λμe^{-λ(zw)}・e^{-μw} w dw\)
=(式1)
よって、2変数\(z,w\)に関する同時確率密度関数\(p(z,w)dzdw\)は、
\(p(z,w)dzdw\)=\(λμe^{-λ(zw)}・e^{-μw} w \)
2変数\(z,w\)に関する同時確率密度関数\(p(z,w)dzdw\)が求まりました。
次に、zについての周囲確率密度関数を求めます。
なぜなら、\(w=y\)であり、\(w\)は不要な変数だから\(w\)で積分します。
ここで、注意なのが、
変数\(w\)については、以下2つの場合分けが発生します。
積分すると、
\( h(z)=\displaystyle \int_{0}^{∞} (λμe^{-(λz+μ)w)} w dw \)
=\(\left[-\frac{λμ}{(λz+μ)^2} e^{-(λz+μ)w} \right]_{0}^{∞}\)
=\(\frac{λμ}{(λz+μ)^2}\)
計算できました!
伝えたいことは
いろいろな関数を使って、確率変数の変換を見て慣れていきましょう!
本記事の内容は、ほぼ高校数学で解けましたね!
「2変数の確率変数の変換がよくわかる(Z=X/Y商の場合)」を解説しました。
「確率変数の変換が、わからない、解けない?」、「t分布、F分布の確率密度関数への導出がわからない」と困っていませんか?
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QC検定®1級、2級、統計検定2級以上の数学スキルを磨くのに苦戦していませんか? 広大すぎる統計学、微分積分からQC・統計に勝てるための60題に厳選した問題集を紹介します。是非ご購入いただき、勉強してスキルを高めましょう。 |
それは、
慣れてきたら、公式を見ましょう。
関連記事に2変数の確率変数の変換の求め方をわかりやすく解説しています。
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【まとめ】2変数の確率変数の変換がよくわかる 2変数の確率変数の変換が計算できますか?本記事では,理解が難しい公式をそのまま使わずに,高校数学で十分解ける解法を解説します。今回は変換したいパターンをすべてを解説!教科書よりわかりやすく、 ほぼ高校数学でイケる方法で解説! t分布、F分布の確率密度関数を導出したい方は必読な記事です。 |
同じ1つの解法でイケますので、ご安心ください。
2変数の確率変数の変換の求め方
1変数の確率変数の変換方法と同様に決まった解法があります。
変数\(x,y\)を変数\(z,w\)に変換するとします。
ここで、注意点があります。
Jは
J=\(\begin{pmatrix}
\frac{\partial x}{ \partial z} & \frac{\partial x}{\partial w} \\
\frac{\partial y}{\partial z} & \frac{\partial y}{\partial w}
\end{pmatrix}\)
また、\(det J\)は行列式ヤコビアンといいますね。
A=\(\begin{pmatrix}
a & b \\
c & d
\end{pmatrix}\)
のとき、行列式ヤコビアン\(det A\)は、
\(det A=ad-bc\)
で計算できます。
計算力が求められる場合がありますが、基本は高校数学でイケます!
では、実践編に入ります。最初は簡単な式から行きます!
QCプラネッツでは、5つの事例を関連記事で紹介していきます。ご確認ください。
今回は、その4「1変数でZ=XY(積)の場合の変換方法」です。
1変数の変換については、関連記事でまとめていますが、主にZ=X+Y,Z=X-Yの加減についてでした。
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【まとめ】1変数の確率変数の変換がよくわかる 1変数の確率変数の変換が計算できますか?本記事では,理解が難しい公式をそのまま使わずに,高校数学で十分解ける解法を解説します。今回は変換したいパターンをすべてを解説!教科書よりわかりやすく、ほぼ高校数学でイケる方法で解説! 確率変数の変換が計算したい方は必読な記事です。 |
ただし、乗商については書いていません。なぜなら、
では、解説していきます。2例解説します。
やってみましょう。
まず、\(X,Y\)の確率密度関数を定義します。
\(f(x)=1\) (0 ≤ \(x\) ≤ 1)
\(g(y)=1\) (0 ≤ \(y\) ≤ 1)
解き方は、
ですから、1つずつ行きましょう。
(i)\(x=x(z,w),y=(z,w)\)の式を\(z=z(x,y),w=w(x,y)\)の式に直す
ここで、変換する変数を定義します。
\(x=x(z,w),y=y(z,w)\)に直します。
\(x\)=\(\frac{z}{w}\)
\(y\)=\(w\)
(ii)\(f(x,y)dxdy\)=\(f(x(z,w),y(z,w)|det J| dzdw\)に変換する
次に、ヤコビ行列から行列式ヤコビアンを求めます。
ヤコビ行列Jは
Jは
J=\(\begin{pmatrix}
\frac{\partial x}{ \partial z} & \frac{\partial x}{\partial w} \\
\frac{\partial y}{\partial z} & \frac{\partial y}{\partial w}
\end{pmatrix}\)
J=\(\begin{pmatrix}
\frac{1}{w} & -\frac{z}{w^2} \\
0 & 1
\end{pmatrix}\)
次に行列式ヤコビアンは
\(det J\)=\(\frac{1}{w}・1-0・(-\frac{z}{w^2}) \)
=\(\frac{1}{w} \)
で計算できます。
ここまで大丈夫ですね!
(iii)2変数\(z,w\)の同時確率密度関数\(g(z,w)\)を導出
代入すると、
\(f(x,y)dxdy\)=\(f(x(z,w),y(z,w)|det J| dzdw\)
\(f(x(z,w)\)=1, \(g(x(z,w)\)=1に注意して、
=\( 1・1 \frac{1}{w} dzdw\)
=\(p(z,w)dzdw\)
=(式1)
結構、スッキリしますね!
2変数\(z,w\)に関する同時確率密度関数\(p(z,w)dzdw\)が求まりました。
次に、zについての周囲確率密度関数を求めます。
なぜなら、\(w=y\)であり、\(w\)は不要な変数だから\(w\)で積分します。
ここで、注意なのが、
変数\(w\)については、以下の3つの場合分けが発生します。
となります。ここが難しいですね!
もう1つ事例を挙げます。次は、積分が困難なので、途中で終わる場合です。
やってみましょう。
解き方は、事例1と同じです。
ですから、1つずつ行きましょう。
(i)\(x=x(z,w),y=(z,w)\)の式を\(z=z(x,y),w=w(x,y)\)の式に直す
ここで、変換する変数を定義します。
\(x=x(z,w),y=y(z,w)\)に直します。
\(x\)=\(\frac{z}{w}\)
\(y\)=\(w\)
(ii)\(f(x,y)dxdy\)=\(f(x(z,w),y(z,w)|det J| dzdw\)に変換する
次に、ヤコビ行列から行列式ヤコビアンを求めます。
ヤコビ行列Jは
Jは
J=\(\begin{pmatrix}
\frac{\partial x}{ \partial z} & \frac{\partial x}{\partial w} \\
\frac{\partial y}{\partial z} & \frac{\partial y}{\partial w}
\end{pmatrix}\)
J=\(\begin{pmatrix}
\frac{1}{w} & -\frac{1}{w^2} \\
0 & 1
\end{pmatrix}\)
次に行列式ヤコビアンは
\(det J\)=\(\frac{1}{w}・1-0・(-\frac{1}{w^2}) \)
=\(\frac{1}{w} \)
で計算できます。
ここまで大丈夫ですね!
(iii)2変数\(z,w\)の同時確率密度関数\(g(z,w)\)を導出
代入すると、
\(f(x,y)dxdy\)=\(λe^{-λx}・μe^{-μy}\)
=\(f(x(z,w),y(z,w)|det J| dzdw\)
=\(λμe^{-λ\frac{z}{w}}・e^{-μw} \frac{1}{w}dw\)
=(式1)
よって、2変数\(z,w\)に関する同時確率密度関数\(p(z,w)dzdw\)は、
\(p(z,w)dzdw\)=\(λμe^{-λ\frac{z}{w}}・e^{-μw} \frac{1}{w}\)
2変数\(z,w\)に関する同時確率密度関数\(p(z,w)dzdw\)が求まりました。
次に、zについての周囲確率密度関数を求めます。
なぜなら、\(w=y\)であり、\(w\)は不要な変数だから\(w\)で積分します。
ここで、注意なのが、
変数\(w\)については、以下2つの場合分けが発生します。
実は、この
\( h(z)=\displaystyle \int_{0}^{∞} λμe^{-λ\frac{z}{w}}・e^{-μw} \frac{1}{w}dw \)
の積分が非常に難しいです。なぜなら、
\(e^{-\frac{1}{w}}・e^{-w}\)の積分で、特に、\(e^{-\frac{1}{w}}\)が難しいです。
一旦ここで、保留しましょう。
うまく計算ができないパターンもブログとして掲載しますね。
教科書は、うまく計算ができる例だけしかないので、あたかもどんな関数でも変換ができるように錯覚しがちです。
とは、言っても、伝えたいことは
いろいろな関数を使って、確率変数の変換を見て慣れていきましょう!
本記事の内容は、ほぼ高校数学で解けましたね!
「2変数の確率変数の変換がよくわかる(Z=XY積の場合)」を解説しました。
「確率変数の変換が、わからない、解けない?」、「t分布、F分布の確率密度関数への導出がわからない」と困っていませんか?
こういう疑問に答えます。
本記事のテーマ
QCに必要な数学問題集をを販売します!
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それは、
慣れてきたら、公式を見ましょう。
関連記事に2変数の確率変数の変換の求め方をわかりやすく解説しています。
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【まとめ】2変数の確率変数の変換がよくわかる 2変数の確率変数の変換が計算できますか?本記事では,理解が難しい公式をそのまま使わずに,高校数学で十分解ける解法を解説します。今回は変換したいパターンをすべてを解説!教科書よりわかりやすく、 ほぼ高校数学でイケる方法で解説! t分布、F分布の確率密度関数を導出したい方は必読な記事です。 |
同じ1つの解法でイケますので、ご安心ください。
2変数の確率変数の変換の求め方
1変数の確率変数の変換方法と同様に決まった解法があります。
変数\(x,y\)を変数\(z,w\)に変換するとします。
ここで、注意点があります。
Jは
J=\(\begin{pmatrix}
\frac{\partial x}{ \partial z} & \frac{\partial x}{\partial w} \\
\frac{\partial y}{\partial z} & \frac{\partial y}{\partial w}
\end{pmatrix}\)
また、\(det J\)は行列式ヤコビアンといいますね。
A=\(\begin{pmatrix}
a & b \\
c & d
\end{pmatrix}\)
のとき、行列式ヤコビアン\(det A\)は、
\(det A=ad-bc\)
で計算できます。
計算力が求められる場合がありますが、基本は高校数学でイケます!
では、実践編に入ります。最初は簡単な式から行きます!
QCプラネッツでは、5つの事例を関連記事で紹介していきます。ご確認ください。
今回は、その3「F分布の確率密度関数の導出」です。
まず、\(X,Y\)の確率密度関数を定義します。
\(f(x)=\frac{1}{2^{\frac{m}{2}}Γ(\frac{m}{2})}x^{\frac{m}{2}-1}e^{-\frac{x}{2}}\) (\(x\) ≥ 0)
\(g(y)=\frac{1}{2^{\frac{n}{2}}Γ(\frac{n}{2})}y^{\frac{n}{2}-1}e^{-\frac{y}{2}}\) (\(y\) ≥ 0)
解いていきましょう。解法は、
ですから、1つずつ行きましょう。
(i)\(x=x(z,w),y=(z,w)\)の式を\(z=z(x,y),w=w(x,y)\)の式に直す
ここで、変換する変数を定義します。
また、範囲は(\(x\) ≥ 0), (\(y\) ≥ 0)
(\(z\) ≥ 0), (\(w\) ≥ 0)
\(x=x(z,w),y=y(z,w)\)に直します。
\(x\)=\(\frac{m}{n}wz\)
\(y\)=\(w\)
(ii)\(f(x,y)dxdy\)=\(f(x(z,w),y(z,w)|det J| dzdw\)に変換する
次に、ヤコビ行列から行列式ヤコビアンを求めます。
ヤコビ行列Jは
Jは
J=\(\begin{pmatrix}
\frac{\partial x}{ \partial z} & \frac{\partial x}{\partial w} \\
\frac{\partial y}{\partial z} & \frac{\partial y}{\partial w}
\end{pmatrix}\)
J=\(\begin{pmatrix}
\frac{m}{n}w & \frac{m}{n}z \\
0 & 1
\end{pmatrix}\)
次に行列式ヤコビアンは
\(det J\)=\(\frac{m}{n}w・1-0・\frac{m}{n}z \)
=\(\frac{m}{n}w \)
で計算できます。
ここまで大丈夫ですね!
(iii)2変数\(z,w\)の同時確率密度関数\(g(z,w)\)を導出
代入すると、
\(f(x,y)dxdy\)=\(f(x(z,w),y(z,w)|det J| dzdw\)
=\(\frac{1}{2^{\frac{m}{2}}Γ(\frac{m}{2})}(\frac{m}{n}wz)^{\frac{m}{2}-1}e^{-\frac{1}{2}(\frac{m}{n}wz)}\)\(\frac{1}{2^{\frac{n}{2}}Γ(\frac{n}{2})}w^{\frac{n}{2}-1}e^{-\frac{w}{2}}\frac{m}{n}w dzdw\)
文字式を整理すると、
=\(\frac{(\frac{m}{n})^{\frac{m}{2}} z^{\frac{m}{2}-1}}
{2^{\frac{m+n}{2}}Γ(\frac{m}{2})Γ(\frac{n}{2})}\)\(w^{\frac{m+n}{2}-1} e^{-\frac{1}{2}(\frac{m}{n}z+1)w}dzdw\)
=\(p(z,w)dzdw\)
=(式1)
2変数\(z,w\)に関する同時確率密度関数\(p(z,w)dzdw\)が求まりました。
次に、zについての周囲確率密度関数を求めます。
なぜなら、\(w=y\)であり、\(w\)は不要な変数だから\(w\)で積分します。
\( h(z)=\displaystyle \int_{-∞}^{∞} p(z,w)dw \)
\(z,w\)はともに0以上ですから
=\( h(z)=\displaystyle \int_{0}^{∞}p(z,w)dw \)
=\(\frac{(\frac{m}{n})^{\frac{m}{2}} z^{\frac{m}{2}-1}}{2^{\frac{m+n}{2}}Γ(\frac{m}{2})Γ(\frac{n}{2})}\)\(\displaystyle \int_{0}^{∞} w^{\frac{m+n}{2}-1} e^{-\frac{1}{2}(\frac{m}{n}z+1)w} dw \)
=(式2)
t分布の確率密度関数導出と同様に、一旦、次の積分を考えます。
ここから
\(\displaystyle \int_{0}^{∞}w^p e^{-aw}dw \)=(式3)
\(t=aw\)とすると、
\(w=\frac{t}{a}\),\(\frac{dt}{dw}=a\)となり、これを(式3)に代入します。
(式3)
=\(\displaystyle \int_{0}^{∞}(\frac{t}{a})^p e^{-t} (\frac{1}{a})dt\)
=\(\frac{1}{a^{p+1}}\displaystyle \int_{0}^{∞}t^p e^{-t}dt\)
=\(\frac{Γ(p+1)}{a^{p+1}}\)
=(式4)
ここで、Γ関数は
\(Γ(p+1)= \displaystyle \int_{0}^{∞}t^p e^{-t}dt\)
です。
(式2)に代入するため、(式4)の文字を置き換えます。
\(p=\frac{m+n}{2}-1\)
\(a=\frac{1}{2}(1+\frac{m}{n}z)\)
とおいて、(式1)に代入します。
(式2)
=\(\frac{(\frac{m}{n})^{\frac{m}{2}} z^{\frac{m}{2}-1}}{2^{\frac{m+n}{2}}Γ(\frac{m}{2})Γ(\frac{n}{2})}\)\(\displaystyle \int_{0}^{∞} w^{\frac{m+n}{2}-1} e^{-\frac{1}{2}(\frac{m}{n}z+1)w} dw \)
=\(\frac{(\frac{m}{n})^{\frac{m}{2}} z^{\frac{m}{2}-1}}{2^{\frac{m+n}{2}}Γ(\frac{m}{2})Γ(\frac{n}{2})}\)\(\displaystyle \int_{0}^{∞} (\frac{t}{a})^p・e^{-a\frac{t}{a}} \frac{1}{a}dt\)
=\(\frac{(\frac{m}{n})^{\frac{m}{2}} z^{\frac{m}{2}-1}}{2^{\frac{m+n}{2}}Γ(\frac{m}{2})Γ(\frac{n}{2})}\)\(\frac{1}{a^{p+1}}\displaystyle \int_{0}^{∞} t^p・e^{-t}dt\)
=\(\frac{(\frac{m}{n})^{\frac{m}{2}} z^{\frac{m}{2}-1}}{2^{\frac{m+n}{2}}Γ(\frac{m}{2})Γ(\frac{n}{2})}\)\(\frac{Γ(p+1)}{a^{p+1}}\)
=(式5)
(式5)に対して、
\(p=\frac{m+n}{2}-1\)
\(a=\frac{1}{2}(1+\frac{m}{n}z)\)
から、\(p,a\)を\(m,n,z\)の式に戻します。
(式5)
=\(\frac{(\frac{m}{n})^{\frac{m}{2}} z^{\frac{m}{2}-1}}{2^{\frac{m+n}{2}}Γ(\frac{m}{2})Γ(\frac{n}{2})}\)\(\frac{Γ(\frac{m+n}{2})}{(\frac{1}{2}(1+\frac{m}{n}z))^{\frac{m+n}{2}}}\)
ここで、\(n,2, Γ(\frac{m+n}{2}),Γ(\frac{m}{2}),Γ(\frac{n}{2})\)に注目して変形すると
=\(\frac{m^{\frac{m}{2}} n^{\frac{n}{2}}}{B(\frac{m}{2},\frac{n}{2})}\frac{z^{\frac{m}{2}-1}}{(mz+n)^{\frac{m+n}{2}}}\)
となります。
いろいろな関数を使って、確率変数の変換を見て慣れていきましょう!
本記事の内容は、ほぼ高校数学で解けましたね!
「2変数の確率変数の変換がよくわかる(F分布の確率密度関数の導出)」を解説しました。