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  • 畳み込み積分がよくわかる(χ2乗分布と他の分布関数)

    畳み込み積分がよくわかる(χ2乗分布と他の分布関数)

    「畳み込み積分が、わからない、解けない?」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    畳み込み積分がよくわかる(χ2乗分布と他の分布関数)
    • ①畳み込み積分とは
    • ➁畳み込み積分(χ2乗分布と一様分布)
    • ➂畳み込み積分(χ2乗分布と指数分布)
    • ➃畳み込み積分(χ2乗分布と正規分布)

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    χ2乗分布と他の分布関数との畳み込み積分の解説はどこにもありません。

    なぜなら、計算できないから。

    でも、実際やってみて、どこが計算できないのか、くらいはやってみましょう!

    ①畳み込み積分とは

    畳み込み積分の基本をまとめた関連記事を確認ください。
    簡単にわかる解説と、身近な事例を挙げています。高校数学で理解できるレベルなので安心ください。

    畳み込み積分がよくわかる(一様分布どうし)
    畳み込み積分が計算できますか?本記事では畳み込み積分のイメージを高校数学を使ってわかりやすく解説し、さらに一様分布を使った畳み込み積分の計算を途中経過を一切端折らずに解説しています。畳み込み積分の計算ができず困っている方は必見です。

    ➁畳み込み積分(χ2乗分布と一様分布)

    例題

    2つの関数
    ●\(f(x)\)=\( a \) (\(x\) ≥ 0, \(a\) ≥ 0)
    ●\(g_m(y)\)=\(\frac{1}{2^{\frac{m}{2}}Γ(\frac{m}{2})} y^{\frac{m}{2}-1} e^{-\frac{1}{2}y}\) (\(y\) ≥ 0)
    において、Z=X+Yを満たす確率密度関数\(h(z)\)を作れ。

    難しい!と思ってしまいますが、落ち着いて解きましょう。次の3stepで解いていきます。

    1. 畳み込み積分の式を作る
    2. 積分区間を確認(ここが一番難しい)
    3. 積分区間の場合分けに合わせて丁寧に計算

    解法step1(畳み込み積分の式を作る)

    \( h(x)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(t)g(x-t)dt \)

    \((t)+(x-t)=x\)の関係が成り立っています。

    解法step2(積分区間を確認)

    x,yの制約条件は 0 ≤ x , 0 ≤ yです。

    領域を図示します。

    畳み込み積分3-1

    その領域内で z=x+yを考えます。

    z=x+yをy=-x+zとして、xy平面で傾き-1,y切片zの直線を考える

    畳み込み積分2-2

    y=-x+zが積分領域内にどう入るかによって場合分けを網羅する!

    すると、下図のように積分パターンは2パターンに場合分けされます。

    畳み込み積分3-2

    ●①は(x,y)=(0,0)以上 (つまり0 ≤ z)なので、図のように、x=0~zの区間で積分
    ●➁は(x,y)=(0,0)以下(つまりz ≤ 0)で、積分領域外なので、h(z)=0
    より①だけ積分すればよいわけですね。

    難しそうに見えますが、この場合分けも高校数学、領域のところで学ぶ内容です。

    x,yの積分領域に制限があると、畳み込み積分は場合分けして積分しないといけない面倒臭さがあります。

    解法step3(積分計算)

    積分区間は全領域[o,z]で、畳み込み積分をします。

    \( h(z)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(x)g_m(z-x)dx \)
    \(= \displaystyle \int_{0}^{z} a g_m(z-x)dx \)
    \(= a \frac{1}{2^{\frac{m}{2}}Γ(\frac{m}{2})} \displaystyle \int_{0}^{z} (z-x)^{\frac{m}{2}-1} e^{-\frac{1}{2}(z-x)} dx\)
    \(= a \frac{ e^{-\frac{z}{2}}}{2^{\frac{m}{2}}Γ(\frac{m}{2})} \)\(\displaystyle \int_{0}^{z} (z-x)^{\frac{m}{2}-1} e^{\frac{x}{2}} dx\)

    問題がありまして、

    \(\displaystyle \int_{0}^{z} (z-x)^{\frac{m}{2}-1} e^{\frac{x}{2}} dx\)
    が積分困難!

    これ以上は解析が困難です。なので、χ2乗分布と一様分布の畳み込み積分は考えなくてもよいとわかり
    ます。

    ➂畳み込み積分(χ2乗分布と指数分布)

    例題

    2つの関数
    ●\(f(x)\)=\( e^{-ax} \) (\(x\) ≥ 0, \(a\) ≥ 0)
    ●\(g_m(y)\)=\(\frac{1}{2^{\frac{m}{2}}Γ(\frac{m}{2})} y^{\frac{m}{2}-1} e^{-\frac{1}{2}y}\) (\(y\) ≥ 0)
    において、Z=X+Yを満たす確率密度関数\(h(z)\)を作れ。

    難しい!と思ってしまいますが、落ち着いて解きましょう。次の3stepで解いていきます。

    1. 畳み込み積分の式を作る
    2. 積分区間を確認(ここが一番難しい)
    3. 積分区間の場合分けに合わせて丁寧に計算

    解法step1(畳み込み積分の式を作る)

    \( h(x)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(t)g(x-t)dt \)

    \((t)+(x-t)=x\)の関係が成り立っています。

    解法step2(積分区間を確認)

    x,yの制約条件は 0 ≤ x , 0 ≤ yです。

    一様分布と同じで、x=0~zの区間で積分すればOKです。

    解法step3(積分計算)

    積分区間は全領域[o,z]で、畳み込み積分をします。

    \( h(z)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(x)g_m(z-x)dx \)
    \(= \displaystyle \int_{0}^{z} e^{-ax} g_m(z-x)dx \)
    \(= \frac{1}{2^{\frac{m}{2}}Γ(\frac{m}{2})} \displaystyle \int_{0}^{z} e^{-ax} (z-x)^{\frac{m}{2}-1} e^{-\frac{1}{2}(z-x)} dx\)
    \(= \frac{ e^{-\frac{z}{2}}}{2^{\frac{m}{2}}Γ(\frac{m}{2})} \)\(\displaystyle \int_{0}^{z} (z-x)^{\frac{m}{2}-1} e^{(\frac{1}{2}-a}) dx\)
    =(式1)

    問題がありまして、

    \(a=\frac{1}{2}\)以外は\(\displaystyle \int_{0}^{z} (z-x)^{\frac{m}{2}-1} e^{(\frac{1}{2}-a}) dx\)
    が積分困難!

    なので、
    \(e^{(\frac{1}{2}-a})=e^0=1\)
    つまり、
    \(a=\frac{1}{2}\)について解析します。

    \(a=\frac{1}{2}\)の場合

    (式1)は

    (式1)
    =\( \frac{ e^{-\frac{z}{2}}}{2^{\frac{m}{2}}Γ(\frac{m}{2})} \)\(\displaystyle \int_{0}^{z} (z-x)^{\frac{m}{2}-1}) dx\)
    =\( \frac{ e^{-\frac{z}{2}}}{2^{\frac{m}{2}}Γ(\frac{m}{2})} \)\(\frac{2}{m+1}\left[(z-x)^{\frac{m+1}{2}}\right]_0^z\)
    =\( \frac{ e^{-\frac{z}{2}}}{2^{\frac{m}{2}}Γ(\frac{m}{2})}\)\(\frac{2}{m+1} z^{\frac{m+1}{2}} \)

    何とか、積分できました!

    ➃畳み込み積分(χ2乗分布と正規分布)

    例題

    2つの関数
    ●\(f(x)\)=\( e^{\frac{1}{2}x^2} \)
    ●\(g_m(y)\)=\(\frac{1}{2^{\frac{m}{2}}Γ(\frac{m}{2})} y^{\frac{m}{2}-1} e^{-\frac{1}{2}y}\) (\(y\) ≥ 0)
    において、Z=X+Yを満たす確率密度関数\(h(z)\)を作れ。

    難しい!と思ってしまいますが、落ち着いて解きましょう。次の3stepで解いていきます。

    1. 畳み込み積分の式を作る
    2. 積分区間を確認(ここが一番難しい)
    3. 積分区間の場合分けに合わせて丁寧に計算

    解法step1(畳み込み積分の式を作る)

    \( h(x)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(t)g(x-t)dt \)

    \((t)+(x-t)=x\)の関係が成り立っています。

    解法step2(積分区間を確認)

    x,yの制約条件は 0 ≤ yです。

    結局、積分できないオチなので、不定積分を見ていきましょう。

    解法step3(積分計算)

    不定積分だけ考えて、畳み込み積分をします。

    \( h(z)= \displaystyle \int_{}^{} f(x)g_m(z-x)dx \)
    \(= \displaystyle \int_{}^{} e^{-\frac{1}{2}x^2} g_m(z-x)dx \)
    \(= \frac{1}{2^{\frac{m}{2}}Γ(\frac{m}{2})} \displaystyle \int_{}^{} (z-x)^{\frac{m}{2}-1} e^{-\frac{1}{2}(z-x)} e^{-\frac{1}{2}x^2} dx\)

    問題がありまして、

    \(\displaystyle \int_{}^{} (z-x)^{\frac{m}{2}-1} e^{-\frac{1}{2}(z-x)} e^{-\frac{1}{2}x^2} dx\)
    が積分困難!

    これ以上は解析が困難です。なので、χ2乗分布と正規分布の畳み込み積分は考えなくてもよいとわかります。

    畳み込み積分は1つの解法で、さまざまな分布関数を代入できるのですが、積分ができる・できない場合があります。教科書では、積分ができる場合のみ解説していますが、事例が少ないため理解が十分できない問題があります。

    QCプラネッツでは積分ができない場合も記事で解説しています。

    χ2乗分布では、ごく一部の指数分布のみ畳み込み積分ができることがわかりました。

    いろいろな関数を使って畳み込み積分を見て慣れていきましょう!

    本記事の内容は、ほぼ高校数学で解けましたね!

    まとめ

    「畳み込み積分がよくわかる(χ2乗分布と他の分布関数)」を解説しました。

    • ①畳み込み積分とは
    • ➁畳み込み積分(χ2乗分布と一様分布)
    • ➂畳み込み積分(χ2乗分布と指数分布)
    • ➃畳み込み積分(χ2乗分布と正規分布)

  • 畳み込み積分がよくわかる(χ2乗分布どうし)

    畳み込み積分がよくわかる(χ2乗分布どうし)

    「畳み込み積分が、わからない、解けない?」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    畳み込み積分がよくわかる(χ2乗分布どうし)
    • ①畳み込み積分とは
    • ➁畳み込み積分(X+Y=Z)
    • ➂畳み込み積分(X-Y=Z)は計算できない
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    QC検定®1級合格したい方、QCに必要な数学をしっかり学びたい方におススメです。
    QC検定®1級、2級、統計検定2級以上の数学スキルを磨くのに苦戦していませんか? 広大すぎる統計学、微分積分からQC・統計に勝てるための60題に厳選した問題集を紹介します。是非ご購入いただき、勉強してスキルを高めましょう。

    ①畳み込み積分とは

    畳み込み積分の基本をまとめた関連記事を確認ください。
    簡単にわかる解説と、身近な事例を挙げています。高校数学で理解できるレベルなので安心ください。

    畳み込み積分がよくわかる(一様分布どうし)
    畳み込み積分が計算できますか?本記事では畳み込み積分のイメージを高校数学を使ってわかりやすく解説し、さらに一様分布を使った畳み込み積分の計算を途中経過を一切端折らずに解説しています。畳み込み積分の計算ができず困っている方は必見です。

    ➁畳み込み積分(X+Y=Z)

    χ2乗分布どうしの畳み込み積分を解析します。ちょっと難しいけど、

    ●χ2乗分布の確率分布関数に慣れよう!
    ●Γ(ガンマ)関数やB(ベータ)関数に慣れよう!

    畳み込み積分の解析方法は、たとえ関数が複雑でも同じです。

    例題

    2つの関数
    ●\(f_n(x)\)=\(\frac{1}{2^{\frac{n}{2}}Γ(\frac{n}{2})} x^{\frac{n}{2}-1} e^{-\frac{1}{2}x}\) (\(x\) ≥ 0)
    ●\(f_m(y)\)=\(\frac{1}{2^{\frac{n}{2}}Γ(\frac{n}{2})} y^{\frac{n}{2}-1} e^{-\frac{1}{2}y}\) (\(y\) ≥ 0)
    において、Z=X+Yを満たす確率密度関数\(h(z)\)を作れ。

    難しい!と思ってしまいますが、落ち着いて解きましょう。次の3stepで解いていきます。

    1. 畳み込み積分の式を作る
    2. 積分区間を確認(ここが一番難しい)
    3. 積分区間の場合分けに合わせて丁寧に計算

    解法step1(畳み込み積分の式を作る)

    \( h(x)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(t)g(x-t)dt \)

    \((t)+(x-t)=x\)の関係が成り立っています。

    解法step2(積分区間を確認)

    x,yの制約条件は 0 ≤ x ≤ T, 0 ≤ yです。

    領域を図示します。

    畳み込み積分3-1

    その領域内で z=x+yを考えます。

    z=x+yをy=-x+zとして、xy平面で傾き-1,y切片zの直線を考える

    畳み込み積分2-2

    y=-x+zが積分領域内にどう入るかによって場合分けを網羅する!

    すると、下図のように積分パターンは2パターンに場合分けされます。

    畳み込み積分3-2

    ●①は(x,y)=(0,0)以上 (つまり0 ≤ z)なので、図のように、x=0~zの区間で積分
    ●➁は(x,y)=(0,0)以下(つまりz ≤ 0)で、積分領域外なので、h(z)=0
    より①だけ積分すればよいわけですね。

    難しそうに見えますが、この場合分けも高校数学、領域のところで学ぶ内容です。

    x,yの積分領域に制限があると、畳み込み積分は場合分けして積分しないといけない面倒臭さがあります。

    解法step3(積分計算)

    積分区間は全領域[o,z]で、畳み込み積分をします。

    \( h(z)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f_n(x)f_m(z-x)dx \)
    \(= \displaystyle \int_{0}^{z} f_n(x)f_m(z-x)dx \)
    \(=\displaystyle \int_{0}^{z} \)\(\frac{1}{2^{\frac{n}{2}}Γ(\frac{n}{2})} x^{\frac{n}{2}-1} e^{-\frac{1}{2}x}\) \(\frac{1}{2^{\frac{m}{2}}Γ(\frac{m}{2})} (z-x)^{\frac{m}{2}-1} e^{-\frac{1}{2}(z-x)} dx\)
    =(式1)

    xに関係のない、定数項やzを∫の前に出しましょう。
    (式1)
    \(= \frac{1}{2^{\frac{n+m}{2}}Γ(\frac{n}{2})Γ(\frac{m}{2})} e^{-\frac{1}{2}z}\)\(\displaystyle \int_{0}^{z} \)\( x^{\frac{n}{2}-1} (z-x)^{\frac{m}{2}-1}dx\)
    =(式2)

    さらに、ここで、\(u=\frac{x}{z}\)と置いて、
    ●\(dx=zdu\)
    ●積分区間 0~z ⇒ 0~1
    に変えて、積分の式をベータ関数表記に持ち込みます。(積分計算が難しいので、他の関数に置き換えるなどの工夫するところが大学数学の難しいところですね。)

    (式2)
    \(= \frac{1}{2^{\frac{n+m}{2}}Γ(\frac{n}{2})Γ(\frac{m}{2})} e^{-\frac{1}{2}z}\)\(\displaystyle \int_{0}^{1} \)\( (uz)^{\frac{n}{2}-1} (z(1-u))^{\frac{m}{2}-1}dx\)
    \(= \frac{1}{2^{\frac{n+m}{2}}Γ(\frac{n}{2})Γ(\frac{m}{2})} e^{-\frac{1}{2}z} z^{\frac{n+m}{2}-1}\)\(\displaystyle \int_{0}^{1} \)\( u^{\frac{n}{2}-1} (1-u)^{\frac{m}{2}-1}du\)
    =(式3)

    ここで、ベータ関数を導入します。
    \(B(\frac{n}{2},\frac{m}{2})\)=\(\displaystyle \int_{0}^{1} \)\( u^{\frac{n}{2}-1} (1-u)^{\frac{m}{2}-1}du\)
    (式3)に代入すると

    (式3)
    =\( \frac{1}{2^{\frac{n+m}{2}}Γ(\frac{n}{2})Γ(\frac{m}{2})} e^{-\frac{1}{2}z} z^{\frac{n+m}{2}-1}\)\(B(\frac{n}{2},\frac{m}{2}) \)
    =(式4)

    ここで、Γ(ガンマ)関数とB(ベータ)関数の関係を用いると
    \(B(\frac{n}{2},\frac{m}{2}) \)=\(\frac{Γ(\frac{n}{2})Γ(\frac{m}{2})}{Γ(\frac{n+m}{2})}\)
    となるので、(式4)に代入します。

    (式4)
    =\( \frac{1}{2^{\frac{n+m}{2}}} Γ(\frac{n+m}{2}) z^{\frac{n+m}{2}-1} e^{-\frac{1}{2}z}\)
    =\(f_{n+m}(x)\)
    =(式5)

    まとめると、

    \(f_{n+m}(x)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f_n(x)f_m(z-x)dx \)
    畳み込み積分すると和のすればよいという面白い結果になります。

    ➂畳み込み積分(X-Y=Z)は計算できない

     

    X+Y=ZからX-Y=Zに変えますが、解き方は全く同じです。でも端折らずに解説します。統計学は途中経過を端折ると読者が困ってしまいますから。

    計算は途中で終わりますが、そこまではやってみましょう。
    計算ができない問いは教科書に出て来ませんが、それでは理解が十分できません。

    例題

    2つの関数
    ●\(f_n(x)\)=\(\frac{1}{2^{\frac{n}{2}}Γ(\frac{n}{2})} x^{\frac{n}{2}-1} e^{-\frac{1}{2}x}\) (\(x\) ≥ 0)
    ●\(f_m(y)\)=\(\frac{1}{2^{\frac{n}{2}}Γ(\frac{n}{2})} y^{\frac{n}{2}-1} e^{-\frac{1}{2}y}\) (\(y\) ≥ 0)
    において、Z=X-Yを満たす確率密度関数\(h(z)\)を作れ。

    難しい!と思ってしまいますが、落ち着いて解きましょう。次の3stepで解いていきます。

    1. 畳み込み積分の式を作る
    2. 積分区間を確認(ここが一番難しい)
    3. 積分区間の場合分けに合わせて丁寧に計算

    解法step1(畳み込み積分の式を作る)

    \( h(x)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(t)g(t-x)dt \)

    \((t)-(t-x)=x\)の関係が成り立っています。

    解法step2(積分区間を確認)

    x,yの制約条件は 0 ≤ x ≤ T, 0 ≤ yです。

    領域を図示します。

    畳み込み積分3-1

    その領域内で z=x-yを考えます。

    z=x-yをy=x-zとして、xy平面で傾き1,y切片-zの直線を考える

    畳み込み積分2-5

    y=x-zが積分領域内にどう入るかによって場合分けを網羅する!

    すると、下図のように積分パターンは2パターンに場合分けされます。

    畳み込み積分3-5

    ●①は(x,y)=(0,0)以上 (つまり0 ≤ z)なので、図のように、x=0~∞の区間で積分
    ●➁は(x,y)=(0,0)以下(つまりz ≤ 0)で、図のように、x=-z~∞の区間で積分

    難しそうに見えますが、この場合分けも高校数学、領域のところで学ぶ内容です。

    解法step3(積分計算)

    積分区間の場合分けに関係なく、積分が途中までしかできないので、積分区間は全領域[o,∞]の場合のみについて、畳み込み積分をします。

    \( h(z)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f_n(x)f_m(x-z)dx \)
    \(= \displaystyle \int_{0}^{\infty } f_n(x)f_m(x-z)dx \)
    \(=\displaystyle \int_{0}^{\infty } \)\(\frac{1}{2^{\frac{n}{2}}Γ(\frac{n}{2})} x^{\frac{n}{2}-1} e^{-\frac{1}{2}x}\) \(\frac{1}{2^{\frac{m}{2}}Γ(\frac{m}{2})} (x-z)^{\frac{m}{2}-1} e^{-\frac{1}{2}(x-z)} dx\)
    =(式1)

    xに関係のない、定数項やzを∫の前に出しましょう。
    (式1)
    \(= \frac{1}{2^{\frac{n+m}{2}}Γ(\frac{n}{2})Γ(\frac{m}{2})} e^{\frac{1}{2}z}\)\(\displaystyle \int_{0}^{\infty } \)\( x^{\frac{n}{2}-1} (x-z)^{\frac{m}{2}-1} e^{-x}dx\)
    =(式2)

    実は、(式2)の
    \(\displaystyle \int_{0}^{\infty } \)\( x^{\frac{n}{2}-1} (x-z)^{\frac{m}{2}-1} e^{-x}dx\)
    がこれ以上解析できません。

    なので、ここまでで終わってしまいます。

    まとめると、

    畳み込み積分は1つの解法で、さまざまな分布関数を代入できるのですが、積分ができる・できない場合があります。教科書では、積分ができる場合のみ解説していますが、事例が少ないため理解が十分できない問題があります。

    QCプラネッツでは積分ができない場合も記事で解説しています。

    いろいろな関数を使って畳み込み積分を見て慣れていきましょう!

    本記事の内容は、ほぼ高校数学で解けましたね!

    まとめ

    「畳み込み積分がよくわかる(畳み込み積分がよくわかる(正規分布と指数分布)」を解説しました。

    • ①畳み込み積分とは
    • ➁畳み込み積分(X+Y=Z)
    • ➂畳み込み積分(X-Y=Z)は計算できない

  • 畳み込み積分がよくわかる(正規分布と指数分布)

    畳み込み積分がよくわかる(正規分布と指数分布)

    「畳み込み積分が、わからない、解けない?」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    畳み込み積分がよくわかる(正規分布と指数分布)
    • ①畳み込み積分とは
    • ➁畳み込み積分(X+Y=Z)
    • ➂畳み込み積分(X-Y=Z)は(X+Y=Zと同じ結果になる!)
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    QC検定®1級合格したい方、QCに必要な数学をしっかり学びたい方におススメです。
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    ①畳み込み積分とは

    畳み込み積分の基本をまとめた関連記事を確認ください。
    簡単にわかる解説と、身近な事例を挙げています。高校数学で理解できるレベルなので安心ください。

    畳み込み積分がよくわかる(一様分布どうし)
    畳み込み積分が計算できますか?本記事では畳み込み積分のイメージを高校数学を使ってわかりやすく解説し、さらに一様分布を使った畳み込み積分の計算を途中経過を一切端折らずに解説しています。畳み込み積分の計算ができず困っている方は必見です。

    ➁畳み込み積分(X+Y=Z)

    正規分布と指数関数の畳み込み積分を解析します。計算を簡単にするため平均μ=0、標準偏差σ=1の正規分布で計算します。

    例題

    2つの関数
    ●\(f(x)\)= \( e^{-ax}\) (\(x\)の範囲によって場合分けを考える)
    ●\(g(y)\)= \(\frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-\frac{1}{2}y^2}\)
    において、Z=X+Yを満たす確率密度関数\(h(z)\)を作れ。

    難しい!と思ってしまいますが、落ち着いて解きましょう。次の3stepで解いていきます。

    1. 畳み込み積分の式を作る
    2. 積分区間を確認(ここが一番難しい)
    3. 積分区間の場合分けに合わせて丁寧に計算

    解法step1(畳み込み積分の式を作る)

    \( h(x)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(t)g(x-t)dt \)

    \((t)+(x-t)=x\)の関係が成り立っています。

    解法step2(積分区間を確認)

    yの制約条件はありませんが、
    xにおいては指数関数があるので2通り考えます。
    ●\(x\) : 全範囲
    ●\(x\) : 0 ≤ \(x\)

    積分区間は全領域[-∞,∞]と[0,∞]の2通りで、畳み込み積分をします。

    難しそうに見えますが、この場合分けも高校数学、領域のところで学ぶ内容です。

    解法step3(積分計算)

    積分区間は全領域[-∞,∞]と[0,∞]の2通りで、畳み込み積分をします。

    全領域[-∞,∞]の畳み込み積分

    \( h(z)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(x)g(z-x)dx \)

    =\(\frac{1}{\sqrt{2π}} \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} e^{-ax}・e^{-\frac{1}{2}(z-x)^2} dx \)
    =\(\frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-az+\frac{a^2}{2}}\displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} e^{-\frac{1}{2}(x-(z-a))^2} dx \)
    =(式1)

    ここで、 \(t=x-(z-a))\)とおくと、\(dt=dx\)より、

    (式1)
    =\(\frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-az+\frac{a^2}{2}}\displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} e^{-\frac{1}{2}t ^2} dt \)
    =(式2)

    ●ガウス積分
    \( \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} e^{-ax^2} dx \)=\(\frac{\sqrt{π}}{\sqrt{a}}\)
    \( a > 0 \)
    (教科書に載っていますし、是非証明してみてください。)

    を(式2)へ代入すると、
    (式2)
    =\(\frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-az+\frac{a^2}{2}} \sqrt{2π} \)
    =\( e^{-az+\frac{a^2}{2}} \)

    全領域[0,∞]の畳み込み積分

    積分区間が変わるだけです。

    \( h(z)= \displaystyle \int_{0}^{\infty} f(x)g(z-x)dx \)

    =\(\frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-az+\frac{a^2}{2}}\displaystyle \int_{0}^{\infty} e^{-\frac{1}{2}(x-(z-a))^2} dx \)
    =(式1)

    ここで、 \(t=x-(z-a))\)とおくと、\(dt=dx\)より、

    (式1)
    =\(\frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-az+\frac{a^2}{2}}\displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} e^{-\frac{1}{2}t ^2} dt \)
    =(式2)

    ●ガウス積分
    \( \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} e^{-ax^2} dx \)=\(\frac{\sqrt{π}}{\sqrt{a}}\)
    \( a > 0 \)
    (教科書に載っていますし、是非証明してみてください。)

    を(式2)へ代入すると、
    (式2)
    =\(\frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-az+\frac{a^2}{2}} \frac{\sqrt{2π}}{2} \)
    =\( \frac{1}{2} (e^{-az+\frac{a^2}{2}}) \)

    正規分布と指数関数の畳み込み積分は指数関数に係数が追加された感じになりましたね!

    ➂畳み込み積分(X-Y=Z)は(X+Y=Zと同じ結果になる!)

    X+Y=ZからX-Y=Zに変えますが、解き方は全く同じです。でも端折らずに解説します。統計学は途中経過を端折ると読者が困ってしまいますから。

    正規分布と指数関数の畳み込み積分を解析します。計算を簡単にするため平均μ=0、標準偏差σ=1の正規分布で計算します。

    例題

    2つの関数
    ●\(f(x)\)= \( e^{-ax}\) (\(x\)の範囲によって場合分けを考える)
    ●\(g(y)\)= \(\frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-\frac{1}{2}y^2}\)
    において、Z=X-Yを満たす確率密度関数\(h(z)\)を作れ。

    難しい!と思ってしまいますが、落ち着いて解きましょう。次の3stepで解いていきます。

    1. 畳み込み積分の式を作る
    2. 積分区間を確認(ここが一番難しい)
    3. 積分区間の場合分けに合わせて丁寧に計算

    解法step1(畳み込み積分の式を作る)

    \( h(x)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(t)g(t-x)dt \)

    \((t)-(t-x)=x\)の関係が成り立っています。

    解法step2(積分区間を確認)

    yの制約条件はありませんが、
    xにおいては指数関数があるので2通り考えます。
    ●\(x\) : 全範囲
    ●\(x\) : 0 ≤ \(x\)

    積分区間は全領域[-∞,∞]と[0,∞]の2通りで、畳み込み積分をします。

    難しそうに見えますが、この場合分けも高校数学、領域のところで学ぶ内容です。

    解法step3(積分計算)

    積分区間は全領域[-∞,∞]と[0,∞]の2通りで、畳み込み積分をします。

    全領域[-∞,∞]の畳み込み積分

    \( h(z)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(x)g(x-z)dx \)

    =\(\frac{1}{\sqrt{2π}} \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} e^{-ax}・e^{-\frac{1}{2}(z-x)^2} dx \)
    ここで、よく見ると \((z-x)^2\)=\((x-z)^2\)ですから、実は、Z=X+Yの畳み込み積分と同じ結果になります。

    以下は➁Z=X+Yの畳み込み積分と同じ解説なので、割愛して、結果だけ書くと

    \(h(x)= e^{-az+\frac{a^2}{2}} \)

    全領域[0,∞]の畳み込み積分

    積分区間が変わるだけです。

    以下は➁Z=X+Yの畳み込み積分と同じ解説なので、割愛して、結果だけ書くと

    \(h(x)= \frac{1}{2} ( e^{-az+\frac{a^2}{2}} )\)

    正規分布と指数関数の畳み込み積分は指数関数に係数が追加された感じになりましたね!

    いろいろな関数を使って畳み込み積分を見て慣れていきましょう!

    本記事の内容は、ほぼ高校数学で解けましたね!

    まとめ

    「畳み込み積分がよくわかる(畳み込み積分がよくわかる(正規分布と指数分布)」を解説しました。

    • ①畳み込み積分とは
    • ➁畳み込み積分(X+Y=Z)
    • ➂畳み込み積分(X-Y=Z)は(X+Y=Zと同じ結果になる!)

  • 畳み込み積分がよくわかる(正規分布と一様分布)

    畳み込み積分がよくわかる(正規分布と一様分布)

    「畳み込み積分が、わからない、解けない?」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    畳み込み積分がよくわかる(正規分布と一様分布)
    • ①畳み込み積分とは
    • ➁畳み込み積分(X+Y=ZとX-Y=Zは同じ結果)
    • ➂一様分布の範囲有無による結果の違い
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    ①畳み込み積分とは

    畳み込み積分の基本をまとめた関連記事を確認ください。
    簡単にわかる解説と、身近な事例を挙げています。高校数学で理解できるレベルなので安心ください。

    畳み込み積分がよくわかる(一様分布どうし)
    畳み込み積分が計算できますか?本記事では畳み込み積分のイメージを高校数学を使ってわかりやすく解説し、さらに一様分布を使った畳み込み積分の計算を途中経過を一切端折らずに解説しています。畳み込み積分の計算ができず困っている方は必見です。

    ➁畳み込み積分(X+Y=ZとX-Y=Zは同じ結果)

    正規分布(簡単のため、平均μ=0、標準偏差σ=1)と一様分布の畳み込み積分を考えます。

    例題

    2つの関数
    ●\(f(x)\)= \( a \) (0 ≤ \(x\) ≤ T)
    ●\(g(y)\)= \(\frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-\frac{1}{2}y^2}\)
    において、Z1=X+Y,Z2=X-Yを満たす確率密度関数\(h1(z)\), \(h2(z)\),を作れ。

    難しい!と思ってしまいますが、落ち着いて解きましょう。次の3stepで解いていきます。

    1. 畳み込み積分の式を作る
    2. 積分区間を確認(ここが一番難しい)
    3. 積分区間の場合分けに合わせて丁寧に計算

    解法step1(畳み込み積分の式を作る)

    Z1=X+Y の場合

    \( h(x)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(t)g(x-t)dt \)

    \((t)+(x-t)=x\)の関係が成り立っています。

    Z2=X-Y の場合

    \( h(x)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(t)g(t-x)dt \)

    \((t)-(t-x)=x\)の関係が成り立っています。

    解法step2(積分区間を確認)

    あとで解説しますが、

    正規分布と一様分布の畳み込み積分は一様分布の範囲の有無によって結果が変わります。

    そのため、2通り解析します。

    1. 範囲なし:[-∞、∞]
    2. 範囲限定:0 ≤ \(x\) ≤ T)

    解法step3(積分計算)

    畳み込み積分

    Z1=X+YもZ2=X-Yも同じ式になります。

    Z1=X+Y の場合

    一旦積分区間を[-∞、∞]で記述します。あとで、場合分けします。

    \( h1(z)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(x)g(z-x)dx \)
    =\(\displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} a・\frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-\frac{1}{2}(z-x)^2} dx \)
    =(式1)

    Z2=X-Y の場合

    一旦積分区間を[-∞、∞]で記述します。あとで、場合分けします。

    \( h2(z)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(x)g(x-z)dx \)
    =\(\displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} a・\frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-\frac{1}{2}(x-z)^2} dx \)
    =\(\displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} a・\frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-\frac{1}{2}(z-x)^2} dx \)
    =(式1)
    と同じ式になります。

    Z1,Z2は同じ結果なので、以後、(式1)を
    \(\displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} a・\frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-\frac{1}{2}(x-z)^2} dx \)
    で、見ていきます。

    (式1)は
    \(x-z=t\)として、dx=dtとなります。代入すると、

    (式1)
    =\(\displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} a・\frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-\frac{1}{2}t^2} dt \)
    =(式2)
    となります。

    ここで、ガウス積分を考えると、

    ●ガウス積分
    \( \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} e^{-ax^2} dx \)=\(\frac{\sqrt{π}}{\sqrt{a}}\)
    \( a > 0 \)
    (教科書に載っていますし、是非証明してみてください。)

    積分区間が[-∞、∞]の場合のみ、(式2)の複雑な∫の部分が定量化できますが、
    積分区間が有限の場合は、(式2)の複雑な∫の部分が式のまま残ります。

    ここが、場合分けが必要になる部分です。

    ➂一様分布の範囲有無による結果の違い

    2つの場合がありました。

    1. 範囲なし:[-∞、∞]
    2. 範囲限定:0 ≤ \(x\) ≤ T)

    範囲なし:[-∞、∞]の場合

    (式2)を計算すると
    (式2)= \(\displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} a・\frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-\frac{1}{2}t^2} dt \)
    =\(a\)

    となり、一様分布と正規分布を畳み込み積分すると、一様分布が出て来る結果となります。畳み込み積分した感じがでませんね。

    教科書で出ないけど、実際に解析すると、うまくいく畳み込み積分とそうでないものがあることがわかりますね。

    範囲限定:0 ≤ \(x\) ≤ T)

    一様分布は基本、「ある区間だけ一定の値で、それ以外の区間は0」です。

    でもこれが、積分できない理由でもあります。

    一様分布における区間の場合分けは関連記事に書いていますので、ご確認ください。

    畳み込み積分がよくわかる(一様分布と指数分布)
    畳み込み積分が計算できますか?本記事では畳み込み積分のイメージを高校数学を使ってわかりやすく解説し、さらに一様分布と指数分布を組み合わせた畳み込み積分の計算を途中経過を一切端折らずに解説しています。 畳み込み積分の計算ができず困っている方は必見です。

    具体的には、下図の①➁➂の①➁で場合分けします。

    畳み込み積分2-3

    ①の場合

    ●①は(x,y)=(T,0)より上(つまりT ≤ z)なので、上図のように、x=0~Tの区間で積分
    (式2)= \(\displaystyle \int_{-z}^{T-z} a・\frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-\frac{1}{2}t^2} dt \)
    (ここで、t=x-zと変換しているので、0~Tではなく、 -z~T-zに注意!)

    この式はこれ以上変形できません。

    ➁の場合

    ●➁は(x,y)=(0,0)以上①以下(つまり0 ≤ z ≤T)なので、図のように、x=0~zの区間で積分
    (式2)= \(\displaystyle \int_{-z}^{0} a・\frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-\frac{1}{2}t^2} dt \)
    (ここで、t=x-zと変換しているので、0~zではなく、 -z~0に注意!)

    この式はこれ以上変形できません。

    一様分布は基本有限区間で定義するので、正規分布と一様分布の畳み込み積分しても計算結果がすっきりしません。だから教科書では出て来ません。なので、QCプラネッツの方で解説しました。

    計算結果によらず、いろいろな関数を使って畳み込み積分を見て慣れていきましょう!

    本記事の内容は、ほぼ高校数学で解けましたね!

    まとめ

    「畳み込み積分がよくわかる(正規分布と一様分布)」を解説しました。

    • ①畳み込み積分とは
    • ➁畳み込み積分(X+Y=ZとX-Y=Zは同じ結果)
    • ➂一様分布の範囲有無による結果の違い

  • 畳み込み積分がよくわかる(ポアソン分布と他の分布関数)

    畳み込み積分がよくわかる(ポアソン分布と他の分布関数)

    「畳み込み積分が、わからない、解けない?」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    畳み込み積分がよくわかる(ポアソン分布と他の分布関数)
    • ①畳み込み積分とは
    • ➁ポアソン分布と他の分布関数は畳み込み積分がほとんどできない
    • ➂畳み込み積分ができない理由
    • ➃一様分布となら畳み込み積分ができる
    • ➄畳み込み積分(X+Y=Z)
    • ⑥畳み込み積分(X-Y=Z)
    教科書では、ポアソン分布どうしの畳み込み積分がさらっと書いているけど、他の関数とは畳み込み積分できるのか?とか気になりませんか?
    実際、計算するとうまく行かない結果を本記事で解説します!
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    ①畳み込み積分とは

    畳み込み積分の基本をまとめた関連記事を確認ください。
    簡単にわかる解説と、身近な事例を挙げています。高校数学で理解できるレベルなので安心ください。

    畳み込み積分がよくわかる(一様分布どうし)
    畳み込み積分が計算できますか?本記事では畳み込み積分のイメージを高校数学を使ってわかりやすく解説し、さらに一様分布を使った畳み込み積分の計算を途中経過を一切端折らずに解説しています。畳み込み積分の計算ができず困っている方は必見です。

    ➁ポアソン分布と他の分布関数は畳み込み積分がほとんどできない

    他の分布関数

    列挙すると、
    ●一様分布
    ●指数分布
    ●正規分布
    ●χ2分布
    と統計学でよく使う分布関数で
    ポアソン分布との畳み込み積分をやってみます

    ポアソン分布と他の分布関数は畳み込み積分がほとんどできない

    計算した結果です。

    ポアソン分布
    一様分布
    指数分布 ×
    正規分布 ×
    ポアソン分布
    χ2分布 ×

    ほとんど他の分布関数とは相性がわるいですね。一様分布の限定的な条件くらいです。

    ➂畳み込み積分ができない理由

    ポアソン分布の式が原因

    \(f(x)= \sum_{k=0}^{n} e^{-λ} \frac{λ^k}{k!}\)
    で特に、
    \( \sum_{k=0}^{n} \frac{λ^k}{k!}\)との相性が悪い

    たとえば、指数関数、正規分布などの\(e^{-x}\)、\(e^{-x^2}\)を積して積分や和を求めようとしても
    \( \sum_{k=0}^{n} \frac{λ^k}{k!} e^{-k}\) とか
    \( \sum_{k=0}^{n} \frac{λ^k}{k!} e^{-k^2}\)とか
    がどうしても計算できません。

    χ2分布も同様に、もっと複雑な式なので計算が困難な理由は想像できますよね。

    計算ができないパターンがあることは、意外と教科書には書いていません。畳み込み積分ができるパターンのみ、解説しているので、あたかも何でも畳み込み積分できそうですが、実際やってみるとそうではないことがわかります。

    なので、試した結果をブログで解説しています。

    ➃一様分布となら畳み込み積分ができる

    1つ注意点がある

    一様分布はポアソン分布と畳み込み積分ができますが
    ●注意が不要な場合:\( f(x)=a (全領域でa)\)
    ●注意が必要な場合:\( f(x)=a \) (\(x_1\) ≤ \(x\) ≤ \(x_2\))と範囲が決まっている場合)
    となります。

    「●注意が必要な場合」の理由は

    \(f(x)= \sum_{k=0}^{n} e^{-λ} \frac{λ^k}{k!}\)
    で特に、
    \( \sum_{k=0}^{n}\)の和の範囲が一様分布によって限定になるから

    実際に畳み込み積分やってみましょう。

    ➄畳み込み積分(X+Y=Z)

    ポアソン分布と一様分布の畳み込み積分を解析します。ポアソン分布は1つ注意する特徴があります。

    積分∫ができない(和∑しかできない)。

    ポアソン分布の式
    \(f(x)= \sum_{k=0}^{n} e^{-λ} \frac{λ^k}{k!}\)
    のkの値が整数なため、連続関数ではありません。

    連続関数ではないので積分∫ができません。当たり前だけど、意外と忘れがちです。

    例題

    2つの関数
    ●\(f(x)= \sum_{k=0}^{n} e^{-λ} \frac{λ^k}{k!}\)
    ●\(g1(y)= a \)
    または
    ●\(g2(y)= a\) (\(x_1\) ≤ \(x\) ≤ \(x_2\))
    において、Z=X+Yを満たす確率密度関数\(h(z)\)を作れ。

    難しい!と思ってしまいますが、落ち着いて解きましょう。次の3stepで解いていきます。

    1. 畳み込み積分の式を作る
    2. 積分ではなくて和区間を確認
    3. 和区間について丁寧に計算

    解法step1(畳み込み積分の式を作る)

    積分∫ができないので、和∑で計算します。

    \( h(n)= \sum_{k=1}^{n} f(k) g(n-k) \)

    \((k)+(n-k)=n\)の関係が成り立っています。

    積分ではなくて和区間を確認

    n,kの制約条件は整数です。

    和区間はk=0~nで、畳み込み積分(和の計算)をします。

    難しそうに見えますが、高校数学、領域のところで学ぶ内容です。

    和区間について丁寧に計算

    畳み込み積分(\(g1(y)= a \))

    \( h(n)= \sum_{k=0}^{n} f(k) g(n-k) \)
    =\(\sum_{k=0}^{n} e^{-λ} \frac{λ^k}{k!} ・a \)
    =\( a f(n) \)

    単なる h(n)=f(n)×g(n)=a×f(n)の積となりましたね。

    畳み込み積分(\(g2(y)= a\) (\(x_1\) ≤ \(x\) ≤ \(x_2\))

    \( h(n)= \sum_{k=x_1}^{x_2} f(k) g(n-k) \)
    =\(\sum_{ k=x_1}^{ x_2} e^{-λ} \frac{λ^k}{k!} ・a \)
    これ以上は計算できません。

    あとは、実際の\(x_1\)、\(x_2\)の値に合わせて計算するしかありません。

    ➂畳み込み積分(X-Y=Z)

    X+Y=ZからX-Y=Zに変えますが、解き方は全く同じです。

    例題

    2つの関数
    ●\(f(x)= \sum_{k=0}^{n} e^{-λ} \frac{λ^k}{k!}\)
    ●\(g1(y)= a \)
    または
    ●\(g2(y)= a\) (\(x_1\) ≤ \(x\) ≤ \(x_2\))
    において、Z=X-Yを満たす確率密度関数\(h(z)\)を作れ。

    難しい!と思ってしまいますが、落ち着いて解きましょう。次の3stepで解いていきます。

    1. 畳み込み積分の式を作る
    2. 積分ではなくて和区間を確認
    3. 和区間について丁寧に計算

    解法step1(畳み込み積分の式を作る)

    積分∫ができないので、和∑で計算します。

    \( h(n)= \sum_{k=1}^{n} f(k) g(k-n) \)

    \((k)-(k-n)=n\)の関係が成り立っています。

    積分ではなくて和区間を確認

    n,kの制約条件は整数です。

    和区間はk=0~nで、畳み込み積分(和の計算)をします。

    難しそうに見えますが、高校数学、領域のところで学ぶ内容です。

    和区間について丁寧に計算

    畳み込み積分(\(g1(y)= a \)

    \( h(n)= \sum_{k=0}^{n} f(k) g(k-n) \)
    =\(\sum_{k=0}^{n} e^{-λ} \frac{λ^k}{k!} ・a \)
    =\( a f(n) \)

    単なる h(n)=f(n)×g(n)=a×f(n)の積となりましたね。

    畳み込み積分(\(g2(y)= a\) (\(x_1\) ≤ \(x\) ≤ \(x_2\)))

    \( h(n)= \sum_{k=x_1}^{x_2} f(k) g(k-n) \)
    =\(\sum_{ k=x_1}^{ x_2} e^{-λ} \frac{λ^k}{k!} ・a \)
    これ以上は計算できません。

    g(x)が一様分布なので、畳み込み積分Z=X+YとZ=X-Yは同じ結果になります。
    実際にやってみると、計算結果がよくわかりましたね!

    いろいろな関数を使って畳み込み積分を見て慣れていきましょう!

    本記事の内容は、ほぼ高校数学で解けましたね!

    まとめ

    「畳み込み積分がよくわかる(ポアソン分布と他の分布関数)」を解説しました。

    • ①畳み込み積分とは
    • ➁ポアソン分布と他の分布関数は畳み込み積分がほとんどできない
    • ➂畳み込み積分ができない理由
    • ➃一様分布となら畳み込み積分ができる
    • ➄畳み込み積分(X+Y=Z)
    • ⑥畳み込み積分(X-Y=Z)

  • 畳み込み積分がよくわかる(ポアソン分布どうし、再生性)

    畳み込み積分がよくわかる(ポアソン分布どうし、再生性)

    「畳み込み積分が、わからない、解けない?」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    畳み込み積分がよくわかる(ポアソン分布どうし、再生性)
    • ①畳み込み積分とは
    • ➁畳み込み積分(X+Y=Z)
    • ➂畳み込み積分(X-Y=Z)(やってみたけど計算できません!)
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    ①畳み込み積分とは

    畳み込み積分の基本をまとめた関連記事を確認ください。
    簡単にわかる解説と、身近な事例を挙げています。高校数学で理解できるレベルなので安心ください。

    畳み込み積分がよくわかる(一様分布どうし)
    畳み込み積分が計算できますか?本記事では畳み込み積分のイメージを高校数学を使ってわかりやすく解説し、さらに一様分布を使った畳み込み積分の計算を途中経過を一切端折らずに解説しています。畳み込み積分の計算ができず困っている方は必見です。

    ➁畳み込み積分(X+Y=Z)

    ポアソン分布どうしの畳み込み積分を解析します。ポアソン分布は1つ注意する特徴があります。

    積分∫ができない(和∑しかできない)。

    ポアソン分布の式
    \(f(x=n)= \sum_{k=0}^{n} e^{-λ} \frac{λ^k}{k!}\)
    のkの値が整数なため、連続関数ではありません。

    連続関数ではないので積分∫ができません。当たり前だけど、意外と忘れがちです。

    例題

    2つの関数
    ●\(f(x=n)= \sum_{k=0}^{n} e^{-λ} \frac{λ^k}{k!}\)
    ●\(g(y=n)= \sum_{k=0}^{n} e^{-μ} \frac{μ^k}{k!}\)
    において、Z=X+Yを満たす確率密度関数\(h(z)\)を作れ。

    難しい!と思ってしまいますが、落ち着いて解きましょう。次の3stepで解いていきます。

    1. 畳み込み積分の式を作る
    2. 積分ではなくて和区間を確認
    3. 和区間について丁寧に計算

    解法step1(畳み込み積分の式を作る)

    積分∫ができないので、和∑で計算します。

    \( h(n)= \sum_{k=1}^{n} f(k) g(n-k) \)

    \((k)+(n-k)=n\)の関係が成り立っています。

    積分ではなくて和区間を確認

    n,kの制約条件は整数です。

    和区間はk=0~nで、畳み込み積分(和の計算)をします。

    難しそうに見えますが、高校数学、領域のところで学ぶ内容です。

    和区間について丁寧に計算

    畳み込み積分

    \( h(n)= \sum_{k=0}^{n} f(k) g(n-k) \)
    =\(\sum_{k=0}^{n} e^{-λ} \frac{λ^k}{k!} ・e^{-μ} \frac{μ^{n-k}}{(n-k)!} \)
    =\( e^{-(λ+μ)} \frac{1}{n!}\sum_{k=0}^{n} \frac{n!}{k!(n-k)!} λ^k μ^{n-k} \)
    =(式1)

    ここで、(式1)の\(\sum_{k=0}^{n} \frac{n!}{k!(n-k)!} λ^k μ^{n-k} \)は二項定理より
    \(\sum_{k=0}^{n} \frac{n!}{k!(n-k)!} λ^k μ^{n-k} \)=\((λ+μ)^n\)
    これを(式1)に代入すると

    (式1)
    =\( e^{-(λ+μ)} \frac{(λ+μ)^n}{n!} \)
    となり、 これもよく見るとポアソン分布の式でしかも、λ+μを変数とした場合です。

    これが、再生性があるという意味ですね。

    ポアソン分布どうしをX+Yで畳み込み積分すると、X+Yを変数とするポアソン分布の関数ができる

    ➂畳み込み積分(X-Y=Z)(計算できません!)

    X+Y=ZからX-Y=Zに変えますが、解き方は全く同じです。ただし途中までしか計算ができません。

    畳み込み積分で出て来る関数は、実は限定的で計算できるものだけです。これを知らないとどんな分布関数の組み合わせも畳み込み積分ができると思い込んでしまいます。

    例題

    2つの関数
    ●\(f(x=n)= \sum_{k=0}^{n} e^{-λ} \frac{λ^k}{k!}\)
    ●\(g(y=n)= \sum_{k=0}^{n} e^{-μ} \frac{μ^k}{k!}\)
    において、Z=X-Yを満たす確率密度関数\(h(z)\)を作れ。

    難しい!と思ってしまいますが、落ち着いて解きましょう。次の3stepで解いていきます。

    1. 畳み込み積分の式を作る
    2. 積分ではなくて和区間を確認
    3. 和区間について丁寧に計算

    解法step1(畳み込み積分の式を作る)

    積分∫ができないので、和∑で計算します。

    \( h(n)= \sum_{k=1}^{n} f(k) g(k-n) \)

    \((k)-(k-n)=n\)の関係が成り立っています。

    積分ではなくて和区間を確認

    n,kの制約条件は整数です。

    和区間はk=0~nで、畳み込み積分(和の計算)をします。

    難しそうに見えますが、高校数学、領域のところで学ぶ内容です。

    和区間について丁寧に計算

    畳み込み積分

    \( h(n)= \sum_{k=0}^{n} f(k) g(k-n) \)
    =\(\sum_{k=0}^{n} e^{-λ} \frac{λ^k}{k!} ・e^{-μ} \frac{μ^{ k-n }}{( k-n)!} \)
    =\( e^{-(λ+μ)} \sum_{k=0}^{n} \frac{1}{k!(k-n)!} λ^k μ^{k-n} \)
    =(式1)

    ここで、(式1)の\(\sum_{k=0}^{n} \frac{1}{k!(k-n)!} λ^k μ^{k-n} \)が
    計算(式変形)がこれ以上できません。

    ポアソン分布どうしをX-Yで畳み込み積分すると、よくわからない式の途中変形で終わってしまう。
    ポアソン分布のX-Yの畳み込み積分は教科書では出て来ませんが、実際にやってみるとどうなるかはよくわかりましたね!

    いろいろな関数を使って畳み込み積分を見て慣れていきましょう!

    本記事の内容は、ほぼ高校数学で解けましたね!

    まとめ

    「畳み込み積分がよくわかる(畳み込み積分がよくわかる(ポアソン分布どおし、再生性))」を解説しました。

    • ①畳み込み積分とは
    • ➁畳み込み積分(X+Y=Z)
    • ➂畳み込み積分(X-Y=Z)( やってみたけど計算できません!)

  • 畳み込み積分がよくわかる(正規分布どうし、再生性)

    畳み込み積分がよくわかる(正規分布どうし、再生性)

    「畳み込み積分が、わからない、解けない?」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    畳み込み積分がよくわかる(正規分布どうし、再生性)
    • ①畳み込み積分とは
    • ➁畳み込み積分(X+Y=Z)
    • ➂畳み込み積分(X-Y=Z)
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    ①畳み込み積分とは

    畳み込み積分の基本をまとめた関連記事を確認ください。
    簡単にわかる解説と、身近な事例を挙げています。高校数学で理解できるレベルなので安心ください。

    畳み込み積分がよくわかる(一様分布どうし)
    畳み込み積分が計算できますか?本記事では畳み込み積分のイメージを高校数学を使ってわかりやすく解説し、さらに一様分布を使った畳み込み積分の計算を途中経過を一切端折らずに解説しています。畳み込み積分の計算ができず困っている方は必見です。

    ➁畳み込み積分(X+Y=Z)

    正規分布どうしの畳み込み積分を解析します。これがいわゆる「再生性」を確認する計算になります。計算を簡単にするため平均μ=0、標準偏差σ=1の正規分布で計算します。

    例題

    2つの関数
    ●\(f(x)\)= \(\frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-\frac{1}{2}x^2}\)
    ●\(g(y)\)= \(\frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-\frac{1}{2}y^2}\)
    において、Z=X+Yを満たす確率密度関数\(h(z)\)を作れ。

    難しい!と思ってしまいますが、落ち着いて解きましょう。次の3stepで解いていきます。

    1. 畳み込み積分の式を作る
    2. 積分区間を確認(ここが一番難しい)
    3. 積分区間の場合分けに合わせて丁寧に計算

    解法step1(畳み込み積分の式を作る)

    \( h(x)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(t)g(x-t)dt \)

    \((t)+(x-t)=x\)の関係が成り立っています。

    解法step2(積分区間を確認)

    x,yの制約条件はなく、全領域です。

    積分区間は全領域[-∞,∞]で、畳み込み積分をします。

    難しそうに見えますが、この場合分けも高校数学、領域のところで学ぶ内容です。

    解法step3(積分計算)

    畳み込み積分

    \( h(z)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(x)g(z-x)dx \)
    =\(\displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} \frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-\frac{1}{2}x^2}・\frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-\frac{1}{2}(z-x)^2} dx \)
    =\(\frac{1}{2π}\displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} e^{-\frac{1}{2}(2(x-\frac{z}{2})^2+\frac{z^2}{2})} dx \)
    =\(\frac{1}{2π} e^{-\frac{1}{2}・\frac{z^2}{2}} \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} e^{-\frac{1}{2}・2(x-\frac{z}{2})^2} dx \) ⇒(式1)

    ここで、
    \( \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} e^{-\frac{1}{2}・2(x-\frac{z}{2})^2} dx \)
    において、
    \(t=x-\frac{z}{2}\)とおくと、\(dt=dx\)なので、代入すると、
    \( \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} e^{-\frac{1}{2}・2t^2} dt \)

    この式は、ガウス積分となって
    \( \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} e^{-\frac{1}{2}・2t^2} dt \)=\(\sqrt{π}\)

    ●ガウス積分
    \( \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} e^{-ax^2} dx \)=\(\frac{\sqrt{π}}{\sqrt{a}}\) (\( a > 0 \))
    (教科書に載っていますし、是非証明してみてください。)

    (式1)は
    =\(\frac{1}{2\sqrt{π}} e^{-\frac{1}{2}・\frac{z^2}{2}} \)
    =\(\frac{1}{\sqrt{2π}・\sqrt{2}} e^{-\frac{(z-0)^2}{2(\sqrt{2})^2}} \)⇒(式2)

    平均μ、標準偏差σの正規分布の式は
    \(\frac{1}{\sqrt{2π}・σ} e^{-\frac{(z-μ)^2}{2σ^2}} \)
    ですから、(式2)は
    μ=0,σ=\(\sqrt{1+1}\)=\(\sqrt{2}\)
    を代入したものとなります。

    平均=0,標準偏差σ=1どうしの正規分布を畳み込み積分すると、
    平均=0+0=0,標準偏差σ=\(\sqrt{1+1}=\sqrt{2}\)の正規分布になる

    これは、正規分布の再生性という性質ですね。

    正規分布の再生性

    互いに独立なN(\(μ_1\),\(σ_1^2\))、N(\(μ_2\),\(σ_2^2\))の正規分布において、
    N(\(aμ_1+bμ_2\),\(a^2σ_1^2+b^2σ_2^2\))も正規分布になる

    証明は正規分布の式を変形していくので、煩雑ですが淡泊です。本記事では割愛します。

    正規分布どうしの畳み込み積分もできましたね!

    ➂畳み込み積分(X-Y=Z)

    X+Y=ZからX-Y=Zに変えますが、解き方は全く同じです。でも端折らずに解説します。統計学は途中経過を端折ると読者が困ってしまいますから。

    2つの関数
    ●\(f(x)\)= \(\frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-\frac{1}{2}x^2}\)
    ●\(g(y)\)= \(\frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-\frac{1}{2}y^2}\)
    において、Z=X-Yを満たす確率密度関数\(h(z)\)を作れ。

    難しい!と思ってしまいますが、落ち着いて解きましょう。次の3stepで解いていきます。

    1. 畳み込み積分の式を作る
    2. 積分区間を確認(ここが一番難しい)
    3. 積分区間の場合分けに合わせて丁寧に計算

    解法step1(畳み込み積分の式を作る)

    \( h(x)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(t)g(t-x)dt \)

    \((t)-(t-x)=x\)の関係が成り立っています。

    解法step2(積分区間を確認)

    x,yの制約条件はなく、全領域です。

    積分区間は全領域[-∞,∞]で、畳み込み積分をします。

    難しそうに見えますが、この場合分けも高校数学、領域のところで学ぶ内容です。

    解法step3(積分計算)

    \( h(z)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(x)g(z-x)dx \)
    =\(\displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} \frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-\frac{1}{2}x^2}・\frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-\frac{1}{2}(x-z)^2} dx \)
    =\(\displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} \frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-\frac{1}{2}x^2}・\frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-\frac{1}{2}(z-x)^2} dx \)
    となり、実は、

    Z=X+Yと同じ確率密度関数の式になります。

    なので、ここから先は、➁で解析した結果と同じになります。

    いろいろな関数を使って畳み込み積分を見て慣れていきましょう!

    本記事の内容は、ほぼ高校数学で解けましたね!

    まとめ

    「畳み込み積分がよくわかる(畳み込み積分がよくわかる(正規分布どおし、再生性))」を解説しました。

    • ①畳み込み積分とは
    • ➁畳み込み積分(X+Y=Z)
    • ➂畳み込み積分(X-Y=Z)

  • 畳み込み積分がよくわかる(指数分布と指数分布)

    畳み込み積分がよくわかる(指数分布と指数分布)

    「畳み込み積分が、わからない、解けない?」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    畳み込み積分がよくわかる(指数分布と指数分布)
    • ①畳み込み積分とは
    • ➁畳み込み積分(X+Y=Z)
    • ➂畳み込み積分(X-Y=Z)
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    QC検定®1級合格したい方、QCに必要な数学をしっかり学びたい方におススメです。
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    ①畳み込み積分とは

    畳み込み積分の基本をまとめた関連記事を確認ください。
    簡単にわかる解説と、身近な事例を挙げています。高校数学で理解できるレベルなので安心ください。

    畳み込み積分がよくわかる(一様分布どうし)
    畳み込み積分が計算できますか?本記事では畳み込み積分のイメージを高校数学を使ってわかりやすく解説し、さらに一様分布を使った畳み込み積分の計算を途中経過を一切端折らずに解説しています。畳み込み積分の計算ができず困っている方は必見です。

    ➁畳み込み積分(X+Y=Z)

    指数分布通しの場合、+の畳み込みをn回繰返すと、ガンマ分布の式が導出できます! 難しい式ですが、畳み込み積分を丁寧に解けば、できます! ガンマ分布を自分のものにしましょう。

    例題

    2つの関数
    ●\(f(x)\)= \(λ e^{-λx}\) (0 ≤ x) それ以外は0
    ●\(g(y)\)=\(λ e^{-λy}\) (0 ≤ y) それ以外は0
    において、Z=X+Yを満たす確率密度関数\(h(z)\)を作れ。

    難しい!と思ってしまいますが、落ち着いて解きましょう。次の3stepで解いていきます。

    1. 畳み込み積分の式を作る
    2. 積分区間を確認(ここが一番難しい)
    3. 積分区間の場合分けに合わせて丁寧に計算

    解法step1(畳み込み積分の式を作る)

    \( h(x)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(t)g(x-t)dt \)

    \((t)+(x-t)=x\)の関係が成り立っています。

    解法step2(積分区間を確認)

    x,yの制約条件は 0 ≤ x, 0 ≤ yです。

    領域を図示します。

    畳み込み積分3-1

    その領域内で z=x+yを考えます。

    z=x+yをy=-x+zとして、xy平面で傾き-1,y切片zの直線を考える

    畳み込み積分2-2

    y=-x+zが積分領域内にどう入るかによって場合分けを網羅する!

    すると、下図のように2パターン積分区間が変わります。

    畳み込み積分3-2

    ●①は(x,y)=(0,0)より上(つまり0 ≤ z)なので、図のように、x=0~zの区間で積分
    ●➁は(x,y)=(0,0)以下(つまりz ≤ 0)で、積分領域外なので、h(z)=0

    という2つの場合分けをして、畳み込み積分をします。

    難しそうに見えますが、この場合分けも高校数学、領域のところで学ぶ内容です。

    x,yの積分領域に制限があると、畳み込み積分は場合分けして積分しないといけない面倒臭さがあります。

    解法step3(積分計算)

    ➁0 ≤ zのとき

    \( h(z)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(x)g(z-x)dx \)
    =\(\displaystyle \int_{0}^{z} λ e^{-λx}・λ e^{-λ(z-x)} dx \)
    =\( λ^2 e^{-λz} \left[ x \right]_0^z\)
    =\( λ^2 z e^{-λz} \)

    ➁z ≤ 0のとき

    積分領域外なので、h(z)=0

    できましたね!

    γ分布への導出

    γ分布への導出は怖くない!

    先ほどの\(f(x)\),\(g(y)\)を\(f_1(x)\),\(f_2(x)\)とすると、
    \(f(x)\)=\(f_1(x)\)= \(f_2(x)\)= \(λ e^{-λx}\)
    \(f_1*f_2(x)\)=\( λ^2 z e^{-λz} \)
    ですね。

    では、\(f_1*f_2*f_3(x)\)はどうなりますか?
    \(f_1*f_2*f_3(x)\)= \((f_1*f_2)*(f_3)(x)\)
    として、

    \(f_1*f_2*f_3(x)\)= \(\displaystyle \int_{-\infty}^{\infty}(f_1*f_2(x))(f_3(z-x))dx \)
    =\(\displaystyle \int_{0}^{z} λ^2 x e^{-λx}・λ e^{-λ(z-x)} dx \)
    =\(λ^3 e^{-λz} \displaystyle \int_{0}^{z} x dx \)
    =\( \frac{1}{2}λ^3 e^{-λz} \left[ x \right]_0^z\)
    =\( \frac{1}{2}λ^3 z^2 e^{-λz} \)

    一般化すると、
    \(f_1*f_2*…*f_n(x)\)=\( \frac{(n-1)!}{λ^n x^{n-1}}e^{-λx} \)
    と表現でき、これがガンマ分布の式になります。

    証明は漸化式でも、数学的帰納法でもどちらでもOKです。高校数学の流れで十分解けますね。

    畳み込み積分がわかれば、ガンマ分布の式も怖くない!

    ➂畳み込み積分(X-Y=Z)

    X+Y=ZからX-Y=Zに変えますが、解き方は全く同じです。でも端折らずに解説します。統計学は途中経過を端折ると読者が困ってしまいますから。

    2つの関数
    ●\(f(x)\)= \(λ e^{-λx}\) (0 ≤ x) それ以外は0
    ●\(g(y)\)=\(λ e^{-λy}\) (0 ≤ y) それ以外は0
    において、Z=X-Yを満たす確率密度関数\(h(z)\)を作れ。

    難しい!と思ってしまいますが、落ち着いて解きましょう。次の3stepで解いていきます。

    1. 畳み込み積分の式を作る
    2. 積分区間を確認(ここが一番難しい)
    3. 積分区間の場合分けに合わせて丁寧に計算

    解法step1(畳み込み積分の式を作る)

    \( h(x)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(t)g(t-x)dt \)

    \((t)-(t-x)=x\)の関係が成り立っています。

    解法step2(積分区間を確認)

    x,yの制約条件は 0 ≤ x, 0 ≤ yです。

    領域を図示します。

    畳み込み積分3-3

    その領域内で z=x-yを考えます。

    z=x-yをy=x-zとして、xy平面で傾き1,y切片-zの直線を考える

    畳み込み積分2-5

    y=x-zが積分領域内にどう入るかによって場合分けを網羅する!

    すると、下図のように1パターン積分区間が変わります。

    畳み込み積分3-4

    ●①図のように、x=0~∞の区間で積分

    畳み込み積分をします。

    難しそうに見えますが、この場合分けも高校数学、領域のところで学ぶ内容です。

    x,yの積分領域に制限があると、畳み込み積分は場合分けして積分しないといけない面倒臭さがあります。

    解法step3(積分計算)

    \( h(z)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(x)g(x-z)dx \)
    =\(\displaystyle \int_{0}^{\infty} λ e^{-λx}・λ e^{-λ(x-z)} dx \)
    =\( λ^2 e^{λz} \left[ \frac{-1}{2λ} e^{-2λx} \right]_0^{\infty}\)
    =\( \frac{λ}{2} e^{λz} \)

    できましたね!

    いろいろな関数を使って畳み込み積分を見て慣れていきましょう!

    本記事の内容は、ほぼ高校数学で解けましたね!

    まとめ

    「畳み込み積分がよくわかる(一様分布と指数分布)」を解説しました。

    • ①畳み込み積分とは
    • ➁畳み込み積分(X+Y=Z)
    • ➂畳み込み積分(X-Y=Z)

  • 畳み込み積分がよくわかる(一様分布と指数分布)

    畳み込み積分がよくわかる(一様分布と指数分布)

    「畳み込み積分が、わからない、解けない?」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    畳み込み積分がよくわかる(一様分布と指数分布)
    • ①畳み込み積分とは
    • ➁畳み込み積分(X+Y=Z)
    • ➂畳み込み積分(X-Y=Z)
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    QC検定®1級合格したい方、QCに必要な数学をしっかり学びたい方におススメです。
    QC検定®1級、2級、統計検定2級以上の数学スキルを磨くのに苦戦していませんか? 広大すぎる統計学、微分積分からQC・統計に勝てるための60題に厳選した問題集を紹介します。是非ご購入いただき、勉強してスキルを高めましょう。

    ①畳み込み積分とは

    畳み込み積分の基本をまとめた関連記事を確認ください。
    簡単にわかる解説と、身近な事例を挙げています。高校数学で理解できるレベルなので安心ください。

    畳み込み積分がよくわかる(一様分布どうし)
    畳み込み積分が計算できますか?本記事では畳み込み積分のイメージを高校数学を使ってわかりやすく解説し、さらに一様分布を使った畳み込み積分の計算を途中経過を一切端折らずに解説しています。畳み込み積分の計算ができず困っている方は必見です。

    ➁畳み込み積分(X+Y=Z)

    例題

    2つの関数
    ●\(f(x)\)=1 (0 ≤ x ≤ T) それ以外は0
    ●\(g(y)\)=\(e^{-ay}\) (0 ≤ y) それ以外は0 (定数\(a\)は正)
    において、Z=X+Yを満たす確率密度関数\(h(z)\)を作れ。

    難しい!と思ってしまいますが、落ち着いて解きましょう。次の3stepで解いていきます。

    1. 畳み込み積分の式を作る
    2. 積分区間を確認(ここが一番難しい)
    3. 積分区間の場合分けに合わせて丁寧に計算

    解法step1(畳み込み積分の式を作る)

    \( h(x)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(t)g(x-t)dt \)

    \((t)+(x-t)=x\)の関係が成り立っています。

    解法step2(積分区間を確認)

    x,yの制約条件は 0 ≤ x ≤ T, 0 ≤ yです。

    領域を図示します。

    畳み込み積分2-1

    その領域内で z=x+yを考えます。

    z=x+yをy=-x+zとして、xy平面で傾き-1,y切片zの直線を考える

    畳み込み積分2-2

    y=-x+zが積分領域内にどう入るかによって場合分けを網羅する!

    すると、下図のように3パターン積分区間が変わります。

    畳み込み積分2-3

    ●①は(x,y)=(T,0)より上(つまりT ≤ z)なので、図のように、x=0~Tの区間で積分
    ●➁は(x,y)=(0,0)以上①以下(つまり0 ≤ z ≤T)なので、図のように、x=0~zの区間で積分
    ●➂は(x,y)=(0,0)以下(つまりz ≤ 0)で、積分領域外なので、h(z)=0

    という3つの場合分けをして、畳み込み積分をします。

    難しそうに見えますが、この場合分けも高校数学、領域のところで学ぶ内容です。

    x,yの積分領域に制限があると、畳み込み積分は場合分けして積分しないといけない面倒臭さがあります。

    解法step3(積分計算)

    ①T ≤ zのとき

    \( h(z)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(x)g(z-x)dx \)
    =\(\displaystyle \int_{0}^{T} 1・ e^{-a(z-x)}dx \)
    =\( e^{-az} \frac{1}{a} \left[ e^{ax} \right]_0^T\)
    =\( \frac{1}{a} e^{-az} (e^{aT}-1)\)

    ➁0 ≤ z ≤Tのとき

    \( h(z)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(x)g(z-x)dx \)
    =\(\displaystyle \int_{0}^{z} 1・ e^{-a(z-x)}dx \)
    =\( e^{-az} \frac{1}{a} \left[ e^{ax} \right]_0^z\)
    =\( \frac{1}{a} (1-e^{-az})\)

    ➂z ≤ 0のとき

    積分領域外なので、h(z)=0

    できましたね!

    ➂畳み込み積分(X-Y=Z)

    X+Y=ZからX-Y=Zに変えますが、解き方は全く同じです。でも端折らずに解説します。統計学は途中経過を端折ると読者が困ってしまいますから。

    例題

    2つの関数
    ●\(f(x)\)=1 (0 ≤ x ≤ T) それ以外は0
    ●\(g(y)\)=\(e^{-ay}\) (0 ≤ y) それ以外は0 (定数\(a\)は正)
    において、Z=X-Yを満たす確率密度関数\(h(z)\)を作れ。

    難しい!と思ってしまいますが、落ち着いて解きましょう。次の3stepで解いていきます。

    1. 畳み込み積分の式を作る
    2. 積分区間を確認(ここが一番難しい)
    3. 積分区間の場合分けに合わせて丁寧に計算

    解法step1(畳み込み積分の式を作る)

    \( h(x)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(t)g(x-t)dt \)

    \((t)-(t-x)=x\)の関係が成り立っています。X+Yの場合との違いも意識して確認ください。

    解法step2(積分区間を確認)

    x,yの制約条件は 0 ≤ x ≤ T, 0 ≤ yです。

    領域を図示します。

    畳み込み積分2-4

    その領域内で z=x-yを考えます。

    z=x-yをy=x-zとして、xy平面で傾き1,y切片-zの直線を考える

    畳み込み積分2-5

    y=x-zが積分領域内にどう入るかによって場合分けを網羅する!

    すると、下図のように3パターン積分区間が変わります。

    畳み込み積分2-6

    ●①は(x,y)=(0,0)より上(つまり0 ≤ -z)なので、図のように、x=0~Tの区間で積分
    ●➁は(x,y)=(0,0)以上①以下(つまり-T ≤ -z ≤0)なので、図のように、x=-z~Tの区間で積分
    ●➂は(x,y)=(0,0)以下(つまり-z ≤ -T)で、積分領域外なので、h(z)=0

    -zがあるので、-1で割って再掲します。

    ●①は(x,y)=(0,0)より上(つまりz ≤ 0)なので、図のように、x=0~Tの区間で積分
    ●➁は(x,y)=(0,0)以上①以下(つまり0 ≤ z ≤T)なので、図のように、x=-z~Tの区間で積分
    ●➂は(x,y)=(0,0)以下(つまりT ≤ z)で、積分領域外なので、h(z)=0

    という3つの場合分けをして、畳み込み積分をします。

    難しそうに見えますが、この場合分けも高校数学、領域のところで学ぶ内容です。

    x,yの積分領域に制限があると、畳み込み積分は場合分けして積分しないといけない面倒臭さがあります。

    解法step3(積分計算)

    ここから

    ①z ≤ 0のとき

    \( h(z)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(x)g(x-z)dx \)
    =\(\displaystyle \int_{0}^{T} 1・ e^{-a(x-z)}dx \)
    =\( e^{az} (\frac{-1}{a}) \left[ e^{-ax} \right]_0^T\)
    =\( \frac{1}{a} e^{az} (1-e^{-aT})\)

    ➁0 ≤ z ≤Tのとき

    \( h(z)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(x)g(x-z)dx \)
    =\(\displaystyle \int_{-z}^{T} 1・ e^{-a(x-z)}dx \)
    =\( e^{az} (\frac{-1}{a}) \left[ e^{-ax} \right]_{-z}^T\)
    =\( \frac{1}{a} (e^{2az}-e^{a(z-T)})\)

    ➂ T ≤ zのとき

    積分領域外なので、h(z)=0

    できましたね!

    いろいろな関数を使って畳み込み積分を見て慣れていきましょう!

    本記事の内容は、ほぼ高校数学で解けましたね!

    まとめ

    「畳み込み積分がよくわかる(一様分布と指数分布)」を解説しました。

    • ①畳み込み積分とは
    • ➁畳み込み積分(X+Y=Z)
    • ➂畳み込み積分(X-Y=Z)

  • 畳み込み積分がよくわかる(一様分布どうし)

    畳み込み積分がよくわかる(一様分布どうし)

    「畳み込み積分が、わからない、解けない?」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    畳み込み積分がよくわかる(一様分布どうし)
    • ①畳み込み積分とは
    • ➁身近な畳み込み積分の事例
    • ➂畳み込み積分(一様分布、離散系の場合)
    • ➃畳み込み積分(一様分布、連続系の場合)
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    ①畳み込み積分とは

    まず、「畳み込み」でつまづく。。。

    「畳み込み」って何ですか?
    わかりません。。。
    畳を込む、積分?
    寝ようか?。。。 となっちゃう!

    なので、まず定義でつまづきます。さらに、言葉の定義と計算式の定義とリンクしないので、思考停止状態になります。

    「畳み込み」より目的が大事です。

    分布関数を足すために大事な計算!

    自分で分布関数を作ったり、信頼性工学などに出て来るガンマ分布のように、
    いくつかの分布関数を足し合わせていくプロセスが必要になります。

    「畳み込み」より「関数を合体させてい」くイメージです。

    畳み込み積分の定義

    実際の式はこれですね。

    \( h(x)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(t)g(x-t)dt \)

    ここで、わかりにくいのが、

    \(f(t)のtとg(x-t)で (t)+(x-t)=x\)の関係

    \((t)+(x-t)=x\)の関係性を抽象的に説明すると、理解できないので、身の回りの事例を紹介します!

    高校数学で、すでに畳み込み積分的なものがあります!

    ➁身近な畳み込み積分の事例

    2つ紹介します! 意外な2つです!

    展開式の項

    さて、問題です。次の式を展開して各係数を求めましょう。高1レベルです。

    \((a_3 x^3+ a_2 x^2+ a_1 x^1+ a_0)(b_2 x^2+ b_1 x^1+ b_0)\)

    普通に展開すればOKなので、係数表を作ります。

    指数 係数 係数のNoの和
    \(x^5\) \(a_3 b_2\) 3+2=5
    \(x^4\) \(a_3 b_1+a_2 b_2\) 3+1=4,2+2=4
    \(x^3\) \(a_3 b_0+a_2 b_1 + a_1 b_2\) 3+0=3,2+1=3,1+2=3
    \(x^2\) \(a_2 b_0+a_1 b_1\) 2+0=2,1+1=2
    \(x^1\) \(a_1 b_0+a_0 b_1\) 1+0=1,0+1=1
    定数 \(a_0 b_0\) 0+0=0

    普通に展開しただけですが、係数のNoを見ると、すべての合計が指数の値に一致しており、
    \(a_t b_{x-t}\)の関係になっていますね。

    このイメージで畳み込み積分に入りましょう。

    サイコロ2つ振って出た目の和とその確率の問題

    さて、高1レベルの問題です。

    1~6まで出るサイコロでどの面も等確率で出る。2つのサイコロを同時に1回振って出た目の和とその確率を求めよ。

    確率の計算をすればOKですよね。1つ目のサイコロの出る目をX,2つ目のサイコロの出る目をYとしすると求めたい確率の式はどうなりますか?

    P(Z=X+Y) = P(X)×P(Y) ですよね! これは簡単! で、式を書き直すと

    P(Z) = P(X)×P(Z-X) で、確率は和を求めるので、
    ∑P(Z) = ∑P(X)×P(Z-X)
    とすると、

    X,Z―Xとなっているし、∑や∫に変えると、畳み込み積分の式になります。

    いきなり大学数学として畳み込み積分から入らず
    高校数学レベルから入ってイメージするとわかりやすいです。

    では、畳み込み積分やっていきますね。

    ➂畳み込み積分(一様分布、離散系の場合)

    確率分布は、

    ●一様分布
    ●正規分布
    ●ガンマ分布

    自作の分布

    などたくさんありますが、ここでは、一番基本的な「一様分布どうしの畳み込み積分」を解説します。ここが分かったら、確率分布関数をいろいろ変えていけば応用できます。

    先のサイコロの出る目について、離散系連続系の両方を計算して結果を比較してみましょう。

    例題

    1~6まで出るサイコロでどの面も等確率で出る。2つのサイコロを同時に1回振って出た目の和とその確率を求めよ。

    一方、連続系の一様分布の場合は、例題の文章を変えます。

    一様分布
    \(f(x) = \frac{1}{6} \) (0 ≤ x ≤ 6) それ以外0
    \(g(y) = \frac{1}{6} \) (0 ≤ y ≤ 6) それ以外0
    において、x+y=zにおける確率分布関数h(z)を作れ。

    随分文章が違いますが、内容は一緒です。要は、
    サイコロの目は1,2,3,4,5,6で等確率1/6であるが、
    関数は0~6までの区間はすべて1/6という違いだけです。

    解法1(離散系の場合)

    目の和Zは2~12まで出ますよね。それぞれの確率を計算すればOKです。下表にまとめます。

    X+Y=Z 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
    確率 1/36 2/36 3/36 4/36 5/36 6/36 5/36 4/36 3/36 2/36 1/36

    グラフで見ると、直線が尖った感じになります。

    畳み込み積分1-1

    ➃畳み込み積分(一様分布、連続系の場合)

    例題の文章を再掲します。

    一様分布
    \(f(x) = \frac{1}{6} \) (0 ≤ x ≤ 6) それ以外0
    \(g(y) = \frac{1}{6} \) (0 ≤ y ≤ 6) それ以外0
    において、x+y=zにおける確率分布関数h(z)を作れ。

    慌てないで!! 絶対解ける解法があります。ご安心ください

    1. 畳み込み積分の式を作る
    2. 積分区間を確認(ここが一番難しい)
    3. 積分区間の場合分けに合わせて丁寧に計算

    連続関数で畳み込み積分する場合はすべて上の3つの流れで解いていきます。

    1.畳み込み積分の式を作る

    定義どおり書きます。

    \( h(z)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(x)g(z-x)dx \)

    2.積分区間を確認(ここが一番難しい)

    x,yの制約条件は 0 ≤ x ≤ 6, 0 ≤ y ≤6です。

    領域を図示します。

    畳み込み積分1-2

    その領域内で z=x+yを考えます。

    z=x+yをy=-x+zとして、xy平面で傾き-1,y切片zの直線を考える

    畳み込み積分1-3

    y=-x+zが積分領域内にどう入るかによって場合分けを網羅する!

    すると、下図のように4パターン積分区間が変わります。

    畳み込み積分1-4

    ●①は(x,y)=(6,6)より上(つまり12 ≤ z)で、積分領域外なので、h(z)=0
    ●➁は(x,y)=(0,6)以上①以下(つまり6 ≤ z ≤12)なので、図のように、x=z-6~6区間で積分
    ●➂は(x,y)=(0,0)以上①以下(つまり0 ≤ z ≤6)なので、図のように、x=0~z区間で積分
    ●➃は(x,y)=(0,0)以下(つまりz ≤ 0)で、積分領域外なので、h(z)=0

    という4つの場合分けをして、畳み込み積分をします。

    難しそうに見えますが、この場合分けも高校数学、領域のところで学ぶ内容です。

    x,yの積分領域に制限があると、畳み込み積分は場合分けして積分しないといけない面倒臭さがあります。

    3.積分区間の場合分けに合わせて丁寧に計算

    ①12 ≤zのとき

    積分領域外なので、h(z)=0

    ➁6 ≤ z ≤12のとき

    \( h(z)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(x)g(z-x)dx \)
    =\(\displaystyle \int_{z-6 }^{6} \frac{1}{6} \frac{1}{6}dx \)
    =\(\frac{1}{36} \left[ x \right]_{z-6}^6\)
    =\(\frac{1}{36}(12-z)\)

    ➂0 ≤ z ≤6のとき

    \( h(z)= \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} f(x)g(z-x)dx \)
    =\(\displaystyle \int_{0}^{z} \frac{1}{6} \frac{1}{6}dx \)
    =\(\frac{1}{36} \left[ x \right]_0^z\)
    =\(\frac{1}{36} z\)

    ①z ≤0のとき

    積分領域外なので、h(z)=0

    まとめると下図になります。

    畳み込み積分1-5a

    ➂の離散系と結果を比較しましょう。

    畳み込み積分1-6a

    雰囲気はよく似ていますよね。離散系と連続系との比較をすると理解度が高まります!

    いろいろな関数を使って畳み込み積分を見て慣れていきましょう!

    本記事の内容は、ほぼ高校数学で解けましたね!

    まとめ

    「畳み込み積分がよくわかる(一様分布どうし)」を解説しました。

    • ①畳み込み積分とは
    • ➁身近な畳み込み積分の事例
    • ➂畳み込み積分(一様分布、離散系の場合)
    • ➃畳み込み積分(一様分布、連続系の場合)

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