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  • 品質マニュアルがわかる

    品質マニュアルがわかる

    「品質マニュアルって何?」、「ISO9001 2015年版に品質マニュアルは必要なの?」と疑問に思っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    品質マニュアルがわかる
    品質マニュアルはISO9001 2008年版までは一番偉い文書だった。
    ISO9001 2015年版に品質マニュアルは不要です。
    けど、毎年品質マニュアル更新するよう上司から指示が来る。
    なんで??
    品質管理担当は、10年以上のベテランと、数年の中堅がいます。
    ●ベテランはISO9001 2008年版までの品質マニュアルを大事にする
    ●最近入った中堅はISO9001 2015年版しか知らないから、品質マニュアルの価値がわからない。

    過去のお偉い文書である「品質マニュアル」について解説します。

    QCプラネッツはISO9001 2015年版から実務しているので、品質マニュアル不要論側です。

    • ①品質マニュアルとは
    • ②ISO9001 2008年版までは最重要文書だった
    • ③ISO9001 2015年版からは不要な文書
    • ④品質マニュアルは自分で考えて作ってみよう
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    ①品質マニュアルとは

    品質マニュアルのあるべき定義

    「品質マニュアル」の本質は次の定義だと考えます。この定義なら品質マニュアルが必要としてもよいでしょう。

    組織が品質を作りこむためのマニュアル・秘訣が「品質マニュアル」

    あるべき品質マニュアルに必要な要素

    組織が品質を作りこむためには、何が必要ですか?考えましょう。

    1. 組織(経営)の理念、戦略
    2. 経営者の考え
    3. 組織内の全員が守るべきルール(規程)と文書類
    4. 組織の体制
    5. 品質保証体系図(営業、技術各部門がやるべき業務フロー)
    6. QC工程図(各作業の工程図)

    上の1から6をまとめた文書が「品質マニュアル」であると、本来こうあるべきです。

    組織の「品質マニュアル」にISOは関係ない

    でも、実態はどうでしょうか?

    実際は、ISO認証監査のための文書

    実際は、

    ISO認証のために作らされた文書ですよね。

    品質マニュアルのトップ文書からの転落ぶりをこれから解説します。

    ②ISO9001 2008年版までは最重要文書だった

    ISO9001は文書の適合性をしっかり診ていた

    ●ISO9001 2008年版までは、文書の適合性を厳しく見ていたので、文書で品質監査を見ていました。だから、審査対象の組織のトップ文書として品質マニュアルが必須でした。

    品質マニュアル

    図を見ると、品質マニュアルは、

    1. 組織の品質の最上位文書
    2. ISO審査の組織の玄関口としての文書

    なので、品質マニュアルがスタートして、各文書の整合性や適合性について、組織活動を質疑しながらチェックしていました。

    ISOの要求事項に品質マニュアルが準拠するスタイル

    ISO9001の認証は、

    組織活動が、ISO9001の要求事項にぴったり適合していること

    ですから、

    組織活動は必ず、
    1.ISO要求事項が最初に来て
    2.ISO要求事項に準拠した品質マニュアルの内容
    とするよう、厳しく要求されていました。

    今でもISO認証審査員が、
    「その組織活動は、ISO9001の要求事項の8.3.4に適合します」
    とか言いますが、それは、
    組織活動や文書がISO9001の要求事項に適合(従う)ようにしなければならかったからです。

    ISO9001 2015年版以降から品質管理業務を担当すると、
    「活動にわざわざ要求事項の番号当てはめて意味あるん?」
    と思うでしょう。

    ISO9001 2008年版までとISO9001 2015年版では全くとらえ方が違います。

    ●ISO9001 2008年版までは、まず、ISOの要求事項、次に組織活動
    ●ISO9001 2015年版は、まずは、組織活動、次にISOの要求事項

    考えたら、

    組織は、成功のために活動しているのであって、
    ISO取得・継続のために活動しているのではないです。

    ISO9001 2015年版の方が、組織が活動しやすくなっています。

    組織や業種が違うのに、品質マニュアルだけはなぜか同じような文書になっている

    取引先品質監査で他社を訪問する際、いつも思うのが、

    会社違うのに、何で品質マニュアルだけは似たような文書なんだろう?

    大体、表紙と目次を見ると、みんあ同じですね。気持ち悪い。。。

    ●よくある表紙

    品質マニュアル

    ●よくある目次

    品質マニュアル

    品質マニュアルはISO認証機関やコンサルに作らされたから

    ●似たり寄ったりな品質マニュアルである理由は、外から指示されたからです。

    本来、品質マニュアルは組織の成功の秘訣をまとめたものです。しかし、実際は、ISO認証のために作った文書です。

    ISO認証のためだけなのに、50ページくらいあるし、定期的に更新が必要なので、品質マニュアルは面倒な文書です。

    ③ISO9001 2015年版からは不要な文書

    品質マニュアルが組織最上位文書で無くなった理由

    ●一方、ISO9001 2015年版は、文章の適合性以上に組織活動の有効性を審査するので、文書のチェックは過去ほど厳しくなく、情報であれば何でもよいと変わりました。

    ISO9001 2015年版以降は、組織活動の有効性をしっかり審査するかわりに、文書の荒さがしをネチネチやらなくなりました。概念図をご覧ください。2008年版との違いがわかります。

    品質マニュアル

    ●その背景は、ISO認証していても、品質不正する企業が後を絶たず、文書の適合性だけみても、本当に組織が有効に活動しているか疑問になったからです。

    考えたら、

    組織は、成功のために活動しているのであって、
    ISO取得・継続のために活動しているのではないです。
    つまり、手段(ISO認証)が目的化している。

    なので、

    ●ISO9001 2008年版までは、まず、ISOの要求事項、次に組織活動
    ●ISO9001 2015年版は、まずは、組織活動、次にISOの要求事項
    つまり、ISO認証は手段、組織の成功が目的。当然ですよね。

    「文書化した情報」は奥深い

    関連記事、でも解説したとおり、

    ●ISO9001 2008年版までは、「文書」を審査
    ●ISO9001 2015年版は、「情報」を審査
    これは、大きな違いがあります。

    前者は、文書という「手段」を審査していただけで、
    後者は情報から「目的(組織活動や成功)」について審査します。

    組織の取り巻く環境や制約条件から
    成功のための戦略・目標と
    実際の活動が整合しているかを審査します。
    審査するために必要な情報があればよく、情報の手段は問いません。

    「情報」が「文書化」されてもいいし、データベースでもいいわけです。

    審査するために必要な情報を引き出すためには、品質マニュアルである必要はないです

    よって、品質マニュアルが必要ではなくなったわけです。

    「文書」より「情報」から組織活動を評価する時代です。

    ISO9001 2015年版でも審査機関から品質マニュアル提出を求められる

    毎年困るのが、

    審査前に今年度の品質マニュアルを提出してください

    と審査機関から要求されます。

    品質マニュアルはいらんでしょう!

    と突き返したいのですが、現実はそうではありません。この理由は、

    1. 審査員が2008年版から継続しているから、その名残
    2. 品質マニュアルは組織体制図、理念、ISO9001の要求事項と組織活動がわかる文書なので便利

    「便利だから」という理由が強いですね。

    ●仕組上、品質マニュアルは不要ですが、
    ●運用上は、便利なので
    品質マニュアルを毎年更新しています。

    ④品質マニュアルは自分で考えて作ってみよう

    自分で考えて作る事は大事

    ●ISO認証のための品質マニュアルは不要になりましたが、ISO関係なく自組織の成功の秘訣をまとめた品質マニュアルは一度考えて作った方がよいでしょうね。

    ●品質マニュアルとは、何か? どうあるべきか?
    ●品質の作りこみに、何が必要か?
    ●組織に品質の重要さをどう醸成させたらよいか?
    など、品質の本質を考える習慣がつきます。

    品質は従うとつまらない!
    品質は考えるから面白い!

    新技術や新規事業展開する際に品質マニュアルの設計が必須

    成熟産業なら、ほぼ無いですが、近年、DXやAIなどで既存事業が大きく変わる局面に来ています。

    ほぼ、匠の技で培ってきた組織に、急にDXの波が来て、デジタル化する組織に変化したら、どうやって品質を担保しますか?品質を作りこむ方法をどう考えるか?など、問われます。

    新しい概念が入れた品質マニュアルを急に作る必要が出て来ます。そうなる前に、既存のビジネスや組織活動の品質マニュアルの作り方を一度自分で考えて作ってみましょう。

    QCプラネッツでは、今後、品質マニュアルを自分で作る演習サイトを立ち上げる予定です。

    まとめ

    品質マニュアルについてわかりやすく解説しました。

    • ①品質マニュアルとは
    • ②ISO9001 2008年版までは最重要文書だった
    • ③ISO9001 2015年版からは不要な文書
    • ④品質マニュアルは自分で考えて作ってみよう

  • 【必読】有限母集団の修正項の導出ができる

    【必読】有限母集団の修正項の導出ができる

    「有限母集団の修正項\(\frac{N-n}{N-1}\)の導出ができない」、と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【必読】有限母集団の修正項の導出ができる
    ●E[\(\bar{x}\)]=μ
    ●V(\(\bar{x}\))=\(\frac{N-n}{N-1}\)\(\frac{σ}{n}\)
    を丁寧に導出します。
    • ①有限母集団からのランダムサンプリング
    • ②有限母集団の標本平均の導出
    • ③修正項の導出に必要な数式
    • ④有限母集団の標本分散の修正項への導出

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    QC検定®1級、2級でサンプリングの問題で苦戦していませんか?本記事では、QC・統計に勝てるためのサンプリング問題集(20題)を紹介します。

    ①有限母集団からのランダムサンプリング

    下図のように、データ数N、平均μ、分散\(σ^2\)の有限母集団から、n個のデータをランダムサンプリングします。

    サンプリング

    n個のデータの平均ではない、標本平均の期待値E[\(\bar{x}\)]と、
    分散ではない、標本分散の期待値V(\(\bar{x}\))を導出します。

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    ②有限母集団の標本平均の導出

    導出します。

    E[\(\bar{x}\)]=E[\(\frac{1}{n}\)\(\sum_{i=1}^{n}x_i\)]
    =\(\frac{1}{n}\)E[\(\sum_{i=1}^{n}x_i\)]
    =\(\frac{1}{n}\){E[\(x_1+x_2+…+x_n\)]}
    =\(\frac{1}{n}\){E[\(x_1\)]+ E[\(x_2\)]+…+ E[\(x_n\)]}
    =\(\frac{1}{n}\){μ+μ+…+μ}
    =\(\frac{nμ}{n}\)

    なお、すべてのiについて、
    E[\(x_i\)]=μ
    を使いました。

    ●E[\(\bar{x}\)]=μ
    と有限母集団の平均μと一致しました。

    ②修正項の導出に必要な数式

    次に標本分散V(\(\bar{x}\))を導出しますが、導出過程に必要な式があります。先に紹介して導出しておきましょう。

    【数式その1】
    \((\sum_{i=1}^{n}x_i)^2\)=\(\sum_{i=1}^{n}x_i ^2\)+\(\sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}x_i x_j\)
    同様にnをNに、xをXに変えて
    \((\sum_{i=1}^{N}X_i)^2\)=\(\sum_{i=1}^{N}X_i ^2\)+\(\sum_{i=1}^{N}\sum_{j=1(i≠j)}^{N}X_i X_j\)

    「なんじゃこりゃ!」という式ですが、展開すれば成立します。あとで導出しますね。

    【数式その2】
    \(\frac{1}{n}\)E[\(\sum_{i=1}^{n}x_i ^2\)]=\(\frac{1}{N}\)E[\(\sum_{i=1}^{N}X_i ^2\)]
    \(\frac{1}{_{n}C_2}\)E[\(\sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}x_i x_j\)]= \(\frac{1}{_{N}C_2}\)E[\(\sum_{i=1}^{N}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}X_i X_j\)]

    【数式その1】の導出

    実際に展開しましょう。

    \((\sum_{i=1}^{n}x_i)^2\)
    =\((x_1+x_2+…+x_n)^2\)
    =(あ)

    和の2乗の展開は、
    自身の2乗と、互いの積の和ですね。これは高校1年数学レベルです。

    (あ)式は
    (あ)=(\(x_1^2+x_2^2+…+x_n^2\) (2乗和)
    +\(x_1( なし+x_2+x_3+…+x_{n-1}+x_n)\) (互いの積)
    +\(x_2(x_1+なし+x_3+…+x_{n-1}+x_n)\) (互いの積)

    +\(x_{n-1}(x_1+x_2+x_3+…+x_{n-2}+なし+x_n)\) (互いの積)
    +\(x_n (x_1+x_2+x_3+…+x_{n-2}+x_{n-1}+なし)\) (互いの積)
    =(い)

    (あ)式の「互いの積」項にある「なし」は2乗和の項に入れたため、ありません。「ない」ことを明確にするために「なし」と入れました。

    (い)式をまとめましょう。

    2乗和は簡単で
    (\(x_1^2+x_2^2+…+x_n^2\)=\(\sum_{i=1}^{n} x_i^2\)
    ですね。

    互いの積は、それぞれの組み合わせの積だけど、自分自身同士の積はないので、
    \(x_1( なし+x_2+x_3+…+x_{n-1}+x_n)\) (互いの積)
    +\(x_2(x_1+なし+x_3+…+x_{n-1}+x_n)\) (互いの積)

    +\(x_{n-1}(x_1+x_2+x_3+…+x_{n-2}+なし+x_n)\) (互いの積)
    +\(x_n (x_1+x_2+x_3+…+x_{n-2}+x_{n-1}+なし)\) (互いの積)
    =\(\sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}x_i x_j\)
    とまとめることができます。

    【数式その1】
    \((\sum_{i=1}^{n}x_i)^2\)=\(\sum_{i=1}^{n}x_i ^2\)+\(\sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}x_i x_j\)

    できましたね。

    【数式その2】の導出

    【数式その2】
    \(\frac{1}{n}\)E[\(\sum_{i=1}^{n}x_i ^2\)]=\(\frac{1}{N}\)E[\(\sum_{i=1}^{N}X_i ^2\)]

    期待値Eを使って、ズルく導出します。数式よりは論理で両辺を等号に持ち込みます。

    もともとデータ\( X_i \)も\( x_i \)も同じ集合におり、平均、分散も同じですね。だとしたら、
    期待値E[\( X_i \)]= E[\( x_i \)]と
    期待値E[\( X_i^2 \)]= E[\( x_i^2 \)]と
    してもよいですね。期待値だから、似たデータなら期待値は同じ。ちょっと強引ですか?

    あとは、個数の平均を考えればOK。よって、

    【数式その2】
    \(\frac{1}{n}\)E[\(\sum_{i=1}^{n}x_i ^2\)]=\(\frac{1}{N}\)E[\(\sum_{i=1}^{N}X_i ^2\)]

    数学的には正しいけど、ちょっと強引ですね。

    同様に、

    【数式その2】
    \(\frac{1}{_{n}C_2}\)E[\(\sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}x_i x_j\)]= \(\frac{1}{_{N}C_2}\)E[\(\sum_{i=1}^{N}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}X_i X_j\)]

    以上、下ごしらえは終わりです。では、標本分散を導出しましょう。

    ③有限母集団の標本分散の修正項への導出

    標本分散V(\(\bar{x}\))の式

    分散の公式は、

    V(\(\bar{x}\))=E[\(\bar{x^2}\)]-E[\(\bar{x}\)]2

    E[\(\bar{x}\)]はすでに、E[\(\bar{x}\)]=μとわかっています。

    E[\(\bar{x^2}\)]を導出します。分散はいつもE[\(x^2\)]の導出が難しいですよね。

    期待値E[\(\bar{x^2}\)]の導出

    E[\(\bar{x^2}\)]=E[\((\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}x_i)^2\)]
    =\(\frac{1}{n^2}\)E[\((\sum_{i=1}^{n}x_i)^2\)]
    =(ア)

    (ア)の式で、\((\sum_{i=1}^{n}x_i)^2\)は、【数式その1】そのものですね。使いましょう。

    (ア)= \(\frac{1}{n^2}\)E[\(\sum_{i=1}^{n}x_i ^2\)+\(\sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}x_i x_j\)]
    =\(\frac{1}{n^2}\)E[\(\sum_{i=1}^{n}x_i ^2\)]+\(\frac{1}{n^2}\)E[\(\sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}x_i x_j\)]
    =(イ)

    次に、【数式その2】を使って\(x_i\)から\(X_i\)の式に変換します。
    E[\(\sum_{i=1}^{n}x_i ^2\)]=\(\frac{n}{N}\)E[\(\sum_{i=1}^{N}X_i ^2\)]
    E[\(\sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}x_i x_j\)]= \(\frac{_{n}C_2}{_{N}C_2}\)E[\(\sum_{i=1}^{N}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}X_i X_j\)]

    (イ)
    =\(\frac{1}{n^2}\)E[\(\sum_{i=1}^{n}x_i ^2\)]+\(\frac{1}{n^2}\)E[\(\sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}x_i x_j\)]
    =\(\frac{1}{n^2}\)\(\frac{n}{N}\)E[\(\sum_{i=1}^{N}X_i ^2\)]+\(\frac{1}{n^2}\)\(\frac{_{n}C_2}{_{N}C_2}\)E[\(\sum_{i=1}^{N}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}X_i X_j\)]
    =(ウ)

    整理すると、
    (ウ)
    =\(\frac{1}{nN}\)E[\(\sum_{i=1}^{N}X_i ^2\)]+\(\frac{1}{n^2}\)\(\frac{n(n-1)}{N(N-1)}\)E[\(\sum_{i=1}^{N}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}X_i X_j\)]
    =(エ)

    ここで、\(X_i\)は母集団のデータなので、期待値Eが外せます。つまり、
    E[\(\sum_{i=1}^{N}X_i ^2\)]=\(\sum_{i=1}^{N}X_i ^2\)
    E[\(\sum_{i=1}^{N}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}X_i X_j\)]=\(\sum_{i=1}^{N}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}X_i X_j\)
    です。なお、サンプリングした方の\(x_i\)は期待値Eが外せません。

    (エ)
    =\(\frac{1}{nN}\)\(\sum_{i=1}^{N}X_i^2\)+\(\frac{1}{n^2}\)\(\frac{n(n-1)}{N(N-1)}\)\(\sum_{i=1}^{N}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}X_i X_j\)
    =(オ)

    次に、よくわからない式、\(\sum_{j=1(i≠j)}^{n}X_i X_j\)を別の式に書き換えましょう。

    ここで、よく考えると、
    \(\frac{1}{N}\sum_{i=1}^{N}X_i\)=μより、
    ●\(\sum_{i=1}^{N}X_i\)=Nμ
    ●\((\sum_{i=1}^{N}X_i)^2\)=\((Nμ)^2\)
    が成り立ちますね。

    【数式その1】を見ると、

    【数式その1】
    \((\sum_{i=1}^{N}X_i)^2\)=\(\sum_{i=1}^{N}X_i ^2\)+\(\sum_{i=1}^{N}\sum_{j=1(i≠j)}^{N}X_i X_j\)

    つまり、
    \((\sum_{i=1}^{N}X_i)^2\)=\(\sum_{i=1}^{N}X_i ^2\)+\(\sum_{i=1}^{N}\sum_{j=1(i≠j)}^{N}X_i X_j\)=\((Nμ)^2\)
    が成り立ちます。式変形すると、
    \(\sum_{i=1}^{N}\sum_{j=1(i≠j)}^{N}X_i X_j\)=\((Nμ)^2\)-\(\sum_{i=1}^{N}X_i ^2\)
    =(カ)
    が成り立ちます。

    ちょっと前の(オ)式に(カ)式を代入します。

    (オ)
    =\(\frac{1}{nN}\)\(\sum_{i=1}^{N}X_i^2\)+\(\frac{1}{n^2}\)\(\frac{n(n-1)}{N(N-1)}\)\(\sum_{i=1}^{N}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}X_i X_j\)
    =\(\frac{1}{nN}\)\(\sum_{i=1}^{N}X_i^2\)+\(\frac{1}{n^2}\)\(\frac{n(n-1)}{N(N-1)}\)[\((Nμ)^2\)-\(\sum_{i=1}^{N}X_i ^2\)]
    =(キ)

    (キ)式はμと\(\sum_{i=1}^{N}X_i ^2\)について式変形しましょう。その結果は

    (キ)
    =E[\(\bar{x^2}\)]
    =\(\frac{1}{nN}\)\(\frac{N-n}{N-1}\)\(\sum_{i=1}^{N}X_i^2\)+\(\frac{N(n-1)}{n(N-1)}\)\(μ^2\)
    となります。長かったですね。もうちょっとで完成です。

    標本分散の修正項への導出

    標本分散V(\(\bar{x}\))の式は

    V(\(\bar{x}\))=E[\(\bar{x^2}\)]-E[\(\bar{x}\)]2

    代入しましょう。
    V(\(\bar{x}\))=\(\frac{1}{nN}\)\(\frac{N-n}{N-1}\)\(\sum_{i=1}^{N}X_i^2\)+\(\frac{N(n-1)}{n(N-1)}\)\(μ^2\)-\(μ^2\)
    =(ク)

    (ク)式をまとめると
    (ク)=\(\frac{N-n}{N-1}\)[\(\frac{1}{N}\sum_{i=1}^{N}X_i^2\)-\(μ^2\)]\(\frac{1}{n}\)
    =(ケ)

    (ケ)式の中の、[\(\frac{1}{N}\sum_{i=1}^{N}X_i^2\)-\(μ^2\)]はよく見ると、
    [\(\frac{1}{N}\sum_{i=1}^{N}X_i^2\)-\(μ^2\)]=E[x2]-E[x]2
    =\(σ^2\)
    ですから、まとめると、

    (ケ)つまり、標本分散V(\(\bar{x}\))は
    V(\(\bar{x}\))=\(\frac{N-n}{N-1}\)\(\frac{σ^2}{n}\)

    無限母集団の標本分散は\(\frac{σ^2}{n}\)ですから、修正項は、

    修正項は、\(\frac{N-n}{N-1}\)

    できましたね。お疲れさまでした。

    まとめ

    有限母集団の修正項の導出をわかりやすく解説しました。

    • ①有限母集団からのランダムサンプリング
    • ②有限母集団の標本平均の導出
    • ③修正項の導出に必要な数式
    • ④有限母集団の標本分散の修正項への導出

  • 【QC検定®3級】4Mと特性要因図がすぐわかる

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    • ①4Mは使いこなせると有利
    • ②慣れるまで4Mと特性要因図は1セットで活用
    • ③4Mの注意点

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    ●商標使用について、
    ①QC検定®と品質管理検定®は、一般財団法人日本規格協会の登録商標です。
    ➁このコンテンツは、一般財団法人日本規格協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。
    ➂QCプラネッツは、QC検定®と品質管理検定®の商標使用許可を受けています。

    ⓪(QC検定®3級共通)QC勉強方法がわかる

    QCプラネッツでは、QC検定®3級受験者、および品質管理初心者の方に、馴染みにくい品質管理用語や概念をわかりやすく解説します。

    QC検定®3級共通として、まず、勉強方法を読んでください。

    【QC検定®3級】勉強方法がわかる
    QC検定®3級受験や品質管理を初めてのあなたへ、勉強方法を解説します。直前の丸暗記の合否だけではなく、品質管理を得意・好きになれる方法をわかりやすく解説します。試験合格、品質管理の理解を深めたい方は必見です。

    試験直前の丸暗記ではなく、
    考えて活かせる品質管理を伝授します。

    ★【QC検定®3級】勉強に必須な27項目をまとめました。

    以前、ブログ解説していましたが、1つのPDFにまとめました。勉強に役立ててください

    No 勉強項目
    1 【QC検定®3級】品質がわかる
    2 【QC検定®3級】PDCA,SDCA,OODAがわかる
    3 【QC検定®3級】三現主義、5ゲン主義がわかる
    4 【QC検定®3級】QCDやQCDPSMEがすぐわかる
    5 【QC検定®3級】QC7つ道具がわかる
    6 【QC検定®3級】新QC7つ道具がわかる
    7 【QC検定®3級】5Sがすぐわかる
    8 【QC検定®3級】重点指向がわかる
    9 【QC検定®3級】デザインレビュー(DR)がわかる
    10 【QC検定®3級】QCサークルがわかる
    11 【QC検定®3級】再発防止と未然防止がすぐわかる
    12 【QC検定®3級】狩野モデルがわかる
    13 【QC検定®3級】苦情とクレームの違いがわかる
    14 【QC検定®3級】フェールセーフとフールプルーフがわかる
    15 【QC検定®3級】ISO9001 2015の難解な用語がすぐわかる
    16 【QC検定®3級】「製品及びサービス」がわかる
    17 【QC検定®3級】作業標準、作業標準書がわかる
    18 【QC検定®3級】校正がわかる(管理がいい加減だとまずい)
    19 【QC検定®3級】誤差と残差の違いがすぐわかる
    20 【QC検定®3級】源流管理がわかる(上流工程で品質が決まる!)
    21 【QC検定®3級】官能検査がわかる
    22 【QC検定®3級】PL法がすぐわかる
    23 【QC検定®3級】変化点管理がわかる
    24 【QC検定®3級】トップ診断がわかる
    25 【QC検定®3級】環境側面がわかる
    26 【QC検定®3級】標準化、ISOの歴史がすぐわかる
    27 【QC検定®3級】範囲Rは標準偏差sより大きくなる

    ①4Mは使いこなせると有利

    4Mとは

    ●Man(人)
    ●機械(Machine)
    ●Material(材料)
    ●Method(方法)
    ●Measure(測定)
    の5つのうち4つ

    必ずあるのは、 ●Man(人)と●機械(Machine)で、残り3つから2つを選ぶことが多いです。

    別に、ほかに思いついたMでもOKです。

    4Mの活用シーン

    よく4Mは活用しますね。どこで活用するかをまとめると

    1. 製造部門での要因分析
    2. 分析フレームワーク
    3. 技術士2次試験、QC検定®1級などの論述試験

    品質管理(QC)の習い初めの場合は、製造部門での要因分析として使うものでよいですが、品質管理業務はわりと文章で説明する場面が多いです。

    4Mは多くの人に認知されているので、伝わりやすいです。

    論述試験に4Mは有利

    4Mを使うと、4つ書くことがあり、それぞれ独立して作文すればよいので、解答用紙がうまりやすくなります。

    また、人、機械、材料、測定、方法の観点から強制的に考える必要がある分、整理しやすく、高得点が狙えやすいです。

    技術士2次試験で、持ち込む必須のフレームワークの4M

    ②慣れるまで4Mと特性要因図は1セットで活用

    4Mと特性要因図を活用する

    特性要因図はQC検定®3級に必ず出題されるし、視覚的にわかりやすいのですぐ覚えられるでしょう。本記事では、教科者や他のサイトに書いていないポイントを伝授します。

    品質管理を学び初めの人は、おそらく、

    品質管理を学び初めの人は、おそらく、
    「フレームワークを使って分析・論述に慣れていない」可能性が高いです。
    慣れるまでは、4Mと特性要因図は1セットで使いましょう。

    まず、
    ●特性要因図をセットします。

    特性要因図

    次に、
    ●特性要因図の大枠に各Mを4つ入れます。

    特性要因図

    そして、
    ●特性要因図の小枠に、M毎にさらなる詳細な要因分析を考えます。

    特性要因図

    この手順で、少々面倒ですが、4Mの詳細分析が特性要因図からわかります。

    上図の例でまとめると、

    故障の原因は4つの観点からわかる。
    1. 作業者の性格や疲労によるもの
    2. 製造機の経年や機械疲労によるもの
    3. 材料成分のばらつきや業者の納期によるもの
    4. 測定の手順や校正に問題があった

    どうでしょうか? 結構、説得力がある分析になりましたね!

    チームでトラブルの原因などを分析するときは、頭の中を可視化する手段として特性要因図がよく活用されます。

    特性要因図を使う目的を明確に

    ただし、所詮、ツールです。

    特性要因図の小枠をいっぱい書くことに集中しないでください。

    目的は

    ある事象を構成する要因を
    網羅的に抽出し、
    各々の理由が、報告者が納得できる内容であるようにまとめること

    まずは、慣れるまでは4Mと特性要因図を1セットで使いこなし、徐々に、論理的な説得力があるかどうかを頭で考える訓練に切り替えていきましょう。

    慣れると4Mだけ頭で考えることができます。

    ③4Mの注意点

    粒度が合っていない

    4Mは機械的に
    ●Man(人)
    ●機械(Machine)
    ●Material(材料)
    ●Method(方法)
    ●Measure(測定)
    で特性を分割して考えます。

    しかし、

    Man(人)、機械(Machine)、Material(材料)、Method(方法)、Measure(測定)を同列で比較できるものなのでしょうか?

    Man(人)、機械(Machine)、Material(材料)はリソース(資源)にカテゴライズできるので、同列で比較できます

    しかし、Method(方法)、Measure(測定)は、手法にカテゴライズできますが、リソースとは別物ですよね。

    フレームワークを使う注意点

    フレームワークを使うときは、次の注意点があります。

    1. Man(人)、機械(Machine)、Material(材料)のように同列で比較できること(粒度が同じといいます)
    2. 網羅性があること

    例えば、日本について分割してみましょう。

    「日本は、北日本、東日本、西日本、南日本から成る」
    なら、不自然さはありません。

    次はどうでしょうか

    「日本は、北日本、東日本、大阪府、広島市から成る」
    なら、変ですよね。

    なぜなら、

    1. 北日本、東日本、大阪府、広島市は粒度が合っていませんので比較できません。
    2. 西日本の他の地域が漏れている

    この「日本は、北日本、東日本、大阪府、広島市から成る」の説明では、聞き手は「?」となります。

    これが、粒度を合わせて比較することと、網羅することが大事である理由です。

    4Mの例に戻しましょう。4Mで、人・機械なら理解できますが、そこに測定、方法が同列に比較されると聞き手によっては「?」と納得してもらえない可能性があります。

    便利な4Mというフレームワークだからと言って、機械的に入れて分析しすぎないよう注意しましょう。

    有名だから共通認識しやすいだけ

    でも、多くの人が4Mや特性要因図を知っているので、そのまま使っても聞き手に通じます。安心してください。

    便利な4Mというフレームワークだからと言って、機械的に入れて分析して終わらないように注意しましょう。

    QCプラネッツなら、4Mを使う場合は、次の2点を考えます。参考ください。

    1. 先ほどのリソースの観点だけ活用して、Man(人)、機械(Machine)、Material(材料)の3Mとして、リソースが不足する原因に対して3Mを要因として分析します。
    2. リソースについての分析とし、Money(カネ)を追加した4Mつまり、Man(人)、機械(Machine)、Material(材料)、Money(カネ)の4Mで分析します。経営課題のヒト・モノ・カネの観点で分析ができます。

    分析手法を活用して慣れながら、論理の精度を上げていきましょう。

    まとめ

    【QC検定®3級】4Mと特性要因図をわかりやすく解説しました。

    • ⓪(QC検定®3級共通)QC勉強方法がわかる
    • ①4Mは使いこなせると有利
    • ②慣れるまで4Mと特性要因図は1セットで活用
    • ③4Mの注意点

  • 【必読】品質の外部審査で品質不正は見抜けない

    【必読】品質の外部審査で品質不正は見抜けない

    「品質監査したのに、なんで品質不正が見抜けないの?」、「何を審査しているの?」と疑問に思いませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【必読】品質の外部審査で品質不正は見抜けない
    はっきり言いますが、品質不正は外部審査では見抜けません。
    なぜなら監査の趣旨が違うから。
    監査中に、自ら「不正しています」と言っちゃう人いませんよね。
    ISO認証が欲しいなら、不正なんかするなと審査員は思いますよね。
    残念ながら、それが現実です。
    そうなる理由を解説します。
    • ①外部審査は相手を疑う審査ではない
    • ②品質不正の本質は別な所にある
    • ③品質不正発覚後、ISO認証剥奪と後手後手

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    ①外部審査は相手を疑う審査ではない

    適合性、有効性、妥当性をチェック

    ISOの認証に値する組織かどうかをチェックします。

    判断基準は、関連記事 で解説したとおり、適合性、有効性、妥当性です。

    まとめると、
    ●適合性:規格、法令顧客要求事項 どおり業務しているかどうかを見る。
    ●有効性:マネジメントシステムに沿って組織が動いているかどうかを見る。
    ●妥当性:要求事項を満たしているかどうかを客観的証拠から見る。
    の3つです。

    品質不正に該当するのは、「妥当性」でしょうけど、提示されたエビデンスが要求に満たせば、嘘でも構わないわけです。(もちろん、嘘はいけませんよ!)

    品質を作りこむ流れを審査するか

    有限時間の中で組織を審査しますから、一連の質疑の流れで全体から細部まで審査します。

    個々の文書や回答を疑ってかかると何日あっても時間が足りません。

    審査員は被審査側のプロフェッショナルではない

    品質不正はそこ分野のプロであれば見抜けるかもしれません。しかし、次の理由で審査員は業種が近い程度の人がアサインされることがほとんどです。

    1. 全分野のプロから審査員にするのは無理
    2. 仮にプロでも、他社の不正データを一発では気がつかない
    3. 同業者の審査員は、審査を受ける側から嫌がられる
    4. 審査員になれる基準は技術専門性とは別

    同業他社出身なら、被審査側の状況を理解しやすく、情報漏洩につながります。だから普通は嫌がります。

    そうなると、提示された文書から、品質を作りこむプロセスとして適切かどうかしか審査されません。

    ②品質不正の本質は別な所にある

    品質不正は技術・品質部門の問題だけではない

    近年、優良な大企業が続々と品質不正を発表し、批判を浴びています。

    同業他社なら、対岸の火事では済まされず、自社の品質点検するようトップから指示が下りたりします。

    で、よく経営陣側から、

    「技術・品質部門のチェックを強化せよ!」

    と指示がきます。

    でも、技術・品質部門側の本音は

    「何を言ってんの?」

    と白けムード一色です。

    なぜかわかりますか?

    品質不正の真因は、経営陣にあります。
    ●無理な目標達成のプレッシャー
    ●無理な収益要求、納期要求
    が品質不正の温床となっています。

    QCDのC(コスト),D(納期)の要求がきついと、QCDのバランスが崩れ、最悪、Q(品質)不正に染めていくのです。

    最近20年の品質不正を発表した企業の分析結果から言える事です。
    (品質不正については、QCプラネッツもしっかり解説していきます!)

    なので、

    顕在化した所を品質監査しても
    その組織の根深いところまでツッコめないし、
    ツッコんではいけないアンタッチャブルなのです。

    品質不正は簡単に見抜けない

     

    不正の仕方も、手を込んでいます。その分野のプロが仕込むからわかりません。

    真のデータを、顧客に悪影響が出ない範囲で改ざんします。

    だから、

    提示された文書記録を見ても不正はわからないし、
    顧客からの苦情がなければわからないし、
    苦情があっても別理由で納得すれば、不正はわからない

    さらに、

    組織全体で嘘をついているから、ばれにくい

    審査員2名 VS 組織側数名で 外部審査します。人数の圧力もあります。

    ③品質不正発覚後、ISO認証剥奪と後手後手

    いつも言われる「監査したのになぜわからないの?」

    品質監査は、あくまで、

    ISOの要求事項に組織が合っているかどうかを見ているだけ。
    別にISOの要求事項に合ってなくても組織が良いなら、それでもOK

    品質不正を見ていません。でも格好悪いよね。

    素人から見えれば、「監査・審査」=「不正を正し、改善させる」ですよね。

    実態はそうではありません。

    せめて、罰として、ISO認証を剥奪させ、組織に再取得審査へと振り出しに戻すしか手はありません。

    審査側も反省会をする

    認証機関の審査員の方に聞いた話ですが、
    自分が審査した組織が品質不正をした場合、
    認証機関の方でも反省会をやるそうです。

    実際に、提示されたデータがおかしいと気づいても、深く掘り下げるのは難しいです。

    データを作った製造部門、製造部門にいる品質部門など、審査に出席していないメンバーも呼び出す必要があったり、他の項目を審査したいが時間が無くなっていくからです。

    審査員の本音は、

    ISO認証が欲しいなら、品質不正なんかするな!

    ですよね。

    品質不正の温床とならない組織経営が重要です。

    技術者は高い倫理観と、正しく行動するプライドがあります。
    なぜなら、毎日技術を磨いているから。
    それを捻じ曲げる行為をさせる風土が問題であり、
    品質監査では対応できません。

    まとめ

    品質の外部審査で品質不正は見抜けない理由をわかりやすく解説しました。

    • ①外部審査は相手を疑う審査ではない
    • ②品質不正の本質は別な所にある
    • ③品質不正発覚後、ISO認証剥奪と後手後手

  • 【QC検定®3級】勉強方法がわかる

    【QC検定®3級】勉強方法がわかる

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    こういう疑問に答えます。

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    最初に読んで欲しい記事で、
    単なる試験合格対策で終わらずに
    品質管理のプロになっていただきたいから記事を書きました。
    QC検定®3級合格は手段にすぎません。
    もっと大切なのは、品質が好きで得意な人をたくさん増やして
    社会全体の品質を高めることです!

    QCプラネッツは、社会全体の品質を高めるために、品質のプロフェッショナルを増やしたいためにコンテンツを発信しております。

    • ①QC勉強で大事な3つの要素
    • ②QC勉強の3つのお願い事項
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    ★【QC検定®3級】勉強に必須な27項目をまとめました。

    以前、ブログ解説していましたが、1つのPDFにまとめました。勉強に役立ててください

    No 勉強項目
    1 【QC検定®3級】品質がわかる
    2 【QC検定®3級】PDCA,SDCA,OODAがわかる
    3 【QC検定®3級】三現主義、5ゲン主義がわかる
    4 【QC検定®3級】QCDやQCDPSMEがすぐわかる
    5 【QC検定®3級】QC7つ道具がわかる
    6 【QC検定®3級】新QC7つ道具がわかる
    7 【QC検定®3級】5Sがすぐわかる
    8 【QC検定®3級】重点指向がわかる
    9 【QC検定®3級】デザインレビュー(DR)がわかる
    10 【QC検定®3級】QCサークルがわかる
    11 【QC検定®3級】再発防止と未然防止がすぐわかる
    12 【QC検定®3級】狩野モデルがわかる
    13 【QC検定®3級】苦情とクレームの違いがわかる
    14 【QC検定®3級】フェールセーフとフールプルーフがわかる
    15 【QC検定®3級】ISO9001 2015の難解な用語がすぐわかる
    16 【QC検定®3級】「製品及びサービス」がわかる
    17 【QC検定®3級】作業標準、作業標準書がわかる
    18 【QC検定®3級】校正がわかる(管理がいい加減だとまずい)
    19 【QC検定®3級】誤差と残差の違いがすぐわかる
    20 【QC検定®3級】源流管理がわかる(上流工程で品質が決まる!)
    21 【QC検定®3級】官能検査がわかる
    22 【QC検定®3級】PL法がすぐわかる
    23 【QC検定®3級】変化点管理がわかる
    24 【QC検定®3級】トップ診断がわかる
    25 【QC検定®3級】環境側面がわかる
    26 【QC検定®3級】標準化、ISOの歴史がすぐわかる
    27 【QC検定®3級】範囲Rは標準偏差sより大きくなる

    ①QC勉強で大事な3つの要素

    3つあります。

    1. 暗記より考え抜くこと
    2. 自分の言葉で説明できること
    3. 応用発展が効くこと

    暗記より考え抜くこと

    品質管理では、
    ●品質
    ●プロセスアプローチ
    ●関係性管理

    など、難解な用語が出て来ます。

    丸暗記して試験合格しても、数日経てば忘れてしまいます。

    もったいないですよね。資格があっても力量がないわけですから
    (力量って何か、理解できていますか?)。
    関連記事をご覧ください。

    急がば回れ!丸暗記よりどういう意味かを考えましょう。

    品質管理用語
    ●品質⇒どういう意味?
    ●プロセスアプローチ⇒どういう意味?
    ●関係性管理⇒どういう意味?

    と疑問に思って、考え始めましょう。

    しんどいけど、意味を考えることが品質管理マスターの近道です。

    自分の言葉で説明できること

    品質管理の用語がどういう意味かを考えるようになると、自分なりの解釈で説明しようと意識しましょう。

    QCプラネッツでは、品質の定義はISOとは変えています。なぜか?わかりますか?考えてみましょう。

    ●本来備わっている特性の集まりが,要求事項を満たす程度。(ISO9000 2015 3.6.2)
    ●相手が満足する基準(QCプラネッツ)

    ISOとQCプラネッツでは、どちらの定義がわかりやすいですか?

    自分の言葉でわかりやすく説明できることが大切です。
    正解は1つではありませんから、常に考えましょう。

    応用発展が効くこと

    方針管理や品質機能展開などの用語になると、丸暗記だけでは頭に入りません。

    用語の意味を自分の言葉で説明できるようになると、応用の概念も、自分の言葉や頭で理解することができます。

    QCプラネッツでは、用語や概念をわかりやすく解説しますが、
    自分の言葉で理解できるように考えてくださいね。

    ②QC勉強の3つのお願い事項

    品質が好きになって欲しい

    QC検定®合格より、合格の先の目標を決めましょう。
    ⇒品質が好きになって欲しい!

    好きになるには、自分の頭で考えて理解を深めることです

    難しい用語をわかりやすく解釈できるまで考え抜くと、
    すっきりするし、自信がつくし、誰かに説明したくなるはずです。

    QCプラネッツでは、「品質とは何か?」を考える際に、
    ●どういう状況が「品質が悪いか」、
    ●どういう状況が「品質が良いか」、
    をイメージしました。

    物は必ず壊れます。でも
    「同じ壊れた事実が同じでも相手が怒ったり、褒めたりするのはなぜか?」
    と考えると、
    相手の期待値を超えたかどうかで品質を判断するから
    と考えたからです。

    いろいろ考えて、自分なりに解釈しやすい説明になるまで考えてみましょう。

    品質から幅広い専門性を学んで欲しい

    丸暗記はNG
    「どういう意味か?」
    「なぜそうなのか?」
    を考えましょう。

    品質管理を考え抜くと、次の分野へ開拓することができます。

    1. 技術(エンジニアリング)
    2. 経営学,組織学
    3. 世界史

    品質管理は、主に技術者が担当しますが、経営学や世界史などの分野も理解を深めることができます。

    品質問題は、技術・品質管理部門の問題にしがちですが、
    その組織の体質やその社会の慣習が影響することも多々あります。

    歴史、経営の観点から品質問題を解けると、
    品質のプロフェッショナルとして
    活躍いただけます。

    品質のプロフェッショナルをたくさん増やしたい!

    品質管理の勉強のモチベーションを高めるのが、QC検定®ですね。

    当面は、QC検定®の級を上げていけばよいですが、1級合格で終わっているともったいないです。

    QC検定®を超えて、
    品質問題を解決できる品質のプロフェッショナルをたくさん増やしたい!

    試験勉強で得られる知識は多々ありますが、
    実務や、経営・歴史などの専門も深めて
    品質問題をリードできる専門家をたくさん増やしたいです。

    試験合格でモチベーションを上げつつ
    品質のプロも目指してください。

    品質のプロになるために、QCプラネッツでは、役立つ情報を挙げていきます。

    まとめ

    【QC検定®3級】勉強方法をわかりやすく解説しました。

    • ①QC勉強で大事な3つの要素
    • ②QC勉強の3つのお願い事項

  • 外部審査で何を改善指摘されるかがわかる

    外部審査で何を改善指摘されるかがわかる

    「外部審査で何を改善指摘されるかがわからない」、「外部審査怖いなあ」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    外部審査で何を改善指摘されるかがわかる
    審査では、良い点と改善点を指摘します。
    良い点はそのままでよいので、本記事では解説しません。
    改善の指摘を出すのが仕事である審査員と
    指摘される被審査側について解説します。
    残念ながら「完璧で改善指摘が全くない!」ってことはありません。
    • ①審査員は改善の機会を出すのが仕事
    • ②組織が未熟な場合の指摘内容
    • ③成熟した組織の指摘内容

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①審査員は改善の機会を出すのが仕事

審査員の立場

ISO9001の認証機関から組織を審査する審査員は、認証機関の上位である認定機関やISOからもチェックが入ります。

「ちゃんと組織を審査したのか?」
と審査機関も審査されるので、
「改善指摘した箇所を提示する必要があります。」

なので、審査員は審査で、組織の良い点を見つけますが、基本は、改善指摘の方をたくさん見つけようとします。

審査員も仕事なので、仕方がないんです。

改善指摘は仕方がない

「改善指摘されても仕方がない」と心づもりして審査にのぞむことを勧めます。普段から業務を真剣に取り組んでいる人ほど、改善指摘されると、腹が立つし、ヘコミます。

「あなたの組織、部門に問題があるから改善指摘された」
よりはむしろ、
「相手(審査員)も仕事だから仕方がない」
と割り切りましょう。

ISOの要求どおり業務できる部門であれば、
改善指摘後のアクションもしっかり対応できるでしょうし、それを見せつけてあげたらOKです。

審査ですが、組織の成熟度合いによって、改善指摘の内容が大きく違います。

②組織が未熟な場合の指摘内容

ヌケモレが明確

誰が審査しても、はっきりわかるレベルです。「ちゃんと仕事しようね」というレベルです。まだ、組織内の人々が我流で仕事している感じが漂っていますね。

指摘される内容は、

  1. 必要文書自体が無い
  2. 文書の記入内容のヌケモレ
  3. 回答者が矛盾した回答している

組織の品質マネジメントシステムを回すために必要な組織内の文書が必ずあります。それ自体が無い状態で製造に入っていると、引継ぎに情報のヌケモレがありますね。きっと電話かメールで「やっといて」と製造側に依頼している可能性が高いですね。

文書の記入のヌケモレに多いのが、
●空白の欄がある(文書作成担当者が理解していない)
●5W1Hがあいまい(力量ある責任者が集まって、いつ協議して何が決まったかが不明確)
●承認回付をやっていない(承認入ると修正があるので面倒だから)
ですね。

気持ちはわかりますが、あとでトラブったときの原因になるので、上流工程ほど、文書を使って品質を作りこみましょう。

回答者が矛盾した回答しているとは、「エビデンスがあります」と言って、「エビデンスが出て来なかった」場合が多いです。上司が部下に「あれ出せ、これ出せ」と審査中に指示しますが、情報共有が疎な部門なら部下から「そんなのありません」と突き返されます。

これって、「カッコ悪い上司だなあ、普段、仲悪いんだろうな」がバレバレです。

品質の基本が理解していない

明らかなヌケモレがあるのに審査にのぞんでしまう原因は、

ISO9001、QMSを理解せず、見様見真似でやっている

からでしょう。能力不足ではないはずです。「なんでISOなんてやらないとだめなの?」と納得していないと、能力があっても、ヌケモレや自ら気づいて改善しようとはしません。

組織内の品質に関する教育が不十分かもしれません。また教育があったとしても、ISO,QMSなどの難解な用語をそのまま使って説明しているイケてない品質管理担当が教育者である可能性もあります。

「ルールだから従え!」
では、人は動きません。
納得できる理由を時間かけて説明しましょう。

被監査側のモチベーションは低い

審査に提示する内容の質が低いのは、被監査側のモチベーションは低いからです。この理由は

● ISO,QMSやって良かった!という実感がない
●費用対効果が見えない

からでしょう。公共工事のように、ISO認証組織でないと受注できないという制約があれば、受注のためにISOは仕方がないと納得せざるを得ないでしょうが、収益など組織の成功に直接つながらないと、組織の人達のモチベーションは上がりません。

経営陣や品質管理担当が組織を出回り布教活動すると、モチベーションが少しずつ上がるでしょう。

③成熟した組織の指摘内容

一方、成熟した組織でも改善指摘はあります。改善指摘が審査員の仕事なので。

成熟した組織とは

  1. ISO,組織のQMSを理解して組織が動いている
  2. 各部門に品質管理部門より口うるさい品質係がいる
  3. 自分で文書の内容を目的が説明できる
  4. 審査員に反論できるほど品質を良く理解している

よく理解しているのも良いですが、反論や自分なりの哲学を言ってくる「ややうるさい」人が各部門にいる感じです。

では成熟された組織で、何を改善指摘されるかを解説します。

ヌケモレはほぼ指摘できないレベル

●審査に提示される文書もしっかり作られており、内容も明確で、説明者もさっと回答できます。完璧です!これは指摘がありません。

●この状態で改善指摘を見つけようとすると、文書のrevision番号が合っていないなど、品質にとって重要ではないところを荒さがしするしかありません。

ISO2008年版までは、荒さがししていましたが、意味がないので、ISO2015年版からは指摘しません。

上位概念を指摘する

一通り品質マネジメントシステムが有効的に機能しているので、

もっと、組織が成功できるには、
何を高めて(改善すれば)良いか
を審査してきます。

学校のテストでいうと
●未熟な組織は、50点を80点にする改善指摘
●成熟した組織は、100点を150点に高める改善指摘
です。次元が違います。

●組織の成功を左右するのは、上位概念の方です。

  1. 経営戦略、品質方針、品質目標の整合性を確認
  2. より高い目標を提示するように改善指摘

具体的には、
●審査最初に見られる、品質目標の
施策項目内容、目標値がより高いレベルに組織が上がるためには十分な内容かどうか。
●各文書の中身ではなく、書くべき内容・構成が妥当かどうか?

など、より高い次元に進むために、整備されたQMSが妥当かどうか?さらに高めるには何が必要か?を考えさせるような改善指摘が来ます。

この場合、改善指摘内容が抽象的になるので、組織各部門にそのまま展開しても、みんな「わからない」となってしまいます。品質管理部門で一旦、審査員の意味を汲み取って、できる指摘内容に書き直してから組織へ展開する必要があります。

単なるヌケモレチェックの審査から
より高い次元に行けるためのべき論を考える審査に
なるように組織の品質力を高めましょう。

まとめ

外部審査で何を改善指摘されるかをわかりやすく解説しました。

  • ①審査員は改善の機会を出すのが仕事
  • ②組織が未熟な場合の指摘内容
  • ③成熟した組織の指摘内容

  • 品質のリモート監査のコツがわかる

    品質のリモート監査のコツがわかる

    「品質監査をリモートでやらないといけないけど、うまくできるかわからない?」、と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    品質のリモート監査のコツがわかる

    第一者監査(内部監査)、第二者監査(取引先監査)、第三者監査(外部審査)共通のテーマです。

    慣れないリモート監査でも、すぐ上手にできますよ。
    • ①コロナ禍前までは対面監査前提
    • ②コロナ禍によるリモート監査導入
    • ③リモート監査でも十分監査できる
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    コロナ禍前までは対面監査前提

    技術的に可能だったけど

    コロナ禍前から、技術的にリモートによる品質監査はできています。でも、ほとんど対面監査だったはずです。

    ここで、
    ●対面監査:実際に監査先に出向いて、直接会って、対面で監査する方式
    ●リモート監査:オンラインで直接出向かずに監査する方式
    と区別します。

    リモートワーク自体も、コロナ禍前からも技術的に可能でしたが、ほとんどの企業が実施していませんでしたね。

    リモート審査に変えようとならなかった理由

    リモートに切り替えなかった理由はいくつかあります。

    1. 相手先の空気感がわからないと適正な評価ができない
    2. 相手を見て監査評価したい
    3. デジタルに疎いシニアが多い
    4. リモートで監査中に途切れたらどうしようかと困る
    5. 実績のないことは消極的

    リモートワークに切り替えなかった理由とほぼ同じですね。

    慣れないものには、なかなか移行しないのが世の常。

    コロナ禍によるリモート監査導入

    コロナ禍による強制的なリモート導入は逆にチャンスだった

    コロナウイルスは憎い。
    けど、ウイルスに対して、しなやかに対応できる人間はすごい!
    コロナ禍の制約を逆に活かしてデジタル化が一気に加速しました。

    コロナ禍によって、10年かかるデジタル化が1年で一気に進んだ気がします。制約を逆にチャンスに活かすのも知恵の見せ所ですね。

    ガイドラインを作る

    リモート監査しかできなくなった中で、どうやって経験のないリモート監査を実施しようか? と悩むはずです。

    焦らずに、アクションアイテムを書き出して、課題を見つけましょう。実務経験で、リモート監査に切り替えた場合に考えたことを列挙します。

    1. リモート会議の設営に慣れる
    2. リモート会議で音声・画像が中断した場合の対応策を作る
    3. 監査記録用紙は紙記入から電子記入に移行
    4. 電子承認ができるようにする
    5. 対面監査より、慣れないリモート監査では、質疑のスピードが落ちると理解する
    6. 被監査側から事前に資料を受領して、監査員は印刷する。お互いどこを見ているかがわかるようにする。
    7. リモート監査初年度は、通常の監査より70%程度の質であっても仕方がないとする

    事務局が対応しますが、1人でやらず、複数人でリモート設営をしましょう。慣れた人を増やしていくのが目的です。

    内部監査の場合は、監査事前にオンライン会議設営テストする

    内部監査と言っても、身内同士の監査です。リモート設営は監査側、被監査側、事務局の3者を巻き込んで設営しましょう。

    やったことがないので、わからないと皆言うけど、リモート監査せざるを得ない状況に追い込んで設営してもらいましょう。案外、みなさんすぐできます。

    実務経験で実際やっていることは、
    ●オンライン会議ツールの立ち上げ
    ●音声・画像の確認
    ●音声中断回避のためのスピーカ用意
    ●PCを複数台使って、中断したPCがあれば、冗長なPCに切り替えて接続を継続し、その間に中断したPCを再起動させる
    ●監査員側は、質疑する人、記録する人、設営対応する人の3名用意

    対応者に設営対応する人が増えて、監査計画が難しくなりますが、備えあれば憂いなしです。

    外部審査に向けて内部監査で十分慣れておく

    内部監査は外部審査の前に実施することが多いでしょうから、内部監査でリモート監査に慣れておきましょう。

    内部監査実施後
    ●リモート監査やってみた感想を、監査側、被監査側から聞く。
    ●リモート監査中に起きたトラブルを事務局内で共有する。
    ●設営方法をマニュアル化する。
    はしておきましょう。

    コロナ禍に入った2020年当時は、組織内のネット回線が弱く中断することが多かったですが、リモートワークの加速につれて、ネット回線が強化されていき、中断はほぼなくなった感触があります。

    リモート監査でも十分監査できる

    不慣れなことも、追い込まれてやらざるを得ない状況になると、意外とスムーズにできます。

    リモート監査で、
    ●リモート監査直前にやること
    ●リモート監査当日にやること
    を解説します。

    リモート監査直前にやること

    準備がすべてなので、しっかり対応しましょう。

    1. 事前に監査資料を受け取り、予習する
    2. 普段からリモートワークツール(Teams,Skype)などに慣れておく
    3. 情報セキュリティ対策済

    ここで1点注意すべきなのが、外部審査など、社外の人とリモート監査する場合です。

    社外から監査すると、社外に社内情報が漏れる危険があります。社内に来館してもらって、社内の各拠点間はリモート監査として、社内のイントラネット内で閉じる方がよいでしょう。

    リモート監査当日にやること

    重要なのは、

    1. 時間に余裕をもって設営、監査対応する
    2. 音声・画像の途中の中断はあると心得ておく
    3. 質問、回答は短く端的にはっきり伝える

    特に、Q&Aの内容で、日本人は枕詞が多すぎます。対面なら伝わるでしょうが、リモートなら途中でつっかえて聞こえなかったりして、せっかく流暢に長くしゃべったことを再度伝える必要があります。これ、結構、ダルイです。

    少々、冷たい感じかもしれませんが、短く端的にはっきり、ゆっくり伝え、2回伝える覚悟をしておくとよいです。

    リモート監査を実際にやってわかったこと

    監査側、被監査側にアンケートをとってわかったことは、

    1. リモート監査に不満は特にない
    2. ちゃんとリモート監査できる
    3. 最初は音声の中断が目立っていたが、使い方が慣れると減っていった
    4. 対面前提だったのが、現地行くのが面倒という意見が出てきた

    環境が変わっても対応できる力がとても重要ですね。リモート監査のヒントになれば幸いです。

    まとめ

    品質のリモート監査のコツをわかる方法りやすく解説しました。

    • ①コロナ禍前までは対面監査前提
    • ②コロナ禍によるリモート監査導入
    • ③リモート監査でも十分監査できる

  • 内部監査の報告書の作り方と書き方がわかる

    内部監査の報告書の作り方と書き方がわかる

    「内部監査したけど、結果のまとめ方がわからない?」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    内部監査の報告書の作り方と書き方がわかる
    • ①報告書の作り方
    • ②報告書の書き方
    • ③監査中の書き方(実際)
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    ①報告書の作り方

    報告書の目的

    単に実施したから記録するのではなく、継続して品質改善を取り組んで、組織が良くなっていっているかを確かめるために記録しましょう。

    ●何を監査したか?
    ●どんな回答があったか?
    ●どんな評価をしたのか?
    ●次回の監査までに何を改善するのか?

    をまとめることで、組織の各部門の課題や全体に共通する課題を見つけることが重要です。

    組織全体に影響する課題であれば、経営陣に迅速にインプットする必要があります。

    組織の健康チェック記録ですね。

    報告書に必要な内容

    組織内の正式な文書類になるでしょうから、報告書に必要な項目を決めて、文書や様式を設計する必要があります。

    まずは、5W1Hですね。
    ●監査員名(⇒組織が許可した監査員か?監査員教育や力量は適切か?)
    ●被監査側の出席者(⇒監査を受けてよい人か? 役職・責任・権限は適切か?)
    ●日時(⇒前回の監査からどの程度期間があり、品質の定着度を見るのに妥当かどうか?)
    ●場所(⇒場所はそれほど問題ではありませんが、最近はコロナ禍対策としてオンラインも適用されます。)

    そして、監査項目、監査評価ですね。
    ●監査項目の設定方法
    ●監査評価の定義(何が良くて、悪いか?)
    ●その他記録すべき特記事項(何を書くべきか?)

    報告書はよく考えてつくるべきですね。

    報告書の事例

    必要な項目を入れると下図の感じになるでしょう。いかがでしょうか。あなたの組織の内部監査報告書と似ていますか?違いますか?

    1枚目報告書

    内部監査

    2枚目記録書

    内部監査

    2枚用意しました。
    ●1枚目は、監査リーダが質疑しながら、最後にまとめる報告書。
    ●2枚目は、2人目の監査員が、監査質疑を詳細に記録する記録書。
    です。

    1枚目の報告書だけでは、なぜその結果になったのかが、後でわからなくなります。そこで、2枚目の記録書にQ&Aのやり取りを記録しておくことを薦めます。

    監査項目

    監査項目に何を入れるかは自由ですが、内部監査と外部審査がリンクするので、ISO9001の要求事項をいれておくのも1つの手です。

    監査項目の例として、
    ●前回の結果からの改善
    ●外部・内部課題の変化
    ●品質目標
    ●組織体制
    ●資源
    ●力量
    ●コミュニケーション
    ●文書化した情報
    ●運用の計画および管理
    ●不適合、是正処置
    ●継続的改善
    から選ぶ感じでしょうか?実際は決まった時間で監査完了しなければなりませんので、組織にとって監査したい項目を選びましょう。

    ②報告書の書き方

    必須項目

    以下を確実に書きましょう。あとで、見直す時に有効です。
    ●5W1H
    ●主語述語を明確に
    ●確認した文書名
    ●文書内容(文書名、顧客名、納期、などの重要な内容)
    ●監査のQ&A

    記録する監査員は、監査記録中、記録だけに徹しましょう。

    書き方のコツ

    1. 文章より箇条書き
    2. 主語、期限、を明確に

    音声データを記録して、文字を起こすよりは端的な箇条書きでまとめましょう。何枚も記録書を見るよりは、伝えたるべきポイントをまとめておくことが重要です。そのため、ある程度力量をもった監査員が記録すべきです。

    主語、期限など、相手が嫌がるけど、明確にしておくべきことははっきり記録しましょう。あいまいな回答が来たら、聞き返してください。相手がためらったら、「明確に書いたからといって、絶対にやらないといけないという宣言ではない」とか「監査結果に影響しません」と返しましょう。

    第3者にわかりやすくつたえるのが記録の目的です。

    報告書は電子入力すべき

    意外と内部監査って、手書きで記録していませんか? 電子化の時代とはいえ、システムを組むほどの規模でもなく、それをつくる人がいないので、紙とハンコを使っている組織が未だに多いでしょう。

    報告書は電子入力

    組織内のサーバーや、Share Point Onlineなどのツールなど何か入っているでしょうから、電子化対応しましょう。

    1. 直筆は基本汚い字
    2. リモート勤務で監査が必要

    みんな字が汚いです。汚い字で、くせのある字だと、第3者が読み取れません。でも、これが、監査終了後、被監査側が記録書をチェックしようとしない理由でもあります。

    今まで被監査側は何もチェックしなかったのに、記録書が出来たらチェックするようになりましたね。

    あと、コロナ禍によるリモート対応が直筆、紙、ハンコから電子化せざるを得ない状況になったでしょう。監査員・被監査側の一部の人がリモートログインして内部監査する時代になりました。

    電子化が必須になってきました。

    ③監査中の書き方(実際)

    実務経験から3つコツを解説します。

    1. 監査員は2名以上必要
    2. 質疑と記録を同時に2名で進行
    3. 監査後の記録データの注意点

    監査員は2名以上必要

    ●質疑する人
    ●記録する人
    の2名は必須です。

    あとは、アドバイザー監査員や育成中の監査員が必要に応じて同席します。

    監査員は2名以上必要な理由は

    1. 質疑中は記録とれない(時間も気持ちも余裕がない)
    2. 質疑しながら記録すると、記録中、会話が無くなり質疑の良い流れが寸断される

    質疑する監査リーダは、結果をまとめる時だけ、記録し、それ以外は質疑だけに集中しましょう。記録係は、記録に徹しましょう。

    監査後の記録データの注意点

    記録した文書において、改ざんされる状態のまま、文書を保管する場合が多いです。

    ●紙と鉛筆で書いた場合は、後でいくらでも改ざんできる
    ●電子化しても、その記録ファイルが編集できる状態で保存されていると、改ざんできる。

    電子化しても、監査後は文書にロックをかけて保管する必要があります。意外とexcelやwordで作った文書をそのまま電子印で承認した後、普通に編集できるファイルで保管することが多いにあります。

    まとめ

    内部監査の報告書の作り方と書き方をわかりやすく解説しました。

    • ①報告書の作り方
    • ②報告書の書き方
    • ③監査中の書き方(実際)

  • 品質監査で不適合を受けるとどうなるか?がわかる

    品質監査で不適合を受けるとどうなるか?がわかる

    「品質監査で不適合になってしまったらどうしたらいいの?」、「どんな条件で不適合を受けるのかがわからない」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    品質監査で不適合を受けるとどうなるか?がわかる

    第一者監査(内部監査)、第二者監査(取引先監査)、第三者監査(外部審査)共通のテーマです。

    不適合ってやばそう!
    どうなっちゃうの?
    • ①何をすれば不適合になるのか?
    • ②監査で不適合になるのか?
    • ③不適合を受けた後の処置方法/li>

    ISO9001 2015 内部監査員育成問題集をを販売します!

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    何をすれば不適合になるのか?

    不適合とは?

    ●まず、品質監査における不適合とは何か?の定義を確認しましょう。相手を知らずして恐れても仕方がありません。

    不適合とは

    ISO9000 2015 3.6.9 不適合
    要求事項を満たしていないこと。

    ここでいう要求事項は具体的には、
    (i)製品の要求事項、顧客要求事項
    (ii)組織の品質マネジメントシステム要求事項
    (iii)法令、標準規格

    つまり、
    (i)は相手からの要求
    (ii)は自分で決めた品質マネジメントシステム通り業務すること
    (iii)法令や標準などの第3者からの要求
    をそれぞれ満たしていないと、「不適合」になります。

    「満たしていない」とは?

    監査で、ヌケモレなどの不備を指摘された場合、

    「改善の機会」として指摘される
    か、それとも
    「不適合」で一発アウト
    となるか?

    の基準がわかりません。監査員によって基準が変わると、監査をうける側はいやですね。

    実務経験上、次の基準で分かれていると考えています。

    「改善の機会」と「不適合」の違いは
    ●要求事項に対して活動していれば、「不適合」にはならず、「改善の機会」になる。
    ●「不適合」はそもそも、要求事項に対して全く何もやっていない場合になる。

    不適合の具体事例を紹介します。

    不適合事例

    例えば、
    ●「顧客の要求事項に対して何をしていますか?」と審査員に質問された場合

    「顧客要求事項一覧表があって、その内容を説明した」が、一部ヌケモレがあった場合は、「不適合」にはならず、「改善の機会」になる。

    「顧客要求事項って何だ?何かやっているか?」、「担当者が個別にやっています」だと、顧客要求を満たす組織になっていないと判断され、「不適合」になる。

    ISO9001やQMS(品質マネジメントシステム)を組織が導入した場合、一定のルールで化業務遂行するはずです。しかし、そのルールを無視したり、やっていないとなると「不適合」になります。

    一定のルールで組織が業務遂行していれば、「不適合」にはなりません。安心してください。

    長期間、ISO9001やQMS(品質マネジメントシステム) を組織が導入していると、ルール前提で業務遂行できる組織になるので、「不適合」になる場合はほぼありません。

    ただし、成熟した組織でも「不適合」になりうる注意すべき点があります。

    1. ISO9001 2015認証なのに、2015年版にはない2008年版の業務フローが継続
    2. 自組織のQMSを変更したのに、一部業務が過去のQMSのまま継続

    これらのケースも、「そもそも最新版の要求事項をやっていない」とみなされ、「不適合」を受ける場合があります。

    不適合に罰則はあるのか?

    ●ありません。不適合を適合にすればOKです。
    (不適合を適合に挽回する方法を後で解説します。)

    でも、後味悪いですよね。

    「不適合! 何やってんの?」と上から叱られるくらいはあるでしょうけど。

    監査で不適合になるのか?

    実務経験上、

    外部審査ではありうるが、
    内部監査はほぼない、
    取引先監査はよっぽど相手に圧力をかけたいときだけ
    (取引先を変えた方がよいでしょう)

    外部審査ではありうる

    外部審査は、ISO9001認証にふさわしいか?の審査です。ISO9001の要求事項に沿って業務しているかを確認しましょう。

    ISOも7,8年で更新されるので、更新時に古い要求事項のままだと、「不適合」になりやすいので要注意です。

    内部監査はほぼない

    身内で監査するので、不適合はありません。不適合にする監査側も、監査される側も、事務局ももめるし、後処理が面倒です

    ただし、内部監査は自主的とはいえ、ISO9001の要求事項の1つなので、不適合の選択肢も用意しておく必要があります。

    組織内規定で、内部監査を規定する場合、不適合の報告書と是正処置の報告書の様式を作りますが、実際は、形だけです。

    実務経験上、内部監査員への説明の際も、「不適合」の話はしません。話しなければ、ほとんどの組織内の内部監査員は「不適合」を知らずに監査します。

    ISO認証後すぐの組織は不適合がよくある

    不適合になりやすい組織とは、

    1. ISO認証後すぐの組織
    2. ISOが更新された直後

    前者は、ISO取り立ての場合、まだ、ISOに沿った業務をしていない部門がいくつかある可能性があります。そこを次年度、受審すると、「不適合」を受けやすくなります。ただ、審査側も、ISO取ったばかりという配慮もあります。審査員が助言する場合が多いです。

    後者は、ISOが更新された直後は、「更新審査」として外部審査を受けます。実務経験上、ISO9001 2008から2015への更新審査では、審査のほとんどの時間が、審査員から説明時間となってしまいました。

    「不適合」になりやすい状態の場合、審査する側もそれなりに配慮してくれます。「そろそろちゃんとできるよね!」という時期に、やるべきことをやっていないと「不適合」になります。

    不適合を受けた後の処置方法

    慌てることはありません。

    1. 応急処置と恒久処置をしっかりやる
    2. 処置は仕組化する
    3. しばらく経過してから再審査する

    の流れです。

    応急処置と恒久処置をしっかりやる

    まずは、応急処置として、「不適合」箇所を修正しましょう。

    仕組や文書が無いことによる「不適合」が多いので、作りましょう。

    次に、恒久処置として
    ●応急処置で作った仕組や文書をルール化する
    ●ルール化したものを組織内に情報共有する
    ●他にも「不適合」になりうる業務がないかを確認する
    などしましょう。

    処置は仕組化する

    再発防止や未然防止のため、気合・根性ではなく、仕組化しましょう。

    仕組化とは、
    ●そのチェックがないと、文書ファイルが保存できなくする
    ●チェックリストを作って、承認の際に必ず確認する
    ●ルール化して、全員に周知させる
    など、実務経験上は、デジタルを使って、ヌケモレがない仕組にした方がベターです。

    しばらく経過してから再審査する

    すぐ処置しても、再審査して「適合」にはなりません。数カ月くらい経過して処置が定着したと確認できてから再審査となります。

    「不適合」はあまり、なりませんが、なると面倒です。けど、それをチャンスととらえましょう。

    まとめ

    品質監査で不適合を受けるとどうなるか?をわかりやすく解説しました。

    • ①何をすれば不適合になるのか?
    • ②監査で不適合になるのか?
    • ③不適合を受けた後の処置方法/li>

  • 品質監査で高評価がもらえるコツがわかる

    品質監査で高評価がもらえるコツがわかる

    「品質監査で良い評価を獲得する方法がわからない」、「品質監査で評価の加減方法がわからない」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    品質監査で高評価がもらえるコツがわかる

    第一者監査(内部監査)、第二者監査(取引先監査)、第三者監査(外部審査)共通のテーマです。

    まず、評価基準を理解する。
    次に、良い評価につながるコツを理解する。
    • ①監査の評価基準
    • ②監査の評価加減基準
    • ③良い評価につながるコツ

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    ISO9001 2015 内部監査員育成する問題集【問題編】を紹介します。ISO9001 取得に向けてISO9001 の構築、内部監査・外部審査の実施、監査のフィードバックや、今後のリスクに対する対処方法を考え抜く問題集です。

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    ①監査の評価基準

    良い活動を継続して、良い監査評価をもらうためには、監査の評価基準を知る必要があります。ただし、監査の評価基準のために業務するわけではない点に注意しましょう。

    監査の評価基準は主に2つありますが、ほとんどISO9001の要求事項内におさまるでしょう。

    1. ISO9001の評価基準
    2. 自組織の評価基準

    ISO9001の評価基準

    ISOの要求事項は3つあります。

    1. 適合性(ISO9000 3.6.11)
    2. 有効性(ISO9000 3.7.11)
    3. 妥当性(ISO9000 3.8.13)
    適合性、有効性、妥当性、
    難しいなあ、どうやって評価すればいいのんだろうか?

    わかりやすく解説すると、

    ●適合性:(i)規格や法令などの要求事項や(ii)顧客要求事項 どおり業務しているかどうか。
    ●有効性:マネジメントシステムが組織の役に立っているかどうか。各自勝手な進め方をしていないかどうか。
    ●妥当性:要求事項を満たしているかどうかを客観的証拠から見て確認する。

    なので、監査では
    ●業務の一連の流れを診る(適合性をチェック)
    ●被監査側のメンバーのやり取りを見て、有効に組織が機能しているかを見る(有効性)
    ●ちゃんと結果が出ているかを確認(妥当性)
    を診ていきます。

    自組織の評価基準

    ISOの「適合性、有効性、妥当性」以外にチェックする基準が、もしあればそれも自主的に監査しましょう。

    ②監査の評価加減基準

    ●良い活動なら加点、
    ●改善が必要なら減点、
    ●特に問題なければ現状どおり0点
    と評価しますが、どうやって加減したらよいのでしょうか?

    加減基準は自分で決めてよい

    加減基準は自分で決めてよい

    ISOでは監査基準の加減の方針は書いていません。ISOに書いていないことは、自分たちで決めてよいのです。だから、難しいですね。

    監査評価基準は、減点基準から考えるとわかりやすいので、解説します。

    減点基準から考える

    最初に、減点基準から考えるとわかりやすいです。減点基準の逆が加点基準になりますね。

    ●減点基準とする場合は、以下の場合です。

    1. 監査質疑や、提示文書にヌケモレがある
    2. 要求事項をやっていない
    3. 監査回答に矛盾がある
    4. 被監査側の活動と組織の戦略が整合していない

    ヌケモレ、矛盾、不整合があれば減点しましょう。これらは、客観的なので、他人が監査しても同じように減点するでしょう。

    なぜなら、組織のマネジメントシステムが相手の要求レベルに届いていないからです。

    組織の成功の必要最低条件とは、相手の要求レベルを満たすこと

    これができていないなら、減点対象としてよいです。

    ヌケモレ、矛盾、不整合があると、今後、どんなリスクが発生しうるか想像できますよね。

    加点基準を考える

    ●組織の成功の必要最低条件とは、相手の要求レベルを満たすこと としました。これが不足すると減点とします。では、加点はその逆をしましょう。

    ●加点に明確な基準はありません。難しいですが、各自決めればよいです。次のように基準を定義したらよいでしょう。

    ●「相手の要求レベル」=「マネジメントシステム」 0点(問題なし)
    ●「相手の要求レベル」 &gt「マネジメントシステム」 減点
    ●「相手の要求レベル」 &lt 「マネジメントシステム」 加点

    つまり、「マネジメントシステム」での活動が「相手の要求レベル」以上のものであれば、「Good!」として加点すればよいです。各部門、汗水かいてがんばっているので、絶対加点できる活動結果があります。監査員は加点対象を見つける努力をしましょう。

    加点評価の事例

    加点対象をどうやって見つけたらいいの?

    解説します。例えば、QCDの観点から加点対象を探しましょう。
    ●Q(品質)⇒顧客要求品質よりさらに低不良率化する工夫とか
    ●C(コスト)⇒相手の要求以上の提案力で売上アップの工夫とか
    ●D(納期)⇒生産効率向上による業務スピードアップの工夫とか

    QCDPESMの観点でそれぞれ工夫している活動があるはずなので、顧客要求以上のものを実現した例を見つけると加点しやすいです。
    ●Q(品質)
    ●C(コスト)
    ●D(納期)
    ●P(生産性)
    ●E(環境)
    ●S(安全)
    ●M(士気)
    それぞれの観点で良い活動結果を探そう!

    ③良い評価につながるコツ

    監査側の話をしてきましたが、今度は、監査される側が加点につながるコツを解説します。

    一発逆転で簡単に加点されるわけではなく、日々の積み重ねしか加点につながりません。以下の3点が加点につながるコツです。

    1. 業務の基本をマスター
    2. 相手の要求レベルを超える施策を考える習慣
    3. 周囲の環境変化をチャンスに変える力

    業務の基本をマスター

    何事も、基本をマスターすることです。
    ●迅速かつ、ヌケモレのない報連相
    ●顧客の要求事項、規格・法令の確認
    ●受注案件独自に注意すべきこと
    ●組織内に業務引継ぎする際の注意事項
    ●スケジュール管理
    ●リスク管理
    ●文書記録の維持・保持

    これを常に網羅しておけば、監査減点対象になりません。でも、これが一番難しいですね。

    ●基本をマスターできる本人の能力
    ●正しい仕事を教える先輩や教育制度
    ●正しい仕事をさせる組織風土

    が、無いと業務の基本がマスターできず、半人前のまま年を取っていくことになり、いつまでも監査で減点されることになります。最初が最も大事!

    相手の要求レベルを超える施策を考える習慣

    業務の基本をマスターできれば、次は、「相手は何を求めているのか?」だけ見ておけばOKとなります。

    業務経験が積み重ねていくと、全体を俯瞰できるようになります。

    1. 「相手は何を求めているのか?」
    2. 「相手の要求事項より、もっと提案すべきことがないか?」
    3. 「相手は要求そのものがどうあるべきか?」

    このあたりまで、できるようになると、提案力が増し、顧客満足向上につながります。もちろん監査の加点対象につながります。

    高評価をいつももらう先輩がたくさんいると、後輩もそれを真似するので良い循環が組織に流れることになります。一方、その逆もあるので注意です。

    周囲の環境変化をチャンスに変える力

    業務に慣れると、あまり新しいことをしたくないのが人間です。

    ●苦労して手に入れた自分の勝ち方はいつまでも保持したい
    ●業務の最適化、新技術の適用は自分によって脅威
    ●若くないから、新しいことをしたくない

    よくわかりますが、日ごろから業務の最適化、新技術の適用は挑戦しましょう。

    ●業務のデジタル化によって、コロナ禍でもスムーズに業務対応できた
    ●業務効率化によって、顧客満足を考える時間や施策が増えた

    などのメリットがたくさんありますし、監査の加点にもつながります。

    成長、挑戦が人を成長させ、
    コロナ禍などのリスクに対して、しなやかに対応でき、
    監査加点につながる

    成長なくして、加点なしです!

    まとめ

    品質監査で高評価がもらえるコツをわかりやすく解説しました。

    • ①監査の評価基準
    • ②監査の評価加減基準
    • ③良い評価につながるコツ

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