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u管理図の欠点数の差の検定ができる

管理図

「u管理図の欠点数の差を検定せよと聞かれたけど、どうやって解くかわからない」、などと困っていませんか?

こういう期待に答えます。

本記事のテーマ

u管理図の欠点数の差の検定ができる
ポアソン分布の正規分布近似を使った検定統計量を使って解説します。
  • ①不良率の差の検定事例
  • ②正規分布を使った検定統計量で不良率の差の検定を解く
教科書やサイトの内容をそのまま暗記せず、自分で考えてみよう。疑問がわけば、新発見につながる!

記事の信頼性

記事を書いている私は、QC検定®1級合格しましたが、管理図の係数表、群内変動・群間変動の解き方に疑問が残りました。そこで、管理図の理論を研究しました。その成果をブログで解説します。

●検定と推定に自信がない場合は関連記事で演習しましょう。何度も解けば身に付きます。

計数値データの検定と推定の演習問題【QC検定®2級対策】
QC検定®2級で必ず出題される計数値に関する検定と推定の演習問題とその解法を解説します。検定から推定区間まで5分以内に解けるための流れとテクニックについて解説します。QC検定®2級合格したい方は必見です。さっと解けるか?チェックしてください。

●You tube動画でも解説しています。ご確認ください。

●商標使用について、
①QC検定®と品質管理検定®は、一般財団法人日本規格協会の登録商標です。
➁このコンテンツは、一般財団法人日本規格協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。
➂QCプラネッツは、QC検定®と品質管理検定®の商標使用許可を受けています。

①不良率の差の検定事例

事例問題

次の問いを考えます。管理図から検定・推定につなぐ重要な応用問題としてとらえてください。QC検定®1級、QC検定®2級で出題されてもよい良問です。

演習問題

20群に小分けされた金属板の傷の数を数えた。2つの機械A,Bからそれぞれ金属板を製造したので、傷の数が機械によって異なるかを確認したい。
(1) A、B合わせた全体のu管理図を描け。
(2) 傷の数が機械によって異なるかを、有意水準5%で検定せよ。
No 機械 サンプル
の大きさ
傷の数 単位当たり
の傷の数
1 A 10 12 1.2
2 A 10 8 0.8
3 A 10 10 1
4 A 10 6 0.6
5 A 10 9 0.9
6 A 14 15 1.07
7 A 14 12 0.86
8 A 14 10 0.71
9 A 14 13 0.93
10 A 14 8 0.57
11 B 20 33 1.65
12 B 20 25 1.25
13 B 24 17 0.71
14 B 24 20 0.83
15 B 24 28 1.17
16 B 24 20 0.83
17 B 24 36 1.5
18 B 30 45 1.5
19 B 30 20 0.67
20 B 30 30 1
合計 370 377

一度は、実際に演習してくださいね。良問ですよ!

u管理図を作成

あまり見かけない管理図ですが、作れ!と言われてもあわてないようにしっかりおさえましょう。

必要な値を計算します。
●全体平均\(\bar{u}\)=377/370=1.02
●LCL=\(\bar{u}\)-3\(\sqrt{\frac{\bar{u}}{n_i}}\)
●UCL=\(\bar{u}\)+3\(\sqrt{\frac{\bar{u}}{n_i}}\)
ここで、分母の\(n_i\)は群のサンプルの大きさなので、各群によってLCL、UCLの値が変化します。

●LCL,UCLの値を表にまとめます。

No 機械 サンプル
の大きさ
傷の数 単位当たり
の不良数
平均 LCL UCL
1 A 10 12 1.2 1.019 0.061 1.977
2 A 10 8 0.8 1.019 0.061 1.977
3 A 10 10 1 1.019 0.061 1.977
4 A 10 6 0.6 1.019 0.061 1.977
5 A 10 9 0.9 1.019 0.061 1.977
6 A 14 15 1.07 1.019 0.21 1.828
7 A 14 12 0.86 1.019 0.21 1.828
8 A 14 10 0.71 1.019 0.21 1.828
9 A 14 13 0.93 1.019 0.21 1.828
10 A 14 8 0.57 1.019 0.21 1.828
11 B 20 33 1.65 1.019 0.342 1.696
12 B 20 25 1.25 1.019 0.342 1.696
13 B 24 17 0.71 1.019 0.401 1.637
14 B 24 20 0.83 1.019 0.401 1.637
15 B 24 28 1.17 1.019 0.401 1.637
16 B 24 20 0.83 1.019 0.401 1.637
17 B 24 36 1.5 1.019 0.401 1.637
18 B 30 45 1.5 1.019 0.466 1.572
19 B 30 20 0.67 1.019 0.466 1.572
20 B 30 30 1 1.019 0.466 1.572
合計 370 377 1.019

u管理図を作成します。

u管理図

なお、A,Bの違いがわかるようにu管理図を分けてみます。

u管理図

差がありそうですよね!

AとBの違いを検定しましょう。

正規分布を使った検定統計量で不良率の差の検定を解く

検定統計量

単位当たりの個数は、本来ポアソン分布ですが、正規分布近似して解く方法で検定します。

教科書に絶対ある式なので、使いこなせてください。

検定統計量
u=\(\frac{λ_A-λ_B}{λ(\frac{1}{n_A}+\frac{1}{n_B})}\)

代入しましょう。各値は、
●\(λ_A\)=(群A:傷の数の総和\(T_A\))/(群Aの総和\(n_A\))
=103/120=0.858
●\(λ_B\)=(群B:傷の数の総和\(T_B\))/(群Bの総和\(n_B\))
=274/250=1.096
●λ=\(\frac{T_A+T_B}{n_A+n_B}\)
=\(\frac{103+274}{120+250}\)
=1.019

よって、検定統計量uは
u=\(\frac{λ_A-λ_B}{λ(\frac{1}{n_A}+\frac{1}{n_B})}\)
=\(\frac{0.858-1.096}{1.019×(\frac{1}{120}+\frac{1}{250})}\)
=-2.12

u=|-2.12|=2.12 < 1.96=u(0.05)より
AとBの不良率に差があると言えるとなります。

u管理図と、欠点数の差の検定をまとめた応用事例を解説しました。

まとめ

u管理図の欠点数の差を検定する方法を解説しました。

  • ①不良率の差の検定事例
  • ②正規分布を使った検定統計量で不良率の差の検定を解く


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