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擬水準法の分散分析の注意点【必見】

実験計画法

「直交表の擬多水準法から出る分散分析の値は、元の完全配置実験の分散分析の結果と違いので注意が必要です。

本記事は、2水準系で直交表L16を使って、実際に計算して確かめてみましょう。

本記事のテーマ

擬水準法の分散分析の注意点
もとのデータの分散分析の値と、
擬水準法として直交表を使った分散分析の値は異なる。

擬水準法の分散分析の注意点のテーマ

  • ➀完全配置実験として分散分析する
  • ②擬水準法は一旦多水準に直して分散分析する
  • ③擬水準法(直交表)と完全配置実験の分散分析の比較
  • ④擬水準法の分散分析の注意点

記事の信頼性

記事を書いている私は、実験計画法に磨きをかけていますので、わかりやすく解説します。本記事は、どこに書いていない、私が研究して見つけた本記事限定の内容です。実験計画法の肝なので、必読です!

➀完全配置実験として分散分析する

データを用意する

2水準法の擬水準法として、因子A(3水準),因子B(2水準),因子C(2因子)のデータで考えてみましょう。

3因子から3×2×2=12個のデータです。12個の3因子の三元配置実験として、分散分析します。

B1 B2
A1 C1 -18 42
C2 24 24
A2 C1 18 33
C2 18 63
A3 C1 30 42
C2 18 66

分散分析をする

三元配置実験の分散分析の導出方法は、関連記事を読んでください。

分散分析の結果をまとめます。

完全配置 S φ V F
A 936 2 468 0.6473
B 2700 1 2700 3.734
C 363 1 363 0.502
AB 0 2 0 0
AC 42 2 21 0.029
BC 3 1 3 0.004
e 1446 2 723
5490 11

ST=・・・ 
SA=・・・ 
SA×B=・・・ 
Se=・・・ 
とすらすら式が出るように慣れましょう。

②擬水準法は一旦多水準に直して分散分析する(2水準系)

3因子から3×2×2=12個のデータを4×2×2=16個として多水準法として直交表を使って分散分析をしましょう。擬水準法の分散分析の導出方法です。

因子Aですが、水準は3までですが、A1=A4として4水準に割り当てます。
A4は全体のばらつきが変に大きくならないよう注意しましょう。
よくA1,A2,A3のどれかのデータや平均をA4に割り当てます。

③擬水準法(直交表)と完全配置実験の分散分析の比較

分散分析の解析

実際に分散分析をしましょう。

直交表成分 データ和
割当て 成分1 成分2 平方和
A 1 a 204 228 36
A 2 b 228 204 36
A 3 a b 144 288 1296
B 4 c 96 336 3600
AB 5 a c 216 216 0
AB 6 b c 216 216 0
AB 7 a b c 216 216 0
C 8 d 171 261 506.25
AC 9 a d 207 225 20.25
AC 10 b d 225 207 20.25
AC 11 a b d 213 219 2.25
BC 12 c d 189 243 182.25
e(ABC) 13 a c d 213 219 2.25
e(ABC) 14 b c d 219 213 2.25
e(ABC) 15 a b c d 123 309 2162.25

直交表L16で割り付けた結果を下表にまとめます。

平方和は、
SA=S[1]+S[2]+S[3]=36+36+1296=1368
SB=S[4]=3600
SC=S[8]=506.25
SA×B=S[5]+S[6]+S[7]=0+0+0=0
SA×C=S[9]+S[10]+S[11]=20.25+20.25+2.25=42.75
SB×C=S[12]=182.25
Se=S[13]+S[14]+S[15]=2.25+2.25+2162=2166.75
ST=S[1]+…+S[15]=7866

分散分析表にまとめます。

L16 S φ V F
A 1368 3 456 0.63
B 3600 1 3600 4.98
C 506.25 1 506.25 0.70
AB 0 3 0 0
AC 42.75 3 14.25 0.02
BC 182.25 1 182.25 0.25
e 2166.75 3 722.25
7866 15

なお、因子A(4水準),因子B(2水準),因子C(2水準)の計16データの三元配置実験も同じ分散分析になります。是非確認してみてください。

B1 B2
A1 C1 -18 42
C2 24 24
A2 C1 18 33
C2 18 63
A3 C1 30 42
C2 18 66
A4 C1 -18 42
C2 24 24

黄色枠がA1=A4として同じデータを入れています。

④擬水準法の分散分析の注意点

直交表を使わずに、12個のデータを三元配置実験として分散分析した結果と
擬水準法として直交表L16を使って、16個のデータから分散分析した結果を比較します。

完全配置 擬水準法
S φ V S φ V
A 936 2 468 1368 3 456
B 2700 1 2700 3600 1 3600
C 363 1 363 506.25 1 506.25
AB 0 2 0 0 3 0
AC 42 2 21 42.75 3 14.25
BC 3 1 3 182.25 1 182.25
e 1446 2 723 2166.75 3 722.25
5490 11 7866 15

上表の左右では平方和S、自由度φ、平均平方(不偏分散)V
の値が違います。

擬水準法で分散分析した結果と、そのまま三元配置実験した結果は少し異なる点に注意して下さい。

まとめ

擬水準法の分散分析の注意点について解説しました。

  • ➀完全配置実験として分散分析する
  • ②擬水準法は一旦多水準に直して分散分析する
  • ③擬水準法(直交表)と完全配置実験の分散分析の比較
  • ④擬水準法の分散分析の注意点


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