ヒストグラムから信頼度が計算できる
「ヒストグラムのから信頼度を計算する方法がわからない」、「ヒストグラムにするときの級の間隔をいくらにしたらよいかがわからない」と困っていませんか?
こういう疑問に答えます。
本記事のテーマ
- ①ヒストグラムから信頼度を計算する方法
- ➁ヒストグラムから信頼度を計算してみる
- ➂ヒストグラムの区分間隔はいくらが妥当か?
①ヒストグラムから信頼度を計算する方法
計算方法
計算方法をまとめると、
- データを用意する
- データを用意した級数で区分してヒストグラムを描
- 各区分の故障数から故障率を計算する
- 信頼度Rを計算する
ヒストグラムの級の幅をいくつにするか?
これが、肝ですが、教科書はこう書いてますね。
でも
じゃー、
これを後で実験して確認しましょう。
➁ヒストグラムから信頼度を計算してみる
その前に、教科書に従って、データ数の平方根となるようにヒストグラムを描いて、故障率と信頼度を計算しましょう。
データ100個用意
以下のような、ある製品の故障時間データ100個を用意しました。データは正規分布に従うように乱数を振って準備しました。正規分布による結果の影響は気にしないとしましょう。
115.19 | 79.07 | 172.12 | 119.82 | 129.5 | 114.05 | 113.5 | 73.05 | 51.17 | 101.39 |
33.07 | 119.66 | 144.7 | 93.9 | 62.31 | 61.25 | 119.63 | 102.31 | 104.51 | 152.79 |
103.4 | 132.79 | 94.1 | 51.86 | 100.62 | 146.26 | 120.79 | 107.48 | 122.61 | 103.67 |
150.85 | 113.78 | 83.81 | 63.26 | 123.5 | 125.27 | 81.66 | 86.98 | 117.38 | 145.62 |
113.44 | 90.52 | 146.6 | 107.4 | 108.32 | 77.8 | 107.83 | 140.59 | 99.3 | 142.66 |
88.24 | 59.17 | 142.28 | 105.1 | 27.22 | 60.31 | 97.34 | 124.12 | 104.01 | 118.91 |
78.51 | 70.13 | 136.85 | 133.48 | 122.19 | 138.75 | 93.97 | 109.67 | 115.8 | 75.91 |
86.19 | 69.37 | 48.63 | 125.02 | 79.14 | 125.31 | 71.63 | 132.65 | 140.64 | 131.25 |
41.53 | 139.33 | 114.95 | 105.74 | 142.26 | 88.39 | 101.11 | 86.09 | 126.4 | 114.86 |
106.04 | 110.47 | 105.43 | 139.48 | 64.03 | 81.67 | 110.59 | 85.98 | 92.3 | 68.94 |
データを用意した級数で区分してヒストグラムを描
目安はデータ数100個の平方根なので、10に区分します。
なお、データにおいて、
●最大値max=172.12
●最小値min=27.22
●範囲R=max-min=144.90
●区分R/10=14.49
ですね。これは簡単に解けるハズ。
区分にわけた表を作ります。
区分 | 区分10 | 故障数fi | 残存数ni | 故障確率λi=fi/ni | 信頼度R |
1 | 27.22~41.71 | ?? | ?? | ?? | ?? |
2 | 41.71~56.20 | ?? | ?? | ?? | ?? |
3 | 56.20~70.69 | ?? | ?? | ?? | ?? |
4 | 70.69~85.18 | ?? | ?? | ?? | ?? |
5 | 85.18~99.67 | ?? | ?? | ?? | ?? |
6 | 99.67~114.16 | ?? | ?? | ?? | ?? |
7 | 114.16~128.65 | ?? | ?? | ?? | ?? |
8 | 128.65~143.14 | ?? | ?? | ?? | ?? |
9 | 143.14~157.63 | ?? | ?? | ?? | ?? |
10 | 157.63~172.12 | ?? | ?? | ?? | ?? |
ここで、上表の
●故障数fi →その区分内にいるデータ数
●残存数ni→1つ前の区分の残存数
●故障確率(故障率)λi=fi/ni
●信頼度R=1-fi/n (n=100)
で計算しましょう。
結果は、
区分 | 区分10 | 故障数fi | 残存数ni | 故障確率λi=fi/ni | 信頼度R |
1 | 27.22~41.71 | 3 | 100 | 0.03 | 0.97 |
2 | 41.71~56.20 | 3 | 97 | 0.031 | 0.94 |
3 | 56.20~70.69 | 9 | 94 | 0.096 | 0.85 |
4 | 70.69~85.18 | 10 | 85 | 0.118 | 0.75 |
5 | 85.18~99.67 | 13 | 75 | 0.173 | 0.62 |
6 | 99.67~114.16 | 23 | 62 | 0.371 | 0.39 |
7 | 114.16~128.65 | 18 | 39 | 0.462 | 0.21 |
8 | 128.65~143.14 | 14 | 21 | 0.667 | 0.07 |
9 | 143.14~157.63 | 6 | 7 | 0.857 | 0.01 |
10 | 157.63~172.12 | 1 | 1 | 1 | 0 |
ヒストグラムを描きます。
これで、
●ヒストグラム
●信頼度
が計算できましたね。
➂ヒストグラムの区分間隔はいくらが妥当か?
試験対策なら、これで十分ですが、
でも
じゃー、
なので、区分間隔を3つの場合に振って、調査しましょう。
区分間隔を3つ振って調査
区分を10から
5,10,20の3パターンに振って、
●ヒストグラム
●故障率
を求めてみましょう。
計算結果
計算方法は上と同じで、それを3回繰返すので、計算結果表は割愛します(が、是非やってみてください。Excel使った方が速く計算できますね)。
ヒストグラム
●区分5の場合
●区分10の場合(再掲)
●区分20の場合
3つとも、似たような分布になりましたが、
故障率
区分と故障率の関係をグラフしました。
3本とも、傾向は同じですが、
試験や教科書には書いていませんが、よく考えてヒストグラムを使う必要がありますね。QCプラネッツ自身はヒストグラムは好きじゃありません。理由は、描いた結果の妥当性に手間がかかるから。
まとめ
「ヒストグラムから信頼度が計算できる」を解説しました。
- ①ヒストグラムから信頼度を計算する方法
- ➁ヒストグラムから信頼度を計算してみる
- ➂ヒストグラムの区分間隔はいくらが妥当か?
Warning: count(): Parameter must be an array or an object that implements Countable in /home/qcplanets/qcplanets.com/public_html/wp-content/themes/m_theme/sns.php on line 119