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【重要】検査の誤りがOC曲線へ与える影響がわかる

抜取検査

「試料の不良率p以外にOC曲線のロット合格率L(p)に影響を与える要因はないの?」、など困っていませんか?

こういう疑問に答えます。

本記事のテーマ

検査の誤りがOC曲線へ与える影響がわかる

検査の誤りがOC曲線へ与える影響がわかる

本記事では、試料以外に誤りがある条件を入れた場合を考えます。
本記事限定です。

  • ①OC曲線を描く前提
  • ②試料以外で誤り条件がある場合の例

①OC曲線を描く前提

試料の不良率p以外の不良は考えないことが多い

OC曲線は二項分布の式
L(p)=\( \sum_{r=0}^{c} {}_nC_r p^r (1-p)^{n-r} \)
で作ります。
つまり、
試料の不良率pのみとわかります。

②試料以外で誤り条件がある場合の例

試料の不良率p以外に、例えば検査の誤判定がある場合はどう考えるのでしょうか?

検査の誤判定がある場合を考えます。

検査を誤判定する確率を定義する

●良品を誤って、不良品とする確率と
●不良品を誤って、良品とする確率を
考えます。

●良品を誤って、不良品とする確率=p1
●不良品を誤って、良品とする確率=p2
検査の誤判定はあまり発生しないので、
p1=0.005,p2=0.02くらいとします。

p1,p2は高くても数%以下ですね。そんなに試験で誤判定してはいけませんよね。

また、以下も確認します。
●良品を良品と正しく判定する確率は、 1-p1です。
●不良品を不良品と正しく判定する確率は、 1-p2です。

検査の誤判定がある場合は不良率p’を合成する

検査で不良品と判定する確率p’

●良品を誤って、不良品とする確率=(1-p)p1
●不良品を正しく不良品とする確率=p(1-p2)
の和
(1-p)p1+ p(1-p2)
で表現できます。

良品の試料である確率(1-p)と、誤って不良品と判定する確率p1の積が(1-p)p1。
不良品の試料である確率pと、正しく不良品と判定する確率(1-p2)の積がp(1-p2)。

不良率pを合成

p⇒p’=(1-p)p1+ p(1-p2)
に合成すればよいです。

検査の誤判定がある場合の不良率pを計算する

①p=0.03,p1=0.005,p2=0.02(p1 ②p=0.03,p1=0.02,p2=0.005(p1>p2)の場合の
合成不良率p’を計算します。

①p’=(1-p)p1+ p(1-p2)=(1-0.03)0.005+0.03(1-0.02)
=0.97×0.005+0.03×0.98
=0.03425

②p’=(1-p)p1+ p(1-p2)=(1-0.03)0.02+0.03(1-0.005)
=0.97×0.02+0.03×0.995
=0.04925

p1,p2の大小によって合成不良率p’の値が大きく変わりのがわかります。

合成した不良率p’でOC曲線を見る

①元のp=0.03から p’=0.03425と増加する(p < p’)。
②元のp=0.03から p’=0.04925とと増加する(p < p’)。

合成不良率のよって増加した分、
ロットの合格確率L(p)は低下する
抜取検査

図を見れば、ロットの合格率が低下しているのがわかります。
OC曲線はジェットコースターのように、ロットの合格率が低下するので、わずかな不良率pの増加でも注意が必要です。

検査の誤判定による影響を小さくするために

●良品を誤って、不良品とする確率=p1
●不良品を誤って、良品とする確率=p2
のうち、p1を小さくすることが重要

試料以外の不良を考える際は、モデル式から、試料以外の不良による影響を最小化する方法を考えることが重要です。

1-p &gg; p より
(p=0.03とすると 1-0.03=0.97 &gg; 0.03)

p’=(1-p)p1+ p(1-p2)
=(1-p){p1+\(\frac{p}{1-p}\)}(1-p2)
第2項を無視すると
p’=(1-p)p1
となり、p2よりp1を小さくする方法を考える方がよいとわかります。

●良品を誤って、不良品とする確率=p1
を小さくする!

試料以外の不良を考える際は、モデル式から、試料以外の不良による影響を最小化する方法を考えることが重要です。

試料以外の不良を考える場合は、①不良率を合成します。
②OC曲線でロット不良率低下の影響を見ます。
③試料以外の不良による影響を最小化することを考えます。

まとめ

試料以外の誤りがある場合の不良率やOC曲線への影響を解説しました。抜取検査やOC曲線を使った応用問題として理解してください。

  • ①OC曲線を描く前提
  • ②試料以外で誤り条件がある場合の例


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